JP2002214839A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2002214839A
JP2002214839A JP2001007603A JP2001007603A JP2002214839A JP 2002214839 A JP2002214839 A JP 2002214839A JP 2001007603 A JP2001007603 A JP 2001007603A JP 2001007603 A JP2001007603 A JP 2001007603A JP 2002214839 A JP2002214839 A JP 2002214839A
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政裕 安野
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雅偉 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境下においても良好な帯電立ち上
がり性および帯電安定性を有し、生産性よく製造され得
る、画質性および耐熱保管性に優れた静電荷像現像用ト
ナーを提供すること。 【解決手段】 少なくともバインダー樹脂(A)、重量
平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分
子量2.0以下の重合体(B)、モノヒドロキシモノカルボ
ン酸金属錯体および着色剤を含む静電荷像現像用トナ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式や静電
印刷方式等を採用したプリンターや複写機に用いられる
静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像現像用トナーは、製造容易性の
観点から、粉砕法により製造されるのが一般的である。
粉砕法とは、少なくともバインダー樹脂、着色剤および
帯電制御剤を溶融、混練し、冷却した後、粗粉砕および
微粉砕し、所望により分級して所望粒径のトナー粒子を
得る方法である。帯電制御剤としては、一般に、フッ素
系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物
のような含金属染料、およびマレイン酸を単量体成分と
して含む共重合体の如き高分子酸等が使用される。しか
しながら、近年のフルカラー化および高画質化の要求に
応えるべく上記粉砕法を採用して小粒径で球形のトナー
粒子を効率良く生産することは困難であった。
【0003】そこで混練前のトナー組成物にいわゆる粉
砕助剤(バインダー樹脂より脆い樹脂)を添加すると、
トナー組成物の粉砕性が向上することが知られている。
例えば、特開平4-257868号公報ではスチレン-ブタジエ
ン系樹脂等の結着樹脂にC7〜C10の芳香族石油樹脂を含
有させる技術が、特開平8-278658号公報ではバインダー
樹脂に水素添加率が50%以上の水添石油樹脂を含有させ
る技術が、特開平11-65161号公報では結着樹脂にスチレ
ン系モノマーとインデン系モノマーとを含む共重合体を
含有させる技術が、特開平11-72956号公報では結着樹脂
に脂肪族炭化水素と炭素数9以上の芳香族炭化水素とを
含む共重合体を含有させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術ではトナーの基本性能、例えば、帯電立ち上がり
性、帯電安定性、耐熱保管性に悪影響が及んで問題とな
っていた。特に、トナーの消費量が多く、トナー補充の
機会が多いフルカラー画像形成装置において、トナーの
帯電立ち上がり性が悪いと、補充されてきたトナーが所
定の帯電量まで素早く帯電されず、トナーの帯電量にバ
ラツキが生じるため、トナー像の転写がスムーズに行わ
れず、記録紙上のトナー付着量が不足したり(転写
性)、濃度ムラが生じたり(追随性)、トナー像が局所
的に転写されない中抜けが生じたり、カブリが発生した
り、トナーが実機内で飛散したりする。このような帯電
立ち上がり性の悪化の問題は、トナーを高温高湿環境下
や低温低湿環境下で使用する場合、ならびにトナーを2
成分現像剤として用い、トナー混合比が比較的高い場合
に顕著であった。また、帯電安定性が悪いと、トナーの
長期使用に伴いキャリアや帯電部材のトナーに対する帯
電付与能が低下してトナー帯電量にバラツキが生じるた
め、上記したようなトナー転写性や追随性の問題や、中
抜け、カブリおよびトナー飛散の問題が生じる。
【0005】さらに、上記のような技術では、トナー組
成物は粉砕され易いものの、微小粒子や大径粒子が発生
し易いために所望粒径のトナー粒子が効率よく得られ難
く、トナー生産性(収率)に問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、いかなる環境下においても良好な帯電立ち上がり
性および帯電安定性を有し、生産性よく製造され得る、
画質性および耐熱保管性に優れた静電荷像現像用トナー
を提供することを目的とする。
【0007】本発明はまた、フルカラー画像形成、クリ
ーナレスシステムおよびトナーリサイクルシステムに適
用可能であって、比較的高い円形度を有し、形状が比較
的揃った静電荷像現像用トナーを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともバ
インダー樹脂(A)、重量平均分子量1000〜3000および
重量平均分子量/数平均分子量2.0以下の重合体(B)、
一般式(I);
【化3】 (式中、R、R、R、R、R、R、RおよびR
はそれぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜5のアル
キル基である;MはZn、Cr、AlまたはBである;
は水素イオン、アルカリ金属イオンまたはR9R10R11
R12(式中、R9、R 10、R11およびR12はそれぞれ独立
して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で
ある;nは1または2である。)
【0009】または一般式(II);
【化4】 (式中、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換または無置
換のアリール基である;MはZn、Cr、AlまたはB
である;Xは水素イオン、アルカリ金属イオンまたは
R17R18R19R20(式中、R17、R18、R19およびR20はそ
れぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
である)である;nは1または2である。)で表されるモ
ノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体および着色剤を含
む静電荷像現像用トナーに関する。
【0010】本発明の発明者等は、特定の重合体(B)
とモノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体とを組み合わ
せて用いることにより、初期におけるトナーの飽和帯電
量上昇と耐刷時におけるトナー帯電量上昇とを適度に抑
制させることができ、結果として帯電立ち上がり性と帯
電安定性とが向上することを見い出した。帯電立ち上が
り性の悪化は、電気抵抗の高い粉砕助剤がトナー粒子表
面に露出することによってトナーの飽和帯電量が上昇す
ることが原因と考えられる。帯電安定性の悪化は耐刷時
にトナー帯電量の上昇が起きて、トナー粒子が帯電部材
(ブレードやスリーブ)に固着したり、キャリアにスペ
ントしたりすることが原因と考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のトナーを構成するトナー
粒子はバインダー樹脂(A)中に少なくとも特定の重合
体(B)とモノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体なら
びに着色剤が分散されてなる。このようなトナーにおい
ては、比較的電気抵抗の高い重合体(B)と比較的電気
抵抗の低いモノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体とが
トナー粒子表面に露出するため、トナーが素早く帯電さ
れ、かつトナー帯電量の上昇が抑制され、結果として良
好な帯電立ち上がり性と帯電安定性を達成できる。
【0012】本発明において使用される重合体(B)は
重量平均分子量(Mw)が1000〜3000、好ましくは1000〜
2800、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2.0以
下、好ましくは1.9以下である。重合体(B)のMwが1000
未満であると、重合体(B)のガラス転移点が低くなる
ため、比較的高い温度でトナーを放置したときの保管性
(耐熱保管性)が悪化し、実用上使用が困難となる。ま
た、当該重合体中に揮発成分、例えば、アセトン、ベン
ゼン、モノマー等が残留し易いため、トナー製造時や画
像形成時に当該成分が揮発して安全性や臭気が問題とな
る。すなわち、重合体(B)樹脂のトータルVOCが1000pp
mを超え、実用的に使用することが困難となる。一方、M
wが3000を越えると、本材料自身の粉砕性が悪くなり、
本材料を用いることによる粉砕性の向上効果が認められ
なくなる。本明細書中、重合体または樹脂のMwおよびMn
はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807-IT型;
日本分光工業社製)によって測定された値を用いてい
る。
【0013】そのような重合体(B)は粉砕性指数0.1〜
1.0、好ましくは0.2〜0.6を有することが望ましい。粉
砕性指数とは粉砕され易さを表すひとつの指標であり、
当該値が小さいほど粉砕され易いことを意味する。
【0014】本明細書中、粉砕性指数は以下に従って測
定された値を用いている。体積平均粒径2mm程度の試料
を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F
(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、
試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の
負荷動力値W1を記録する。その後、KTM粉砕で得られた
粉砕物の体積平均粒径D(μm)をコールタマルチサイザ
ーII(コールターベックマン社製)にて測定する。得ら
れた値から下記式に基づいて粉砕性指数を算出する。 粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
【0015】また、重合体(B)のガラス転移点(Tg)
は50℃以上、好ましくは55〜85℃、より好ましくは60〜
80℃であることが望ましい。Tgが低すぎると、耐熱保管
性が悪化する。重合体(B)の軟化点は110〜150℃、好
ましくは120〜145℃であることが望ましい。
【0016】本明細書中、重合体または樹脂のガラス転
移点は示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)
を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を
昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メ
イン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点としてい
る。また、軟化点はフローテスター(CFT-500:島津製
作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、
加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3の試料
を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高
さの1/2に相当する温度を軟化点としている。
【0017】重合体(B)の種類としては、重合体(B)
がバインダー樹脂(A)と溶融混練されても相溶せず、
かつバインダー樹脂(A)と粉砕性が異なる限り、特に
制限されず、例えば、公知の芳香族モノマーおよび/ま
たは脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体が使用
できる。ここで「バインダー樹脂(A)と粉砕性が異な
る」とは、重合体(B)の粉砕性指数がバインダー樹脂
(A)の粉砕性指数より0.5以上、好ましくは0.7以上小
さいことを意味する。メインレジンであるバインダ樹脂
(A)に対してそのような粉砕性指数の関係を有する重
合体(B)を用いないと、トナーの粉砕性に対する顕著
な効果が得られない。また、所望される帯電性ならびに
耐熱保管性能が確保できなくなる。
【0018】芳香族モノマーとしては一般式(1);
【化5】 (式中、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原
子、またはメチル基である)で表されるスチレン系モノ
マーと、一般式(2);
【化6】 (式中、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、または炭素数1〜6のアルキル基、例
えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル
基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基であり、好ましくは
水素原子、塩素原子、臭素原子、またはメチル基であ
る)で表されるインデン系モノマーが挙げられる。
【0019】スチレン系モノマーの具体例としては、例
えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1
−プロペニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロ
ロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレ
ン、β−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブ
ロモスチレン、p−ブロモスチレン、α−ブロモスチレ
ン、β−ブロモスチレン等が挙げられ、好ましくはスチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロ
ペニルトルエン、β−メチルスチレン、1−プロペニル
トルエン、より好ましくはスチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、さらに
好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、イソプロペ
ニルトルエンである。インデン系モノマーの具体例とし
ては、例えば、インデン、メチルインデン、エチルイン
デン等が挙げられる。芳香族モノマーは単独でまたは組
み合わせて用いてもよい。
【0020】脂肪族モノマーの具体例としては、上記芳
香族モノマーと重合可能であれば特に制限されず、例え
ば、イソプレン、ピペリレン、1,3-ブタジエン、1,3-ペ
ンタジエン、1,5-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブ
タジエン、クロロプレン、2-ブロモ-1,3-ブタジエン等
のジオレフィン系モノマー;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレン、2−メチル−ブテン−1、2−メ
チルブテン−2等のモノオレフィン系モノマー;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリ
ル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル
酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリ
ル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル系モノマ
ー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタク
リル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタ
クリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリ
ル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ド
デシル等のメタクリル酸アルキルエステル系モノマー;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等
の不飽和カルボン酸系モノマー;アクリロニトリル、マ
レイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等
が挙げられる。好ましくはモノオレフィン系モノマーお
よびジオレフィン系モノマーであり、より好ましくはイ
ソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メ
チルブテン−2、さらに好ましくはイソプレンである。
肪族モノマーは単独でまたは組み合わせて用いてもよ
い。
【0021】上記のようなモノマーからなる重合体
(B)の中でも、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、イソプロペニルトルエンおよびインデン、
好ましくはスチレン、α−メチルスチレンおよびイソプ
ロペニルトルエンからなる芳香族モノマー、および/ま
たはイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1
および2−メチルブテン−2、好ましくはイソプレンから
なる脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体を用い
ることが好ましい。
【0022】そのような好ましい重合体(B)として、
石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピ
レンなどを製造するプラントから副生された分解油留分
に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料と
して合成されたものが好ましく使用され得る。
【0023】本発明においてより好ましくは、少なくと
もスチレンおよび/またはα−メチルスチレンを構成単
位として含む重合体(B)を用いる。そのような重合体
(B)の具体例として、例えば、ポリスチレン、ポリ-α
-メチルスチレン、スチレン-α-メチルスチレン共重合
体、α-メチルスチレン−イソプロペニルトルエン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−p−イソプロペニルトル
エン−イソプレン共重合体等が挙げられ、好ましくはポ
リスチレン、ポリ-α-メチルスチレンである。重合体
(B)における重合重量比は特に制限されないが、スチ
レンおよび/またはα−メチルスチレンの全モノマーに
対する割合は50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%
であることが望ましい。
【0024】重合体(B)としてポリスチレンを用いる
場合、その重量平均分子量は1000〜2000であることがさ
らに好ましい。また重合体(B)としてポリ-α-メチル
スチレンを用いる場合、その重量平均分子量は2000〜28
00であることがさらに好ましい。
【0025】重合体(B)の使用量は、帯電立ち上がり
性、帯電安定性および生産性のさらなる向上の観点か
ら、後述のバインダー樹脂(A)100重量部に対して1.5
〜25重量部、好ましくは2〜15重量部、より好ましくは3
〜10重量部が望ましい。重合体(B)は2種以上組み合わ
せて使用されてよく、その場合はそれらの合計量が上記
範囲内になればよい。
【0026】バインダー樹脂(A)の種類としては、上
記したような重合体(B)との不相溶性および粉砕性の
関係を有する限り特に制限されず、静電潜像現像用トナ
ーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メ
タ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC
(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS-COC(Ticona社
製)))等が挙げられる。
【0027】本発明においては、特にオイルレス定着用
トナーとしての定着性および耐オフセット性をより向上
させるため、あるいは、透光性を必要とするフルカラー
トナーにおいて画像の光沢性をより有効に制御するため
に、ポリエステル系樹脂として軟化点の異なる2種類の
ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。定着性
をより向上させるために軟化点が95〜120℃の第1ポリ
エステル系樹脂を使用し、耐オフセット性をより向上さ
せるために軟化点が130〜160℃の第2ポリエステル系樹
脂を使用することが好ましい。この場合に第1ポリエス
テル系樹脂の軟化点が95℃より低くなると耐オフセット
性が低下したりドットの再現性が低下し、120℃より高
いと定着性向上の効果が不十分となる。また第2ポリエ
ステル系樹脂の軟化点が130℃より低いと耐オフセット
性向上の効果が不十分となり、160℃より高くなると定
着性が低下する。このような観点からより好ましい第1
ポリエステル系樹脂の軟化点は100〜115℃で、第2ポリ
エステル系樹脂の軟化点は135〜155℃である。また第1
および第2ポリエステル系樹脂のガラス転移点は50〜75
℃、好ましくは55〜70℃とすることが望ましい。ガラス
転移点が低いとトナーの耐熱性が不十分となる。また、
高すぎると定着強度が不十分となる。
【0028】第1ポリエステル系樹脂としては、多価ア
ルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得ら
れたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分として
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分
とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、フマル
酸、ドデセニルコハク酸、ベンゼントリカルボン酸のみ
からなる群より選択される少なくとも1種を主成分とし
て用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。
【0029】また、第2ポリエステル系樹脂としては、
ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原
料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応する両
反応性モノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエ
ステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得る
ラジカル重合反応を並行して行わせて得られたポリエス
テル系樹脂が好適に使用できる。このような樹脂は、ワ
ックスの分散性、トナーの強靭性、定着性、耐オフセッ
ト性を向上させる観点から好ましい。第2ポリエステル
系樹脂中のビニル系樹脂の含有量は5〜40重量%、好ま
しくは10〜35重量%とする。これはビニル系樹脂の含有
量が5重量%より低いとトナーの定着強度が低下し、40
重量%を超えると耐オフセット性やトナーの強靭性の低
下、負の帯電レベルの低下等が生じ易くなる。また、ト
ナーにポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワッ
クスを含有させた場合にはビニル系樹脂の含有量が5重
量%より低いとポリエチレンワックスの分散性が低下
し、40重量%を超えるとポリプロピレンワックスの分散
性が低下する傾向がある。
【0030】第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステ
ル系樹脂との重量比は7:3〜2:8、好ましくは6:4〜
3:7とすることが好ましい。第1ポリエステル系樹脂と
第2ポリエステル系樹脂とをこのような範囲で使用する
ことにより、トナーとして定着時のつぶれによる広がり
が小さくドット再現性に優れており、さらに低温定着性
に優れ低速および高速の画像形成装置においても優れた
定着性を確保することができる。また、両面画像形成時
(定着機を2度通過時)にも優れたドット再現性を維持
することができる。第1ポリエステル系樹脂の割合が上
記範囲より少ない場合は、低温定着性が不十分となり幅
広い定着性を確保できなくなる。また、第2ポリエステ
ル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、耐オフセ
ット性が低下するとともに定着時のトナーのつぶれが大
きくなりドット再現性が低下する傾向がある。
【0031】その他、本発明においては、バインダー樹
脂(A)の一部あるいは全部としてエポキシ系樹脂を使
用することもできる。本発明で使用されるエポキシ樹脂
としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの
重縮合物などが好適に使用できる。例えば、エポミック
R362、R364、R365、R367、R369(以上、三井石油化学工
業社製)、エポトートYD-011、YD-012、YD-014、YD-90
4、YD-017(以上、東都化成社製)、エピコート1002、1
004、1007(以上、シェル化学社製)等、市販のものも
使用できる。
【0032】本発明で使用される帯電制御剤は、一般式
(I);
【化7】 で表されるモノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体であ
る。
【0033】式(I)中、R、R、R、R、R、R
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、または
炭素数1〜5のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s
ec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等が挙げ
られる。好ましくは、R、R、R、R、R、R
RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはtert-
ブチル基であり、より好ましくは、R、R、Rおよ
びRは同時に水素原子であり、かつR、R、Rおよ
びRは同時にtert-ブチル基である。
【0034】MはZn、Cr、AlまたはBであり、好
ましくはBまたはAlであり、より好ましくはAlであ
る。Xは水素イオン、アルカリ金属イオンまたはR9R
10R11R12(式中、R9、R 10、R11およびR12はそれぞ
れ独立して水素原子、またはメチル基、エチル基、n-
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ
ル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基等の炭素数1〜
4のアルキル基である)である。アルカリ金属イオンと
しては、例えば、Na、KまたはLi等が挙げられ
る。R9R10R11R12としては、例えば、アンモニウム
イオン、モノメチルアンモニウムイオン、ジメチルアン
モニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テト
ラメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。Xは好
ましくは水素イオン、またはアルカリ金属イオンであ
り、より好ましくは水素イオンまたはKである。nは
Mのイオン価によって決定される価であり、1または2で
ある。
【0035】上記のような式(I)で表されるモノヒド
ロキシモノカルボン酸金属錯体の好ましい具体例とし
て、例えば、下記一般式(i)〜(iv)で表される化合
物が挙げられ、より好ましくは下記一般式(iii)で表
される化合物を用いる。
【0036】
【化8】
【0037】上式(i)で表される化合物は市販のボン
トロンE-81(Cr錯体)(オリエント化学工業社製)として
入手可能である。上式(ii)で表される化合物は市販の
ボントロンE-84(Zn錯体)(オリエント化学工業社製)と
して入手可能である。上式(iii)で表される化合物は
市販のボントロンE-88(Al錯体)(オリエント化学工業社
製)として入手可能である。
【0038】また、本発明で使用される帯電制御剤は、
一般式(II);
【化9】 で表されるモノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体であ
ってもよい。
【0039】式(II)中、R13、R14、R15およびR16はそ
れぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基また
は置換または無置換のアリール基である。炭素数1〜5の
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n
-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ
ル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等
が挙げられる。置換または無置換のアリール基として
は、例えば、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていて
も、または置換されていなくてもよいフェニル基または
ナフチル基が挙げられる。アリール基に置換され得る置
換基としての炭素数1〜5のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter
t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペ
ンチル基、tert-ペンチル基等が挙げられる。好ましく
は、R 13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立して置換ま
たは無置換のアリール基であり、より好ましくは、
R13、R14、R15およびR16は同時にフェニル基である。
【0040】MはZn、Cr、AlまたはBであり、好
ましくはAlまたはBであり、より好ましくはBであ
る。Xは水素イオン、アルカリ金属イオンまたはR17R
18R19R20(式中、R17、R18、R19およびR20はそれぞ
れ独立して水素原子、またはメチル基、エチル基、n-
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ
ル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基等の炭素数1〜
4のアルキル基である)である。アルカリ金属イオンと
しては、例えば、Na、KまたはLi等が挙げられ
る。R17R18R19R2 0としては、前記したR9R10R11R12
の具体例と同様のイオンが挙げられる。Xは好ま
しくは水素イオン、アルカリ金属イオンまたはアンモニ
ウムイオンであり、より好ましくはNa、K、Li
たはNH4 、さらに好ましくはKである。nはMのイオ
ン価によって決定される価であり、1または2である。
【0041】上記のような式(II)で表されるモノヒド
ロキシモノカルボン酸金属錯体の好ましい具体例とし
て、例えば、下記一般式(v)〜(viii)で表されるが
化合物が挙げられる。
【0042】
【化10】
【0043】上式(v)で表される化合物は市販のLR147
(日本カーリット(株)社製)として入手可能である。上
記(vi)で表される化合物は市販のLR112(日本カーリ
ット(株)社製)として入手可能である。上記(vii)で
表される化合物は市販のLR173(日本カーリット(株)社
製)として入手可能である。上記(viii)で表される化
合物は市販のLR297(日本カーリット(株)社製)として
入手可能である。
【0044】上記のようなモノヒドロキシモノカルボン
酸金属錯体を用いることにより、初期におけるトナーの
飽和帯電量の上昇と耐刷時におけるトナー帯電量の上昇
とを適度に抑制させてトナーを長期にわたって適正な帯
電量に維持することができ、帯電立ち上がり性と帯電安
定性とを向上させることができる。上記モノヒドロキシ
モノカルボン酸金属錯体以外の帯電制御剤を使用する
と、トナーを長期にわたって適正な帯電量に維持するこ
とができず、初期および/または耐刷時にトナーの帯電
量にバラツキが生じるため、トナー像の転写がスムーズ
に行われず、転写された記録紙上のトナー付着量が不足
したり(転写性)、濃度ムラが生じたり(追随性)、ト
ナー像が局所的に転写されない中抜けが生じたり、カブ
リが発生したり、トナーが実機内で飛散したりする。
【0045】モノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体の
使用量はバインダー樹脂(A)100重量部に対して0.1〜5
重量部、好ましくは0.5〜3重量部が望ましい。
【0046】本発明で使用される着色剤としては、従来
からフルカラートナー用の着色剤として使用されている
公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボ
ンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロ
ムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレ
ッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅
フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ラ
ンプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッ
ド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント
・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグ
メント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.
I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー
162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・
イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグ
メント・ブルー15:3等を挙げることができる。
【0047】マゼンタ、シアンおよびイエローのトナー
中の着色剤の含有量としてはバインダー樹脂(A)100重
量部に対し、2〜15重量部の範囲が好ましい。なお、マ
ゼンタ、シアンおよびイエローのトナーに使用される着
色剤は、使用されるバインダー樹脂(A)と予め溶融混
練した後、粉砕して得られるマスターバッチとして使用
されることが好ましく、そのときの使用量は得られるト
ナー中の着色剤含有量が上記範囲内になればよい。
【0048】また、黒トナーにおいては、各種カーボン
ブラック、活性炭、チタンブラック等の着色剤の一部ま
たは全部を磁性体と置き換えることができる。本発明に
おいて非磁性黒トナー中の着色剤の含有量としてはバイ
ンダー樹脂(A)100重量部に対し、2〜15重量部の範囲
が好ましい。また磁性体としては、例えば、フェライ
ト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可
能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性
を得る意味において、好ましくは1μm以下特に0.5μm以
下が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつ
つ、飛散防止等の観点で磁性体を添加する場合は、その
添加量はバインダ樹脂(A)100重量部に対して0.5〜10
重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5
重量部である。添加量が10重量部を超えるとトナーに対
する現像剤担持体(マグネットローラ内蔵)の磁気的拘
束力が強くなって現像性が低下する。磁性トナー中の磁
性体の添加量は20重量部から60重量部が好ましい。添加
量が20重量部未満では、トナー飛散が増加する傾向にあ
り、60重量部を超えるとトナー帯電量が安定的に確保で
きず、画像品質の低下を引き起こす。
【0049】本発明のトナーを得るに際しては、まず、
上記のバインダー樹脂(A)、重合体(B)、モノヒドロ
キシモノカルボン酸金属錯体、および着色剤ならびにそ
の他の添加剤、例えば、離型材等をヘンシェルミキサー
等の公知の混合装置によって混合した後、公知の混練装
置によって溶融混練し、冷却して、混練物を得る。混練
装置としては、1または2以上の回転軸(スクリュー、
ロータ、ロール等)を有するものが使用されるが、連続
生産性、長期耐久性等の点からスクリュー押出機が主に
使用できる。
【0050】本発明においては混練物中、重合体(B)
がに均一に分散されており、かつその平均分散粒径は0.
05〜2μm、好ましくは0.1〜1.5μm、より好ましくは0.
3〜1.2μmに制御されていることが好ましい。より好ま
しくは分散粒子の95%以上が粒径2μm以下で分散してい
る。混練物中における重合体(B)の分散状態を上記の
ように制御することによって、その後の粉砕工程におい
て上記混練物は重合体(B)の分散粒子を結ぶように粉
砕面が形成されながら粉砕され、結果として表面に重合
体(B)が有効に露出したトナー粒子が生産性よく得ら
れるためである。混練物中における上記粒径の重合体
(B)粒子が存在するところでは、粉砕はバインダー樹
脂(A)と重合体(B)粒子との接触面(界面)ではな
く、重合体(B)粒子の内部を通って起こるため、当該
粉砕面は重合体(B)によって構成され、結果として得
られるトナー粒子は表面に重合体(B)が露出した構成
を有すると考えられる。また、このように混練物中の重
合体(B)の分散状態を制御することによって、重合体
(B)が中心部と比較して表層部に密に分散されたトナ
ー粒子が得られ、長期使用時におけるトナー粒子の破壊
が抑制でき、またトナー粒子からの重合体(B)粒子の
剥離(脱離)が現像装置内で起こるのを抑制できるた
め、トナー粒子片や脱離粒子のキャリア(2成分現像
剤)や現像スリーブおよび規制ブレード(1成分現像
剤)等へのスペントや固着をより有効に防止でき、より
安定した帯電能が確保できる。
【0051】溶融混練後、冷却して得られる混練物中の
重合体(B)の分散状態は、使用される重合体(B)の体
積平均粒径、混練前の混合条件、および混練条件等を適
宜変更することによって制御され得る。すなわち、使用
される重合体(B)の粒径を小さくすると、混練物中に
おける重合体(B)の分散粒径は小さくなる。また、混
合条件および混練条件を強めると、混練物中における重
合体(B)の平均分散粒径は小さくなる。具体的には、
例えば、体積平均粒径1〜5mmの重合体(B)を他のトナ
ー材料とともにヘンシェルミキサーで混合し、2軸押し
出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社製)で溶融混練する場
合、通常、ヘンシェルミキサーの混合速度を周速20〜50
m/sに、混合時間を2〜10分間に、混練機の混練温度を12
0〜200℃に、混練機における被処理物の通過時間を1〜5
分間に設定することによって、重合体(B)が上記分散
粒径で均一に分散された混練物が得られる。
【0052】混練物中の重合体(B)の分散粒径は測定
し難いことから、後述の粉砕工程において体積平均粒径
約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重
合体(B)の分散粒径が上記範囲内であればよい。な
お、混練物中の重合体(B)の分散粒径と体積平均粒径
約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重
合体(B)の分散粒径は変わらない。体積平均粒径約2mm
に粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重合体
(B)の分散粒径は粒子をミクロトームでスライスした
後、TEM(透過型電子顕微鏡)にて10000倍の写真を撮影
することにより測定することができる。
【0053】次いで、上記のようにして得られた混練物
を、粉砕、分級し、所望により表面改質処理する。粉砕
工程においては、通常、混練物をフェザーミル等により
粗粉砕した後、クリプトロンシステム(KTM:川崎重工
業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社
製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)お
よびターボミル(ターボ工業社製)等の高速気流中衝撃
法を応用した機械式粉砕装置ならびに/または衝突板や
トナー粒子同士をジェット気流に乗せて粉砕するジェッ
ト粉砕機、I型ジェットミル、PJM(共に日本ニューマチ
ック工業社製)およびAFG(ホソカワミクロン社製)等
のジェットミルにより微粉砕する。好ましくは、混練物
を体積平均粒径約2mmまでフェザーミルにより粗粉砕し
た後、一旦、体積平均粒径10μm程度までクリプトロン
システム(KTM:川崎重工業社製)等の機械式粉砕装置
により微粉砕し、さらにジェット粉砕機(IDS;日本ニ
ューマチック社製)等のジェットミルにより微粉砕す
る。本発明においては、最終的に粒子の体積平均粒径が
4〜8μm、好ましくは5〜7μmになるように粉砕されるこ
とが望ましい。
【0054】分級工程で使用される分級装置としては、
粉砕物を所望粒径に分級できれば公知の分級装置が使用
可能であり、例えば、エルボージェット(日鉄鉱業社
製)、DS分級機(日本ニューマチック工業社製)、ティ
ープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を用
いることができる。被処理粒子を球形化できる分級装置
であるティープレックス型分級機(ホソカワミクロン社
製)等を用いることが好ましい。
【0055】本発明において添加されてもよい離型剤と
してワックスを使用することが好ましい。このようなワ
ックスとしては静電荷像現像用トナーの分野で公知のワ
ックスが使用可能であり、例えば、ポリエチレンワック
スおよびポリプロピレンワックス等の低分子量ポリオレ
フィンワックス、カルナバワックスおよびライスワック
ス等の天然ワックス、サゾールワックス、モンタン系エ
ステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を
挙げることができる。
【0056】耐オフセット性向上の観点からはポリプロ
ピレンワックスを用いることが好ましい。また、スミア
性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に既に画
像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦ら
れて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象)を
向上させる観点からはポリエチレンワックスを用いるこ
とが好ましい。さらに、オイル量を減らしてなるオイル
レスまたは微量オイル塗布の定着用フルカラートナーを
達成するためには、天然ワックス、エステル系ワックス
に代表される低融点のワックスを使用することが好まし
い。
【0057】上述した観点から特に好ましいポリプロピ
レンワックスは160℃における溶融粘度が50〜300cps、
軟化点が130〜160℃および酸価が1〜20KOHmg/gであるポ
リプロピレンワックスである。また、特に好ましいポリ
エチレンワックスは160℃における溶融粘度が1000〜800
0cpsおよび軟化点が130〜150℃であるポリエチレンワッ
クスである。すなわち、上記溶融粘度、軟化点および酸
価を有するポリプロピレンワックスは上記バインダー樹
脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問
題、例えば、白斑点、ノイズやフィルミングを生じるこ
となく、耐オフセットの向上を達成することができる。
特にポリエステル樹脂をバインダー樹脂として使用する
場合には、酸化型ワックスを使用することが好ましい。
なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度
計により測定された値である。
【0058】離型剤を添加する場合、その添加量は、通
常バインダ樹脂(A)100重量部に対して0.5〜20重量部
である。特に、定着時での使用するオイル量を減らして
なるオイルレスまたは微量オイル塗布の定着用フルカラ
ートナーを達成するためには、モノクロトナーでの画像
形成と比較してトナーの付着量が増えるため、定着装置
における定着部材と紙等のメディアとの分離が困難とな
る。そのような場合には、分離性能を確保するため、離
型剤はバインダ樹脂(A)100重量部に対して4〜20重量
部添加することが好ましい。離型剤は2種以上組み合わ
せて使用されてよく、その場合にはそれらの合計量が上
記範囲内であればよい。
【0059】また、負帯電性に効果のあるスルホン酸
基、フッ素含有基、ケイ素含有基等の極性官能基を有す
る各種樹脂(帯電制御樹脂)をトナー粒子に含有させて
も良い。この帯電制御樹脂(CCR)は、極性官能基を有
するモノマーを単独であるいはこれら同士を組み合わせ
て重合させたものであっても、また、このような極性官
能基を有するモノマー成分と、例えばスチレン系モノマ
ー、(メタ)アクリル系モノマー等の単官能性モノマー
および/または多官能性モノマーとの共重合により得ら
れたものであっても、あるいはまた単官能性モノマーお
よび/または多官能性モノマーを重合させてなる重合体
と極性官能基を有するモノマーを含む重合体とのポリマ
ーブレンドであっても良い。帯電制御樹脂を添加する場
合、その添加量はバインダー樹脂(A)100重量部に対し
て0.1〜5重量部であることが望ましい。
【0060】本発明のトナーには、トナー粒子を調製し
た後の流動性調整剤として、各種有機/無機の微粒子を
添加することが好ましい。無機の微粒子としては、酸化
チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、シリ
カ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシ
ウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム
等の各種チタン酸化合物、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイ
ト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせ
て用いることができる。特にシリカ、酸化チタン、アル
ミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子は、シランカップリング
剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、
シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処
理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、または
フッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級ア
ンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコー
ンオイル等の処理剤を用いて公知の方法で表面処理され
ていることが好ましい。さらにはクリーニング助剤等の
目的で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散
重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチ
レン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラ
ミン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることも
できる。チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒子な
らびに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなくても
良い。これら微粒子は、トナー粒子100重量部に対し
て、0.1〜6重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加され
る。上記微粒子は2種以上組み合わせて使用されてよ
く、この場合にはそれらの合計量が上記範囲内であれば
よい。
【0061】以上のようにして得られる本発明のトナー
は比較的高い円形度を有し、形状が比較的揃っており、
また微小粒子や大径粒子をほとんど含まない。
【0062】さらに、本発明のトナーは、トナー粒子表
面に重合体(B)が露出しているため、色の違いによる
帯電量の差が比較的小さく、さらにバインダー樹脂
(A)のガラス転移温度が比較的低くても重合体(B)の
ガラス転移温度を高めに設定することにより耐熱保管性
が確保できる。そのため、本発明のトナーはフルカラー
画像形成に適している。また、本発明のトナーは現像性
および転写性に優れているため、静電荷像担持体(感光
体)や中間転写体上の残留トナーをクリーニングする機
構を有さないシステム(クリーナレスシステム)やクリ
ーナー部で回収したトナーを再利用するシステム(トナ
ーリサイクルシステム)に有効に適用できる。
【0063】
【実施例】(第1ポリエステル樹脂の製造)温度計、攪
拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付け
たガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン
(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレ
フタル酸およびフマル酸を重量比82:77:16:32:30に
調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサイドととも
に入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下に
て、220℃で攪拌しながら反応させて、第1ポリエステル
樹脂を得た。第1ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は110
℃、ガラス転移点(Tg)は60℃、酸価は17.5KOHmg/g、
粉砕性指数は1.8であった。なお、第1ポリエステル樹脂
は2mm以下に粗砕してトナーの製造に用いた。
【0064】(第2ポリエステル樹脂の製造)スチレン
および2-エチルヘキシルアクリレートを重量比17:3.2
に調整し、重合開始剤であるジグミルパーオキサイドと
ともに滴下ロートに入れた。一方、温度計、攪拌器、流
下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス
製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
エチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸、
無水1,2,4-ベンゼントリカルボン酸およびアクリル酸を
重量比42:11:11:11:8:1に調整して重合開始剤であ
るジブチル錫オキサイドとともに入れた。これをマント
ルヒーター中で窒素雰囲気下にて、135℃で攪拌しなが
ら、滴下ロートよりスチレン等をポリエステル樹脂成分
85重量部に対し15重量部となるように滴下した後、昇温
して230℃で反応させて、第2ポリエステル樹脂を得た。
第2ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は150℃、ガラス転
移点(Tg)は62℃、酸価は24.5KOHmg/g、粉砕性指数は
1.7であった。なお、第2ポリエステル樹脂は2mm以下に
粗砕してトナーの製造に用いた。
【0065】(重合体(B)の製造) ・樹脂B-1 スチレン(純度99.9%)150gおよびトルエン150gをオー
トクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらB
−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加
した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水
酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌し
て触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性
になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるト
ルエンを留去し、残渣としてポリスチレンを得た。当該
ポリマーを樹脂B-1とし、物性を表1に示した。
【0066】・樹脂B-2 α−メチルスチレン(純度99.8%)150gおよびトルエン
150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保
ちながらBF−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分
間で添加した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次
に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激し
く攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合
油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒
であるトルエンを留去し、残渣としてポリ-α-メチルス
チレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-2とし、物性を表1
に示した。
【0067】・樹脂B-3 α−メチルスチレン(純度99.8%)150gおよびトルエン
150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保
ちながらBF−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分
間で添加した。その後、更に2.5時間攪拌を続行した。
次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激
しく攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重
合油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶
媒であるトルエンを繰り返し留去し、残渣としてポリ-
α-メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-3と
し、物性を表1に示した。
【0068】・樹脂B-4 イソプロペニルトルエン(純度98%)200g、α−メチル
スチレン(純度98%)200g、石油ナフサの熱分解によっ
て得られるC5系石油留分(イソプレン)120gおよびトル
エン500gを三つ口フラスコに入れ攪拌下ドライアイス浴
で冷却しながらBF−フェノール錯体を少量ずつ添加
し3時間反応させた。次に5%水酸化ナトリウム水溶液
を加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解した後、水層
を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗した後、未
反応成分および溶媒であるトルエンを加熱減圧下で留去
し、残渣としてイソプロペニルトルエン-α-メチルスチ
レン-イソプレン共重合体を得た。当該ポリマーを樹脂B
-4とし、物性を表1に示した。
【0069】・樹脂B-5 反応時間を2時間とした以外は、樹脂B-1と同じ製法で
ポリスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-5とし、物
性を表1に示した。 ・樹脂B-6 反応時間を4.5時間とした以外は、樹脂B-2と同じ製法で
ポリ-α−メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B
-6とし、物性を表1に示した。
【0070】(顔料マスターバッチの製造)フルカラー
トナーの製造に使用する顔料は以下の方法によって得ら
れる顔料マスターバッチとして用いた。各実施例または
比較例で使用するバインダー樹脂と顔料を重量比(樹
脂:顔料)7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で
1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、イ
エロー、マゼンタおよびシアンの各色の顔料含有率30重
量%顔料マスターバッチを得た。顔料としてはC.I.Pigm
ent Yellow180(ヘキスト社製)、C.I.Pigment Blue15-
3(大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red184(大日本
インキ社製)を用いた。
【0071】トナーの製造 実施例1:トナーY-1 第1ポリエステル樹脂、第2ポリエステル樹脂および顔料
マスターバッチを、第1ポリエステル樹脂;40重量部、
第2ポリエステル樹脂;60重量部およびC.I.Pigment Yel
low180;7.0重量部となるように用い、これに樹脂B-1を
5重量部、帯電制御剤として上記一般式(i)で表される
化合物を1.0重量部、酸化型低分子量ポリプロピレン(1
00TS;三洋化成社製、軟化点140℃、酸価3.5KOHmg/g)
を5重量部添加し、ヘンシェルミキサーで周速40m/sにて
材料温度が45℃以上にならないように制御しながら5分
間混合した後、2軸押し出し混練機(PCM-30:池貝鉄工
社製)の排出部を取り外したものを使用して溶融混練し
た。混練温度は170℃であり、被処理物の通過時間は約1
分間であった。得られた混練物を冷却プレスローラーで
2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミ
ル(目開き2mmパス)で粗粉砕した。その後、機械式粉
砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で平均粒径約10μmま
で粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマ
チック工業社製)で平均粒径5.8μmまで粉砕粗粉分級し
た後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型
分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用し
て行い、体積平均粒径6.2μm、体積平均粒径(D)の2倍
(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合が0.1重量
%、かつ2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合が0
体積%のイエロートナー粒子を得た。また、本トナー粒
子の平均円形度は0.960、円形度の標準偏差が0.037であ
った。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリ
カ(TS-500:キャボジル社製)0.5重量部と、酸化チタン
(STT30A:チタン工業社製)1.0重量部、チタン酸ストロ
ンチウム(平均粒径0.2μm)1.0重量部を添加し、ヘン
シェルミキサーで(周速40m/sec, 60秒間)混合処理し
た後、目開き90μmの篩でふるいイエロートナー(Y-1)
を得た。
【0072】実施例2, 3:トナーC-1, M-1 顔料マスターバッチを変更し、第1ポリエステル樹脂、
第2ポリエステル樹脂および顔料マスターバッチを、第1
ポリエステル樹脂;40重量部、第2ポリエステル樹脂;6
0重量部およびC.I.Pigment Blue15-3;5.0重量部、また
は第1ポリエステル樹脂;40重量部、第2ポリエステル樹
脂;60重量部およびC.I.Pigment Red184;4.5重量部と
なるように用いたこと以外は、実施例1においてと同様
の方法により、トナーC-1, M-1を得た。
【0073】実施例4:Bk-1 顔料マスターバッチを酸性カーボンブラック(モーガル
L;キャボット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)に変更
し、第1ポリエステル樹脂、第2ポリエステル樹脂および
酸性カーボンブラックを、第1ポリエステル樹脂;40重
量部、第2ポリエステル樹脂;60重量部および酸性カー
ボンブラック8.0重量部となるように用いたこと以外
は、実施例1においてと同様の方法により、トナーBk-1
を得た。
【0074】実施例5〜7,比較例1〜2:トナーC-2〜C-6 樹脂B-1をそれぞれB-2〜B-6に代えて用いる以外は、実
施例2においてと同様の方法により、トナーC2〜C-6を得
た。 実施例8〜10:トナーC-7〜C-9 一般式(i)の化合物をそれぞれ一般式(ii)、(iii)
または(v)の化合物に代えて用いる以外は、実施例2に
おいてと同様の方法により、トナーC-7〜C-9を得た。
【0075】比較例3:トナーC-10 一般式(i)の化合物を添加しないこと以外は、実施例2
においてと同様の方法により、トナーC-10を得た。 比較例4:トナーC-11 樹脂B-1を添加しないこと以外は、実施例2においてと同
様の方法により、トナーC-11を得た。
【0076】比較例5:トナーC-12 一般式(i)の化合物をクロム錯塩型アゾ染料(ボント
ロンS-34;オリエント化学工業社製)に代えて用いる以
外は、実施例2においてと同様の方法により、トナーC-1
2を得た。 比較例6:トナーC-13 一般式(i)の化合物をKayacharge N-4(日本化薬社
製)に代えて用いる以外は、実施例2においてと同様の
方法により、トナーC-13を得た。
【0077】重合体(B)の物性ならびに得られたトナ
ーの製造条件および物性を以下の表に示す。
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】(測定方法) ・樹脂のガラス転移点Tgの測定法 示差走査熱量計(DSC-200:セイコー電子社製)を用い
て、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速
度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸
熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。 ・樹脂の軟化点Tmの測定法 フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、
ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温
速度6℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたとき
の流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温
度を軟化点とした。 ・分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(80
7-IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒と
してテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算
により分子量を求めた。 ・酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%
のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示
薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アル
コール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール
溶液の消費量から算出した値である。
【0080】・粉砕性指数 試料(体積平均粒径を約2mmに調整されたバインダー樹
脂または重合体(B))を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎
重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rp
m)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0
と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録する。その
後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)
をコールタマルチサイザーII(コールターベックマン社
製)にて測定する。本発明で用いた粉砕性指数は、下記
式により算出される。 粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
【0081】・トナーの体積平均粒径、体積平均粒径
(D)の2倍(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合お
よび2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合はコール
ターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用い
て、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した。 ・円形度は「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で
表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置(FPIA
-2000:シスメックス社製)を用いて水分散系で測定し
た。併せて、円形度の標準偏差(円形度SD)についても
解析を行った。
【0082】・トナー収率は、使用されたトナー材料の
全重量および得られたトナーの重量を測定し、以下の式
に従って算出した。 収率=(得られたトナーの重量)/(トナー材料の全重
量)×100
【0083】得られたトナーを各種項目について評価し
た。 (耐熱保管性)100ccのガラス製のスクリュウ管にトナ
ー10gを秤量し、60℃にて5時間放置保管した後、トナー
の凝集状態をランク付け評価した。結果を表3に示し
た。 ○:凝集トナーがなく、全く問題無なかった; △:軽い軟凝集が存在するが、軽い力で直ぐ解れ、実使
用上問題無かった; ×:強い凝集塊が存在し、容易に解れず、実使用上問題
有あった。
【0084】・1成分現像剤としての評価 (帯電量)プリンタ(Intercolor LP 3000C;セイコー
エプソン社製)のトナーカートリツジに各トナーを入
れ、現像させることなく、またトナーの入れ替えなし
に、現像スリーブ上で1回転目、5回転目および10回転目
のトナー帯電量を吸引法で測定した。結果を表3に示
す。
【0085】(カブリ、中抜け、飛び散り、転写性、追
随性および網点・ライン再現性)プリンタ(Intercolor
LP 3000C;セイコーエプソン社製)のトナーカートリ
ツジに各トナーを表4の組み合わせで入れ、単色のベタ
画像および網点およびラインからなる画像をHH環境(30
℃、85%RH)およびLL環境(10℃、15%RH)で画出し
し、上記項目について色ごとに評価を行った。評価結果
は画出し初期の結果であり、4色のトナーの結果のうち
最も悪い結果を表4に記した。なお、カブリは全ての画
像上でのカブリを観察することによって評価した。中抜
けはベタ画像上の白点を観察することによって評価し
た。飛び散りは画出し後の実機内でのトナー飛散を観察
することによって評価した。転写性は感光体ドラム上の
トナー付着量に対する紙上のトナー付着量の割合を求め
ることによって評価した。追随性はB/W比30%の画像を印
字した後、ベタ画像を印字したときの、ベタ画像上の濃
度むらを観察することによって評価した。網点・ライン
再現性はそれぞれ網点画像およびライン画像をルーペで
観察することによって評価した。 ○:良好(実用的に好適である); △:実使用モードで問題なし; ×:いかなる使用モードでも実用上問題があった。
【0086】・2成分現像剤としての評価 上記実施例ならびに比較例で得られたトナーを2成分系
現像剤として評価に供するため、バインダ型キャリアを
製造した。 (バインダ型キャリアの製造)ポリエステル系樹脂(花
王社製:NE-1110)100重量部、磁性粒子(マグネタイ
ト;EPT-1000:戸田工業社製)700重量部およびカーボ
ンブラック(モーガルL;キャボット社製)2重量部をヘ
ンシェルミキサーで十分混合し、二軸押出混練機でシリ
ンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混
練した。この混練物を冷却し、その後、ハンマーミルで
粗粉砕し、ジェット粉砕機で微粉砕、分級して、体積平
均粒径40μmのバインダ型キャリアを得た。キャリアの
粒径はコールターマルチサイザーII(コールタカウンタ
社製)を用いアパチャーチューブ150μmを用いて測定し
た。
【0087】2成分現像剤としてトナーの評価を行う場
合において、各トナーは、後処理で用いる疎水性シリカ
TS-500(キャボット社製)0.5重量部をH-2000(クラリ
アント社製)0.5重量部に変更して用いた。なお、その
他の後処理剤は1成分現像剤としてのトナーにおいてと
同様であった。
【0088】(帯電量)2成分現像剤の帯電立ち上がり
特性を評価するため、トナーとキャリアをトナー混合比
7重量%で調合し、1分, 5分, 30分の帯電量を電解分離
法により測定した。その結果をもとに帯電立ち上がり特
性を、◎;良好、○:実用上問題無し,△:特定の使用
条件により問題が生じる,×:実用上問題有りにランク
分けした。結果を表3に示した。
【0089】(カブリ、中抜け、飛び散り、転写性、追
随性および網点・ライン再現性)また、各トナーと上記
バインダ型キャリアをそれぞれトナー混合比7重量%に
なるように混合してスターターを作成し、各スターター
を表4の組み合わせで、デジタル複写機(DiALTA Di35
0;ミノルタ社製)に搭載し、NN環境(25℃、55%RH)で
単色のベタ画像および網点およびラインからなる画像を
3000枚印字し、上記項目について色ごとに評価を行っ
た。評価結果は3000枚耐刷後の結果であり、4色の現像
剤の結果のうち最も悪い結果を表4に記した。各項目お
よびランクについての説明は1成分現像剤としての評価
においてと同様である。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【発明の効果】本発明のトナーは、いかなる環境下にお
いても良好な帯電立ち上がり性および帯電安定性を有
し、生産性よく製造され得る。本発明のトナーはまた、
画質性および耐熱保管性に優れている。本発明のトナー
はさらに、フルカラー画像形成、クリーナレスシステム
およびトナーリサイクルシステムに適用可能であり、比
較的高い円形度を有し、形状が比較的揃っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 9/08 321 325 (72)発明者 御厨 義博 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 CA03 CA13 CA25 DA01 DA02 EA06 4J002 AA00W AC03X AC06X AC09X BB02X BB11X BB16X BC01X BC03X BC07W BC08X BC09X BC11X BD03X BE04X BE05X BF01X BF02X BG00W BG01X BG04X BG05X BG06X BG10X BH02X BK00W BK00X BL01X BL02X CD00W CD05W CF00W CF10W EJ066 FD097 FD106 FD160 GH00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバインダー樹脂(A)、重量
    平均分子量1000〜3000および重量平均分子量/数平均分
    子量2.0以下の重合体(B)、一般式(I); 【化1】 (式中、R、R、R、R、R、R、RおよびR
    はそれぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜5のアル
    キル基である;MはZn、Cr、AlまたはBである;
    は水素イオン、アルカリ金属イオンまたはR9R10R11
    R12(式中、R9、R 10、R11およびR12はそれぞれ独立
    して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である)で
    ある;nは1または2である。)または一般式(II); 【化2】 (式中、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立して水
    素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換または無置
    換のアリール基である;MはZn、Cr、AlまたはB
    である;Xは水素イオン、アルカリ金属イオンまたは
    R17R18R19R20(式中、R17、R18、R19およびR20はそ
    れぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
    である)である;nは1または2である。)で表されるモ
    ノヒドロキシモノカルボン酸金属錯体および着色剤を含
    む静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 一般式(I)および一般式(II)におい
    てMがBである請求項1に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 重合体(B)が、芳香族モノマーおよび/
    または脂肪族モノマーの単独重合体または共重合体であ
    る請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 芳香族モノマーがスチレン、ビニルトル
    エン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンお
    よびインデンからなる群から選択される1またはそれ以
    上のモノマーであり、脂肪族モノマーがイソプレン、ピ
    ペリレン、2−メチル−ブテン−1および2−メチルブテ
    ン−2からなる群から選択される1またはそれ以上のモノ
    マーである請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 重合体(B)が少なくともスチレンおよ
    び/またはα-メチルスチレンを含む請求項1〜4いずれか
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 重合体(B)が重量平均分子量1000〜200
    0のポリスチレンである請求項1〜5いずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 重合体(B)が重量平均分子量2000〜280
    0のポリ-α-メチルスチレンである請求項1〜5いずれか
    に記載の静電荷像現像用トナー。
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