JP2002218938A - 油脂を主成分とする成型調味料、及びその成型調味料の製造方法 - Google Patents
油脂を主成分とする成型調味料、及びその成型調味料の製造方法Info
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Abstract
も融解しにくく、かつ熱湯を注いで食するために食品の
温度を上げて可食状態にしたとき速やかに融解して風味
が良好である、油脂を主成分とした成型調味料を提供す
る。 【解決手段】 デキストリン100重量部をミキサーで
撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中で加温混合溶解し
た乳脂100重量部、大豆硬化油450重量部、バター
フレーバー0.7重量部、色素0.007重量部を、前
記ミキサーに速やかに加えて、ミキサー内で緩やかに均
一になるまで撹拌した。その後、液温を60゜C以上に
保持したままプラスチック製の成型トレイに流し込んで
冷却固化し、固化後、成型トレイから抜き出した。
Description
等に添加される、油脂を主成分とする成型調味料、及び
その成型調味料の製造方法に関する。
は麺類、スープ類を主体としてその種類は多い。容器入
りの即席麺類を例にとると、そのスープ類は袋詰めされ
て別添されているものや、スープ類は包装せずにバラ充
填しているものがある。スープ類や油脂類を個々に袋詰
めして別添すると、袋詰め工程が余計にかかりコストア
ップの要因になり、食用時にはそれぞれの袋を開封する
手間が掛かることから、一部のカップ麺では簡便性を重
視してスープ類を包装せずにバラ充填している。スープ
類に油脂類を添加したり別添する理由は、スープに風味
や濃厚感を付与するためである。
るスープに多量の油脂を含有させると、粉末もしくは顆
粒の状態がしっとりして流動性が悪くなり、カップへの
定量充填が困難になる。カレールーのように小麦粉に油
脂を比較的多く含む固形状のものもあるが、これらの油
脂含有量はせいぜい30〜40%と低いうえにルーの溶
解性が悪い。
固形化したスープを添付することも考えられるが、この
場合はその油脂の固形脂肪含有量の多さに由来する口解
けの悪さが大きく問題になり、嗜好を満足させることが
困難である。
味のフレーバーを添加した油脂を別添して使用する場合
は、別添の袋詰めの油脂を開封して滴下した途端に大半
の風味がすぐに発散してしまう。また喫食中持続させる
ために強い風味のフレーバーの添加量を増やすと滴下直
後の風味が強すぎ、その添加量が少ないと喫食中に風味
が弱まるために濃厚感が薄れるという難点があった。
たもので、カップ詰め食品に油脂を多量に含むスープを
添加する際、袋詰めしたものを別添する工程を要さず
に、またカップへの定量充填が容易でべたつきの無い固
形状であり、しかも商品流通時にカップが高温環境下に
置かれても融解しにくく、かつ熱湯を注いで食するため
に食品の温度を上げて可食状態にしたときは徐々に融解
して風味が良好である、油脂を主成分とした成型調味料
及びその製造方法を提供することを目的とする。
ターなど強い風味のフレーバーを添加した油脂を別添し
て使用する場合にも、別添の袋詰めの油脂を開封して添
加した風味が短時間に発散するのを防止できて適当な添
加量で喫食中一定した風味を持続させることのできる、
油脂を主成分とした成型調味料及びその製造方法を提供
することにある。
した成型調味料は、多孔質化した吸油性のある加工デン
プンと40゜Cで固体状の油脂類とを、1:3〜6の配
合割合(重量比)で混合して成型固化してあることに特
徴を有するものである。この場合において、上記の多孔
質化した吸油性のある加工デンプンとしては、天然デン
プン類の加水分解物、天然デンプン類の誘導体、天然デ
ンプン類の加水分解物の誘導体のうちの一種または二種
以上を使用することができる。上記油脂類としては、動
物油、植物油、動物油の硬化油、植物油の硬化油、動物
油の分別油、植物油の分別油のうちの一種または二種以
上を使用することができる。但し、動物油の中でもバタ
ー脂肪単独の油脂、あるいは植物油単独の油脂のように
40゜C以下で固体状にならない油脂類は除かれる。商
品流通時に高温環境下に置かれても融解しにくくするた
めである。
体状の油脂類との重量比において、固体状の油脂類が加
工デンプンの配合重量の3倍未満しか配合されない場合
は、油脂の固化による体積の減少を利用して型抜きをす
る調味料の成型が困難になり、吸油性のある加工デンプ
ンの特性から粉体になりやすい。また油脂を添加するこ
とによる風味や濃厚感付与の目的を十分に達成できな
い。固体状の油脂類が加工デンプンの配合重量の6倍を
越えるまで配合されると、油脂自体の物性が強く現れて
温度に対しての抵抗が無くなり、成型したものを高温に
保存すると融点の低いものは時間が経つにつれて融解
し、変形して溶け出してくる。また高い融点の油脂を使
用すれば、口溶けが極端に悪化して食用に適さない。
比較的多く含ませた固形状のカレールー等のように小麦
粉ではなく、多孔質化した吸油性のある加工デンプンを
使用するので、高温下における油脂の融解による成型調
味料の変形や油脂の染み出しを防止できる。融点調整し
た油脂100%の固形油脂は融点温度付近で型崩れや融
解しやすいが、油脂類と吸油性加工デンプンとを1:3
〜6の配合割合(重量比)で混合して成型固化した成型
調味料によれば、吸油性加工デンプンが油脂類を抱き込
み、保持する性質から融点温度付近での型崩れや融解は
なく、熱水中では徐々に融解する。
骨、ニンニクなど強い風味のフレーバーを混合した場合
は熱湯を注いで喫食状態にした時に吸油性加工デンプン
から徐々に油脂が溶解するため、液体油脂に前記フレー
バーを混合した従来の風味油脂のごとく油脂の滴下直後
に風味が最も強く、すぐに風味が弱くなるのに比べて、
風味の持続性が良好であり、適度な風味を比較的長時間
に発現させることができる。
は、多孔質化した吸油性のある加工デンプンと、40゜
Cで固体状の油脂類とを、1:3〜6の配合割合(重量
比)で混合してなる上記成型調味料100重量部に対
し、さらに粉末調味料が1〜150重量部添加されてい
ることに特徴を有するものである。この場合において、
上記粉末調味料としては、乳製品、スパイス類、化学調
味料、精製塩、粉末状の味噌、粉末状の醤油、肉、野菜
等の粉末状のエキスのうちの一種または二種以上を使用
することができる。
製造方法は、融解状の油脂類と加工デンプンとの混合物
を融解状態で成型器に流し込んで固化させた後冷却し、
油脂類の温度変化による体積の収縮を利用して型抜きす
ることに特徴を有するものである。これにより成型調味
料が油脂を利用して所定形状に簡単に成型することがで
きる。
成型調味料は、カップ等の容器に格納される成型スープ
に使用することが主目的であり、油脂含有量の比較的多
いものを目的としている。この成型調味料は、例えばド
ラムドライヤー等で急速に乾燥させて多孔質化した吸油
性のある加工デンプンと、40゜Cで固体状の油脂類と
を所定の配合割合で混合し、この混合物を融解状態で成
形器に流し込んで固化させた後、冷却し、油脂類の温度
変化による体積の収縮を利用して型抜きして得る。
デンプンと40゜Cで固体状の油脂類との配合割合につ
いて、固体状の油脂類の配合重量が加工デンプンの配合
重量の3倍未満では、油脂の固化による体積の減少を利
用して型抜き成型することが困難になり、吸油性のある
加工デンプンの特性から粉体になりやすい。また油脂に
よる風味や濃厚感付与の目的を十分に達成できない。固
体状の油脂類が加工デンプンの配合重量の6倍よりも多
く配合されると、油脂自体の物性が強く現れて温度に対
しての抵抗が無くなり、成型したものを高温に保存する
と融点の低いものは時間の経過とともに融解し、変形し
て溶け出してくる。また高い融点の油脂を使用すれば、
口溶けが極端に悪化して食用に適さない。したがって、
多孔質化した吸油性のある加工デンプンと40゜Cで固
体状の油脂類との配合割合(重量比)は1:3〜6とす
ることが好ましい。
プンとしては、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン
などの天然デンプン類の加水分解物、これら天然デンプ
ン類又は天然デンプン類の加水分解物の誘導体(アルケ
ニル琥珀酸エステル等)のうちの一種または二種以上が
使用される。この加工デンプンは、ドラムドライヤー、
パフガン、エクストルーダーなどの乾燥機を用いて急速
に乾燥処理を行うことにより多孔質化することができ、
これにより吸油性を高めることができる。
ド、牛脂等の動物油、大豆油、パーム油等の植物油、こ
れら動物油又は植物油の硬化油、これら動物油又は植物
油の分別油のうちの一種または二種以上が使用される。
但し、動物油の中でもバター脂肪単独、あるいは植物油
単独のように40゜C以下で固体状にならない油脂類
は、商品流通時に高温環境下に置かれると融解しやすい
ため、これらは除かれる。
体になるときの体積の減少を利用する。この場合、油脂
の固体の含有量を示すSFI値で摂氏20゜Cと60゜
Cの差が40%以上であれば、固形化による収縮が型抜
きに適したものとなる。また40゜Cでの固体脂肪含有
量が25%以下では成型調味料がべとつくため好ましく
ない。したがって、上記油脂類には40゜Cでの固体脂
肪の含有量が25%以上であり、60゜Cと20゜Cの
固体脂肪含有量の差が40%以上のものを使用すること
が好ましい。また、油脂類にいろいろの風味をつけたシ
ーズニングオイル等を用いること、油溶性のフレーバー
等で着香することが好ましい。
には、さらに、脱粉、全粉、ホエーパウダー等の乳製
品、カレー粉、コショウ等のスパイス類、グルタミン酸
ソーダー等の化学調味料、精製塩、粉末状の味噌や醤
油、肉、野菜等の粉末状のエキスのうちの一種または二
種以上の粉末調味料を添加することができる。この場
合、上記成型調味料組成物が100重量部に対して粉末
調味料は1〜150重量部添加することが好ましい。
と加工デンプンの混合物を融解状態で成型器に流し込ん
で冷却し、固化させ、油脂類の温度変化による体積の収
縮を利用して型抜きすることによりダイス形状等の所要
形状に簡単に成型することができる。
は比較例1〜4を示す図表である。 実施例1 天然デンプン類の加水分解物であるデキストリンで吸油
性を持つパインフロー(松谷化学社製)100重量部を
ミキサーで撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中で加温
混合溶解した乳脂100重量部、大豆硬化油450重量
部、バターフレーバー0.7重量部、色素0.007重
量部を、前記ミキサーに速やかに加えて、ミキサー内で
緩やかに均一になるまで撹拌した。その後、液温を60
゜C以上に保持したままプラスチック製の成型トレイに
流し込み、冷却固化させた。固化後、成型トレイから抜
き出してダイス形状の成型調味料を得た。
量部をミキサーで撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中
で加温混合溶解した豚骨風調味油60重量部、ラード硬
化油240重量部、豚骨フレーバー1.0重量部を、前
記ミキサーに速やかに加えて、ミキサー内で緩やかに均
一になるまで撹拌した。その後、液温を60゜C以上に
保持したままプラスチック製の成型トレイに流し込み、
冷却固化させた。固化後、成型トレイから抜き出してダ
イス形状の成型調味料を得た。
6重量部と、粉末調味料として粉末チーズ60重量部と
をミキサーで撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中で加
温混合溶解した乳脂4重量部、大豆硬化油30重量部、
チーズフレーバー0.3重量部、色素0.001重量部
を、前記ミキサーに速やかに加えて、ミキサー内で緩や
かに均一になるまで撹拌した。その後、液温を60゜C
以上に保持したままプラスチック製の成型トレイに流し
込み、冷却固化させた。固化後、成型トレイから抜き出
してダイス形状の成型調味料を得た。
バターフレーバー0.1重量部、色素0.001重量部
を混合したものである。
部、大豆硬化油75.9重量部、バターフレーバー0.
1重量部、色素0.001重量部をミキサー内で緩やか
に均一になるまで撹拌して得た。
部をミキサーで撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中で
加温混合溶解した乳脂12.5重量部、大豆硬化油3
7.5重量部、バターフレーバー0.1重量部、色素
0.001重量部を、前記ミキサーに速やかに加えて、
ミキサー内で緩やかに均一になるまで撹拌した。しか
し、これでは粉末状になり、成型できなかった。
部をミキサーで撹拌混合した後、80゜Cの加熱釜中で
加温混合溶解した乳脂22.5重量部、大豆硬化油6
7.4重量部、バターフレーバー0.1重量部、色素
0.001重量部を、前記ミキサーに速やかに加えて、
ミキサー内で緩やかに均一になるまで撹拌した。その
後、液温を60゜C以上に保持したままプラスチック製
の成型トレイに流し込み、冷却固化させた。固化後、成
型トレイから抜き出して成型調味料を得た。
成型調味料は、常温において固形物表面にべたつきは無
く、50゜Cの恒温器に48時間保管したものは表面
上、何の変化もなく、また油脂の溶けた形跡は見られな
かった。また、この成型調味料を85゜Cの湯に投入し
たところ緩やかなスピードで溶解しだし、本物のバター
さながらのバター風味と溶解状態が見られ、数分後には
完全に固形物は無くなった。溶解した後も好ましいバタ
ー風味が溶けた湯に残っていた。
においても、常温において固形物表面にべたつきは無
く、50゜Cの恒温器に48時間保管したものは表面
上、何の変化もなく、また油脂の溶けた形跡は見られな
かった。また、これら成型調味料を85゜Cの湯に投入
したところ緩やかなスピードで溶解しだし、数分後には
完全に固形物は無くなった。実施例2においては溶解し
た後も特有の好ましい豚骨風味が溶けた湯に残ってい
た。実施例3においては溶解した後も特有の好ましいチ
ーズ風味が溶けた湯に残っていた。
工デンプン無添加)を85゜Cの湯に投入、滴下して比
較した結果、実施例1では初発に程良い風味を発現し、
完全に溶けきった後も風味が残るのに対して、比較例1
では直後に非常に強い風味を発現するが風味の減退が激
しく、数分後には完全に消失した。
加)は常温において置いていた場合はそれ程実施例1と
比較して違いは認められなかったが、50゜Cの恒温器
で48時間保存したものについては一部融解した形跡が
見られ、外形も四隅が歪になっていることが確認され
た。また比較例2の成型調味料を85゜Cの湯に投入し
たところ実施例1に比べてかなり早い時間で溶けきっ
た。
に粉末状になり、デキストリンと油脂類との混合物が成
型できなかった。比較例4では、油脂の含有量が多すぎ
るため、比較例2に比して50゜Cの恒温テストで油の
融解による型崩れはしにくくなっているが、実施例1に
は及ばなかった。
Claims (8)
- 【請求項1】 多孔質化した吸油性のある加工デンプン
と40゜Cで固体状の油脂類とを、1:3〜6の配合割
合(重量比)で混合して成型固化してあることを特徴と
する油脂を主成分とする成型調味料。 - 【請求項2】 多孔質化した吸油性のある加工デンプン
としては、天然デンプン類の加水分解物、天然デンプン
類の誘導体、天然デンプン類の加水分解物の誘導体のう
ちの一種または二種以上を使用している請求項1記載の
油脂を主成分とする成型調味料。 - 【請求項3】 油脂類としては、動物油、植物油、動物
油の硬化油、植物油の硬化油、動物油の分別油、植物油
の分別油のうちの一種または二種以上を使用している
(但し、40゜C以下で固体状にならない油脂類は除
く。)請求項1又は2に記載の油脂を主成分とする成型
調味料。 - 【請求項4】 油脂類がシーズニングオイル等の風味を
持つ油脂である請求項3記載の油脂を主成分とする成型
調味料。 - 【請求項5】 油脂類が油溶性のフレーバー等で着香さ
れた油脂である請求項3記載の油脂を主成分とする成型
調味料。 - 【請求項6】 請求項1に記載の成型調味料100重量
部に対して粉末調味料が1〜150重量部添加されてい
ることを特徴とする油脂を主成分とする成型調味料。 - 【請求項7】 粉末調味料として、乳製品、スパイス
類、化学調味料、精製塩、粉末状の味噌、粉末状の醤
油、肉、野菜等の粉末状のエキスのうちの一種または二
種以上を使用している請求項6記載の油脂を主成分とす
る成型調味料。 - 【請求項8】 融解状の油脂類と加工デンプンとの混合
物を融解状態で成型器に流し込んで固化させた後冷却し
油脂類の温度変化による体積の収縮を利用して型抜きす
ることを特徴とする、油脂を主成分とする成型調味料の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001020374A JP3586651B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 油脂を主成分とする成型調味料、及びその成型調味料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001020374A JP3586651B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 油脂を主成分とする成型調味料、及びその成型調味料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002218938A true JP2002218938A (ja) | 2002-08-06 |
JP3586651B2 JP3586651B2 (ja) | 2004-11-10 |
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ID=18886090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001020374A Expired - Lifetime JP3586651B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 油脂を主成分とする成型調味料、及びその成型調味料の製造方法 |
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- 2001-01-29 JP JP2001020374A patent/JP3586651B2/ja not_active Expired - Lifetime
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