JP2002213581A - 自動変速機の摩擦係合装置 - Google Patents
自動変速機の摩擦係合装置Info
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Abstract
低減及び誤組付けが未然に回避できる自動変速機の摩擦
係合装置を提供する。 【解決手段】 複数のドリブンプレート30をトランス
ミッションケース1にスプライン嵌合される一方、複数
のドライブプレート5が回転体のハブにスプライン嵌合
され、ドリブンプレート30とドライブプレート5とが
交互に配置された自動変速機の摩擦係合装置であって、
トランスミッションケース1に形成されるスプライン溝
10に、段部によって先端側から鋳抜側に移行するに従
って溝幅が階段状に順次拡大する複数の溝領域を連続形
成し、ドリブンプレート30は、各々の溝領域の溝幅に
対応した歯幅及び隣接するスプライン溝10の溝領域間
のピッチに対応したスプライン歯を備える。
Description
クラッチや多板ブレーキ等の摩擦係合装置に関する。
ッチや多板ブレーキ等の摩擦係合装置について説明す
る。
要部断面図であって、101はトランスミッションケー
ス、105は被駆動側プレートであるドリブンプレー
ト、108はハブ、110は駆動側プレートであるドラ
イブプレートである。図6はドリブンプレート105の
要部斜視図であり、図7はトランスミッションケース1
01とドリブンプレート105の嵌合状態を示す図5の
II−II線断面図である。
はスプライン溝102が形成されており、複数のドリブ
ンプレート105に形成されたスプライン歯106がこ
のスプライン溝102に嵌合されている。また、回転体
107のハブ108の外面にスプライン溝109が形成
されており、複数のドライブプレート110に形成され
たスプライン歯111がスプライン溝109に嵌合され
ている。
の後端側にはピストン112及びディッシュプレート1
13が配置されており、前端側にはリテーニングプレー
ト104が配置されてスナップリング103によって位
置決めされている。そしてディッシュプレート113と
リテーニングプレート104との間に複数のドリブンプ
レート105とドライブプレート110が交互に配置さ
れており、ピストン112の押圧によってドリブンプレ
ート05とドライブプレート110の互いの摩擦面が面
係合して回転体107の回転を制動するようになってい
る。
にスプライン溝102を鋳造、例えばダイカスト等によ
って成形するには、スプライン溝102に抜け勾配が必
要であるため、図8に図5のIII−III線断面図を
示すようにスプライン溝102の先端側102aの溝幅
wに対し鋳抜側102bの溝幅WがW−wだけ広く形成
されている。
プライン歯106の歯幅aが一定の場合には、スプライ
ン溝102の歯面102cとスプライン歯106との間
の隙間t1+t2、即ちバックラッシュとなるガタ量が
先端側102aから鋳抜側102bに移行する程次第に
大きくなり、締結時に歯打音が発生する。
に、スプライン溝102の抜け勾配を考慮して、各ドリ
ブンプレート105のスプライン歯106の歯幅aを組
付位置に応じて順次変更することによって、各ドリブン
プレート105のスプライン歯106とスプライン溝1
02の歯面102cとのガタ量を低減させて歯打音の低
減を図るものがある。しかし、隣接する各ドリブンプレ
ート105間におけるスプライン歯106の歯幅aの相
対変化量が少なくドリブンプレート105の誤組付けを
誘発し、かつドリブンプレート105の種類が多くなり
その識別及び管理が煩雑になることが懸念される。
と対応する断面図を示すように、スプライン歯106の
歯幅が等しい複数、例えば各々2枚のドリブンプレート
105a、105b、105cを1セットにして例えば
A、B、Cにグループ化し、各グループ毎に組み付ける
ことによってガタ量を低減させると共にドリブンプレー
ト105の種類の削減を図ることもある。
されるようにドリブンプレートのスプライン歯とスプラ
イン溝との間に板ばねを介在させてドリブンプレートを
一方に押し付けてガタを低減させたり、またスプライン
溝を機械加工して抜き勾配を無くする方法がある。
プ毎に組み付けることによってガタ量を低減させる方法
にあっては、各歯幅寸法毎にドリブンプレート105を
グループ化する準備作業において、Aグループのドリブ
ンプレート105aがBグループに混入したり、Bグル
ープのドリブンプレート105bにAグループのドリブ
ンプレート105aを組付けする等の誤組付けの可能性
がある。
スプライン溝との間に板ばねを介在させて一方に押し付
けてガタを低減させる方法にあっては、板ばね等の部品
点数の増加や組付作業が煩雑になることが懸念されれ
る。またスプライン溝を機械加工して抜き勾配を無くす
方法にあっては、スプライン溝の機械加工による製造コ
ストの増大が懸念される。
目的は、製造コストの増大を招くことなく、歯打音の低
減及び誤組付けが未然に回避できる自動変速機の摩擦係
合装置を提供することにある。
項1に記載の自動変速機の摩擦係合装置は、複数の被駆
動側プレートに各々形成された複数のスプライン歯が各
々トランスミッションケースに形成された各スプライン
溝に各々スプライン嵌合する一方、複数の駆動側プレー
トが回転体のハブにスプライン嵌合され、上記被駆動側
プレートと駆動側プレートが交互に配置されて互いの摩
擦面が面係合する自動変速機の摩擦係合装置において、
上記スプライン溝は、先端側から鋳抜側に移行するに従
って歯面に形成された段部によって階段状に溝幅が順次
拡大する複数の溝領域が連続形成され、上記各被駆動側
プレートは、上記各々の溝領域の溝幅に対応した歯幅で
かつ隣接するスプライン溝の溝領域間のピッチに対応し
たスプライン歯を備えたことを特徴とする。
相対向する歯面に形成された段部によって、先端側から
鋳抜側に移行するに従って溝幅が階段状に順次拡大する
複数の溝領域が連続形成されて各溝領域内における抜け
勾配による溝幅の変化が小さく設定され、歯面とスプラ
イン歯との隙間を低減させることができる。この結果、
部品点数の増加や機械加工が不要となり製造コストの増
加を招くことなく歯面とスプライン歯との隙間に起因す
る歯打音の低減が得られる。
被駆動側プレートは、対応する溝領域の溝幅及び溝領域
間のピッチによって規制される。この結果、仮に他の溝
領域に対応する被駆動側プレートが誤って取り付けられ
ると歯面とスプライン歯との間の隙間、即ちガタ量が大
きくなり、或いは組付け後の摩擦係合装置の長さが増大
されて誤組付けが容易に確認でき、誤組付けが容易に回
避される。
変速機の摩擦係合装置において、上記スプライン溝の隣
接する溝領域の中心軸線が互いに偏在していることを特
徴とする。
の中心軸線を互いに偏在させることによって、隣接する
溝領域の間に形成される段部を大きく形成することが可
能になり、被駆動側プレートの誤組付けをより確実に回
避することができる。
変速機の摩擦係合装置は、複数の被駆動側プレートに各
々形成された複数のスプライン歯が各々トランスミッシ
ョンケースに形成された各スプライン溝に各々スプライ
ン嵌合する一方、複数の駆動側プレートが回転体のハブ
にスプライン嵌合され、上記被駆動側プレートと駆動側
プレートが交互に配置されて互いの摩擦面が面係合する
自動変速機の摩擦係合装置において、上記スプライン溝
は、先端側から鋳抜側に移行するに従って底部に形成さ
れた段部によって階段状に底部が順次上記回転体の回転
中心軸線から離反する複数の溝領域が連続形成され、上
記被駆動側プレートは、上記各々の溝領域の底部に対応
した先端を有するスプライン歯を備えたことを特徴とす
る。
各溝領域内における抜け勾配による底部の変化が小さ
く、底部とスプライン歯の先端との隙間を低減させるこ
とができ、部品点数の増加や機械加工を要することなく
製造コストの増加を抑制すると共に、歯打音の低減が得
られる。
被駆動側プレートは、対応する溝領域の底部によって規
制され、仮に他の溝領域に対応する被駆動側プレートが
誤って取り付けられると底部とスプライン歯の先端との
間のガタ量が大きくなり、或いは組付け後の摩擦係合装
置の長さが増大されて誤組付けが容易に確認できる。
摩擦係合装置の実施の形態を摩擦係合装置が多板ブレー
キの場合を例に図によって説明する。
態における多板ブレーキを備えた自動変速機の要部断面
図であって、図2は図1に示すI−I線断面の展開図で
ある。
ランスミッションケース1の内面にはスプライン溝10
が形成されており、複数のドリブンプレート30に形成
された各スプライン歯がこの各々のスプライン溝10に
嵌合されている。また、回転体2に結合されたハブ3の
外面にスプライン溝4が形成されており、複数のドライ
ブプレート5に形成されたスプライン歯がスプライン溝
4に嵌合されている。
端側にはピストン6及びディッシュプレート7が配置さ
れており、前端側にはリテーニングプレート8が配置さ
れてスナップリング9によって位置決めされている。そ
してディッシュプレート7とリテーニングプレート8と
の間に複数のドリブンプレート30とドライブプレート
5が交互に配置されており、ピストン6の押圧によって
ドリブンプレート30とドライブプレート5とが互いの
摩擦面が面係合して回転体2の回転を制動するようにな
っている。
されるスプライン溝10は、図2に示すようにトランス
ミッションケース1の内面に沿って交互に形成され、か
つ中心軸線11cと21cが平行配置された第1スプラ
イン溝11と第2スプライン溝21によって形成されて
いる。
ら鋳抜側11bに連続する複数の溝領域、本実施の形態
では連続する第1溝領域12、第2溝領域13、第3溝
領域14の3つの溝領域によって形成されている。
aと第2歯面12bは、先端側11aの溝幅に対し鋳抜
側11bの溝幅が広くなるように、先端側11aから鋳
抜側11bに移行するに従って第1スプライン溝11の
中心軸線11cから離間するように抜け勾配が形成され
ている。
面13bは、先端側11aの溝幅に対し鋳抜側11bの
溝幅が広くなるように先端側11aから鋳抜側11bに
移行するに従って互いに離間して抜け勾配が形成され、
かつ第1歯面13aは第1溝領域12の第1歯面12a
と略面一に連続形成されている。一方、第2歯面13b
は段部12dを介して第1溝領域12の第2歯面12b
と連続形成され、第2溝領域13は第1溝領域12に対
して急激に、即ち階段状に溝幅が拡大形成されている。
面14bは、先端側11aの溝幅に対し鋳抜側11bの
溝幅が広くなるように先端側11aから鋳抜側11bに
移行するに従って互いに離間して抜け勾配が形成され、
かつ第2歯面14bは第2溝領域13の第2歯面13b
と略面一に連続形成されている。一方、第1歯面14a
は段部13dを介して第2溝領域13の第1歯面13a
と連続形成され、第3溝領域14は第2溝領域13に対
して階段状に溝幅が拡大形成される。
14の溝中心軸線が第1スプライン溝11の中心軸線1
1cと一致し、第2溝領域13の中心軸線13cが中心
軸線11cに対して一方に偏在して配置させることによ
って、第1溝領域12と第2溝領域13との間の段部1
2d及び第2溝領域13と第3溝領域14との間に形成
される段部13dはスプライン溝の両側に分散して形成
する場合に比べ大きく形成することができる。しかし、
段部12d、13dを大きく形成することができる場合
には、これら段部12d及び13dは対向する両歯面に
分散して形成することもできる。
てて第1スプライン溝11と並設され、かつ小径部20
の中心軸線20cを中心とする線対称形状に形成されて
いる。即ち、連続する第1溝領域22、第2溝領域2
3、第3溝領域24の3つの溝領域によって形成されて
いる。
aと第2歯面22bは、先端側21aの溝幅に対し鋳抜
側21bの溝幅が広く形成されて、先端側21aから鋳
抜側21bに移行するに従って第2スプライン溝21の
中心軸線21cから離間するように抜け勾配が形成され
ている。この第1歯面22aと第2歯面22bによって
形成される溝幅は、第1スプライン溝11の第1領域1
2の第1歯面12aと第2歯面12bによって形成され
る溝幅と等しく設定されている。
面23bは、先端側21aの溝幅に対し鋳抜側21bの
溝幅が広くなるように先端側21aから鋳抜側21bに
移行するに従って互いに離間して抜け勾配が形成されて
いる。更に、第1歯面23aは段部22dを介して第1
溝領域22の第1歯面22aと連続形成される一方、第
2歯面23bは第1溝領域22の第2歯面22bと略面
一に連続形成されて第1溝領域22に対して階段状に溝
幅が拡大形成されている。この第1歯面23aと第2歯
面23bによって形成される溝幅は、第1スプライン溝
11の第2溝領域13の溝幅と等しく設定されている。
面24bは、先端側21aの溝幅に対し鋳抜側21bの
溝幅が広くなるように先端側21aから鋳抜側21bに
移行するに従って互いに離間して抜け勾配が形成され、
かつ第1歯面24aは段部23dを介して第2溝領域2
3の第1歯面23aと連続形成される一方、第2歯面2
4bは第2溝領域23の第2歯面23bと略面一に連続
形成され、第2溝領域23に対して階段状に溝幅が拡大
形成されている。この第1歯面24aと第2歯面24b
によって形成される溝幅は、第1スプライン溝11の第
3領域14の溝幅と等しく設定されている。
の溝中心軸線が第2スプライン溝21の中心軸線21c
と一致し、第2溝領域23の中心軸線23cが中心軸線
21cに対して偏在して配置されている。
プライン溝12の中心軸線11cと21cは等ピッチP
Aであって、第1スプライン溝11の第1溝領域12と
第2スプライン溝21の第1領域22は、比較的溝幅が
小さく、かつ互いに等ピッチに配置される。第1スプラ
イン溝11の第3溝領域14と第2スプライン溝21の
第3溝領域24は比較的溝幅が大きく、かつ互いに等ピ
ッチに配置される。一方、第1スプライン溝11の第2
溝領域13と第2スプライン溝21は溝幅が中間の大き
さでかつ、互いのピッチは比較的大きいPB1と比較的
小さいPB2が交互に繰り返される不等ピッチに設定さ
れる。
ライン溝11及び第2スプライン溝21の各第1溝領域
12、22、第2溝領域13、23、第3溝領域14、
24によって各々形成されるスプライン10の第1領域
10A、第2領域10B、第3領域10Cに各々組み付
けられる第1ドリブンプレート32、第2ドリブンプレ
ート33、第3ドリブンプレート34の3種類がある。
ブンプレート32は、第1スプライン溝11及び第2ス
プライン溝21の比較的溝幅の小さい第1溝領域12及
び22に嵌合する歯幅小さいスプライン歯32aでかつ
等ピッチPAに設定されている。
ブンプレート33は、第1スプライン溝11及び第2ス
プライン溝21の第2溝領域13及び23に嵌合する中
間の大きさの歯幅のスプライン歯33aでかつ異なるピ
ッチPB1とPB2が交互に繰り返される不等ピッチに
設定されている。
ブンプレート34は、第1スプライン溝11及び第2ス
プライン溝21の比較的溝幅の大きい第2溝領域14及
び24に嵌合する比較的歯幅が大きいスプライン歯でか
つ等ピッチPAに設定されている。
ドリブンプレート10は、第1スプライン溝11及び第
2スプライン溝21の第1領域12及び22の溝幅が比
較的小さく、かつ等ピッチPAに形成されされることか
ら、第1領域10Aに組み付けられるドリブンプレート
10は第1領域12及び22の溝幅及びピッチPAによ
って規制される。
する歯幅が小さいスプライン歯32aを備えた第1ドリ
ブンプレート32のみが取り付けが可能であって、第2
ドリブンプレート33や第3ドリブンプレート34が取
り付けられる誤組付が未然に回避される。
Aに第2ドリブンプレート33或いは第3ドリブンプレ
ート34を組付けようとすると、第2ドリブンプレート
33及び第3ドリブンプレート34は、第1スプライン
溝11及び第2スプライン溝21の第1溝領域12、2
2と第2溝領域13、23との連続部に形成された段部
11d、21d及び第2溝領域13、23と第3溝領域
14、24との連続部に形成された段部13d、23d
に各々スプライン歯33a、34aが係止されて第1溝
領域12、22への進入が防止されて、組付け後の多板
ブレーキの長手寸法が所定長より増大して容易に該誤組
付けが確認できる。
従来のスプライン溝の長さに比較して極めて短く設定さ
れることから、抜け勾配による先端側11a、21aと
鋳抜側11b、21bの溝幅の変化は小さく第1溝領域
12、22の第1及び第2歯面12a、22a、12
b、22bと第1ドリブンプレート32のスプライン歯
32aの隙間、即ちガタ量を低減させることができ、該
部の歯打音の低減が得られる。
プレート10は、第1スプライン溝11及び第2スプラ
イン溝21の第2溝領域13及び23の溝幅が第1領域
溝12、22及び第3溝領域14、24の中間の大きさ
で、かつPB1、PB2の不等ピッチに形成されされ
る。従って、第2領域10Bに組み付けられるドリブン
プレート30は第2溝領域13及び23の溝幅及びPB
1、PB2の不等ピッチによって規制され、第2領域1
0Bに組付け可能なドリブンプレート10は、第1ドリ
ブンプレート32及び第2ドリブンプレート33に限定
される一方、歯幅が大きいスプライン歯34aを備えた
第3ドリブンプレート34の誤組付けが回避される。
は可能であるが、第1ドリブンプレート32のスプライ
ン歯32aの歯幅と第2第2領域13、23の溝幅の寸
法的な差は大きくスプライン歯32aと第1歯面13
a、23a或いは第2歯面13b、23bの隙間、即ち
ガタ量によって認識が容易にできる。その結果、容易に
第2ドリブンプレート33のみを組み付けることが可能
になり、誤組付けは容易に確認することができ回避する
ことができる。
Bに第3ドリブンプレート34を組付けようとすると、
第3ドリブンプレート34は、第1スプライン溝11及
び第2スプライン溝21の第2溝領域13、23と第3
溝領域14、24との連続部に形成された段部13d、
23dに各々スプライン歯34aが係止されて第2溝領
域13、23への進入が防止されて組付後の多板ブレー
キの長手寸法が所定長より増大して容易に誤組付けを確
認することができる。
来のスプライン溝の長さに比較して極めて短く設定され
ることから、抜け勾配による先端側11a、21aと鋳
抜側11b、21bの溝幅の変化が小さく第2溝領域1
3、23の第1及び第2歯面13a、23a、13b、
23bと第2ドリブンプレート33のスプライン歯33
aとのガタ量を低減させることができ、該部の歯打音の
低減が得られる。
プレート30は、第1スプライン溝11及び第2スプラ
イン溝21の第3溝領域14及び24の溝幅が比較的大
きく、かつ等ピッチPAに形成されされて規制されるこ
とから、第1ドリブンプレート32、第2ドリブンプレ
ート33、第3ドリブンプレート34が共に組み付け可
能である。しかし、第1ドリブンプレート32及び第2
ドリブンプレート33のスプライン歯32a、33aと
第3溝領域14、24の歯面14a、14b、24a、
24bとの隙間が大きく、ガタ量によって認識が容易に
できる。この結果、誤組付けは容易に確認することがで
き回避することができる。
く設定されることから、抜け勾配による先端側11a、
21aと鋳抜側11b、21bの溝幅の変化が小さく第
3溝領域14、24の第1及び第2歯面14a、24
a、14b、24bと第3ドリブンプレート34のスプ
ライン歯34aとのガタ量を低減させることができ、該
部の歯打音の低減が得られる。従って個々のドリブンプ
レート30の組み付け位置が容易に識別できて組み付け
作業が容易になりかつ誤組付けが容易に防止できると共
に、歯打音の低減が得られる。
ライン溝21の第1溝領域12、22と第2溝領域1
3、23との連続部に形成された段部11d、21d及
び第2溝領域13、23と第3溝領域14、24との連
続部に形成された段部13d、23dによって、非締結
時において第2ドリブンプレート33のスプライン歯3
3aが段部11d、21dに当接して第2ドリブンプレ
ート33の移動が規制され、かつ第3ドリブンプレート
34のスプライン歯34aが段部13d、23dに当接
して第3ドリブンプレート34の移動が規制されること
から、各ドリブンプレート30とドライブプレート5と
の間に隙間が確保されて摩擦抵抗低減効果が得られる。
による組み付け作業及び部品管理の簡素化が得られ、か
つ従来の変速機に対してトランスミッションケース1の
スプライン溝10形状の変更及びドリブンプレート30
の形状変更等の小変更で対応可能である。スプライン溝
10の形状変更はトランスミッションケース1のダイカ
スト型を制作することによって安価に対応できる。
態における多板ブレーキを備えた自動変速機の要部断面
図であって、図4は図3のA部拡大図である。なお図3
及び図4に図1及び図2と対応する部位に同一符号を付
することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主
に説明する。
されるスプライン溝41は、図4に示すように先端側4
1aから鋳抜側41bに連続する複数の溝領域、本実施
の形態では連続する第1溝領域42、第2溝領域43、
第3溝領域44の3つの溝領域によって形成されてい
る。
aの深さに対し鋳抜側41bの深さが深くなるように、
先端側41aから鋳抜側41bに移行するに従って回転
体2の回転中心軸線、即ち多板ブレーキの中心軸線Cよ
り離反するように抜け勾配が形成されている。
を隔てて第1溝領域42の底部42aと階段状に連続形
成されて、第2溝領域43の底部43aは第1溝領域4
2の底部42aに対して急激に、換言すると階段状に深
く形成され、かつ先端側41aから鋳抜側41bに移行
するに従って多板ブレーキの中心軸線Cより離反するよ
うに抜け勾配が形成されている。
を隔てて第2溝領域43の底部43aと階段状に連続形
成されて、第3溝領域44の底部44aは第2溝領域4
3の底部43aに対して急激に深く形成され、かつ先端
側41aから鋳抜側41bに移行するに従って多板ブレ
ーキの中心軸線Cより離反するように抜け勾配が形成さ
れている。
ン溝41の第1溝領域42、第2溝領域43、第3溝領
域44に各々組み付けられる第1ドリブンプレート5
2、第2ドリブンプレート53、第3ドリブンプレート
54の3種類がある。
プレート52は、第1溝領域42に嵌合するスプライン
歯52aの先端が底部42aに近接するように設定され
ていると共に歯幅も他のドリブンプレートに比べ小さく
設定されている。
ブンプレート53は、第2溝領域43に嵌合するスプラ
イン歯53aの先端が底部43aに近接すると共に、側
面が段部42bに当接可能な形状に設定されている。
3ドリブンプレート54は、第3溝領域44に嵌合する
スプライン歯54aの先端が底部44aに近接すると共
に、側面が段部43bに当接可能の形状であり歯幅も他
のドリブンプレートに比べ大きく設定されている。
ドリブンプレート50は、スプライン溝41の底部42
a及び段部42bによって規制されて、第1溝領域42
に嵌合するスプライン歯52aを備えた第1ドリブンプ
レート52のみが取り付け可能であって、第2ドリブン
プレート53や第3ドリブンプレート54が取り付けら
れる誤組付が未然に回避される。
Aに第2ドリブンプレート53或いは第3ドリブンプレ
ート54を組付けようとすると、第2ドリブンプレート
53及び第3ドリブンプレート54は、スプライン溝4
1の第1溝領域42と第2溝領域43との連続部に形成
された段部42b及び第2溝領域43と第3溝領域44
との連続部に形成された段部43bに各々スプライン歯
53a、54aが係止されて第1溝領域42への進入が
防止されて組付け後の多板ブレーキの長手寸法が所定長
より増大して容易に該誤組付けが確認できる。
ライン溝の長さに比較して極めて短く設定されることか
ら、第1溝領域42の抜け勾配による先端側41aと鋳
抜側41bの溝幅の差が小さく溝幅とスプライン歯52
aの歯幅の隙間、即ちガタ量を低減させることができ、
該部の歯打音の低減が得られる。
プレート50は、スプライン溝41の第2溝領域43の
底部43aと段部43bによって規制され、第2領域4
1Bに組付け可能なドリブンプレート50は、第1ドリ
ブンプレート52及び第2ドリブンプレート53に限定
される。しかし、第1ドリブンプレート52が組み付け
られると、底部43aとスプライン歯52aの先端に大
きな隙間が形成された大きなガタ量によって容易に認識
され、第1ドリブンプレート52の誤組付けは回避され
る。その結果、容易に第2ドリブンプレート53のみを
組み付けることが可能になり、誤組付は容易に確認する
ことができ回避することができる。
Bに第3ドリブンプレート54を組付けようとすると、
第3ドリブンプレート44は、第2溝領域43と第3溝
領域44との連続部に形成された段部43bに各々係止
されて第2溝領域43への進入が防止されて組付後の多
板ブレーキの長手寸法が所定長より増大して容易に誤組
付けを確認することができる。
ライン溝の長さに比較して極めて短く設定されることか
ら、第2溝領域43の抜け勾配による先端側41aと鋳
抜側41bの溝幅の差が小さく溝幅とスプライン歯53
aとのガタ量を低減させることができ、該部の歯打音の
低減が得られる。
プレート50は、スプライン溝41の第3溝領域44に
よって規制され、第1ドリブンプレート52、第2ドリ
ブンプレート53、第3ドリブンプレート54が共に組
付け可能である。しかし第1ドリブンプレート52及び
第2ドリブンプレート53のスプライン歯52a、53
aの先端と第3溝領域44の底部44aとの隙間が大き
く、ガタ量によって認識が容易にできる。この結果、誤
組付けは容易に確認することができ回避することができ
る。
れることから、抜け勾配による先端側41aと鋳抜側4
1bの溝幅と歯幅との差が小さく第3溝領域44のスプ
ライン54aの隙間、即ちガタ量を低減させることがで
き、該部の歯打音の低減が得られる。従って個々のドリ
ブンプレート50の組み付け位置が容易に識別できて組
み付け作業が容易になりかつ誤組付けが容易に防止でき
ると共に、歯打音の低減が得られる。
ート53のスプライン歯53aが段部41bに当接して
第2ドリブンプレート53の移動が規制され、同様に第
3ドリブンプレート54のスプライン歯54aが段部4
3bに当接して第3ドリブンプレート54の過大な移動
が規制されることから、各ドリブンプレート50とドラ
イブプレート5との間に隙間が確保されて摩擦抵抗低減
効果が得られる。
による組み付け作業及び部品管理の簡素化が得られ、か
つ従来の変速機に対してトランスミッションケース1の
スプライン溝41の形状の変更及びドリブンプレート5
0の形状変更等の小変更で対応可能である。スプライン
溝40の形状変更はトランスミッションケース1のダイ
カスト型を制作することによって安価に対応できる。
て多板ブレーキについて説明したが多板クラッチにおい
ても同様の構成によって形成できる。また、使用するプ
レートの枚数が少ない場合は1枚毎に溝領域を設定する
こともできる。
2の実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能である。例えば、第1実施の
形態において第1スプライン溝11及び第2スプライン
溝21を各々第1、第2,第3の3つ溝領域12、2
2、13、23、14、24に区分し、各溝領域に対応
する第1、第2、第3の3種類のドリブンプレート3
2、33、34を用いた場合について説明したが他の複
数の溝領域及びそれに対応する複数の種類のドリブンプ
レートを使用することも可能であり、同様に第2実施の
形態でのスプライン溝41に形成される溝領域42、4
3、44を3つ以外の他の複数の溝領域によって形成
し、かつドリブンプレートをそれに対応する複数種類の
ドリブンプレートにより構成することもできる。
トをトランスミッションにスプライン嵌合される一方、
複数の駆動側プレートが回転体のハブにスプライン嵌合
され、被駆動側プレートと駆動側プレートとが交互に配
置されて互いの摩擦面が面係合する自動変速機の摩擦係
合装置において、スプライン溝を相対向する歯面に形成
された段部によって先端側から鋳抜側に移行するに従っ
て溝幅が順次拡大する複数の溝領域を連続形成すること
によって、各溝領域内における抜け勾配による溝幅の変
化が小さく設定され、歯面とスプライン歯との隙間を低
減させることができる。この結果、部品点数の増加や機
械加工を要することなく製造コストの増加を招くことな
く歯面とスプラインとの隙間に起因する歯打音の低減が
得られる。
被駆動側プレートは、対応する溝領域の溝幅及び溝領域
間のピッチによって規制されて、誤組付けが容易に確認
できて誤組付を未然に防止することができる。
から鋳抜側に移行するに従って底部が上記回転体の回転
中心軸線から離反する複数の溝領域を連続させるように
形成することによって、各溝領域内における抜け勾配に
よる底部の変化が小さく、底部とスプライン歯の先端と
の隙間を低減させることができ、歯打音の低減が得られ
る。一方、スプライン溝の各溝領域に嵌合する被駆動側
プレートは、対応する溝領域の底部によって規制され、
誤組付けが回避される。
ーキを備えた自動変速機の要部断面図である。
ーキを備えた自動変速機の要部断面図である。
断面図である。
応する断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の被駆動側プレートに各々形成され
た複数のスプライン歯が各々トランスミッションケース
に形成された各スプライン溝に各々スプライン嵌合する
一方、複数の駆動側プレートが回転体のハブにスプライ
ン嵌合され、上記被駆動側プレートと駆動側プレートが
交互に配置されて互いの摩擦面が面係合する自動変速機
の摩擦係合装置において、 上記スプライン溝は、 先端側から鋳抜側に移行するに従って歯面に形成された
段部によって階段状に溝幅が順次拡大する複数の溝領域
が連続形成され、 上記各被駆動側プレートは、 上記各々の溝領域の溝幅に対応した歯幅でかつ隣接する
スプライン溝の溝領域間のピッチに対応したスプライン
歯を備えたことを特徴とする自動変速機の摩擦係合装
置。 - 【請求項2】 上記スプライン溝の隣接する溝領域の中
心軸線が互いに偏在していることを特徴とする請求項1
に記載の自動変速機の摩擦係合装置。 - 【請求項3】 複数の被駆動側プレートに各々形成され
た複数のスプライン歯が各々トランスミッションケース
に形成された各スプライン溝に各々スプライン嵌合する
一方、複数の駆動側プレートが回転体のハブにスプライ
ン嵌合され、上記被駆動側プレートと駆動側プレートが
交互に配置されて互いの摩擦面が面係合する自動変速機
の摩擦係合装置において、 上記スプライン溝は、 先端側から鋳抜側に移行するに従って底部に形成された
段部によって階段状に底部が順次上記回転体の回転中心
軸線から離反する複数の溝領域が連続形成され、 上記被駆動側プレートは、 上記各々の溝領域の底部に対応した先端を有するスプラ
イン歯を備えたことを特徴とする自動変速機の摩擦係合
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001007419A JP4388233B2 (ja) | 2001-01-16 | 2001-01-16 | 自動変速機の摩擦係合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009054189A1 (ja) * | 2007-10-24 | 2009-04-30 | Komatsu Ltd. | ブレーキ装置 |
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EP2299140A1 (de) * | 2009-09-16 | 2011-03-23 | ZF Friedrichshafen AG | Lamellenkupplung mit elastischem Element |
-
2001
- 2001-01-16 JP JP2001007419A patent/JP4388233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8602192B2 (en) | 2009-09-16 | 2013-12-10 | Zf Friedrichshafen Ag | Multiple-disk clutch with resilient element |
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