JP2002220935A - 巡回動線を持つコンパクトな住宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の空間をサークルで連続させることによ
って、一体感・連絡性のある雰囲気を形成し、リビング
ルームの南北に庭を配置して明るい空間とした巡回動線
を持つコンパクトな住宅を提供する。 【解決手段】 建物の中央部分にリビングルーム８を配
置し、リビングルーム８の一画に隣室への出入口１２を
形成し、その隣室の奥にさらに別の出入口１３を形成
し、奥の出入口１３から通路１５を通じてリビングルー
ム８を連結し、リビングルームから８隣室を通過し、奥
の出入口１３から通路１５を通過してリビングルーム８
に周回可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は巡回動線を持つコン
パクトな住宅に関し、特に、建物の空間をサークルで連
続させることによって、一体感・連絡性のある雰囲気を
形成し、リビングルームの南北に庭を配置して明るい空
間とした巡回動線を持つコンパクトな住宅に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、戸建て住宅は住居部分の建物
と、駐車場、庭等を有して構成されている。その中で住
居部分には家族団らんの場所としてのリビングルーム、
接客空間としての応接室、個人の私的空間としての個
室、その他キッチン、洗面所、トイレ等が配置され、そ
れぞれの空間は壁面、建具等によって仕切られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、住宅内
に多くの部屋、空間を配置すると、それぞれ空間が独立
し、連絡性の遮断された閉塞した雰囲気が形成されると
いう問題があった。特に、二階建て住宅では一階と二階
の間がフロアで仕切られるため、連絡性が遮断される。
また、リビングルームは建物の中央に配置すると、両側
が壁で囲まれるため、採光が確保できずに暗い空間とな
り、家族団らんの場としての開放感がなくなってしま
う。本発明はかかる従来の問題的を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、建物の空
間をサークルで連続させることによって、一体感・連絡
性のある雰囲気を形成し、リビングルームの南北に庭を
配置して明るい空間とした巡回動線を持つコンパクトな
住宅を提供することにある。これによって、各部屋への
アクセス経路が２つ以上になり、片方を塞いで家具など
を置き、もう片方だけから出入りするという使い方も出
来、部屋の使い勝手が良くなり、部屋の模様替えの自由
度を増すことができ、使い方のバリエーションが増加す
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として本発明請求項１記載の巡回動線を持つコン
パクトな住宅では、建物の中央部分にリビングルームを
配置し、リビングルームの一画に隣室への出入口を形成
し、その隣室の奥にさらに別の出入口を形成し、奥の出
入口から通路を通じてリビングルームを連結し、リビン
グルームから隣室を通過し、奥の出入口から通路を通過
してリビングルームに周回可能とした。

【０００５】請求項２記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅では、請求項１記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅において、リビングルームの側方に二階に通じる
階段を配置し、階段を囲んだ状態でリビングルームと隣
室を周回可能とした。

【０００６】請求項３記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅では、請求項１又は２記載の巡回動線を持つコン
パクトな住宅において、隣室の奥の出入口にウォークイ
ンクローゼットを接続し、ウォークインクローゼットを
通過して周回可能とした。

【０００７】請求項４記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅では、請求項１、２又は３記載の巡回動線を持つ
コンパクトな住宅において、リビングルームの上方を吹
抜けの空間とし、その吹抜けの空間を囲んだ状態で二階
フロアを周回可能とした。

【０００８】請求項５記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅では、請求項１、２、３又は４記載の巡回動線を
持つコンパクトな住宅において、リビングルームからキ
ッチン、勝手口、駐車場、玄関を通過してリビングルー
ムへ周回可能とした。

【０００９】請求項６記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅では、請求項１、２、３、４又は５記載の巡回動
線を持つコンパクトな住宅において、リビングルームと
キッチンを一連の空間とし、その一連の空間の南北にそ
れぞれ庭を配置し、キッチンの背面に庭に面した開口を
配置した。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
の形態を説明する。図１は巡回動線を持つコンパクトな
住宅の一階平面図、図２は巡回動線を持つコンパクトな
住宅の二階平面図、図３は巡回動線を持つコンパクトな
住宅の小屋裏平面図である。本発明の巡回動線を持つコ
ンパクトな住宅Ａは図１〜図３に示すように、敷地中央
部分に立設された二階建て建物１と、建物１を挟んで南
北に配置された庭２，３と、建物内に収容されたガレー
ジ４を主要な構成とし、前面道路に面して庭２と車両通
路５が配置されている。

【００１１】前記ガレージ４は建物の西側に収容され、
出入口にはシャッター等の扉が配置され、ガレージ４内
には側方に玄関６、勝手口７が接続され、ガレージ４の
上は二階フロアとして使用されるようになっている。建
物１の中央部分にはダイニングを兼用する広いリビング
ルーム８が配置され、キッチン９と連続した一連の空間
を構成している。リビングルーム８の隣室には和室１０
が配置され、リビングルーム８の東側には二階への階段
１１と和室への出入口１２が配置されている。和室１０
との出入口１２はふすま等の建具によって仕切られてい
る。和室１０は６〜８畳の広さであり、和室１０の奥に
はもう一つの出入口１３が配置され、その出入口１３は
ウォークインクローゼット１４に接続されている。ウォ
ークインクローゼット１４はくの字に折れ曲がり、そこ
を通過すると、通路１５へ達し、その通路１５はリビン
グルーム８へ通じている。このように、リビングルーム
８から和室１０（隣室）を通過し、奥の出入口１３から
ウォークインクローゼット１４、通路１５を通過してリ
ビングルーム８に周回可能となっている。また、周回部
分の中心には階段１１が配置され、階段を囲んだ状態で
周回可能となっている。通路１５の側方には洗面所１
６、浴室１７が配置されている。

【００１２】また、リビングルーム８とキッチン８の間
にはカウンター１７ａが配置され、キッチン９の西には
ガレージ４へ通じる勝手口７が配置されている。勝手口
７に隣接してその南には玄関６が配置され、玄関６から
玄関ホールを通過してリビングルーム８へ周回可能とな
っている。このように、リビングルーム８を中心とし
て、リビングルーム東に和室１０、ウォークインクロー
ゼット１４のサークルの動線、西に勝手口７、ガレージ
４、玄関６のサークルの動線が形成されている。

【００１３】前記リビングルーム８の南側には庭２に面
した開口１８が配置され、北側にはキッチンを挟んで、
庭３に面した開口１９が配置されている。そのためリビ
ングルーム８は南北両側からの採光が得られるようにな
っている。また、リビングルーム８には二階への階段１
１が接続され中心的な空間となっている。キッチン９の
背面は収納が無く、窓が形成されて庭に面しているの
で、裏方のイメージが払拭されて明るい雰囲気が形成さ
れている。

【００１４】建物１の二階には南側中央にバルコニー２
０、東側にメインベットルーム２１、西側にサブベット
ルーム２２，２３、トイレ２４が配置され、それぞれを
通路２５，２６が連結している。リビングルーム８の上
方は吹抜けの空間２７となって二階へ通じ、バルコニー
２０の採光窓２８から採光が得られようになっている。
また、二階の所定個所には吹抜けに面した開口が設けら
れ、吹抜けのさらに上には図３に示す小屋裏部屋２９が
設けられている。階段１１を上がると通路２５，２６が
左右に伸び、左側の通路を奥へ進むとメインベットルー
ム２１が配置され、メインベットルーム２１を通過して
バルコニー２０へ通り抜けできるようになっている。バ
ルコニー２０の両側には出入口が形成され、バルコニー
２０を通過して通路２６に達し、階段１１へ周回できる
ようになっている。このように、リビングルーム８上方
の吹抜けの空間２７を囲んで二階フロアは周回可能とな
っている。

【００１５】二階の巡回する長い通路は、家族それぞれ
の趣味（あるいは共通の趣味）の作品を展示（ディスプ
レイ）する空間として使用することができ、または芸術
家の家であれば、二階をアトリエ＋ギャラリー＋資料室
として独立させるといった使用もできる。本発明の二階
のプランは、ゆったりとした吹抜け２７とバルコニー２
０があり、家に招き入れたお客さんに、即興で絵や歌、
工芸作品をその場で作ってプレゼントするとか、一緒に
作るとかの、もてなしの空間としての利用性が高い。

【００１６】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形
態においては、リビングルームを建物の中央部分に配置
する構成としたが、建物の端部に配置する場合であって
も、本発明の巡回の動線を適用することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
１記載の巡回動線を持つコンパクトな住宅においては、
リビングルームから隣室を通過し、奥の出入口から通路
を通過してリビングルームに周回可能としたので、住居
部分の動線がサークルで連続し、開放的な動線が形成さ
れる。

【００１８】請求項２記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅においては、階段を囲んだ状態でリビングルーム
と隣室を周回可能としたので、階段が中心部分に配置さ
れ二階へのアクセスがスムーズとなる。

【００１９】請求項３記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅においては、隣室の奥の出入口にウォークインク
ローゼットを接続し、ウォークインクローゼットを通過
して周回可能としたので、本来の通路をクローゼットと
して有効利用できると共に、和室の前室としてのクロー
ゼットが形成される。

【００２０】請求項４記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅においては、リビングルームの上方を吹抜けの空
間とし、その吹抜けの空間を囲んだ状態で二階フロアを
周回可能としたので、二階の空間と一階の空間が連続
し、建物全体の一体感・開放感が形成される。

【００２１】請求項５記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅においては、リビングルームからキッチン、勝手
口、ガレージ、玄関を通過してリビングルームへ周回可
能としたので、住宅出入りの利便が図られる。

【００２２】請求項６記載の巡回動線を持つコンパクト
な住宅においては、リビングルームとキッチンを一連の
空間とし、その一連の空間の南北にそれぞれ庭を配置
し、キッチンの背面に庭に面した開口を配置したので、
南北両方から採光が得られ、建物の中央部分に広く明る
い空間が形成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】巡回動線を持つコンパクトな住宅の一階平面図
である。

【図２】巡回動線を持つコンパクトな住宅の二階平面図
である。

【図３】巡回動線を持つコンパクトな住宅の小屋裏平面
図である。

【符号の説明】

Ａ 巡回動線を持つコンパクトな住宅 １ 建物 ２ 庭 ３ 庭 ４ ガレージ ５ 車両通路 ６ 玄関 ７ 勝手口 ８ リビングルーム ９ キッチン １０ 和室 １１ 階段 １２ 出入口 １３ 出入口 １４ ウォークインクローゼット １５ 通路 １６ 洗面所 １７ 浴室 １７ａ カウンター １８ 開口 １９ 開口 ２０ バルコニー ２１ メインベットルーム ２２ サブベットルーム ２３ サブベットルーム ２４ トイレ ２５ 通路 ２６ 通路 ２７ 吹抜けの空間 ２８ 採光窓 ２９ 小屋裏部屋

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の中央部分にリビングルームを配置
   し、リビングルームの一画に隣室への出入口を形成し、
   その隣室の奥にさらに別の出入口を形成し、奥の出入口
   から通路を通じてリビングルームを連結し、 リビングルームから隣室を通過し、奥の出入口から通路
   を通過してリビングルームに周回可能としたことを特徴
   とする巡回動線を持つコンパクトな住宅。
2. 【請求項２】 リビングルームの側方に二階に通じる階
   段を配置し、階段を囲んだ状態でリビングルームと隣室
   を周回可能としたことを特徴とする請求項１記載の巡回
   動線を持つコンパクトな住宅。
3. 【請求項３】 隣室の奥の出入口にウォークインクロー
   ゼットを接続し、ウォークインクローゼットを通過して
   周回可能としたことを特徴とする請求項１又は２記載の
   巡回動線を持つコンパクトな住宅。
4. 【請求項４】 リビングルームの上方を吹抜けの空間と
   し、その吹抜けの空間を囲んだ状態で二階フロアを周回
   可能としたことを特徴とする請求項１、２又は３記載の
   巡回動線を持つコンパクトな住宅。
5. 【請求項５】 リビングルームからキッチン、勝手口、
   駐車場、玄関を通過してリビングルームへ周回可能とし
   たことを特徴とする請求項１、２、３又は４記載の巡回
   動線を持つコンパクトな住宅。
6. 【請求項６】 リビングルームとキッチンを一連の空間
   とし、その一連の空間の南北にそれぞれ庭を配置し、キ
   ッチンの背面に庭に面した開口を配置したことを特徴と
   する請求項１、２、３、４又は５記載の巡回動線を持つ
   コンパクトな住宅。