JP3301191B2 - 抄き合わせ紙の製造方法 - Google Patents

抄き合わせ紙の製造方法

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JP3301191B2 JP34778193A JP34778193A JP3301191B2 JP 3301191 B2 JP3301191 B2 JP 3301191B2 JP 34778193 A JP34778193 A JP 34778193A JP 34778193 A JP34778193 A JP 34778193A JP 3301191 B2 JP3301191 B2 JP 3301191B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抄き合わせ紙の製造方
法に関する。詳しくは、層間接着剤として、両性の(メ
タ)アクリルアミド系水溶性または水分散性高分子(以
下、両性の(メタ)アクリルアミド系水溶性または水分
散性高分子を、単にアクリルアミド系水溶性高分子とも
いう)を白濁した状態で使用してなる、層間接着強度に
優れた抄き合わせ紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、抄き合わせ紙の製造にあたっ
ては、層間接着強度を向上させるために、抄き合わせ前
の湿潤紙層の表面に、層間接着剤をスプレーにより塗布
しており、かかる層間接着剤としては、主に未糊化の澱
粉分散液が使用されている。しかし、澱粉の接着強度は
弱く、充分な層間接着強度を得るためには澱粉を多量に
使用しなければならない。また抄き合わせた後の乾燥工
程で充分に糊化しなかったり、糊化時に澱粉を吸水した
水が層間でふくれ現象を起こすなどの問題の他に、スプ
レーノズルの詰まりや分散液の沈降により添加量が振れ
るなどの作業上の問題、さらには層間に定着されずに紙
外へ抜けた澱粉が排水のCOD上昇の原因となるなどの
環境上の問題もある。
【0003】また、層間接着剤として、アクリルアミド
系水溶性高分子を用いることにより前記作業上の問題等
を解消する方法が提案されている。かかるアクリルアミ
ド系水溶性高分子を用いて層間強度に優れた抄き合わせ
紙を得るためには、アクリルアミド系水溶性高分子を高
分子量化することにより層間への定着性を向上させる必
要がある。しかし、分子量の上昇に伴い粘度も上昇する
ためスプレー液が霧状とならずに均一に塗布することが
できなくなるといった問題がある。一方、均一に塗布す
るためにはスプレー液の濃度を低下しなければならない
などの問題があり、層間強度に優れた抄き合わせ紙を作
業性よく製造しうるアクリルアミド系水溶性高分子は未
だ得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、層間接着剤
として、層間への定着性がよく、しかもスプレー塗布に
も適したアクリルアミド系水溶性高分子を低添加量で使
用することにより、層間接着強度に優れた抄き合わせ紙
を作業性よく製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、層間
接着剤として、アクリルアミド系水溶性高分子を白濁し
た状態で使用した場合には、低添加量で層間接着強度に
優れた抄き合わせ紙を作業性よく製造しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、抄き合わせ前の湿潤
紙層の表面に、層間接着剤を塗布した後に、抄き合わせ
て、2層以上の抄き合わせ紙を製造するにあたり、層間
接着剤として、両性の(メタ)アクリルアミド系水溶性
または水分散性高分子を、0.1〜5.0重量%の濃度
において濁度5度以上の白濁した状態で使用することを
特徴とする抄き合わせ紙の製造方法に関する。
【0007】本発明で用いる両性の(メタ)アクリルア
ミド系水溶性高分子とは、(メタ)アクリルアミド、ア
ニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーを共重合し
て得られるものをいう。すなわち、本発明ではアクリル
アミド系水溶性高分子が、希薄溶液において等電点によ
るイオンコンプレックスを形成し不溶化する性質を利用
して、アクリルアミド系水溶性高分子を白濁させるた
め、該水溶性高分子はアニオン性基およびカチオン性基
を有することが必須とされる。
【0008】本発明において、(メタ)アクリルアミド
とは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドをいい、
これらは単独使用または併用できるが、経済性の面から
はアクリルアミドを単独使用するのがよい。
【0009】アニオン性モノマーとしては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン
酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シ
トラコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各
種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等があげられる。
【0010】また、カチオン性モノマーとしては、たと
えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級アミノ基を
有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸
などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第三級ア
ミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライド、ベンジ
ルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなど
の四級化剤との反応によって得られる第四級アンモニウ
ム塩を含有するビニルモノマーなどがあげられる。
【0011】前記(メタ)アクリルアミドおよびイオン
性モノマーの使用量は、これらを共重合して得られるア
クリルアミド系水溶性高分子が0.1〜5.0重量%の
濃度において白濁し、層間接着剤として使用した場合
に、層間への定着率がよく、かつスプレー適性に優れ、
安定な操業が可能となるように、十分考慮して決定しな
ければならない。
【0012】すなわち、(メタ)アクリルアミドの使用
量は、モノマーの総モル和に対し、通常50〜99.9
モル%程度、好ましくは60〜99.5モル%である。
また、カチオン性モノマーの使用量はモノマーの総モル
和に対し、通常0.5〜20モル%程度、好ましくは1
〜10モル%であり、アニオン性モノマーの使用量は、
モノマーの総モル和に対し、通常0.5〜20モル%程
度、好ましくは1〜10モル%使用する。これらイオン
性モノマーの割合が前記範囲に満たない場合には、イオ
ン成分の割合が少なく湿潤紙層の表面への定着性が悪く
なり、また前記範囲を越える場合には(メタ)アクリル
アミドの割合が少なくなり紙力が悪くなり、いずれの場
合も十分な層間強度を有する抄き合わせ紙が得られな
い。
【0013】また、本発明においては、前記モノマーに
加えて、架橋性モノマーを使用することもできる。架橋
性モノマーを使用した場合には、低粘度かつ高分子量の
アクリルアミド系水溶性高分子が得られ、層間への定着
率をさらに向上させることができる。
【0014】架橋性モノマーとしては、たとえば、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレー
ト類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレン
ビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メ
タ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド
類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビ
ニルエステル類、エポキシアクリレート類、ウレタンア
クリレート類、N−メチロールアクリルアミド、ジアリ
ルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフ
タレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼン
等の2官能性モノマー、1,3,5−トリアクリロイル
ヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテー
ト、N,N−ジアリルアクリルアミド等の3官能性モノ
マー、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テ
トラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テト
ラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミ
ン塩、テトラアリルオキシエタン等の4官能性モノマー
等があげられる。
【0015】本発明の架橋性モノマーとしては、連鎖移
動性置換基を有するビニルモノマーを使用することもで
きる。連鎖移動性置換基を有するビニルモノマーとして
は、連鎖移動性官能基を有するものであれば特に制限な
く使用でき、たとえばアリル基、ポリアルキレングリコ
ール基、N−置換アミド基等を有するビニルモノマーお
よびイタコン酸ジエステル等があげられる。アリル基を
有するビニルモノマーとしては、アリル(メタ)アクリ
レート、N−アリル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジアリル(メタ)アクリルアミド、アリルアミンなどが
挙げられる。また、ポリアルキレングリコール基として
は、少なくとも2個のオキシアルキレン基の繰り返し単
位を有するものであればよく、通常繰り返し単位10個
程度までのものを使用できる。具体例としては、ジエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、前記同様のポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート等があげられる。また、N
−置換アミド基等を有するビニルモノマーとしては、ジ
メチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、
イソプロピルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンカルボン酸およびこれらの炭素数1〜
4のアルキルエステル等があげられる。また、イタコン
酸ジエステルとしては炭素数1〜4アルキル基のイタコ
ン酸ジアルキルエステルがあげられる。本発明では前記
架橋性モノマーであればいずれも使用できるが、連鎖移
動性置換基を有するビニルモノマーを使用することが好
ましい。また、架橋性モノマーは1種を使用してもよ
く、2種以上を使用してもよい。
【0016】架橋性モノマーの使用量は、モノマーの総
モル和に対し、通常10モル%程度以下、好ましくは
0.01〜5モル%である。10モル%を越える場合に
は得られる共重合体がゲル状となり好ましくない。
【0017】さらに、本発明においては、前記モノマー
に加えて、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、
α−オレフィン等の疎水性モノマーを使用して、さらに
定着性を向上させることもできる。かかる疎水性モノマ
ーの使用量は、モノマーの総モル和に対し、通常40モ
ル%程度以下、好ましくは35モル%以下とされる。
【0018】前記モノマーを、共重合して、アクリルア
ミド系水溶性高分子を得る方法は、従来公知の各種方法
を採用できる。例えば、所定の反応容器に前記各モノマ
ーおよび水を仕込み、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウ
ムのごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重
合開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を加え、撹拌
下、加温することによりアクリルアミド系水溶性高分子
を得ることができる。
【0019】かくして得られたアクリルアミド系水溶性
高分子の重量平均分子量は、通常10万〜1000万程
度であり、粘度は固形分濃度7重量%に換算して通常1
00000cps(25℃)程度以下、好ましくは30
000cps(25℃)程度以下の性状である。かかる
アクリルアミド系水溶性高分子のなかでも、特に、架橋
性モノマーを使用しているものは、従来使用されてい
た、直鎖状のアクリルアミド系水溶性高分子に比べ、高
分子量でありながら比較的低粘度であり、通常、重量平
均分子量は150万〜1000万程度で、粘度は固形分
濃度15重量%に換算して通常10000cps(25
℃)程度以下、好ましくは5000cps(25℃)程
度以下の性状である。
【0020】本発明では、層間接着剤として、前記アク
リルアミド系水溶性高分子を、0.1〜5.0重量%の
濃度において濁度5度以上の白濁した状態で使用する。
【0021】本発明でいう白濁とは、アクリルアミド系
水溶性高分子が特定のモノマー組成の希薄溶液において
等電点によるイオンコンプレックスを形成し、沈澱が生
じない程度に白濁した状態をいう。一般的には濁度が5
度以上の状態を言い、好ましくは濁度が5〜500度の
範囲にある状態をいう。ここに濁度とは、ANALIT
E濁度計152型(セントラル科学(株)製)を用いて
900nmの赤外光を利用した180度の散乱光を測定
することによって得られた値であり、測定値は標準物質
(ホルマジン標準液400度、和光純薬工業(株)製)
に対する相対的な評価値をいう。
【0022】かかるアクリルアミド系水溶性高分子の白
濁は、前記のとおり特定のモノマー組成の希薄溶液にお
いて等電点によるイオンコンプレックスを形成し不溶化
する性質を利用するものである。白濁させる方法として
は、アニオン性基、カチオン性基の割合や中和度等を適
宜に調整したアクリルアミド系水溶性高分子を製造し、
所定の濃度に希釈して白濁させる方法や、アクリルアミ
ド系水溶性高分子を製造し希釈溶液を調整したのちに酸
性物質またはアルカリ性物質を加えてイオンコンプレッ
クスを形成させる方法がある。また、0.1〜5.0重
量%の濃度とは、一般に層間接着剤を塗布する濃度であ
り、本発明においては、アクリルアミド系水溶性高分子
をかかる濃度で白濁させる条件を採用する必要がある。
【0023】なお、前記酸性物質の具体例としては、塩
酸、硫酸、硝酸等の無機酸や酢酸、酪酸等の有機酸等が
あげられる。またアルカリ性物質の具体例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリや
アンモニア、各種有機アミン及び炭酸ソーダ等のアルカ
リ金属塩等があげられる。
【0024】本発明では、前記アクリルアミド系水溶性
高分子が白濁した状態のものを層間接着剤として、抄き
合わせ前の湿潤紙層の表面に塗布した後に、常法により
抄き合わせて、脱水、乾燥して、2層以上の抄き合わせ
紙を製造する。
【0025】層間接着剤の塗布は一般的にはスプレーで
行い、層間接着剤は、通常0.1〜5.0重量%程度の
濃度で、3〜50cps(25℃)程度の粘度で使用す
る。また、層間接着剤は通常、パルプ固形分に対し、
0.05〜3.0重量%の使用割合で塗布すればよい。
【0026】なお、前記のアクリルアミド系水溶性高分
子からなる層間接着剤は、本発明の目的を損なわない程
度に、従来より層間接着剤として用いられている澱粉、
変性澱粉、カゼイン、ガラクトマンナン等の天然樹脂の
粉状物と併用することもできる。
【0027】本発明の抄き合わせ紙の製造方法において
は、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗
布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、水分量の少な
い方の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布することに
より、さらに抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させる
ことができる。すなわち、湿潤紙層の表面の水分量はそ
れぞれ異なるため、上記塗布方法のように層間接着剤を
塗布する湿潤紙層の表面を選択すれば、抄紙工程中に水
分とともに紙外へ流出する層間接着剤を最小限に抑える
ことができ、その結果、層間への層間接着剤の定着の割
合が多くなり、抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させ
ることができる。
【0028】また、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、
層間接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうち
の、抄紙機の脱水方向に対し反対側にある湿潤紙層の表
面に、層間接着剤を塗布することによっても、さらに抄
き合わせ紙の層間接着強度を向上させることもできる。
すなわち、上記塗布方法のように層間接着剤を塗布する
湿潤紙層の表面を選択すれば、抄き合わせ後の脱水の際
に、水分とともに紙外へ流出する層間接着剤を最小限に
抑えることができ、その結果、層間への層間接着剤の定
着の割合が多くなり、抄き合わせ紙の層間接着強度を向
上させることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高い層間接着強度を有
する抄き合わせ紙を提供できる。また、本発明で用いる
層間接着剤は白濁して凝集物を形成しているため、低粘
度であり作業性にも優れる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。なお、部および%はいずれも重
量基準による。
【0031】製造例1 撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えたフラスコに、アクリルアミド154部、80%アク
リル酸水溶液13部、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート12部およびイオン交換水770部を仕込んだ後、
硫酸を用いてpHを4〜5に調整した。撹拌下、40℃
まで加熱し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.
25部および亜硫酸水素ナトリウム0.08部を加え、
還流下に120分間重合を行っ後、イオン交換水を加
え、固形分濃度7%、粘度7500cps(25℃)、
平均分子量140万の両性のアクリルアミド系水溶性高
分子を得た。
【0032】製造例2 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管、モノマ
ー用滴下ロートおよび触媒用滴下ロートを備えたフラス
コに、イオン交換水475部を入れ、撹拌下、90℃ま
で加熱した。次に、モノマー用滴下ロートにアクリルア
ミド287部、イタコン酸3部、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミド11部、メチレンビスアクリルアミ
ド0.05部およびイオン交換水558部を仕込み、硫
酸を用いてpHを4〜5に調整した。また、触媒用滴下
ロートには、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.
4部およびイオン交換水100部を仕込んだ。窒素ガス
を通じて全ての反応系内の酸素を除去した後、触媒は連
続的に200分間かけて滴下し、一方モノマーは120
分間かけて滴下して、還流下に重合を行った後、48%
水酸化ナトリウム水溶液4部およびイオン交換水を加
え、固形分濃度15%、粘度2800cps(25
℃)、平均分子量310万の両性のアクリルアミド系水
溶性高分子を得た。
【0033】製造例3 実施例1と同様の反応装置に、アクリルアミド154
部、80%アクリル酸8部、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート7部およびイオン交換水770部を仕込み、
硫酸を用いてpHを4〜5に調整した後、窒素ガスを通
じて全ての反応系内の酸素を除去した。撹拌下、40℃
まで加熱し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.
25部および亜硫酸水素ナトリウム0.08部を加え、
85℃で120分間重合を行っ後、イオン交換水を加
え、固形分濃度7%、粘度4800cps(25℃)、
平均分子量105万の両性のアクリルアミド系水溶性高
分子を得た。
【0034】製造例4 実施例2と同様の反応装置に、イオン交換水474部を
入れ、撹拌下、90℃まで加熱した。次に、モノマー用
滴下ロートにアクリルアミド265部、イタコン酸3
部、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド7部、ジ
メチルアクリルアミド2.1部およびイオン交換水55
8部を仕込んだ後、硫酸を用いてpHを4〜5に調整し
た。また、触媒用滴下ロートには、重合開始剤として過
硫酸アンモニウム1.7部およびイオン交換水100部
を仕込んだ。窒素ガスを通じて全ての反応系内の酸素を
除去した後、触媒は連続的に200分間かけて滴下し、
一方モノマーは120分間かけて滴下して、還流下に重
合を行った後、イオン交換水を加え、固形分濃度15
%、粘度1500cps(25℃)、平均分子量240
万の両性のアクリルアミド系水溶性高分子を得た。
【0035】実施例1〜3 段ボール古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナ
ディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F.)
420mlに調整したパルプに硫酸バンドを2%添加し
た後、市販のアニオン性アクリルアミド系紙力増強剤を
対パルプ0.9%添加して撹拌し均一に混合した。得ら
れたパルプスラリー(pH5.1)を0.5%まで希釈
し、手抄紙試験機により水分量86%の湿紙Aと水分量
96%の湿紙B(乾燥坪量100g/m2 )を調製し
た。湿紙Bの片面に、表1に示す製造例1〜3で得た各
種アクリルアミド系水溶性高分子をイオン交換水で0.
7%に希釈し、白濁した状態(濁度を表1に示す)のも
のを、パルプ固形分に対してアクリルアミド系水溶性高
分子の固形分が0.7%となる割合でスプレー塗布した
後、湿紙Aと湿紙Bの塗布面を重ね、湿紙Bの方向に1
50mmHgで1分間吸引脱水し、乾燥して、抄き合わ
せ紙を得た。
【0036】実施例4 実施例1において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、製造例4で得たアクリルアミド系水溶性
高分子に代えて、5%硫酸水溶液を加えて白濁させた以
外は、実施例1と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0037】実施例5 実施例1において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、湿紙Aの片面に塗布し、吸引脱水を湿紙
Aの方向から行った以外は、実施例1と同様に行い、抄
き合わせ紙を得た。
【0038】実施例6 実施例1において、吸引脱水を湿紙Aの方向から行った
以外は、実施例1と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0039】実施例7 実施例1において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、湿紙Aの片面に塗布した以外は、実施例
1と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0040】比較例1 実施例1において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子をpH調整することなく使用した以外は、実
施例1と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0041】実施例8〜10 BKPをナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディア
ン・スタンダード・フリーネス(C.S.F.)550
mlに調整したパルプに、市販の両性アクリルアミド系
紙力増強剤を対パルプ0.9%添加して撹拌し均一に混
合した。得られたパルプスラリー(pH7.8)を0.
5%まで希釈し、手抄紙試験機により水分量86%の湿
紙Aと水分量96%の湿紙B(乾燥坪量100g/m
2 )を調製した。湿紙Bの片面に、表1に示す製造例1
〜3で得た各種アクリルアミド系水溶性高分子をイオン
交換水で0.7%に希釈し、白濁した状態(濁度を表2
に示す)のものを、パルプ固形分に対してアクリルアミ
ド系水溶性高分子の固形分が0.7%となる割合でスプ
レー塗布した後、湿紙Aと湿紙Bの塗布面を重ね、湿紙
Bの方向に150mmHgで1分間吸引脱水し、乾燥し
て、抄き合わせ紙を得た。
【0042】実施例11 実施例8において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、製造例4で得たアクリルアミド系水溶性
高分子に代えて、5%硫酸水溶液を加えて白濁させた以
外は、実施例8と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0043】実施例12 実施例8において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、湿紙Aの片面に塗布し、吸引脱水を湿紙
Aの方向から行った以外は、実施例8と同様に行い、抄
き合わせ紙を得た。
【0044】実施例13 実施例8において、吸引脱水を湿紙Aの方向から行った
以外は、実施例8と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0045】実施例14 実施例8において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子を、湿紙Aの片面に塗布した以外は、実施例
8と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0046】比較例2 実施例8において、製造例1で得たアクリルアミド系水
溶性高分子をpH調整することなく使用した以外は、実
施例8と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0047】(層間接着強度の測定)得られた抄き合わ
せ紙を24時間調湿後、J−TAPPI紙パルプ試験方
法No.19−77に従って層間接着強度(T字剥離強
度(g/インチ))を測定した。結果を表1または表2
に示す。
【0048】(定着率)得られた抄き合わせ紙の窒素含
有量を測定し、層間への定着率を算出した。定着率
(%)=(B−C)/A×100。A:塗布したアクリ
ルアミド系水溶性高分子の窒素量測定値、B:アクリル
アミド系水溶性高分子を層間接着剤として塗布して抄き
合わせた紙の窒素量測定値、C:Bと同じパルプを用い
て層間接着剤を塗布せず抄き合わせた紙の窒素量測定
値。結果を表1または表2に示す。
【0049】(濁度)ANALITE濁度計152型
(セントラル科学(株)製)を用いて900nmの赤外
光を利用した180度の散乱光を測定することによって
得られた値であり、測定値は標準物質(ホルマジン標準
液400度、和光純薬工業(株)製)に対する相対的な
評価値をいう。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1、表2の結果より、本発明におけるア
クリルアミド系水溶性高分子を用いた層間接着剤によれ
ば、従来の白濁していない両性のアクリルアミド系水溶
性高分子を用いた層間接着剤に比べて優れた層間接着強
度を有する抄き合わせ紙が得られることが認められる。
また、本発明の特定の塗布方法によれば、さらに優れた
層間接着強度を有する抄き合わせ紙が得られることが認
められる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−101200(JP,A) 特開 平5−86597(JP,A) 特開 昭48−6004(JP,A) 特開 昭63−227896(JP,A) 特開 昭63−21999(JP,A) 特開 昭62−257498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間
    接着剤を塗布した後に、抄き合わせて、2層以上の抄き
    合わせ紙を製造するにあたり、層間接着剤として、両性
    の(メタ)アクリルアミド系水溶性または水分散性高分
    子を、0.1〜5.0重量%の濃度において濁度5度以
    上の白濁した状態で使用することを特徴とする抄き合わ
    せ紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリルアミド系水溶性または
    水分散性高分子が構成モノマーとして、架橋性モノマー
    を含有してなる請求項1記載の抄き合わせ紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間
    接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、水
    分量の少ない方の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布
    することを特徴とする請求項1または2に記載の抄き合
    わせ紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間
    接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、抄
    紙機の脱水方向に対し反対側にある湿潤紙層の表面に、
    層間接着剤を塗布することを特徴とする請求項1、2ま
    3記載の抄き合わせ紙の製造方法。
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