JP2014128227A - 新規調味用組成物付き固形ルウおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】手作り品に劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどを手軽に調理でき、調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウおよびその製造方法の提供。
【解決手段】DSC測定において、40〜55℃に吸熱ピークを有する油脂成分を必須成分とするルウから形成された第1組成部分および、該油脂成分を必須成分とするとともに低エネルギー処理の必要な原料を含む調味用組成物から形成された第2組成部分とを備えるとともに、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造を有する調味用組成物付き固形ルウであって、第1組成部分の油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギーA、第2組成部分に含まれる油脂成分のエネルギーBとすると、BからAを差し引いた値が4以上20以下であり、かつ前記原料の特性が損なわれていない該固形ルウ。
【選択図】図1

Description

本発明は、風味のよい新規調味用組成物付き固形ルウおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定して得られるDSC曲線から算出されるエネルギーが異なる油脂成分を含有するルウと調味用組成物とが、密着して接している構造を有し、調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウおよびその製造方法に関するものである。
一般に、カレー、シチュー、ハッシュドビーフなどの固形ルウ製品は、油脂と小麦粉を100℃以上に加熱混合して小麦粉ルウを製造した後に、香辛料、砂糖、食塩、調味料およびその他の風味原材料などを加え、混合後、容器に充填し、冷却固化して製造されている。
そのため一般の、カレー、シチュー、ハッシュドビーフなどのルウは、その原料配合、製造プロセスなどによってその特有の風味などが製品の性格を大きく左右する重要因子となっている。
したがって、カレーなどのルウを製造する場合は、カレーパウダーなどの独特の風味が引き立つようにする必要があり、そのために、原料配合、製造プロセスなどにおいて、様々な工夫を施すことが必要とされている。例えば、従来、油脂と小麦粉とを100〜170℃程度に加熱混合して小麦粉ルウを作った後に、風味が逸散、分解しやすいカレーパウダーなどを加えることが行われていたが、いずれも、ルウの風味向上に寄与し得る原料の風味の特性を発揮させるには到っていなかった。
そのため、油脂、香辛料、調味料を主体とするルウと、油脂、乳成分を主体とする乳原料を別体とした、調理加工食品の素材(特許文献1参照)、オニオン、ガーリック、ジンジャー、肉類、小麦粉およびカレーパウダーから選ばれた1以上を含む第1群、および乳製品、第1群に挙げたもの以外の野菜類、果実類、香りを付与するための香辛料、ケチャップ、醤油及びソースから選ばれた1以上を含む第2群として、少なくとも原料を2つの群に分かち、第1群の原料 を100℃以上の温度で高温加熱処理すると共に、第2群の原料を40〜95℃の温度で低温加熱処理し、これらを含む全ての原料を混合し、必要に応じて更に仕上げのための加熱処理を施すルウの製造方法(特許文献2参照)、香味原料を含む香味ルウ層およびコク味原料を含むコク味ルウ層を含む複層ルウ(特許文献3参照)などが提案されている。
しかし、従来の技術では、ルウの風味向上に寄与し得る原料の風味の特性を最大限に発揮させるには不充分なものであった。
特許第1849449号公報 特許第3276884号公報 特許第4693607号公報
本発明の第1の目的は、ルウの風味向上に寄与し得る原料の特性を最大限に発揮させ、手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどを手軽に家庭や飲食店などで調理できる風味のよい、調理後に新規の食味食感を有する固形ルウを提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような風味のよい、調理後に新規の食味食感を有する固形ルウを容易に経済的に製造するための製造方法を提供することである。
課題を解決するために本発明者は鋭意研究した結果、第1組成部分および第2組成部分を形成するために使用する必須成分としての油脂成分について走査熱量計(DSC)を用いて測定して得られるDSC曲線から算出される両者のエネルギー(ジュール/g)の差が特定の範囲内にあり、第1組成部分および第2組成部分とが密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウを作るにあたり、例えば、ルウである第1組成部分は前記エネルギーが小さい油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、調味用組成物である第2組成部分は必須成分としてエネルギーが大きい油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な例えば乳由来の原料を含み、第1組成部分と第2組成部分の一部が密着する調味用組成物付き固形ルウを用いると、新規調味用組成物付き固形ルウを家庭などで使用する際、例えば約70〜80℃程度の熱湯に新規調味用組成物付き固形ルウを入れて攪拌すると、前記エネルギーが小さい第1組成部分が先に溶解するが、前記エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残るので、前記エネルギーが大きい第2組成部分に含まれる乳由来の原料が本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、調理後に手作りのものに劣らない、豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどが得られることを発見し、課題を解決できることを見出して、本発明を成すに到った。
課題を解決するための本発明の請求項1は、示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するルウから形成された第1組成部分および、同様に40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するとともに低エネルギー処理の必要な原料を含む調味用組成物から形成された第2組成部分とを備えるとともに、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウであって、
下記エネルギー算出方法に従って、第1組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして第2組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出さるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下であり、かつ前記原料の特性が損なわれていないことを特徴とする調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウである。
4≦(B−A)≦20 式(1)
(測定条件)
機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
試料質量:10mg
昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
(エネルギー算出方法)
得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の新規調味用組成物付き固形ルウにおいて、第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法であって、下記の(1)〜(2)を含む工程により製造することを特徴とする新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法である。
(1)示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された第1組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から下記エネルギー算出方法に従って、算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された低エネルギー処理の必要な原料を含む第2組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下となるように各油脂成分を調製した後、各油脂成分をそれぞれ用いて第1組成部分を形成するペースト状ルウを調製するとともに、低エネルギー処理の必要な原料の特性を損なわない条件で第2組成部分を形成するペースト状調味用組成物を調製する。
4≦(B−A)≦20 式(1)
(測定条件)
機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
試料質量:10mg
昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
(エネルギー算出方法)
得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
(2)工程(1)で調製した第1組成部分を形成するペースト状ルウ、または第2組成部分を形成するペースト状調味用組成物を用いて第1または第2組成部分を形成して固化し、次いで他方の部分を形成するペースト状ルウまたは調味用組成物を用いて、固化した第2組成部分の少なくとも1部の面が固化した第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウを製造する。
本発明の請求項4は、請求項3記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法において、第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とする。
本発明の請求項1は、示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するルウから形成された第1組成部分および、同様に40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するとともに低エネルギー処理の必要な原料を含む調味用組成物から形成された第2組成部分とを備えるとともに、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウであって、
下記エネルギー算出方法に従って、第1組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして第2組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出さるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下であり、かつ前記原料の特性が損なわれていないことを特徴とする調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウであり、
生産者は、第2組成部分を形成する調味用組成物の風味向上に寄与する原料(低エネルギー処理の必要な原料とも称す)がペースト状調味用組成物の調製工程においてその特性が損なわれないように低エネルギー処理を行うとともに、家庭などでの調理工程においては、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残るので、その結果、第2組成部分に含まれる風味向上に寄与する原料の特性が損なわれないので、調製工程における効果と調理工程における効果との相乗効果により、ルウの風味向上に寄与し得る原料の特性を最大限に発揮させることができ、手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどを手軽に調理できる風味のよい、調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウを提供できるという顕著な効果を奏す。
BからAを差し引いた値がゼロに近いと、第1組成部分のルウと第2組成部分の調味用組成物が、ほぼ同時に溶解するため、前記原料の特性が損なわれてしまう。しかし、4以上になると第2組成部分の溶解が遅れ、第1組成部分と溶解に際して明らかに差が出てくるので、前記原料の特性が損なわれず、維持される。7以上あるとより明確に食味食感に差がでてくるので更に好ましい。また、差が大きいと口あたりに関してバラつきなどが感じられ易くなる傾向があるが、20以下であると、前記原料の特性が損なわれず、維持されるとともに、口あたりも良い状態が維持される。
本発明の請求項2は、請求項1記載の新規調味用組成物付き固形ルウにおいて、第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とするものであり、
第1組成部分としては必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含みかつ前記エネルギーが小さいルウを用い、第2組成部分には必須成分の油脂成分以外に低エネルギー処理の必要な乳由来の原料を含みかつ前記エネルギーが大きい調味用組成物を用いると、第2組成部分を形成するペースト状ルウを調製する際に低エネルギー処理を行って、乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが損なわれないようにするとともに、新規調味用組成物付き固形ルウを家庭などで使用する際、約70〜80℃程度の熱湯に新規調味用組成物付き固形ルウを入れて攪拌すると、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残るので、第2組成部分に含まれる乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持される効果があり、前記効果との相乗効果により、調理後に手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどが確実に得られるというさらなる顕著な効果を奏す。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法であって、下記の(1)〜(2)を含む工程により製造することを特徴とする新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法であり、
調製工程における効果と調理工程における効果との相乗効果により、ルウの風味向上に寄与し得る原料の特性を最大限に発揮させ、手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどを手軽に調理できる風味のよい、調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウを容易に経済的に製造することができるという顕著な効果を奏す。
(1)示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された第1組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から下記エネルギー算出方法に従って、算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された低エネルギー処理の必要な原料を含む第2組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下となるように各油脂成分を調製した後、各油脂成分をそれぞれ用いて第1組成部分を形成するペースト状ルウを調製するとともに、低エネルギー処理の必要な原料の特性を損なわない条件で第2組成部分を形成するペースト状調味用組成物を調製する。
4≦(B−A)≦20 式(1)
(測定条件)
機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
試料質量:10mg
昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
(エネルギー算出方法)
得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
(2)工程(1)で調製した第1組成部分を形成するペースト状ルウまたは第2組成部分を形成する調味用組成物を用いて第1または第2組成部分を形成して固化し、次いで他方の部分を形成するペースト状ルウまたは調味用組成物を用いて、固化した第2組成部分の少なくとも1部の面が固化した第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウを製造する。
本発明の請求項4は、請求項3記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法において、第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とするものであり、
第1組成部分としては必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含みかつ前記エネルギーが小さいルウを用い、第2組成部分には必須成分の油脂成分以外に低エネルギー処理の必要な乳由来の原料を含みかつ前記エネルギーが大きいルウを用いると、第2組成部分を形成するペースト状調味用組成物を調製する際に低エネルギー処理を行って、乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが損なわれないようにするとともに、新規調味用組成物付き固形ルウを家庭などで使用する際、約70〜80℃程度の熱湯に新規調味用組成物付き固形ルウを入れて攪拌すると、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残るので、第2組成部分に含まれる乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持される効果があり、前記効果との相乗効果により、調理後に手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどが得られるというさらなる顕著な効果を奏す。
図1(イ)は、実施例1で使用した、第1組成部分を形成するルウに使用される第1油脂成分、(ロ)は、第2組成部分を形成する調味用組成物に使用される第2油脂成分を、熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計を用いて測定して得られる40〜55℃に吸熱ピークを有するDSC曲線および得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギーを算出する方法、および(ハ)は、比較例1で使用した、前記第1油脂成分および前記第2油脂成分を予め混合した混合油脂成分について同様にしてエネルギーを算出する方法を説明する説明図である。 図2は、第1組成部分を形成するルウ、および第2組成部分を形成する調味用組成物を調製し、次いでこれらのルウまたは調味用組成物を容器に充填して本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造する工程の1例およびその本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを家庭内で調理する工程の1例を説明する説明図である。 図3(イ)〜(ハ)は、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造の例を説明する説明図である。
次に本発明について図を用いて詳細に説明する。以下の%は質量%を示す。
図1(イ)は、実施例1で使用した、第1組成部分を形成するためのルウに使用される第1油脂成分、(ロ)は、第2組成部分を形成するための調味用組成物に使用される第2油脂成分を、熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計を用いて下記の測定条件で測定して得られる40〜55℃に吸熱ピークを有するDSC曲線および得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギーを算出する方法、および(ハ)は、比較例1で使用した、前記第1油脂成分および前記第2油脂成分を予め混合した混合油脂成分について同様にしてエネルギーを算出する方法を説明する説明図である。
(測定条件)
機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
試料質量:10mg
昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
(エネルギー算出方法)
図1(イ)、(ロ)、(ハ)に示したように、実施例1および比較例1で使用した油脂成分を用いて得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
具体的には、図1(イ)に示したように得られた第1油脂成分のDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線(第1接線)で結び、この接線(第1接線)と第1油脂成分のDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギーA(ジュール/g)を算出する。
図1(イ)に示したようにエネルギーAは14.8(ジュール/g)であった。
また、図1(ロ)に示したように得られた第2油脂成分のDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線(第2接線)で結び、この接線(第2接線)と第2油脂成分のDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギーB(ジュール/g)を算出する。
図1(ロ)に示したようにエネルギーBは25.8(ジュール/g)であった。
また、図1(ハ)に示したように得られた前記第1油脂成分および第2油脂成分の合計100%を、第1油脂成分70%と第2油脂成分30%になるように予め混合した混合油脂成分のDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線と混合油脂成分のDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
図1(ハ)に示したようにエネルギーは16.0(ジュール/g)であった。
本発明においては、BからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下となるように、例えばなたね油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらの油脂類の単独または混合油、あるいはそれら単独または混合油の硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂などから選択される単独または2種以上の油脂を用いて第1油脂成分および第2油脂成分を調製する。
これらの植物性油脂、動物性油脂、加工油脂から選択される2種以上を用いると、より効率的に調製できるので好ましい。
図2は、第1組成部分を形成するためのルウ、および第2組成部分を形成するための調味用組成物を調製し、次いでこれらのルウまたは調味用組成物を容器に充填して本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造する工程の1例およびその本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを家庭内で調理する工程の1例を説明する説明図である。
(第2組成部分)
第2組成部分1を形成するために、前記第2油脂成分とデキストリンとその他(調味料・塩他)を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し混合した。それに、低エネルギー処理の必要な生クリームを計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し5分間混合し、第2組成部分を形成するためのペースト状調味用組成物を調製し、このペースト状調味用組成物を50℃程度でプラスチック容器2に充填し、冷却固化して第2組成部分1を形成する。
このペースト状調味用組成物中の配合量は、生クリーム35%、第2油脂成分30%、その他20%、デキストリン15%である。
(第1組成部分および本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ)
一方、第1組成部分3を形成するために、水分6%の焙煎小麦粉・澱粉系原料、前記第1油脂成分、香辛料の一部、塩、砂糖および調味料(液体および固体)を計量し、それぞれを配合した後、70℃位まで混合しながら加熱する。その後、カレー粉および香辛料の一部を加え、均一に分散するまで保温加熱しながら混合し、50℃まで冷却し、冷却固化した第2組成部分1が充填されているプラスチック容器2中の第2組成部分1の上に充填し、冷却固化した後、プラスチックフィルム4で密封包装して、密封包装した第2組成部分1の上に第1組成部分3が密着して接している構造を有する本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5を製造する。
第1組成部分3中には、焙煎小麦粉・澱粉系原料35%、前記第1油脂成分30%、塩、砂糖および調味料(液体および固体)20%、カレー粉7%、香辛料8%含有されている。
前記の例では、冷却固化した第2組成部分1の上にペースト状の第1組成部分3を充填し、冷却固化して本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5を製造した例を挙げたが、冷却固化した第1組成部分1の上にペースト状の第2組成部分3を充填して、例えば、急速冷却することにより、冷却固化して本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5を製造することもできる。
本発明における新規調味用組成物付き固形ルウとは、常温保管環境下で、何らかの力で押されるなどの外力がかからない限り形状が維持できるものであって、第1組成部分がルウから形成されたものであり、第2組成部分が調味用組成物から形成されたものであり、少なくとも両者を備えている構造を有するものである。
本発明における固形ルウとは、常温保管環境下で、何らかの力で押されるなどの外力がかからない限り、ルウの形状が維持できるものであって、具体的には、概ね40℃以下であれば、ルウの少量の溶解などが生じたとしても、外力がかからない限りで形状を維持できるものをいう。
本発明におけるルウとは、小麦粉や馬鈴薯、コーン、タピオカなどから作られる澱粉と、バターや各種油脂を加熱混合または炒めてえられるペースト状または固形となったものを含むものであって、具体的には、例えば、ルウと水分を用いてソースなどを調理すると、ルウの小麦粉や澱粉による粘性をソースにあたえられる、ホワイトルウやブラウンルウなどホワイトルウやブラウンルウに調味料や香辛料などを入れたカレールウやシチュールウの例を挙げることができる。
本発明における固形調味用組成物とは、固形ルウではなく、小麦粉や澱粉を含まないで、バターや各種油脂およびその他の原料を用いて調整され、常温環境下で、なんらかの外力がかからない限り形状が維持できるものをいう。
本発明における調味用組成物とは、具体的には、例えばクリーム、チーズ、バターなどと、澱粉分解物、調味料や香辛料とを加え、油脂で調整された組成物などの例を挙げることができ、実質的に粘性を付与する小麦粉や澱粉を含まないで、粘性を付与する増粘剤も含まないことが好ましい。
本発明における新規調味用組成物付き固形ルウは、固形ルウである第1組成部分と、固形調味用組成物である第2組成部分とが、第2組成部分の少なくとも一部の面において、少なくとも1箇所の面で密着して接した状態で、常温保管環境下で混ざりあわずに少なくとも一定期間形状を維持することができる固形ルウである。
そのため、個々の第1組成部分および第2組成部分は、その調製に使用される原料の少なくとも油脂の種類または割合が違っており、第2組成部分には、原料の特性が損なわれていない低エネルギー処理の必要な原料が含まれており、固形の状態で両組成部分の外観や断面は、例えば、同じ色であってもよく、異なっていてもよい。
本発明において、第1組成部分と第2組成部分の配合割合は特に限定されることはない。だたし、第1組成性部分および第2組成部分が各20%以上あることで、先に充填し固化した第1組成部分または第2組成部分が、後から充填する別の組成部分の充填時の温度などで溶解して混ざることが少なくなるので好ましく、第2組成部分が25%以上あることで、低エネルギー処理の必要な原料の特性である豊かな香り、風味や風味をより強くえられるのでより好ましく、第1組成部分が、40%以上あることで、小麦粉や澱粉による粘性をえられやすくなるのでより好ましい。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5は出荷され、流通して、家庭内で通常(家庭内での調理)次の工程で調理される。
まず、具材の肉、野菜、水などを計量して調理器に入れ、これらの具材が柔らかくなるまで加熱調理される。そして、消火した後、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5をプラスチック容器2から取り出して添加する。そして約70〜80℃程度で攪拌しながら再加熱される。
再加熱される際、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5のエネルギーが小さい第1組成部分3は直ぐに溶解が始まるが、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ5のエネルギーが大きい第2組成部分1はなかなか溶解せずに残ることが観察される。
その結果、第2組成部分1に含まれる乳由来の原料(生クリーム・バターなど)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持される効果がある。
第2組成部分1を形成する際、低エネルギー処理の必要な乳由来の原料(生クリーム・バターなど)の特性を損なわない温度条件(70℃位)で行なうことによる効果と、家庭内での調理の際にエネルギーが大きい第2組成部分1はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることにより、第2組成部分1に含まれる乳由来の原料(生クリーム・バターなど)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持される効果との相乗効果により、調理後に手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどが得られる。
図3(イ)〜(ハ)は、1つ以上の第2組成部分1の少なくとも1部の面が第1組成部分3と密着して接している構造の例を説明する説明図である。
図3(イ)〜(ハ)は本発明について図を用いて説明するためのものであり、本発明は図3(イ)〜(ハ)に限定されるものではない。
(イ)は、図2に示したような工程により製造される1つの第2組成部分1の上面が第1組成部分3の底面に密着して接している構造の例である。
(ロ)は、1つの第1組成部分3の側面および底面が、上方に向けてコの字型が形成された1つの第2組成部分1の内側面と底面に密着して接している構造の例である。
(ハ)は、5つの別々の第2組成部分1のそれぞれの側面および底面が、上方に向けて5つのコの字型が形成された1つの第1組成部分3のそれぞれのコの字型の内側面と底面に密着して接している構造の例である。
本発明で使用する第2組成部分と第1組成部分が、それぞれ分離していてバラバラになっていると、出荷され、流通して、家庭などで調理される際に、第1組成部分を先に加熱して十分に溶解させた後、低エネルギー処理の必要な乳由来の原料(生クリーム・バターなど)を含む第2組成部分を添加して短時間で溶解させて、前記乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持されるように調理されれば良いが、前記乳由来の原料を含む第2組成部分を先に加熱して十分に溶解したり、あるいは後から第2組成部分を添加しても長時間加熱したりすれば、前記乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されない恐れがあり、前記乳由来の特性が損なわれる場合が生じる。
それに対して、本発明においては、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造とすることにより、第1組成部分と第2組成部分の調理時に加わる熱量のバランスを調整し易くすることができる効果があり、添加順序を間違えるなどの事故が起きず、前記のように乳由来の原料の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持されるように容易に調理することができるとともに、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを分割して調理する際に、第1組成部と第2組成部の割合を均一に保つことができる効果もある。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウの第1組成部分あるいは第2組成部分に、粘度調整などのためにキサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、タマリンドガム、カラヤガム、グアガム、ローカストビーンガムなどの増粘多糖類を適宜加えてもよい。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウの第1組成部分を形成するための原材料の配合の一例を表1に示した。
原材料の各成分の配合割合はカレー、ハヤシ、シチューなどに応じて適宜決められるものであり特に限定されない。この場合、小麦粉や澱粉原料の含量が少なくなりすぎると、スープ様となり好ましくない。反対に、小麦粉や澱粉原料の含量が多くなりすぎると粘性が高くなりすぎ、好ましくない。
また、第1油脂成分の含量が少なくなりすぎると、第1組成部分を調整する際に均一に原料が分散し難くなり風味が偏りやすくなったり、常温保管環境下で固形を維持し難くなる傾向があるので好ましくない。また反対に、第1油脂成分の含量が多くなりすぎると、固形状態であっても油脂が分離しやすくなったり、風味的にも油っぽくなる傾向があるので好ましくない。
Figure 2014128227
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウの第2組成部分を形成するための原材料の配合の一例を表2に示した。
表2に示した原材料の配合例は一例であり、低エネルギー処理の必要な生クリーム・バターなどの乳由来原料、第2油脂成分、デキストリンなど各成分の配合割合は、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウの用途であるカレー、ハヤシ、シチューなどに応じて適宜決められるものであり特に限定されない。
第2油脂成分の含量が少なくなりすぎると、第2組成部分を調製する際に均一に原料が分散し難くなり風味が偏りやすくなったり、調理時に低エネルギー処理の必要が原料を保護することができなくなったり、食味食感が低下する傾向があるので好ましくない。
また反対に、第2油脂成分の含量が多くなりすぎると、固形状態であっても油脂が分離しやすくなり、第2組成部分に含まれる低エネルギー処理の必要な原料の風味などが引き立たなくなる傾向があるので好ましくない。
Figure 2014128227
本発明で用いる製造装置は、前記製造装置に限定されず、加熱混合をできる装置であればよく、加熱方法においても、前記方法に限定されず、具体的には、例えば、直火、蒸気、電熱ヒーター加熱、電磁誘導加熱、マイクロ波加熱などの加熱方法を挙げることができる。攪拌混合方法においても、前記方法に限定されるものではない。
本発明で用いるルウ用の小麦粉の種類に関しては、特に限定されず、具体的には、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉などを使用する例を挙げることができる。これら小麦粉において、これらは単独で用いることも、2種以上を任意の割合で混合して用いることもできる。
小麦粉の水分含有量10〜15%の小麦粉が通常用いられるが、本発明で用いる小麦粉の含水量は、特に限定されず、任意の含水量の物を適宜使用する事ができる。具体的には、一般的に使用される、含水率が10〜15%の小麦粉や、積極的に焙煎などで、含水率2〜9%まで下げた小麦粉などがあげられる。
本発明においては小麦粉以外に澱粉を使用することができる。澱粉の種類に関しては特に限定されず、具体的には、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉などの天然澱粉や加工澱粉があげられる。ここで加工澱粉としては、架橋澱粉、酸処理澱粉、熱処理澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などが挙げられる。
これらは単独で用いることも、2種以上を任意の割合で混合して用いることもできる。
本発明で用いる澱粉分解物としては、馬鈴薯、コーン、タピオカ、小麦などから得られる澱粉を、酸や酵素などで分解したものであって、具体的には、例えば、分子量によってデキストリン、マルトデキストリン、水飴などと呼ばれるものを挙げることができる。
これらは単独で使用することもできるが、2つ以上の混合物を使用することもできる。
第1組成部分および/または第2組成部分に、水、果汁、酸味料、気泡剤、強化剤、香料、着色料、増粘安定剤などを所要に応じて適宜加えることができる。
これら材料は1つ、あるいは2つ以上を任意に組み合わせて適量を用いることができる。
その結果、多様な食味食感や見た目や外観を任意に変化させることができ、面白さがあり、意匠性が高く、美味しい上に味の変化を楽しめる本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを得ることができる。
本発明で使用する容器は、新規調味用組成物付き固形ルウの品質を維持出来る性能が持つものであれば良く、バリヤー性容器が好ましい。
好ましくは、無菌設備中でバリヤー性容器中に充填し、例えばヒートシール機で完全に密封する。また必要に応じて、完全密封する際に、窒素などでバリヤー性容器内の残存空気を置換したり、脱酸素剤も充填して残存空気中の酸素を脱酸素剤に吸収させることもできる。
例えば、米国航空宇宙局(NASA)の規格でクラス100〜クラス10000のクリーンルームやクリーンブース内などで無菌充填を行なう。無菌充填を行なう際には使用する設備・包材・容器・脱酸素剤などは充分に滅菌されたものを使用する。
好ましいガスバリヤー性容器包装体は、合成樹脂のトレー容器か、合成樹脂フィルム及び/又は金属箔のラミネート材からなるプラスチック袋である。
例えば、袋状容器では、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせた袋や、トレー容器と蓋材の組み合わせ容器では、トレー容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれをトレー状に成形したものとトレー容器上蓋フィルム(ガラス蒸着PET/ポリアミド/ポリプロピレン系シーラント)などが使用できる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において記載された%は、質量%を表す。
(実施例1)
先ず、常温で固体の硬化牛脂を主成分とした前記第2油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度49℃、エネルギー25.8ジュール/g)、デキストリンとその他(調味料・砂糖他)を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し混合した。それに、低エネルギー処理の必要な生クリームを計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し5分間混合し、第2組成部分を形成するためのペースト状調味用組成物を調製した。
このペースト状調味用組成物中の配合量は、生クリーム35%、第2油脂成分30%、その他20%、デキストリン15%である。
そして、第1組成部分を形成するために、焙煎小麦粉、常温で固体の硬化牛脂に、常温で液状のなたね油を配合した油脂を主成分とした第1油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー14.8ジュール/g)(B−A=11ジュール/g)を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し混合した。これにカレー粉、調味料を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し5分間混合し、第1組成部分を形成するためのペースト状ルウを調製した。
このペースト状ルウ中の配合量は、焙煎小麦粉35%、第1油脂成分30%、カレー粉15%、調味料20%である。
そして第2組成部分を形成するためのペースト状調味用組成物を65℃程度でプラスチック容器に40g充填し、10℃、15分で冷却固化する。
そして冷却固化した第2組成部分の上に第1組成部分を形成するためのペースト状ルウを65℃程度で60g充填し、10℃、15分で冷却固化して、第2組成部分の上に第1組成部分が密着して接している構造を有する本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造した。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを1週間常温で放置したが、色相、形状などの外観の変化はなかった。
(本発明の新規調味用組成物付き固形ルウの調理)
1週間常温で放置した本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを使用して次の調理条件で調理し、生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りをパネルメンバー20人で評価した。
(調理条件)
水200gを沸騰させた後、加熱を止め、約80℃になった時、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウ40gを添加し、本発明の新規調味用組成物付き固形ルウが溶けるまで撹拌すると、先ず第1組成部分が溶け、後から第2組成部分が溶けるのが観察された。全部溶けた後、消火し、下記の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:非常に優れている。
○:優れている。
△:やや劣る。
×:劣る。
調理時、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることが観察された。
その結果、第2組成部分に含まれる乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りの評価結果全て◎非常に優れており、優れた商品となるものであった。
(比較例1)
前記第2油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度49℃、エネルギー25.8ジュール/g)、第1油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー14.8ジュール/g)を予め混合し前記第1油脂成分と前記第2油脂成分を配合した混合油脂成分(吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー16.0ジュール/g)、デキストリン、生クリーム、焙煎小麦粉、カレー粉、調味料を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)で加熱し5分間混合し、比較のためのルウを形成するためのペースト状ルウを調製した。
このペースト状ルウ中の配合量は、生クリーム10.5%、第2油脂成分9%、デキストリン4.5%、焙煎小麦粉21%、澱粉3.5%、第1油脂成分21%、カレー粉5%、その他(調味料・塩他)25.5%である。
そしてこのペースト状ルウを65℃程度でプラスチック容器に100g充填し、10℃、25分で冷却固化して、比較のための固形ルウを製造した。
比較のための固形ルウを1週間常温で放置したが、色相、形状などの外観の変化はなかった。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて評価した。
評価結果、生クリーム原料の味△、生クリーム原料由来の香り×であり、商品化できないものであった。
(比較例2)
第2油脂成分として、第1油脂成分と同じ油脂を使用した(B−A=0ジュール/g)以外は実施例1と同様にして比較のための固形ルウを製造した。
比較のための固形ルウを1週間常温で放置したが、色相、形状などの外観の変化はなかった。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて評価した。
評価結果、生クリーム原料の味△、生クリーム原料由来の香り△であり、商品化できないものであった。
(実施例2)
実施例1で使用した第2組成部分を形成するためのペースト状調味用組成物を調製した。このペースト状調味用組成物を65℃程度でプラスチック容器に50g充填し、10℃、15分で冷却固化した後、プラスチック容器から固化物を取り出し、10gずつに分割した。
実施例1で使用した第1組成部分を形成するためのペースト状ルウを調製した後、このペースト状ルウを70℃程度でプラスチック容器に50g充填し、そして図3(ハ)に示したように、その中に10gずつに分割した第2組成部分を5個入れて、10℃、15分で冷却固化して、第1組成部分中に分割した第2組成部分が密着して接している構造を有する本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造した。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを1週間常温で放置したが、色相、形状などの外観の変化はなかった。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて評価した。
調理時、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることが観察された。
その結果、第2組成部分に含まれる乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りの評価結果全て◎非常に優れており、優れた商品となるものであった。
(実施例3)
実施例1で使用した常温で固体の硬化牛脂を主成分とし、常温で液体のなたね油他を配合し調整した油脂を第2油脂成分(吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー19.6ジュール/g)を用い、第1油脂成分として実施例1で使用した油脂(図1参照:吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー14.8ジュール/g)を使用した(B−A=4.8ジュール/g)以外は実施例1と同様にして本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造した。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて評価した。
調理時、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることが観察された。
その結果、第2組成部分に含まれる乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味○、生クリーム原料由来の香り◎の評価結果が得られ、優れた商品となるものであった。
(実施例4)
実施例1で使用した焙煎小麦粉の替わりに水分12%の小麦粉を用い、第1組成部分を形成するために、水分12%の小麦粉、実施例1で使用した第1油脂成分を計量し、それぞれを配合した後、温度(115℃)で加熱し混合した。これにカレー粉、調味料を計量し、それぞれを配合した後、温度(65℃)で加熱し5分間混合し、第1組成部分を形成するためのペースト状ルウを調製して使用した以外は実施例1と同様にして本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造した。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて評価した。
調理時、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることが観察された。
その結果、第2組成部分に含まれる乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味◎、生クリーム原料由来の香り◎の評価結果が得られ、優れた商品となるものであった。
(実施例5)
実施例1で使用した硬化牛脂を主成分とし、硬化豚脂他を配合し調整した油脂を第2油脂成分として(吸熱曲線のピーク温度55℃、エネルギー31.3ジュール/g)の油脂成分を用い、第1油脂成分として実施例1で使用した油脂(吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー14.8ジュール/g)を使用した(B−A=16.5ジュール/g)以外は実施例1と同様にして本発明の新規調味用組成物付き固形ルウを製造した。
実施例1と同様にして生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香り、口溶けについて評価した。
調理時、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずに調味用組成物部分が残ることが観察された。
その結果、第2組成部分に含まれる乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味◎、生クリーム原料由来の香り○の評価結果が得られ、優れた商品となるものであった。
(参考例1)(家庭内で低エネルギー処理が必要な原料を加えるルウの調製および調理)
前記第2油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度49℃、エネルギー25.8ジュール/g)、第1油脂成分(図1参照:吸熱曲線のピーク温度48℃、エネルギー14.8ジュール/g)(B−A=11ジュール/g)、デキストリン、焙煎小麦粉を計量し、それぞれを配合した後、温度(70℃)まで加熱間混合した後、カレー粉、調味料を計量し、それぞれを配合した後、そのまま5分間混合して、生クリームを含まないペースト状ルウを調製した。
このペースト状ルウ中の配合量は、第2油脂成分10.5%、デキストリン5.3%、焙煎小麦粉24.4%、澱粉4.1%、第1油脂成分24.4%、カレー粉5.7%、その他(調味料・塩他)25.6%である。
そしてこのペースト状ルウを70℃程度でプラスチック容器に100g充填し、10℃、25分で冷却固化して、生クリームを含まない参考用の固形ルウを製造した。
参考用の固形ルウを1週間常温で放置したが、色相、形状などの外観の変化はなかった。
(参考用の固形ルウの調理および評価)
1週間常温で放置した参考用のルウを使用して次の条件で調理し、実施例1と同様にして、生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りについて、パネルメンバー20人で評価した。
(調理条件)
水200gを沸騰させた後、加熱を止め、参考用のルウ30gを添加し、参考用のルウが溶けるまで撹拌した(温度約80℃)。溶けた後、生クリームを所定量添加し、80℃で保温を1分間行い、消火し、評価した。
評価の結果、乳由来の原料(生クリーム)の本来有する豊かな香り、風味、色などが保護されて維持され、生クリーム原料の味、生クリーム原料由来の香りの評価結果全て◎非常に優れていた。
本発明の新規調味用組成物付き固形ルウは、示差走査熱量計(DSC)を用いて前記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するルウから形成された第1組成部分および、同様に40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するとともに低エネルギー処理の必要な原料を含む調味用組成物から形成された第2組成部分とを備えるとともに、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウであって、
前記エネルギー算出方法に従って、第1組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして第2組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出さるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、前式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下であり、かつ前記原料の特性が損なわれていないことを特徴とする調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウであり、
生産者は、第2組成部分を形成する調味用組成物の風味向上に寄与する原料(低エネルギー処理の必要な原料とも称す)がペースト状の調味用組成物の調製工程においてその特性が損なわれないように低エネルギー処理を行うとともに、家庭などでの調理工程においては、エネルギーが小さい第1組成部分は直ぐに溶解が始まるが、エネルギーが大きい第2組成部分はなかなか溶解せずにルウまたは調味用組成物部分が残るので、その結果、第2組成部分に含まれる風味向上に寄与する原料の特性が損なわれないので、調製工程における効果と調理工程における効果との相乗効果により、ルウの風味向上に寄与し得る原料の特性を最大限に発揮させることができ、手作りのものに劣らない豊かな香り、風味、色を有するスープ、シチュー、カレーなどを手軽に調理できる風味のよい新規調味用組成物付き固形ルウを提供できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値は甚だ大きい。
1 第2組成部分
2 プラスチック容器
3 第1組成部分
4 プラスチックフィルム
5 新規調味用組成物付き固形ルウ

Claims (4)

  1. 示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するルウから形成された第1組成部分および、同様に40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された油脂成分を必須成分として含有するとともに低エネルギー処理の必要な原料を含む調味用組成物から形成された第2組成部分とを備えるとともに、1つ以上の第2組成部分の少なくとも1部の面が第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウであって、
    下記エネルギー算出方法に従って、第1組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして第2組成部分に含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出さるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下であり、かつ前記原料の特性が損なわれていないことを特徴とする調理後に新規食味食感を有する新規調味用組成物付き固形ルウ。
    4≦(B−A)≦20 式(1)
    (測定条件)
    機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
    試料質量:10mg
    昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
    (エネルギー算出方法)
    得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
  2. 第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とする請求項1記載の新規調味用組成物付き固形ルウ。
  3. 請求項1あるいは請求項2記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法であって、下記の(1)〜(2)を含む工程により製造することを特徴とする新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法。
    (1)示差走査熱量計(DSC)を用いて下記測定条件で測定すると、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された第1組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から下記エネルギー算出方法に従って、算出されるエネルギー(ジュール/g)をAとし、同様にして、40〜55℃に吸熱ピークを有するように調製された低エネルギー処理の必要な原料を含む第2組成部分を形成するために必須成分として含まれる油脂成分のDSC曲線の面積から算出されるエネルギー(ジュール/g)をBとすると、下式(1)に示すようにBからAを差し引いた値が4(ジュール/g)以上20(ジュール/g)以下となるように各油脂成分を調製した後、各油脂成分をそれぞれ用いて第1組成部分を形成するペースト状ルウを調製するとともに、低エネルギー処理の必要な原料の特性を損なわない条件で第2組成部分を形成するペースト状の調味用組成物を調製する。
    4≦(B−A)≦20 式(1)
    (測定条件)
    機器:熱流束示差走査熱量測定式示差走査熱量計
    試料質量:10mg
    昇温条件および測定して得られるDSC曲線:常温から5℃/分の昇温速度で試料を加熱して、縦軸がエネルギー(W/g)、横軸が温度(℃)で表されるDSC曲線を得る。
    (エネルギー算出方法)
    得られたDSC曲線の前記吸熱ピークの低温側と高温側とを接線で結び、この接線とDSC曲線とによって囲まれる面積からエネルギー(ジュール/g)を算出する。
    (2)工程(1)で調製した第1または第2組成部分を形成する調味用組成物を用いて第1または第2組成部分を形成して固化し、次いで他方の部分を形成するペースト状ルウまたは調味用組成物を用いて、固化した第2組成部分の少なくとも1部の面が固化した第1組成部分と密着して接している構造を有する新規調味用組成物付き固形ルウを製造する。
  4. 第1組成部分を形成するルウが必須成分の油脂成分以外に小麦粉などの澱粉原料を含み、第2組成部分を形成する調味用組成物が必須成分の油脂成分以外に乳由来の低エネルギー処理の必要な原料を含むことを特徴とする請求項3記載の新規調味用組成物付き固形ルウの製造方法。
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