JP2002223698A - 水中油型乳化脂 - Google Patents

水中油型乳化脂

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトルト加熱処理等の高温殺菌を行っても褐
変、乳化破壊、風味劣化が生じることがなく、乳本来の
優れた風味を有するホワイトソース等の食品を作製する
ことができる水中油型乳化脂を提供すること。 【解決手段】 水中油型乳化脂中の乳糖の含有量を1重
量%以下とし、水中油型乳化脂にカリウムを0.1重量
%以上及びナトリウムを含有させ、且つ該ナトリウムと
該カリウムとの重量比が1:0.5〜10となるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト加熱処理
等の高温殺菌を行っても褐変、乳化破壊、風味劣化が生
じないホワイトソース等の食品を製造するのに適した水
中油型乳化脂に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ホワイ
トソースとは、小麦粉と固形脂を加熱して作ったホワイ
トソース用ルウに牛乳を加えて加熱し、小麦粉を膨潤糊
化して調製されるものである。得られたホワイトソース
は、必要に応じて各種具剤、香辛料等を添加した後、グ
ラタン、シチュー等の洋風料理に供される。
【0003】近年、外食産業の成長、中食市場の拡大に
よりグラタン、シチュー等のホワイトソースを使用する
食品がレトルトパウチや缶に充填された後、レトルト加
熱殺菌を施される場合が多くなってきた。しかしなが
ら、従来の牛乳を配合したホワイトソースでは、主に牛
乳に含まれる遊離アミノ酸やタンパク質と乳糖とがメイ
ラード反応を起こし、褐色化と風味劣化を招くという問
題があった。
【0004】この問題を解決するために、乳糖の代わり
に糖類、糖アルコールを用い、カゼインナトリウムで食
用油脂を乳化することによりホワイトソースを白く仕上
げる方法(特開平7−39350号公報)、限外濾過処
理を施された無脂乳固形分と、呈味性を有する無脂乳固
形分と、3糖類以下の糖アルコールとを組み合わせるこ
とによりホワイトソースを白く仕上げることができる加
工用濃縮乳(特開2000−139343号公報)が提
案されているが、いずれも乳本来の風味、コク味を有す
るものではなく、牛乳で作製したホワイトソースと同等
の風味を持つホワイトソースを作製できるクリームが求
められていた。
【0005】従って、本発明の目的は、レトルト加熱処
理等の高温殺菌を行っても褐変、乳化破壊、風味劣化が
生じることがなく、乳本来の優れた風味を有するホワイ
トソース等の食品を作製することができる水中油型乳化
脂を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、乳糖を1重量
%以下、カリウムを0.1重量%以上及びナトリウムを
含有し、且つ該ナトリウムと該カリウムとの重量比が
1:0.5〜10であることを特徴とする水中油型乳化
脂を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水中油型乳化脂に
ついて詳述する。本発明の水中油型乳化脂は、乳糖の含
有量を1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さ
らに好ましくは0.2重量%以下とする。乳糖の含有量
が1重量%を超えると、水中油型乳化脂がレトルト処理
により褐変してしまうので好ましくない。
【0008】また、本発明の水中油型乳化脂は、カリウ
ムを0.1重量%以上、好ましくは0.1〜5重量%、
さらに好ましくは0.2〜5重量%、最も好ましくは
0.3〜5重量%含有させる。カリウムの含有量が0.
1重量%未満であると、乳風味の強さが得られないので
好ましくない。
【0009】また、本発明の水中油型乳化脂は、ナトリ
ウムを含有させる。ナトリウムを含有しないと、乳に近
い風味バランスとならないので好ましくない。
【0010】さらに本発明の水中油型乳化脂は、上記ナ
トリウムと上記カリウムとの重量比が1:0.5〜1
0、好ましくは1:1〜5、さらに好ましくは1:2〜
4とする。該重量比が1:0.5〜10の範囲外である
と、水中油型乳化脂の風味が豊かな乳風味とならないの
で好ましくない。
【0011】本発明の水中油型乳化脂は、そのpHが好
ましくは5〜9、さらに好ましくは5〜8、最も好まし
くは6〜7.5である。
【0012】次に本発明の水中油型乳化脂で用いること
ができる配合材料について説明する。油脂としては、例
えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実
油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー
油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バタ
ー、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこ
れらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される
一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。上
記油脂のうち、乳脂や植物油脂、及び植物油脂を原料と
した加工油脂を用いるのが好ましい。本発明において
は、上記の油脂を単独で用いることもでき、又は2種以
上を組み合わせて用いることもできる。
【0013】本発明の水中油型乳化脂中の油脂の含有量
は、好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは5〜
50重量%、最も好ましくは10〜45重量%である。
【0014】また、本発明の水中油型乳化脂中の水の含
有量は、好ましくは40〜99重量%、さらに好ましく
は50〜95重量%、最も好ましくは55〜90重量%
である。
【0015】本発明の水中油型乳化脂は、例えばα−ラ
クトアルブミンやβ−ラクトグロブリン等のホエイタン
パク質、カゼイン等の乳蛋白質を含有することが好まし
い。
【0016】本発明では上記乳蛋白質として、上記乳蛋
白質を含む乳製品を使用しても良い。斯かる乳製品とし
ては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、
生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、
チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂
濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加
糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、
ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミ
ルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌
飲料、乳飲料、カゼインカルシウム、カゼインナトリウ
ム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエー
プロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイ
ン等が挙げられる。
【0017】本発明では、上記乳蛋白質や上記乳製品の
中から選ばれた1種又は2種以上を水中油型乳化脂中に
含有させることができる。ただし、本発明の水中油型乳
化脂は乳糖の含有量を1重量%以下とするため、乳糖を
多く含む乳製品、例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳、牛乳、
脱脂濃縮乳等を含有させる場合は、水中油型乳化脂中の
乳糖の含有量が1重量%以下となるように該乳製品の含
有量を調整することが必要である。
【0018】また、本発明の水中油型乳化脂は、乳脂肪
を20〜80重量%含む乳製品を含有することが好まし
い。この乳脂肪を20〜80重量%含む乳製品として
は、例えば、生クリーム、クリームチーズ等が挙げられ
る。特に生クリームやクリームチーズを冷凍処理したも
のを用いるのが好ましい。冷凍処理を施すことにより上
記乳製品中の蛋白質が変性し、ポリペプチド鎖の疎水性
官能基が分子表面に露出して遊離状態になるため、解凍
後に蛋白質分子間架橋結合が生成し易い状態になり、こ
れによって豊かな乳風味を有する水中油型乳化脂となる
と考えられる。冷凍変性をさせるために、冷凍期間は7
日間〜24ヶ月であることが望ましい。該冷凍期間が7
日間より短いと、冷凍変性が不十分なため、その含有効
果が十分に得られず、また24ヶ月を越えると、冷凍変
性が過度となり溶解、乳化が困難となる。また、冷凍温
度は−10℃以下とするのが望ましい。
【0019】本発明の水中油型乳化脂中の上記乳蛋白
質、上記乳蛋白質を含む乳製品、又は上記乳脂肪を20
〜80重量%含む乳製品の含有量は、好ましくは0.1
〜50重量%、さらに好ましくは 0.3〜30重量
%、最も好ましくは1〜20重量%である。
【0020】本発明の水中油型乳化脂に含まれるカリウ
ム源となる配合材料としては、クエン酸カリウム、クエ
ン酸3カリウム等の有機酸カリウム塩、リン酸カリウ
ム、塩化カリウム等の無機カリウム塩や、カゼインカリ
ウム、乳清ミネラル等のカリウムを多く含有する乳製品
の中から選ばれた1種又は2種以上を用いるのが良い。
これらの中でも、有機酸カリウム塩及び無機カリウム塩
の中から選ばれた1種又は2種以上を用いるのが好まし
く、塩化カリウム及び/又はクエン酸3カリウムを用い
るのが、カリウム含量が高いためより好ましい。
【0021】本発明の水中油型乳化脂に、上記の有機酸
カリウム塩及び無機カリウム塩の中から選ばれた1種又
は2種以上を用いる場合、これらの含有量は、好ましく
は0.2重量%以上、さらに好ましくは0.4重量%以
上、最も好ましくは0.6重量%以上とするのが良い。
【0022】本発明の水中油型乳化脂に含まれるナトリ
ウム源となる配合材料としては、クエン酸ナトリウム、
リン酸2ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピ
ロリン酸4ナトリウム、塩化ナトリウム、食塩や、カゼ
インナトリウム、乳清ミネラル等のナトリウムを多く含
有する乳製品が挙げられる。本発明の水中油型乳化脂中
のナトリウムの含有量は、好ましくは0.05〜1重量
%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%、最も好
ましくは0.1〜0.3重量%である。
【0023】また、本発明の水中油型乳化脂は、糖アル
コールを含有することが好ましい。該糖アルコールとし
ては、例えば、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、マ
ルチトール、マンニトール等が挙げられる。本発明の水
中油型乳化脂中の上記糖アルコールの含有量は、好まし
くは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量
%、最も好ましくは3〜20重量%である。
【0024】また、本発明の水中油型乳化脂は、糖類を
含有することができ、例えば、上白糖、グラニュー糖、
粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化
水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オ
リゴ糖、還元糖ポリデキストロース、トレハロース、キ
シロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクト
オリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロー
ス、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテー
ム、はちみつ等が挙げられ、これらの中から選ばれた1
種又は2種以上を用いることができる。本発明の水中油
型乳化脂は、これらの糖類の中でも3糖類以下の糖類を
好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量
%以下含有するのが良い。
【0025】本発明の水中油型乳化脂は、乳化剤として
はレシチン等の天然の乳化剤や、以下に示した合成乳化
剤を使用することができる。合成乳化剤としては、グリ
セリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステ
ル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク
酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステア
ロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられ
る。本発明の水中油型乳化脂は、上記乳化剤を好ましく
は0〜2重量%含有するのが良い。しかし、本発明の水
中油型乳化脂では、風味や、また消費者の間に広まって
いる天然志向に応える意味で、上記の合成乳化剤を用い
ないほうがより好ましく、さらに好ましくは乳化剤を用
いないのが良い。
【0026】また、本発明の水中油型乳化脂は、κ−カ
ラギーナンを含有しないことが好ましい。このκ−カラ
ギーナン以外のカラギーナンとして、例えばλ−カラギ
ーナン、ι−カラギーナン、μ−カラギーナン、θ−カ
ラギーナン、ν−カラギーナン、ξ−カラギーナン、π
−カラギーナン、β−カラギーナン等は含有していても
構わない。本発明ではκ−カラギーナンを含有すると、
カリウムがκ−カラギーナンと結合してしまい、カリウ
ムを添加した効果が発揮されにくい。
【0027】本発明の水中油型乳化脂には、その他の材
料として、澱粉、小麦粉、無機塩及び有機酸塩、カラギ
ーナン以外のゲル化剤、卵製品、カカオ及びカカオ製
品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全
般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸
化防止剤、pH調整剤等を配合しても良い。
【0028】次に本発明の水中油型乳化脂の好ましい製
造方法の一例について説明する。本発明の水中油型乳化
脂を得るには、まず水、乳製品、ナトリウム塩及びカリ
ウム塩を含有し、必要により水溶性乳化剤、水溶性香料
等を含有する水性相と、油脂及び必要により油溶性乳化
剤、油溶性香料等を含有する油性相とを、好ましくは4
5〜75℃付近で予備乳化し、次いで殺菌又は滅菌す
る。該殺菌又は滅菌は、インジェクション式、インフー
ジョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式・チュ
ーブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUH
T・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等
の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理、あるいは直火等の加
熱調理により行うことができる。また、殺菌又は滅菌す
る前又は後でホモジナイザーで均質化しても良い。均質
化処理を行う場合の均質化圧力は、3〜30MPaとす
るのが好ましい。そして、上記の殺菌又は滅菌後、乳化
物を冷却することにより、本発明の水中油型乳化脂が得
られる。
【0029】本発明の水中油型乳化脂は、牛乳代替組成
物やチーズ代替組成物、クリーム代替組成物として各種
食品に用いることができ、例えば、ホワイトソース、こ
のホワイトソースを使用したシチューやグラタン、カス
タードクリームやホワイトクリーム等のクリーム類、こ
のクリーム類を利用したシチューやグラタン、ババロア
等のデザート類、フラワーペースト等のペースト類、マ
ヨネーズ、その他ドレッシング類、チーズ様食品、パン
・菓子・ハム・ソーセージその他加工食品の練り込み用
として、またフィリング材やトッピング材、スプレッド
等として用いられる。特にレトルト処理を行うようなホ
ワイトソース、このホワイトソースを使用したシチュー
やグラタンにおいて好適に用いることができる。本発明
の水中油型乳化脂は、必要により、冷蔵もしくは冷凍状
態で保存しても良い。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制限
されるものではない。
【0031】(実施例1〜6)下記表1に示す配合に従
い、水を60℃に昇温し攪拌しながら油脂とレシチン以
外の材料を溶解させた水性相に、油脂又はレシチンを溶
解させた油脂を加え、混合攪拌して、予備乳化物を調製
した。但し、実施例6は、全配合物を一度に混合攪拌し
て、予備乳化物を調製した。該予備乳化物を143℃で
5秒間殺菌し、10MPaの圧力で均質化後、5℃まで
冷却し、本発明の水中油型乳化脂をそれぞれ得た。得ら
れた水中油型乳化脂を用いて、次のようにしてホワイト
ソースを作製した。小麦粉20gとマーガリン20gを
同時に炒めた後、これに上記水中油型乳化脂150g、
食塩2g、胡椒0.1g、チキンコンソメ1g及び水3
00gを加え攪拌しながら加熱膨潤させ、ホワイトソー
スを作製した。これを121℃で30分レトルト加熱処
理後、常温まで冷却した。このようにして得られたホワ
イトソースについて、色、風味、オイルオフの有無を調
べた。その結果を下記表1に示す。ホワイトソースの色
については、日本電色工業(株)製色差計にてホワイト
ソースのL値(値が大きい方が白い)を測定した。下記
表1に示すように、得られたホワイトソースはいずれ
も、良好な風味(牛乳で作製したホワイトソースに酷似
した優れた乳風味)を持ち、特に実施例5及び6のホワ
イトソースは、極めて優れた乳風味を持つものであっ
た。また、得られたホワイトソースはいずれも、L値が
80以上の高い値を示した。また、オイルオフはいずれ
も認められなかった。
【0032】(比較例1〜3)下記表2に示す配合に従
い、水を60℃に昇温し攪拌しながら油脂以外の材料を
溶解させた水性相に、油脂を加え混合攪拌して予備乳化
物を調製した。該予備乳化物を143℃で5秒間殺菌
し、10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却し、水
中油型乳化脂を得た。得られた水中油型乳化脂を用い
て、実施例1〜6と同様の方法で、ホワイトソースの作
製と該ホワイトソースのレトルト加熱処理及び冷却を行
った。このようにして得られたホワイトソースについ
て、実施例1〜6と同様にして色、風味、オイルオフの
有無を調べた。その結果を下記表2に示す。下記表2に
示すように、比較例1のホワイトソースは、L値が7
3.4で褐変が濃く、また褐変臭の強い風味で不良であ
った。また、比較例2及び3のホワイトソースは、色は
白く良好なものの、風味のバランスが悪く不良であっ
た。
【0033】尚、下記の表1及び表2中の注釈 (1)〜(1
1)は下記の通りである。 (1) ホエータンパク質濃縮物:カリウム0.60重量
%、ナトリウム0.20重量%、乳糖7.0重量% (2) カゼインカリウム:カリウム2.0重量%、ナトリ
ウム0.02重量%、乳糖0.20重量% (3) 食塩:ナトリウム39.3重量% (4) クエン酸3カリウム:カリウム26.4重量% (5) 塩化カリウム:カリウム52.4重量% (6) リン酸2ナトリウム:ナトリウム32.4重量% (7) リン酸1カリウム:カリウム28.7重量% (8) 冷凍処理したクリームチーズ:クリームチーズを−
18℃で3ヶ月保管したものを使用。カリウム0.15
重量%、ナトリウム0.09重量%、乳糖2.20重量
%、乳脂肪55.8重量% (9) ヘキサメタリン酸ナトリウム:ナトリウム22.6
重量% (10)ピロリン酸4ナトリウム:ナトリウム34.6重量
% (11)脱脂粉乳:カリウム1.80重量%、ナトリウム
0.57重量%、乳糖53.3重量%
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の水中油型乳化脂によれば、レト
ルト加熱処理等の高温殺菌を行っても褐変、乳化破壊、
風味劣化が生じることがなく、乳本来の優れた風味を有
するホワイトソース等の食品を作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥冨 保雄 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 大捕 雅志 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC01 DC02 DC06 DG01 DG11 DG15 DL01 DL03 DL04 DX04 4B036 LC01 LC04 LC05 LE02 LF04 LH01 LH03 LH10 LH13 LH15 LK03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳糖を1重量%以下、カリウムを0.1
    重量%以上及びナトリウムを含有し、且つ該ナトリウム
    と該カリウムとの重量比が1:0.5〜10であること
    を特徴とする水中油型乳化脂。
  2. 【請求項2】 pHが5〜9である請求項1記載の水中
    油型乳化脂。
  3. 【請求項3】 κ−カラギーナンを含有しない請求項1
    又は2記載の水中油型乳化脂。
  4. 【請求項4】 乳脂肪を20〜80重量%含む乳製品を
    含有する請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化
    脂。
  5. 【請求項5】 水性相と油性相とを乳化後、殺菌又は滅
    菌し、冷却する請求項1記載の水中油型乳化脂の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の水中油
    型乳化脂を用いた食品。
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