JP2002214832A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
静電荷像現像用トナーInfo
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Abstract
質性を有する静電荷像現像用トナーを提供すること。 【解決手段】 数平均分子量2000〜6000、重量平均分子
量/数平均分子量6以下、ガラス転移点50〜70℃、軟化点
80〜120℃および酸価2〜50KOHmg/gのバインダー樹脂
(A)、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子
量/数平均分子量2.0以下の重合体(B)、および着色剤
を含んでなる静電荷像現像用トナー。
Description
印刷方式等を採用したプリンターや複写機に用いられる
静電荷像現像用トナーに関する。
のトナー画像層を瞬時に溶け合わせ被転写体に定着させ
る必要があるため、フルカラートナー用のバインダー樹
脂としては軟化点が比較的低い、シャープメルトな樹脂
を用いるのが一般的である。しかし、そのようなトナー
を比較的高温下で保管したとき、トナー凝集が起こって
問題となっていた(耐熱保管性の悪化)。そのため、バ
インダー樹脂としてガラス転移点が比較的高い樹脂を用
いることが知られているが、そのような樹脂は硬く、粉
砕効率が悪いため、高画質化のための小径トナー粒子を
粉砕法によって効率良く生産することは困難であった。
粉砕法とは、バインダー樹脂および着色剤等を溶融、混
練し、冷却した後、粗粉砕および微粉砕し、所望により
分級してトナー粒子を得る方法である。
粉砕助剤(バインダー樹脂より脆い樹脂)を添加する
と、トナー組成物の粉砕性が向上することが知られてい
る。例えば、特開平4-257868号公報ではスチレン-ブタ
ジエン系樹脂等の結着樹脂にC7〜C10の芳香族石油樹脂
を含有させる技術が、特開平8-278658号公報ではバイン
ダー樹脂に水素添加率が50%以上の水添石油樹脂を含有
させる技術が、特開平11-65161号公報では結着樹脂にス
チレン系モノマーとインデン系モノマーとを含む共重合
体を含有させる技術が、特開平11-72956号公報では結着
樹脂に脂肪族炭化水素と炭素数9以上の芳香族炭化水素
とを含む共重合体を含有させる技術が開示されている。
得られたカラートナーは透光性が悪いため、再現性のよ
いフルカラー画像を提供できないという新たな問題が生
じていた。また、そのようなカラートナーは再び耐熱保
管性が悪化した。さらに、上記のような技術ではトナー
組成物は粉砕され易いものの、微小粒子や大径粒子が発
生し易いために所望粒径のトナー粒子が効率よく得られ
難く、トナー生産性(収率)に問題があった。
みなされたものであって、優れた耐熱保管性、生産性、
透光性および画質性を有する静電荷像現像用トナーを提
供することを目的とする。
ち上がり性能に優れ、さらに高温高湿から低温低湿下の
環境下においての帯電安定性に優れた静電荷像現像用ト
ナーを提供することを目的とする。
00〜6000、重量平均分子量/数平均分子量6以下、ガラス
転移点50〜70℃、軟化点80〜120℃および酸価2〜50KOHm
g/gのバインダー樹脂(A)、重量平均分子量1000〜3000
および重量平均分子量/数平均分子量2.0以下の重合体
(B)、および着色剤を含んでなる静電荷像現像用トナ
ーに関する。
粒子は特定のバインダー樹脂(A)中に少なくとも特定
の重合体(B)と着色剤が分散されてなる。このような
本発明のトナーにおいては、トナー粒子中における重合
体(B)および着色剤の分散性が極めて良好であるた
め、透光性の低下を引き起こすことなく、優れた耐熱保
管性を確保でき、さらには生産性および画質性が向上す
る。
均粒径1.5μm以下で分散されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、トナー製造時におい
て過粉砕を発生させることなく良好な生産性をより有効
に確保できる。また、上記構成によって、トナーの優れ
た透光性をより有効に確保できる。より好ましい態様に
おいて本発明のトナー粒子中では、重合体(B)は平均
粒径0.05〜1.0μm、好ましくは0.08〜0.8μm、より好
ましくは0.1〜0.5μmで分散されている。このような構
成とすることにより、透光性がさらに向上するだけでな
く、優れた耐熱保管性および画質性をより有効に確保で
きる。
粒径は以下の方法により測定することができる。トナー
粒子をミクロトームにより、スライスした後、オスニウ
ム染色し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて10000倍の写真
を撮影し、この写真画像をイメージアナライザー(ルー
ゼックス5000:日本レギュレータ社製)に取り込んで、
粒子中における重合体(B)の粒径分布を測定する。重
合体(B)はオスニウムによってTEM観察においては灰色
から黒色に染色される。
合体(B)は上記平均粒径を達成しながら、トナー粒子
中心部と比較してトナー粒子表層部に密に分散され、好
ましくはトナー粒子表面に露出している。このような構
成とすることによって、優れた透光性、耐熱保管性をさ
らに有効に確保できる。上記構成によって所望の粉砕性
を確保しながら重合体(B)の使用量を低減でき、透光
性に対しての重合体(B)の影響を抑えることができる
ため、優れた透光性が達成される。また、上記構成のト
ナーはトナー粒子中に重合体(B)が均一に分散された
構成のトナーと比較して重合体(B)の物性が支配的で
あり、本発明において重合体(B)のガラス転移点をバ
インダ樹脂(A)と比較して高く設定可能なため、優れ
た耐熱保管性が達成される。
て、立ち上がり性並びに環境安定性に優れた帯電特性を
確保することもできる。重合体(B)は負帯電性を有す
るため、トナー粒子表層部に密に分散させることによ
り、トナーの負帯電性、特に立ち上がり性能が向上す
る。また、重合体(B)をトナー粒子表層部に密に分散
させることにより、バインダ樹脂(A)の酸価を高くし
なくても重合体(B)の負帯電性の効果によりトナーと
しての帯電レベルを確保しやすくなる。このことによ
り、酸価を必要以上に高くしなくても負帯電性能が確保
できるため、酸価を上げた樹脂を使用する際に課題とな
る高温高湿下での帯電量低下が防止できる。
重量平均分子量(Mw)が1000〜3000、好ましくは1200〜
2900、さらに好ましくは1400〜2800、重量平均分子量/
数平均分子量(Mw/Mn)が2.0以下、好ましくは1.9以下
である。重合体(B)は、耐熱保管性のさらなる向上の
観点から、さらにガラス転移点(Tg)50〜85℃、好まし
くは55〜85℃、より好ましくは60〜80℃、軟化点(Tm)
が100〜160℃、好ましくは110〜150℃、より好ましくは
120〜145℃を有することが望ましい。特に、重合体
(B)のTgを後述のバインダー樹脂(A)のTgより高く設
定することにより、耐熱保管性とフルカラー画像の透光
性との両立が図り易くなる。重合体(B)のMwが1000未
満であると、トナーの保管性(耐熱保管性)が悪化する
だけでなく、現像器内でトナー同士の凝集あるいは部材
に固着するという問題が発生する。また、Mwが小さすぎ
ると、当該重合体中に揮発成分、例えば、アセトン、ベ
ンゼン、モノマー等が残留し易いため、トナー製造時や
画像形成時に当該成分が揮発して安全性や臭気が問題と
なる。すなわち、重合体(B)樹脂のトータルVOCが1000
ppmを超え、実用的に使用することが困難となる。一
方、Mwが3000を越えると、本材料自身の粉砕性がバイン
ダ樹脂(A)と差がなくなり、本材料を用いることによ
る粉砕性の向上効果が認められなくなるだけでなく、OH
P透光性が低下する。Mw/Mnが大きすぎると、粉砕性の向
上効果が認められなくなり、またOHP透光性が低下す
る。
Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807-IT
型;日本分光工業社製)によって測定された値を用いて
いる。重合体または樹脂のガラス転移点は示差走査熱量
計(DSC−200:セイコー電子社製)を用いて、リファレ
ンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの
条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのシ
ョルダー値をガラス転移点としている。また、軟化点は
フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、
ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温
速度6℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたと
きの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する
温度を軟化点としている。
1.0、好ましくは0.2〜0.6を有することが望ましい。粉
砕性指数とは粉砕され易さを表すひとつの指標であり、
当該値が小さいほど粉砕され易いことを意味する。
定された値を用いている。体積平均粒径2mm程度の試料
を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎重工業社製)で処理量F
(5kg/h)、KTM回転数12000(rpm)にて粉砕する際に、
試料通過無し時の負荷動力値W0と試料を通過させた時の
負荷動力値W1を記録する。その後、KTM粉砕で得られた
粉砕物の体積平均粒径D(μm)をコールタマルチサイザ
ーII(コールターベックマン社製)にて測定する。得ら
れた値から下記式に基づいて粉砕性指数を算出する。 粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
融混練されても相溶せず、かつバインダー樹脂(A)と
粉砕性が異なる、公知のスチレン系モノマーを使用した
単独重合体または共重合体である。ここで「バインダー
樹脂(A)と粉砕性が異なる」とは、重合体(B)の粉砕
性指数がバインダー樹脂(A)の粉砕性指数より0.5以
上、好ましくは0.7以上小さいことを意味する。本発明
においては重合体(B)として、スチレン系モノマーと
他のモノマー、例えば、イソプレンおよびブタジエン等
の不飽和脂肪族モノマー、ならびにインデン等のインデ
ン系モノマーとの共重合体を用いることを妨げるもので
はないが、透光性のさらなる向上の観点からスチレン系
モノマーのみを使用した単独重合体または共重合体を用
いることが好ましい。
(1);
素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブ
チル基であり、好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原
子、またはメチル基であり、より好ましくは水素原子、
またはメチル基である)で表されるモノマーが挙げられ
る。
えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、イソプロペニルトルエン、β−メチルスチレン、1
−プロペニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロ
ロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレ
ン、β−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブ
ロモスチレン、p−ブロモスチレン、α−ブロモスチレ
ン、β−ブロモスチレン等が挙げられ、好ましくはスチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロ
ペニルトルエン、β−メチルスチレンおよび1−プロペ
ニルトルエン、より好ましくはスチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエ
ン、さらに好ましくはスチレン、α−メチルスチレンで
ある。
(B)の中でも、1のスチレン系モノマーからなる単独重
合体を用いることがより好ましく、特にポリスチレン、
ポリ-α-メチルスチレンを用いることがさらに好まし
い。
場合、その重量平均分子量は1000〜2000であることがさ
らに好ましい。また重合体(B)としてポリ-α-メチル
スチレンを用いる場合、その重量平均分子量は2000〜28
00であることがさらに好ましい。
スチレンまたはポリ-α-メチルスチレンとして、石油類
のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンな
どを製造するプラントから副生された分解油留分に含ま
れるスチレンまたはα-メチルスチレンを原料として合
成されたものが好ましく使用され得る。そのような重合
体(B)は純度が高く、分子量分布がシャープであるた
め、含有される揮発成分(VOC)の量が比較的少ない。
の透光性、耐熱保管性および生産性のさらなる向上の観
点から、後述のバインダー樹脂(A)100重量部に対して
0.5〜25重量部、好ましくは1〜10重量部が望ましい。重
合体(B)は2種以上組み合わせて使用されてよく、その
場合はそれらの合計量が上記範囲内になればよい。
0〜6000、好ましくは2500〜5500、より好ましくは3000
〜5500、重量平均分子量/数平均分子量が6以下、好まし
くは2〜6、より好ましくは3〜5、ガラス転移点が50〜70
℃、好ましくは50〜65℃、より好ましくは55〜65℃、軟
化点が80〜120℃、好ましくは90〜120℃、より好ましく
は95〜115℃、および酸価が2〜50KOHmg/g、好ましくは2
〜30KOHmg/gである。Mnが大きすぎると、透光性が低下
し、Mnが小さすぎると、現像器などの部材に対して固着
などの問題が発生する。Mw/Mnが大きすぎたり、Tmが高
すぎると、色再現性、OHP透光性が不十分となる。Tgが低
すぎると、耐熱保管性が低下すると共に、ドットの再現
性が低下する。Tmが低すぎると、トナーを記録媒体に定
着させるとき、トナーがローラー等の定着部材に移行し
て記録媒体を汚染する高温オフセット現像が起こる。Tg
が高すぎると、定着強度が低下する。酸価が小さすぎる
と、着色剤、重合体(B)等のトナー材料の分散性が低
下し、透光性が低下する。酸価が大きすぎると、帯電特
性における環境安定性が確保し辛くなり、特に高温高湿
環境下での帯電量が低下する。
し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッド
の混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カ
リウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウ
ム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
記したような重合体(B)との不相溶性および粉砕性の
関係を有する限り特に制限されず、静電潜像現像用トナ
ーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂
等が挙げられる。
光性をより向上させるため、ポリエステル系樹脂を使用
することが好ましい。
アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させるこ
とにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキ
レンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成
分としてテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク
酸、ベンゼントリカルボン酸からなる群より選択される
少なくとも1種を主成分として得られたポリエステル樹
脂を使用することが好ましい。このような樹脂を使用す
ると、トナーとして定着時のつぶれによる広がりが小さ
くドット再現性に優れており、さらに低温定着性に優
れ、低速および高速の画像形成装置においても優れた定
着性を確保することができる。
からフルカラートナー用の着色剤として使用されている
公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボ
ンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロ
ムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレ
ッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅
フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ラ
ンプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッ
ド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント
・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグ
メント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.
I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー
162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・
イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグ
メント・ブルー15:3等を挙げることができる。
中の着色剤の含有量としてはバインダー樹脂(A)100重
量部に対し、2〜15重量部の範囲が好ましい。特に、小
径化によりトナーの消費量を減らす目的で着色力を上げ
るため、着色剤の充填量を上げて使用することが好まし
い。このときの着色剤の含有量は種類によって異なる
が、バインダー樹脂(A)100重量部に対して4〜15重量
部が好ましい。なお、マゼンタ、シアンおよびイエロー
のトナーに使用される着色剤は、使用されるバインダー
樹脂(A)と予め溶融混練した後、粉砕して得られるマ
スターバッチとして使用されることが好ましく、そのと
きの使用量は得られるトナー中の着色剤含有量が上記範
囲内になればよい。
ブラック、活性炭、チタンブラック等の着色剤の一部ま
たは全部を磁性体と置き換えることができる。本発明に
おいて非磁性黒トナー中の着色剤の含有量としてはバイ
ンダー樹脂(A)100重量部に対し、3〜15重量部の範囲
が好ましい。また磁性体としては、例えば、フェライ
ト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可
能である。
上記のバインダー樹脂(A)、重合体(B)、および着色
剤ならびにその他の添加剤、例えば、帯電制御剤等をヘ
ンシェルミキサー等の公知の混合装置によって混合した
後、公知の混練装置によって溶融混練し、冷却して、混
練物を得る。混練装置としては、1または2以上の回転
軸(スクリュー、ロータ、ロール等)を有するものが使
用されるが、連続生産性、長期耐久性等の点からスクリ
ュー押出機が主に使用できる。
がバインダー樹脂(A)中に均一に分散されており、か
つその平均分散粒径は0.05〜2.5μm、好ましくは0.08〜
2μm、より好ましくは0.1〜1.5μmに制御さていること
が好ましい。より好ましくは重合体(B)の分散粒子の9
5%以上が粒径2μm以下で分散している。混練物中にお
ける重合体(B)の分散状態を上記のように制御するこ
とによって、その後の粉砕工程において上記混練物は重
合体(B)の分散粒子を結ぶように粉砕面が形成されな
がら粉砕され、結果として重合体(B)がトナー粒子中
心部と比較してトナー粒子表層部に密に分散され、好ま
しくはトナー粒子表面に露出した構成のトナー粒子を生
産性よく得ることができるためである。混練物中におけ
る上記粒径の重合体(B)粒子が存在するところでは、
粉砕はバインダー樹脂(A)と重合体(B)粒子との接触
面(界面)ではなく、重合体(B)粒子の内部を通って
起こるため、当該粉砕面は重合体(B)によって構成さ
れ、結果として得られるトナー粒子は上記のような構成
を有すると考えられる。
粒径が大きすぎると、表層部に重合体(B)が密に分散
してなるトナー粒子を得ることができない。混練物中に
おける重合体(B)の分散粒子の連なりが確保され難い
ため、混練物を粉砕に供したとき、重合体(B)の粒子
を結ぶような粉砕が起こらず、重合体(B)の粒子を中
心起点とした粉砕が起こり、粉砕面を制御することが不
可能となるためと考えられる。そこで、混練物中におけ
る重合体(B)の分散粒子の連なりを確保するために重
合体(B)の使用量を多くすることも考えられるが、当
該使用量を増加させると、粉砕工程において過粉砕が起
こり、所望とするトナー粒径分布が得られず、生産時の
直行収率が低下する。一方、重合体(B)の分散粒径が
あまりに小さ過ぎても、表層部に重合体(B)が密に分
散してなるトナー粒子を得ることができない。分散粒径
が小さ過ぎると混練物中における重合体(B)の分散粒
子の繋がりが特定化(制御)できない状態に陥り、さら
には粉砕時において重合体(B)粒子の内部での粉砕が
達成できなくなって、粉砕面の制御ができなくなるため
と考えられる。
重合体(B)の分散状態は、使用される重合体(B)の体
積平均粒径、混練前の混合条件、および混練条件等を適
宜変更することによって制御され得る。すなわち、使用
される重合体(B)の粒径を小さくすると、混練物中に
おける重合体(B)の分散粒径は小さくなる。また、混
合条件および混練条件を強めると、混練物中における重
合体(B)の平均分散粒径は小さくなる。具体的には、
例えば、体積平均粒径1〜5mmの重合体(B)を他のトナ
ー材料とともにヘンシェルミキサーで混合し、2軸押し
出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社製)で溶融混練する場
合、通常、ヘンシェルミキサーの混合速度を周速20〜50
m/sに、混合時間を2〜10分間に、混練機の混練温度を12
0〜200℃に、混練機における被処理物の通過時間を1〜5
分間に設定することによって、重合体(B)が上記分散
粒径で均一に分散された混練物が得られる。
し難いことから、後述の粉砕工程において体積平均粒径
約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重
合体(B)の分散粒径が上記範囲内であればよい。な
お、混練物中の重合体(B)の分散粒径と体積平均粒径
約2mmに粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重
合体(B)の分散粒径は変わらない。体積平均粒径約2mm
に粉砕されたトナー粗粉砕物の粒子中における重合体
(B)の分散粒径はトナー粒子中における重合体(B)の
分散粒径の測定方法と同様の方法で測定され得る。
を、粉砕、分級し、所望により表面改質処理する。粉砕
工程においては、通常、混練物をフェザーミル等により
粗粉砕した後、クリプトロンシステム(KTM:川崎重工
業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社
製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)お
よびターボミル(ターボ工業社製)等の高速気流中衝撃
法を応用した機械式粉砕装置ならびに/または衝突板や
トナー粒子同士をジェット気流に乗せて粉砕するI型ジ
ェットミル、PJM(共に日本ニューマチック工業社製)
およびAFG(ホソカワミクロン社製)等のジェットミル
により微粉砕する。好ましくは、混練物を体積平均粒径
約2mmまでフェザーミルにより粗粉砕した後、一旦、体
積平均粒径10μm程度までクリプトロンシステム(KTM:
川崎重工業社製)等の機械式粉砕装置により微粉砕し、
さらにジェット粉砕機(IDS;日本ニューマチック社
製)等のジェットミルにより微粉砕する。本発明におい
ては、最終的に粒子の体積平均粒径が4〜8μm、好まし
くは5〜7μmになるように粉砕されることが望ましい。
粉砕物を所望粒径に分級できれば公知の分級装置が使用
可能であり、例えば、エルボージェット(日鉄鉱業社
製)、DS分級機(日本ニューマチック工業社製)、テ
ィープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を
用いることができる。被処理粒子を球形化できる分級装
置であるティープレックス型分級機(ホソカワミクロン
社製)等を用いることが好ましい。
帯電制御剤としては、従来から静電荷像現像用トナーの
分野で帯電性を制御するために添加されている公知の帯
電制御剤が使用可能である。例えば、フッ素系界面活性
剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含
金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体
の如き高分子酸等を使用することができる。これらの中
でもサリチル酸金属錯体が好ましく、特に、ホウ素を含
有したサリチル酸金属錯体が本発明に好適に使用でき
る。添加する量については、他の材料構成ならびに使用
するプロセスにより異なるが、バインダー樹脂(A)100
重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重
量部の範囲で使用する。なお、本発明のトナーが、重合
体(B)がトナー粒子中心部と比較してトナー粒子表層
部に密に分散された構成を有する場合においては、重合
体(B)は負帯電性を有しているため、当該トナーは上
記帯電制御剤を添加されなくても実用上十分帯電機能を
有する。しかしながら、必要に応じて帯電制御剤を添加
することにより各種プロセスに応じた帯電設計が可能と
なる。
基、フッ素含有基、ケイ素含有基等の極性官能基を有す
る各種樹脂(荷電制御樹脂)をトナーに添加しても良
い。この荷電制御樹脂(CCR)は、極性官能基を有する
モノマーを単独であるいはこれら同士を組み合わせて重
合させたものであっても、また、このような極性官能基
を有するモノマー成分と、例えばスチレン系モノマー、
(メタ)アクリル系モノマー等の単官能性モノマーおよ
び/または多官能性モノマーとの共重合により得られた
ものであっても、あるいはまた単官能性モノマーおよび
/または多官能性モノマーを重合させてなる重合体と極
性官能基を有するモノマーを含む重合体とのポリマーブ
レンドであっても良い。荷電制御樹脂を添加する場合、
その添加量はバインダー樹脂(A)100重量部に対して0.
1〜5重量部であることが望ましい。
含有させても良い。
た後の流動性調整剤として、各種有機/無機の微粒子を
添加することが好ましい。無機の微粒子としては、酸化
チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、シリ
カ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシ
ウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム
等の各種チタン酸化合物、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイ
ト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせ
て用いることができる。特にシリカ、酸化チタン、アル
ミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子は、シランカップリング
剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、
シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処
理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、または
フッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級ア
ンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコー
ンオイル等の処理剤を用いて公知の方法で表面処理され
ていることが好ましい。さらにはクリーニング助剤等の
目的で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散
重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチ
レン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラ
ミン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることも
できる。チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒子な
らびに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなくても
良い。これら微粒子は、トナー粒子100重量部に対し
て、0.1〜6重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加され
る。上記微粒子は2種以上組み合わせて使用されてよ
く、この場合にはそれらの合計量が上記範囲内であれば
よい。
は比較的高い円形度を有し、形状が比較的揃っており、
また微小粒子や大径粒子をほとんど含まない。このた
め、帯電立ち上がり性がより向上し、また帯電量分布の
シャープ化が達成でき、結果としてかぶり等のノイズが
より少ない画像を提供できる。
なく、低粉砕エネルギーで製造され得るため、直行収率
が比較的高いレベルで確保され得る。すなわち、本発明
のトナーの直行収率は70%以上、好ましくは75%以上、
より好ましくは80%以上である。当該収率が70%未満で
あると実用的に問題となる。
め、本発明のトナーは、帯電制御剤を添加されなくて
も、重合体(B)をトナー粒子表面層にリッチに存在さ
せることにより、効果的に負帯電性を確保でき、逆帯電
性トナーの発生を抑制できる。また、重合体(B)をト
ナー粒子表面層にリッチに存在させることにより、バイ
ンダー樹脂(A)のガラス転移温度が比較的低くても重
合体(B)のガラス転移温度を高めに設定することによ
り耐熱保管性を有効に確保できる。
とが好ましく、キャリアと混合した2成分現像剤、また
はキャリアを用いない1成分現像剤のいずれの現像剤と
して使用されてもよい。
造)温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー
および窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコ
に、表1に示すモル比でアルコール成分および酸成分を
重合開始剤(ジブチル錫オキサイド)とともに入れた。
これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、加熱、
攪拌しながら反応させた。そして、この反応の進行は、
酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達し
た時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポ
リエステル樹脂L-1〜L-5を得た。得られたポリエステル
樹脂を1mm以下に粗砕したものをトナーの製造に用い
た。ここで得られた各ポリエステル樹脂は表1に示す通
りの物性を有していた。なお、表中、POはポリオキシプ
ロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンを、EOはポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンを、GLはグリセリン
を、TPAはテレフタル酸を、TMAはトリメリット酸を、FA
はフマル酸を表す。
トクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらB
F3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加し
た。その後、更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸
化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して
触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合油を中性に
なるまで水洗した後、未反応成分および溶媒であるトル
エンを留去し、残渣としてポリスチレンを得た。当該ポ
リマーを樹脂B-1とし、物性を表2に示した。
150gをオートクレーブに仕込み攪拌下に温度を5℃に保
ちながらBF3−フェノール錯体1.5gを少量ずつ約10分
間で添加した。その後、更に3時間攪拌を続行した。次
に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激し
く攪拌して触媒を分解した後、水層を分離し、更に重合
油を中性になるまで水洗した後、未反応成分および溶媒
であるトルエンを留去し、残渣としてポリ-α-メチルス
チレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-2とし、物性を表2
に示した。
ポリスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B-3とし、物
性を表2に示した。 ・樹脂B-4 反応時間を4.5時間とした以外は、樹脂B-2と同じ製法で
ポリ-α−メチルスチレンを得た。当該ポリマーを樹脂B
-4とし、物性を表2に示した。
量500ml)およびトルエン500mlをオートクレーブに
仕込み攪拌下に温度を5℃に保ちながらBF3−フェノ
ール錯体1.5gを少量ずつ約10分間で添加した。その後、
更に3時間攪拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム
水溶液50mlを加えて30分間激しく攪拌して触媒を分解し
た後、水層を分離し、更に重合油を中性になるまで水洗
した後、未反応成分および溶媒であるトルエンを留去
し、残渣としてイソプロペニルトルエン-インデン共重
合体を得た。当該ポリマーを樹脂B-5とし、物性を表2に
示した。樹脂B-5は臭気が問題となった。トータルVOC量
をヘッドスペースガスクロマトグラフィ法において測定
したところ510ppmとなったため、さらに十分な洗浄を行
って使用した。
トナーの製造に使用する顔料は以下の方法によって得ら
れる顔料マスターバッチとして用いた。各実施例または
比較例で使用するバインダー樹脂と顔料を重量比(樹
脂:顔料)7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で
1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、イ
エロー、マゼンタおよびシアンの各色の顔料含有率30重
量%顔料マスターバッチを得た。顔料としてはC.I.Pigm
ent Yellow180(ヘキスト社製)、C.I.Pigment Blue15-
3(大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red184(大日本
インキ社製)を用いた。
リエステル樹脂L-1;100重量部およびC.I.Pigment Yell
ow180;7.0重量部となるように用い、これに樹脂B-1を5
重量部添加し、ヘンシェルミキサーで周速40m/sにて材
料温度が45℃以上にならないように制御しながら5分間
混合した後、2軸押し出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社
製)の排出部を取り外したものを使用して溶融混練し
た。混練温度は170℃であり、被処理物の通過時間は約1
分間であった。得られた混練物を冷却プレスローラーで
2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミ
ル(目開き2mmパス)で粗粉砕した。その後、機械式粉
砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径約10μmまで粉
砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチッ
ク工業社製)で平均粒径5.8μmまで微粉砕、粗粉分級し
た後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型
分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用し
て行い、体積平均粒径6.2μm、体積平均粒径(D)の2倍
(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合が0.1重量
%、かつ2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合が0
体積%のイエロートナー粒子を得た。また、本トナー粒
子の平均円形度は0.960、円形度の標準偏差が0.037であ
った。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリ
カ(H-2000;クラリアント社製)0.5重量部と、酸化チ
タン(STT30A:チタン工業社製)1.0重量部、チタン酸ス
トロンチウム(平均粒径0.2μm)1.0重量部を添加し、
ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec, 60秒間)混合処
理した後、目開き90μmの篩でふるいイエロートナー(Y
-1)を得た。
よび顔料マスターバッチを、ポリエステル樹脂L-1;100
重量部およびC.I.Pigment Blue15-3;5.0重量部、また
はポリエステル樹脂L-1;100重量部およびC.I.Pigment
Red184;4.5重量部となるように用いたこと以外は、実
施例1においてと同様の方法により、トナーC-1, M-1を
得た。
施例2においてと同様の方法により、トナーC-2〜C-4を
得た。 実施例5、6、比較例3、4:トナーC-5〜C-8 ポリエステル樹脂L-1をそれぞれL-2、L-5、L-3、L-4に
代えて用いる以外は、実施例2においてと同様の方法に
より、トナーC-5〜C-8を得た。
部に変更する以外は実施例2においてと同様の方法によ
り、C-9〜C-11を得た。 比較例5:トナーC-12 樹脂B-1を添加しないこと以外は、実施例6においてと同
様の方法により、トナーC-12を得た。 実施例10:トナーC-13 樹脂B-1をB-5に代えて用いる以外は、実施例2において
と同様の方法により、トナーC-13を得た。
示す。
(D)の2倍(2D)以上の粒径を有する粒子の含有割合お
よび2.5μm以下の粒径を有する粒子の含有割合はコール
ターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用い
て、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した。 ・円形度は「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で
表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置(FPIA
-2000:シスメックス社製)を用いて水分散系で測定し
た。併せて、円形度の標準偏差(円形度SD)についても
解析を行った。
スニウム染色し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて10000倍
の写真を撮影し、この写真画像をイメージアナライザー
(ルーゼックス5000:日本レギュレータ社製)に取り込
んで、粒子中における重合体(B)の粒径分布を測定し
た。なお、分散形状が完全球形で無い場合は、その分散
粒子の断面積の円相当粒径で算出した。
し、その評価結果を表に示す。
トナー材料の全重量および得られたトナーの重量を測定
し、以下の式に従って算出した。 収率=(得られたトナーの重量)/(トナー材料の全重
量)×100 (耐熱保管性)50ccのガラス製のスクリュウ管にトナー
5gを秤量し、50℃にて24時間放置保管した後、トナーの
凝集状態をランク付け評価した。 ○:凝集トナーがなく、全く問題無なかった; △:軽い軟凝集が存在するが、軽い力で直ぐ解れ、実使
用上問題無かった; ×:強い凝集塊が存在し、容易に解れず、実使用上問題
有あった。
現像剤として評価に供するため、バインダ型キャリアを
製造した。 (バインダ型キャリアの製造)ポリエステル系樹脂(花
王社製:NE-1110)100重量部、磁性粒子(マグネタイ
ト;EPT-1000:戸田工業社製)700重量部およびカーボ
ンブラック(モーガルL;キャボット社製)2重量部をヘ
ンシェルミキサーで十分混合し、二軸押出混練機でシリ
ンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混
練した。この混練物を冷却し、その後、ハンマーミルで
粗粉砕し、ジェット粉砕機で微粉砕、分級して、体積平
均粒径40μmのバインダ型キャリアを得た。キャリアの
粒径はコールターマルチサイザーII(コールタカウンタ
社製)を用いアパチャーチューブ150μmを用いて測定し
た。
をトナー混合比7重量%で調合し、1分間、5分間、30分
間混合して得られた現像剤の帯電量を電解分離法により
測定した。その結果をもとに帯電の立ち上がり性能が実
使用可能なレベルかどうかの基準に照らし合わせて○:
良好、△:実用上問題無し、×:実用上問題有りにラン
ク分けした。帯電量については、30分間混合して得られ
た現像剤の帯電量を表に示す。
gとを50ccのポリ瓶に入れ回転架台にのせて1200rpmで10
分間混合し、現像剤を調製した。このようにして得られ
た現像剤を、HH(35℃/80%RH)並びにLL(10℃/15%R
H)の環境下で24時間放置した後、帯電量を電解分離法
により測定し、以下のランク付けに従い環境安定性に対
する評価を行った。 ○:[(LL帯電量)−(HH帯電量)]/HH帯電量×100:(%)
が20%未満であり、問題なかった。 △:上記値が20%以上30%未満であり、実用上許容でき
た。 ×:上記値が30%以上であり、実用上問題があった。
性))各トナーを上記バインダ型キャリアと組み合わせ
てそれぞれトナー混合比7重量%になるように調合し、
架台にて30分間混合してスターターを作成し、各スター
ターを、デジタル複写機(DiALTA Di350;ミノルタ社
製)に搭載し、25℃、55%RHの環境下でドットとライン
からなる画像を印字し、3000枚の耐久テストを行った。 ○:画像品質が優れていた; △:実用上問題ないレベルであった; ×:画像品質に劣り、実用上問題があった。
2)をOHPシートに印字したこと以外、上記画質性の評価
方法と同様にして1枚印字し、得られた画像をオーバー
ヘッドプロジェクターで投影して評価した。 ○:良好に透光していた; △:実用上問題ないレベルであった; ×:良好に透光せず、実用上問題があった。
て、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速
度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸
熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。 ・樹脂の軟化点Tmの測定法 フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、
ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温
速度6℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたとき
の流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温
度を軟化点とした。 ・分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(80
7-IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒と
してテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算
により分子量を求めた。 ・酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%
のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示
薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アル
コール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール
溶液の消費量から算出した値である。 ・水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得ら
れたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和
するのに必要な水酸化カリウムのmgで表した。 ・テトラヒドロフラン(THF)不溶分は、25℃、100gの
テトラヒドロフランに樹脂5g(X)を添加し、24時間撹
拌して得られる溶液を加圧ろ過したとき、ろ紙上に残留
する成分を乾燥し、その重量を測定することによって算
出する。 THF不溶分=(残留成分の重量)/X×100
脂または重合体(B))を機械式粉砕機(KTM-0型:川崎
重工業社製)で処理量F(5kg/h)、KTM回転数12000(rp
m)にて粉砕する際に、試料通過無し時の負荷動力値W0
と試料を通過させた時の負荷動力値W1を記録する。その
後、KTM粉砕で得られた粉砕物の体積平均粒径D(μm)
をコールタマルチサイザーII(コールターベックマン社
製)にて測定する。本発明で用いた粉砕性指数は、下記
式により算出される。 粉砕性指数=(D×(W1-W0))/F
して用いた場合であっても、優れた耐熱保管性、生産
性、透光性および画質性を有する。また本発明のトナー
は、小粒径であっても帯電の立ち上がり性能に優れ、さ
らに高温高湿から低温低湿下の環境下においての帯電安
定性に優れている。
Claims (8)
- 【請求項1】 数平均分子量2000〜6000、重量平均分子
量/数平均分子量6以下、ガラス転移点50〜70℃、軟化点
80〜120℃および酸価2〜50KOHmg/gのバインダー樹脂
(A)、重量平均分子量1000〜3000および重量平均分子
量/数平均分子量2.0以下の重合体(B)、および着色剤
を含んでなる静電荷像現像用トナー。 - 【請求項2】 重合体(B)がガラス転移点50〜85℃お
よび軟化点100〜160℃を有する請求項1に記載の静電荷
像現像用トナー。 - 【請求項3】 重合体(B)がトナー粒子中、平均粒径
1.5μm以下で分散されている請求項1または2に記載の
静電荷像現像用トナー。 - 【請求項4】 重合体(B)が、スチレン系モノマーの
単独重合体または共重合体である請求項1〜3いずれかに
記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項5】 スチレン系モノマーがスチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルト
ルエンからなる群から選択される1またはそれ以上のモ
ノマーである請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項6】 重合体(B)が単独重合体である請求項1
〜5いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項7】 重合体(B)が重量平均分子量1000〜200
0のポリスチレンである請求項1〜6いずれかに記載の静
電荷像現像用トナー。 - 【請求項8】 重合体(B)が重量平均分子量2000〜280
0のポリ-α-メチルスチレンである請求項1〜6いずれか
に記載の静電荷像現像用トナー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001007607A JP2002214832A (ja) | 2001-01-16 | 2001-01-16 | 静電荷像現像用トナー |
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---|---|---|---|
JP2001007607A JP2002214832A (ja) | 2001-01-16 | 2001-01-16 | 静電荷像現像用トナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002214832A true JP2002214832A (ja) | 2002-07-31 |
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Family Applications (1)
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JP2001007607A Withdrawn JP2002214832A (ja) | 2001-01-16 | 2001-01-16 | 静電荷像現像用トナー |
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