JPH07155058A - しいたけ栽培用菌床とその製法及びその菌床を使用したしいたけ栽培法 - Google Patents

しいたけ栽培用菌床とその製法及びその菌床を使用したしいたけ栽培法

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JPH07155058A
JPH07155058A JP5338911A JP33891193A JPH07155058A JP H07155058 A JPH07155058 A JP H07155058A JP 5338911 A JP5338911 A JP 5338911A JP 33891193 A JP33891193 A JP 33891193A JP H07155058 A JPH07155058 A JP H07155058A
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shiitake
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JP5338911A
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Takeshi Abe
武 阿部
Kaname Kuita
要 杭田
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MORI SANGYO KK
Original Assignee
MORI SANGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 培地を収容した容器を封止して殺菌処理した
状態で蓋を開封することなく種菌を接種した品質のよい
菌床とその菌床の製法およびこの菌床を利用したしいた
け栽培法を提供する。 【構成】 おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を配合
し、水分を調整した培地を非通気性の容器本体2に充填
し、その開口部4をシート部材7によって雑菌等の侵入
を防止した通気孔6を有する蓋部材5で封止したのち殺
菌処理し、ついで接種ノズルを蓋部材5に貫通させて培
地に液状のしいたけ菌を接種し、この接種によって蓋部
材5に形成された孔9を雑菌等の侵入を防止して適宜の
通気性を保持するシート部材10によって封止してしい
たけ栽培用菌床1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、しいたけの栽培に使
用する菌床と、この菌床を製造する方法およびこの菌床
を使用したしいたけの栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】しいたけを生産する方法には、ナラやク
ヌギなどの原木に種菌を接種して行う原木栽培と、特開
昭56−99726号公報や特公平2−46167号公
報などに開示されたように容器内におが屑や米ぬかなど
からなる培養基を充填して種菌を接種し、培養によって
塊状になった培養基を容器から取り出し、取り出した培
養基に対して散水を行いながら菌糸の熟成を図って人工
ほだ木とし、この人工ほだ木に対してショックを与える
ことによってしいたけを発生させるいわゆる人工ほだ木
による方法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示された
人工ほだ木によるしいたけの栽培は、いずれも合成樹脂
製の容器もしくは袋におが屑や米ぬかなどからなる培養
基を充填し、しかるのち容器や袋と一緒に培養基を殺菌
し、殺菌後に容器の蓋を取り除き、あるいは袋の口部を
開いてしいたけ菌を接種したのち、改めて容器や袋を封
止して接種した種菌の培養を行うものである。したがっ
て、しいたけ菌の接種には必ず容器又は袋の開口作業
と、接種後の封止作業が不可欠なものであるためその操
作に煩瑣な手数を要すると共に、種菌の接種に際してバ
クテリアや雑菌が殺菌した培養基に付着し易く、しいた
けの発生率を低下させるなど実用上解決すべき問題を有
している。特に、種菌の接種に際しては容器の蓋の取外
し又は袋の口部の開口などを必須とするため自動化に問
題があり、量産化に難点がある。また、合成樹脂製の袋
の場合には、培養基の充填が煩瑣で、特公平3−378
89号公報に開示されるような両側端をガセット折した
ものを使用したとしても棚などに載置した場合に安定性
が悪い。
【0004】この発明はかゝる現状に鑑み、培地を充填
した合成樹脂製の容器に対し、雑菌等の侵入を防止した
通気部を設けた蓋部材を取り付けた後は、蓋部材を取り
外すことなく種菌を接種した品質のよい菌床と、この菌
床を簡単かつ容易に製造することのできる方法およびこ
の品質のよい菌床を使用したしいたけの栽培方法を提供
せんとするものである。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】前記の目的を達成する
ために、この発明のしいたけ栽培用菌床は、おが屑を主
体とする培地素材に栄養剤を配合し、かつ水分調整した
培地を非通気性の合成樹脂からなる容器本体に充填し、
この容器本体の開口部に所要の部位に雑菌等の侵入を防
止した通気部を有する非通気性の蓋部材を一体的に取付
け、殺菌処理して菌床とし、この菌床の培地に液状のし
いたけ菌を接種することによって穿たれた蓋部材の孔を
雑菌等は通さないが通気性を有するシート部材もしくは
非通気性のシート部材によって封止したことを特徴とす
るものである。
【0006】この発明のしいたけ栽培用菌床の製法は、
おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を配合し、かつ水
分を調整した培地の所定量を非通気性の合成樹脂製の容
器本体に充填したのち、容器本体の開口部を所要の部位
に雑菌等の侵入を防止した通気部を有する非通気性の蓋
部材を熱シール等によって一体的に取付け封止して殺菌
処理し、ついで接種ノズルを容器本体の蓋部材を貫通さ
せて培地に液状のしいたけ菌を接種し、この菌接種によ
って穿たれた蓋部材の孔を雑菌等は通さないが通気性は
有するシート部材もしくは非通気性のシート部材によっ
て封止することを特徴とするものである。
【0007】さらに、この発明の菌床によるしいたけ栽
培法は、おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を配合
し、かつ水分を調整した培地の所定量を非通気性の合成
樹脂製の容器本体に充填したのち、容器本体の開口部を
所要の部位に雑菌等の侵入を防止した通気部を有する非
通気性の蓋部材を熱シール等によって一体的に取付け封
止したのち殺菌処理し、ついで接種ノズルを容器本体の
蓋部材を貫通させて培地に液状のしいたけ菌を接種し、
この菌接種によって穿たれた蓋部材の孔を雑菌等は通さ
ないが通気性は有するシート部材もしくは非通気性のシ
ート部材によって封止して得た菌床をハウス内の棚に並
べて常法によって培養し、菌床の表面の60〜70%程
度が褐変するか、菌床の重量が12〜15%程度減少し
たとき、蓋部材に設けた突出部を利用して蓋部材を除去
するなどの手段によって菌床を容器本体から取り出し、
室温が30℃以下で相対湿度を90%以上に保持したハ
ウス内において菌床表面に発菌させ、発菌部分が変色し
始めた頃にハウス内の換気を行いながら菌床に対して散
水して菌床表面に褐色の皮膜を形成させ、皮膜形成後に
適宜散水を繰り返しながら菌床重量が当初の60〜70
%程度になるまで熟成させたのち、菌床から走り子が出
始めたとき菌床への散水と換気を抑え、ついでハウス内
の温度を5〜25℃、相対湿度80〜90%で管理しな
がらしいたけを発生させることを特徴とするものであ
る。
【0008】この発明において、培地素材は、ナラ、ト
チ、ブナなどの広葉樹のおが屑を主体とするもので、使
用するおが屑は、粒子が細かいと培地内の通気性を阻害
し、培養ムラが生ずるので、粒子の粗いおが屑製のダス
トチップを培地素材の20〜30%程度配合することが
好ましい。
【0009】培地素材に配合する栄養剤は市販のものを
使用することができ、その配合割合は、重量比では培地
素材3に対し1、容積比では培地素材10に対し1の割
合が好ましく、培地の水分は、60〜65%となるよう
調整する。
【0010】この発明に使用する容器本体は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの非通気性
の合成樹脂の成形によって得た上部に開口するもので、
菌の培養によって形成された菌床の取り出しを容易にす
るためには、上部に向けてテーパー状に開口する有底の
逆截頭円錐状のものが好ましいが、有底の円筒状であっ
てもよい。この容器本体は、充填した培地の状態変化を
外部から透視して観察できるように、透明もしくは半透
明とすることが好ましく、光による種菌の蔓延を向上さ
せるために所定の色彩に着色したものであってもよい。
なお、この容器本体に培地を充填する場合には、容器本
体の開口部と充填した培地の表面との間に所定の間隔が
存在し、空隙部が残るように押圧しながら行うものであ
る。
【0011】前記容器本体の開口部を封止する蓋部材
は、容器本体と同様のポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニルなどの非通気性の合成樹脂のフィルムも
しくはシートからなるもので、例えば中央部などに適宜
の大きさの通気孔を形成し、この通気孔に外部からの雑
菌等の侵入がない通気性のシート部材、たとえばポリエ
チレン等の合成樹脂の不織布、マイクロポーラスフィル
ムと称される微多孔性フィルムなどを取り付けたもので
ある。このシート部材の通気孔への取付けは、蓋部材の
表面側から溶着などの手段によって実施することが作業
効率の点から有効であるが、裏面に取り付けてもよいも
のである。かゝる蓋部材は、培地を充填した容器本体の
開口部に当接したのち、開口部周縁を熱溶着もしくは接
着によって密着させることによって、容器本体内部に雑
菌などが侵入することを防止すると共に、適度の通気性
を保持することができるものである。なお、この蓋部材
は、容器本体に対して突出部を一体的に設け、この突出
部を使用してワンタッチで開封できるようにすることが
好ましい。
【0012】培地を収容した容器本体の殺菌処理は、沸
騰した湯の蒸気によって常圧で100℃をピークとして
殺菌する常圧殺菌と、ボイラーによる蒸気を高圧釜に送
り、加圧によって100℃以上の高温で殺菌する高圧殺
菌とがあるが、いずれの方法であってもよい。常圧殺菌
する場合には、培地内温度が98℃以上で4時間程度で
実施することが好ましく、高圧殺菌は培地内温度が12
0℃に達してから40〜50分程度で行うことが好まし
い。
【0013】
【作用】この発明のしいたけ栽培用菌床は、殺菌処理さ
れた培地に対して、培地を収容した容器本体に取り付け
た蓋部材を開封することなく種菌を接種し、しかも接種
のために開封された蓋部材の孔を封止しているので、バ
クテリアなどの雑菌がほとんど混入していない品質のよ
い菌床を提供することができる。
【0014】この発明のしいたけ栽培用菌床の製法は、
容器本体に培地を収容したのち、容器本体内に雑菌等の
侵入を防止した通気部を有する蓋部材を取付けた状態で
培地を殺菌処理し、前記蓋部材を開封することなくしい
たけ菌を培地に接種することができるので、培地への種
菌の接種作業をきわめて簡単かつ容易に行うことができ
る。また、種菌の接種によって蓋部材に開けられた孔を
雑菌等の通過を阻止する通気性のシート部材又は非通気
性のシート部材によって封止して菌床を得ることができ
るため、培養中にバクテリアなどの雑菌類が一切容器本
体内に侵入して培地を汚染するおそれがない。
【0015】この発明によって得られた菌床を使用する
しいたけの栽培法は、ほぼ無菌状態で培養し、培地の表
面が一定の割合で変色するか、培地の重量が一定量減少
した菌床を容器本体から取り出し、温度と相対湿度を一
定に保持したハウス内において散水しながら菌床の表面
に発菌させ、発菌部分が変色し始めた頃にハウス内の換
気を行いながらさらに散水を繰り返し、菌床の重量が培
養時の60〜70%になるまで熟成させ、菌床から走り
子が出始めたときに散水と換気を抑え、ハウス内の温度
と相対湿度を管理しながらしいたけを発生させるため、
しいたけの栽培をきわめて簡単かつ大量に、しかも設備
に資金を要することなく行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付の図面を引用
して具体的に説明する。この発明のしいたけ栽培用の菌
床1は、培地Aを収容した容器本体2と、この容器本体
2に取り付けられる蓋部材5とからなるものである。容
器本体2は、通気性を有しない透明なポリプロピレン製
の有底の成形体からなるもので、底面の直径が約11c
m、上部の開口部4の直径が18.5cm、この開口部
4の外周縁に沿って一体的に形成された鍔部3の幅が約
1cmで、高さが約16.5cmの截頭逆円錐状のもの
である。(図1、図2参照)
【0017】この容器本体2内に収容される培地Aは、
ナラ、ブナなどの広葉樹のおが屑を主体にした培地素材
にしいたけ菌糸の成長を助長する液状の栄養剤を、重量
比で培地素材3に対し1の割合で配合し、これに水を加
えて水分が60〜65%となるよう調整したものであ
る。かゝる培地Aは、容器本体2内に適度に圧縮しなが
ら開口部4と充填された培地Aの表面との間に所定の間
隔を設け、上部に空隙部が形成されるよう充填するもの
で、具体的には容器本体2の8分目程度を目安として重
量約1000g程度充填するものである。(図2参照)
【0018】容器本体2内に培地Aを充填すると、この
容器本体2の開口部4を蓋部材5によって封止する。蓋
部材5は、容器本体2と同様のポリプロピレン製のシー
ト部材からなるものであって、鍔部3の外径よりも大き
な外径を有し、中央部に直径約3.5cmの円形の通気
孔6を形成したものである。この通気孔6は、バクテリ
ア等の微生物の容器本体2への侵入を防止するが、適度
な通気性を保持したポリエチレン製の不織布からなるシ
ート部材7によって覆われているもので、シート部材7
の通気孔6への取付けは、シート部材7を通気孔6の表
面に当接し、その周縁部を熱溶着して蓋部材5と一体化
させるものである。(図1、図2参照)
【0019】かゝる構成の蓋部材5は、その裏面を培地
Aを8分目程度まで収容した容器本体2の開口部4に一
体的に設けた鍔部3に当接したのち、熱溶着することに
よって取付けるものであるが、蓋部材5の外径は、鍔部
3の外径よりも大きく形成されているため、その周縁部
5aは鍔部3より突出している。(図1、図5、図6参
照)したがって、開封するには、鍔部3より突出してい
る突出部(周縁部5a)をもって突出部を上方に引き上
げることによって蓋部材5を容器本体2から容易に除去
することができる。
【0020】培地Aを収容し、かつ開口部4を蓋部材5
によって封止された容器本体2は、これを殺菌処理す
る。実施例においては、高圧釜を使用し、培地内温度が
120℃に達してから50分高圧殺菌処理した。
【0021】殺菌処理した容器本体2は、これをクリー
ンルームに移し冷却したのち、培地Aに対してしいたけ
種菌を接種する。しいたけ種菌の接種は、図5に示すよ
うに細い円筒状の接種ノズル8(径約10mm)を使用
して行うもので、容器本体2の開口部4を封止している
蓋部材5の上方に接種ノズル8を位置させ、該接種ノズ
ル8の先端部を蓋部材5を貫通させて容器本体2に挿入
したのち、接種ノズル8から液状のしいたけ種菌を培地
約1000gに対して約8ccの量を滴下して接種す
る。この接種ノズル8によるしいたけ菌の培地に対する
接種は、蓋部材5の任意の1箇所であってもよいが、複
数本の接種ノズルを使用して実施してもよい。
【0022】殺菌処理された培地Aに対するしいたけ菌
の接種が終了すると、接種ノズル8を蓋部材5から引き
抜く。接種ノズル8が蓋部材5から引き抜かれると、蓋
部材5には接種ノズル8が貫通した孔9が残る。この孔
9はこれを放置すると、当該孔からバクテリアなどが容
器本体2内に侵入するので、この孔9に上方から非通気
性の合成樹脂製のシート部材10を当接したのち、その
周縁部をヒートシールして封止し菌床1とするものであ
る。(図6参照)
【0023】以下、かゝる菌床1を使用したしいたけの
栽培法について説明する。 〔種菌の培養〕雑菌の侵入が阻止され、適度の通気性を
保持された容器本体2内の培地Aにしいたけ菌が接種さ
れた菌床1は、窓などの開閉操作によってほぼ外気の流
通を実質的に遮断することのできる閉鎖状態と、外気が
実質的に流通する開放状態を容易に作り出すことのでき
るハウスに移動させ、このハウス内に設置された多段の
棚を有する菌床載置台に並べる。その際、各菌床1は、
その間隔を約10mm程度離して並べることによって菌
床間の空気の流通を良くしておく。菌床を収納したハウ
スは、空気の流通をよくした状態で、相対湿度が60〜
70%、温度が5〜28℃、好ましくは20〜26℃
で、照度を約50ルックス程度に保持しながら30〜7
0日程度培地に接種した種菌の培養を行う。この培養に
よって容器本体内の培地は、菌糸が全体に蔓延して表面
が白色く変化すると共に、次第にその表面が褐色に変化
して菌糸の蔓延した菌床となる。
【0024】〔菌糸層の形成〕ハウスにおける種菌の培
養の結果、外観観察において菌床の表面が60〜70%
程度褐色に変色するか、もしくは秤量によって菌床重量
が850〜800g程度、すなわち当初の重量1000
gから15〜20%程度重量が減少したとき、容器本体
の開口部を封止している蓋部材を除去し、かつ容器本体
を逆さにして菌床を取り出して改めて棚に載置する。つ
いで、ハウス内温度が30℃以上にならないよう、好ま
しくは温度15〜28℃に保持すると共に、相対湿度を
90%以上に維持すると、約7〜10日くらいで発菌に
よって菌床の表面に新しい菌糸層が形成される。この菌
床表面の発菌による新しい菌糸層の形成は、ハウスを実
質的に閉鎖した状態で実施するものである。
【0025】〔菌床の熟成〕発菌によって菌床の表面に
新しい菌糸層が形成され、かつその菌糸層が褐色に色づ
き出せば、ハウスの窓などを適宜開放して室内の換気を
図りながら菌床に対して散水を実施して、新しい層を硬
質化させる。この散水は、温度の最も高い時間帯に毎日
2時間程度実施しながら熟成させ、菌床重量が当初の6
0〜70%程度、すなわち1000gの菌床が600〜
700g程度になるまで散水を繰り返す。ハウス内にお
ける熟成操作によって、菌床重量が600〜700g程
度に減少して、表面に走り子が出始めると、菌床に対す
る散水作業を一日30〜60分程度に短縮すると同時
に、ハウス内の換気を控えめとする。なお、この時期に
おけるハウスは、実質的に開放状態となるものである
が、外気の変化に応じてハウスを実質的に閉鎖状態とし
ても、あるいは閉鎖状態と開放状態とを交互に繰り返し
てもよい。
【0025】〔しいたけの発生〕表面に走り子の出始め
た菌床は、ハウス内を温度5〜25℃、相対湿度を80
〜90%で管理し、ハウス内の照度を500〜1000
ルックスに保持することにより、しいたけの本格的な発
生を促してしいたけを採取する。この状態となったら、
しいたけの採取後15〜20分程度の散水を2〜3日お
きに実施する。しいたけ発生の終期になると、菌床の重
量が400〜350g程度まで減少するので、この時期
には菌床を水に浸し、重量が650g程度になるまで水
を吸収させたのち、水切りによって発生させる。
【0026】なお、前記実施例においては、菌床の培
養、熟成および発生を一つのハウス内で実施する方法を
説明したが、各工程におけるハウス内の温度や相対湿度
を変えることなく別々のハウスで実施してもよい。ま
た、培地の組成や栄養剤の配合割合、容器本体や蓋部
材、さらには蓋部材に形成された通気孔やしいたけ菌の
接種に伴う孔を封止するシート部材などは、実施例にの
み限定されるものでなく、この発明の要旨内において自
由に変更することができるものである。さらに、この発
明における菌床を利用したしいたけ栽培法は、培養工程
と、培養工程爾後の工程とに分離し、前者を種菌の製造
メーカーが、爾後の菌糸層の形成や熟成および発生工程
をしいたけの生産者が行うこともできる。
【0027】
【発明の効果】この発明のしいたけ栽培用菌床は、容器
本体内に収容した培地にほぼ無菌状態でしいたけ菌が接
種されているため、品質のよい菌床が得られるので、所
定の工程によって種菌の培養や菌糸層の形成、熟成、発
生操作を実施することによって確実に品質のよいしいた
けを得ることができる。
【0028】この発明のしいたけ栽培用菌床の製法は、
容器本体に充填した培地の殺菌処理後において、容器本
体の開口部を封止する蓋部材を開封することなく殺菌処
理された培地にしいたけ菌を簡単かつ容易に接種するこ
とができ、しいたけ菌の接種のために蓋部材に穿たれた
孔は、微生物などが容器本体内に侵入しないように封止
されるためため、品質のよい菌床を大量にしかも安価に
生産者に提供することができる。
【0029】この発明のしいたけ栽培用菌床を使用した
しいたけの栽培法は、菌床によってしいたけを栽培する
ためきわめて少ない労力でしいたけ栽培ができる。特
に、培地に接種したしいたけ菌の培養が済んだ菌床を購
入することによってより一層簡単な手段によってしいた
けを栽培することができ、しかも簡単な設備によって実
施できる点においてきわめて実用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のしいたけ栽培用菌床の一例を斜視図
である。
【図2】培地を収容した容器本体の開口部を封止する前
の分解斜視図である。
【図3】この発明のしいたけ栽培用菌床の製法を示す工
程図で、容器本体に培地を充填した状態を示す断面図で
ある。
【図4】容器本体の開口部を蓋部材で封止した状態を示
す断面図である。
【図5】開口部を蓋部材で封止された容器本体内の培地
にしいたけ菌を接種する状態を示す断面図である。
【図6】しいたけ菌の接種によって蓋部材に穿たれた孔
を封止した状態を示す断面図である。
【符号の説明】 1 しいたけ栽培用の菌床 2 容器本体 3 鍔部 4 開口部 5 蓋部材 5a 周縁部 6 通気孔 7 シート部材 8 植菌ノズル 9 蓋部材の孔 10 シート部材 A 培地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を
    配合し、かつ水分調整した培地を非通気性の合成樹脂か
    らなる容器本体に充填し、この容器本体の開口部に所要
    の部位に雑菌等の侵入を防止した通気部を有する非通気
    性の蓋部材を一体的に取付け、殺菌処理して菌床とし、
    この菌床の培地に液状のしいたけ菌を接種することによ
    って穿たれた蓋部材の孔を雑菌等は通さないが通気性を
    有するシート部材もしくは非通気性のシート部材によっ
    て封止したことを特徴とするしいたけ栽培用菌床。
  2. 【請求項2】 前記培地は、粒子の粗いおが屑製のダス
    トチップを培地素材の20〜30%配合し、かつ栄養剤
    を重量比で培地素材3に対して1とすると共に、その水
    分を60〜65%に調整したことを特徴とする請求項1
    記載のしいたけ栽培用菌床。
  3. 【請求項3】 前記容器本体は、上部を開口部とした有
    底円筒状もしくは有底の逆截頭円錐状のもので、透明な
    いし半透明のものであることを特徴とする請求項1記載
    のしいたけ栽培用菌床。
  4. 【請求項4】 前記蓋部材は、非通気性のシート部材に
    所要の大きさの透孔を設け、この透孔の表面に雑菌等の
    侵入は阻止するが通気性を有するシート部材によって封
    止したことを特徴とする請求項1記載のしいたけ栽培用
    菌床。
  5. 【請求項5】 前記蓋部材は、その外周縁の一部又は全
    部が容器本体の開口部外周縁より延出する突出部を一体
    的に設け、この突出部を使用してワンタッチで開封でき
    るようしたことを特徴とする請求項1記載のしいたけ栽
    培用菌床。
  6. 【請求項6】 おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を
    配合し、かつ水分を調整した培地の所定量を非通気性の
    合成樹脂製の容器本体に充填したのち、容器本体の開口
    部を所要の部位に雑菌等の侵入を防止した通気部を有す
    る非通気性の蓋部材を熱シール等によって一体的に取付
    け封止して殺菌処理し、ついで接種ノズルを容器本体の
    蓋部材を貫通させて培地に液状のしいたけ菌を接種し、
    この菌接種によって穿たれた蓋部材の孔を雑菌等は通さ
    ないが通気性は有するシート部材もしくは非通気性のシ
    ート部材によって封止することを特徴とするしいたけ栽
    培用菌床の製法。
  7. 【請求項7】 おが屑を主体とする培地素材に栄養剤を
    配合し、かつ水分を調整した培地の所定量を非通気性の
    合成樹脂製の容器本体に充填したのち、容器本体の開口
    部を所要の部位に雑菌等の侵入を防止した通気部を有す
    る非通気性の蓋部材を熱シール等によって一体的に取付
    け封止したのち殺菌処理し、ついで接種ノズルを容器本
    体の蓋部材を貫通させて培地に液状のしいたけ菌を接種
    し、この菌接種によって穿たれた蓋部材の孔を雑菌等は
    通さないが通気性は有するシート部材もしくは非通気性
    のシート部材によって封止して得た菌床をハウス内の棚
    に並べて常法によって培養し、菌床の表面の60〜70
    %程度が褐変するか、菌床の重量が12〜15%程度減
    少したとき、蓋部材に設けた突出部を利用して蓋部材を
    除去するなどの手段によって菌床を容器本体から取り出
    し、室温が30℃以下で相対湿度を90%以上に保持し
    たハウス内において菌床表面に発菌させ、発菌部分が変
    色し始めた頃にハウス内の換気を行いながら菌床に対し
    て散水して菌床表面に褐色の皮膜を形成させ、皮膜形成
    後に適宜散水を繰り返しながら菌床重量が当初の60〜
    70%程度になるまで熟成させたのち、菌床から走り子
    が出始めたとき菌床への散水と換気を抑え、ついでハウ
    ス内の温度を5〜25℃、相対湿度80〜90%で管理
    しながらしいたけを発生させることを特徴とする菌床に
    よるしいたけ栽培法。
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