JP2002218844A - マイタケ栽培方法及び該栽培方法に使用するマイタケ栽培瓶用キャップ - Google Patents

マイタケ栽培方法及び該栽培方法に使用するマイタケ栽培瓶用キャップ

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JP2002218844A
JP2002218844A JP2001123961A JP2001123961A JP2002218844A JP 2002218844 A JP2002218844 A JP 2002218844A JP 2001123961 A JP2001123961 A JP 2001123961A JP 2001123961 A JP2001123961 A JP 2001123961A JP 2002218844 A JP2002218844 A JP 2002218844A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な栽培瓶セットを使用して、高品質のマイ
タケが得られるマイタケ栽培方法及びこれに使用するマ
イタケ栽培瓶セットの提供。 【解決手段】頚部12の上端に開口を有する広口瓶形状
をした栽培瓶1と、その開口部に嵌合でき、頂部内面中
央に短円筒を直立させ頂部を閉鎖した形状の膨出空間部
22の頂部中央に透光性を有する通気フィルター23に
よって閉鎖した小開口22cを設けた不透光・不透気性
材料からなる原基発生時用キャップ2と、栽培瓶1の開
口部に嵌合でき、頂面に膨出空間部の内径と略同内径の
開口部を有する不透光・不透気性材料からなる子実体生
育時用キャップとを使用し、栽培瓶内にその開口部と略
同高さまで培養基50を充填するとともに種菌を接種
し、該栽培瓶開口部に原基発生時用キャップ2を施蓋し
て菌糸培養を行うとともに子実体原基51を発生させ、
子実体原基発生後、原基発生時用キャップに代えて子実
体生育時用キャップを施蓋し、芽出しさせて子実体を生
育させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瓶栽培によるマイタケ
栽培方法及び該栽培方法に使用するマイタケ栽培瓶用キ
ャップに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイタケの栽培方法として、広口
瓶形状をした栽培瓶を使用した方法が開発されている。
この種の従来の栽培瓶によるマイタケ栽培方法では、例
えば、特開平4−144613号公報、同8−2426
89号公報に示されているように、キャップの中央にマ
イタケ子実体原基が発生する小径孔を設け、菌糸培養工
程において、この小径孔から盛り上がるような形状に子
実体原基を発生させ、次の芽出し工程にて発生した子実
体を生育工程において生育させ、所定の大きさに達した
ものを収穫するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、マイタケは栽
培瓶の開放部から子実体原基が瘤状に盛り上がるように
成長し、成長に従ってその瘤状の原基表面が細かく分か
れて枝葉状部となり、これが大きく成長するが、従来の
栽培方法では、子実体原基の発生面積は開口部の大きさ
で規制しているが、発生した子実体原基の成長を自然に
まかせているため、水平方向に広がりが大きくなる。こ
のため子実体原基の表面積が大きくなって発生する枝葉
部分の数が多くなり、株全体が大きくならず、良品質の
子実体が得難いという問題があった。
【0004】また、上述した従来の栽培方法では、子実
体原基の発生を、栽培瓶開口縁部より低い位置、即ち開
口部内で発生させるため、発生した子実体原基から出る
「あめ」と称されている分泌液が瓶内に溜まる。この
「あめ」はカビが発生しやすく、子実体の成長を損なう
という問題がある。
【0005】更に、従来の方法では、子実体原基の根元
が栽培瓶内にあるため、収穫時に切断しにくく、且つ子
実体の花びら状をした枝葉状部分は割れやすいため、収
穫時に多くの割れ屑が発生し、商品価値を低下させると
いう問題があった。
【0006】本発明は,このような従来の問題に鑑み、
簡単な栽培瓶及びキャップからなる瓶栽培用のセットを
使用して、高品質のマイタケが得られ、子実体原基から
分泌される所謂「あめ」が子実体の発生・成長に悪影響
を及ぼすことなく、好適にマイタケ栽培ができ、更に収
穫時の子実体損傷が少ないマイタケ栽培方法及びこれに
使用するマイタケ栽培瓶セットの提供を目的としてなさ
れたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し所期の目的を達成するための本発明方法の特徴
は、胴部の上端に該胴部より小径の頚部を有し、該頚部
の上端に開口を有する広口瓶形状をした栽培瓶と、該栽
培瓶の開口部に取り替え可能に嵌合できる原基発生時用
キャップを使用するマイタケ栽培方法において、前記原
基発生時用キャップには、前記栽培瓶の開口部に施蓋さ
れる不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中
央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間
部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光
性を持たせた構造のものを使用し、前記栽培瓶内にその
開口部近くまで培養基を充填するとともに種菌を接種
し、該栽培瓶開口部に前記原基発生時用キャップを施蓋
して菌糸培養を行うとともに子実体原基を前記膨出空間
内に限定して発生させることにある。
【0008】尚、上記方法において、原基発生時用キャ
ップは、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を
透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することに
よって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせ
たものを使用すること、又は、膨出空間部の頂部中央に
開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部
材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部
外面との間に通気間隙を設けることによって該膨出空間
部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用する
ことが好ましい。
【0009】また、上記方法において、子実体原基発生
後、原基発生時用キャップを取り外し、原基発生時用キ
ャップの膨出空間部の内径と略同内径の開口部を頂面に
備えた子実体生育時用キャップを栽培瓶開口部に施蓋し
て芽出し及び子実体生育を行うこと、及び、子実体生育
時用キャップの頂面の開口部周縁に生育ケース嵌合部を
備え、前記生育ケース嵌合部外側に着脱自在に嵌合でき
る下端開口部を有し、上側が拡開した略漏斗状の生育ケ
ースを、前記子実体生育時用キャップの開口部外周に嵌
合させ、該生育ケース内で子実体を生育させ、該生育ケ
ースを取り外すことによって収穫することが好ましい。
【0010】また、本発明に係るマイタケの瓶栽培にお
ける原基発生時用キャップの特徴は、広口瓶形状をした
栽培瓶開口部に施蓋できる不透光性材料からなるキャッ
プ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出
させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の
頂部に通気性及び透光性を持たせたことにある。
【0011】尚、この原基発生時用キャップは、膨出空
間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する
通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空
間部の頂部に通気性及び透光性を持たせること、又は、
膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透
光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部
材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設ける
ことが好ましい。
【0012】更に、本発明に係るマイタケ栽培における
子実体生育時用キャップの特徴は、広口瓶形状をした栽
培瓶の開口部に施蓋できる不透光性のキャップ本体の頂
面に、前記栽培瓶の開口部外に突出した子実体原基が嵌
合される開口部備え、該開口部の周縁に生育ケース嵌合
部を一体に備えたことにある。
【0013】尚、この子実体生育時用キャップは、キャ
ップ本体の頂面の開口縁部に沿って上向きに短筒部を突
設させ、該短筒部の外周に小突起からなる生育ケース嵌
合部を備えることが好ましい。
【0014】
【実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面について
説明する。
【0015】図1〜図7は、本発明のマイタケ栽培方法
を実施するためのマイタケ栽培瓶セットの一例を示して
いる。このセットは広口瓶形状をした栽培瓶1、原基発
生時用キャップ2、子実体生育時用キャップ3及び生育
ケース4とから構成されている。
【0016】栽培瓶1は、合成樹脂材料によって成形さ
れ、図1に示すように細長の胴部11の上端に、これよ
り細い円筒状の頚部12を一体に有している。この頚部
12の上端が開口部13となっている。
【0017】原基発生時用キャップ2は、図2及び図3
に示すように、前記栽培瓶1の開口部13の外周に密に
嵌合される大きさの短円筒部21aと頂面部21bとか
らなる本体部21を有し、本体部21の頂面部中央に下
面側から上面側に突出させ、下面側に子実体原基発生空
間を構成する膨出空間部22を一体に有している。これ
らの本体部21及び膨出空間部22を形成する部分は不
透光性の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0018】この膨出空間部22は短円筒状部22aと
その頂部の天板部22bとによって形成され、天板部2
2bの中央には小開口22cが形成されている。この膨
出空間部22内には天板部22bの下面に当接させて、
透光性を有する通気フィルター23が挿入され、その下
面側にリング状をした止め板24を嵌合させて抜け止め
することにより小開口22cをフィルター23で閉鎖し
ている。
【0019】尚、図中25は膨出空間部外面及び本体部
頂面と一体の補強リブである。子実体生育時用キャップ
3は、図4及び図5に示すように、原基発生時用キャッ
プ2と同様の短円筒部31aと頂面部31bとからなる
本体部31を有し、頂面部31bの中央に、原基発生時
用キャップ2の膨出空間部22の内径と略同じ内径の開
口部31cが開口されている。
【0020】この開口部31cの縁部上面には該縁部に
沿ってリング状に立ち上げた形状の短筒部32が一体に
突設されている。この短筒部32の外周にはフランジ状
に突出させた生育ケース嵌合部33が一体に成形されて
いる。
【0021】この子実体生育時用キャップ3は全体が不
透光性の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0022】生育ケース4は、図6及び図7に示すよう
に、下端部に円形の嵌合口4aを有し、その嵌合口4a
から上方側を椀状に拡開させたケース本体部4bとから
構成され全体が略漏斗状になっている。
【0023】嵌合口4aは前述した子実体生育時用キャ
ップ頂面に突出された短筒部32の外周の生育ケース嵌
合部33外に容易に着脱自在に嵌合できる大きさに成形
され、内面に前記生育ケース嵌合部33を弾性的に乗り
越えてその下側に嵌合されることによって外生育ケース
4が簡単に脱落するのを防止する抜け止め用突起4cが
一体に成形されている。
【0024】次に、上述した栽培瓶セットを使用したマ
イタケの栽培方法を図8〜図11についてについて説明
する。
【0025】菌糸培養 栽培瓶1に対して従来のマイタケ栽培と同様に調整した
培養基を充填し、殺菌処理した後種菌を接種する。この
時培養基50を栽培瓶1の開口部13に種菌接種用の空
間を残して充填し、殺菌処理後その上に種菌aを接種す
る。この状態で図8に示すように原基発生時用キャップ
2を施蓋し培養室で培養する。
【0026】培養に際し培養室温度を20℃〜22℃に
保ち、菌糸を伸張させる。これによって菌糸が蔓延さ
せ、図9に示すように子実体原基51を発生させる。
【0027】この培養に際しては、キャップの膨出空間
部22頂部のフィルター23から通気されるとともに、
このフィルター23を通して培養基50の頂面中央部に
光が照射されるため、膨出空間部22に面した培養基表
面部分からのみ子実体原基51が発生する。
【0028】また、これによって発生した子実体原基5
1は図9に示すように、膨出空間部22の内面形状、即
ち直立した短円筒状部22aの内面に側部が規制され、
水平方向への広がりが規制されて円柱状に成形されて膨
出空間部22内略いっぱいに成長する。
【0029】芽出し 上述した菌糸培養工程終了後、原基発生時用キャップ2
を外し、代わりに図10に示すように子実体生育時用キ
ャップ3を施蓋する。これによって原基発生時用キャッ
プの膨出空間部22によって形状が規制されて成長した
子実体原基51の側面周囲が子実体生育時用キャップ3
の短円筒31d内に密に嵌合された状態となる。この
時、菌糸培養工程で発生した子実体原基の側面周囲が子
実体生育時用キャップ3の開口部内面で覆われるため、
発芽は子実体原基の子実体生育時用キャップの突出部外
に限定される。
【0030】この状態で室温を18℃〜20℃に保ち、
光を上方より適宜照射しながら約1週間静置し、芽出し
させる。
【0031】生育 芽出し工程終了後、図11に示すように、子実体生育時
用キャップ3の生育ケース嵌合部33外に生育ケース4
を装着し、室温を17℃〜19℃に保ち、光を上方より
適宜に照射しながら約1週間静置し、子実体52を生育
させる。これによって図12に示すように、子実体52
は生育ケース4の内面形状にその側面が規制され、底部
形状が椀形となって成長する。
【0032】収穫 生育工程によって子実体が一定の大きさまで成長させた
後、栽培室から出し、生育ケース4を子実体の損傷を極
力避けながら栽培ビン1から上方に外すことによって、
生育ケース4によって水平方向への広がりが規制され、
生育ケース4内に広がって成長した子実体52が共に抜
き取られる。
【0033】図13、図14は、本発明に係る原基発生
時用キャップの他の例を示しており、この原基発生時用
キャップ60は、図2及び図3に示すキャップと同様
に、前述した栽培瓶1の開口部13の外周に密に嵌合さ
れる大きさの短円筒部61aと頂面部61bとからなる
本体部61を有し、本体部61の頂面部中央に下面側か
ら上面側に突出させ、下面側に子実体原基発生空間を構
成する膨出空間部62を一体に有している。これらの本
体部61及び膨出空間部62を形成する部分は不透光性
の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0034】この膨出空間部62は短テーパ筒状部62
aによって形成され、この短テーパ筒部62aの上端が
開放されて開口62bとなっている。
【0035】本体部61の頂面外周縁部には膨出空間部
62の短テーパ筒部62aと略同高さの立上り周壁63
が一体に成形され、その立上り周壁63の頂部に支持さ
せて蓋状の頂面覆い部材64が嵌合されている。この頂
面覆い部材64は通気性のない白色半透明の合成樹脂材
料によって成形され、立上り周壁63によって囲まれる
空間の開口部を閉鎖している。
【0036】立上り周壁63にはその根元部分に、内外
に貫通開口する通気孔66が円周方向に一定間隔を隔て
て開口されている。また、立上り周壁63と膨出空間部
62を形成している短テーパ筒部62aとの間には、本
体部頂面から突出させたリング状の中間衝立片67が円
周方向に間隔を隔てて設けられている。
【0037】この中間衝立片67は、頂面覆い部材の6
4の下面に達する高さの嵩高部67aと、これより低い
凹欠部67bが同じ長さずつ交互に形成され、嵩高部6
7aと対向する位置に前述した通気孔66が開口され、
凹欠部67bの底部は通気孔66より高くなっている。
また、短テーパ筒部62の上端には、中間衝立片67の
嵩高部67aに対して半径方向に重なる位置に小凹欠部
62cが形成されている。
【0038】従って、通気孔66から膨出空間部62に
達する外気は中間衝立片67に当り、左右及び上方に移
動して凹欠部67bを通り、更に左右に移動して小凹欠
部62cから膨出空間部62の上端開口に到るジグザグ
状の経路をたどり、この間に水滴や雑菌の浸入を遮られ
るようになっている。
【0039】このようしてジグザグ経路を通して膨出空
間部62の頂部に通気性を持たせ、且つ、白色半透明の
頂面覆い部材64により透光性を持たせている。
【0040】図15、図16は、原基発生時用キャップ
の更に他の例を示しており、前述した図13、図14に
示す例のキャップにおける膨出空間部62を形成してい
る短テーパ筒部62aの上端部に天板部68を一体に設
け、該天板部68の中央部分に小開口部69を形成し、
その開口部68の周縁部上面に頂面覆い部材64の下面
に達する内側衝立片70を突設している。この内側衝立
片70は、中間衝立片67の凹欠部67bと半径方向に
重なる配置に備えられ、前述の図13、図14に示す例
と同様に通気孔66からジグザグの経路をたどって膨出
部空間の小開口部69に達するようになっている。
【0041】尚、図13、図14に示す例と同一部分に
は同一符号を付して重複説明を省略する。図13〜図1
6に示した原基発生時用キャップの使用方法は前述した
図1に示したものと同様である。
【0042】
【発明の効果】本発明においては、原基発生時用キャッ
プに、栽培瓶の開口部に施蓋される不透光性材料からな
るキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向
けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出
空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた構造のもの
を使用し、前記栽培瓶内にその開口部近くまで培養基を
充填するとともに種菌を接種し、該栽培瓶開口部に前記
原基発生時用キャップを施蓋して菌糸培養を行うととも
に子実体原基を前記膨出空間内に限定して発生させるよ
うにしたことにより、培養に際し、原基発生時用キャッ
プの膨出空間部頂部のフィルターから通気されるととも
に、このフィルターを通して培養基の頂面中央部に光が
照射されるため、膨出空間部に面した培養基表面部分か
らのみ子実体原基が発生し、発生する子実体原基が1箇
所に集中するため、養分が分散せず、良質な子実体の成
長状態が得られる。
【0043】また、発生した子実体原基は、膨出空間部
内面の直立した短円筒状部内面に側部が規制され、水平
方向への広がりが規制されて円柱状に成形されるため、
広がりの少ないしっかりとした根元部が形成され、良質
な子実体の成長を促すこととなる。
【0044】また、本発明では、子実体原基発生後、原
基発生時用キャップを取り外し、原基発生時用キャップ
の膨出空間部の内径と略同内径の開口部を頂面に備えた
子実体生育時用キャップを栽培瓶開口部に施蓋して芽出
し及び子実体生育を行うことにより、子実体原基表面の
枝葉状部発生部を中央に集中させることができ、発生す
る枝葉状部の数が制限されることなり、養分が集中して
良質な子実体の成長状態が得られる。
【0045】更に、成長する枝葉部分の根元は、子実体
生育時用キャップの開口部外とすることができ、収穫に
際し、枝葉部分の損傷を少なくできるとともに、子実体
生育時用キャップを使用した生育工程では、子実体原基
の表面に発生する「あめ」が、子実体生育時用キャップ
頂面より外側に流れることとなり、培養基表面にたまら
ないため、黴の発生による品質低下が防止できる。
【0046】また、本発明では、原基発生時用キャップ
として、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を
透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することに
よって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせ
たものを使用することにより、雑菌の浸入を防止しつ
つ、必要な吸湿、給気及び光照射が簡単な構造で達成で
きる。
【0047】更に,本発明では、原基発生時用キャップ
として、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の
上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂
面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙
を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性及び
透光性を持たせたものを使用することにより、水滴を直
接浸入させることなく必要な吸湿、給気及び光照射がな
される。
【0048】また、本発明では、子実体生育時用キャッ
プの頂面の開口部周縁に生育ケース嵌合部を備え、前記
生育ケース嵌合部外側に着脱自在に嵌合できる下端開口
部を有し、上側が拡開した略漏斗状の生育ケースを、前
記子実体生育時用キャップの開口部外周に嵌合させ、該
生育ケース内で子実体を生育させ、該生育ケースを取り
外すことによって収穫するようにすることにより、子実
体に直接触れることなく収穫ができ、収穫時の損傷を少
なくできる。
【0049】更に、本発明では、子実体生育時用キャッ
プ頂面の開口縁部に沿って上向きに短筒部を突設させ、
該短筒部の外周に小突起からなる生育ケース嵌合部を備
えたことにより、子実体原基からの発芽部分を頂面のみ
に限定できると共に、生育工程時に子実体原基表面に発
生した「あめ」を生育ケースと短筒部との間隙から子実
体生育時用キャップ外に流出させることができ、「あ
め」による黴の影響をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する栽培瓶の一例の縦断面図
である。
【図2】本発明に係る原基発生時用キャップの一例の平
面図である。
【図3】同上の原基発生時用キャップの縦断面図であ
る。
【図4】同上の子実体生育時用キャップの一例の平面図
である。
【図5】同上の子実体生育時用キャップの縦断面図であ
る。
【図6】同上の生育ケースの一例の平面図である。
【図7】同上の生育ケースの縦断面図である。
【図8】本発明に係るマイタケ栽培方法における菌糸培
養工程開始時の縦断面図である。
【図9】同上の菌糸培養工程終了時の縦断面図である。
【図10】同上の芽出し工程時の縦断面図である。
【図11】同上の生育工程時の縦断面図である。
【図12】同上の子実体生育状態を示す縦断面図であ
る。
【図13】本発明に係る原基発生時用キャップ他の例の
縦断面図である。
【図14】図13に示す例の頂面覆い部材を取り外した
状態の斜視図である。
【図15】本発明に係る原基発生時用キャップ更に他の
例の縦断面図である。
【図16】図15に示す例の頂面覆い部材を取り外した
状態の斜視図である。
【符号の説明】
a 種菌 1 栽培瓶 2 原基発生時用キャップ 3 子実体生育時用キャップ 4 生育ケース 4a 嵌合口 4b ケース本体部 4c 抜け止め用突起 11 胴部 12 頚部 21 本体部 21a 短円筒部 21b 頂面部 22 膨出空間部 22a 短円筒状部 22b 天板部 22c 小開口 23 通気フィルター 24 止め板 25 補強リブ 31 本体部 31a 短円筒部 31b 頂面部 31c 開口部 32 短筒部 33 生育ケース嵌合部 50 培養基 51 子実体原基 52 子実体 60 原基発生時用キャップ 61 本体部 61a 短円筒部 61b 頂面部 62 膨出空間部 62a 短テーパ筒状部 62b 開口 62c 小凹欠部 63 立上り周壁 64 頂面覆い部材 65 内側衝立片 66 通気孔 67 中間衝立片 67a 嵩高部 67b 凹欠部 68 天板部 69 小開口部 70 内側衝立片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 正幸 長野県長野市大字南掘字村東138−1 ホ クト産業株式会社内 Fターム(参考) 2B011 AA02 BA05 EA03 QA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】胴部の上端に該胴部より小径の頚部を有
    し、該頚部の上端に開口を有する広口瓶形状をした栽培
    瓶と、該栽培瓶の開口部に取り替え可能に嵌合できる原
    基発生時用キャップを使用するマイタケ栽培方法におい
    て、前記原基発生時用キャップには、前記栽培瓶の開口
    部に施蓋される不透光性材料からなるキャップ本体部の
    頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状
    の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気
    性及び透光性を持たせた構造のものを使用し、前記栽培
    瓶内にその開口部近くまで培養基を充填するとともに種
    菌を接種し、該栽培瓶開口部に前記原基発生時用キャッ
    プを施蓋して菌糸培養を行うとともに子実体原基を前記
    膨出空間内に限定して発生させることを特徴としてなる
    マイタケ栽培方法。
  2. 【請求項2】原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂
    部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィ
    ルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂
    部に通気性及び透光性を持たせたものを使用する請求項
    1に記載のマイタケ栽培方法。
  3. 【請求項3】原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂
    部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂
    面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空
    間部頂部外面との間に通気間隙を設けることによって該
    膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを
    使用する請求項1に記載のマイタケ栽培方法。
  4. 【請求項4】子実体原基発生後、原基発生時用キャップ
    を取り外し、原基発生時用キャップの膨出空間部の内径
    と略同内径の開口部を頂面に備えた子実体生育時用キャ
    ップを栽培瓶開口部に施蓋して芽出し及び子実体生育を
    行う請求項1、2又は3に記載のマイタケ栽培方法。
  5. 【請求項5】子実体生育時用キャップの頂面の開口部周
    縁に生育ケース嵌合部を備え、前記生育ケース嵌合部外
    側に着脱自在に嵌合できる下端開口部を有し、上側が拡
    開した略漏斗状の生育ケースを、前記子実体生育時用キ
    ャップの開口部外周に嵌合させ、該生育ケース内で子実
    体を生育させ、該生育ケースを取り外すことによって収
    穫する請求項1〜3又は4に記載のマイタケ栽培方法。
  6. 【請求項6】広口瓶形状をした栽培瓶開口部に施蓋でき
    る不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央
    を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部
    を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性
    を持たせてなるマイタケの瓶栽培における原基発生時用
    キャップ。
  7. 【請求項7】膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開
    口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖するこ
    とによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持
    たせた請求項6に記載のマイタケの瓶栽培における原基
    発生時用キャップ。
  8. 【請求項8】膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開
    口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、
    該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気
    間隙を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性
    及び透光性を持たせた請求項6に記載のマイタケ栽培に
    おける原基発生時用キャップ。
  9. 【請求項9】広口瓶形状をした栽培瓶の開口部に施蓋で
    きる不透光性のキャップ本体の頂面に、前記栽培瓶の開
    口部外に突出した子実体原基が嵌合される開口部備え、
    該開口部の周縁に生育ケース嵌合部を一体に備えてなる
    マイタケ栽培における子実体生育時用キャップ。
  10. 【請求項10】キャップ本体の頂面の開口縁部に沿って
    上向きに短筒部を突設させ、該短筒部の外周に小突起か
    らなる生育ケース嵌合部を備えてなる請求項9に記載の
    マイタケ栽培における子実体生育時用キャップ。
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