JP2008156683A - 窒化物含有ターゲット材 - Google Patents

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【課題】 本願発明は、AIP法、MS法で用いるターゲット材であって、機械的強度が改善されるとともに、ドロップレットの生成が著しく抑制される、品質の高い皮膜を形成するために好適なターゲット材を提供することである。
【解決手段】 本願発明は、SiとM成分、但し、M成分は周期律表4a、5a、6a族金属、B、Sから選択される1種以上の元素を有するターゲット材において、該ターゲット材は、SiとM成分及びSiの窒化物を有していることを特徴とする窒化物含有ターゲット材である。
【選択図】なし

Description

本願発明は、スパッタリング用のターゲット材に関するものであり、特にはアークイオンプレーティング法(以下、AIP法と記す。)、マグネトロンスパッタリング法(以下、MS法と記す。)による被覆の際の蒸発源としての有効な窒化物含有ターゲット材に関するものである。
蒸発源にSi成分を含む合金ターゲット材を使用した被覆では、Si成分に起因するドロップレット発生を減らすための技術が、以下の特許文献1、2に開示されている。
特開2002−212708号公報 特開2003−286566号公報
本願発明が解決しようとする課題は、AIP法、MS法に用いるターゲット材であって、機械的強度が改善されるとともに、ドロップレットの発生が抑制され、品質の高い皮膜を形成するのために好適なターゲット材を提供することである。
本願発明は、SiとM成分、但し、M成分は周期律表4a、5a、6a族金属、B、Sから選択される1種以上の元素を有するターゲット材において、該ターゲット材は、SiとM成分、及びSiの窒化物を有していることを特徴とする窒化物含有ターゲット材である。上記の構成を採用することによって、AIP法、MS法で被覆をしたとき、機械的強度が改善され、ドロップレットの発生が抑制され、品質の高い皮膜を形成するのために好適なターゲット材を提供することができる。
また、本願発明の窒化物含有ターゲット材は、Siの窒化物の含有量がモル%で、5%以上、30%以下であることが好ましい。更に、窒化物含有ターゲット材は、Siの窒化物の含有量をM、Siの含有量をNとしたとき、M/N値が、0.3≦M/N≦3.0、であることが好ましい。
本願発明により、AIP法、MS法で用いるターゲット材において、機械的強度が改善されるとともに、ドロップレットの生成が抑制された品質の高い皮膜を形成するために好適なターゲット材を提供することができる。
本願発明の窒化物含有ターゲット材は、SiとM成分および、B、Sを有する窒化物、炭窒化物などの皮膜を得るために用いられる。AIP法は、減圧した反応ガス雰囲気中において、皮膜の原料となるターゲット材をアーク放電にて瞬時に溶解、イオン化し、負に印加した被覆基材に付着させ皮膜を形成させる。このとき、溶解されたターゲット材は、被覆基材とターゲット材の間で発生するプラズマ中で、反応ガスとともにイオン化される。例えば、反応ガスとして窒素を用いて窒化された皮膜としてTiSiN系の硬質皮膜が用いられる。TiSi系のターゲット材を用い、AIP法によって硬質皮膜を被覆する場合、アーク放電の際のアークスポットが、ターゲット表面上に電子を放出させる部位として形成される。アークスポットは、1点又は同時に複数点が放電中に存在し、ターゲット表面上を高速かつ均一に移動することが必要である。しかし、アークスポットの移動が滞留すると、その滞留部分に大きな溶解部が生じ、その溶解液滴が基材表面に付着する。この付着した溶解液滴は、ドロップレット、パーティクル又はマクロパーティクルなどと呼ばれ、硬質皮膜の表面を荒らす原因になる。例えば、被覆工具に被覆してドロップレットが多数付着すると、工具性能を劣化させる。ターゲット材が単一金属、又は単一組織といった均質な場合は、アークスポットは、ターゲット材表面上を均一に移動する傾向にある。しかし、ターゲット材が複数元素から構成され、複数の相を含む場合には、アークスポットが均一に移動し難く、皮膜表面にドロップレットを含みやすい。特に、AIP法で使用するターゲットがSiといった比較的低融点の成分を含む場合、低融点の成分がバインダーとして他の構成元素であるM成分元素の周りを取り囲み、その界面では化合物を形成することで、複数の相を形成しやすい。Siをバインダーとして含むターゲットの場合、ターゲットは、Si単独相、他の構成元素であるM成分元素及びSiとM成分の化合物相を含有する。この化合物は、SiM系の金属間化合物となり、M成分元素が2種以上の元素で構成される場合、この化合物はSiMy1My2系の化合物、但し、y1≠y2、となる。この場合、AIP法においては、特にSi単独相の部分にアーク放電が集中する傾向がある。その結果として、硬質皮膜表面にドロップレットが多く含まれ、表面粗度の悪化や組成の不均一が発生する。巨大なドロップレットを含有した硬質皮膜は、ドロップレット部がマクロ的な欠陥となり、硬度、耐熱性また耐欠損性が低下する欠点がある。
本願発明の窒化物含有ターゲット材を用いることにより、機械的強度が改善され、ドロップレット量の極めて少ない皮膜を得ることができる。この理由は、Siの窒化物をターゲット中に含有させることによって、ターゲット全体におけるSi含有量を減らすことなく、ドロップレットの発生源になりやすいSi単独相を減らすことができるからである。また、蒸発面においてSi単独相中に、Si窒化物が分散することによって、SiとSi窒化物の親和性が高いために、Si単独相の選択溶解を防ぎ、アーク放電の集中を回避し、ドロップレット量を減少させることができる。これは、Si窒化物が、Si単独相よりも高融点材料であることによる。その結果、巨大なドロップレットの発生が抑制される。また、Si窒化物は、熱伝導率が高く、焼結時において、ターゲット構成する粉末成分に熱を伝導させる役割を果たし、ターゲット構成元素同士の拡散を促進させる効果がある。ターゲット構成元素の拡散が生じると、ターゲットを構成する粉末成分同士の結合力が高まるだけでなく、ターゲット内に存在する空孔が減少し、ターゲット自身の機械的強度が改善される。更に、低融点であるSi単独相を減少させ、アークスポットの集中を防ぐ効果がある。また、ターゲット中に含まれるSi窒化物は、Si単独相中に分散することで、ターゲットに負荷がかかった場合、亀裂の伝播が硬質粒子であるSi窒化物によって抑制されるため、ターゲット自身の機械的強度を高める働きがある。ドロップレットが低減された皮膜は、結晶の成長が分断されないため、高密度の皮膜を形成し、機械的強度が優れる。
本願発明の窒化物含有ターゲット材は、Siの窒化物を含有し、その含有量はモル%で、5%以上、30%以下であることが好ましい。Si窒化物の含有量が5%未満の場合、アークスポットの移動速度を速める効果を得ることが出来ないため、ドロップレット量を低減できない。また、機械的強度を高める効果がない。一方、30%を超える場合、ターゲット作製時に脱窒現象が発生しやすくなり、ターゲット内部に空孔を形成させる。その空孔部には酸素が多く取り込まれ、不純物である酸素を多く取り込んでしまい、機械的強度が劣化してしまう。その結果、放電時に局所放電や放電停止などの不安定性要素が増大するだけでなく、アーク放電による衝撃で割れが発生する欠点がある。
本願発明の窒化物含有ターゲット材は、M/N値が、0.3≦M/N≦3.0であることが好ましい。この範囲に設定することによってターゲット材の機械的強度を維持され、アークスポットの移動速度を速める効果を得ることが出来る。M/N値が0.3未満の場合は、ターゲット材の機械的強度の改善効果を得難い。一方、M/N値が3.0を超えて大きい場合には、バインダーの役割をするSi単独相の割合が著しく少なくなり、ターゲットの機械的強度が逆に劣化する。
本願発明の窒化物含有ターゲット材におけるSi窒化物の粒子は、平均粒径で5μm以上、100μm以下が好ましい。平均粒径が5μm未満の場合、粒子に含まれる不純物の量が増大する。これが、ターゲット材の機械的強度を劣化させ、アーク放電などの衝撃により、割れが発生する欠点がある。また、100μmを超えると、ターゲット中において、ターゲット構成元素の部分的な成分の偏りが生じるなど、ターゲット組織の分散状態が悪くなり、高品質な皮膜が得られない。
本願発明の窒化物含有ターゲット材における酸素含有量は、質量%で、0.7%以下が好ましい。0.7%を超えて多く含有すると、ターゲット材の機械的強度が劣るだけでなく、放電時に発生する酸素イオンがターゲット表面を酸化させるため、電気的な絶縁材を形成する。その結果、放電が不安定になり、ターゲットの異常溶解部が形成しやすくなる。
TiSi等のSiを含むターゲット材を製造する場合、ホットプレス方式を用い、TiやCrよりも低融点金属であるSiが、他の金属元素を結びつけるバインダーの役割をする。例えば、TiSi系合金の場合、Ti相、TiSi2相、TiSi相、Ti5Si4相、Ti5Si3相などを始めとする金属間化合物の他にSi単独相の組織が生成する。このSi単独相ではアークスポットが停滞してしまい、1μmを超えるような巨大なドロップレットが生じる。このドロップレットが多量に発生してしまうと、形成される硬質皮膜の機能を低下させる原因となることから、Si単独相の低減を図る必要がある。そのためホットプレス法による粉末冶金法では、減圧中のArを含む雰囲気でSiを融解させない1200℃以下での作製することが好ましい。より好ましくは、1000℃〜1200℃の範囲はゆっくりと昇温させて作製することによって実現できる。更に好ましくは800℃を超えた所から、150℃/時間程度の昇温速度でゆっくりと作製するとよい。焼結時の温度が1200℃を超えるとSi単独相が溶解し始め、Siがバインダーとしての働きをしなくなる。また、Siの窒化物の脱窒現象が発生する。この他、Siの炭化物や酸化物などを含有させると、ターゲットの電気抵抗が高くなり、放電が困難となる欠点を有する。本願発明のターゲット材は、粉末冶金法によるホットプレス法だけでなく、HIP法でも作製可能である。HIP法を適用する場合は、Arを含む雰囲気で、100MPa〜300MPaの範囲で加圧を行うことが好ましい。また、Siの窒化物と併せて炭窒化物が存在してもよい。即ち、ターゲット中のSi窒化物は、Si窒化物粒子を炭化処理したSi炭窒化物、Si炭化物を窒化処理したSi炭窒化物が存在してもよい。
本願発明のターゲットを使用した場合、得られる硬質皮膜の硬度、密度、靭性等の機械的強度が高まるため、耐欠損性、耐摩耗性が要求される用途への被覆に用いることが効果的である。更に、ドリル、エンドミルまたは微小部品のように、使用したい部分にドロップレットの付着が少なくする様な用途に好適である。以下、本願発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
粉末冶金法にて、AIP用ターゲットを作製した。作製にあたっては、耐摩耗、耐熱特性が優れた硬質皮膜を得るために、Siと、周期律表4a、5a、6a族金属、B、Sから選択される1種以上の原料粉末、及びSi3N4とを密閉容器としてボールミルを用いて、Ar雰囲気にて4時間混合した。Sを含有させる場合は、S単独の粉末を取り扱うことは難しいので、硫化物を使用した。粉末の混合性を考慮し、組成の偏りや、機械的強度の低下を回避する為、99.999%以上のAl2O3ボールを使用した。混合した粉末をグラファイト製の金型に所定量装入し、ホットプレス機を用いて焼結を行った。焼結時にSiが溶解するのを回避するため、焼結温度は、1100〜1200℃に設定した。また、減圧下での焼結では、焼結装置内に残留する微量酸素によるターゲット中への酸素取り込みの影響を避けるために、Ar雰囲気での焼結を行った。プレス荷重は50MPa〜200MPaの範囲に設定した。焼結時間は、1〜3時間の間で行った。焼結後完成したターゲットは、抗折力試験片とAIP装置に適した形状に加工を行った。上記条件にて、ターゲットを作製した。
ターゲット組織内のSi3N4とSi3N4を含有する相の存在状態を、電解放射走査電子顕微鏡(日立製作所製S−4200、以下、FE−SEMと記す。)を用いて倍率2k倍で観察した。FE−SEMに装備されているEDX分析装置によって、各相の成分分析を行った。その後、フッ酸系の腐食液を用いてターゲットの表面を処理し、同一視野を同じ条件で観察した。Si3N4とSi相を確認するために、作製したターゲットの組織を、透過電子顕微鏡(以下、TEMと記す。)で観察した。ターゲット材料の強度を調べるために、抗折力試験片の3点曲げによる測定を行った。
本願発明のターゲットをAIP装置に取り付け、ミーリング用インサートに被覆を行った。被覆処理温度は600℃、反応圧力を5Paとし、バイアス電圧を50V、アーク電流値を150Aに設定した。基体表面に膜厚3μmの被覆を行った。硬質皮膜に付着したドロップレット量はFE−SEMを用い、倍率を3k倍で測定した。粒径が0.5μm以上のドロップレットを測定対象にして、1mm四方中に含まれる総量を計測した。表1にターゲット組成、抗折強度、皮膜のドロップレット量を示す。
Figure 2008156683
表1に示すように、Si3N4を含有させた本発明例のターゲット材は、従来例のターゲット材に比較して、優れた抗折強度を示した。本発明例のターゲット材表面における組織をFE−SEMによって観察した結果、Si3N4がSi単独相に分散した窒化物含有相が存在していた。TiSiのターゲットにSi3N4含有させた本発明例1〜4の組織において、TEMで20万倍の観察を行ったところ、Si単独相粒子内部にSi3N4が分散した相を形成していることが確認された。本発明例6〜10、11〜15、16〜20、21〜25のTiSiV系、TiSiNbS系、ZrSiW系のターゲットにSi3N4を含有させたものについても、同様な現象が確認された。そのため、高い抗折強度が得られたと考えられる。
次に、得られた皮膜について、1mm四方中に含まれる粒径が0.5μm以上のドロップレット量を測定した。表1に示すように、本発明例のドロップレット量は、従来例と比較して、著しく減少していた。特に、ターゲット中のSi3N4含有量が多くなるほど、ドロップレット数が減少する傾向にあった。これは、ターゲット中にSi3N4を含有させることで、ドロップレットの発生源になりやすいSi単独相が減少し、アークスポットの集中を回避できたためと考えられる。TiSi系ターゲットにSi3N4を含有させた本発明例1〜5では、ドロップレット量は、最も少ない量で9000個/mm2であった。従来例26は26000個/mm2であり、60%以上もドロップレット量が減少した。この傾向は、本発明例6〜10、11〜15、16〜20、21〜25のTiSiV系、TiSiNbS系、ZrSiW系のターゲットについても同様であった。
Si3N4を含有させた本発明例1〜25うち、特にSi3N4の含有量が5%以上、30%以下の範囲内にあるものは、高い抗折強度を示した。従来例26〜30に対して、抗折強度が優れ、本発明例中で最も高い660MPaの抗折強度を示した本発明例14は、従来例28に対し、1.5倍優れた。本発明例9、19、24についても、従来例27、29、30と比較して、夫々、1.4倍、1.5倍、1.5倍、優れた。これは、ターゲット中に含有されるSi3N4がSi単独相内に分散したため、ターゲットを構成する元素の接合強度が著しく高まったためと考えられる。
(実施例2)
実施例1で作製したターゲット材を使用して被覆したミーリング用インサートを、以下の試験条件で切削を行い、硬質皮膜の耐摩耗性を評価した。評価方法は、切削長さ1m時に発生する硬質皮膜の剥離や破壊の有無を、光学顕微鏡を用いて切刃逃げ面部を50倍に拡大して観察し、摩耗幅を測定した。更に切削を継続し、300μm以上のチッピンク゛を含む欠損が発生した時点を工具寿命とし、その時点までの切削加工距離(m)を比較することによって性能を評価した。
(試験条件)
工具 :特殊正面フライス
インサート形状:SDE53タイプ特殊形状
切削方法 :センターカット方式
被削材形状 :幅125mm×長さ300mm
被削材 :プレス金型用鋼SKD11、29HRC
軸方向切込み量:1.0mm
切削速度 :130m/分
1刃当たりの送り量:0.5mm/刃
切削油 :なし
表1に示すように、ターゲットのSi3N4の含有量は、皮膜表面の工具寿命に影響を及ぼした。本発明例1〜5と従来例26の工具寿命の比較により、硬質皮膜を構成する元素は同じであるものの、その硬質皮膜の被覆に使用するターゲット材の形態が異なることによって、工具寿命は変化した。特に、Si3N4の含有量が5%以上、30%以下の範囲内にあるものは、工具寿命が優れた。TiSi系ターゲットにSi3N4を含有させた本発明例1〜5の中で、工具寿命の優れた本発明例4は、従来例26に比較して、2.3倍優れた。切削距離1m時の刃先の損傷状態を確認した結果、本発明例1〜5の逃げ面最大摩耗幅は、それぞれ0.113m、0.103mm、0.092mm、0.085mm、0.101mmであったのに対し、従来例26は、0.160mmであった。従来例26のターゲットから作製した皮膜は、剥離が観察されたが、本発明例1〜5のうちSi3N4の含有量が5%以上、30%以下の範囲内にあるものは、何れの試料とも剥離は認められず正常摩耗をしていた。最終的には、逃げ面最大摩耗幅が0.500mmを超えた所で欠損した。これらの傾向は、本発明例6〜10、11〜15、16〜20、21〜25のTiSiV系、TiSiNbS系、ZrSiW系のターゲット材から得られた皮膜についても同様であった。以上の結果は、ドロップレットが少なくなることにより、硬質皮膜の硬度、密度、靭性等の機械的強度が高まり、その結果、優れた工具寿命を示した。本発明例のうち、M/N値が、0.3≦M/N≦3.0にあるターゲットは、特に抗折強度が優れ、皮膜のドロップレット量も少なく、切削性能についても良好であった。

Claims (3)

  1. SiとM成分、但し、M成分は周期律表4a、5a、6a族金属、B、Sから選択される1種以上の元素を有するターゲット材において、該ターゲット材は、SiとM成分、及びSiの窒化物を有していることを特徴とする窒化物含有ターゲット材。
  2. 請求項1に記載の窒化物含有ターゲット材において、該Siの窒化物の含有量はモル%で、5%以上、30%以下であることを特徴とする窒化物含有ターゲット材。
  3. 請求項1、2に記載の窒化物含有ターゲット材において、該Siの窒化物の含有量をM、該Siの含有量をNとしたとき、M/N値が、0.3≦M/N≦3.0、であることを特徴とする窒化物含有ターゲット材。
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