JP2002212899A - 抄き合わせ紙の製造方法 - Google Patents

抄き合わせ紙の製造方法

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JP2002212899A
JP2002212899A JP2000345231A JP2000345231A JP2002212899A JP 2002212899 A JP2002212899 A JP 2002212899A JP 2000345231 A JP2000345231 A JP 2000345231A JP 2000345231 A JP2000345231 A JP 2000345231A JP 2002212899 A JP2002212899 A JP 2002212899A
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智法 中村
Muneoto Chiba
旨音 千葉
Shigeki Matsuhisa
茂樹 松久
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙層形成後の湿潤紙層を抄き合わせ後プレス
し、さらに乾燥する工程を含む2層以上の抄き合わせ紙
の製造方法において、抄紙前の製紙原料中に紙力増強剤
を内添し、抄き合わせ前の湿潤紙層表面に層間接着剤を
塗布あるいはスプレ−して層間強度を向上する場合、前
段階の内添紙力増強剤と後段階の層間接着剤の反応を完
全に行わせることにより、十分な層間強度向上と紙シ−
ト自体の引っ張りや破裂強度の向上も達成できる抄き合
わせ紙の製造方法を提供する。 【解決手段】 両性紙力増強剤を含有する抄き合わせ前
の湿潤紙層表面に、(メタ)アクリル酸を主体とする単
量体をイオン性高分子からなる分散剤を共存させ、塩水
溶液中で分散重合することにより製造した粒系100μ
m以下のアニオン性水溶性高分子微粒子からなる分散液
をスプレ−添加することにより達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄き合わせ紙の製
造法に関するものであり、さらに詳しくは紙層形成後の
湿潤紙層を抄き合わせ後プレスし、さらに乾燥する工程
を含む2層以上の抄き合わせ紙の製造方法において、両
性紙力増強剤を含有する抄き合わせ前の湿潤紙層表面
に、(メタ)アクリル酸を主体とする水溶性単量体をイ
オン性高分子からなる分散剤を共存させ、塩水溶液中で
分散重合することにより製造した粒系1〜100μmの
アニオン性水溶性高分子微粒子からなる分散液をスプレ
−添加することを特徴とする抄き合わせ紙の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来紙の層間強度向上剤としては、生澱
粉あるいは燐酸エステル澱粉があり、それらのスラリ−
をスプレ−する方法が一般的である。特開平11−36
195号公報には、両性高分子電解質を水に溶解し、ポ
リイオンコンプレックスを形成させこれを層間強度向上
剤としてスプレ−する方法が提案されている。また特開
平10−331100号公報には、(メタ)アクリル酸
を含有する高分子微粒子を含む分散液をスプレ−する方
法が提案されている。また、紙質向上方法としてはアニ
オン性あるいは両性アクリルアミド系ポリマ−をウェッ
トエンドに添加して紙質向上を計っている。この内添紙
質向上剤は高添加領域では歩留率が悪くなり、希望の紙
質が得られない欠点を有する。さらに特公平8−330
00号公報には、アニオン性紙力増強剤及びカチオン性
紙力増強剤を含有する抄き合わせ前の湿潤紙層の表面
に、アニオン性高分子物質の水溶性及び/又は水分散液
を塗布した後、定法により抄き合わせ抄造する板紙の製
造方法が開示されている。
【0003】しかしながら前記特公平8−33000号
公報記載の抄き合わせ紙の製造方法のように、アニオン
性紙力増強剤とカチオン性紙力増強剤とを内添した場
合、後に塗布あるいはスプレ−添加する層間接着剤との
反応において効率的では無く、層間強度も十分発現しな
い。その理由として、アニオン性紙力増強剤とカチオン
性紙力増強剤とを別々に添加すると、紙力増強剤が「薄
く」均一に平均的に分布してしまい、シ−ト自体の引っ
張りや破裂強度が発現しない。紙の強度はパルプ繊維間
の接点水素結合力によって発現する。紙力増強剤は、そ
の接点の強度の補強と接点数の増加によって強度を向上
させると考えられる。しかし紙力増強剤添加によって生
成した高分子微粒子の大きさは、繊維間距離や接点面積
に較べると非常に小さい。このスケ−ルの違いをすこし
でも近ずけるため、イオンコンプレックス型紙力増強剤
(両性型や混合型)や分散型紙力増強剤が開発されてい
る。
【0004】また、抄き合わせ時塗布(スプレ−)添加
する層間接着剤は、水溶性では効果は非常に低い。プレ
ス脱水時大部分、水と一緒に脱離してしまう。これを補
うため抄き合わせ前、内添する方法が考案されている
が、十分ではない。さらに水分散性微粒子を添加する方
法において、前段階の内添剤が「薄く」均一に平均的に
分布してしまうと、後段階で水分散性微粒子を添加して
も、内添剤と水分散性微粒子との反応が起き難く効率が
悪い。特に、前記特公平8−33000号公報記載の水
分散性微粒子は、スチレン/マレイン酸モノアルキルエ
ステル/メチルメタクリレ−ト三元共重合体あるいはス
チレン60モル%/アクリル酸エステル25モル%/ア
クリルアミド10モル%/アクリル酸アンモニウム5モ
ル%からなる共重合体であり、アクリルアミドを主体と
する重合体のような水素結合能力の強い重合体ではな
く、接着効果としては弱い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、紙層
形成後の湿潤紙層を抄き合わせ後プレスし、さらに乾燥
する工程を含む2層以上の抄き合わせ紙の製造方法にお
いて、抄紙前の製紙原料中に紙力増強剤を内添し、抄き
合わせ前の湿潤紙層表面に層間接着剤を塗布あるいはス
プレ−して層間強度を向上する場合、前段階の内添紙力
増強剤と後段階の層間接着剤の反応を完全に行わせるこ
とにより、十分な層間強度向上と紙シ−ト自体の引っ張
りや破裂強度の向上も達成できる抄き合わせ紙の製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、以下のような発明に達した。即ち、
請求項1の発明は、紙層形成後の湿潤紙層を抄き合わせ
後プレスし、さらに乾燥する工程を含む2層以上の抄き
合わせ紙の製造方法において、両性紙力増強剤を含有す
る抄き合わせ前の湿潤紙層表面に、(メタ)アクリル酸
を主体とする単量体をイオン性高分子からなる分散剤を
共存させ、塩水溶液中で分散重合することにより製造し
た粒系100μm以下のアニオン性水溶性高分子微粒子
からなる分散液をスプレ−添加することを特徴とする抄
き合わせ紙の製造方法である。
【0007】請求項2の発明は、(メタ)アクリル酸を
主体とする単量体が、(メタ)アクリル酸30〜100
モル%、アクリルアミド0〜70モル%および共重合可
能な他の単量体0〜20モル%からなることを特徴とす
る請求項1に記載の抄き合わせ紙の製造方法である。
【0008】請求項3の発明は、両性紙力増強剤が、カ
チオン性ビニル単量体2〜20モル%、α、β−不飽和
モノ及び/またはジカルボン酸2〜20モル%及びアク
リルアミド60〜96モル%からなる単量体混合物を共
重合して製造した重合体であることを特徴とする請求項
1に記載の抄き合わせ紙の製造方法である。
【0009】請求項4の発明は、イオン性高分子からな
る分散剤のイオン当量が、1.5〜15meq/gであ
ることを特徴とする請求項1に記載の抄き合わせ紙の製
造方法である。
【0010】請求項5の発明は、スプレ−添加時のアニ
オン性水溶性高分子微粒子からなる分散液濃度が、0.
01〜5.0重量%であることを特徴とする、請求項1
〜請求項4のいずれかに記載の抄き合わせ紙の製造方法
である。
【0011】請求項6の発明は、紙層形成後の湿潤紙層
を抄き合わせた後、プレスし、さらに乾燥する工程を含
む2層以上の抄き合わせ紙の製造方法において、紙層形
成後の抄き合わせ前の湿潤紙層に対し0.025〜1.
5g/m2スプレ−添加することを特徴とする、請求項
1〜請求項5のいずれかに記載の抄き合わせ紙の製造方
法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用する分散重合法によ
り製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子
は、(メタ)アクリル酸を含有する水溶性単量体を、塩
水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共
存下で分散重合法により製造された高分子分散液であ
る。使用する酸の単量体としては、メタクリル酸、アク
リル酸あるいはイタコン酸あるいはマレイン酸などであ
る。さらにこの高分子微粒子からなる分散液は、他の非
イオン性の単量体との共重合体でも良い。例えば(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセ
トンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげら
れ、これら酸の単量体あるいは非イオン性単量体のうち
から一種または二種以上と組み合わせ共重合が可能であ
る。最も好ましい組み合わせとしては、アクリル酸とア
クリルアミドである。これら酸の単量体が(共)重合体
中でしめる割合は20〜100モル%であり、好ましく
は30〜100モル%である。
【0013】分散液を構成する高分子の分子量として
は、50万〜500万であり、好ましくは、100万〜
500万である。50万未満では層間接着効果が十分で
はなく、500万以上ではドライヤ−乾燥時の溶解性が
低下する結果、接着効果が低下する。
【0014】本発明で使用する高分子微粒子からなる分
散液を製造する際、分散剤としてはアニオン性、カチオ
ン性のいずれの高分子でも使用することができる。アニ
オン性高分子としては、アニオン性単量体の単独重合体
あるいアニオン性単量体と非イオン性単量体との共重合
体が使用可能である。非イオン性単量体の例としては、
アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、、N−ビニ
ルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメ
チルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−トのなどである。アニオン性単量体は、アクリルアミ
ド2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン
酸、(メタ)アクリル酸などである。
【0015】また、カチオン性高分子としては、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メ
タ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウ
ム塩化物などの単独重合体、これらカチオン性単量体と
上記非イオン性単量体との共重合体である。好ましく使
用されるのは、アクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウム塩化物あるいはジメチルジアリルアンモニウ
ム塩化物の単独重合体である。これら分散剤として使用
するカチオン性高分子のカチオン当量は、1.5〜15
meq/gであり、好ましくは4.0〜15meq/g
である。単量体に対する添加割合は、1%〜10%であ
り、好ましくは2%〜5%である。
【0016】重合時使用する塩類としては、ナトリウム
やカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウム
イオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオ
ン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンと
の塩がより好ましい。塩類溶液の濃度としては、5重量
%以上、飽和濃度以下である。
【0017】次ぎに本発明で使用する高分子微粒子から
なる分散液の製造方法について説明する。分散媒として
使用する無機塩類の水溶液を調整し、分散剤となるイオ
ン性高分子を前記塩水溶液に添加し、原料として使用す
る(メタ)アクリル酸と非イオン性単量体などと混合し
均一溶液とした後、攪拌下重合する。この際、酸の単量
体は、中和を行わない。従って本発明の重合体は、酸性
〜弱酸性領域において重合体粒子は溶解せず、pH7付
近に達したときに初めて粒子は溶解を始める。重合条件
は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決
めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。
【0018】重合開始はラジカル重合開始剤を使用し、
油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸
化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能で
ある。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シク
ロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−
メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メト
キシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげら
れ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0019】水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。ま
たレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモ
ニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ト
リメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどと
の組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例として
は、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、
過酸化水素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペ
ルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニ
ックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘ
キサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤
の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0020】本発明で使用される高分子微粒子からなる
分散液をスプレ−塗布する場合、希望の濃度に希釈して
スプレ−塗布されるが、希釈倍率は自由に選択できる。
一般的に従来の澱粉は0.5〜5重量%程度の濃度に希
釈分散させてスプレ−塗布されているのに対し、本発明
品は、凡そ0.01〜5重量%濃度、好ましくは0.1
〜5重量%濃度でスプレ−塗布する方法が使用できる。
紙質向上剤としてより多くのポリマ−をスプレ−塗布し
たい場合には凡そ0.5〜5重量%濃度でもスプレ−塗
布が可能である。
【0021】本発明で使用する高分子微粒子からなる分
散液は、中性あるいは弱アルカリ性で抄紙された湿潤紙
層にスプレ−した場合、乾燥過程で加熱されるまでは溶
解することが少なく、湿潤紙層内部に高分子微粒子が浸
透さず紙層表面に留まる。抄紙後、湿潤紙層が合わさり
ク−チロ−ルがかかり脱水された状態では高分子び粒子
は紙層−紙層間に留まる。この後、ドライヤ−パ−トで
加熱されて初めて高分子微粒子が、紙層中に残る水分に
より溶解し、微粒子周囲のみ高分子が拡散しパルプ繊維
間の接着が行われる。
【0022】発明のさらなる開示として、本発明で抄き
合わせ時併用する両性紙力増強剤について説明する。す
なわち、両性紙力増強剤は、カチオン性ビニル単量体2
〜20モル%、α、β−不飽和モノ及び/またはジカル
ボン酸2〜20モル%及びアクリルアミド60〜96モ
ル%からなる単量体混合物を共重合して製造した重量平
均分子量100、000〜5、000、000の共重合
体である。共重合体は、既知の重合法を用いて製造する
ことができるが、水溶液重合法で得たものが便利であ
る。重合開始剤としては、アゾ系、過硫酸系あるいはレ
ドクッス系いずれでも使用可能である。メチレンビスア
クリルアミドなどの多不飽和結合架橋剤を用いる場合
は、アゾ系、過硫酸系あるいはレドクッス系いずれでも
良いが、N−置換アクリルアミドなど熱架橋性単量体を
用いて架橋性あるいは分岐性重合体を合成する場合は、
過硫酸系あるいはレドクッス系を使用するほうが良い。
【0023】カチオン性ビニル単量体は、一般的に第三
級アミノ基を有するビニル系水溶性単量体であり、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピ
ルアクリレート及びこれに対応するメタクリレート、あ
るいはアクリルアミドやメタアクリルアミドの誘導体で
あるN−(ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、
N−(ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド及び対
応するメタアクリルアミドなどである。これらカチオン
性ビニル単量体の共重合モル%は、2〜20モル%であ
り、好ましくは3〜10モル%である。
【0024】一方、α,β−不飽和モノ及び/またはジ
カルボン酸は、α,β−不飽和モノカルボン酸の例とし
てアクリル酸、メタクリル酸など、またα,β−不飽和
ジカルボン酸の例としてマレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸、シトラコン酸を挙げることができる。これらは
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用いることも
できる。共重合モル%は、2〜20モル%であり、好ま
しくは2〜15モル%である。
【0025】本発明に用いるモノマー混合物には前記必
須成分の他に本発明の目的をそこなわない範囲で、他の
共重合可能なモノマー例えば、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アルキルアクリレート、アルキルメタ
アクリレート、酢酸ビニル、スチレンなども含有するこ
とができる。
【0026】以下に実施例によって本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、各実施例における%はいずれも重量%であ
る。
【0027】(合成例1)攪拌機、還流冷却管、温度計
および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブル
フラスコに脱イオン水:182g、80%アクリル酸:
38.1g、50%アクリルアミド:72g、40%ジ
メチルジアリルアンモニウムクロリドポリマ−(固有粘
度:0.8)7.5g、硫酸ナトリウム:12gを仕込
み攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の
除去を行う。この間恒温水槽により45℃に内部温度を
調整する。窒素導入30分後、2%の2、2’−アゾビ
ス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジ
ハイドロクロリド水溶液:1gを添加して重合反応を開
始させる。45℃で10時間重合反応を続けた後停止し
た。この反応物を試作−1とする。
【0028】試作−1は分散剤を除いたポリマ−濃度が
21.3%で,アクリル酸:40モル%、アクリルアミ
ド:60モル%のコポリマ−であり、分散液粘度は14
80mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5
〜20μmの粒子であることが判明した。試作−1を蒸
留水で20倍に希釈した分散液は73℃で溶解した。結
果を表1に示す。
【0029】(合成例2)攪拌機、還流冷却管、温度計
および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブル
フラスコに脱イオン水:112g、80%アクリル酸:
16.88g、50%アクリルアミド:108g、分散
剤として20%アクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムクロリドポリマ−(固有粘度1.0)15
g、硫酸ナトリウム:15gを仕込み攪拌しながら窒素
導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間
恒温水槽により40℃に内部温度を調整する。窒素導入
30分後、アクリロニトリル:22.5gを仕込み、続
いて2%の2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド水溶液:
1.6gを添加して重合反応を開始させる。45℃で1
6時間重合反応を続けた後、硫酸ナトリウム:9gを添
加して試作−2を得た。
【0030】試作−2は分散剤を除いたポリマ−濃度が
30%で,アクリル酸:15モル%、アクリロニトリ
ル:25モル%、アクリルアミド:60モル%のコポリ
マ−であり、分散液粘度は960mPa・sであった。
なお、顕微鏡観察の結果、粒径は10〜80μmであっ
た。試作−2を蒸留水で30倍に希釈した熱可溶性ポリ
マ−を含む分散液は68℃で溶解した。結果を表1にし
めす。
【0031】(合成例3)攪拌機、還流冷却管、温度計
および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブル
フラスコに脱イオン水:175g、80%アクリル酸:
3.8g、50%アクリルアミド:74.4g、分散剤
として20%メタクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムクロリドポリマ−(固有粘度1.1)15
g、硫酸ナトリウム:27gを仕込み攪拌しながら窒素
導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間
恒温水槽により45℃に内部温度を調整する。窒素導入
30分後、アクリロニトリル:18.8gを仕込み、続
いて2%の2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロリド水溶液:
1.0gを添加して重合反応を開始させる。45℃で1
0時間重合反応を続けた後、硫酸ナトリウム:12gを
添加して試作−3を得た。試作−3は分散剤を除いたポ
リマ−濃度が16.1%で,アクリル酸:20モル%、
アクリルアミド:80モル%のコポリマ−であり、分散
液粘度は670mPa・sであった。なお、顕微鏡観察
の結果、粒径は5〜15μmであった。試作−3を蒸留
水で20倍に希釈した熱可溶性ポリマ−を含む分散液は
75℃で溶解した。結果を表1に示す。
【0032】(両性紙力増強剤の合成例)攪拌機、温度
計、還流冷却器および窒素ガス管を備えた四つ口フラス
コに、50%アクリルアミド319部、60%アクリル
酸 22部、ジメチルアミノエチルメタアクリレート2
4.6部、N,N−ジメチルアクリルアミド3.4部お
よびイオン交換水631部を仕込み、反応液のpHは塩
酸を用いてpH4.0に調整後、窒素ガスを通して系内
の溶存酸素を除去した。モノマー水溶液の温度を40℃
として攪拌条件下重合開始剤として過硫酸アンモニゥム
1部および亜硫酸水素ナトリウム 0.1部を添加
後、80℃まで昇温させ反応液を5時間保温した。重合
終了後、イオン交換水を加えて重合物総量を1333部
として、固形分15%、ブルックフィールド粘度計
7,800cpsの共重合体を得た。また、静的光散乱
法による分子量測定器(大塚電子DLS−7000)に
よって重量平均分子量を測定すると2、500、000
であった。これを試作−4とする。同様にして試作5〜
6を合成した。以上の結果を表2に示す。
【0033】
【実施例1〜9】LBKPをナイヤガラ式ビ−タ−にて
叩解し、カナデイアンスタンダ−ドフリネス(C.F.
S.)430MLに調整したパルプを1%に希釈した
後、液体バンド1%添加した後,パルプスラリ−のpH
を5.0%炭酸ナトリウム水溶液でpH6.5に調整し
た。この紙料500mlを採取し、試作−4〜試作−6
の両性紙力増強剤を対パルプ0.2%添加して20秒間
攪拌し、タッピスタンダ−ドシ−トマシン(1/16m
2)に投入し乾燥坪量80g/m2の紙を抄紙した。ワイ
ヤ−上のウェットシ−トに濾紙、ク−チプレ−トを乗せ
ク−チロ−ル3回かけ湿紙を濾紙に転写した。これをA
層とした。次いで同様に乾燥坪量80g/m2の紙を抄
紙し、ワイヤ−ごと湿紙を直示天秤に乗せ、試作−1〜
試作−3を表1に記載した所定の希釈濃度に希釈して作
ったポリマ−分散液を圧力2.5気圧で10.0gノズ
ルよりスプレ−塗布した。これをB層とした。
【0034】A層を濾紙がついたままB層に合わせ、そ
の後濾紙を剥がした。これをワイヤ−ごとシ−トマシン
に戻し、シ−トマシンに水を張りワイヤ−の下まで満た
した水を排水することにより減圧脱水し、新たに濾紙を
乗せ、ク−チロ−ルを3回かけ濾紙に転写させた。転写
した湿紙を2枚の濾紙に挟み、3kg/m2の圧力で5
分間プレス後、ロ−タリ−ドライヤ−で乾燥させて抄き
合わせ紙をえた。得られた抄き合わせ紙を調湿後J−T
APPI紙パルプ試験法NO.19−77に従って、T
字剥離強さ(gf/5cm)を測定した。結果を表3に
示す。使用したアニオン性水溶性高分子からなる分散液
及び両性紙力増強剤の試料名、希釈濃度、塗布量も合わ
せて表3に示す。
【0035】
【比較例1〜7】比較として、紙力増強剤をアニオン性
水溶性重合体(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム
=93/7(モル比)共重合体、分子量180万)とカ
チオン性水溶性重合体(アクリルアミド/メタアクリル
酸ジメチルアミノエチル=90/10(モル比)共重合
体、分子量215万)とによるイオンコンプレクッス
(比較−1)を用い、スプレ−による層間強度剤として
試作−1〜試作−3を用いた場合、及び両性紙力増強剤
の試作−4〜試作−6を内部添加し、アニオン性紙力増
強剤をアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=89/
11(モル比)(分子量200万)からなる共重合体
(比較−2)をスプレ−した場合につき試験を行った。
また、同時にコ−ンスタ−チ(比較−3)の分散液をス
プレ−した場合についても試験した。結果を表3に示
す。
【0036】表3から、本発明の両性紙力増強剤と分散
液からなるアニオン性水溶性高分子を用いた実施例1〜
9の場合は、T字剥離強さが高く、層間強度向上した紙
が得られることがわかる。それに対して、紙力増強剤と
してポリイオンコンプレクッスを用いた比較例1〜3、
層間強度として溶液タイプのアニオン性水溶性高分子を
用いた比較例4〜6の場合は、それぞれT字剥離強さが
低く、層間強度が向上していない。
【0037】
【実施例10〜18】実施例1〜9と同様に、ダンボ−
ル古紙を400mlに叩解した紙料について両性紙増強
剤試作−4〜試作−6を内部添加し、水溶性アニオン性
高分子からなる分散液、試作−1〜試作−3をスプレ−
添加し、抄き合わせ試験片を得て、T字剥離強さの測定
を行った。結果を表4に示す。
【0038】
【比較例8〜14】段ボ−ル古紙を用い、比較例1〜7
と同様な組合せあるいはコンスタ−チを用いた場合につ
き試験した。結果を表4に示す。
【0039】表4から、本発明の両性紙力増強剤と分散
液からなるアニオン性水溶性高分子を用いた実施例10
〜18の場合は、T字剥離強さが高く、層間強度が向上
した抄き合わせ紙が得られることがわかる。それに対し
て、紙力増強剤としてポリイオンコンプレクッスを用い
た比較例8〜10、層間強度として溶液タイプのアニオ
ン性水溶性高分子を用いた比較例11〜13の場合は、
それぞれT字剥離強さが低く、層間強度が向上していな
い。
【0040】
【表1】 AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、AN:
アクリロニトリル DMM:ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、 分散液(溶液)粘度:mPa・s、分子量:単位は万
【0041】
【表2】 T字剥離強さ:gf/5cm、裂断長:Km
【0042】
【表3】 T字剥離強さ:gf/5cm、裂断長:Km
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AA03 AA11 AC06 AG64 AG70 AG71 AG72 AG73 AG74 AG89 AH16 AH37 AJ01 BD04 BD10 BD17 BE08 EA14 EA16 EA25 EA29 EA32 FA13 GA05 GA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙層形成後の湿潤紙層を抄き合わせ後プ
    レスし、さらに乾燥する工程を含む2層以上の抄き合わ
    せ紙の製造方法において、両性紙力増強剤を含有する抄
    き合わせ前の湿潤紙層表面に、(メタ)アクリル酸を主
    体とする単量体をイオン性高分子からなる分散剤を共存
    させ、塩水溶液中で分散重合することにより製造した粒
    系100μm以下のアニオン性水溶性高分子微粒子から
    なる分散液をスプレ−添加することを特徴とする抄き合
    わせ紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸を主体とする水溶性
    単量体が、(メタ)アクリル酸30〜100モル%、ア
    クリルアミド0〜70モル%および共重合可能な他の単
    量体0〜20モル%からなることを特徴とする請求項1
    に記載の抄き合わせ紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 両性紙力増強剤が、カチオン性ビニル単
    量体2〜20モル%、α、β−不飽和モノ及び/または
    ジカルボン酸2〜20モル%及びアクリルアミド60〜
    96モル%からなる単量体混合物を共重合して製造した
    重合体であることを特徴とする請求項1に記載の抄き合
    わせ紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 イオン性高分子からなる分散剤のイオン
    当量が、1.5〜15meq/gであることを特徴とす
    る請求項1に記載の抄き合わせ紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 スプレ−添加時のアニオン性水溶性高分
    子微粒子からなる分散液濃度が、0.01〜5.0重量
    %であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載の抄き合わせ紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 紙層形成後の湿潤紙層を抄き合わせた
    後、プレスし、さらに乾燥する工程を含む2層以上の抄
    き合わせ紙の製造方法において、紙層形成後の抄き合わ
    せ前の湿潤紙層に対し0.025〜1.5g/m2スプ
    レ−添加することを特徴とする、請求項1〜請求項5の
    いずれかに記載の抄き合わせ紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102704346A (zh) * 2012-06-25 2012-10-03 湖南工业大学 一种多层沉积制备阻燃纸的方法
KR20200016222A (ko) * 2017-06-14 2020-02-14 케미라 오와이제이 종이 또는 보드 제품의 강도 특성을 높이기 위한 방법
US10590604B2 (en) 2015-01-27 2020-03-17 Kemira Oyj Polymer product in particle form and its use

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