JP2022007125A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できるトナーの提供を目的とする。【解決手段】トナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有する。前記外添剤は、樹脂粒子と、シリカ粒子とを含む。トナーは、下記式(1)~(3)を満たす。2.00<ZPC(c)<6.50・・・(1)3.00<ZPC(t1)<5.00・・・(2)-0.50<ZPC(t2)-ZPC(t1)<0.00・・・(3)(前記式(1)~(3)中、ZPC(c)、ZPC(t1)及びZPC(t2)は、それぞれ、前記樹脂粒子の等電点、前記トナー母粒子の等電点及び前記トナー粒子の等電点を示す)【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
電子写真法による画像形成においては、トナー粒子を含むトナーが用いられる。トナー粒子は、例えば、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有するトナー母粒子を備える。このようなトナー粒子を用いたトナーは、一成分現像剤として用いられる。
一成分現像剤として用いるトナーには、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できることが要求される。一成分現像剤として用いるトナーには、例えば、トナーの調製から長期間が経過した後(例えば、数年後)においても、画像濃度に優れる画像を形成できることが要求される。このような要求に対して、例えば、トナー粒子のゼータ電位を調整したトナーが提案されている(特許文献1及び2)。
特開2015-031731号公報 特開2005-107381号公報
しかしならが、特許文献1及び2に記載のトナーによっても、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成することは困難である。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できるトナーを提供することである。
本発明のトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有する。前記外添剤は、樹脂粒子と、シリカ粒子とを含む。本発明のトナーは、下記式(1)~(3)を満たす。
2.00<ZPC(c)<6.50・・・(1)
3.00<ZPC(t1)<5.00・・・(2)
-0.50<ZPC(t2)-ZPC(t1)<0.00・・・(3)
前記式(1)~(3)中、ZPC(c)、ZPC(t1)及びZPC(t2)は、それぞれ、前記樹脂粒子の等電点、前記トナー母粒子の等電点及び前記トナー粒子の等電点を示す。
本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できる。
本発明のトナーが含むトナー粒子の一例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子(より具体的には、例えば、樹脂粒子及びシリカ粒子)の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。
粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径を指す。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N-01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P-01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(例えば、株式会社島津製作所製「CFT-500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。
各粒子(詳しくは、樹脂粒子、トナー母粒子及びトナー粒子)の等電点(詳しくは、ZPC(c)、ZPC(t1)及びZPC(t2))は、温度20℃において、ゼータ電位測定により求められる値である。詳しくは、測定対象となる粒子0.05質量部を、ノニオン界面活性剤(例えば、花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を0.2質量%含有する界面活性剤水溶液100質量部に分散させることで測定溶液を調製する。測定溶液の調製方法の詳細は、実施例に記載の方法と同様とすることができる。次に、測定溶液のpHを11.0に調整する。次に、ゼータ電位測定装置(例えば、大塚電子株式会社製「ELSZ-1000」)を用いて測定溶液のゼータ電位を測定しながら、測定溶液のpHを11.0から3.0に低下させる。これにより、測定溶液に含まれる測定対象の等電点を求める。なお、測定溶液のpHの調整には、例えば、0.1N水酸化ナトリウム水溶液及び0.1N硝酸水溶液を用いる。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
<トナー>
本発明のトナーは、トナー粒子を含む。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。トナー母粒子は、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有する。外添剤は、樹脂粒子と、シリカ粒子とを含む。本発明のトナーは、下記式(1)~(3)を満たす。
2.00<ZPC(c)<6.50・・・(1)
3.00<ZPC(t1)<5.00・・・(2)
-0.50<ZPC(t2)-ZPC(t1)<0.00・・・(3)
式(1)~(3)中、ZPC(c)、ZPC(t1)及びZPC(t2)は、それぞれ、樹脂粒子の等電点、トナー母粒子の等電点及びトナー粒子の等電点を示す。
本発明のトナーは、例えば、正帯電性を有する磁性トナー(一成分現像剤)として、静電潜像の現像に用いることができる。
本発明のトナーは、上述の構成を備えることにより、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できる。その理由は以下の通りであると推察される。公知のトナーの製造方法では、トナー母粒子材料(例えば、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤)を混練した後、混練物を粉砕することでトナー母粒子を調製する。ここで、公知のトナーの製造方法では、トナー母粒子材料を比較的低温で混練することが一般的である。これは、トナー母粒子材料を高温で混練した場合、トナー母粒子材料の粘度が過度に低くなり、混練中に結着樹脂以外の他の成分(例えば、磁性粉)が凝集するおそれがあるためである。以上から、製造直後のトナー母粒子は、結着樹脂の分散状態がエネルギー的にやや不安定な状態で維持されている。このようなトナー母粒子は、内部において、結着樹脂が安定な状態に移行しようとする力が働いている。この力は、結着樹脂以外の他の成分(例えば、磁性粉及び電荷制御剤)をトナー母粒子の表面に押し出して、トナー母粒子の表面に露出させようとする。このようにしてトナー母粒子の表面状態が変化すると、トナー母粒子の表面を構成する成分の組成及びトナー母粒子の表面積が変化し、トナー母粒子の等電点が変化する。トナー母粒子の等電点が変化すると、トナー粒子の帯電性が変化し、ひいてはトナーの現像性が変化する。特に、近年、公知のトナーは、低温定着性の向上を目的として、ガラス転移点の低い結着樹脂を用いることが多い。ガラス転移点の低い結着樹脂を含有するトナーは、トナーの調製から経過した期間が比較的短い場合でも、上述のトナー母粒子の表面状態の変化が発生する傾向がある。
これに対して、本発明者は、結着樹脂と性質が似た樹脂粒子をトナー母粒子の表面に付着させることで、上述のトナー母粒子の表面状態の変化を抑制できることを見出した。また、本発明者は、上述のトナー母粒子の表面状態の変化の抑制においては、結着樹脂及び樹脂粒子の等電点が近似していることが特に重要であることを見出した。更に、本発明者は、結着樹脂及び樹脂粒子の等電点の差が大きい場合、結着樹脂及び樹脂粒子の間で鏡像力が働き、結着樹脂以外の他の成分(例えば、磁性粉及び電荷制御剤)をトナー母粒子の表面に押し出す力が増加してしまうことを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。即ち、本発明のトナーは、外添剤として、樹脂粒子を含む。樹脂粒子は、式(1)及び(3)が示すように、トナー母粒子と比較的近い等電点を有する。また、本発明のトナーは、式(3)が示すように、トナー粒子に樹脂粒子が外添されていない状態の等電点(ZPC(t1))と、トナー粒子に樹脂粒子が外添されている状態の等電点(ZPC(t2))との差が小さい。本発明のトナーは、このような樹脂粒子を外添剤として備えることで、トナー母粒子の表面状態の変化を抑制することができる。その結果、本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できる。
(等電点)
本発明のトナーは、下記式(1’)、(2’)及び(3’)のうち少なくとも1つを更に満たすことが好ましい。本発明のトナーが下記式(1’)、(2’)及び(3’)のうち少なくとも1つを更に満たすことで、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
4.00<ZPC(c)<5.50・・・(1’)
4.00<ZPC(t1)<4.70・・・(2’)
-0.30<ZPC(t2)-ZPC(t1)<-0.10・・・(3’)
本発明のトナーは、下記式(4)を更に満たすことが好ましく、下記式(4’)を更に満たすことがより好ましい。本発明のトナーが下記式(4)又は(4’)を満たすことで、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
3.00<ZPC(t2)<5.00・・・(4)
4.00<ZPC(t2)<4.50・・・(4’)
(等電点の変化量)
本発明のトナーは、温度45℃、湿度80%RHの環境下で24時間静置処理した場合に、トナー粒子の等電点(ZPC(t2))が変化し難いことが好ましい。詳しくは、静置処理する前のトナー粒子の等電点(処理前ZPC(t2))と、静置処理した後のトナー粒子の等電点(処理後ZPC(t2))の変化量Δ(処理前ZPC(t2)-処理後ZPC(t2))の絶対値が0.00以上0.25以下であることが好ましく、0.00以上0.10以下であることがより好ましい。本発明のトナーは、上述の変化量Δを小さくすることで、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
以下、トナーの詳細を更に説明する。なお、以下に記載する各成分については、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[トナー粒子]
図1は、本発明のトナーに含まれるトナー粒子1の一例を示す。図1に示すトナー粒子1は、トナー母粒子2と、トナー母粒子2の表面に付着する外添剤3とを備える。外添剤3は、樹脂粒子3a及びシリカ粒子3bを含む。
但し、トナー粒子は、図1に示すトナー粒子1とは異なる構造であってもよい。具体的には、外添剤は、樹脂粒子及びシリカ粒子以外の粒子を更に含んでいてもよい。以上、トナー粒子の詳細について、図1を基に説明した。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂、磁性紛及び電荷制御剤を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、離型剤及び着色剤のうち少なくとも1つ)を更に含有してもよい。
良好な画像を形成する観点から、トナー母粒子の体積中位径(D50)としては、4μm以上9μm以下が好ましい。
(結着樹脂)
トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。低温定着性に優れたトナーを提供する観点から、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル樹脂(例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂及びN-ビニル樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰り返し単位が導入された共重合体(例えば、スチレン-アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂)も、結着樹脂として使用できる。また、これら各樹脂のブロックポリマー(例えば、ポリエステル部位とビニルポリマー部位とを有するブロックポリマー(A))も、結着樹脂として使用できる。
結着樹脂としては、ブロックポリマー(A)を含む結着樹脂、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂、又はビニル樹脂を含む結着樹脂が好ましい。これらの結着樹脂を用いることで、トナー母粒子及びトナー粒子に適切な等電点(ZPC(t1)及びZPC(t2))を付与し易くなる。
(ブロックポリマー(A))
ブロックポリマー(A)は、ポリエステル部位と、ビニルポリマー部位とを有する。ブロックポリマー(A)は、ポリエステル部位及びビニルポリマー部位を連結する連結部位を更に有してもよい。連結部位は、例えば、ビニル基と、カルボキシ基及びアルコール性水酸基のうち少なくとも1種とを有する両反応性モノマーに由来する。
ブロックポリマー(A)中のビニルポリマー部位は、ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する。ビニル化合物とは、ビニル基(CH2=CH-)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物である(但し、両反応性モノマーに該当する化合物を除く)。ビニル化合物は、ビニル基又はビニル基中の水素が置換された基に含まれる炭素-炭素二重結合(C=C)により付加重合し、ビニルポリマー部位を形成する。
ビニル化合物としては、例えば、スチレン系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルエステル、(メタ)アクリロニトリル及び塩化ビニルが挙げられる。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-フェニルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、及びp-n-ドデシルスチレンが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、及び(メタ)アクリル酸ラウリルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸フェニルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルが挙げられる。
ビニル化合物としては、スチレン系化合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
ブロックポリマー(A)中のポリエステル部位は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで形成される繰り返し単位を有する。多価アルコールとしては、例えば、以下に示すような、2価アルコール(例えば、ジオール化合物、及びビスフェノール化合物)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体(例えば、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸ハライド)を使用してもよい。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、1,5-ペンタンジオール、2-ペンテン-1,5-ジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4-ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(例えば、n-ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、及びイソドデシルコハク酸)、及びアルケニルコハク酸(例えば、n-ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、及びイソドデセニルコハク酸)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシ-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
ブロックポリマー(A)において、多価カルボン酸としては、テレフタル酸又は無水トリメリット酸が好ましい。ブロックポリマー(A)において、多価アルコールとしては、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物又はエチレングリコールが好ましい。
連結部位を形成する両反応性モノマーとしては、ブロックポリマー(A)を合成し易くする観点から、1個のビニル基と1個のカルボキシ基とを有する化合物、又は1個のビニル基と1個の水酸基とを有する化合物が好ましい。
両反応性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、フマル酸、マレイン酸及びマレイン酸モノブチルが挙げられる。両反応性モノマーとしては、アクリル酸が好ましい。
結着樹脂にブロックポリマー(A)が含まれているか否かは、例えば、GC-MS分析によって確認することができる。具体的には、本発明のトナーをGC-MS分析し、両反応性モノマーに由来する連結部位と、ビニルポリマー部位の断片と、ポリエステル部位の断片とを有するフラグメントイオンが検出された場合、結着樹脂にブロックポリマー(A)が含まれていると確認できる。
(ブロックポリマー(A)を含む結着樹脂の合成方法)
以下、ブロックポリマー(A)を含む結着樹脂の合成方法について説明する。上述の結着樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂の原料を重縮合反応させる第1重縮合工程と、第1重縮合により得られたポリエステル樹脂に両反応性モノマー及びビニル化合物を添加して付加重合反応させる付加重合工程と、付加重合工程の産物を重縮合反応させる第2重縮合工程とを備える方法により合成できる。この合成方法では、まず、第1重縮合工程でポリエステル樹脂が合成される。次に、付加重合工程でビニル樹脂が合成される。次に、第2重縮合工程で、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂からブロックポリマー(A)が得られる。
なお、第2重縮合工程において、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂の一部は、反応系に残存する場合がある。そのため、上述の合成方法で得られる結着樹脂には、ブロックポリマー(A)に加え、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂が含まれる場合がある。
付加重合工程では、両反応性モノマー及びビニル化合物に加え、多価カルボン酸(又はその無水物)を反応系に更に添加してもよい。多価カルボン酸を反応系に更に添加することで、合成される結着樹脂の酸価を増大させることができる。多価カルボン酸としては、無水トリメリット酸が好ましい。多価カルボン酸の添加量としては、例えば、ポリエステル樹脂100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下である。以下、ポリエステル樹脂、両反応性モノマー及びビニル化合物と、必要に応じて添加される多価カルボン酸とを「反応原料」と記載することがある。
反応原料の総量におけるポリエステル樹脂及び多価カルボン酸の合計割合としては、50.0質量%以上90.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以上80.0質量%以下がより好ましい。
反応原料の総量における両反応性モノマーの割合としては、0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
反応原料の総量におけるビニル化合物の割合としては、10.0質量%以上50.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以上35.0質量%以下がより好ましい。
付加重合工程では、公知のラジカル重合開始剤(例えば、ジクミルパーオキシド)を添加することが好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量としては、例えば、反応原料の総量100質量部に対して、0.5質量部以上4.0質量部以下である。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂の原料となる多価アルコール及び多価カルボン酸としては、例えば、上述のブロックポリマー(A)の原料として例示した多価アルコール及び多価カルボン酸と同様の化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸と、フマル酸と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物との縮重合物、n-ドデセニルコハク酸無水物と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、トリメリット酸との縮重合物、テレフタル酸と、アジピン酸と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物との縮重合物、又はテレフタル酸と、アジピン酸と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物との縮重合物が好ましい。
(ビニル樹脂)
ビニル樹脂は、ビニル化合物を含むモノマーの重合体である。ビニル樹脂の原料となるビニル化合物としては、例えば、上述のブロックポリマー(A)の原料として例示したビニル化合物と同様の化合物が挙げられる。ビニル樹脂の原料は、ビニル化合物に加え、上述の両反応性モノマーを更に含むことが好ましい。
ビニル樹脂としては、スチレン系化合物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、両反応性モノマーとを含むモノマーの重合体が好ましく、スチレンと、アクリル酸ブチルと、マレイン酸モノブチルとを含むモノマーの重合体がより好ましい。
結着樹脂において、ブロックポリマー(A)、ポリエステル樹脂及びビニル樹脂の合計含有割合としては、90質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
結着樹脂の軟化点としては、80℃以上160℃以下が好ましい。
トナー母粒子において、結着樹脂の含有割合としては、30.0質量%以上75.0質量%以下が好ましく、40.質量%以上60.0質量%以下がより好ましい。
(磁性粉)
磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、及びこれら金属の1種以上を含む合金)、強磁性金属酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト及び二酸化クロム)、及び強磁性化処理が施された材料(例えば、熱処理により強磁性が付与された炭素材料)が挙げられる。
良好な画像を形成する観点から、トナー母粒子における磁性粉の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、40質量部以上160質量部以下が好ましく、60質量部以上100質量部以下がより好ましい。トナー母粒子における磁性粉の含有量が多いほど、トナー母粒子及びトナー粒子の等電点(ZPC(t1)及び(t2))は高くなる傾向がある。磁性粉の含有量を40質量部以上160質量部以下とすることで、トナー母粒子及びトナー粒子に適切な等電点(ZPC(t1)及びZPC(t2))を付与し易くなる。
磁性紛の個数平均一次粒子径としては、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がより好ましい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制する観点から、磁性粉は、表面処理されていることが好ましい。トナー母粒子の表面に金属イオンが溶出すると、トナー母粒子同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナー母粒子同士の固着を抑制できると考えられる。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子が正帯電性の電荷制御剤を含有することで、トナー母粒子のカチオン性(正帯電性)を強めることができる。また、トナー母粒子が負帯電性の電荷制御剤を含有することで、トナー母粒子のアニオン性(負帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤としては、例えば、アジン化合物、直接染料、酸性染料、アルコキシル化アミン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩、及び4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。電荷制御剤としては、アジン化合物又は4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が好ましい。
アジン化合物としては、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2-オキサジン、1,3-オキサジン、1,4-オキサジン、1,2-チアジン、1,3-チアジン、1,4-チアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、及びキノキサリンが挙げられる。
直接染料としては、例えば、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ-ンBH/C、アジンディープブラックEW、及びアジンディープブラック3RLが挙げられる。
酸性染料としては、例えば、ニグロシンBK、ニグロシンNB及びニグロシンZが挙げられる。
4級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩が挙げられる。
帯電安定性に優れるトナーを得る観点から、電荷制御剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、10質量部以上15質量部以下がより好ましい。トナー母粒子における電荷制御剤の含有量が多いほど、トナー母粒子及びトナー粒子の等電点(ZPC(t1)及び(t2))は高くなる傾向がある。電荷制御剤の含有量を1質量部以上30質量部以下とすることで、トナー母粒子及びトナー粒子に適切な等電点(ZPC(t1)及びZPC(t2))を付与し易くなる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していることが好ましい。離型剤は、例えば、本発明のトナーに耐オフセット性を付与する目的で使用される。
離型剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックス)、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物(例えば、酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体)、植物系ワックス(キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックス)、動物系ワックス(例えば、蜜蝋、ラノリン、及び鯨ろう)、鉱物系ワックス(例えば、オゾケライト、セレシン、及びペトロラタム)、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス(例えば、モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックス)、並びに脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)が挙げられる。離型剤としては、カルナバワックスが好ましい。
トナー母粒子が離型剤を含有する場合、トナー母粒子における離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、4質量部以上8質量部以下がより好ましい。離型剤の含有量を1質量部以上20質量部以下とすることで、本発明のトナーの耐オフセット性を向上できる。
トナー母粒子が離型剤を含有する場合、結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、トナー母粒子は相溶化剤を更に含有してもよい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。黒色着色剤として、磁性粉を用いてもよい。すなわち、トナー母粒子は、磁性粉以外の着色剤を含まなくてもよい。
[外添剤]
外添剤は、樹脂粒子及びシリカ粒子を含む。外添剤は、樹脂粒子及びシリカ粒子に加え、他の粒子(例えば、シリカ粒子以外の無機粒子)を更に含むことが好ましい。
(樹脂粒子)
樹脂粒子は、樹脂を含む。樹脂粒子は、実質的に樹脂により構成されることが好ましい。樹脂粒子が含む樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びスチレン-アクリル樹脂が挙げられる。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマーの重合体である。スチレン-アクリル樹脂は、スチレン系化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマーの重合体である。樹脂粒子が含む樹脂としては、アクリル樹脂又はスチレン-アクリル樹脂が好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びスチレン系化合物としては、例えば、上述の結着樹脂の説明において例示した化合物と同様の化合物が挙げられる。
樹脂粒子が含むアクリル樹脂は、2個以上のビニル基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含むモノマーの重合体であることが好ましい。樹脂粒子が含むスチレン-アクリル樹脂は、2個以上のビニル基を有する化合物と、スチレンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含むモノマーの重合体であることが好ましい。2個以上のビニル基を有する化合物は、架橋剤として機能するモノマーである。2個以上のビニル基を有する化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、及びエチレングリコールジアクリレートが挙げられる。2個以上のビニル基を有する化合物としては、エチレングリコールジメタクリレート又はジビニルベンゼンが好ましい。
樹脂粒子が含むアクリル樹脂としては、以下の組み合わせ(1)のモノマーの重合体が好ましい。樹脂粒子が含むスチレン-アクリル樹脂としては、以下の組み合わせ(2)~(3)のモノマーの重合体が好ましい。樹脂粒子が上述のアクリル樹脂又はスチレン-アクリル樹脂を含むことで、樹脂粒子に適切な等電点(ZPC(c))を付与し易くなる。その結果、本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
組み合わせ(1):メチルメタクリレート、及びエチレングリコールジメタクリレート
組み合わせ(2):メチルメタクリレート、スチレン及びエチレングリコールジメタクリレート
組み合わせ(3):メチルメタクリレート、スチレン及びジビニルベンゼン
樹脂粒子の個数平均一次粒子径としては、40nm以上150nm以下が好ましく、60nm以上90nm以下がより好ましい。樹脂粒子の個数平均一次粒子径を40nm以上とすることで、後述するように、樹脂粒子がシリカ粒子を保護するスペーサーとして機能し易くなる。また、トナー母粒子の表面状態の変化を抑制し易くなる。その結果、本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。樹脂粒子の個数平均一次粒子径を150nm以下とすることで、樹脂粒子がトナー母粒子から脱離し難くなる。
樹脂粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.05質量部以上1.5質量部以下が好ましく、0.1質量部以上0.5質量部以下がより好ましい。樹脂粒子の含有量を0.05質量部以上1.5質量部以下とすることで、トナー粒子に適切な等電点(ZPC(t2))を付与し易くなる。その結果、本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、シリカ粒子の個数平均一次粒子径よりも大きいことが好ましい。このように、樹脂粒子の個数平均一次粒子径をシリカ粒子の個数平均一次粒子径よりも大きくすることで、トナー粒子が他の部材(例えば、他のトナー粒子及び現像装置)と接触した際に、シリカ粒子が他の部材と接触することを樹脂粒子が抑制する。つまり、樹脂粒子は、シリカ粒子を保護するスペーサーとして機能する。これにより、トナー母粒子からのシリカ粒子の脱離、及びトナー母粒子へのシリカ粒子の陥没がそれぞれ抑制される。また、樹脂粒子の個数平均一次粒子径をシリカ粒子の個数平均一次粒子径よりも大きくすることで、樹脂粒子がトナー母粒子の表面状態の変化を抑制し易くなる。その結果、本発明のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って更に形成し易くなる。
(シリカ粒子)
シリカ粒子は、シリカを含む。シリカ粒子は、実質的にシリカにより構成されることが好ましい。シリカ粒子としては、乾式シリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の個数平均一次粒子径としては、1nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上30nm以下がより好ましい。
シリカ粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下がより好ましい。
(他の無機粒子)
外添剤は、シリカ粒子以外の他の無機粒子を更に含むことが好ましい。他の無機粒子としては、例えば、金属酸化物(例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウム)の粒子が挙げられる。他の無機粒子としては、酸化チタン粒子が好ましい。他の無機粒子の個数平均一次粒子径としては、50nm以上1000nm以下が好ましく、200nm以上400nm以下がより好ましい。
外添剤が他の無機粒子を更に含む場合、他の無機粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下がより好ましい。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーの製造方法の一例を説明する。トナーの製造方法は、トナー母粒子を調製するトナー母粒子調製工程と、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる外添工程とを備える。
(トナー母粒子調製工程)
トナー母粒子調製工程では、例えば粉砕法又は凝集法によりトナー母粒子を調製する。トナー母粒子調製工程では、粉砕法によりトナー母粒子を調製することが好ましい。つまり、本発明のトナーにおいて、トナー母粒子は粉砕トナー母粒子であることが好ましい。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、磁性粉、及び電荷制御剤と、必要に応じて添加される他の内添剤とを混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤と、必要に応じて添加される他の内添剤との各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂等を含有する凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含有される成分を合一化させる。これにより、トナー母粒子が得られる。
(外添工程)
本工程では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、例えば混合装置を用いて、トナー母粒子と、外添剤粒子とを攪拌しながら混合する方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
[結着樹脂の合成]
以下の方法により、結着樹脂(A)~(F)を合成した。なお、結着樹脂(A)~(E)の合成においては、反応容器として、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備し、かつマントルヒーター内にセットされた容量10Lの四つ口フラスコを用いた。
(結着樹脂(A))
テレフタル酸550g、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物400g及びエチレングリコール225gを反応容器に投入した。反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、反応容器の内容物を250℃で4時間保持することで、重縮合反応させた。その後、反応容器の内容物を160℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸200gを反応容器に添加した。その後、反応容器の内容物を160℃で攪拌しながら、スチレン550g、アクリル酸25g及びジクミルパーオキサイド33gの混合物を1時間かけて滴下した。その後、反応容器の内容物を160℃で1時間保持することで、付加重合反応を行った。その後、反応容器の内容物を250℃で4時間保持することで重縮合反応を行った。これにより、ブロックポリマー(A)を含む結着樹脂(A)(軟化点138℃)を得た。
(結着樹脂(B))
テレフタル酸200g、フマル酸400g、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物2300g及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に投入した。反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、反応容器の内容物を220℃で8時間保持することで、重縮合反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂(B)(軟化点92℃)を得た。
(結着樹脂(C))
n-ドデセニルコハク酸無水物900g、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物2300g、トリメリット酸200g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に投入した。反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、反応容器の内容物を250℃で4時間保持することで、重縮合反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂(C)(軟化点136℃)を得た。
(結着樹脂(D))
テレフタル酸250g、アジピン酸450g、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1000g、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物1100g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に投入した。反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、反応容器の内容物を230℃で6時間保持することで、重縮合反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂(D)(軟化点94℃)を得た。
(結着樹脂(E))
テレフタル酸250g、アジピン酸450g、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物2000g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に投入した。反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、反応容器の内容物を230℃で6時間保持することで、重縮合反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂(E)(軟化点93℃)を得た。
(結着樹脂(F))
結着樹脂(F)の合成では、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した4Lの四つ口フラスコを反応容器として用いた。キシレン100gを反応容器に投入した。その後、反応容器の内部を窒素雰囲気にした後、スチレン630gと、アクリル酸ブチル200gと、マレイン酸モノブチル250gと、重合開始剤としてのジ-t-ブチルパーオキサイド75gとを反応容器に投入した。その後、反応容器の内容物を還流温度まで加熱して12時間保持した。その後、反応容器の内容物からキシレンを減圧留去した。これにより、ビニル樹脂を含む結着樹脂(F)(軟化点122℃)を得た。
[樹脂粒子の調製]
(樹脂粒子(A))
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素導入管を装備した4口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に、イオン交換水400.0gと、乳化剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.5gとを投入して、イオン交換水に乳化剤を溶解させた。次いで、反応容器の内容物を窒素下で75℃まで昇温し、この温度で保持した。次いで、反応容器に、重合開始剤としての2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩0.2gと、イオン交換水10.0gとを投入した。次いで、メチルメタクリレート100.0gと、架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレート200.0gとを含む混合液を、1時間かけて反応容器に滴下した。次いで、反応容器の内容物を75℃で3時間反応させた。次いで、反応容器の内容物を85℃まで昇温し、更に同温で3時間攪拌することで、共重合体含有エマルションを得た。この共重合体含有エマルションをスプレードライヤー(大川原化工機株式会社製「FOC-25」)で乾燥した後、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)で解砕することで、個数平均一次粒子径67nmの樹脂粒子(A)を得た。
(樹脂粒子(B))
メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート80.0g及びスチレン20.0gを用いた以外は、樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(B)(個数平均一次粒子径65nm)を調製した。
(樹脂粒子(C))
以下の点を変更した以外は、樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(C)(個数平均一次粒子径73nm)を調製した。樹脂粒子(C)の調製では、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.5gの代わりにp-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16gを用いた。また、樹脂粒子(C)の調製では、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩0.2gの代わりにペルオキソ二硫酸カリウム0.16gを用いた。更に、樹脂粒子(C)の調製では、メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート60.0g及びスチレン40.0gを用いた。
(樹脂粒子(D))
メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート60.0g及びスチレン40.0gを用いた以外は樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(D)(個数平均一次粒子径63nm)を調製した。
(樹脂粒子(E))
以下の点を変更した以外は、樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(E)(個数平均一次粒子径69nm)を調製した。樹脂粒子(E)の調製では、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.5gの代わりにp-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16gを用いた。また、樹脂粒子(E)の調製では、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩0.2gの代わりにペルオキソ二硫酸カリウム0.16gを用いた。更に、樹脂粒子(E)の調製では、メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート80.0g及びスチレン20.0gを用いた。
(樹脂粒子(F))
以下の点を変更した以外は、樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(F)(個数平均一次粒子径65nm)を調製した。樹脂粒子(F)の調製では、メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート80.0g及びスチレン20.0gを用いた。また、樹脂粒子(F)の調製では、エチレングリコールジメタクリレート100.0gの代わりにジビニルベンゼン130.0gを用いた。
(樹脂粒子(G))
以下の点を変更した以外は、樹脂粒子(A)の調製と同様の方法により、樹脂粒子(G)(個数平均一次粒子径71nm)を調製した。樹脂粒子(G)の調製では、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.5gの代わりにp-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16gを用いた。また、樹脂粒子(G)の調製では、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩0.2gの代わりにペルオキソ二硫酸カリウム0.16gを用いた。更に、樹脂粒子(G)の調製では、メチルメタクリレート100.0gの代わりにメチルメタクリレート80.0g及びスチレン20.0gを用いた。更に、樹脂粒子(G)の調製では、エチレングリコールジメタクリレート100.0gの代わりにジビニルベンゼン130.0gを用いた。
<トナーの製造>
以下の方法により、実施例1~11及び比較例1~3のトナーを製造した。
[実施例1]
結着樹脂(A)1200gと、結着樹脂(B)800gと、磁性粉A(戸田工業株式会社製「マグネタイトMRO-15A」)1600g(結着樹脂100質量部に対して80質量部)と、電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「FCA482PLV」、スチレン-アクリル樹脂の第4級アンモニウム塩)200g(結着樹脂100質量部に対して10質量部)と、電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「ボントロン(登録商標)N-71」、アジン化合物)40g(結着樹脂100質量部に対して2質量部)と、離型剤(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス特製1号」、カルナバワックス)120g(結着樹脂100質量部に対して6質量部)とを、FMミキサー(日本コークス株式会社製「FM-20B」)を用いて攪拌速度200rpmで5分間混合した。
得られた混合物を、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM26-SS」)を用いてシリンダー温度120℃、軸回転速度160rpm、材料投入量110g/分の条件下で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却した後、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)で微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ-LABO型」)を用いて分級した。これにより、平均円形度0.943、体積中位径6.8μmのトナー母粒子を得た。
次いで、上述のトナー母粒子1000g(100.0質量部)と、樹脂粒子(A)3g(0.3質量部)と、疎水性シリカ粒子(キャボット社製「CAB-O-SIL(登録商標)TG-7120」、個数平均一次粒子径20nm)10g(1.0質量部)と、疎水性酸化チタン粒子(石原産業株式会社製「ET502W」、個数平均一次粒子径300nm)10g(1.0質量部)とを、FMミキサー(日本コークス株式会社製「FM-20B」)を用いて攪拌速度2000rpmで5分間混合した。これにより、トナー粒子を含む実施例1のトナーを得た。
以下の点を変更した以外は、実施例1のトナーの調製と同様の方法により、実施例2~11及び比較例1~3のトナーを調製した。
[実施例2]
実施例2のトナーの調製では、樹脂粒子(A)の代わりに同量の樹脂粒子(B)を用いた。
[実施例3]
実施例3のトナーの調製では、樹脂粒子(A)の代わりに同量の樹脂粒子(C)を用いた。
[実施例4]
実施例4のトナーの調製では、磁性粉A(戸田工業株式会社製「マグネタイトMRO-15A」)の代わりに、同量の磁性粉B(戸田工業株式会社製「マグネタイトMTR-607MMT」)を用いた。
[実施例5]
実施例5のトナーの調製では、磁性粉A(戸田工業株式会社製「マグネタイトMRO-15A」)の量を1600gから2400g(結着樹脂100質量部に対して120質量部)に変更した。
[実施例6]
実施例6のトナーの調製では、樹脂粒子(A)の量を3gから2gに変更した。
[実施例7]
実施例7のトナーの調製では、結着樹脂として、結着樹脂(A)1200g及び結着樹脂(B)800gの代わりに、結着樹脂(C)1200g及び結着樹脂(D)800gを用いた。
[実施例8]
実施例8のトナーの調製では、結着樹脂として、結着樹脂(A)1200g及び結着樹脂(B)800gの代わりに、結着樹脂(C)1200g及び結着樹脂(E)800gを用いた。
[実施例9]
実施例9のトナーの調製では、樹脂粒子(A)の代わりに同量の樹脂粒子(F)を用いた。
[実施例10]
実施例10のトナーの調製では、樹脂粒子(A)の代わりに同量の樹脂粒子(G)を用いた。
[実施例11]
実施例11のトナーの調製では、結着樹脂として、結着樹脂(A)1200g及び結着樹脂(B)800gの代わりに、結着樹脂(F)2000gを用いた。
[比較例1]
比較例1のトナーの調製では、樹脂粒子を外添しなかった。
[比較例2]
比較例2のトナーの調製では、樹脂粒子(A)3gの代わりに樹脂粒子(D)2gを用いた。
[比較例3]
比較例3のトナーの調製では、樹脂粒子(A)3gの代わりに樹脂粒子(E)8gを用いた。
[等電点の測定]
以下の方法により、実施例1~11及び比較例1~3のトナーについて、樹脂粒子の等電点(ZPC(c))、トナー母粒子の等電点(ZPC(t1))及びトナー粒子の等電点(ZPC(t2))を測定した。測定結果を下記表1に示す。
(トナー粒子を含有する測定溶液の調製)
まず、トナー粒子を含有する測定溶液を調製した。実施例1~11及び比較例1~3のトナーを50mgずつ秤量した。10質量%のノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を含有する水溶液(A)2mLに、上述のトナーを添加した。次に、トナーを添加した水溶液(A)に対して超音波照射(出力360W、周波数38kHz)を1分間行うことで、トナー粒子を水溶液(A)に分散させた。次に、磁石を用いて上述の水溶液(A)からトナー粒子を回収し、上澄み液を除去した。次に、10質量%のノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を含有する水溶液(B)2mLに、回収したトナー粒子を添加した。次に、トナー粒子を添加した水溶液(B)に対して超音波照射(出力360W、周波数38kHz)を1分間行うことで、トナー粒子を水溶液(B)に分散させた。トナー粒子を分散させた水溶液(B)をイオン交換水で50倍に希釈した。これにより、トナー粒子を含有する測定溶液を得た。
(樹脂粒子を含有する測定溶液の調製)
次に、樹脂粒子を含有する測定溶液を調製した。実施例1~11及び比較例1~3のトナーの調製において用いた樹脂粒子を1mgずつ秤量した。10質量%のノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を含有する水溶液(C)2mLに、上述の樹脂粒子を添加した。次に、樹脂粒子を添加した水溶液(C)に対して超音波照射(出力360W、周波数38kHz)を1分間行うことで、樹脂粒子を水溶液(C)に分散させた。樹脂粒子を分散させた水溶液(C)をイオン交換水で50倍に希釈した。これにより、樹脂粒子を含有する測定溶液を得た。
(トナー母粒子を含有する測定溶液の調製)
次に、トナー母粒子を含有する測定溶液を調製した。実施例1~11及び比較例1~3のトナーの調製において用いたトナー母粒子を50mgずつ秤量した。10質量%のノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を含有する水溶液(D)2mLに、上述のトナー母粒子を添加した。次に、トナー母粒子を添加した水溶液(D)に対して超音波照射(出力360W、周波数38kHz)を1分間行うことで、トナー母粒子を水溶液(D)に分散させた。次に、磁石を用いて上述の水溶液(D)からトナー母粒子を回収し、上澄み液を除去した。次に、10質量%のノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」)を含有する水溶液(E)2mLに、回収したトナー母粒子を添加した。次に、トナー母粒子を添加した水溶液(E)に対して超音波照射(出力360W、周波数38kHz)を1分間行うことで、トナー母粒子を水溶液(E)に分散させた。トナー母粒子を分散させた水溶液(E)をイオン交換水で50倍に希釈した。これにより、トナー母粒子を含有する測定溶液を得た。
(ゼータ電位測定)
上述の方法で調製した測定溶液のpHを11.0に調整した。次に、ゼータ電位測定装置(大塚電子株式会社製「ELSZ-1000」)を用いて測定溶液のゼータ電位を測定しながら、測定溶液のpHを11.0から3.0に低下させた。これにより、測定溶液に含まれる測定対象の等電点を求めた。なお、測定溶液のpHの調整には、0.1N水酸化ナトリウム水溶液及び0.1N硝酸水溶液を用いた。
[ZPC(t2)の変化量Δの測定]
実施例1~11及び比較例1~3のトナーを温度45℃、湿度80%RHの環境下で24時間静置処理した。次に、処理後の各トナーについて、上述のトナー粒子の等電点(ZPC(t2))の測定と同様の方法により、トナー粒子の等電点(処理後ZPC(t2))を測定した。ZPC(t2)から処理後ZPC(t2)を引いた値を求め、これをZPC(t2)の変化量Δとした。結果を下記表1に示す。
なお、下記表1において、「含有量[部]」は、トナー母粒子100質量部に対する樹脂粒子の質量部を示す。
Figure 2022007125000002
<評価>
以下の方法により、実施例1~11及び比較例1~3のトナーについて、長期に渡って画像濃度に優れる画像を形成できるか否かを評価した。画像濃度の評価においては、参考のため、トナーの帯電性能についても測定した。評価結果を下記表2に示す。
評価においては、調製してから温度23℃、湿度60%RHの環境下で3日間静置したトナー(調製から3日後のトナー)と、調製してから温度23℃、湿度50%RHの環境下で6か月間静置したトナー(調製から6か月後のトナー)とを用いた。
[評価機]
評価機として、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)FS-P3060DN」)を用いた。評価機の現像装置に評価対象(調製から3日後の実施例1~11及び比較例1~3のトナー、並びに調製から6か月後の実施例1~11及び比較例1~3のトナーの何れか)を投入した。また、評価機のトナーコンテナに、補給用トナー(評価対象のトナーと同一のトナー)を投入した。
[画像濃度]
温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境下、評価機を用いて、印字率1%の文字原稿を5,000枚の印刷用紙に両面モードで印刷した。その後、ソリッド画像を含む評価用画像を1枚の印刷用紙に印刷した。反射濃度計(有限会社東京電色製「TC-6D」)を用い、評価用画像が印刷された印刷物のソリッド画像の画像濃度(ID)を測定した。調製から3日後のトナー及び調製から6か月後のトナーの何れにおいてもIDが1.25以上の場合、そのトナーは画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成できると評価した。
[帯電量]
画像濃度の評価後、評価機から現像装置を取り出した。Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS-1」)を用い、現像装置の現像スリーブにおいて現像ニップ部の直前に相当する領域のトナー層からトナーを吸引してその帯電量[μC/g]を測定した。
下記表2には、各トナーの結着樹脂、樹脂粒子及び磁性粉の説明を併せて記載する。なお、下記表2において、実施例1の結着樹脂の「A+B」は、結着樹脂(A)及び結着樹脂(B)を組み合わせて用いたことを示す。実施例2~11及び比較例1~3の結着樹脂の説明についても同様である。樹脂粒子の「部」は、トナー母粒子100質量部に対する樹脂粒子の質量部を示す。磁性粉の「部」は、結着樹脂100質量部に対する磁性粉の質量部を示す。
Figure 2022007125000003
実施例1~11のトナーは、各々、トナー粒子を含んでいた。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備えていた。トナー母粒子は、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有していた。外添剤は、樹脂粒子と、シリカ粒子とを含んでいた。実施例1~11のトナーは、上述の式(1)~(3)を満たしていた。実施例1~11のトナーは、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成することができた。
一方、比較例1~3のトナーは、各々、上述の構成を備えていなかったため、画像濃度に優れる画像を長期に渡って形成することができなかった。
詳しくは、比較例1のトナーは、樹脂粒子を用いていなかった。比較例2のトナーは、上述の式(1)を満たさなかった。比較例3のトナーは、上述の式(1)及び(3)を満たさなかった。その結果、比較例1~3のトナーは、トナー母粒子の表面状態の変化を抑制することができず、6か月後において、画像濃度に優れる画像を形成することができなかった。
本発明のトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
1 トナー粒子
2 トナー母粒子
3 外添剤
3a 樹脂粒子
3b シリカ粒子

Claims (5)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備え、
    前記トナー母粒子は、結着樹脂、磁性粉及び電荷制御剤を含有し、
    前記外添剤は、樹脂粒子と、シリカ粒子とを含み、
    下記式(1)~(3)を満たす、トナー。
    2.00<ZPC(c)<6.50・・・(1)
    3.00<ZPC(t1)<5.00・・・(2)
    -0.50<ZPC(t2)-ZPC(t1)<0.00・・・(3)
    (前記式(1)~(3)中、ZPC(c)、ZPC(t1)及びZPC(t2)は、それぞれ、前記樹脂粒子の等電点、前記トナー母粒子の等電点及び前記トナー粒子の等電点を示す)
  2. 前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径よりも大きい、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー母粒子は、粉砕トナー母粒子である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 下記式(4)を更に満たす、請求項1~3の何れか一項に記載のトナー。
    3.00<ZPC(t2)<5.00・・・(4)
  5. 前記樹脂粒子の含有量は、前記トナー母粒子100質量部に対して、0.05質量部以上1.5質量部以下である、請求項1~4の何れか一項に記載のトナー。
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