JP2002220760A - 高密度織物の製織法 - Google Patents
高密度織物の製織法Info
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Abstract
しつつ、生産効率を向上させる高密度織物の製織法を提
供する。 【解決手段】製織時の筬の繊維充填率を下(式1)で定
義し、該筬の繊維充填率の値を110以下として製織す
る。
Description
一つであるエアバッグ用織物に適した織物の製織法に関
し、更に詳しくは、必要な機械的特性を保持しつつ、生
産効率を向上させる製織法に関する。
アバックは乗員の安全意識の向上に伴い、急速に装着率
が向上している。エアバックは自動車の衝突事故の際、
衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高
圧のガスを発生させ、このガスによってエアバックを急
激に展開させ、乗員保護に役立つものである。
ルスルフォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴム
が塗布された基布が、耐熱性、空気遮断性(通気度)、
難燃性の目的から使用されていた。
は基布重量の増加、柔軟性の低下、製造コストの増加
、リサイクル不可のため、エアバック用基布に使用す
るには不具合な点が多かった。現在でも一部で使用され
ているシリコーンコーティング基布は上記不具合点がか
なり改善されてはきたが、まだ満足できるものではな
い。
ンコートエアバック用基布が主流になっており、軽量
化、 良好な収納性、低通気度化のために様々な提案が
なされている。この中で、単糸繊度を細くし軽量、コン
パクト化、低通気性を実現してきている。
織する場合、生産性を向上させようと製織速度を上げる
ことが検討される場合、製織速度を上げると単糸繊度が
細くなる傾向にある現在、繊維間及び筬との摩擦で糸の
損傷が大きくなり基布物性に大きく影響するようにな
る。このような問題に対応できる製織方法については、
良い製織方法が見出されていない。
決できていない製織速度を上げたときの繊維の損傷を抑
え停台トラブルを減少させるエアバックに適した高密度
織物の製織法を提供することにある。
の手段、即ち本発明の第1は、製織時の筬の繊維充填率
を下(式1)で定義し、該筬の繊維充填率の値を110
以下として製織することを特徴とする高密度織物の製織
法であり、
求項1記載の高密度織物の製織法であり、その第3は、
筬の繊維充填率の値が90以下である請求項1記載の高
密度織物の製織法であり、その第4は、筬の繊維充填率
の値が80以下である請求項1記載の高密度織物の製織
法であり、その第5は、高密度織物のカバーファクター
が2000〜2500である請求項1記載の高密度織物
の製織法であり、(尚、カバーファクターは、下式2で
求められる。)
求項1記載の高密度織物の製織法である。
織物の製織方法について特徴を詳細に説明すると、製織
時の筬の繊維充填率(式1)の値が110以下で製織す
ることが必要である。
維を並べてマルチフィラメント断面を円形と仮定した時
の幅方向で充填率を規定したものである。筬羽間に繊維
が密に入ると繊維間の摩擦が大きくなりマルチフィラメ
ントの単糸が損傷しやすくなる。また、製織速度を上げ
るとマルチフィラメント単糸の損傷が大きくなったり、
単糸の絡みが強くなり基布物性が低下する。この場合、
繊維充填率をコントロールすることにより製織時の損傷
を低減し、単糸切れ等によるトラブルでの停台回数を減
少し生産効率を向上することができる。繊維充填率は、
110%以下にすることが必要であり、好ましくは10
0%以下にすると良く、さらに好ましくは90%以下で
ある。高密度織物を製織するには、筬密度が高くなり、
繊維充填率が、110%以上の条件下で製織されている
ケースも多く、コントロールされていない。繊維充填率
を小さくするためには、筬羽の空隙率が問題となる。筬
羽の空隙率は、45%以上で70%未満が好適範囲であ
り、更に好ましくは、50%以上で65%未満が好適で
ある。オサ羽の空隙率が45%未満になると高密度織物
において、繊維充填率が大きくなり経糸繊維に損傷をき
たし毛羽の発生により製織時、トラブルによる停台回数
が大きくなる。また、基布強度も低下するようになり好
ましくない。筬の空隙率を70%より大きくすると筬打
ち込みによる緯糸の損傷が大きくなり基布強度が低下す
るので好ましくない。製織速度が大きくなると停台回数
も増加し、繊維充填率の最適化が必要となる。製織速度
増加による停台回数増加は、単糸の太さが小さくなるほ
ど影響を受けやすく大きくなる。
縮率は、5〜15%で有ることが必要である。沸水収縮
率が、5%より小さいと低通気度が得られず、15%よ
り大きいと収縮後の織物の厚さが厚くなりコンパクト性
を損ねることとなり良くない。沸水収縮率の値は、5〜
15%程度の物を用いるのが好ましいが、さらに好まし
くは、8〜12%である。
るものではなく、通常100〜200℃で実施する、好
ましくは、160℃以下で処理をするのが低通気性を得
るのにはよい。処理は、ヒートセッター、沸水バス等特
に規定はしないが、縦及び横のオーバーフィードが、2
〜15%程度可能な加工機を用いることができる。
ないが、基布物性の均一性を勘案すると平織りが良く、
織機は、エアージェットルーム、レピアルーム、ウオー
タージェットルーム等特に限定するものでない。
塑性繊維としては、特に素材を限定するものではない
が、特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナ
イロン12、等の脂肪族ポイアミド繊維、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのホ
モポリエステルが使用されるが特に限定するものではな
い。ただし、経済性や耐衝撃性を勘案するとナイロン6
6、ナイロン46、ナイロン6、が特に好ましい。ま
た、これらの合成繊維には原糸製造工程や後加工工程で
の工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有ま
たは付与していても何ら問題はない。例えば、酸化防止
剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、難燃剤等である。
度は総繊度が100〜550dtex、単糸繊度が6dtex以
下が好ましい。更に好ましくは総繊度200dtex〜47
0dtex、単糸繊度4.4dtex以下である。ここで、総繊
度が100dtex未満場合にはその部分での引張強力及び
引裂強力が不足し、550dtexを超える場合には織物の
柔軟性が損なわれ、収納性にとって不利になる。単糸繊
度が6dtexを超える場合には、これも織物の柔軟性が損
なわれ、収納性にとって不利になる。
好ましく、更に好ましくは無撚が使用される。これは低
単糸繊度糸を使用して低通気度織物を得ようとした場
合、撚りを加えると単糸の拡がりを阻害し、低通気度化
が困難になるためである。
する。なお、実施例中の物性は下記の方法で測定した。
縮率B法 100℃
を24時間に換算した。(回/24時間) 実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3 経糸に無撚の470dtex/72f(単糸繊度6.5dte
x)、沸水収縮率=6.5%、緯糸には無撚の470dte
x/72f、沸水収縮率=6.5%を、空隙率が、60%、
50%、45%、40%、70%で筬羽数=10.0羽
/cmの筬で製織後、沸水にて収縮加工し、140℃で
乾燥仕上げし経密度54本/in、緯密度54本/inのノ
ンコートエアバッグ用織物を得た。このエアバッグ用織
物の物性評価結果を表1に示す。
6 経糸に無撚の350dtex/108f(単糸繊度3.2dte
x)沸水収縮率=9.5%1種類、緯糸は無撚の350d
tex/108f、沸水収縮率=9.5%を、空隙率が、4
5%、50%、60%、40%、70%で筬羽数=1
1.5羽/cmの筬で製織後平織にて製織後、90℃の
温水で収縮加工し、140℃で乾燥セット仕上げし経密
度63本/in、緯密度63本/inのノンコートエアバッ
グ織物を得た。このエアバッグ織物の物性評価結果を表
2に示す。
織方法が製織速度を上げた時強度物性の低下することな
く低通気性エアバック基布として適していることが判
る。
な機械的特性を保持しつつ、低通気性高密度エアバッグ
用織物を効率良く生産する方法を提供することができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】製織時の筬の繊維充填率を下(式1)で定
義し、該筬の繊維充填率の値を110以下として製織す
ることを特徴とする高密度織物の製織法。 【数1】 N:筬1羽に入れる糸の本数(本) D:経糸の太さ(dtex) ρ:繊維の密度(g/cm3) α:筬空隙率 (%) L:筬羽数 (本/cm) - 【請求項2】筬の繊維充填率の値が100以下である請
求項1記載の高密度織物の製織法。 - 【請求項3】筬の繊維充填率の値が90以下である請求
項1記載の高密度織物の製織法。 - 【請求項4】筬の繊維充填率の値が80以下である請求
項1記載の高密度織物の製織法。 - 【請求項5】高密度織物のカバーファクターが2000
〜2500の請求項1記載の高密度織物の製織法。尚、
カバーファクターは、下式2で求められる。 【数2】 A:経糸の太さ (dtex) B:緯糸の太さ (dtex) W1:経密度 (本/in.) W2:緯密度 (本/in.) - 【請求項6】高密度織物の用途がエアバック用である請
求項1記載の高密度織物の製織法。
Priority Applications (2)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006219091A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Asahi Kasei Fibers Corp | 袋織エアバッグ用基布の製織方法 |
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CN106460258A (zh) * | 2014-05-28 | 2017-02-22 | 旭化成株式会社 | 气囊用基布和气囊 |
WO2022181136A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | 東レ株式会社 | ノンコートエアバッグ用織物 |
-
2001
- 2001-01-17 JP JP2001008958A patent/JP3544179B2/ja not_active Expired - Lifetime
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