JPH03209265A - 静電荷像現像用非磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用非磁性トナー

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JPH03209265A
JPH03209265A JP2003631A JP363190A JPH03209265A JP H03209265 A JPH03209265 A JP H03209265A JP 2003631 A JP2003631 A JP 2003631A JP 363190 A JP363190 A JP 363190A JP H03209265 A JPH03209265 A JP H03209265A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静
電荷像を現像するためのトナーに関し、特に粉砕による
製造方法で得られた熱ローラ一定着に適する静電荷現像
用正帯電性非磁性トナーに関する。
[従来の技術] 従来電子写真法としては米国特許第2,297,691
号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭4
3−24748号公報等に記載されている如く多数の方
法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、
種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次い
で該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の
転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、或いは
溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るものであり、そ
して感光体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でク
リーニングされ、上述の工程が繰り返される。
近年、このような複写装置は、単なる一般にいうオリジ
ナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけ
でなく、コンピューターの出力としてのプリンターある
いは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始
めた。
このため、より小型、より軽量そしてより高速、より高
信頼性が厳しく追究されてきており、機械は種々な点で
よりシンブルな要素で構成されるようになってきている
。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり
、トナーの性能向上が達成できなければよりすぐれた機
械が成り立たなくなってきている。
例えばトナー像を紙などのシートに定着する工程に関し
て種々の方法や装置が開発されているが、現在層も一般
的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型性
を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定
着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せし
めることにより定着を行うものである。この方法は熱ロ
ーラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接
触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の
熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことがで
き、高速度電子写真複写機において非常に有効である。
しかしながら上記方法では、熱ローラー表面とトナー像
とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部
が定着ローラー表面に付着、転移し、次の被定着シート
にこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被定着
シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に対して
トナーが付着しないようにすることが熱ローラ一定着方
式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で
、例えばローラー表面をトナーに対して離型性のすぐれ
た材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さら
にその表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労を
防止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液体
の薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止す
る点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を
供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑にな
ること等の問題点を有している。
これは小型化、軽量化と逆方向であり、しかもシリコン
オイルなどが熱により蒸発し、機内を汚染する場合があ
る。シリコンオイルの供給装置などを用いないで、かわ
りにトナー中から加熱時にオフセット防止液体を供給し
ようという考えから、トナー中に低分子量ポリエチレン
、低分子量ポリプロピレンなどの離型剤を添加する方法
が提案されている。充分な効果を出すために多量にこの
ような添加剤を加えると、感光体へのフィルミングやス
リーブなどのトナー担持体の表面を汚染し、画像が劣化
し実用上問題となる。そこで画像を劣化させない程度に
少量の離型剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイル
の供給もしくはオフセットしたトナーを巻きとり式の例
えばウェブの如き部材を用いた装置でクリーニングする
装置を併用することが行われている。
しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の要求を考慮す
るとこれらの補助的な装置すら除去することが必要であ
り好ましい。従ってトナーの定着、オフセットなどのさ
らなる性能向上がなければ対応しきれず、それはトナー
のバインダー樹脂のさらなる改良がなければ実現するこ
とが困難である。トナーのバインダー樹脂の改良に関す
る技術として、例えば特公昭51−23354号公報に
結着樹脂として架橋された重合体を用いたトナーが提案
されている。その方法に従えば耐オフセット性及び耐ま
きつき性の改良には効果があるが、反面架橋度をますと
定着点が上昇してしまい、充分定着温度が低くて耐オフ
セット性及び耐まきつき性が良好で且つ十分な定着特性
のものは得られていない。一般的に定着性を向上させる
ためには、バインダー樹脂を低分子量化して軟化点を低
下させねばならず、耐オフセット性の改善処置とは相反
することになり、また低軟化点とするために必然的に樹
脂のガラス転移点が低下し保存中のトナーがブロッキン
グするという好ましくない現象もおこる。
これに対して、特開昭56−158340公報に低分子
量重合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案され
ているが、このバインダー樹脂は実際には架橋成分を含
有させることが難しく、より高性能に耐オフセット性を
向上させるためには、高分子量重合体の分子量を大きく
するか比率を増す必要がある。この方向は粉砕性を著し
く低下させる方法であり、実用上満足するものは得られ
にくい。
さらに低分子量重合体と架橋した重合体とをブレンドし
たトナーに関し、例えば特開昭58−86558号公報
に低分子量重合体と不溶融性高分子量重合体を主要樹脂
成分とするトナーが提案されている。
その方法に従えば定着性及び粉砕性の改良は行われる傾
向にあるが、低分子量重合体の重量平均分子量/数平均
分子量(M w / M n )が3.5以下と小さい
こと及び不溶不融性高分子量重合体の含有量が40〜9
0vt%と多量であることにより、耐オフセット性と粉
砕性を供に高性能で満足することが難かしく、実際上は
オフセット防止用液体の供給装置をもつ定着器用でなけ
れば定着性(特に高速定着)、耐オフセット性、粉砕性
を充分満足するトナーを生成することは極めて困難であ
る。
さらに不溶不融性高分子量重合体が多くなると、トナー
作成時の熱混練で溶融粘度が非常に高くなるため通常よ
りはるかに高温で熱混練するか、あるいは高いシェアで
熱混練しなければならず、その結果前者は他の添加剤の
熱分解によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹脂
の分子の過度な切断が起り、当初の耐オフセツト性能が
出にくいという問題を有している。
また特開昭60−166958公報に、数平均分子量(
Mn)500〜1,500である低分子量のポリα−メ
チルスチレンの存在下で重合して得られる樹脂組成分か
らなるトナーが提案されている。
特に該公報では、数平均分子量(M n )が9000
〜30.000の範囲が好ましいとあるが、耐オフセッ
ト性をより向上させるためMnを大きくしていくと定着
性及びトナー製造時の粉砕性が実用上問題となり、故に
高性能に耐オフセット性と粉砕性を満足することは難し
い。
このようにトナー製造時における粉砕性の悪いトナーは
、トナー製造時の生産効率が低下する他、トナー特性と
して粗いトナーが混入しやすいため飛びちった画像とな
る場合があり好ましくない。
また特開昭56−16144公報にGPCによる分子量
分布において、分子量103〜8 X 10’及び分子
量10’〜2 X 10’のそれぞれの領域に少なくと
も1つの極大値をもつ結着樹脂成分を含有するトナーが
提案されている。この場合、粉砕性、耐オフセット性、
定着性、感光体へのフィルミングや融着1画像性などす
ぐれているが、さらにトナーにおける耐オフセット性及
び定着性の向上が要望されている。特に定着性をより向
上させて他の種々の性能を保つか、あるいは向上させつ
つ今日の厳しい要求に対応するのは該樹脂ではむずかし
い。
このように定着に関わる性能と粉砕性を供に高性能で実
現することは極めて困難である。特にトナー製造時にお
ける粉砕性は、複写画像の高品位化、高解像化、高細線
再現性の要望によりトナーの粒径をより小さくしていく
今日の方向に重要な因子であり、また粉砕工程はひじよ
うに大きなエネルギーを要するため粉砕性の向上は省エ
ネルギーの面からも重要である。
また粉砕装置内壁へのトナーの融着現象も定着性能の良
いトナーに発生しやす(、そのため粉砕効率を悪くする
。さらに別な側面として他の複写工程において、転写後
の感光体上に残ったトナーをクリーニングする工程があ
る。今日、装置の小型化、軽量化、信頼性の面からブレ
ードによるクリーニング(ブレードクリーニング)が一
般的になっている。感光体の高寿命化と感光体ドラムな
どの小型化及びシステムの高速化に供い、トナーに要求
される感光体に対する耐融看、耐フィルミング性などが
厳しくなっている。特に最近実用化されてきたアモルフ
ァスシリコン感光体はひじように高耐久性であり、また
OPC(有機感光体)も寿命が延びてきており、そのた
めトナーに要求される諸性能はより高度になってきてい
る。
また小型化はせまい所に各要素をうまく納めていくこと
をしなければならない。そのため空気がうま(ながれる
空間が少な(なる上、定着器や露光系の熱源がトナーホ
ッパーやクリーナーとひじように接近するため、トナー
は高温雰囲気にさらされる。そのため、より優れた耐ブ
ロッキング性を有するトナーでないと実用化できなくな
ってきた。
これらの問題点を解決すべ(、特開昭63−65452
号公報では、新規なバインダー樹脂を用いたトナーが提
案されている。
この新規なバインダー樹脂は、本発明のトナーのバイン
ダー樹脂(A)にあたるもので、定着性・耐高温オフセ
ット性・粉砕性等トナーに求められる多くの要素を高い
次元で満足することを可能とするものである。
さて、トナー画像の圧着加熱部材の表面は、トナーとの
離型性を考慮して、低表面エネルギーと考えられるシリ
コンゴムや弗素系樹脂等で形成されることが一般的であ
ることを先述したが、これらの圧着加熱部材の表面材質
は、被定着シートの圧着過程において負帯電性を示す。
このためトナーとして、正荷電性のものを使用する場合
には、負帯電性の圧着加熱部材表面との間に、静電的吸
着力が働き、正荷電性トナーが圧着加熱部材表面に付着
、転移する静電的オフセット現象を生じ易い。この現象
は、トナーの転写性向上等のために、画像形成過程の現
像後かつ転写前に、トナーに正荷電を付与するような機
構を有する場合に顕著となりやすい。また、高画像濃度
を得るためにシート上に、トナーを嵩高く載せる場合に
も静電オフセット現象を生じやすい。
この静電オフセット現象の対策として被定着シートの電
荷を定着前若しくは定着中にコントロールする手段を設
けることも考えられるが、画像形成装置の小型化、軽量
化と相反する上、コストの上昇を伴なうため、トナーと
りわけトナーのバインダー樹脂によって改良されること
が好ましい。
しかしながら前述の特開昭63−65452号公報中に
提案されているトナーをもってしても静電性オフセット
は、十分に改良されているとは言えない。
これに対し、特開昭55−134681号公報、特開昭
56−65147号公報等には、酸価を有するバインダ
ー樹脂を用いたトナーが開示されてあり、これらは、静
電オフセット現象にある程度の効果が期待されるものの
、その他のバインダー樹脂に求められる定着性、耐高温
オフセット性、粉砕性などの諸特性を今日求められてい
るレベルでは満足しているとは言い難(、特に、正荷電
性トナーとして用いる場合には、現像性、環境安定性等
に多(の課題を残している。
本発明者らは、先に特開平1−112253号公報中に
おいて、粒度分布の規定された従来用いられてきた多く
のトナーよりも粒径の小さなトナーを提案している。こ
の粒径の小さなトナーによって得られる画像の高画像濃
度・高画質、環境安定性、耐久安定性等を満足させてい
る訳であるが、昨今、反対濃度計(マクベス反射濃度計
RD−914)において1.4以上という更なる高画像
濃度が要請されている。これに対し上述の粒度分布の規
定された粒径の小さなトナーを用いた場合、被定着シー
ト上のトナーの載り量を、従来多く用いられてきた粒径
の比較的大きな粒径(体積平均粒径11−13μ)のト
ナーと同程度にまで高めてやることで、ライン画像のき
れ、高解像性等の高画質を損なうことな(高画像濃度が
得られることを新たに知見した。これにより、被定着シ
ート上のトナーの載り量を過剰にすることなく、すなわ
ち、静電オフセット現象を悪化させることなく高画像濃
度が得られるものと考えられた。
しかしながら、静電オフセット現象に関して実際には、
被定着シート上のトナーの載り量が同等であっても、粒
径が小さいためにより大きな正荷電性を示しやす(、負
帯電性の圧着加熱部材に静電的に吸着されやす(なり不
利であることが知見された。
また粒径の小さなことで、特に低湿環境下、トナー消費
量が少ないような低画像密度の画像を連続して形成する
などの条件下では、過剰な電荷を保持するための画像濃
度の低下を招きやすい等の不都合を生じる。
[発明が解決しようとしている課題] 本発明の目的は、上述の如き問題点が解決された正帯電
性非磁性トナーを提供するものである。
また、本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現性、
階調性の優れた正荷電性非磁性トナーを提供するもので
ある。
更に、本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化のな
い正荷電性非磁性トナーを提供するものである。
更に、本発明の目的は、環境変動に対して性能の変化の
ない正荷電性非磁性トナーを提供するものである。
更に、本発明の目的は、定着性が良好で、耐高温オフセ
ット性に優れ、しかも粉砕性が優れているために生産効
率の良い正荷電性非磁性トナーを提供することにある。
更に、本発明の目的は、定着性が良好で、かつ、耐ブロ
ッキング性に優れた正荷電性非磁性トナーを提供するこ
とにある。
更に、本発明の目的は、静電オフセット現象を生じない
正荷電性非磁性トナーを提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用]本発明の正荷電
性非磁性トナーは、上記の如き目的を達成するために開
発されたものであり、バインダー樹脂及び磁性体を少な
くとも含有する静電荷像現像剤用トナーにおいて、該バ
インダー樹脂が、(A)テトラヒドロフラン(THF)
不溶分が10〜60重量%(バインダー樹脂基準)含有
されており、THF可溶分のGPCによる分子量分布に
おいて、重量平均分子量/数平均分子量(M w / 
M n )≧5であり、分子量2,000〜10、00
0の領域にピークを少なくとも1つ有し、且つ分子量1
5.000〜ioo、 oooの領域にピーク又は肩を
少なくとも1つ有し、分子量io、ooo以下の成分が
10〜50重量%(バインダー樹脂基準)含有されてい
るバインダー樹脂 (B)極性官能基としてカルボキシル基、酸無水物基及
び/または、酸無水物の部分エステル化によって形成さ
れた酸基を有し、酸価が1〜30であり、かつ遊離酸価
が10よりも少ないバインダー樹脂 (C)共役ジエン系モノマーまたは、共役ジエン系モノ
マー及びその他1種以上のモノマーから合成され、その
主鎖に炭素−炭素不飽和二重結合の残存するバインダー
樹脂 上記(A) 、 (B)、 (C)各バインダー樹脂を
少なくとも含有し、かつ全バインダー樹脂に対し、バイ
ンダー樹脂(A) 、 (B) 、 (C)が50〜9
8:l〜49:1〜49の比率(重量%)で配合されて
いることを特徴とする正帯電性非磁性トナーに関する。
本発明について以下に詳細に説明する。
本発明の特徴の1つは、テトラヒドロフラン(THF)
不溶分力月0〜60重量%(バインダー樹脂基準)含有
されており、THF可溶分のGPCによる分子量分布に
おいて、重量平均分子量/数平均分子量(M w / 
M n )≧5であり、分子量2、000〜10.00
0の領域にピークを少なくとも1つ有し、且つ分子量1
5,000〜too、000の領域にピーク又は肩を少
なくとも1つ有し、分子量10.000以下の成分が1
0〜50重量%(バインダー樹脂基準)含有されている
バインダー樹脂(A)が、全バインダー樹脂に対し50
〜98重量%含有されていることにある。
このバインダー樹脂(A)は、良好な定着性、耐高温オ
フセット性、耐ブロッキング性、粉砕性等のトナーの諸
特性を高い次元で満足しており、このバインダー樹脂の
含有される割合が全バインダー樹脂に対して50重量%
よりも少なくなると、これらの諸特性のいずれかに不都
合を生じる。そのためこのバインダー樹脂(A)は、後
述するバインダー樹脂(B)及び(C)の効果が、十分
に得られるのであればなるべく多(含有されることが望
ましい。
次に、このバインダー樹脂成分(A)がこのようにトナ
ーの多くの諸特性を高次元で満足させる理由を説明する
それは、バインダー樹脂において、基本的には、THF
不溶分が主に耐高温オフセット性、粉砕性に影響を与え
、THF可溶分の分子量10.000以下の成分が主に
粉砕性、ブロッキング性、感光体への融着性、フィルミ
ング性そして粉砕装置内壁への融着に影響を与え、さら
にTHF可溶分の分子量10,000以上の成分が主に
定着性を左右しているという知見に基づくものである。
そしてGPC分子量分布の分子量10.000以下の成
分の割合は、10〜50wt%が良(、好ましくは20
〜39wt%である。充分な性能を出すためには、さら
に分子量10.000以下であり2,000以上(好ま
しくは2.000〜8,000 )の領域にピークを有
し、分子量15.000〜100,000  (好まし
くは20.000〜70、000)の領域にピークもし
くは肩が必要である。2.000〜io、oooにピー
クがなく分子量2.000以下にピークがあるが、分子
量10.000以下の成分の割合が50重量%を越える
と、耐ブロッキング性、感光体への融着、フィルミング
、粉砕装置内壁への融着などがやや問題となる。分子量
10.000以下にピークがな(10,000以上にピ
ークがあるが、分子量10.000以下の成分の割合が
10重量%未満であると特に粉砕性が問題となり、粗粒
子の生成も問題となる。
また分子量15.000以上の領域にピークもしくは肩
がなく、分子量15,000以下の領域のみにピークが
ある場合は耐高温オフセット性が問題−となる。
分子量15,000〜ioo、 oooの領域にピーク
もしくは肩がなく、かつ100.000以上にメインピ
ークがあると粉砕性が問題となる。
さらにTHF可溶分はM w / M n≧5であるこ
とが必要であり、M w / M nが5未満になると
耐高温オフセット性が低下する傾向が高まり問題となる
好ましくはM Vl/ / M nが80以下が良く、
さらに好ましくは10≦M w / M n≦60が良
い。
特にM w / M nが105M w / M n≦
60であると粉砕性、定着性、耐高温オフセット性9画
像性など種々の特性において特にすぐれた性能を示す。
なおここでMwとは後述のGPCによって測定された重
量平均分子量であり、Mnとは同様の測定による数平均
分子量である。
そして、さらにバインダー樹脂(A)のTHF不溶分は
10〜60重量%が必要である。THF不溶分が10重
量%未満だと耐高温オフセット性が問題となり、60重
量%を越えるとトナー製造時の熱混練による分子鎖切断
などの劣化の問題を生じる。好ましくはTHF不溶分の
含有量は15〜49重量%が粉砕性及び耐高温オフセッ
ト性の点で良い。
またTHF可溶分の分子量分布の1万以下の分子量分の
樹脂のガラス転移点Tg+とトナー全体のガラス転移点
Tgcを比較したとき、Tg1≧Tgt−5の関係にな
ると定着性、粉砕性、感光体への融着、フィルミング性
、粉砕装置内壁への融着性、耐ブロッキング性などがよ
り良好になる。
ここでいうTg+とは次の方法により測定されたもので
ある。温度25℃にてTHF・を毎分7m1)の流速に
て流し、バインダー樹脂(A)のTHF可溶成分の濃度
的3 mg/mf!のTHF試料溶液を3mβ程度分子
量分布測定装置に注入し、分子量1万以下の成分を分取
する。分取の後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃雰囲
気中減圧で24時間乾燥する。分子量1万以下の成分が
20mg程度得られるまで上記操作を繰り返し行い、5
0℃で48時間のアニーリングを行い、この後に示差走
査熱量測定法によりTgを測定し、この値をTg+とす
る。
分取用カラムとしてはTSKgel G2000H,T
SKgelG2500t(、TSKgel G3000
)f、 TSXgel G4000H(供に東洋曹達工
業■)等が用いられるが、本発明ではTSKgel G
2000HとTSKgel G3000Hを組み合せて
用いた。
またトナーのTgであるTgtの値はトナーを50℃、
48時間アニーリングし、その後示差走査熱量測定法に
より求める。
本発明中のバインダー樹脂(A)のもっとも好ましい態
様は、第1図に示すように、THF可溶分のGPC分子
量分布において、分子量15.000〜100、000
の領域にある最も高いピークの高さをh2、分子量2.
000〜10,000の領域にある最も高いピークの高
さをり、とすると、h、/h、の比が0.4〜4.0/
1を有することである。また、さらにTHF可溶分の数
平均分子量について、2,000≦Mn≦9,000が
好ましい。M n < 2.000だと耐高温オフセッ
ト性などが問題となり、9,000<Mnだと粉砕性及
び定着性が問題となってくる。
本発明でのTHF不溶分とは、バインダー樹脂(A)の
THF溶媒に対して不溶性となったポリマー成分(実質
的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、架橋成分を含む
樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメーターとして使う
ことができる。
THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって
定義する。
すなわち、バインダー樹脂(A)のサンプル0.5〜i
、o gを秤量しくLg) 、円筒濾紙(東洋製紙製N
o、 86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶
媒としてT)(F  100〜200mf!を用いて6
時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバボ
レートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可
溶樹脂成分量を秤量する(w2g>。樹脂のTHF不溶
分は、下記式から求められる。
本発明において、GPC(ゲルパーミェーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピーク又は/およ
びショルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF 
(テトラヒドロフラン)を毎分1mpの流速で流し、試
料濃度として0゜05〜0.6重量%に調整した樹脂の
THF試料溶液を50〜200u4注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分
布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製さ
れた検量線の対数値とカウント数との関係から算出した
。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例え
ば、Pressure Chemicaj) Co、製
或いは東洋ツーダニ業社製の分子量が6 X 10”、
 2. IX 103.4 X 10’。
1.75X10’、 5.1X10’、 1.1X10
’、 3.9XlO’、 8.6x 10” 、 2 
x 10’、 4.48 x 10’ 0)ものを用い
、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用い
るのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出
器を用いる。
なお、カラムとしては、103〜2 X 10’の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良(、例えばWaterS
社製のμmstyragel 500.10’、 10
’、 10’の組合わせや、昭和電工社製の5hode
x KF−80Mや、KF−802,803,804,
805の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel 
G100OI(、G2000H,G2500H。
G3000H,G4000H,G5000H,G600
0H,G700OI、GMHの組合せが望ましい。
本発明中のバインダー樹脂(A)の分子量10000以
下のバインダー樹脂(A)に対する重量%はGPCによ
るクロマトグラムの分子量10,000以下を切りぬき
、分子量10.000以上の切りぬきとの重量比を計算
し、前記のTHF不溶分の重量%を使い、全体のバイン
ダー樹脂(A)に対する重量%を算出する。
本発明中のバインダー樹脂(A)における樹脂組成物は
、スチレン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類から選ばれる1種以上のモノマーを重合して得
られるものが現像特性及び帯電特性等から好ましい。使
用できるモノマーの例としては、スチレン類としてスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルス
チレンなどがあげられる。アクリル酸エステル類、メタ
クリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル。
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸n−テトラデシル、アクリル酸n−ヘ
キサデシル、アクリル酸ラウリル。
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジエチルアミノ
エチル、アクリル酸ジメチルアミンエチルなどのアクリ
ル酸エステル類があげられ、同様にメタクリル酸メチル
、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
オクチル。
メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ステアリルなどのメタ
クリル酸エステル類があげられる。前述のモノマー以外
に、本発明の目的を達成しつる範囲で少量の他のモノマ
ー、例えばアクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4
−ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルメチル
エーテルなどが用いられても良い。
本発明中のバインダー樹脂(A)に用いられる架橋剤と
しては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビ
ス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン
、エチレングリコールジアクリレート、■、3−ブチレ
ングリコールジアクリレート、1.4−ブタンジオール
ジアクリレート、■、5−ベンタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアクリレート。
ポリエチレングリコール#200. #400. #6
00の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート
 ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬
)、及び以上のアクリレートをメタクリレートにかえた
ものが挙げられる。
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレ
ート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリ
ルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルア
ンシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート。
トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート
等があげられる。
本発明に係るバインダー樹脂(A)の合成方法は、基本
的に2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
すなわち、THFに可溶で且つ重合モノマーに可溶な第
1の重合体を重合モノマー中に溶解し、モノマーを重合
して樹脂組成物を得る方法である。この場合、前者と後
者の重合体が均一に混合している組成物が形成される。
T HFに可溶な第1の重合体は、溶液重合もしくはイ
オン重合などが好ましく、THFに不溶な成分を生成す
るための第2の重合体は、第1の重合体を溶解している
条件下で架橋性モノマー存在下で懸濁重合もしくは塊状
重合で合成することが好ましい。第1の重合体は第2の
重合体を生成するための重合性単量体ioo重量部に対
して10〜120(好ましくは、20〜100重量部)
重量部使用するのが好ましい。
また、本発明の特徴の1つは、極性官能基としてカルボ
キシル基、酸無水物基及び/または、酸無水物の部分エ
ステル化によって形成された酸基を有し、酸価が1〜3
0であり、かつ遊離酸価がIOよりも少ないバインダー
樹脂(B)が、全バインダー樹脂に対し1〜49重量%
含有されていることにある。
前述したように、バインダー樹脂(A)はトナーの諸特
性を高次元で満足するものの、正荷電性トナーのバイン
ダー樹脂として用いた場合には、圧着加熱部材表面への
トナーの静電的吸着、すなわち本発明中で言うところの
静電オフセット現象の改良という点で未だ不十分である
。また、パインクー樹脂(A)を高画質を得るべく粒径
の小さなトナーに用いた場合、低湿環境下や長時間の連
続使用等によってトナーの電荷が過剰に高くなり易く、
画像形成システムに適正なトナーの帯電量を保つには新
たな工夫が必要である。
これに対し、本発明者らは、トナーの一部分にトナーの
帯電特性とは、逆極性の帯電を局在化させることにより
、圧着加熱部材表面と、トナーとの静電的吸着力を緩和
し、静電オフセット現象を防止することを考えた。
鋭意検討の結果、バインダー樹脂にカルボキシル基、酸
無水物基及び/または酸無水物の部分エステル化によっ
て形成された酸基を有することで、バインダー樹脂が酸
価な有する場合に、正荷電性トナーの一部分に逆極性の
負帯電を生じ、シリコンゴム或いは弗素系樹脂等負帯電
性を有する材質から成る圧着加熱部材表面と、正荷電性
トナーとの静電的吸着力を低減し、静電オフセット現象
を防止できることを知見した。
そこで本発明者らはまず、バインダー樹脂(A)の合成
の際に、マレイン酸、マレイン酸モノエステル類、無水
マレイン酸、或は、アクリル酸、メタクリル酸の如きモ
ノマーを加え、バインダー樹脂(A)に酸価を与えるこ
とを検討した。しかしながら、静電オフセット現象の改
良が確認されるまでの酸価を与えた場合には、正荷電性
トナーとしての帯電性を阻害し、画像濃度つす、カブリ
等の不都合を生じた。
すなわち、全バインダー樹脂中・の50重量%以上を占
めるメインバインダー樹脂が酸価を多く有することは、
正荷電性トナーとしては好ましくなく、たとえ正帯電性
特性の劣化がわずかであると思われても、経時的には帯
電特性の劣化を招きかねない。
本発明者らは、更なる検討の末、メインバインダー樹脂
の合成の際に酸基を有するモノマーを添加することでメ
インバインダー樹脂に酸価を付与する場合、酸価がメイ
ンバインダー樹脂中にかなり均一に分散してしまうため
に、正荷電性トナーの正帯電性を阻害してしまう。更に
酸基は、トナー粒子内においである程度局在化している
方が静電オフセット防止の効果が大きく、正荷電性トナ
ーの正帯電性への影響も軽微であることを知見した。
上述の知見に加え、更に検討を続けた結果バインダー樹
脂(A)に、極性官能基としてカルボキシル基、酸無水
物基及び/または、酸無水物の部分エステル化によって
形成された酸基を有し、酸価が1〜30であり、かつ遊
離酸価が10より好ましくは5よりも少ないバインダー
樹脂(B)を、全バインダー樹脂に対し1〜49重量%
の割合で配合することで静電オフセット現象が大幅に改
良される。
更には、トナーを小粒径化した場合に起りやすい過剰な
トナー粒子の帯電についても、正荷電性トナーの一部が
負帯電性を示すことで、過剰な正帯電が中和され、トナ
ー粒子が適度な正帯電量を有するように制御されること
が判明した。
更に、他の検討から、正荷電性トナーの正帯電性に対す
るバインダー樹脂の影響に関して、遊離酸価の影響が大
であることを知見している。本発明中において遊離酸価
とは、バインダー樹脂から比較的容易に分離される酸価
を言う。(遊離酸価の測定法については後述する) 遊離酸価の影響については、必ずしも明らかではないが
本発明者らは、次のように考えている。
すなわち、バインダー樹脂の重合後、脱水、脱溶媒或い
は乾燥工程等で除去できなかった極低分子の酸基がトナ
ー化された後に、経時的にバインダー樹脂から遊離し、
トナー表面に浮上して(るために、正荷電性トナーの帯
電特性を著しく劣化させるものと考えている。従って、
遊離酸価は、できる限り少ないことが望ましい。
バインダー樹脂(B)の酸価が1よりも小さい場合、或
いは、全バインダー樹脂に対する配合比が1重量%に満
だない場合には、上記の効果が期待できない。
また、バインダー樹脂(B)の酸価が30よりも大であ
る場合、或いは、遊離酸価が10以上である場合には、
正荷電性トナーの正帯電性に悪影響を及ぼし、遊離酸価
が5以上では長時間使用時または高温環境下での濃度つ
す、カブリ等の不都合を生じる。バインダー樹脂(B)
が全バインダー樹脂に対し49重量%より多く含有され
る場合には、トナーの正帯電性への影響ばかりでなく、
バインダー樹脂(A)によって得られるトナー諸特性に
悪影響を与えかねない。
従って、バインダー樹脂(B)の全バインダー樹脂に対
する配合比は1〜49重量%、より好ましくは1〜40
重量%が良い。
酸価が1〜30であり、かつ遊離酸価がIOよりも小さ
なバインダー樹脂(B)としては、モノマー単位として
、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸
およびこれ等の酸無水物または及びそれらの部分エステ
ル化物を有する単重合体あるいは、これ等と、オレフィ
ン系、ビニル系、または及び架橋性モノマーとの共重合
体、末端もしくは側鎖にカルボキシル基、フェノール性
水酸基を有する。ポリエステル、フェノール樹脂および
ロジン変性樹脂、オレフィン系樹脂の酸化物等がある。
該バインダー樹脂(B)の調製法は、樹脂により異なる
が、アクリル酸や、メタクリル酸等を含むビニル系の共
重合体では従来より知られている塊状重合などの重合法
に従って行なえばよいが、モノマー比を変えることによ
り、またエステル化の度合を変えることにより、酸価調
節が行なえる。
一方、ポリエステルのような縮合系樹脂ではジオールと
ジカルボン酸の量比の変化させるほかに重合が進むにつ
れて、末端のカルボキシル基の量比が減少することから
、重合度を調節することにより酸価の調製が行なえる。
また、オレフィン系樹脂、特にポリエチレンでは、融点
近くまで、温度を上げると、空気中で、空気をよく溶か
した水中でより速やかに酸化がおこり、ポリエチレン酸
化物を得られるので、適宜酸価を検査しつつ酸化反応を
進めてゆけばよい。
本発明中、該酸価の測定方法としては、日本工業規格J
IS−KOO70−66F化学製品の酸価の試験方法j
に準じて行なう。
更に本発明の特徴の1つは、共役ジエン系モノマーまた
は、共役ジエン系モノマー及びその他1種以上のモノマ
ーから合成され、その主鎖に炭素−炭素不飽和二重結合
の残存するバインダー樹脂(c)が全バインダー樹脂に
対して1〜49重量%の比率で配合されていることにあ
る。
先述したように、バインダー樹脂(A)にバインダー樹
脂(B)を特定の比率で配合することで、正荷電性トナ
ーの一部分に負帯電性を保持させて静電オフセット現象
等が改良される訳であるが、正荷電性トナーの負帯電性
を適度に局在化させてやることでその効果が増大するこ
とを本発明者らは知見している。
しかしながら、バインダー樹脂(A)とバインダー樹脂
(B)の相溶性が良好である場合には、バインダー樹脂
(B)の有する酸価が、バインダー樹脂全体に均一に分
散してしまい上述の効果を十分には発揮できない、或い
は、バインダー樹脂(B)に、多くの酸価な含有させる
ことが必要となり、正荷電性トナーの現像性等に影響し
かねない。そのためバインダー樹脂(B)の酸価が適度
に局在化するように、バインダー樹脂(A)、(B)の
モノマー種或いは分子量分布等を調整して、バインダー
樹脂(A)とバインダー樹脂(B)の相溶性をコントロ
ールしなければならない困難がある。
そこで本発明者らは、少なくとも共役ジエン系モノマー
を含むモノマー成分から合成され、主鎖に炭素−炭素不
飽和二重結合の残存するバインダー樹脂(C)を配合す
ることを考案した。
このバインダー樹脂(C)は、バインダー樹脂(A)及
び(B)との相溶性が一般に良好ではなく、バインダー
樹脂(B)の含有する酸価を局在化させ、静電オフセッ
ト現象防止等の効果を増大させる。
バインダー樹脂(C)の配合比は、全バインダー樹脂に
対し1〜49重量%好ましくは1〜40重量%である。
バインダー樹脂(C)の配合比が、全バインダー樹脂に
対し、1重量%に満だない場合には、酸価を局在化させ
て静電オフセット現象を防止する効果が十分でな(,4
0重量%よりも多い場合には、トナーの粉砕性が悪(な
り、49重量%よりも多くなると、トナーの定着性、耐
高温オフセット性等が問題となる。
共役ジエン系モノマーまたは、共役ジエン系モノマーと
他の1種以上のモノマーから合成されたバインダー樹脂
(C)としては、モノマー単位として、ブタジェンやイ
ソプレン、クロロブレン等の誘導体の単独重合体あるい
は、これらと、ビニル系モノマーまたは及び架橋性モノ
マーとの共重合体等があげられる。
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適
当な顔料又は染料が挙げられる。トナー着色剤は周知で
あって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリン
ブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、
ハンザイエローローダミンレーキ、アリザリンレーキ、
ベンガラ、フタロシアニンブルー インダンスレンブル
−等がある。
染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染
料、キサンチン系染料、メチン系染料等がある。
本発明のトナーに使用する荷電制御剤としては、従来公
知の正荷電制御剤が用いられる。例えば、ニグロシン、
炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公
昭42−1627号)、塩基性染料(例えばC,1,B
a5ic Yellow 2 (C,1,41000)
C,1,Ba5ic Yellow 3. C,1,B
a5ic Red 1(C,1,45160)、 C,
1,Ba5ic Green 4 (C,I。
42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料(
レーキ化剤としては、りんタングステン酸、リンモリブ
デン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、
ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシア
ン化物など)c、r。
5ovent Black 3 (C,L 26150
)、ハンザイエローG  (C,L 11680)、 
C,L Mordlant Black 11゜C,1
,Pigment Black 1等である。
または、例えばベンシルメチル−ヘキサデシルアンモニ
ウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロ
ライドあるいはジブチル、ジオクチルなどのジアルキル
チン化合物、高級脂肪酸の金属塩、ガラス、雲母、酸化
亜鉛等の無機微粉末、EDTA、アセチルアセトンの金
属錯体等。
アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有
する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、トリブチルベ
ンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスル
フォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレートなどの四級アンモニウム塩等を単独であるいは
2種類以上組合せて用いることができる。これらの中で
も、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御
剤が特に好ましく用いられる。
本発明のトナーは、コロイダルシリカ、酸化アルミニウ
ム等の流動性付与剤を添加することが好ましい。中でも
疎水性コロイダルシリカが好ましい。
また、コロイダルシリカを側鎖に窒素原子を少なくとも
1つ以上有するオルガノ基を有するシリコンオイル、或
いは窒素含有のシランカップリング剤で処理して得られ
る正帯電性を付与された正荷電性シリカを用いることが
特に好ましい。
[実施例] 上記材料をブレンクーでよく混合した後、150℃に熱
した2本ロールで混練した。混練物を自然放冷後、カッ
ターミルで粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機
を用いて粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、第
1表に示すような粒度分布を示す微粉体(体積平均粒径
11.1μ)を得た。得られた微粉体は鉄粉キャリアと
混合した後にトリボ電荷を測定したところ、+ 16p
c/gの値を有していた。
この正荷電性の微粉体に疎水化処理された正帯電性シリ
カ1.0重量%を加え、ヘンシェルミキサーで混合して
、正荷電性非磁性トナーAを得た。
この正荷電性非磁性トナーAと弗素系樹脂で表面層を処
理したフェライトキャリア(平均粒径40pm)とを、
7:93の割合で混合し、2成分現像剤を得た。
(以下余白) 得られた2成分現像剤を市販の複写機NP−5540に
適用し、室温20℃湿度60%及び15℃、10%及び
30℃、90%の各環境下で連続300枚の画像を得、
300枚目の画像濃度、カブリ及び画像性を評価した。
更に、室温15℃湿度lO%の環境下で得られた画像の
1枚目のベタ画像部を炉擦し、これによるベタ画像部の
濃度低下率から定着性を求めた。
また、これとは別に、第2図に示す原稿を用いて、80
g/m”上質紙B5サイズを縦送りで連続100枚得た
後、複写機を30秒毎に、30.60.90秒と休止さ
せてA3サイズの画像を得る実験を行ない、B5サイズ
画像の後端部から、静電オフセットを、休止後のA3サ
イズの画像の85サイズ縦送り時の非通紙部(この部分
は、定着ローラーが220℃にまで昇温しでいる)から
高温オフセット性を評価した。
その結果、第3表に示すようにいずれの環境下でも、良
好な画像濃度、カブリ、画像性を示し、定着性も優れて
いた。
また、静電オフセットは僅かに見られたものの実用上問
題とはならない程度であり、高温オフセットに関しては
皆無であった。
第2図は、本発明中、静電オフセット現象、高温オフセ
ット現象の程度を評価するために用いた原稿を示す。こ
の原稿を用い、B5サイズのシートを縦送りすると得ら
れる画像は、25mm間隔のライン画像で後端20mm
がベタ白となり、後端ベタ白部のライン画像延長上に汚
れが見られるかどうかで静電オフセット現象を評価する
。また、A3サイズシート上に得られる画像は、100
 mm間隔で10mmの黒帯2本あり、黒帯の定着ロー
ラー周長分だけ後方の画像上に汚れがあるか否かで高温
オフセット現象を評価する。
なお第2図において、■は10mm幅の黒帯、2は16
ポイントのライン画像である。
失JJ−λ 粉砕・分級条件を変更した以外は、実施例1と同様にし
て、第2表に示す粒度分布を有する非磁性トナーBを得
た。
得られたトナーのトリボ電荷は+22μc/gであり、
体積平均粒径は8.0 pmであった。
実施例1と同様に評価を行なったところ、第3表に示す
ように各環境下で非常に高い画像濃度と卓越した画像性
を有する画像が得られた。
また定着性は良好で、静電オフセット、及び高温オフセ
ットも皆無であった。
このように特開平1−112253号公報において開示
されているような特定の粒度分布(5μm以下の粒径の
トナー粒子が12〜60個数%、8〜12.7Hのの粒
径のトナー粒子が1〜33個数%かつ16pm以上の粒
径のトナー粒子が2.0体積%以下で含有され、体積平
均粒径が4〜l Opm )を満たすトナーを用いた場
合、本発明中の正荷電性非磁性トナーは、特に優れた性
能を示す。
(以下余白) 比Ju吐1 実施例1で用いたバインダー樹脂(A)(スチレン−ア
クリル酸n−ブチル−ジビニルベンゼン共重合体)のみ
100重量部を用い、バインダー樹脂CB)及び(C)
を用いないこと以外は、実施例2と同様にして非磁性ト
ナーを得た。得られた非磁性トナーのトリボ電荷は+2
6pc/g、体積平均粒径は8.1pmであった。また
、トナー製造時の粉砕性も実施例2同様に良好であった
。実・流側2と同様にして評価を行なったところ、各環
境下で非常に良好な画像性を示したものの、室温15℃
湿度10%の環境下での画像濃度が実施例2よりも劣っ
ていた。また定着性、耐オフセット性は良好であったが
、静電オフセットを顕著に生じた。
上記材料を用いて実施例1と同様にして、非磁性トナー
を得た。得られた非磁性トナーのトリボ電荷は+13g
c/g、体積平均粒径は11.5μmであった。
これを実施例1と同様に2成分現像剤とし評価したとこ
ろ、第3表に示すように良好な結果を得た。
上記材料を用いて、実施例1同様にトナーを作製し評価
したところ、第3表に示すように、室温30℃湿度90
%の環境下で、ややカブリが目立つ他はおおむね良好な
結果を得た。
上記材料を用いて実施例1と同様に、正荷電性非磁性ト
ナーを得た後、実施例1と同様の評価を行なった。その
結果、第3表に示すように、各環境下で、特に室温30
℃湿度90%の環境下でカブリを顕著に生じ、画像濃度
も低かった。
及1九旦及J玉 実施例1に右けるバインダー樹脂(A)、(B)及び(
C)の配合比率を第4表に示すように変更した以外は、
実施例1と同様にトナーを作製、評価を行なった。
結果は第3表に示すようにおおむね良好であった。
ル光1ヱl 実施例1におけるバインダー樹脂(A)、(B)及び(
C)の配合比率を第4表に示すように変更した以外は、
実施例1と同様にトナーを作製、評価を行なった。
結果は第3表に示すように比較例3では、静電オフセッ
トが顕著に生じ、比較例4でも静電オフセットの改良が
十分ではない。また比較例5〜7では、耐高温オフセッ
ト性、定着性が劣り、比較例6では、カブリが顕著で1
画像濃度が低(、比較例7では、トナー製造時の粉砕が
困難である程、粉砕性が劣っていた。
L校五溢 実施例1において、バインダー樹脂(A)の代りにTH
F不溶分を含有しないスチレン−メタクリル酸n−ブチ
ル−2エチルへキシルアクリレート−ジビニルベンゼン
共重合体(Mw=33万、 Mn=1.1万、7g60
℃、GPC分子量分布のピーク1.3万及び103万、
1万以下の分子量のものの比率12vrt%)を用いる
以外は実施例1と同様にトナーを作製した。
この時、トナーの粉砕性が実施例1の場合に比べて劣っ
た。と同時に、粉砕装置の内壁に融着を生じた。
また実施例1と同様に評価を行なったところ。
第3表に示すように耐高温オフセット性が著しく劣って
いた。
(以下余白) (以下余白) [発明の効果] 本発明の効果を以下に列挙する。
(1)良好な定着性、耐高温オフセット性を維持しつつ
、 (2)トナー製造時に、トナーの粉砕性が良好で、粉砕
装置内壁に融着等を生ぜず、安定してトナーが生産でき
、 (3)耐静電オフセット性に優れ、 (4)トナー粒径を体積平均粒径4・〜9pm、5H以
下の粒径のトナー粒子が全粒子の12〜60wt%と小
粒径化してもトナー粒子が過剰の帯電を保持することに
よる弊害がなく、高画質が得られ、(5)環境依存性が
小さく、厳しい条件下でも安定した画像品質を保障でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明中のバインダー樹脂(A)成分に関し
て実施例1に用いた樹脂のTHF可溶分のGPCによる
分子量分布を示すチャートをモデル化したものである。 第2図は、本発明中の実施例及び比較例中における耐高
温オフセラ ト性、 耐静電オフセラ ト性の 評価を行なうために用いたチャート原稿を説明し第1図 ている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 バインダー樹脂及び着色剤を少なくとも含有する静電荷
    像現像用非磁性トナーにおいて、該バインダー樹脂は、 (A)テトラヒドロフラン(THF)不溶分が10〜6
    0重量%(バインダー樹脂基準)含有されており、TH
    F可溶分のGPCによる分子量分布において、重量平均
    分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧5であり、分子
    量2,000〜10,000の領域にピークを少なくと
    も1つ有し、且つ分子量15,000〜100,000
    の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有し、分子量1
    0,000以下の成分が10〜50重量%(バインダー
    樹脂基準)含有されているバインダー樹脂、 (B)極性官能基としてカルボキシル基、酸無水物基及
    び/または、酸無水物の部分エステル化によって形成さ
    れた酸基を有し、酸価が1〜30であり、かつ遊離酸価
    が10よりも少ないバインダー樹脂、 (C)共役ジエン系モノマーまたは、共役ジエン系モノ
    マー及びその他1種以上のモノマーから合成され、その
    主鎖に炭素−炭素不飽和二重結合の残存するバインダー
    樹脂、 上記各バインダー樹脂(A)、(B)及び(C)を少な
    くとも含有し、かつ全バインダー樹脂に対し、バインダ
    ー樹脂(A)、(B)、(C)が50〜98:1〜49
    :1〜49の比率(重量%)で配合されていることを特
    徴とする静電荷像現像用正帯電性非磁性トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07146582A (ja) * 1993-07-30 1995-06-06 Sanyo Chem Ind Ltd 電子写真トナー用バインダー樹脂組成物
US5827631A (en) * 1996-02-09 1998-10-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Non-magnetic one-component developer and image forming process using the same
JP2019219648A (ja) * 2018-06-13 2019-12-26 キヤノン株式会社 正帯電性トナー

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