JP2005333983A - きのこ栽培用キャップ及びきのこの栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】栽培瓶に充填した培地からナメコを発芽させて生長させるナメコの栽培方法において、発芽前の栽培瓶20に、遮光性を有する材料からなると共に、貫通穴13を有したキャップ10を装着し、貫通穴13を介して光が照射される培地の表面25bのみからナメコを発芽させ、貫通穴13を通過させて生長させることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
上記方法によると、培地の表面から多数のきのこの子実体が発芽して、瓶口内でこれらの子実体が一斉に伸長するため、個々の子実体は互いに生長の邪魔となって、充分に生育出来ずに茎の細い、傘の小さなものとなってしまう。
しかしながら、このきのこの栽培方法であっても、ナメコ等のきのこにあっては、充分に太い茎と大きな傘を有するものを、効率よく好適に生産することができなかった。
すなわち、本発明にかかるきのこ栽培用キャップの一形態によれば、きのこの栽培瓶に脱着可能に設けられ、蓋部によって瓶口を覆うきのこ栽培用キャップであって、遮光性を有する材料からなると共に、前記蓋部はきのこの子実体を通す貫通穴を有し、栽培瓶に装着された際には栽培瓶内のきのこ栽培用培地の上部表面に、前記貫通穴を介してのみ光が照射されることを特徴とする。
また、本発明にかかるきのこ栽培用キャップの一形態によれば、前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるきのこ栽培用キャップの一形態によれば、複数の前記貫通穴のそれぞれは、前記蓋部の中央部を除いた位置で、且つきのこ栽培用培地の上部表面を貫通穴の数に均等に分割した各部位の略中央部に対応する位置に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるきのこ栽培用キャップの一形態によれば、前記貫通穴は4個であり、各貫通穴は、きのこ栽培用培地の上部表面を4つに均等に分割した各部位の略中央部に対応する前記蓋部の位置に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかるきのこ栽培用キャップの一形態によれば、きのこの栽培瓶の首部に外嵌する筒部の内側周面には、側周からの通気性を確保するために、複数の凸部が周方向について実質的に等間隔に設けられ、前記蓋部の内面で且つきのこの栽培瓶の瓶口上端面と対面する部位には、通気性を確保する隙間を得るために、複数の段状部が周方向について実質的に等間隔に設けられていることを特徴とすることができる。
これによると、培地表面全体から一斉に多数のナメコが発芽することがなく、培地表面の選択された部分のみからナメコが発芽するので、子実体同士が生長の邪魔をすることなく充分な大きさに生長できる。
また、本発明にかかるきのこ栽培方法の一形態によれば、生長したきのこの子実体を前記きのこ栽培用キャップと共に、きのこの栽培瓶から分離して収穫することを特徴とすることができる。
図1は、本発明におけるキノコの栽培瓶20とキャップ10の断面図であり、図2は、キャップ10の概略図である。
栽培瓶20は、上方に開口する瓶口21を有したポリプロピレン等のプラスチックからなる瓶型容器で、容量は800cm3程度が好適である。
また、蓋部11には、同一形状の円形の貫通穴13が4個、互いに離間して設けられている。4個の貫通穴13は互いに、円形の蓋部11の中心部11aを回転中心として90°、180°、270°回転移動した位置関係にあり、中心部11aからそれぞれ同一距離離れて設けられている。
また、キャップ10は、後述するようにナメコの子実体が貫通穴13を通過して栽培瓶20の外方へと生長する際に、子実体によって持ち上げられて栽培瓶20から離脱しないように、筒部12が栽培瓶20の首部22に密着して嵌合するか、或いは筒部12と首部22の両者に突起等の係止部を設けて互いに係わり合ってキャップ10が栽培瓶20に装着され、容易に脱落しないように形成するとよい。
まず、栽培瓶20に培地25を充填し、栽培瓶ごと殺菌する。培地としては、おが屑とコーンコブに栄養分や水分を混合したものが好適である。その後、培地に種菌を接種し、温度18℃〜22℃の培養室にて培養を行う。このように、培地の準備、培地の殺菌、種菌の接種、培養等は、従来と同様の方法により行うことができる。
このような条件下でナメコは、培地25の上部表面25aのうち、遮光された部分の培地表面25cからは発芽せず、光が照射される貫通穴13の下方の培地表面25bのみから発芽して、向日性のある子実体30は貫通穴13に向かって伸び、さらに貫通穴13を通過して栽培瓶20の外方へと生長する(図4参照)。
さらに、蓋部に配設する貫通穴の数は1個でも良いが、複数個設けることで、太い茎と大きい傘を有したナメコを、効率良く充分な量収穫することができ、間隔をあけて4個設けると特に好適である。
収穫作業は、切断器具によって蓋部の上方の、子実体(ナメコ30)の茎の部分(図5のA線)で切断し、栽培瓶20から切り取って行う。収穫したナメコは、従来のようにおが屑等の培地が根元に付いていないので、このまま包装して商品とすることができる。
また、本発明により1本の栽培瓶から1回で収穫できるナメコの重量は、150〜200gで、従来の方法による場合の約2倍となる。
このきのこ栽培用キャップ10は、きのこの栽培瓶に脱着可能に設けられ、蓋部11によって瓶口を覆い、子実体の発生と生育工程について用いられるものであって、蓋部11には、きのこの子実体を通す貫通穴13が複数設けられている。
さらに本形態例では、貫通穴13は4個であり、各貫通穴13は、きのこ栽培用培地25の上部表面25aを4つに均等に分割した各部位の略中央部に対応する蓋部11の位置に設けられている。
ナメコで試験したところ、800cm3の容量の栽培瓶20において、4個の各貫通穴13(円形の穴)の直径は9mmから11mm程度が良く、さらに好ましくは10mm前後が良い。従って、栽培瓶20の容積に対する貫通穴13の直径の比率は、9/800〜11/800程度がよく、さらに好ましくは1/80前後となる。
これに対して、蓋部11の中心部11aに貫通穴13を設けると、周囲に配される他の貫通穴13との条件が異なり、均一性が失われてしまう。従って、その場合は最適な条件での栽培ができず、好適な結果を得ることができない。
なお、小孔15の数と配置位置は、図6及び図7に示した形態に限定されるものではなく、きのこの種類や栽培条件に合わせて適宜選択的に設定すればよい。
このように円周に等間隔に複数設けられた突起部16によって、きのこ栽培用キャップ10は、きのこの栽培瓶20の瓶口21へその全周について均一に外側から覆う状態で嵌ることができる。
このように、凸部17が複数形成されることで、筒部12の内側周面がきのこの栽培瓶20の首部22(側周壁)に密着して通気性が低下することなどを防止できる。また、新鮮な空気が瓶口21の全方向からより均一に栽培瓶20内へ入り、CO2をより均一に栽培瓶20内から排出することができる。従って、きのこをより均一に生長させることができる。
この複数の段状部18によれば、前述した複数の小孔15及び複数の凸部17と共に、きのこの栽培瓶20内への通気性をその全周に亘って好適に確保できる。これによれば、きのこの生長を好適に促進できる。ナメコについて実験したところ、キャップをしない通常の栽培方法の場合と同等の生育期間で栽培が可能となり、収穫量についてもキャップをしない通常の栽培方法の場合よりも平均して2割程度多くなった。
この鍔部19を利用することで、きのこ栽培用キャップ10をきのこの栽培瓶20に対して好適に着脱することができる。特に、鍔部19が引っ掛かりとなって、きのこ栽培用キャップ10をきのこの栽培瓶20から好適に離脱することができる。また、鍔部19が断続的に形成されていることから、柔軟性が高く、きのこの栽培瓶20から容易に離脱させることができる。
きのこ栽培用キャップ10の外方へ伸びた子実体は根元で貫通穴13によって絞られており、比較的簡単に培地25から分離できる。
また、根元が絞られているため、子実体の根元に付着する培地25(石付き)の量も少ない。さらに、このように子実体を根元で切らないで収穫した場合は、見栄えがよく、鮮度を保つことができるという利点もある。
なお、子実体(ナメコ30)の根元を切断して出荷しても良いこと(図5参照)は勿論であり、きのこの大きさ毎に選別すれば、求められるニーズに好適に対応することができる。
また、きのこ栽培用キャップ10は、黒色に限らず、他の色を用いてもよい。例えば、生産時期によってきのこ栽培用キャップ10の色を定期的に変更することや、種々の色や模様等を適宜に用いて消費者の印象を変化させてもよい。
本形態例では、装着用の突起部16Aの形状が、図11に示すように円弧の弦を形作るように接線と平行な突起先端線が形成されて、筒部12の下端縁に設けられている。この突起部16Aの断面形状は、図12に示すように略三角形となっている。
突起部16Aの先端が線状に形成されるため、安定した状態できのこ栽培瓶20の首部22に外嵌できる。また、線状に形成されるため耐久性のある形態となっている。
11 蓋部
12 筒部
13 貫通穴
15 小孔
16 突起部
17 凸部
18 段状部
19 鍔部
20 栽培瓶
21 瓶口
22 首部
23 突出部
25 培地
30 ナメコ
Claims (11)
- きのこの栽培瓶に脱着可能に設けられ、蓋部によって瓶口を覆うきのこ栽培用キャップであって、
遮光性を有する材料からなると共に、前記蓋部はきのこの子実体を通す貫通穴を有し、栽培瓶に装着された際には栽培瓶内のきのこ栽培用培地の上部表面に、前記貫通穴を介してのみ光が照射されることを特徴とするきのこ栽培用キャップ。 - 前記貫通穴が複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用キャップ。
- きのこの栽培瓶に脱着可能に設けられ、蓋部によって瓶口を覆うきのこ栽培用キャップであって、
前記蓋部には、きのこの子実体を通す貫通穴が複数設けられていることを特徴とするきのこ栽培用キャップ。 - 複数の前記貫通穴のそれぞれは、前記蓋部の中央部を除いた位置で、且つきのこ栽培用培地の上部表面を貫通穴の数に均等に分割した各部位の略中央部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載のきのこ栽培用キャップ。
- 前記貫通穴は4個であり、各貫通穴は、きのこ栽培用培地の上部表面を4つに均等に分割した各部位の略中央部に対応する前記蓋部の位置に設けられていることを特徴とする請求項4記載のきのこ栽培用キャップ。
- 前記蓋部には、通気性を確保するために、きのこの子実体を通さない大きさの小孔が複数設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のきのこ栽培用キャップ。
- きのこの栽培瓶の首部に外嵌する筒部の内側周面には、側周からの通気性を確保するために、複数の凸部が周方向について実質的に等間隔に設けられ、
前記蓋部の内面で且つきのこの栽培瓶の瓶口上端面と対面する部位には、通気性を確保する隙間を得るために、複数の段状部が周方向について実質的に等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のきのこ栽培用キャップ。 - きのこの栽培瓶の首部に外嵌する筒部の外側周面下端には、外方へ延設された鍔部が周方向について実質的に等間隔で断続的に設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のきのこ栽培用キャップ。
- 栽培されるきのこがナメコであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のきのこ栽培用キャップ。
- きのこの栽培瓶に充填した培地からきのこを発芽させて生長させるきのこの栽培方法において、発芽前の栽培瓶に請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のきのこ栽培用キャップを装着し、きのこの子実体を、前記貫通穴を通過させて栽培瓶の外方へ生長させることを特徴とするきのこの栽培方法。
- 生長したきのこの子実体を前記きのこ栽培用キャップと共に、きのこの栽培瓶から分離して収穫することを特徴とする請求項10記載のきのこの栽培方法。
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JP2008265768A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Yoshiaki Ichimura | きのこの包装形態 |
JP2010022367A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-02-04 | Takara Bio Inc | キノコの菌床栽培用器材 |
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