JP2002217728A - A/d変換回路 - Google Patents

A/d変換回路

Info

Publication number
JP2002217728A
JP2002217728A JP2001008752A JP2001008752A JP2002217728A JP 2002217728 A JP2002217728 A JP 2002217728A JP 2001008752 A JP2001008752 A JP 2001008752A JP 2001008752 A JP2001008752 A JP 2001008752A JP 2002217728 A JP2002217728 A JP 2002217728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
converter
converted
converters
analog
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001008752A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Tejima
功 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Kokusai Electric Inc filed Critical Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority to JP2001008752A priority Critical patent/JP2002217728A/ja
Publication of JP2002217728A publication Critical patent/JP2002217728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被変換信号をそれぞれ異なるタイミングでサ
ンプリングして当該サンプリング信号値を出力する複数
のA/D変換器5、6から構成されたA/D変換部によ
り被変換信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換す
るA/D変換回路で、各A/D変換器5、6の個体差に
よる変換特性の違いを補正する 【解決手段】 補正情報取得手段10がA/D変換部に
基準信号を入力して当該A/D変換部から出力されるデ
ジタル信号を取得し、取得したデジタル信号と予め用意
された基準デジタル信号とを整合させるための補正情報
を取得し、被変換信号をA/D変換部によりアナログ信
号からデジタル信号へ変換する場合に、補正手段10が
当該A/D変換部から出力されるデジタル信号を取得し
た補正情報を用いて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のA/D(An
alog to Digital)変換器から構成されたA/D変換部
により被変換信号をアナログ信号からデジタル信号へ変
換するA/D変換回路に関し、特に、各A/D変換器の
個体差による変換特性の違いを補正するA/D変換回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】アナログ信号をデジタル信号へ変換して
信号処理を行う電気回路では、一般に、A/D変換器を
用いて処理対象となる信号をアナログ信号からデジタル
信号へ変換(A/D変換)することが行われている。例
えば、近年、通信の分野ではソフトウエアラジオに関す
る技術の研究開発が盛んに行われており、この技術は無
線通信に用いられる変調器や復調器をデジタル信号処理
により実現するものであり、この処理の最初の段階でA
/D変換器が用いられる。
【0003】また、ソフトウエアラジオでは、できる限
りハードウエアを共通化するために、できる限り高い周
波数で処理対象となる通信信号をサンプリングしてデジ
タル化することが要求され、具体的には、例えば数10
MHz程度の周波数が用いられるのが望ましい。また、
ソフトウエアラジオでは、同時に、高精度な処理が必要
とされるため、A/D変換のビット精度としては14〜
16ビット(bit)程度が要求される。
【0004】しかしながら、デバイス技術において、上
述のような高速且つ高精度なA/D変換器を製造するこ
とは困難であり、例えば精度を犠牲にして高速変換とす
るか、或いは、速度を犠牲にして高精度変換とすること
が行われていた。また、もしも高速且つ高精度なA/D
変換器を採用するとしても、このようなA/D変換器は
非常に高価であるため、製品のコストを考えると安易に
採用することはできない。
【0005】このような問題に対して、複数のA/D変
換器を用いることで高速且つ高精度なA/D変換を実現
することが考えられる。例えば特開平6−6222号公
報(以下で、文献1と言う)では、複数個のA/D変換
器を互いに並列に接続してこれら複数個のA/D変換器
を交互に動作させることで、単一のA/D変換器の動作
速度と比べて、当該複数倍の動作速度のA/D変換が実
現されることが記載されている。
【0006】次に、このように複数個のA/D変換器を
用いることで、単一のA/D変換器の仕様を上回る高速
なA/D変換を実現するA/D変換回路の一例を説明す
る。図2には、このようなA/D変換回路の一例とし
て、2個のA/D変換器を用いた場合の構成例を示して
ある。なお、A/D変換器の個数としては、3個以上で
あってもよい。
【0007】同図に示したA/D変換回路は、増幅器1
1と、帯域濾波器12と、第1のA/D変換器13と、
第2のA/D変換器14と、2分周器15と、バッファ
16と、インバータ17と、切換スイッチ18とから構
成されている。なお、第1のA/D変換器13と第2の
A/D変換器14としては、例えば同一製品のA/D変
換器が用いられている。
【0008】このA/D変換回路により行われる動作例
を示す。まず、A/D変換対象となる信号(被変換信
号)が増幅器11により所望の電圧になるように増幅さ
れ、当該増幅信号が帯域濾波器12により所望の帯域に
制限されて、2個のA/D変換器13、14へ同時に入
力される。なお、帯域濾波器12からの出力信号がそれ
ぞれのA/D変換器13、14に同時に入力されるよう
に、帯域濾波器12の出力端からそれぞれのA/D変換
器13、14の入力端までの配線の長さが等しくされて
いる。
【0009】また、この例では、各A/D変換器13、
14の最高サンプリング周波数の2倍の値がA/D変換
回路全体として要求されるサンプリング周波数となって
おり、当該サンプリング周波数を有するサンプリングク
ロック信号が2分周器15及び切換スイッチ18に入力
される。
【0010】また、2分周器15では入力されるサンプ
リングクロック信号の周波数が1/2倍に2分周されて
出力され、その後、当該2分周された信号が2つに分配
されて、一方の分配信号がバッファ16を通過すること
で遅延させられて第1のA/D変換器13にサンプリン
グクロック信号として入力され、同時に、他方の分配信
号がインバータ17を通過することで位相が反転させら
れて第2のA/D変換器14にサンプリングクロック信
号として入力される。
【0011】帯域濾波器12から各A/D変換器13、
14に入力された信号は、各A/D変換器13、14に
入力される各サンプリングクロック信号に従ったタイミ
ングでサンプリングされ、これにより、各A/D変換器
13、14では帯域濾波器12から入力された信号がA
/D変換されて、この結果として得られたデジタル信号
が切換スイッチ18に入力される。
【0012】ここで、通常のA/D変換器ではA/D変
換のタイミングとして外部から与えられるサンプリング
クロック信号の立ち上がりエッジ若しくは立ち下がりエ
ッジのいずれかを利用しており、この例では、2分周器
15からの他方の分配信号の位相をインバータ17によ
り反転させることで、第1のA/D変換器13と第2の
A/D変換器14とでちょうど半クロック(1/2周
期)分ずれたサンプリングクロック信号が入力されるよ
うになっている。これにより、各A/D変換器13、1
4から切換スイッチ18へ出力されるデジタル信号は互
いに半クロック分ずれてサンプリングされたものとな
る。
【0013】切換スイッチ18では、入力される2分周
される前のサンプリングクロック信号に従ったタイミン
グでスイッチを第1のA/D変換器13と第2のA/D
変換器14とでA/D変換順に交互に切り換えることに
より、第1のA/D変換器13からのデジタル信号と第
2のA/D変換器14からのデジタル信号とを交互に後
続する処理を行う回路へ出力する。
【0014】すると、切換スイッチ18から出力される
デジタル信号は、2分周される前のサンプリングクロッ
ク信号のサンプリング周波数に対応したもの、つまり、
各A/D変換器13、14の最高サンプリング周波数の
2倍の周波数に対応したものとなる。
【0015】ここで、図3を参照して、上記図2に示し
たA/D変換回路により行われる一連のサンプリング処
理の様子の一例を示す。なお、ここでは、被変換信号と
して正弦波を用いた場合を示す。また、同図(a)〜同
図(d)のグラフの横軸は時間経過を示しており、縦軸
は信号の電圧を示している。
【0016】同図(a)には、被変換信号となる正弦波
の一例を示してある。ここで、同図(a)に破線で示し
た時間間隔t[s]が所望のサンプリング周期に相当
し、2分周される前のサンプリングクロック信号の周期
に相当する。
【0017】同図(b)には、第1のA/D変換器13
により被変換信号をサンプリングした場合にサンプリン
グされる信号値(サンプリング信号値)の一例を黒丸で
示してある。ここで、同図(b)に破線で示した時間間
隔2t[s]は、第1のA/D変換器13や第2のA/
D変換器14に入力されるサンプリングクロック信号の
周期に相当し、2分周された後のサンプリングクロック
信号の周期に相当する。
【0018】これに対して、同図(c)には、第2のA
/D変換器14により被変換信号をサンプリングした場
合にサンプリングされる信号値(サンプリング信号値)
の一例を白丸で示してある。上述のように、第1のA/
D変換器13によるサンプリングのタイミングと第2の
A/D変換器14によるサンプリングのタイミングとは
互いにt[s]ずれているため、同図(b)に黒丸で示
したサンプリング信号値と同図(c)に白丸で示したサ
ンプリング信号値とは互いにt[s]ずれてサンプリン
グされたものとなる。
【0019】そして、同図(d)には、第1のA/D変
換器13により得られたサンプリング信号値と第2のA
/D変換器14により得られたサンプリング信号値とを
切換スイッチ18により交互に取り出すことで得られる
サンプリング信号値を黒丸及び白丸で示してあり、これ
は所望のサンプリング周期t[s]で被変換信号をサン
プリングした場合に得られるデジタル信号と同じ信号値
を欠落なく取得したものとなっている。
【0020】なお、上記図2に示した例では、2個のA
/D変換器13、14から出力されるサンプリング信号
値を切換スイッチ18で切り換えてデジタル信号を取得
する構成を示したが、例えば複数のA/D変換器から出
力されるサンプリング信号値を直接的にDSP(Digita
l Signal Processor)に入力して処理する構成を用いる
こともでき、この構成では、各A/D変換器からのサン
プリング信号値を切り換える必要をなくすことができ
る。また、一般にDSPは外部のデバイスとのインタフ
ェースが容易な構造となっており、A/D変換器との接
続にはシリアルポート或いはパラレルポートを割り当て
ることができる。このようなポートを用いてDSPと各
A/D変換器とを接続した場合には、各A/D変換器に
よるA/D変換結果をDSPに取り込んだ後にDSPの
有するメモリ空間内へ再配置することにより、元の時系
列でのA/D変換結果を再現することができる。
【0021】以上のように、上記図2に示したようなA
/D変換回路では、複数個のA/D変換器を用いてそれ
ぞれのA/D変換器に同時に同じ被変換信号を入力し、
各A/D変換器によりA/D変換を行うタイミングを示
すサンプリングクロック信号の位相をA/D変換器の総
数の逆数に比例する分だけ互いにずらすことにより、単
一のA/D変換器と比べて高速なA/D変換を高精度に
行うことができる。なお、これら複数のA/D変換器の
それぞれによりA/D変換を行うタイミングは、具体的
には、例えば単一のA/D変換器の最高サンプリング周
波数に対応した周期をA/D変換器の総数で除算した結
果に相当する時間分だけ互いにずらされ、当該時間分が
例えば所望のサンプリング周期となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記図2に示したようなA/D変換回路では、複数のA
/D変換器を用いることが必須となるところ、各A/D
変換器のデバイス自体の個体差による変換特性の違いが
生ずる場合があり、このような場合には、各A/D変換
器毎にサンプリングされる信号値の位相や振幅が若干ず
れてしまうことに起因して、被変換信号を正しくサンプ
リングしてA/D変換することができなくなってしまう
といった問題がある。
【0023】ここで、図4を参照して、このような問題
を具体的に説明する。同図には、各A/D変換器13、
14の個体差による変換特性の違いが顕著な場合におい
て、上記図2に示したA/D変換回路により行われる一
連のサンプリング処理の様子の一例を示してある。な
お、ここでは、被変換信号として正弦波を用いた場合を
示す。また、図4(a)〜図4(d)のグラフの横軸は
時間経過を示しており、縦軸は信号の電圧を示してい
る。
【0024】同図(a)には、被変換信号となる正弦波
の一例を示してある。ここで、同図(a)に破線で示し
た時間間隔t[s]が所望のサンプリング周期に相当
し、2分周される前のサンプリングクロック信号の周期
に相当する。
【0025】同図(b)には、第1のA/D変換器13
により被変換信号をサンプリングした場合にサンプリン
グされる信号値(サンプリング信号値)の一例を黒丸で
示してあり、当該A/D変換器13の変換特性に起因し
てサンプリングされる信号値が理想的な値から多少ずれ
ている。ここで、同図(b)に破線で示した時間間隔2
t[s]が、第1のA/D変換器13や第2のA/D変
換器14に入力されるサンプリングクロック信号の周期
に相当し、2分周された後のサンプリングクロック信号
の周期に相当する。
【0026】また、同図(c)には、第2のA/D変換
器14により被変換信号をサンプリングした場合にサン
プリングされる信号値(サンプリング信号値)の一例を
白丸で示してあり、当該A/D変換器14の変換特性に
起因してサンプリングされる信号値が理想的な値から多
少ずれている。なお、上述のように、第1のA/D変換
器13によるサンプリングのタイミングと第2のA/D
変換器14によるサンプリングのタイミングとは互いに
t[s]ずれているため、同図(b)に黒丸で示したサ
ンプリング信号値と同図(c)に白丸で示したサンプリ
ング信号値とは互いにt[s]ずれたものとなる。
【0027】そして、同図(d)には、第1のA/D変
換器13により得られたサンプリング信号値と第2のA
/D変換器14により得られたサンプリング信号値とを
切換スイッチ18により交互に取り出すことで得られる
サンプリング信号値を黒丸及び白丸で示してあり、これ
は所望のサンプリング周期で被変換信号をサンプリング
した場合に得られるデジタル信号と同じ信号値を欠落な
く取得したものとなっているが、各A/D変換器13、
14毎の変換特性の違いに起因して理想的なサンプリン
グ結果の波形からずれたものとなっている。
【0028】なお、本発明と同様な問題の解決を図るも
のとして、例えば上記文献1では、アナログ入力波形の
変化分を検出する微分器からの微分出力波形を順次に切
り換えて複数個の積分器へ出力し、各積分器による積分
出力波形をそれぞれに対応したA/D変換器によりA/
D変換し、これら複数個のA/D変換器によるA/D変
換出力を加算器により加算することで、各A/D変換器
間に不可避的に存在するゲインエラー及びオフセットエ
ラーに起因する波形歪を低減させることを図っている。
【0029】本発明は、例えば上記図2に示したA/D
変換回路を例として述べたような従来の課題を解決する
ためになされたもので、複数のA/D変換器から構成さ
れたA/D変換部により被変換信号をアナログ信号から
デジタル信号へ変換するに際して、各A/D変換器の個
体差による変換特性の違いを補正することができ、これ
により、高速且つ高精度なA/D変換を簡易な構成で実
現することができるA/D変換回路を提供することを目
的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るA/D変換回路では、被変換信号をそ
れぞれ異なるタイミングでサンプリングして当該サンプ
リング信号値を出力する複数のA/D変換器から構成さ
れたA/D変換部により被変換信号をアナログ信号から
デジタル信号へ変換する構成において、次のような処理
を行う。
【0031】すなわち、補正情報取得手段がA/D変換
部に基準信号を入力して当該A/D変換部から出力され
るデジタル信号を取得し、取得したデジタル信号と予め
用意された基準デジタル信号とを整合させるための補正
情報を取得する。そして、被変換信号をA/D変換部に
よりアナログ信号からデジタル信号へ変換する場合に
は、補正手段が当該A/D変換部から出力されるデジタ
ル信号を取得した補正情報を用いて補正する。
【0032】従って、上記のような補正によって各A/
D変換器の変換特性の違いに起因するA/D変換結果の
波形歪が低減されることで、各A/D変換器の個体差に
よる変換特性の違いを補正することができ、これによ
り、高速且つ高精度なA/D変換を簡易な構成で実現す
ることができる。
【0033】ここで、被変換信号としては、種々な信号
が用いられてもよい。また、各A/D変換器により被変
換信号をサンプリングするタイミングとしては、例えば
各A/D変換器毎に互いに一定の時間だけずれたタイミ
ングが用いられる。また、A/D変換部では、例えば複
数のA/D変換器のそれぞれによりA/D変換結果とし
て得られるサンプリング信号値が1つの出力にまとめら
れ、この出力が当該A/D変換部によるA/D変換結果
であるデジタル信号となる。
【0034】また、A/D変換器としては、種々なもの
が用いられてもよい。また、複数のA/D変換器の数と
しては、種々な数が用いられてもよい。また、基準信号
としては、種々な信号が用いられてもよい。また、補正
情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば
被変換信号をA/D変換して得られるデジタル信号を補
正するための補正値の情報や、このような補正を行うた
めの関数の情報などを用いることができる。
【0035】また、基準デジタル信号としては、例えば
基準信号をA/D変換した場合に得られる理想的なデジ
タル信号が用いられる。つまり、基準信号を実際にA/
D変換部によりA/D変換した場合に得られるデジタル
信号をこのような基準デジタル信号に整合させるための
補正情報を他の信号(被変換信号)に適用することで、
当該他の信号についても、A/D変換部による当該他の
信号のA/D変換結果を理想的なデジタル信号に補正す
ることができる。
【0036】また、基準信号をA/D変換部によりA/
D変換して得られるデジタル信号と基準デジタル信号と
を整合させるための補正情報としては、例えばこれらを
全く一致させることができるものが用いられるのが好ま
しいが、実用上で有効な程度で各A/D変換器毎の個体
差を補償することができれば、当該整合の程度としては
種々な程度が用いられてもよい。
【0037】また、補正情報取得手段によりA/D変換
部に基準信号を入力して補正情報を取得する処理が行わ
れるタイミングとしては、種々なタイミングが用いられ
てもよく、例えば被変換信号をA/D変換処理する前の
タイミングで予め補正情報が取得されてもよく、また、
例えばA/D変換部により被変換信号のA/D変換処理
が行われていない任意のタイミングを見計らって補正情
報が取得されてもよく、また、例えば被変換信号が周期
的な通信信号であるような場合には、A/D変換部によ
る被変換信号のA/D変換処理が必要とならない周期的
な空きタイミングで補正情報が取得されてもよい。
【0038】なお、本発明では、例えばA/D変換回路
の使用状況等によって各A/D変換器の特性が変化した
ような場合においても、補正情報取得手段により補正情
報を取得し直してこのような変化に対応することができ
る構成としたが、他の構成例として、例えばこのような
変化に対応する必要のない場合には、予め測定等によっ
て取得された補正情報を格納したROM(Read Only Me
mory)等のメモリをA/D変換回路に備え、補正手段が
当該メモリから補正情報を読み取って当該補正情報を用
いて補正を行うような構成とすることもできる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明に係る一実施例を図面を参
照して説明する。図1には、本発明に係るA/D変換回
路の一例として、2個のA/D変換器を用いた場合の構
成例を示してあり、このA/D変換回路は、これら複数
個のA/D変換器のそれぞれの個体差による特性差を補
正するためのキャリブレーション回路を有した構成とな
っている。なお、A/D変換器の個数としては、3個以
上が用いられてもよい。
【0040】同図に示した本例のA/D変換回路は、増
幅器1と、帯域濾波器2と、基準信号発生器3と、切換
スイッチ4と、第1のA/D変換器5と、第2のA/D
変換器6と、2分周器7と、バッファ8と、インバータ
9と、DSP10とから構成されている。なお、第1の
A/D変換器5と第2のA/D変換器6としては、例え
ば同一製品のA/D変換器が用いられている。
【0041】また、本例のA/D変換回路の構成や動作
は、各A/D変換器5、6からA/D変換結果として出
力されるデジタル信号が直接的にDSP10に入力され
る点や、被変換信号をA/D変換して得られるデジタル
信号を補正するためのキャリブレーション回路を備えて
いる点を除いては、例えば上記図2に示したA/D変換
回路の構成や動作と同様である。
【0042】次に、本例のA/D変換回路により補正情
報を取得する動作例を示す。すなわち、本例では、切換
スイッチ4の切換により、被変換信号を2個のA/D変
換器5、6に入力するか、或いは基準信号を2個のA/
D変換器5、6に入力するかを切り換えることができ
る。そして、補正情報を取得する場合には、基準信号が
2個のA/D変換器5、6に入力されるように切換スイ
ッチ4が切り換えられる。
【0043】具体的には、例えばA/D変換回路の電源
投入時やA/D変換処理を要しない任意の時間に、DP
S10から切換スイッチ4へ切換信号を出力することで
当該切換スイッチ4が基準信号発生器3側に切り換えら
れるようにし、これにより、基準信号発生器3により発
生させられる基準信号を切換スイッチ4を介して2個の
A/D変換器5、6に入力する。
【0044】すると、各A/D変換器5、6では、それ
ぞれに入力されるサンプリングタイミング信号に従った
タイミングで基準信号がA/D変換されて、当該A/D
変換結果であるデジタル信号がDSP10に入力され
る。なお、サンプリングタイミング信号としては、後述
する被変換信号をA/D変換する際に用いられるものと
同じものが用いられる。
【0045】また、DSP10の内部のメモリには、基
準信号をA/D変換して得られる理想的なデジタル信号
(基準デジタル信号)の波形データ(基準波形データ)
が予め記憶されている。そして、DSP10では、2個
のA/D変換器5、6により基準信号を実際にA/D変
換した場合に得られるデジタル信号の波形データとメモ
リに予め記憶されている基準波形データとを照合し、こ
れらの間の振幅の比率から補正係数を算出する。また、
DSP10は、算出した補正係数をメモリに記憶してお
く。
【0046】なお、本例では、上記した補正係数とし
て、2個のA/D変換器5、6により基準信号をA/D
変換して得られるデジタル信号の波形データに補正係数
を乗算した結果がメモリに予め記憶されている基準波形
データと一致するような補正係数を用いている。
【0047】次に、本例のA/D変換回路により被変換
信号をA/D変換する動作例を示す。本例のA/D変換
回路では、上述のようにして補正係数を取得した後に、
DSP10から切換スイッチ4へ切換信号を出力するこ
とで当該切換スイッチ4が帯域濾波器2側に切り換えら
れるようにし、これにより、被変換信号が2個のA/D
変換器5、6に入力されてA/D変換されるようにす
る。
【0048】具体的には、まず、A/D変換対象となる
信号(被変換信号)が増幅器1により所望の電圧になる
ように増幅され、当該増幅信号が帯域濾波器2により所
望の帯域に制限されて、切換スイッチ4を介して2個の
A/D変換器5、6へ同時に入力される。なお、帯域濾
波器2からの出力信号がそれぞれのA/D変換器5、6
に同時に入力されるように、帯域濾波器2の出力端から
それぞれのA/D変換器5、6の入力端までの配線の長
さが等しくされている。
【0049】また、本例では、各A/D変換器5、6の
最高のサンプリング周波数の2倍の値がA/D変換回路
全体として要求されるサンプリング周波数となってお
り、このサンプリング周波数を有するサンプリングクロ
ック信号が2分周器7に入力される。
【0050】また、2分周器7では入力されるサンプリ
ングクロック信号の周波数が1/2倍に2分周されて出
力され、その後、当該2分周された信号が2つに分配さ
れて、一方の分配信号がバッファ8を通過することで遅
延させられて第1のA/D変換器5にサンプリングクロ
ック信号として入力され、同時に、他方の分配信号がイ
ンバータ9を通過することで位相が反転させられて第2
のA/D変換器6にサンプリングクロック信号として入
力される。
【0051】帯域濾波器2から切換スイッチ4を介して
各A/D変換器5、6に入力された信号は、各A/D変
換器5、6に入力される各サンプリングクロック信号に
従ったタイミングでサンプリングされ、これにより、各
A/D変換器5、6では帯域濾波器2から入力された信
号がA/D変換されて、この結果として得られたデジタ
ル信号がDSP10に入力される。
【0052】ここで、本例のA/D変換器5、6ではA
/D変換のタイミングとして外部から与えられるサンプ
リングクロック信号の立ち上がりエッジ若しくは立ち下
がりエッジのいずれかを利用しており、本例では、2分
周器7からの他方の分配信号の位相をインバータ9によ
り反転させることで、第1のA/D変換器5と第2のA
/D変換器6とでちょうど半クロック分ずれたサンプリ
ングクロック信号が入力されるようになっている。これ
により、各A/D変換器5、6からDSP10へ出力さ
れるデジタル信号は互いに半クロック分ずれてサンプリ
ングされたものとなる。
【0053】次に、DSP10では、2個のA/D変換
器5、6から入力される2つのデジタル信号を組み合わ
せることで、2分周される前のサンプリングクロック信
号のサンプリング周波数に対応したデジタル信号、つま
り、各A/D変換器5、6の最高サンプリング周波数の
2倍の周波数で被変換信号をA/D変換して得られるデ
ジタル信号を取得する。
【0054】そして、DSP10では、このようにして
取得したデジタル信号の波形データに対してメモリに記
憶されている補正係数を乗算し、当該乗算結果を補正後
のデジタル信号の波形データとしてメモリに書き込むこ
とで、デジタル信号の補正を行う。このようにして、被
変換信号をA/D変換器5、6によりA/D変換して得
られるデジタル信号の補正(キャリブレーション)処理
が完了し、これにより、複数個のA/D変換器5、6の
それぞれの個体差による特性差を補正することができ
る。
【0055】なお、本例では、2個のA/D変換器5、
6を用いた場合を示したが、3個以上のA/D変換器を
用いた場合についても、同様に、例えば所望のサンプリ
ング周波数を有するサンプリングクロック信号をA/D
変換器の使用個数の逆数で分周して用い、更に、各A/
D変換器によるA/D変換のタイミングをA/D変換器
の使用個数の逆数に比例する分だけ互いにずらすことに
より、被変換信号を高速且つ高精度にA/D変換するこ
とができる。
【0056】以上のように、本例のA/D変換回路で
は、A/D変換部を構成する複数のA/D変換器5、6
のそれぞれの個体差による特性差を補正するために、基
準信号を当該A/D変換部に入力し、これにより得られ
るデジタル信号の波形データと予め用意された基準デジ
タル信号の基準波形データとを照合することで補正係数
を算出することが行われる。そして、本例のA/D変換
回路では、次に被変換信号をA/D変換部によりアナロ
グ信号からデジタル信号へ変換するに際して、このよう
な補正係数を用いてA/D変換部により得られるデジタ
ル信号を補正することが行われる。
【0057】なお、本例では、2個のA/D変換器5、
6が、本発明に言う被変換信号をそれぞれ異なるタイミ
ングでサンプリングして当該サンプリング信号値を出力
する複数のA/D変換器に相当し、2個のA/D変換器
5、6から構成されたA/D変換部が、本発明に言うA
/D変換部に相当する。
【0058】また、本例では、基準信号発生器3により
発生させた基準信号をA/D変換部に入力して当該A/
D変換部から出力されるデジタル信号をDSP10によ
り取得し、取得したデジタル信号の波形データと予め用
意された基準デジタル信号の基準波形データとを整合さ
せるための補正情報として補正係数をDSP10により
取得する機能により、本発明に言う補正情報取得手段が
構成されている。
【0059】また、本例では、被変換信号をA/D変換
部によりアナログ信号からデジタル信号へ変換する場合
に当該A/D変換部から出力されるデジタル信号をDS
P10により取得した補正係数を用いて補正する機能に
より、本発明に言う補正手段が構成されている。
【0060】ここで、本発明に係るA/D変換回路の構
成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種
々な構成が用いられてもよい。また、本発明の適用分野
としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発
明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0061】また、本発明に係るA/D変換回路におい
て行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメ
モリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサが
ROMに格納された制御プログラムを実行することによ
り制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当
該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウ
エア回路として構成されてもよい。また、本発明は上記
の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)デ
ィスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り
可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握す
ることもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコン
ピュータに入力してプロセッサに実行させることによ
り、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るA/
D変換回路によると、被変換信号をそれぞれ異なるタイ
ミングでサンプリングして当該サンプリング信号値を出
力する複数のA/D変換器から構成されたA/D変換部
により被変換信号をアナログ信号からデジタル信号へ変
換する構成において、A/D変換部に基準信号を入力し
て当該A/D変換部から出力されるデジタル信号を取得
し、取得したデジタル信号と予め用意された基準デジタ
ル信号とを整合させるための補正情報を取得し、被変換
信号をA/D変換部によりアナログ信号からデジタル信
号へ変換する場合に当該A/D変換部から出力されるデ
ジタル信号を取得した補正情報を用いて補正するように
したため、各A/D変換器の個体差による変換特性の違
いを補正することができ、これにより、高速且つ高精度
なA/D変換を簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るA/D変換回路の一例を示す図
である。
【図2】 複数のA/D変換器を用いたA/D変換回路
の一例を示す図である。
【図3】 被変換信号のサンプリングの一例を示す図で
ある。
【図4】 A/D変換器毎にサンプリング信号の特性が
異なる場合における被変換信号のサンプリングの一例を
示す図である。
【符号の説明】
1、11・・増幅器、 2、12・・帯域濾波器、 3
・・基準信号発生器、4、18・・切換スイッチ、
5、6、13、14・・A/D変換器、7、15・・2
分周器、 8、16・・バッファ、 9、17・・イン
バータ、10・・DSP、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被変換信号をそれぞれ異なるタイミング
    でサンプリングして当該サンプリング信号値を出力する
    複数のA/D変換器から構成されたA/D変換部により
    被変換信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する
    A/D変換回路であって、 A/D変換部に基準信号を入力して当該A/D変換部か
    ら出力されるデジタル信号を取得し、取得したデジタル
    信号と予め用意された基準デジタル信号とを整合させる
    ための補正情報を取得する補正情報取得手段と、 被変換信号をA/D変換部によりアナログ信号からデジ
    タル信号へ変換する場合に当該A/D変換部から出力さ
    れるデジタル信号を取得した補正情報を用いて補正する
    補正手段と、 を備えたことを特徴とするA/D変換回路。
JP2001008752A 2001-01-17 2001-01-17 A/d変換回路 Pending JP2002217728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001008752A JP2002217728A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 A/d変換回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001008752A JP2002217728A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 A/d変換回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002217728A true JP2002217728A (ja) 2002-08-02

Family

ID=18876329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001008752A Pending JP2002217728A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 A/d変換回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002217728A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006184192A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Shimadzu Corp 電子天びん
JP2008275730A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Sec:Kk 音響信号符号化装置及び音響信号符号化方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006184192A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Shimadzu Corp 電子天びん
JP2008275730A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Sec:Kk 音響信号符号化装置及び音響信号符号化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4547064B2 (ja) A/d変換装置およびキャリブレーション装置
CN110266311A (zh) 一种tiadc系统失配误差校准方法、装置、设备及介质
CN101194426A (zh) 模/数转换装置和数/模转换装置
JP3132802B2 (ja) Fm多重受信装置
JP2002217728A (ja) A/d変換回路
US7132969B2 (en) Configuration for digital-analog conversion of high-frequency digital input signal into carrier-frequency analog output signal
JPH10150363A (ja) ディジタルプログラマブル移相器及びこのような移相器を用いるa/d変換器
JP2001028544A (ja) 多チャンネルpwmデジタル・アナログコンバータ
JPH06291784A (ja) 音声信号処理及び補正装置
US5815419A (en) Data interpolating circuit
JP2602331B2 (ja) D/a変換装置
JP2932973B2 (ja) アナログディジタル変換回路
JP3230227B2 (ja) A/dコンバータ
JP2584437B2 (ja) A/d変換回路
CN115276704B (zh) 适用于宽带数字tr芯片的上变频链路系统和装置
JP3109316B2 (ja) 波形発生装置
JPS60160222A (ja) 信号変換装置
JPH066222A (ja) A/d変換器
JP2644682B2 (ja) 相関処理回路
JP3354739B2 (ja) Daコンバータ
JP2001168715A (ja) アナログデジタルコンバータ
JPS6029036A (ja) アナログ・ディジタル変換回路
JP2009124507A (ja) デルタシグマ型のad変換器、通信装置、およびアナログデジタル変換方法。
JPS59207733A (ja) A/dコンバ−タ
JPH04349709A (ja) A/d変換回路