JP2002212708A - Ti−Si合金系ターゲット材およびその製造方法ならびに皮膜コーティング方法 - Google Patents
Ti−Si合金系ターゲット材およびその製造方法ならびに皮膜コーティング方法Info
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Abstract
く、安定した放電特性が得られ、かつ長寿命であるTi
−Si合金系ターゲット材を提供する。また、その製造
方法と、これら技術の利用による皮膜コーティング方法
を提供する。 【解決手段】 ターゲット材組織中に面積率で純Si相
が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化合物
相が30〜80%であるTi−Si合金系ターゲット
材、具体例として、ターゲット材組織中に面積率で純S
i相が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化
合物相が30〜80%、残部実質的にターゲット材構成
元素による固溶相のTi−Si合金系ターゲット材であ
る。Si:10〜40原子%含み、残部実質的にTiで
なることが好ましい。本発明のターゲット材は、アーク
イオンプレーティング用に好ましく、例えば切削工具、
金型ならびに摺動部品の表面コーティング用に使用でき
る。
Description
ゲット材に関するものであり、特にはアークイオンプレ
ーティング法によるコーティングの際の蒸発源として有
効なTi−Si合金系ターゲット材およびその製造方法
と、そのターゲット材による皮膜コーティング方法に関
するものである。
面に耐摩耗性、耐酸化性の向上を目的として、例えばそ
の窒化膜や炭窒化膜、酸窒化膜といったTi−Si系硬
質皮膜の適用が検討されている。Ti−Si系硬質皮膜
のコーティングには、蒸発源としてTi−Si合金系タ
ーゲット材を使用し、前述のアークイオンプレーティン
グ法にて成膜を行うことが最適である。
クイオンプレーティング法は、減圧した反応ガス雰囲気
中において、皮膜の原料となるターゲット材をアーク放
電にて瞬時に溶解、イオン化し、負に印可した被処理材
に付着させ皮膜を形成する方法である。アークイオンプ
レーティング法は、電子銃等を用いたイオンプレーティ
ング法に比べ、蒸発金属のイオン化率が高いため、密着
力に優れた皮膜が得られることから、現在ではその適用
量が増加している。
ークイオンプレーティング用ターゲット材に要求される
特性は、異常放電が発生しないこと、局部的な溶融が生
じないこと、ドロップレットと呼ばれるマイクロパーテ
ィクルの発生量が少ないこと、強度および靭性不足によ
り割れ等の破損が生じないことである。
ーク放電が度々失火する現象として認められるが、これ
により成膜が断続的となるため、得られる皮膜の厚みが
不均一になったり、皮膜の密度を部分的に低下させ、皮
膜の性能は著しく劣化する。
膜組成を不均一にさせるため、皮膜の性能は著しく劣化
する。さらに、異常放電、局部溶融の不具合現象はター
ゲット材の寿命も極端に低下させる原因となる。そし
て、皮膜表面に形成するドロップレット量が増加するこ
とも、皮膜の性能を劣化させることとなる。
グ法では、アーク放電によりターゲット材表面は溶融す
るほど加熱されるため、ターゲット材には大きな熱応力
が発生する。この時、強度や靭性の低いターゲット材の
場合ではクラックが容易に生じるため、異常放電や局部
溶融といった不具合が発生するだけでなく、場合によっ
てはターゲット材が破損することがある。ターゲット材
の破損は、最悪の場合、その裏側に位置する水冷カソー
ド部をも破損させ、冷却水が装置内に流出するという大
事故につながる。したがって、ターゲット材の強度、靭
性はこのような熱応力に耐えることが要求される。
用時においては、ほとんど発生することがないものの、
添加元素としてSiをターゲット材に含有させた場合、
異常放電、局部溶融、ドロップレット量の増加といった
不具合が頻繁に発生する。そのため、従来のTi−Si
合金系ターゲット材は実験的に使用が可能であっても、
工業製品としての量産には十分適用できなかった。
ものであって、ターゲット材としてドロップレット量、
局部溶融の発生が少なく、安定した放電特性が得られ、
かつ長寿命であるTi−Si合金系ターゲット材および
その製造方法を提供することを目的とする。そして、こ
れら技術を利用することにより、例えば切削工具、金型
ならびに摺動部品等の表面への最適なTi−Si系硬質
皮膜のコーティング技術として、その有効な皮膜コーテ
ィング方法を確立するものである。
合金系ターゲット材における異常放電、局部溶融の原因
について検討を行った結果、ターゲット材組織中に存在
する未反応の純Si相を一定範囲内で存在させることが
最も効果的であり、更にはターゲット材構成元素からな
る金属間化合物相を一定範囲内で存在させることで、ド
ロップレット量も十分抑制でき、真空蒸着法、特にアー
クイオンプレーティング用のターゲット材として安定に
使用可能となることを見いだし、本発明に至った。
に面積率で純Si相が5%以下、ターゲット材構成元素
による金属間化合物相が30〜80%であるTi−Si
合金系ターゲット材、具体例として、ターゲット材組織
中に面積率で純Si相が5%以下、ターゲット材構成元
素による金属間化合物相が30〜80%、残部実質的に
ターゲット材構成元素による固溶相のTi−Si合金系
ターゲット材である。
は、Si:10〜40原子%含み、残部実質的にTiで
なることが好ましい。これらにより、本発明のターゲッ
ト材は、アークイオンプレーティング用に好ましく、切
削工具、金型ならびに摺動部品のいずれかの表面コーテ
ィング用に使用することで、優れた耐摩耗性、耐酸化性
を付与できる。
製造方法は、Si粉末とTi粉末を所定比率に混合した
混合粉末を、減圧下にて1時間あたり100℃以下の昇
温速度で900〜1100℃の温度まで昇温を行い、9
00〜1100℃の温度で1時間以上加熱処理し、つい
でHIP(熱間静水圧プレス)法またはホットプレス法
のいずれかを用いて圧密化することである。ここで混合
粉末の比率は、Siを10〜40原子%、残部Tiの比
率とすることが望ましい。
り、例えば切削工具、金型ならびに摺動部品等の表面へ
の最適なTi−Si系硬質皮膜のコーティング技術とし
て、その有効な皮膜コーティング方法を確立した。すな
わち、ターゲット材を用いた皮膜コーティング方法にお
いて、面積率で純Si相が5%以下、ターゲット材構成
元素による金属間化合物相が30〜80%の組織である
Ti−Si合金系ターゲット材を使用し、アークイオン
プレーティング法によってコーティングすることを特徴
とする皮膜コーティング方法である。
クイオンプレーティング法に適用して優れた成膜特性と
ターゲット材の耐久性を発揮し、切削工具、金型ならび
に摺動部品等に優れた耐摩耗性、耐酸化性を付与できる
ターゲット材として、Ti−Si合金系ターゲット材の
組織中に存在する純Si相の面積率と金属間化合物相の
面積率を規定した点である。
ット材の組織について説明する。純Si相の面積率は、
ターゲット表面における放電の安定性と、局部溶融の発
生に大きく影響する。純Si相の面積率が5%を越える
と使用中にアークが度々失火し放電が極端に不安定にな
る。加えて、純Si相が優先的に溶融するため、得られ
る皮膜の性能が低下するのみならず、ターゲット自体の
寿命も極端に短くなる。このため、上記現象を抑制する
ために純Si相は面積率で5%以下に規定する。より好
ましくは3%以下である。なお、本発明にいう純Si相
とは、Tiと反応していないSi領域を意味するもので
ある。
素からなる金属間化合物相は、TiSi2、TiSi、
Ti5Si4、Ti5Si3といった金属間化合物の一
種以上を主体とし、これらの金属間化合物の面積率がタ
ーゲット材組織中において30〜80%の場合、ドロッ
プレットの発生量は著しく抑制される。
未満であると上記効果は得られなくなり、逆に80%を
越えるとターゲット材の強度、靭性が不足し、使用中に
クラックや割れが発生し、異常放電や局部溶融の発生原
因となる。よってターゲット材構成元素からなる金属間
化合物相は、面積率で30〜80%に規定する。上記金
属間化合物相は、ターゲット材中に均一分散しているこ
とが好ましい。より好ましい範囲は、50〜70%であ
る。
ト材は、目的とする異常放電や局部溶融、そしてドロッ
プレットの発生量やターゲット材自身の破損を抑制する
において、その組織中の純Si相と金属間化合物相を上
記の面積率に規制すれば効果が発揮され、これら規制さ
れる以外の相については別段の規定を要するものではな
い。組織中の純Si相と金属間化合物相を規制する本発
明の場合、残部はこれら相以外の、実質的にターゲット
材構成元素による固溶相(合金相)で構成され、これは
上記特性の低下を抑制するにおいても望ましい。
ト材の組成について説明する。Siは、例えばアークイ
オンプレーティングのような成膜方法によって得られる
Ti−Si系硬質皮膜の耐酸化性の向上、高硬度化に効
果を示す元素であり、その添加量は10〜40原子%で
あることが好ましい。Si添加量が10原子%未満であ
ると上記効果が得られず、逆に40原子%を越えて添加
すると皮膜の密着力低下が生じる。そのためSi添加量
は、10〜40原子%が好ましい。さらに好ましくは1
5〜30原子%である。
は、スパッタリングによる成膜に用いることができる
が、例えば切削工具、金型ならびに摺動部品といった皮
膜に用いる際には皮膜の密着性に優れるといった面から
アークイオンプレーティング用途とすることが最も好ま
しいものである。
製造するにあたっては、まず、Ti粉末とSi粉末を所
定量混合した混合粉末を、減圧下で1時間あたり100
℃以下の昇温速度で900〜1100℃の温度まで昇温
を行い、前記900〜1100℃の温度で1時間以上加
熱処理を行なう。
を出来るだけ防ぐためである。また、加熱処理におい
て、1時間あたり100℃を越える昇温速度にすると、
Ti粉末とSi粉末との反応が急速に進み、強烈な反応
熱が発生し原料が溶融してしまうため、昇温速度は1時
間あたり100℃以下が好適である。なお、ここでいう
減圧下とは、例えば大気中における酸化雰囲気を低減さ
せるための、大気からの減圧作業を指し、真空を含むも
のである。
と本発明のTi−Si合金系ターゲット材の組織が得ら
れず、ターゲット材使用中の異常放電や局部溶融などの
不具合が発生するため、この温度範囲が好適である。な
お、加熱温度については、加熱時間中に900〜110
0℃の範囲内であれば本発明を外れるものではない。
範囲内において低温側の場合では長時間必要であり、高
温側であれば短時間で十分であるが、上述の加熱温度と
同様の理由からいずれも1時間以上が好適である。好ま
しい加熱時間の上限は10時間以下である。
ットプレス法のいずれか1種を用いることができる。こ
の時、圧密化の温度、圧力等は特に限定されるものでは
ないが、相対密度が98%以下となるような条件では、
ターゲット材中にミクロポア等の欠陥が多数残存してし
まい、ターゲット材使用中の異常放電や局部溶融等の不
具合が発生するため好ましくない。
用することにより、例えば切削工具、金型ならびに摺動
部品等の表面への最適なTi−Si系硬質皮膜のコーテ
ィング技術として、その有効な皮膜コーティング方法を
確立した。すなわち、ターゲット材を用いた皮膜コーテ
ィング方法において、面積率で純Si相が5%以下、タ
ーゲット材構成元素による金属間化合物相が40%以下
の組織であるTi−Si合金系ターゲット材を使用し、
アークイオンプレーティング法によってコーティングす
る皮膜コーティング方法である。なお、本発明の皮膜コ
ーティング方法であっても、その供するターゲット材、
そしてその製造方法については、本発明の条件を適用で
きることは言うまでもない。
耐酸化性に優れた皮膜を達成できることから、それら必
要とされる用途に広く適用することが可能である。例え
ばコンプレッサー用ベーン、ピストンリングといった摺
動部品や、エンドミル、ホブ、ブローチといった切削工
具、冷間鍛造、板金プレス、温熱間鍛造を用途とする金
型等の工具類への表面皮膜に用いることで、その効果を
十分に活用できる。また、被処理材についても、本発明
の上記効果はその材質にこだわらず達成されるが、例え
ば被処理材に工具鋼や超硬合金、サーメットを適用すれ
ば、本発明の皮膜の特性が生かされ、また、上記の用途
にも適するものである。
1(炭素工具鋼鋼材)やJIS G4403(高速度工
具鋼鋼材)、JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)
にも規定されるような、質量%で3.0%以下のCを含
む鋼を基に適宜Cr,Mo,W,V,Co等を選択含有
せしめた材質であるが、その指定される用途も合わせ、
摺動部品、切削工具、金型等に適用される材質を含むも
のである。特に高速度工具鋼鋼材といった、C:0.5
0〜1.80%,Cr:3.5〜5.5%を含む鋼に適
宜Mo,W,V,Co等を選択含有せしめた材質は、超
硬合金とともに、切削工具に好ましい。
明は下記実施例によって限定を受けるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更が可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
m)、Si粉末(平均粒径150μm)を用い、表1に
示すターゲット材組成と同様の原子量比にそれぞれ調整
しV型混合機により混合紛末を作製した後、それぞれを
アルミナ坩堝に挿入し、表1記載の条件にて加熱時間4
時間の真空熱処理を行った。この時、本発明の範囲から
外れる一部の比較品(No.53)は、混合粉末間の反
応熱によって完全に溶融してしまったため、ターゲット
材の製造が不可能となり、この時点で実験を中止した。
については、その後ボール式粉砕機によって平均粒径7
5μmの粉末に調整し、鋼製の容器に充填後、900
℃、140MPaの条件にてHIP処理し圧密化した。
織評価用の15mm×15mm×厚み10mmのブロッ
クサンプルと、放電特性および皮膜表面のドロップレッ
ト量を調査する目的でφ100mm×厚み14mm、底
面はφ105×厚み2mmの固定用つばがついたターゲ
ット材を削り出した。ターゲット材の組成を表1に示
す。
ロアナライザーによりTi、Siの面分析を行い、純S
i相ならびにターゲット材構成元素からなる金属間化合
物相を特定し、画像解析によってそれらの面積率を算出
した。なお、純Si相、金属間化合物相以外の部分は、
ターゲット材構成元素による固溶相であった。ここで、
本発明のターゲット材No.4を観察した光学顕微鏡組
織写真を図1に示しておく。灰色の部分が金属間化合物
相、白い部分が固溶相である。なお、純Si相は非常に
微細で少量なため、この写真から観察することはできな
かった。
ティング装置の水冷カソードへ装着し、実際に成膜を行
い評価した。この時、被処理材としてSKH51(硬さ
60HRC)を使用し、始めに1×10−3Paまで真
空引きし、500℃に加熱、30分間保持した後、Ar
雰囲気中1.0Paの圧力にし、被処理材のBias電
圧:−400Vで30分間、Arイオンによる被処理材
の表面の洗浄を行った後、N2雰囲気中、圧力:3.0
Pa、ターゲット材のアーク電流:100A、被処理材
のBias電圧:−50Vにて90分の条件で窒化膜の
成膜を行った。
ーク放電が失火した回数を測定し、局部溶融については
成膜終了後のターゲット材表面の状態より評価した。ま
た得られた皮膜のドロップレット量については、走査型
電子顕微鏡を用いて1000倍に拡大した1視野あたり
の個数を求め、単位面積あたりに換算し評価した。なお
対象としたドロップレットは、粒径1μm以上の大きさ
のものとした。ターゲット材組織、ターゲット材の使用
状態、皮膜の評価結果を表2に示す。
に金属間化合物相の面積率が本発明の範囲を外れるター
ゲット材については、90分の成膜中に40回以上の異
常放電が発生し、アーク放電が失火した。使用後のター
ゲット材表面を観察したところ、比較品であるターゲッ
ト材No.52については、純Si相が優先的に溶融し
たと思われる痘痕状の外観を示し、No.54、55
は、ターゲット材表面で発生したクラックにアーク放電
が集中し発生したと思われる局部溶融痕が認められた。
このような異常放電を伴なって成膜した皮膜は、本発明
のターゲット材より得られた皮膜と比較して、皮膜表面
のドロップレット量が極端に多くなった。
理を実施しなかった比較品No.51については、HI
P処理時にTi粉末とSi粉末が発熱反応をおこし鋼製
容器が溶損してしまい、ターゲット材の製造が不可能と
なった。比較品No.53については、真空熱処理時の
昇温速度が早かったため、混合粉末間の反応が急速に進
行し、溶融してしまいターゲット材を製造するには至ら
なかった。
m)、Si粉末(平均粒径150μm)を用い、表3に
示すターゲット組成と同様の原子量比にそれぞれ調整し
V型混合機により混合紛末を作製した後、それぞれをア
ルミナ坩堝に挿入し、表3記載の条件にて加熱時間6時
間の真空熱処理を行った。その後、ボール式粉砕機によ
って平均粒径45μmの粉末に調整し、プレス成形機に
て予備成形体を成形し、これを1000℃、150MP
aの条件でホットプレスを用い圧密化した。
ならびに評価を行った。ターゲット材の組成を実施例1
と同様に調べ、結果を表3に示す。また、ターゲット材
組織、ターゲット材の使用状態、皮膜の評価結果を表4
に示す。なお、ターゲット材の純Si相、金属間化合物
相以外の部分は、ターゲット材構成元素による固溶相で
あった。
化合物相の面積率が本発明の範囲にあるターゲット材N
o.11〜14は、ターゲット材の使用状態、皮膜表面
のドロップレット量ともに、比較品ターゲット材No.
61〜63に比べ大幅に良好な結果が得られた。
は、異常放電や局部溶融等の問題の主要因となるターゲ
ット材組織中の純Si相ならびに金属間化合物相の面積
率を特定値に規定したことによって、アークイオンプレ
ーティングにおいても安定した成膜が可能となり、得ら
れる皮膜の特性についても安定した性能が得られるよう
になる。また、異常放電、局部溶融等の問題が解消した
ことによって、ターゲット材の寿命も大幅に改善され
る。これにより、例えば切削工具、金型ならびに摺動部
品等への表面皮膜のコーティングに最適なターゲット材
として、供給が可能である。
施例を示す光学顕微鏡ミクロ組織写真である。
Claims (11)
- 【請求項1】 ターゲット材組織中に面積率で純Si相
が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化合物
相が30〜80%であることを特徴とするTi−Si合
金系ターゲット材。 - 【請求項2】 ターゲット材組織中に面積率で純Si相
が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化合物
相が30〜80%、残部実質的にターゲット材構成元素
による固溶相であることを特徴とするTi−Si合金系
ターゲット材。 - 【請求項3】 Si:10〜40原子%、残部実質的に
Tiであることを特徴とする請求項1または2に記載の
Ti−Si合金系ターゲット材。 - 【請求項4】 ターゲット材はアークイオンプレーティ
ング用であることを特徴とする請求項1ないし3のいず
れかに記載のTi−Si合金系ターゲット材。 - 【請求項5】 ターゲット材は切削工具、金型ならびに
摺動部品のいずれかの表面コーティング用であることを
特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のTi−
Si合金系ターゲット材。 - 【請求項6】 ターゲット材組織中に面積率で純Si相
が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化合物
相が30〜80%であるTi−Si合金系ターゲット材
の製造方法であって、Si粉末とTi粉末を所定比率に
混合した混合粉末を、減圧下にて1時間あたり100℃
以下の昇温速度で900〜1100℃の温度まで昇温を
行い、900〜1100℃の温度で1時間以上加熱処理
し、ついでHIP法またはホットプレス法のいずれかを
用いて圧密化することを特徴とするTi−Si合金系タ
ーゲット材の製造方法。 - 【請求項7】 ターゲット材組織中に面積率で純Si相
が5%以下、ターゲット材構成元素による金属間化合物
相が30〜80%、残部実質的にターゲット材構成元素
による固溶相であるTi−Si合金系ターゲット材の製
造方法であって、Si粉末とTi粉末を所定比率に混合
した混合粉末を、減圧下にて1時間あたり100℃以下
の昇温速度で900〜1100℃の温度まで昇温を行
い、900〜1100℃の温度で1時間以上加熱処理
し、ついでHIP法またはホットプレス法のいずれかを
用いて圧密化することを特徴とするTi−Si合金系タ
ーゲット材の製造方法。 - 【請求項8】 Siを10〜40原子%、残部Tiの比
率で混合した混合粉末を使用することを特徴とする請求
項6または7に記載のTi−Si合金系ターゲット材の
製造方法。 - 【請求項9】 ターゲット材はアークイオンプレーティ
ング用であることを特徴とする請求項6ないし8のいず
れかに記載のTi−Si合金系ターゲット材の製造方
法。 - 【請求項10】 ターゲット材は切削工具、金型ならび
に摺動部品のいずれかの表面コーティング用であること
を特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載のTi
−Si合金系ターゲット材の製造方法。 - 【請求項11】 ターゲット材を用いた皮膜コーティン
グ方法において、面積率で純Si相が5%以下、ターゲ
ット材構成元素による金属間化合物相が30〜80%の
組織であるTi−Si合金系ターゲット材を使用し、ア
ークイオンプレーティング法によってコーティングする
ことを特徴とする皮膜コーティング方法。
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