JP3551213B2 - 製紙用添加剤および抄き合わせ紙の製造方法 - Google Patents

製紙用添加剤および抄き合わせ紙の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の製紙用添加剤は紙力増強剤、濾水性向上剤、抄き合わせ紙の層間接着剤等の製紙における各種の添加剤として利用できる。とりわけ、本発明の製紙用添加剤を抄き合わせ紙の層間接着剤として使用した場合には、層間接着強度に優れた抄き合わせ紙を製造することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、抄き合わせ紙の製造にあたっては、層間接着強度を向上させるために、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤をスプレーにより塗布しており、かかる層間接着剤としては、主に未糊化の澱粉分散液が使用されている。しかし、澱粉の接着強度は弱く、充分な層間接着強度を得るためには澱粉を多量に使用しなければならない。また抄き合わせた後の乾燥工程で充分に糊化しなかったり、糊化時に澱粉を吸水した水が層間でふくれ現象を起こすなどの問題の他に、スプレーノズルの詰まりや分散液の沈降により添加量が振れるなどの作業上の問題、さらには層間に定着されずに紙外へ抜けた澱粉が排水のCOD上昇の原因となるなどの環境上の問題もある。
【0003】
また、層間接着剤として、アクリルアミド系水溶性高分子を用いることにより前記作業上の問題等を解消する方法が提案されている。かかるアクリルアミド系水溶性高分子としては、層間への定着性を向上させて層間強度に優れた抄き合わせ紙を得るために、イオン性基や疎水性モノマー等が多量に導入されたものが提案されている。しかし、アクリルアミド系水溶性高分子にイオン性基を多量に導入した場合には、抄紙用具の汚れを引き起こしたり、その凝集性の強さから紙層形成に悪影響を及ぼし十分に紙力が向上しない。また、アクリルアミド系水溶性高分子に疎水性モノマーを多量に導入した場合には、相対的にアクリルアミド成分が減少するため、水素結合力による紙力の向上が十分でなく、さらにはアクリルアミドとの共重合性が悪いため、均一な組成の共重合体が得られず所望の紙力向上を十分には達成できないという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紙層への定着性がよく、かつ優れた紙力向上効果を発現する製紙用添加剤を提供するとともに、該製紙用添加剤を層間接着剤として使用することにより層間接着強度に優れた抄き合わせ紙を作業性よく製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のN置換(メタ)アクリルアミドを構成成分とするイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を含有してなる白濁した状態の製紙用添加剤が前記目的に合致していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、N置換基がイオン性を示すような原子団を含まず、かつN置換基中に12個の炭素原子を有する(ただし、アルデヒド基を有するものを除く)N置換(メタ)アクリルアミド0.1〜10モル%を構成成分とするイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を含有してなる製紙用添加剤、および、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布した後に、抄き合わせて、2層以上の抄き合わせ紙を製造するにあたり、層間接着剤として、前記製紙用添加剤を使用することを特徴とする抄き合わせ紙の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子は、(メタ)アクリルアミド、イオン性モノマーおよび前記特定のN置換(メタ)アクリルアミドを共重合して得られるもの、さらには必要により架橋性モノマー、その他のモノマーを性能に悪影響を及ぼさない範囲で共重合して得られるものである。
【0008】
本発明において、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドをいい(以下、(メタ)とは同様の意味である)、これらは単独使用または併用できるが、経済性の面からはアクリルアミドを単独使用するのがよい。
【0009】
イオン性モノマーとしては、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーがあげられる。アニオン性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等があげられる。また、カチオン性モノマーとしては、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーなどがあげられる。これらのイオン性モノマーは1種を単独でまたは2種以上を併用でき、(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子にアニオン性、カチオン性または両性のいずれかのイオン性を付与する。
【0010】
本発明のN置換(メタ)アクリルアミドとは、(メタ)アクリルアミドの窒素原子に結合する1または2個の水素原子の代わりに、N置換基としてイオン性を示すような原子団を含まず、かつ12個の炭素原子を有するものをいう。本発明でいうイオン性を示すような原子団とは、酸性乃至アルカリ性のpH域において、アニオン性またはカチオン性を示す官能基をいい、たとえば、カルボキシル基、スルホニル基等のアニオン性官能基や、アミノ基等のカチオン性官能基をいう。したがって、N置換基からは、このようなイオン性を示す官能基を有するものは排除される。また、12個の炭素原子を有するものとは、N置換が、アルキル基等のように、炭素原子のみから構成されるものはもちろん、炭素原子の他に、前記でいうイオン性を示さない他の原子(たとえば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、塩素原子等)を含有するものを含む(ただし、アルデヒド基を有するものを除く)。また、N置換基中の炭素原子が12個とされるのは、N置換基の疎水性により、製紙用添加剤(層間接着剤)がポリマーコンプレックスを形成して、紙層への定着性を向上させるためである
【0011】
このような、N置換基としては、たとえば、オクチル基、ドデシル基、1−メチルウンデシル基、1−メチルノニル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基等の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;ブトキシメチル基等の酸素原子を含む置換基;ベンジル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、4−(メチルチオ)フェニル基、[4−(クロロメチル)フェニル]メチル基等の芳香環を含む置換基等があげられる。
【0012】
また、本発明においては、前記モノマーに加えて架橋性モノマーを用いることができる。たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルアミン、N−メチロールアクリルアミド等の2官能モノマー、トリアリルイソシアヌレ−ト、N,N−ジアリルアクリルアミド等の3官能モノマー、テトラアリルオキシエタン等の4官能性モノマーや、アリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド等の連鎖移動性置換基を有するビニルモノマー等があげられる。
【0013】
さらにその他のモノマーとして、たとえば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のアニオン性モノマーとアルコールとのエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メチルビニルエ−テル、イソプロピルアクリルアミド、酢酸ビニル、α−オレフィン等があげられる。
【0014】
前記(メタ)アクリルアミド、イオン性モノマーおよびN置換(メタ)アクリルアミドの使用割合は、これらを共重合して得られるイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を含有する製紙用添加剤の使用される用途を十分考慮して決定しなければならない。
【0015】
すなわち、(メタ)アクリルアミドの使用量は、モノマーの総モル和に対し、アニオン性またはカチオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る場合には通常80〜99.8モル%程度であり、両性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る場合には通常80〜99.7モル%程度である。80モル%に満たない場合は、十分な紙力効果を有さず、層間接着剤として用いられた場合には、十分な層間強度を有する抄き合わせ紙が得られない。
【0016】
イオン性モノマーの使用量は、用途に応じて調整する必要があり、たとえば層間接着剤として用いられる場合には、スプレーを適用する抄紙条件等に合わせて適宜選定する。通常、アニオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る場合には、アニオン性モノマーを、モノマーの総モル和に対し、0.1〜10モル%程度、好ましくは0.2〜8モル%使用し、カチオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る場合には、カチオン性モノマーを、モノマーの総モル和に対し、0.1〜10モル%程度、好ましくは0.2〜8モル%使用する。また、両性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る場合には、カチオン性モノマーを、モノマーの総モル和に対し、0.1〜10モル%程度、好ましくは0.2〜8モル%、アニオン性モノマーを、モノマーの総モル和に対し、0.1〜10モル%程度、好ましくは0.2〜8モル%使用する。イオン性モノマーの割合が前記範囲に満たない場合には、イオン成分の割合が少ないため湿潤紙層の表面への定着性が悪くなり、また前記範囲を越える場合には(メタ)アクリルアミドの割合が少ないため紙力が悪くなり、たとえば層間接着剤として用いられた場合には、十分な層間強度を有する抄き合わせ紙が得られない。なお、炭酸カルシウム等を含む中性抄紙、雑誌古紙等を含む弱酸性抄紙等では、カチオン性モノマーをアニオン性モノマーに対して多く使用する方がよい。一方、酸性抄紙で用いる場合には、アニオン性モノマーを多く使用する方がよい。
【0017】
N置換(メタ)アクリルアミドの使用量は、0.1〜10モル%程度、好ましくは0.5〜7モル%である。0.1モル%に満たない場合は得られるイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子の分散液が十分白濁せず、紙層への定着率が十分でない。一方、10モル%を越えると定着率は向上するが、(メタ)アクリルアミドの割合が少ないため紙力が悪くなり、たとえば層間接着剤として用いられた場合には、十分な層間強度を有する抄き合わせ紙が得られない。さらには、10モル%を越える場合は、イオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子が分離沈降する傾向があり、均一な分散液を得られず、層間接着剤として用いる場合にスプレー塗布に適さなくなる場合もある。なお、N置換アクリルアミドに代えて、疎水性モノマーとして、たとえばスチレン等を上記使用量の範囲で用いた場合には、外観上は同一性状の白濁した分散液が得られるが、当該分散液を、たとえば層間接着剤として用いても十分な層間強度が得られない。この理由は、本発明のN置換(メタ)アクリルアミドは(メタ)アクリルアミドとの共重合性に優れるため、本発明では均一な組成の共重合体がポリマーコンプレックスを形成して白濁する結果、イオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子自身が良好な定着性を有するのに対し、N置換(メタ)アクリルアミドに比べてスチレン等は(メタ)アクリルアミドとの共重合性が悪く、スチレン等の単独重合体に近いものが生成して白濁する結果、たとえ分散液が良好な定着性を示したとしてもアクリルアミド系高分子の定着性は十分ではないからである。
【0018】
また、架橋性モノマーを使用する場合、その使用量は、モノマーの総モル和に対し通常5モル%程度以下、好ましくは2モル%以下である。5モル%を越える場合には得られる共重合体がゲル状となり好ましくない。
【0019】
前記以外のモノマーを使用する場合、その使用量は、モノマーの総モル和に対し10モル%程度以下、好ましくは8モル%以下である。10モル%を越える場合には(メタ)アクリルアミドの割合が少なくなり、十分な紙力効果を有さず、層間接着剤として用いられた場合には、十分な層間強度を有する抄き合わせ紙が得られない。
【0020】
前記モノマーを、共重合して、イオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得る方法は、従来公知の各種方法を採用できる。例えば、所定の反応容器に前記各モノマーおよび水を仕込み、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウムのごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重合開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を加え、撹拌下、加温することによりイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を得ることができる。
【0021】
得られたイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子の重量平均分子量は、通常、10万〜1000万程度であり、粘度は固形分濃度10重量%の分散液として測定した場合に、通常30000cps(25℃)程度以下、好ましくは20000ps(25℃)程度以下の性状である。
【0022】
また、得られたイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子の分散液はある程度白濁した状態のものがよく、濃度10重量%の状態において、濁度30度以上を呈し、かつ均一に分散した状態を維持できるもの(分離沈降しないもの)が好ましい。濁度30未満では、イオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子が十分に、ポリマーコンプレックスを形成しているとはいえず定着性が十分ではない。また、均一に分散した状態を維持できないもの、すなわち分離沈降していては、層間接着剤として用いる場合にスプレー塗布に適さなくなる。なお、濁度とは、ANALITE濁度計152型(セントラル科学(株)製)を用いて900nmの赤外光を利用した180度の散乱光を測定することによって得られる値であり、測定値は標準物質(ホルマジン標準液400度、和光純薬工業(株)製)に対する相対的な評価値をいう。
【0023】
かかる本発明のイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子は、製紙における各種の製紙用添加剤として使用できるが、以下に本発明の製紙用添加剤を抄き合わせ紙の層間接着剤として使用し、抄き合わせ紙を製造する方法について説明する。
【0024】
具体的には、前記イオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子からなる製紙用添加剤を、層間接着剤として抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に塗布した後に、常法により抄き合わせて、脱水、乾燥して、2層以上の抄き合わせ紙を製造する。
【0025】
層間接着剤の塗布は一般的にはスプレーで行い、層間接着剤は、通常0.1〜1.5重量%程度の濃度で、3〜50cps(25℃)程度の粘度で使用する。また、層間接着剤は通常、パルプ固形分に対し、0.05〜1.5重量%(固形分)の使用割合で塗布すればよい。
【0026】
なお、層間接着剤には、本発明の目的を損なわない程度に、従来より層間接着剤として用いられている澱粉、変性澱粉、カゼイン、ガラクトマンナン等の天然樹脂の粉状物と併用することもできる。
【0027】
本発明の抄き合わせ紙の製造方法においては、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、水分量の少ない方の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布することにより、さらに抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させることができる。すなわち、湿潤紙層の表面の水分量はそれぞれ異なるため、上記塗布方法のように層間接着剤を塗布する湿潤紙層の表面を選択すれば、抄紙工程中に水分とともに紙外へ流出する層間接着剤を最小限に抑えることができ、その結果、層間への層間接着剤の定着の割合が多くなり、抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させることができる。
【0028】
また、抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、抄紙機の脱水方向に対し反対側にある湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布することによっても、さらに抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させることもできる。すなわち、上記塗布方法のように層間接着剤を塗布する湿潤紙層の表面を選択すれば、抄き合わせ後の脱水の際に、水分とともに紙外へ流出する層間接着剤を最小限に抑えることができ、その結果、層間への層間接着剤の定着の割合が多くなり、抄き合わせ紙の層間接着強度を向上させることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、部および%はいずれも重量基準による。
【0030】
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、アクリルアミド159部、イオン交換水830部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド15.6部、80%アクリル酸9部、t−オクチルアクリルアミド11.4部を仕込み、硫酸を用いてpHを4〜5に調整した後、窒素ガスを通じて全ての反応系内の酸素を除去した。撹拌下、60℃まで加熱し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.21部および亜硫酸水素ナトリウム0.09部を加え、85℃で120分間重合を行った後、イオン交換水を加え、固形分10.3%、粘度6900cps、濁度170度の両性のアクリルアミド系高分子の水分散液を得た。
【0031】
製造例2〜27
実施例1において、モノマー成分の種類またはその使用量(組成比:モル%)のうちいずれか少なくとも一種を表1または表2のように変えた他は、製造例1と同様の操作を行い、イオン性のアクリルアミド系高分子の水分散液を得た。得られた各水分散液の性状値を表3または表4に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003551213
【0033】
【表2】
Figure 0003551213
【0034】
表1または表2中、AM:アクリルアミド、AA:アクリル酸、IA:イタコン酸、DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、DM:ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、tOcAM:N−t−オクチルアクリルアミド、BzAM:N−ベンジルアクリルアミド、IPAM:N−イソプロピルアクリルアミド、DMAA:ジメチルアクリルアミド、St:スチレンを示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003551213
【0036】
【表4】
Figure 0003551213
【0037】
実施例1〜7、比較例1〜5
BKPをナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F.)550mlに調整したパルプに、炭酸カルシウムを対パルプ10%と硫酸バンドを対パルプ0.5%添加した後、市販のカチオン性デンプンを対パルプ0.5%、両性のアクリルアミド系紙力増強剤を対パルプ0.3%、順次添加して撹拌し均一に混合した。得られたパルプスラリー(pH7.8)を0.5%まで希釈し、手抄紙試験機により水分量86%の湿紙Aと水分量96%の湿紙B(乾燥坪量100g/m )を調製した。湿紙Bの片面に、製造例1〜8、10〜13で得た各種イオン性のアクリルアミド系高分子の水分散液をイオン交換水で0.7%に希釈した液を、パルプ固形分に対して当該アクリルアミド系高分子の固形分が0.7%となる割合でスプレー塗布した後、湿紙Aと湿紙Bの塗布面を重ね、湿紙Bの方向に150mmHgで1分間吸引脱水し、乾燥して、抄き合わせ紙を得た。
【0038】
実施例8
実施例1において、製造例1で得たアクリルアミド系高分子の水分散液を、湿紙Aの片面に塗布した以外は、実施例1と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0039】
実施例9〜15、17、比較例6〜11
段ボール古紙と雑誌古紙を1:1の重量比率で混合し、それをナイアガラ式ビーターにて叩解、カナディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F.)420mlに調整したパルプに硫酸バンドを2%添加した後、市販のアニオン性アクリルアミド系紙力増強剤を対パルプ0.5%添加して撹拌し均一に混合した。得られたパルプスラリー(pH5.6)を0.5%まで希釈し、手抄紙試験機により水分量86%の湿紙Aと水分量96%の湿紙B(乾燥坪量100g/m )を調製した。湿紙Bの片面に、製造例14〜27で得た各種アクリルアミド系高分子の水分散液をイオン交換水で0.7%に希釈した液を、パルプ固形分に対して当該アクリルアミド系高分子の固形分が0.7%となる割合でスプレー塗布した後、湿紙Aと湿紙Bの塗布面を重ね、湿紙Bの方向に150mmHgで1分間吸引脱水し、乾燥して、抄き合わせ紙を得た。
【0040】
実施例16
実施例9において、製造例14で得たアクリルアミド系高分子の水分散液を、湿紙Aの片面に塗布し、吸引脱水を湿紙Aの方向から行った以外は、実施例9と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0041】
実施例18
実施例17において、製造例26で得たアクリルアミド系高分子の水分散液を、湿紙Aの片面に塗布し、吸引脱水を湿紙Aの方向から行った以外は、実施例17と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0042】
実施例19
実施例17において、吸引脱水を湿紙Aの方向から行った以外は、実施例17と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0043】
実施例20
実施例17において、製造例26で得たアクリルアミド系高分子の水分散液を、湿紙Aの片面に塗布した以外は、実施例17と同様に行い、抄き合わせ紙を得た。
【0044】
(層間接着強度の測定)
得られた抄き合わせ紙を24時間調湿後、J−TAPPI紙パルプ試験方法No・17−77に従って層間接着強度(T字剥離強度(g/cm))を測定した。結果を表5または表6に示す。
【0045】
(定着率)
得られた抄き合わせ紙の窒素含有量を測定し、層間への定着率を算出した。定着率(%)=(B−C)/A×100。A:塗布したアクリルアミド系水分散性高分子の窒素測定値、B:アクリルアミド系水分散性高分子を層間接着剤として塗布して抄き合わせた紙の窒素測定値、C:Bと同じパルプを用いて層間接着剤を塗布せず抄き合わせた紙の窒素量測定値。結果を表5または表6に示す。
【0046】
【表5】
Figure 0003551213
【0047】
【表6】
Figure 0003551213

Claims (8)

  1. N置換基がイオン性を示すような原子団を含まず、かつN置換基中に12個の炭素原子を有する(ただし、アルデヒド基を有するものを除く)N置換(メタ)アクリルアミド0.1〜10モル%を構成成分とするイオン性の(メタ)アクリルアミド系水分散性高分子を含有してなる製紙用添加剤。
  2. (メタ)アクリルアミド系水分散性高分子のイオン性が、アニオン性である請求項1記載の製紙用添加剤。
  3. (メタ)アクリルアミド系水分散性高分子のイオン性が、カチオン性である請求項1記載の製紙用添加剤。
  4. (メタ)アクリルアミド系水分散性高分子のイオン性が、両性である請求項1記載の製紙用添加剤。
  5. (メタ)アクリルアミド系水分散性高分子が、濃度10重量%の状態において、濁度30度以上を呈し、かつ均一に分散した状態を維持できる請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  6. 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布した後に、抄き合わせて、2層以上の抄き合わせ紙を製造するにあたり、層間接着剤として、請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加剤を使用することを特徴とする抄き合わせ紙の製造方法。
  7. 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、水分量の少ない方の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布することを特徴とする請求項6記載の抄き合わせ紙の製造方法。
  8. 抄き合わせ前の湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布する際に、該湿潤紙層の表面のうちの、抄紙機の脱水方向に対し反対側にある湿潤紙層の表面に、層間接着剤を塗布することを特徴とする請求項6または7記載の抄き合わせ紙の製造方法。
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