JP2015537061A - 発光性ランタニド錯体並びに該発光性錯体を含有する物品及びインク - Google Patents
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Abstract
発光性ランタニド錯体及び該錯体を含有するインク並びにその製造方法及び該錯体を含む物品であって、該錯体が次式:(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し、Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され、RはC5〜C6ヘテロアリールであり、Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり、nは3又は5の整数であり、xは0又は1の整数である)を含む。【選択図】なし
Description
[発明の分野]
[0001]本発明は、価値のあるセキュリティ文書、包装又は物品の分野に関し、そのような価値のある文書、包装又は物品のセキュリティレベルの向上を意図する。本発明は、好ましくは、発光性(luminescent)ランタニド錯体を含む組成物を塗布又は印刷することができる紙ベースの文書又は基材に関する。
[0001]本発明は、価値のあるセキュリティ文書、包装又は物品の分野に関し、そのような価値のある文書、包装又は物品のセキュリティレベルの向上を意図する。本発明は、好ましくは、発光性(luminescent)ランタニド錯体を含む組成物を塗布又は印刷することができる紙ベースの文書又は基材に関する。
[発明の背景]
[0002]通貨、パスポート、身分証明書などの安全保護文書の偽造が、世界中で増加している。この状況は、政府及び一般社会にとって非常に深刻な問題である。例えば、犯罪組織が偽造パスポート又は偽造身分証明書を人身売買に使用する可能性がある。複写技術が精巧さを増すにつれ、偽造文書と原本との間で明確な区別をつけるのがさらに困難になっている。したがって、文書のセキュリティが、諸国の経済、また偽造文書を伴う違法売買の被害者に相当な影響を及ぼす。
[0002]通貨、パスポート、身分証明書などの安全保護文書の偽造が、世界中で増加している。この状況は、政府及び一般社会にとって非常に深刻な問題である。例えば、犯罪組織が偽造パスポート又は偽造身分証明書を人身売買に使用する可能性がある。複写技術が精巧さを増すにつれ、偽造文書と原本との間で明確な区別をつけるのがさらに困難になっている。したがって、文書のセキュリティが、諸国の経済、また偽造文書を伴う違法売買の被害者に相当な影響を及ぼす。
[0003]パスポート及び身分証明書は、一般に、多数の保護機能、例えば、ホログラム、バーコード、暗号化データ、特殊な紙又は基材などを含有する安全保護文書である。肉眼に見える保護機能(「顕在的な(overt)」機能)もあり、見えない保護機能(「潜在的な(covert)」機能)もあり、それらの検出には特殊な装置が必要となる。
[0004]銀行券、信託文書などの価値ある権益を有する紙関連文書、又は最近では高等学校並びにカレッジ及び大学からの卒業証書などの卒業証書でさえ、非常に偽造の対象となりやすい。大学又はカレッジ又は高等学校においては、例えば、紙製の卒業証書のセキュリティレベルは、不正な複製を防止するのに十分ではない。そのような文書においては、制限要素としてカレッジ若しくは大学又は高等学校のスタンプが、ついには、セキュリティ機能としてホログラムが、ごく頻繁に見出される。しかしながら、ホログラムは、印刷技術が精巧さを増すにつれ、容易な複製を受けやすくなっている。このことが、カレッジ若しくは大学又は高等学校のスタンプを含むそのような有価文書を偽造者が複製することを可能にしている。
[0005]そのような流用を防止するために、そのような文書、とりわけ紙製の文書を保護するための代替手段を見出す必要がある。発光性化合物を含むセキュリティインクがそのような流用を防止することが知られており、ごく頻繁に、インクジェット組成物が有価文書を保護するために使用される。
[0006]参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0225402A1号においては、紫外発光性インクの使用が開示されており、このインクは証印の形態で文書に印刷される。紫外発光性インクは、証印がUV光による照射のもとでのみ現れ得るように、自然光のもとでは見えない。この紫外発光性インクは、パスポートや銀行券などのセキュリティ文書に暗号を適用するのに有用である。該引用文献においては、シルクスクリーン、グラビア印刷、凸版印刷及びオフセット印刷を含めた印刷プロセスが、見えない紫外蛍光性インクを塗布するのに使用される。
[0007]顔料形態の発光性化合物が、インク及びその他の製剤において広く使用されてきた(米国特許第6,565,770号、国際公開第2008/033059A2号パンフレット、国際公開第2008/092522A1号を参照)。発光性顔料の例は、ある種のクラスの無機化合物、例えば、遷移金属又は希土類イオンから選択される少なくとも1つの発光性陽イオンでドープされた、非発光性陽イオンの硫化物、酸硫化物、ホスフェート、バナデート、ガーネット、スピネル等において見出すことができる。
[0008]インクにおいて発光を生じるのに有用な別のクラスの化合物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2009/005733A1号及びそのファミリーメンバー米国特許出願公開第2009/0000509A1号において、又は米国特許第7,108,742号において記載されているような特定の希土類金属錯体により形成される。
[0009]安全保護文書に発光性化合物、特に発光性希土類金属錯体をインプリントするための特定の方法は、インクジェット印刷、より詳細にはサーマルインクジェット印刷である。サーマルインクジェットプリンターは、フォトリソグラフィーにより構築された、一連の微小な電気加熱チャンバを有するプリントカートリッジを用いる。画像を生成するには、プリンターは各チャンバの後部に配置された発熱体を通じて電流パルスを送り、チャンバ内で水蒸気爆発を生じさせて、気泡を形成し、気泡が、インク滴をチャンバの開口からその前にある紙に推進する(したがって、ある種のインクジェットプリンターでは商品名バブルジェット(Bubblejet)(登録商標)である)。インクの表面張力、並びに蒸気泡の凝縮及びそれに伴う収縮により、インクタンクに取り付けられた狭いチャネルを通じてチャンバ内に追加量のインクが引き込まれる。
[0010]使用されるインクは水性であり(すなわち、顔料又は染料を含む水性インク)、プリントヘッドは一般に他のインクジェット技術に必要な装置よりも安く製造される。しかしながら、その寿命は短く、プリントヘッドは一般に空のインクカートリッジと共に交換される。
[0011]インクジェットプリンターが遭遇する主要な問題は、プリントヘッドのノズルにおけるインクの乾燥であり、顔料及び/又は染料に微細なインク開口を詰まらせる固体の沈着物を形成させる。ほとんどのプリンターは、プリンターの不使用時に、プリントヘッドノズルをゴムキャップで自動的に被覆することにより、この乾燥を防止する。しかしながら、突然の電力消失、又はプリンターがプリントヘッドのキャッピングをする前にプリンターのプラグを抜くことで、プリントヘッドが乾燥し得る。さらに、キャッピングされた場合でも、この密封は完璧ではないため、数週間の期間にわたると、ノズル内のインクが乾燥しノズルを詰まらせる場合がある。インクがノズル内で乾燥し始めると、滴下量が影響を受けたり、滴下軌道が変化する場合があったり、ノズルがインクを全く噴出しなくなる場合があったりする。
[0012]希土類金属錯体を含む発光性インクジェットインクの場合、水中における錯体の安定性がノズル閉塞を避けるために重要である。早すぎる乾燥を防止するために、水又は溶媒を加えて、インクを十分に希釈することは、明白な解決策である。しかしながら、水又は溶媒による希釈は、そのようなインクで印刷されたセキュリティ文書の発光強度(及びそれに伴い、検出の容易さ)を低減させる。
[0013]インクジェットプリンター(紙製の価値のあるセキュリティ文書又は包装を印刷するのに非常に頻繁に用いられる)と共に、例えば水性インク組成物に使用されるときの発光性顔料を含むインクを使用する際に、やはり非常に頻繁に遭遇する別の問題は、発光性顔料の安定性並びにプリンターのノズル内におけるコゲーション(Kogation)又は析出などの既知の機構によるインクの劣化である。
[0014]希土類金属錯体は、インクジェットインクに発光性を付与する非常に有用な方法となり得るが、ノズル内におけるインク乾燥の問題が、インクジェットカートリッジを完全に使い切ることを不可能にすることがよくあり、そのようにインクカートリッジの消費コストを増加させる。このことは、そのような「使用済みの」カートリッジにより生じる「リサイクル」問題に起因する環境保護上及びセキュリティ上の影響だけではなく、印刷コストに対する無視できない影響も有する。
[0015]参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0307376A1号は、ランタニドキレート及びランタニドキレートを含有する安全保護文書に関し、多くの利点をもたらし、先行技術の欠点の多く、とりわけ安定性、早すぎる乾燥及びコゲーションから生じる欠点を克服している。
[0016]そのような発光性インクに対する相当な関心にもかかわらず、全ての発光性インクが紙の表面に付着する性質があるわけではないので、保護しなければならない紙が依然として問題である。さらに、より問題であるのが、紙タイプの文書又は物品に印刷する際に使用されるインクが紙に高レベルのセキュリティを与えないという事実である。そのようなインク中に存在するセキュリティ要素は、紙に印刷されたとき、完全に現れないか、該要素のシグナルが比較的弱いままであり、そのため紙タイプの真正の文書又は物品を十分に認識できない。
[0017]したがって、紙基材に印刷されたときに高レベルのセキュリティをもたらすことを可能にし、水系インク組成物に含まれる、複製困難な特定の発光性プロファイルを有するセキュリティ要素の効率的なレベルの認識を可能にし、またインクジェットプリンターのノズル内部における不安定性、コゲーション及び析出の欠点を回避する特定の選択された水系組成物を有することが依然として必要である。
[0018]したがって、希土類金属錯体に基づく発光性インクジェットインクの効率的な使用を促進して、したがってインクカートリッジの全寿命にわたって正確に印刷及び保護されたセキュリティ文書を得るために、上述した問題を解決する必要が依然として決定的にある。
[発明の概要]
[0019]本発明は、上記の欠点を以下により克服する。
a)インクカートリッジの全寿命にわたって、価値のある紙文書の効率的なマーキングのために特定の発光性プロファイルを有する安定で高レベルの発光性をもたらし、発光性並びに発光性プロファイルの容易及び効率的な認識を可能にすること、及び
b)インクカートリッジを完全に使い切ることを不可能にするノズル閉塞を回避すること。
[0019]本発明は、上記の欠点を以下により克服する。
a)インクカートリッジの全寿命にわたって、価値のある紙文書の効率的なマーキングのために特定の発光性プロファイルを有する安定で高レベルの発光性をもたらし、発光性並びに発光性プロファイルの容易及び効率的な認識を可能にすること、及び
b)インクカートリッジを完全に使い切ることを不可能にするノズル閉塞を回避すること。
[0020]前記のことが、次式の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含む水性インクジェット組成物を提供することにより達成される。
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり;
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり;
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
[0021]以下の式によるランタニド錯体もまた提供される:
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり:
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり、前記C3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は環内に好ましくは少なくとも窒素原子を保持し、前記窒素原子はRに連結されており;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり:
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり、前記C3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は環内に好ましくは少なくとも窒素原子を保持し、前記窒素原子はRに連結されており;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
[0022]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、1:3の正確な定比を有する再結晶生成物であってもよい。
[0023]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、1:5の正確な定比を有する再結晶生成物であってもよい。
[0024]遊離形態の過剰なR成分がインク中に存在しないことが好ましい。
[0025]錯体のCl−量は、少なくとも1種の発光性ランタニド錯体の総重量に対して0.1重量%を超えないことが好ましい。
[0026]錯体のCl−量は、錯体の総重量に対して0.1重量%〜0.25重量%の間であってもよい。
[0027]水性インク組成物は少なくとも1種の吸湿性物質を含むことができ、組成物の総重量に対して、5〜45重量%の少なくとも1種の吸湿性物質などを含むことができる。
[0028]少なくとも1種の吸湿性物質は、第一級、第二級又は第三級アルコール、ラクタム、グリコールポリマー、グリコール、及び環状スルホン、並びにこれらの混合物から選択することができる。
[0029]少なくとも1種の吸湿性物質は、DL−ヘキサン−1,2−ジオール、2−ピロリドン、スルホラン、テトラメチレンスルホキシド、ガンマ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−プロパンジオール、ペンタンジオール、1,2ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、及びブタノール、並びにこれらの混合物から選択することができる。
[0030]水性インク組成物は、少なくとも1種の可視の染料又は顔料を含むことができ、組成物の総重量に対して、1〜15重量%の少なくとも1種の可視の染料又は顔料などを含むことができる。
[0031]少なくとも1種の可視の染料又は顔料は、モノアゾ及び/又はジスアゾ染料、モノアゾCu錯体染料から選択することができる。
[0032]水性インク組成物は、組成物の総重量に対して、1〜15重量%の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含有することができる。
[0033]Rは、ピリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、又はピラジンであってもよい。
[0034]結合した少なくとも1つのカルボン酸基と一緒になったRは、ジピコリン酸及び/又は4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸とすることができ、Lnは、ユーロピウム(Eu3+)及び/又はテルビウム(Tb3+)の3価のイオンから選択することができる。
[0035]Yは、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピロリジンオン、ピロリジン−2−チオン、チオモルホリン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、アゼパン、又はアゾカン部分とすることができる。
[0036]C3〜C8ヘテロシクロアルキルは、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで置換されていてもよい。
[0037]該水性インク組成物を含む物品もまた提供される。
[0038]該水性インク組成物で作製された少なくとも1つの層を備えるセキュリティ文書もまた提供される。
[0039]アルカリ陽イオンMの存在下で、1当量の3価の又は5価のランタニドイオンLnの前駆体化合物を3又は5当量のR成分と反応させて、錯体を中和することを含む、該少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を得る方法もまた提供される。
[0040]3価のランタニドイオンLnの前駆体化合物は、酸化物Ln2O3、塩化物LnCl3、炭酸塩Ln2(CO3)3及び酢酸塩Ln(CH3COO)3からなる群から選択することができる。
[0041]R成分は、必要量の塩基と共に遊離酸H2Aとして、又はモノアルカリ塩HMAとして、又はジアルカリ塩M2Aとして使用することもできる。
[0042]錯体の成分は水溶液中で合わせることができ、生じた錯体は反応の副生物から分離されるように再結晶することができる。
[0043]物品は、銀行券、パスポート、セキュリティ文書、有価文書、卒業証書、信託文書、包装、チケット、箔、糸、ラベル又は商品とすることができる。
[0044]物品は紙物品であってもよい。
[0045]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、再結晶生成物であってもよい。
[0046]mが3であること及び/又はxが1であることが好ましい。
[0047]置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は、それを介してYがRに連結されているN原子に加えて少なくとも1個のN原子を含むことができる。
[0048]置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は、少なくとも1個のO原子を含んでいてもよい。
[0049]発光性ランタニド錯体は、電磁スペクトルの紫外及び/又は青色領域において吸収し得る。これらのランタニド錯体における発光放出は、f殻内遷移、例えば:Eu(3+)についての5D0→7F1及び5Do→7F2に起因し得る。
[0050]本発明によると、R基が大過剰である希土類イオン塩の溶液よりも、ニートの発光性ランタニド錯体の定比錯体を使用することが好ましい。このことは、希土類イオンと非常に安定な陰イオン錯体を形成するR基で可能であり、その結果、水溶液中で加熱時に解離(加水分解又は熱分解)が起こらない。加水分解は、析出物及びそれに伴うノズル閉塞を顕著に生じるであろう。
[0051]したがって、本発明によると、ニートの発光性ランタニド錯体を使用することが好ましい。そのようなニートの錯塩を使用することで、インク中の不必要な過剰の遊離R基が避けられ、したがってインクの全固形分が低減され、それと共にコゲーション又は乾燥によりインクジェットノズルを閉塞させる(詰まらせる)インクの傾向が低減される。
[0052]本発明のこれらの及びその他の特徴及び利点が、以下の詳細な説明を読むことで当業者により、より容易に理解されよう。明瞭さのために個別の実施形態の文脈において上述した及び後述する本発明の特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈において記載した本発明の多様な特徴が、個別に又は任意の部分組合せにおいて提供されてもよい。さらに、範囲で記述した値の言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
[発明の詳細な説明]
[0053]本発明によると、以下の式によるランタニド錯体が提供される:
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり:
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
さらに、次式の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含む水性インクジェット組成物が提供される:
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり;
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
[0053]本発明によると、以下の式によるランタニド錯体が提供される:
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり:
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
さらに、次式の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含む水性インクジェット組成物が提供される:
(式中、Mは、アルカリ陽イオンLi+、Na+、K+、Rb+及びCs+並びにこれらの混合物から選択され、錯体の電荷を中和するために存在し;
Lnは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbの3価の希土類陽イオン並びにこれらの混合物から選択され;
RはC5〜C6ヘテロアリールであり;
Yは、N原子によってRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり;
nは3又は5の整数であり;
xは0又は1の整数である)。
[0054]Rは、好ましくはピリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、又はピラジンである。例えば、結合した少なくとも1つのカルボン酸基と一緒になったRは、例えば、ジピコリン酸、4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸、4−アミノ−ピリジン−2,6−ジカルボン酸、4−エトキシピリジン−2,6−ジカルボン酸、4−イソプロポキシピリジン−2,6−ジカルボン酸及び/又は4−メトキシピリジン−2,6−ジカルボン酸、好ましくはジピコリン酸及び/又は4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸とすることができる。
[0055]Yは、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピロリジンオン、ピロリジン−2−チオン、チオモルホリン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、アゼパン、又はアゾカン部分であることが好ましい。好ましくは、Yは、メチル、エチル、イソプロピルなどのC1〜C6アルキル、又はメトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどのC1〜C6アルコキシで置換されていてもよい。
[0056]ランタニドイオンは、ユーロピウム(Eu3+)及び/又はテルビウム(Tb3+}であることが好ましい。ジピコリン酸(dipolinic acid)又は4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸を、ユーロピウム(Eu3+)と組み合わせて使用することが好ましい。
[0057]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、再結晶生成物であることが好ましい。
[0058]mが1であること及び/又はxが1であることが好ましい。
[0059]置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は、それを介してYがRに連結されているN原子に加えて少なくとも1個のN原子を含んでいてもよい。さらに、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分は、少なくとも1個のO原子を含む。
[0060]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を得る方法もまた提供される。この方法は、アルカリ陽イオンMの存在下で、1当量の3価の又は5価のランタニドイオンLnの前駆体化合物を3又は5当量のR成分と反応させ、錯体を中和するステップを含み得る。
[0061]ランタニドイオンLnの前駆体化合物は、Ln2O3、LnCl3、Ln2(CO3)3及びLn(CH3COO)3などの酸化物、塩化物、炭酸塩及び酢酸塩からなる群から選択することができる。
[0062]R成分は、必要量の塩基と共に遊離酸H2Aとして、又はモノアルカリ塩HMAとして、又はジアルカリ塩M2Aとして使用することができる。
[0063]錯体の成分は水溶液中で合わせることができ、生じた錯体は、反応の副生物から分離されるように、再結晶することができる。
[0064]例えば、錯塩の成分を水溶液中で合わせる、例えば、
EuC13+3Na2(dpa)→Na3[Eu(dpa)3]+3NaCl
であり、生じた錯塩は反応の副生物、例えばNaClから分離されるように好ましくは再結晶させるが、こうした副生物は、本発明の目標、すなわち固形物が可能な限り少ないインクを達成するのに望ましくない。
EuC13+3Na2(dpa)→Na3[Eu(dpa)3]+3NaCl
であり、生じた錯塩は反応の副生物、例えばNaClから分離されるように好ましくは再結晶させるが、こうした副生物は、本発明の目標、すなわち固形物が可能な限り少ないインクを達成するのに望ましくない。
[0065]Yが、N原子によりRに連結されている、置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であるランタニド錯体が特に有利である。そのようなランタニド錯体は、複数の発光帯、例えば、2つの発光帯、例えば、230nm〜275nm周辺、例えば254nmの波長における1つの発光帯、及び340〜375nm周辺、例えば366nmの波長における別の発光帯を有し得る。2つの発光帯又は2つ以上の発光帯を有することが可能なランタニド錯体は、ランタニド錯体に伴うより複雑な発光測定手段を有することにより、より良好な偽造防止技術の能力をもたらす。
[0066]再結晶プロセスの利点は、副生物含有量が最小である発光性ランタニド錯体を提供することである。このことは、錯体の溶解度及び乾燥又はコゲーション現象に影響を与える。好ましい実施形態では、発光性ランタニド錯体と共に存在するCl−の濃度が、錯塩の総重量の0.1%未満のCl−であるか、錯塩の総重量の0.17%未満のNaClである。高品質のプリントを得るためには、発光性ランタニド錯体の最終の塩化物含有量は、0.1重量%を超えるべきではない。許容可能な程度のプリント品質の場合には、錯塩の塩化物含有量は、発光性ランタニド錯体の0.1重量%〜0.25重量%の間であってもよい。
[0067]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、好ましくは、1:3の正確な定比又は1:5の正確な定比を有する再結晶生成物とすることができる。
[0068]少なくとも1種の発光性ランタニド錯体は、水性インク組成物中に含まれることが好ましい。水性インク組成物は、組成物の総重量に対して、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは1〜8重量%、さらにより好ましくは1〜3重量%の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含有する。
[0069]遊離形態の過剰なR成分がインク中に存在しないことが好ましい。
[0070]印刷プロセス中に本発明による水性インク組成物の早すぎる乾燥を防止するために、本発明の水性インクジェットインクは、少なくとも1種の吸湿性物質をさらに含んでもよい。少なくとも1種の吸湿性物質は、組成物の総重量に対して、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜45重量%、さらにより好ましくは20〜45重量%の少なくとも1種の吸湿性物質の濃度で存在する。少なくとも1種の吸湿性物質は、第一級、第二級又は第三級アルコール、ラクタム、グリコールポリマー、グリコール、及び環状スルホン、並びにこれらの混合物から選択することができる。例えば、少なくとも1種の吸湿性物質は、好ましくは、DL−ヘキサン−1,2−ジオール、2−ピロリドン、スルホラン、テトラメチレンスルホキシド、ガンマ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−プロパンジオール、ペンタンジオール、1,2ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、及びブタノール、並びにこれらの混合物から選択することができる。
[0071]水性インク組成物は、好ましくは少なくとも1種の可視の染料又は顔料も含んでもよく、組成物の総重量に対して、1〜15重量%の少なくとも1種の可視の染料又は顔料などを含んでもよい。少なくとも1種の可視の染料又は顔料は、モノアゾ及び/又はジスアゾ染料、モノアゾCu錯体染料から選択することができる。そのような染料の例は、CIBA社によりイルガスパースジェット(IRGASPERSE Jet)(登録商標)の名称のもとで製造されるものであり得る。
[0072]インプリントされるセキュリティ文書の性質に依存して、本発明による印刷インクは、通常の添加剤、例えば、殺菌剤、殺生物剤界面活性剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、共溶媒又は例えばアクリレートバインダーなどのバインダーなどを、これらの添加剤について通常の量でさらに含んでもよい。
[0073]水性インク組成物を物品上に直接、又は基材上、例えば物品に付随するラベル及び/又は包装上に含む物品もまた提供される。例えば、本発明による水性インクは、銀行券、パスポート、セキュリティ文書、有価文書、チケット、箔、糸、ラベル、カード、卒業証書、信託文書、包装、又は商品などの物品を認証するために使用することができる。例えば、本発明によるインクで作製された少なくとも1つの層を備えるセキュリティ文書を提供することができる。
[0074]本発明によるインクは、紙物品や紙ラベルなどの紙に印刷するのに特に有用である。
[0075]本発明による水性インクは、価値のある製品、包装又は文書のコーディング及びマーキングに効率的なインクジェット印刷技術であるサーマルインクジェット印刷に特に適している。したがって、インク組成物は、サーマルインクジェット印刷用途の配合物であることが好ましい。
[0076]本発明を以下の非限定的な実施例によりさらに例示する。百分率は重量による。別段の指示がない限り、全ての用語がその最も広い妥当な意味を表す以下の特許請求の範囲及びその等価物により規定されることを意図した、これらの実施例の趣旨及び範囲内で、多くの変形形態が可能であることを当業者は認識されよう。
[0077]本発明を以下の非限定的な実施例によりさらに例示する。別段の指示がない限り百分率は重量による。別段の指示がない限り、全ての用語がその最も広い妥当な意味を表す以下の特許請求の範囲及びその等価物により規定されることを意図し、これらの実施例の趣旨及び範囲内で、多くの変形形態が可能であることを当業者は認識されよう。
参考例1
[0078]4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸(Cldpa)の合成
120℃におけるジクロロフェニルホスフィンオキシド(1.492mol、290.8g)の溶液に、撹拌下、ケリダム酸(0.373mol、75.0g)をゆっくりと添加する。不活性雰囲気下で、反応混合物を120℃で2時間加熱する。泡の速すぎる形成を避けるように注意する。80℃での冷却後、反応混合物をH20(1L)に注ぐ。徐々に注ぐことで、反応混合物が固体になり得る。固体をろ過し、H20で2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(97%)。
1H NMR[(CD3)2SO]:δ8.24(s,2H)
[0078]4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸(Cldpa)の合成
120℃におけるジクロロフェニルホスフィンオキシド(1.492mol、290.8g)の溶液に、撹拌下、ケリダム酸(0.373mol、75.0g)をゆっくりと添加する。不活性雰囲気下で、反応混合物を120℃で2時間加熱する。泡の速すぎる形成を避けるように注意する。80℃での冷却後、反応混合物をH20(1L)に注ぐ。徐々に注ぐことで、反応混合物が固体になり得る。固体をろ過し、H20で2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(97%)。
1H NMR[(CD3)2SO]:δ8.24(s,2H)
実施例2
[0079]4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(Pyrrodpa)の合成
4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.238mol、48.0g)を、室温でピロリジン(0.952mol、67.8g)の溶液に撹拌下ゆっくりと添加する。局所的な温度上昇につながる速すぎる添加を避けるように注意する。固体の沈殿を観察する。反応混合物を120℃で2時間加熱する。徐々に加熱することで、反応混合物が固体となる。60℃で冷却後、H20(80ml)を加え、固体が完全に溶解するまで、混合物を30分間撹拌する。次いで溶液をHCl(2M)でpH=1まで酸性化する。形成された沈殿物をろ過し、H2Oで2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(93%)。
1H NMR[(CD3)2SO]:δ7.25(s,2H)、3.44(t,4H)、2.01(t,4H)
[0079]4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(Pyrrodpa)の合成
4−クロロピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.238mol、48.0g)を、室温でピロリジン(0.952mol、67.8g)の溶液に撹拌下ゆっくりと添加する。局所的な温度上昇につながる速すぎる添加を避けるように注意する。固体の沈殿を観察する。反応混合物を120℃で2時間加熱する。徐々に加熱することで、反応混合物が固体となる。60℃で冷却後、H20(80ml)を加え、固体が完全に溶解するまで、混合物を30分間撹拌する。次いで溶液をHCl(2M)でpH=1まで酸性化する。形成された沈殿物をろ過し、H2Oで2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(93%)。
1H NMR[(CD3)2SO]:δ7.25(s,2H)、3.44(t,4H)、2.01(t,4H)
実施例3
[0080]4−モルホリノ−ピリジン−2,6−ジカルボン酸(Morphodpa)の合成
4−クロロ−ピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.025mol、5.0g)を、室温でモルホリン(0.250mol、21.6g)の溶液に撹拌下ゆっくりと添加する。局所的な温度上昇につながる速すぎる添加を避けるように注意する。固体の沈殿が観察される。反応混合物を120℃で2時間加熱する。徐々に加熱することで、反応混合物が固体となる。60℃での冷却後、H20(80ml)を加え、固体が完全に溶解するまで、混合物を30分間撹拌する。次いで溶液を2M HClでpH=1まで酸性化する。形成した沈殿物をろ過し、H2Oで2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(70%)。
1H NMR[(CD3)2SO] δ:7.59(s,2H)、3.72(t,4H)、3.44(t,4H)
[0080]4−モルホリノ−ピリジン−2,6−ジカルボン酸(Morphodpa)の合成
4−クロロ−ピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.025mol、5.0g)を、室温でモルホリン(0.250mol、21.6g)の溶液に撹拌下ゆっくりと添加する。局所的な温度上昇につながる速すぎる添加を避けるように注意する。固体の沈殿が観察される。反応混合物を120℃で2時間加熱する。徐々に加熱することで、反応混合物が固体となる。60℃での冷却後、H20(80ml)を加え、固体が完全に溶解するまで、混合物を30分間撹拌する。次いで溶液を2M HClでpH=1まで酸性化する。形成した沈殿物をろ過し、H2Oで2回洗浄し、70℃で一夜乾燥させる(70%)。
1H NMR[(CD3)2SO] δ:7.59(s,2H)、3.72(t,4H)、3.44(t,4H)
実施例4
[0081]Na3[Eu(Pyrrodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.042mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いでEuCl3・6H2O(0.014mol、5.2g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加えて、錯体を沈殿させ、次いで混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
[0081]Na3[Eu(Pyrrodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.042mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いでEuCl3・6H2O(0.014mol、5.2g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加えて、錯体を沈殿させ、次いで混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
実施例5
[0082]Na3[Tb(Pyrrodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.042mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、TbCl3・6H2O(0.014mol、5.3g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
[0082]Na3[Tb(Pyrrodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−ピロリジノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.042mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、TbCl3・6H2O(0.014mol、5.3g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
実施例6
[0083]Na3[Eu(Morphodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−モルホリノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.040mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、EuCl3・6H2O(0.013mol、4.8g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
[0083]Na3[Eu(Morphodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−モルホリノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.040mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、EuCl3・6H2O(0.013mol、4.8g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
実施例7
[0084]Na3[Tb(Morphodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−モルホリノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.040mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、TbCl3・6H2O(0.013 mol、4.9g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
[0084]Na3[Tb(Morphodpa)3]×nH2Oの合成
2M NaOHの溶液を、4−モルホリノピリジン−2,6−ジカルボン酸(0.040mol、10.0g)の蒸留水(85ml)中懸濁液に加え、pHを調整し(pH約8)、その結果反応混合物が完全に溶解する。次いで、TbCl3・6H2O(0.013 mol、4.9g)のH2O(10ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。撹拌後、混合物をまず2M NaOH(pH約8)で中和し、次いで50℃まで加熱する。その温度に達したら、澄明な溶液が得られるまでH2Oを加える。アセトン(約2×VH2O)を続いて加え、錯体を沈殿させて、混合物を室温まで冷却する。沈殿物を最終的にろ過し、アセトンで洗浄して、70℃で一夜乾燥させる。
実施例8
[0085]本発明による錯体を含有するインクの配合例:
[0085]本発明による錯体を含有するインクの配合例:
[0086]蛍光レッドを有するブラック(254nm及び366nmでの励起):
脱イオン水(40.5g)溶液に、2−ピロリドン5g)及び1,2−ヘキサンジオール(2.5g)を加える。均一な溶液を得るために該溶液を500〜600rpmで撹拌する。2gのNa3[Eu(Pyrrodpa)3]×nH2Oを該溶液に加え、次いで錯体が完全に可溶化するまで40℃で加熱する。該溶液を周囲温度に冷却した後、イルガスパース(登録商標)ジェットシアン(Cyan)RL(18g)、イルガスパース(登録商標)ジェットイエロー(yellow)RL(13.65g)及びイルガスパース(登録商標)ジェットマゼンタ(Magenta)B(4.35g)を加え、混合物を500〜600rpmで20分前後撹拌する。撹拌後、該溶液をろ過して、不溶性化合物及び未反応物を全て除去する。
脱イオン水(40.5g)溶液に、2−ピロリドン5g)及び1,2−ヘキサンジオール(2.5g)を加える。均一な溶液を得るために該溶液を500〜600rpmで撹拌する。2gのNa3[Eu(Pyrrodpa)3]×nH2Oを該溶液に加え、次いで錯体が完全に可溶化するまで40℃で加熱する。該溶液を周囲温度に冷却した後、イルガスパース(登録商標)ジェットシアン(Cyan)RL(18g)、イルガスパース(登録商標)ジェットイエロー(yellow)RL(13.65g)及びイルガスパース(登録商標)ジェットマゼンタ(Magenta)B(4.35g)を加え、混合物を500〜600rpmで20分前後撹拌する。撹拌後、該溶液をろ過して、不溶性化合物及び未反応物を全て除去する。
[0087]得られた蛍光レッドインクを有するブラックをHP45カートリッジに入れ、960Cxi、970Cxi、980Cxi又は990Cxiシリーズのデスクジェット(Deskjet)プリンターで使用した。fisher Bioblock Scientific VL−4.LCランプを用いて蛍光を確認し、良好に視認できる。インクの安定性を評価するために、2つの試験を実施する:
200ページを連続で印刷し、その後2〜4日間中断し、さらに400ページの印刷を再開すること。
1週間後、2週間後、3週間後、4週間後及びその後6カ月の期間にわたって4週おきに短いプリント試験を行う。
200ページを連続で印刷し、その後2〜4日間中断し、さらに400ページの印刷を再開すること。
1週間後、2週間後、3週間後、4週間後及びその後6カ月の期間にわたって4週おきに短いプリント試験を行う。
[0088]安定性試験中に、本発明によるインクで印刷及び乾燥の問題は予期されない。全ての場合に、本発明の化合物の蛍光強度は、非常に満足なレベルにおいて変化しないままであることが予期され得る。
[0089]前述の実施例は、本発明の特徴のいくつかを例示しているに過ぎない。添付の特許請求の範囲は、思い付いた同程度に広範に本発明を主張することを意図しており、本明細書において提示した実施例は、多種多様な全ての可能である実施形態から選択された実施形態の例示である。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の特徴を例示するために利用した実施例の選択により限定されるべきではないことが出願人の意図である。
Claims (43)
- 少なくとも1種の発光性ランタニド錯体が1:3の正確な定比を有する再結晶生成物である、請求項1に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の発光性ランタニド錯体が1:5の正確な定比を有する再結晶生成物である、請求項1に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 遊離形態の過剰な配位子R成分がインク中に存在しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 錯体のCl−量が錯体の総重量に対して0.1重量%を超えない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 錯体のCl−量が錯体の総重量に対して0.1重量%〜0.25重量%の間である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の吸湿性物質をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の可視の染料又は顔料をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 組成物の総重量に対して、1〜15重量%の少なくとも1種の発光性ランタニド錯体を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 組成物の総重量に対して、5〜45重量%の少なくとも1種の吸湿性物質を含有する、請求項7に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 組成物の総重量に対して、1〜15重量%の少なくとも1種の可視の染料又は顔料を含有する、請求項8に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の吸湿性物質が、第一級、第二級又は第三級アルコール、ラクタム、グリコールポリマー、グリコール、及び環状スルホン、並びにこれらの混合物から選択される、請求項7〜11のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の吸湿性物質が、DL−ヘキサン−1,2−ジオール、2−ピロリドン、スルホラン、テトラメチレンスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−プロパンジオール、ペンタンジオール、1,2ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、及びブタノール、並びにこれらの混合物から選択される、請求項7〜11のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 少なくとも1種の可視の染料又は顔料が、モノアゾ及び/又はジスアゾ染料、モノアゾCu錯体染料から選択される、請求項8に記載の水性インクジェットインク組成物。
- Rが、ピリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、又はピラジンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 結合した少なくとも1つのカルボン酸基と一緒になったRが、ジピコリン酸及び/又は4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸であり、Lnが、ユーロピウム(Eu3+)及び/又はテルビウム(Tb3+)の3価のイオンから選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- ランタニド錯体のY基が、環内に少なくとも窒素原子を保持する置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり、前記窒素原子がRに連結されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- Yが、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピロリジンオン、ピロリジン−2−チオン、チオモルホリン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、アゼパン、又はアゾカン部分である、請求項17に記載の水性インクジェットインク組成物。
- C3〜C8ヘテロシクロアルキルがC1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで置換されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 請求項1〜19のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物を含む物品。
- 請求項1〜19のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物で作製された少なくとも1つの層を備えるセキュリティ文書。
- 少なくとも3又は5当量のアルカリ陽イオンMの存在下で、1当量の3価又は5価のランタニドイオンLnの前駆体化合物を3又は5当量のR成分と反応させるステップを含む、少なくとも1種の請求項1〜19のいずれか一項に記載の発光性ランタニド錯体を得るための方法。
- 3価のランタニドイオンLnの前駆体化合物が、酸化物Ln2O3、塩化物LnCl3、炭酸塩Ln2(CO3)3及び酢酸塩Ln(CH3COO)3からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
- R成分が、必要量の塩基と共に遊離酸H2Aとして、又はモノアルカリ塩HMAとして、又はジアルカリ塩M2Aとして使用される、請求項22又は23に記載の方法。
- 錯体の成分を水溶液中で合わせ、生じた錯体を再結晶して、反応の副生物から分離する、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 銀行券、パスポート、セキュリティ文書、有価文書、卒業証書、信託文書、包装、チケット、箔、糸、ラベル又は商品である、請求項19に記載の物品。
- 紙物品である、請求項20に記載の物品。
- 少なくとも1種の発光性ランタニド錯体が再結晶生成物である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- m=3である、請求項1〜19及び28のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- x=1である、請求項1〜19、29及び30のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分が、YをRに連結するN原子以外に少なくとも1個のN原子を含む、請求項1〜19及び29〜30のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- 置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分が、少なくとも1個のO原子を含む、請求項1〜19及び29〜31のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク組成物。
- Rが、ピリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、又はピラジンである、請求項33に記載のランタニド錯体。
- 結合した少なくとも1つのカルボン酸基と一緒になったRが、ジピコリン酸及び/又は4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸であり、Lnが、ユーロピウム(Eu3+)及び/又はテルビウム(Tb3+)の3価のイオンから選択される、請求項33又は34に記載のランタニド錯体。
- Y基が、環内に少なくとも窒素原子を保持する置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分であり、前記窒素原子がRに連結されている、請求項33〜35のいずれか一項に記載のランタニド錯体。36 Yが、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピロリジンオン、ピロリジン−2−チオン、チオモルホリン、モルホリン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、アゼパン、又はアゾカン部分である、請求項32〜35のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- 欠番
- C3〜C8ヘテロシクロアルキルが、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで置換されている、請求項33〜37のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- x=1である、請求項33〜38のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- 再結晶生成物である、請求項33〜39のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- m=3である、請求項33〜40のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- 置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分が、YをRに連結するN原子意外に、少なくとも1個のN原子を含む、請求項33〜41のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
- 置換されていてもよいC3〜C8ヘテロシクロアルキル部分が、少なくとも1個のO原子を含む、請求項33〜42のいずれか一項に記載のランタニド錯体。
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