JP2002220571A - 半導体ウエハ加工用保護シート - Google Patents

半導体ウエハ加工用保護シート

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JP2002220571A
JP2002220571A JP2001015546A JP2001015546A JP2002220571A JP 2002220571 A JP2002220571 A JP 2002220571A JP 2001015546 A JP2001015546 A JP 2001015546A JP 2001015546 A JP2001015546 A JP 2001015546A JP 2002220571 A JP2002220571 A JP 2002220571A
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protective sheet
semiconductor wafer
wafer
base film
sensitive adhesive
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JP2001015546A
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English (en)
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Mitsuharu Akazawa
光治 赤沢
Yoshio Nakagawa
善夫 中川
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ウエハをバックグラインド工程により薄
型化した場合にも、その反りが小さく、かつ従来の剥離
方式により容易に剥離しうる半導体ウエハ加工用保護シ
ートを提供すること。 【解決手段】 基材フィルム上に粘着層が積層されてい
る半導体ウエハ加工用保護シートにおいて、基材フィル
ムが、幅20mmで曲率半径3.0mmにおり曲げられ
た時の反発力が3g以上150g以内であることを特徴
とする半導体ウエハ加工用保護シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体の製造工程に
おけるウエハの研削工程において、ウエハを保護するた
めにウエハに貼合せて用いる半導体ウエハ加工用保護シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハの製造工程において、通
常、パターンを形成したウエハの裏面には、所定の厚さ
までウエハをバックグラインダー等の研削装置で研削す
るバックグラインド工程が一般的に施される。その際、
ウエハを保護する目的等でウエハ表面には半導体ウエハ
加工用保護シートを貼り合わせて、一般的に研削が行わ
れる。半導体ウエハ加工用保護シートとしては、基材フ
ィルム上に粘着層が積層されている粘着シートが用いら
れる。また、ウエハの研削後には、前記保護シート(粘
着シート)に剥離シートを貼合せ、その剥離シートを引
っ張ることにより保護シートをウエハから剥離する工程
が施される。
【0003】前記バックグラインド工程において研削さ
れウエハには、反りが生じる問題がある。最近、半導体
ウエハは8インチ、12インチに大型化され、またIC
カード用途などでは薄型化が要求された結果、研削後の
半導体ウエハに反りが生じやすく、反りを解消すること
が大きな課題になっている。特に、ICカード、スタッ
クドICなどの超薄型チップにおいては最終ウエハの厚
みが100μmを下回るような薄さが要求されるため反
りも大きくなる。たとえば、8インチのウエハを50μ
m程度に研削した場合には、保護シートの種類やウエハ
の種類にもよるが、反りの大きいものでは5cm程度に
もウエハが反り上がる。このような超薄型ウエハに生じ
た反りは、ウエハの搬送に支障をきたす。すなわち、反
り上がったウエハは従来の搬送方式では搬送できず、ま
た一般的に使用されている専用収納ケースに収納するこ
ともできない。
【0004】このウエハの反りを低減する方法として、
いろいろな提案がなされている。その中で特に有効な手
段としてウエハを支持体によって支える方法がある。す
なわち、ウエハが反らないように硬いものを支持体とし
てウエハに貼合せて研削するという方法である。支持体
としては、たとえば、研削するウエハと同じ大きさのガ
ラス板が用いられる。このような支持体をウエハに貼り
合せて研削したものは反りが小さく、従来の搬送方式を
採用することも可能である。しかし、前記支持体を用い
た場合には、研削後に支持体であるガラス板を、従来行
われている剥離シートを用いた剥離方式によって剥離で
きないという新たな問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、大
型ウエハをバックグラインド工程により薄型化した場合
にも、その反りが小さく、かつ従来の剥離方式により容
易に剥離しうる半導体ウエハ加工用保護シートを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す半導体
ウエハ加工用保護シートにより前記目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、基材フィルム上に粘
着層が積層されている半導体ウエハ加工用保護シートに
おいて、基材フィルムが、幅20mmで曲率半径3.0
mmにおり曲げられた時の反発力が3g以上150g以
内であることを特徴とする半導体ウエハ加工用保護シー
ト、に関する。
【0008】本発明は、半導体ウエハ加工用保護シート
(粘着シート)に用いる基材フィルムの反発力という指
標が、ウエハの反りと保護シートの剥離性の二つの特性
のいずれにも強い相関を有することを見出したものであ
る。すなわち、ウエハの反りは保護シートの基材フィル
ムの反発力が高いほど小さくなり、逆に剥離性に関して
は保護シートの基材の反発力が小さいほど剥離が容易に
なることを見出したものである。
【0009】本発明の基材フィルムの反発力は、室温に
おいて、幅20mmで曲率半径3.0mmに曲げられた
時の状態を基準とする。具体的には、図2に示すように
幅20mmの基材フィルム1(長さ50mm)を曲率半
径(r)3. 0mmに曲げた時の反発力であり、実際の
反発力の測定は図2のように電子天秤11上で所定の治
具12(300g)にて測定試料(基材フィルム1)を
曲率半径3. 0mmに折り曲げた時の力(g)を電子天
秤で測定した値(A)から、測定試料(基材フィルム
1)と治具12の重さ(g)の合計値(B)を引いた値
(A−B)である。なお、反発力の測定にあたっては図
2のように測定試料の支持台13を使用できる。支持台
13の重さは反発力の測定において除かれる。
【0010】ウエハの反りに関しては前記反発力が3g
以上であれば超薄型に研削されたウエハにおいても搬送
可能な程度に反りが低減される。反発力は10g以上、
さらには50g以上とするのが好ましい。また剥離性に
関しては前記反発力が150g以下であれば従来の剥離
方式により剥離が可能である。言い換えると、逆に反発
力が150g以上であれば保護シートの粘着層の粘着力
が低くても従来の剥離方式では保護シートを剥離するこ
とはできない。反発力は、120g以下、さらには80
g以下とするのが好ましい。
【0011】また半導体ウエハ加工用保護シートにおい
て、粘着層が、紫外線照射によって粘着力が低下する放
射線硬化型粘着剤により形成されていることが好まし
い。かかる粘着層によれば、バックグラインド工程後に
紫外線照射によって、保護シートの剥離を容易に行うこ
とができる。
【0012】また半導体ウエハ加工用保護シートにおい
て、粘着層を形成する粘着剤が、炭素−炭素二重結合を
分子中に有するベースポリマーを主成分として含有して
なる放射線硬化型粘着剤であることが好ましい。分子中
に炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、別途
低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がな
く、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動する
ことがないため、安定した層構造の粘着層を形成するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体ウエハ加工
用保護シートを図1を参照しつつ詳細に説明する。図1
に示すように、本発明の半導体ウエハ加工用保護シート
は、基材フィルム1上に、粘着層2が設けられている。
また、必要に応じて、粘着層2上にはセパレータ3を有
する。図1では、基材フィルムの片面に粘着層を有する
が、基材フィルムの両面に接着層を形成することもでき
る。半導体ウエハ加工用保護シートはシートを巻いてテ
ープ状とすることもできる。
【0014】基材フィルム1は、前記反発力を有するも
のを特に制限なく使用することができる。反発力は基材
フィルムの剛性と厚みが大きく影響しており材質が同じ
であっても厚みを厚くすれば反発力は大きくなり、厚み
を小さくすれば反発力は小さくなる。また同じ厚みであ
れば基本的には弾性率の高い材質のものが反発力が大き
く、弾性率が低いものが反発力が小さい。したがって、
これら材質と厚みのバランスによって幅20mmで曲率
半径3. 0mmに曲げられた時の前記反発力が3g以上
150g以下になるように調整した基材フィルムを用い
る。
【0015】基材フィルム1の材質としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、2 軸延伸ポリ
プロピレン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネイト、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)などがあげられ
る。これら以外の材質のものでも厚みを調整するなどし
て前記反発力を有するものであればその材質に制限はな
い。また、前記ポリマーは単体で用いてもよく、必要に
応じて数種をブレンドしてもよく、また多層構造として
用いてもよい。また、基材フィルム1の表面には、必要
に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処
理、架橋処理(化学架橋(シラン))などの慣用の物理
的または化学的処理を施すことができる。基材フィルム
の厚みは、前記反発力となるように基材フィルムの材質
を考慮して決定されるが、通常10〜300μm、好ま
しくは30〜200μm程度である。
【0016】粘着層の形成に用いる粘着剤は、特に制限
されないが、ウエハを固定して保護し、かつ研削後に保
護シートをウエハから剥離しやすいもの好ましい。たと
えば、粘着層は180°ピール粘着力が0. 01N/2
0mm〜1N/20mm、さらには0. 01N/20m
m〜0. 5N/20mmの範囲であることが望ましい。
【0017】前記粘着層を構成する粘着剤としては、た
とえば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用で
き、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着剤
を用いることができる。なかでも、半導体ウエハヘの接
着性、剥離後の半導体ウエハの超純水やアルコール等の
有機溶剤による清浄洗浄性などの点から、アクリル系ポ
リマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ま
しい。
【0018】前記アクリル系ポリマーとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イ
ソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエス
テル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペン
チルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステ
ル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチル
ヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエス
テル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシ
ルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、
テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタ
デシルエステル、エイコシルエステルなどのアルキル基
の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分
岐鎖状のアルキルエステルなど)及び(メタ)アクリル
酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエ
ステル、シクロヘキシルエステルなど)の1種又は2種
以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマーなど
があげられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味であ
る。
【0019】前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱
性などの改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)
アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステ
ルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含
んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリ
レート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキ
シル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、
(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)
アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキ
シメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート
などのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミ
ドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ
ン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシ
エチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モ
ノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげ
られる。これら共重合可能なのモノマー成分は、1種又
は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの
使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好まし
い。
【0020】さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋
させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共
重合用モノマー成分として含むことができる。このよう
な多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも
1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマ
ーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の
30重量%以下が好ましい。
【0021】前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー
又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより
得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸
濁重合等の何れの方式で行うこともできる。第二粘着層
は半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、低分子量物質
の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル
系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上、
さらに好ましくは40万〜300万程度である。
【0022】また、前記粘着剤には、ベースポリマーで
あるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるた
め、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架
橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合
物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架
橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があ
げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、
架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらに
は、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。
一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対し
て、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。さらに、
粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知
の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いて
もよい。
【0023】また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着
剤を使用できる。放射線硬化型粘着剤は炭素−炭素二重
結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示
すものを特に制限なく使用することができる。放射線硬
化型粘着剤としては、放射線(特に紫外線)照射によっ
て粘着力が低下するものが望ましい。
【0024】放射線硬化型粘着剤としては、たとえば、
一般的な粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリ
ゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化性粘着剤を例
示できる。一般的な粘着剤としては、前記アクリル系粘
着剤、ゴム系粘着剤等の感圧性粘着剤と同様のものがあ
げられる。
【0025】配合する放射線硬化性のモノマー成分とし
ては、たとえば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレートなどがあげられる。また放射線硬化性
のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリ
エステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系な
ど種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜
30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化
性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、粘着剤
を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー10
0重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましく
は40〜150重量部程度である。
【0026】また、放射線硬化性の粘着剤としては、上
記説明した添加型の放射線硬化性粘着剤のほかに、ベー
スポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖
または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内
在型の放射線硬化性粘着剤があげられる。内在型の放射
線硬化性粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等
を含有する必要がなく、または多くは含まないため、経
時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することな
く、安定した層構造の粘着層を形成することができるた
め好ましい。
【0027】前記炭素−炭素二重結合を有するベースポ
リマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有
するものを特に制限なく使用できる。このようなベース
ポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とす
るものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格とし
ては、前記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
【0028】前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二
重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用で
きるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入する
のが分子設計が容易である。たとえば、予め、アクリル
系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、
この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結
合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化
性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげ
られる。
【0029】これら官能基の組合せの例としては、カル
ボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、
ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。
これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さか
ら、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好
適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上
記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生
成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリ
マーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記
の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒド
ロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有
する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合
を有するイソシアネート化合物としては、たとえば、メ
タクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。
また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロ
キシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレ
ングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物な
どを共重合したものが用いられる。
【0030】前記内在型の放射線硬化性粘着剤は、前記
炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアク
リル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特
性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成
分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬
化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100
重量部に対して30重量部の範囲内であり、好ましくは
0〜10重量部の範囲である。
【0031】前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線線等
により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。
光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフ
ェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど
のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプ
ロパン−1などのアセトフェノン系化合物;べンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ア
ニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化
合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合
物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族ス
ルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プ
ロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキ
サンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオ
キサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプ
ロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソ
ン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合
物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホス
フィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられ
る。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリ
ル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対し
て、例えば1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部程
度である。
【0032】本発明の半導体ウエハ加工用保護シートの
作製は、たとえば、基材フィルム1に、直接、粘着層2
を形成する方法、また、別途、剥離ライナー3に粘着層
2を形成した後、それらを基材フィルム1に図1になる
ように貼り合せる方法等を採用することができる。粘着
層の厚みは特に制限されないが、通常3〜100μm、
好ましくは10〜30μmである。
【0033】セパレータ3は、必要に応じて設けられ
る。セパレータ3の構成材料としては、紙、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の
合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータ3の表面
には、接着層2からの剥離性を高めるため、必要に応じ
てシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の
離型処理が施されていても良い。セパレータ3の厚み
は、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μ
m程度である。
【0034】本発明の半導体ウエハ加工用保護シート
は、常法に従って用いられる。半導体ウエハのパターン
面への保護シートの貼り付けは、テーブル上にパターン
面が上になるように半導体ウエハを載置し、その上に保
護シートの粘着層をパターン面に重ね、圧着ロールなど
の押圧手段により、押圧しながら貼り付ける。また、加
圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、半導
体ウエハと保護シートを上記のように重ね、容器内を加
圧するによりウエハに貼り付けることも出きる。この
際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。ま
た、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けること
もできる。貼付け方法はこれら限定されるものではな
く、貼り付ける際に、基材フィルムの融点以下に加熱を
することもできる。
【0035】薄型加工は、常法を採用できる。薄型加工
機としては、研削機(バックグラインド)、CMPパッ
ド等があげられる。薄型加工は、半導体ウエハが所望の
厚さになるまで行われる。薄型加工には、保護シートを
剥離するが、保護シートの粘着層として、放射線照射に
より粘着力が低下する放射線硬化型粘着剤を用いている
場合には、保護シートに放射線を照射して、粘着力を低
下させてから剥離する。放射線照射の手段は特に制限さ
れないが、たとえば、紫外線照射等により行われる。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1 アクリル酸エチル0. 59モル、アクリル酸ブチル0.
59モルおよびアクリル酸2 −ヒドロキシエチル0. 2
6モルからなる配合組成物をトルエン溶液中で共重合さ
せて、数平均分子量300000のアクリル系共重合ポ
リマーを得た。続いてこの共重合ポリマーに対し、0.
21モルの2 −メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ートを付加反応させ、ポリマー分子内側鎖に炭素−炭素
二重結合を導入した。このポリマー100重量部に対し
て、さらにポリイソシアネート系架橋剤(商品名「コロ
ネートL」、日本ポリウレタン製)1重量部、アセトフ
ェノン系光重合開始剤(IC651,チバスペシャリテ
ィケミカルズ社製)を3部を混合し、離型処理されたフ
ィルム上に塗布することで5μm厚さの粘着層を形成し
た。この粘着層を、基材フィルムであるポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム(厚み100μm,東
レ製,商品名ルミラー)に貼合せて、半導体ウエハ加工
用保護シートを作製した。基材フィルムの反発力は66
gであった。
【0038】比較例1 実施例1において、基材フィルムとして厚み115μm
のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムに
貼りあわせた以外は、実施例1と同様にして半導体ウエ
ハ加工用保護シートを作製した。基材フィルムの反発力
は2gであった。
【0039】比較例2 実施例1において、基材フィルムとして厚み150μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東
レ製,商品名ルミラー)に貼りあわせた以外は、実施例
1と同様にして半導体ウエハ加工用保護シートを作製し
た。基材フィルムの反発力は200gであった。
【0040】上記実施例1および比較例1、2で得られ
た半導体ウエハ加工用保護シートを6インチミラーウエ
ハ(厚み600μm)に貼りあわせ、DISCO製バッ
クグラインダーDFG840にてウエハの厚みが50μ
mになるまで研削した後、ウエハの反り量(mm)およ
び保護シートの搬送性、剥離性の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0041】(反り量)平板上に半導体ウエハ加工用保
護シートを貼り付けた状態のウエハを保護シートが上側
になるように置き、平板上から最も浮いているウエハ端
部の高さ(mm)を測定した。
【0042】(搬送性、剥離性) 剥離装置:DR8500(日東精機製)を用いて行っ
た。剥離する前には保護シートに紫外線を照射して保護
シートの粘着層の粘着力を低下させた。剥離装置での搬
送性について、○:問題なし、×:搬送エラーありとし
た。また、剥離装置での剥離性について、○:問題な
し、×:剥離ミスありとした。
【0043】
【表1】 実施例1の保護シートは、反発力が前記範囲にあり、反
り量が小さく搬送性が良好であり、また剥離性も良好で
ある。一方、比較例1の保護シートは、反発力が小さい
ため反り量が大きく搬送性が悪い。比較例2の保護シー
トは反発力が大きく反り量は小さいため搬送性は良好で
あるが、反発力が大きすぎて剥離性が不良である。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体ウエハ加工用保護シートの断面図であ
る。
【図2】反発力を測定するための概念図である。
【符号の説明】 1:基材フィルム 2:粘着層 3:セパレータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム上に粘着層が積層されてい
    る半導体ウエハ加工用保護シートにおいて、基材フィル
    ムが、幅20mmで曲率半径3.0mmにおり曲げられ
    た時の反発力が3g以上150g以内であることを特徴
    とする半導体ウエハ加工用保護シート。
  2. 【請求項2】 粘着層が、紫外線照射によって粘着力が
    低下する放射線硬化型粘着剤により形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ加工用保護シ
    ート。
  3. 【請求項3】 粘着層を形成する粘着剤が、炭素−炭素
    二重結合を分子中に有するベースポリマーを主成分とし
    て含有してなる放射線硬化型粘着剤であることを特徴と
    する請求項1または2記載の半導体ウエハ加工用保護シ
    ート。
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