JP2002210489A - ポリエチレングリコール含有排水の処理方法およびその装置 - Google Patents

ポリエチレングリコール含有排水の処理方法およびその装置

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JP2002210489A
JP2002210489A JP2001010632A JP2001010632A JP2002210489A JP 2002210489 A JP2002210489 A JP 2002210489A JP 2001010632 A JP2001010632 A JP 2001010632A JP 2001010632 A JP2001010632 A JP 2001010632A JP 2002210489 A JP2002210489 A JP 2002210489A
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polyethylene glycol
anaerobic
treatment
treating
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Yukihiko Matsuo
幸彦 松尾
Gyokuyu Ri
玉友 李
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Ataka Construction and Engineering Co Ltd
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Ataka Construction and Engineering Co Ltd
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水中のポリエチレングリコールを効率よく
容易に分解処理できるポリエチレングリコール含有排水
の処理方法を提供する。 【解決手段】 処理の初期段階で、ポリエチレングリコ
ールを含有する排水を、容積負荷2〜4kg-CODCr/m3
日の低負荷条件で嫌気性処理槽4の反応槽5に流入す
る。嫌気性微生物を馴養しつつ排水処理し、順次負荷を
増大させ、ポリエチレングリコールの平均分子量に応じ
て化学的酸素要求量の容積負荷2〜80kg-CODCr/m3
日以下で嫌気性処理する。第1の固液分離手段6で嫌気
性微生物を流出させずに活性汚泥処理槽12に流入させ
る。活性汚泥処理後、第2の固液分離手段13で固液分離
した処理水は系外に流出する。固液分離した汚泥の一部
は、活性汚泥処理槽12に返送し、残部は可溶化手段16で
可溶化して嫌気性処理槽4で再処理する。汚泥を発生さ
せずにポリエチレングリコールを効率よく分解処理でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水中のポリエチ
レングリコールを含有する排水を処理するポリエチレン
グリコール含有排水の処理方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】酸化エチレンの重合体であるポリエチレ
ングリコール(HO(CH2CH2O)nH:PEG)は、水
溶性かつ不揮発性である。そして、ポリエチレングリコ
ールは、平均分子量が200〜600程度のものは粘性
のある液体で、平均分子量が1000以上のものは常温
でも固体状で、分子量が4000以上のものは常温でも
固いワックス状となる。
【0003】このポリエチレングリコールは、粘りのあ
る性質であることから、ゴム成形、繊維、陶磁器、金属
加工などの製造工程の潤滑剤として広く利用されてい
る。さらに、刺激がなく、水溶性で潤滑性を有すること
から、化粧品や医薬品の製造にも利用される他、水性ペ
イント、ペーパーコーティング、接着剤、セロハン、印
刷インキ、研磨剤、界面活性剤などにも広く利用されて
いる。このため、近年、ポリエチレングリコールを含有
する排水の浄化処理が問題となってきている。
【0004】そして、平均分子量が1000以下のポリ
エチレングリコールを含有する排水は、好気性微生物に
よる活性汚泥法により浄化処理できることが知られてい
る。一方、平均分子量が1000以上になると、常温で
も固体で、この平均分子量が比較的に大きいポリエチレ
ングリコールを分解可能な微生物が数種類程度知られて
いるものの、その微生物によりポリエチレングリコール
を含有する排水を工業的に処理することはない。また、
平均分子量が比較的に大きいポリエチレングリコール
は、BOD測定ではほとんど酸素を消費せずに生物難分
解性であると考えられ、排水処理は焼却処理、乾燥処
理、あるいは化学酸化処理が利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、排水を
乾燥や焼却処理する場合、多くのエネルギを消費すると
ともに、有害物質を発生するおそれがあり、焼却炉や乾
燥濃縮炉に特別な構造を設ける必要があり、処理装置の
複雑大型化およびプラントコストが増大する。また、化
学酸化処理の場合では、使用する化学薬品が高価で、処
理コストが増大するとともに、排水中に共存する有機物
に化学薬品の量が大きく影響することから、処理工程の
制御が煩雑となり、効率よく浄化処理することが困難で
ある問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて、排水中の
ポリエチレングリコールを効率よく容易に分解処理でき
るポリエチレングリコール含有排水の処理方法およびそ
の装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のポリエチ
レングリコール含有排水の処理方法は、ポリエチレング
リコールを含有する排水を嫌気性微生物により嫌気性処
理し、この嫌気性処理した前記排水を酸素を供給して活
性汚泥により活性汚泥処理するものである。
【0008】そして、ポリエチレングリコールを含有す
る排水を、嫌気性微生物により嫌気性処理するととも
に、この嫌気性処理した後に酸素を供給して活性汚泥に
より活性汚泥処理する。このことにより、余剰汚泥の発
生量を減少しつつ高度にポリエチレングリコールを分解
する。
【0009】請求項2記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1記載のポリエチレングリ
コール含有排水の処理方法において、嫌気性処理は、嫌
気性微生物を粒状に凝集して排水中で浮遊させるもので
ある。
【0010】そして、嫌気性微生物を粒状に凝集して排
水中で浮遊させて嫌気性処理する。このことにより、嫌
気性処理した排水と嫌気性微生物とが容易に固液分離さ
れるので、嫌気性微生物、特にポリエチレングリコール
分解菌が系外に流出することなく容易に高濃度に馴養さ
れ、ポリエチレングリコールが確実に効率よく分解さ
れ、例えば平均分子量が比較的大きいポリエチレングリ
コールを含有する排水やポリエチレングリコールを比較
的高濃度に含有する排水でも短時間で効率よく処理す
る。
【0011】請求項3記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1または2記載のポリエチ
レングリコール含有排水の処理方法において、嫌気性処
理した排水を分離水と嫌気性微生物とに固液分離し、前
記固液分離した嫌気性微生物を前記排水の嫌気性処理に
返送し、分離水は活性汚泥処理するものである。
【0012】そして、嫌気性処理した排水を固液分離
し、固液分離した嫌気性微生物を排水の嫌気性処理に返
送するとともに、分離水は後段で活性汚泥処理する。こ
のことにより、嫌気性微生物、特にポリエチレングリコ
ールを分解する菌が確実に高濃度に馴養され、ポリエチ
レングリコールが確実に効率よく分解され、例えば平均
分子量が比較的大きいポリエチレングリコールを含有す
る排水やポリエチレングリコールを比較的高濃度に含有
する排水でも処理時間が確実に短縮し処理効率が向上す
る。
【0013】請求項4記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1ないし3いずれか一記載
のポリエチレングリコール含有排水の処理方法におい
て、嫌気性処理する排水に栄養塩を添加するものであ
る。
【0014】そして、嫌気性処理する排水に栄養塩を添
加する。このことにより、嫌気性微生物、特にポリエチ
レングリコールを分解する菌が効率よく高濃度に馴養さ
れ、処理効率が向上する。
【0015】請求項5記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1ないし4いずれか一記載
のポリエチレングリコール含有排水の処理方法におい
て、嫌気性処理は、排水中のポリエチレングリコールの
平均分子量に応じて化学的酸素要求量の容積負荷を2kg
-CODCr/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下とするも
のである。
【0016】そして、排水中のポリエチレングリコール
の平均分子量に応じて化学的酸素要求量の容積負荷を2
kg-CODCr/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下で嫌気
性処理する。このことにより、平均分子量の大きさによ
り分解性が異なるポリエチレングリコールでも、高度に
効率よく分解される。ここで、化学的酸素要求量の容積
負荷が2kg-CODCr/m3・日より小さくなると、処理負荷
が小さくなって処理効率が低下する。また、化学的酸素
要求量の容積負荷が80kg-CODCr/m3・日より大きくな
ると、処理負荷が大きくなってポリエチレングリコール
が分解されずに残留するおそれがあり、処理効率が低下
する。このことから、ポリエチレングリコールの平均分
子量に応じて化学的酸素要求量の容積負荷を2kg-CODCr
/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下に設定する。
【0017】請求項6記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1ないし5いずれか一記載
のポリエチレングリコール含有排水の処理方法におい
て、嫌気性処理をする初期段階で、低い容積負荷の条件
で嫌気性微生物を馴養しつつ前記排水を嫌気性処理した
後、次第に嫌気性処理の負荷の条件を増大させるもので
ある。
【0018】そして、嫌気性処理をする初期段階で、低
い容積負荷の条件で嫌気性微生物を馴養しつつ嫌気性処
理した後、次第に嫌気性処理の負荷の条件を増大させ
る。このことにより、排水の処理と平行して効率よく嫌
気性微生物、特にポリエチレングリコールを分解する菌
を高濃度に含有する嫌気性微生物が馴養され、処理効率
が向上する。
【0019】請求項7記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項6記載のポリエチレングリ
コール含有排水の処理方法において、嫌気性処理をする
初期段階での容積負荷は、2kg-CODCr/m3・日以上4kg
-CODCr/m3・日以下であるものである。
【0020】そして、嫌気性処理の初期段階での容積負
荷を2kg-CODCr/m3・日以上4kg-CODCr/m3・日以下と
する。このことにより、排水を処理しつつポリエチレン
グリコールを分解する菌を高濃度に含有する嫌気性微生
物が効率よく馴養される。ここで、容積負荷が2kg-COD
Cr/m3・日より低くなると、処理負荷が小さすぎて排水
の処理効率が低下する。また、容積負荷が4kg-CODCr
3・日より高くなると、ポリエチレングリコールが分解
されずに残留するおそれがあり、処理効率が低下する。
このため、嫌気性処理の初期段階での容積負荷を2kg-C
ODCr/m3・日以上4kg-CODCr/m3・日以下に設定する。
【0021】請求項8記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1ないし7いずれか一記載
のポリエチレングリコール含有排水の処理方法におい
て、嫌気性微生物は、メタン発酵処理により生じる汚泥
であるものである。
【0022】そして、嫌気性微生物としてメタン発酵処
理により生じる汚泥を用いる。このことにより、嫌気性
処理の際にポリエチレングリコールを分解する菌が良好
に高濃度で馴養可能となるとともに、嫌気性処理の際に
ポリエチレングリコールの分解にて有価物としてのバイ
オガスが生成し、ポリエチレングリコールが有効に分解
処理される。
【0023】請求項9記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法は、請求項1ないし8いずれか一記載
のポリエチレングリコール含有排水の処理方法におい
て、活性汚泥処理により発生する余剰汚泥を可溶化した
後に排水とともに嫌気性処理するものである。
【0024】そして、活性汚泥処理により発生する余剰
汚泥を可溶化し、排水とともに嫌気性処理する。このこ
とにより、ポリエチレングリコールを含有する排水の処
理により発生する汚泥量が減少し、汚泥の処理性が向上
するとともに、汚泥の可溶化により嫌気性微生物への栄
養塩が補給されることとなり、嫌気性微生物の活性が増
大して処理効率が向上する。
【0025】請求項10記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置は、嫌気性微生物を流出しない状態
で保持し、前記嫌気性微生物により流入するポリエチレ
ングリコールを含有する排水を嫌気性処理する嫌気性処
理槽と、この嫌気性処理槽に接続されこの嫌気性処理槽
で嫌気性処理された前記排水に適宜酸素を供給して活性
汚泥処理する活性汚泥処理槽とを具備したものである。
【0026】そして、嫌気性微生物を流出しない状態で
保持した嫌気性処理槽でポリエチレングリコールを含有
する排水を嫌気性微生物により嫌気性処理した後、活性
汚泥処理槽で活性汚泥により適宜酸素を供給して活性汚
泥処理する。このことにより、余剰汚泥の発生量を減少
しつつ高度にポリエチレングリコールを分解する。
【0027】請求項11記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置は、請求項10記載のポリエチレン
グリコール含有排水の処理装置において、嫌気性処理槽
は、排水を嫌気性微生物により嫌気性処理する反応槽
と、この反応槽にて嫌気性処理された前記排水から前記
嫌気性微生物を固液分離して前記反応槽に返送する固液
分離手段とを備えたものである。
【0028】そして、排水を嫌気性微生物により嫌気性
処理する反応槽に、嫌気性処理した廃水から嫌気性微生
物を固液分離して反応槽に返送する固液分離手段を設け
て嫌気性処理槽とする。このことにより、嫌気性処理し
つつ、嫌気性微生物、特にポリエチレングリコール分解
菌が確実で容易に高濃度に馴養され、ポリエチレングリ
コールが確実に効率よく分解され、例えば平均分子量が
比較的大きいポリエチレングリコールを含有する排水や
ポリエチレングリコールを比較的高濃度に含有する排水
でも短時間で効率よく処理する。
【0029】請求項12記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置は、請求項10または11記載のポ
リエチレングリコール含有排水の処理装置において、嫌
気性処理槽は、嫌気性微生物を粒状に凝集させ排水中で
浮遊させて前記排水を嫌気性処理するものである。
【0030】そして、嫌気性処理槽で嫌気性微生物を粒
状に凝集し排水中で浮遊させて排水を嫌気性処理する。
このことにより、嫌気性処理した排水と嫌気性微生物と
が容易に固液分離されるので、嫌気性処理しつつ、嫌気
性微生物、特にポリエチレングリコールを分解する菌が
確実で容易に高濃度に馴養され、ポリエチレングリコー
ルが確実に効率よく分解され、処理効率が向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態にお
けるポリエチレングリコール含有排水の処理装置の構成
について図1を参照して説明する。
【0032】1は濃度調整手段としての調整槽で、この
調整槽1はポリエチレングリコール(HO(CH2CH
2O)nH,nは自然数:PEG)を含有する排水を貯留可
能で、排水を流入する流入管2が接続されている。な
お、この流入管2から流入する排水は、あらかじめ前処
理すなわち夾雑物が除去されている。
【0033】そして、この調整槽1には、貯留する排水
中のポリエチレングリコールの濃度を調整、例えば希釈
水を添加する図示しない濃度調整手段としての希釈水添
加装置が設けられている。さらに、この調整槽1には、
貯留する排水を例えば25℃以上55℃以下に加温する
図示しない加温手段と、排水を攪拌する攪拌手段とを備
えている。そして、この調整槽1には、ポリエチレング
リコールの濃度が調整された排水を槽外に流出する送水
管3が接続されている。
【0034】また、送水管3には、例えばUASB(Upf
low Anaerobic Slug Blanket:上向流式嫌気性スラッジ
ブランケット)やEGSB(Expended Granul Slug Blank
et:膨張式グラニュール汚泥床)などの嫌気性処理槽4が
接続されている。この嫌気性処理槽4は、送水管3が例
えば底部近傍に接続された反応槽5と、この反応槽5の
上部に接続された第1の固液分離手段6とを備えてい
る。
【0035】そして、この反応槽5は、送水管3から送
水された排水が貯留可能で、かつ、この貯留する排水中
にフロック状のグラニュールである粒子状に凝集した嫌
気性微生物を浮遊する状態で保持する。この嫌気性微生
物は、例えばメタン発酵処理により生じる汚泥を用い、
ポリエチレングリコールを分解する菌であるポリエチレ
ングリコール分解菌を含有する。また、反応槽5には、
貯留する排水を例えば25℃以上60℃以下に保温する
図示しない温度調整手段と、排水を攪拌する攪拌手段と
を備えている。そして、反応槽5は、浮遊する粒子状の
嫌気性微生物により排水中のポリエチレングリコールを
分解処理する。さらに、反応槽5には、嫌気性微生物に
て排水を嫌気性処理した際に発生するメタンガスおよび
炭酸ガスを主成分とするバイオガスを回収し別途燃料と
して再利用するために貯留するガスタンク7がガス管8
を介して接続されている。
【0036】また、第1の固液分離手段6には、排水管
9が接続されている。この第1の固液分離手段6は、反
応槽5内の排水を嫌気性微生物と分離水とに固液分離
し、嫌気性微生物は槽外に流出しないようにそのまま反
応槽5に滞留させ、分離水は排水管9を介して嫌気性処
理槽4外に流出させる。
【0037】さらに、送水管3には、流通する排水に嫌
気性微生物の栄養塩類、すなわち窒素、リン、マグネシ
ウム、鉄などの化合物を添加する栄養塩添加手段10が設
けられている。なお、この栄養塩添加手段10は、調整槽
1あるいは嫌気性処理槽4の反応槽5に設けてもよい。
【0038】そして、嫌気性処理槽4の排水管9には、
活性汚泥処理槽12が接続されている。この活性汚泥処理
槽12は、排水管9を介して嫌気性処理槽4から流入する
分離水を貯留可能で、貯留する分離水を活性汚泥にて活
性汚泥処理する。さらに、活性汚泥処理槽12の底部に
は、貯留する分離水に所定量の酸素を供給するために空
気を曝気する曝気手段が設けられている。すなわち、活
性汚泥処理槽12では、曝気手段から適宜酸素を曝気して
酸素を供給し、活性汚泥である好気性微生物により好気
性処理する。なお、活性汚泥処理槽12における活性汚泥
処理として、適宜酸素の供給量を低減して通気性雰囲気
あるいは嫌気性雰囲気とし、分離水中の窒素化合物を硝
化・脱窒処理により除去してもよい。
【0039】また、この活性汚泥処理槽12には、この活
性汚泥処理槽12で活性汚泥処理した分離水を汚泥と処理
水とに固液分離する第2の固液分離手段13が接続されて
いる。なお、この第2の固液分離手段13は、遠心脱水
機、回転円盤型脱水機、スクリュープレス、重力沈降に
より重力沈殿させる分離、凝集剤を添加して汚泥を凝集
させる分離、膜分離など、いずれの構成でもできる。
【0040】そして、この第2の固液分離手段13には、
分離した汚泥の一部を活性汚泥処理槽12に返送する返送
手段15が接続されている。また、第2の固液分離手段13
には、分離した汚泥の一部を嫌気性処理槽4の反応槽5
に可溶化して返送する可溶化手段16が接続されている。
この可溶化手段16は、図示しないアルカリ調整手段と、
熱処理手段とを備えている。そして、アルカリ調整手段
は、汚泥に例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリを添
加してアルカリ性、例えばpHを9〜10程度に調整し
て汚泥中の細菌や微生物、生物にて分解しにくい残留し
た有機物質を改質して可溶化する。また、熱処理手段
は、汚泥を例えばスチームにより70℃〜90℃程度、
好ましくは80℃前後に加熱して固泥中の細菌や微生物
を死滅および可溶化する。このようにして、可溶化手段
16は、汚泥を熱アルカリ処理により可溶化する。なお、
汚泥を可溶化する可溶化手段16としては、この構成に限
らず、例えば酸を添加して可溶化する湿式酸化処理の構
成や、オゾンガスを曝気してオゾンにより酸化して可溶
化するオゾン酸化処理の構成など、いずれの構成でもで
きる。
【0041】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0042】まず、排水の処理の初期段階では、ポリエ
チレングリコールを含有する排水を流入管2から調整槽
1に流入する。そして、図示しない加温手段で例えば2
5℃以上55℃以下に加温しつつ、希釈水添加装置から
希釈水を適宜添加して排水中のポリエチレングリコール
の濃度を50g/l以下、好ましくは3g/l以上30
g/l以下に調整する。
【0043】ここで、加温手段で加温する温度が25℃
より低くなると、後段での反応槽5内の排水の温度が低
下して嫌気性微生物の活性が低下するおそれがある。一
方、加温する温度が55℃より高くなると、後段での反
応槽5内の排水の温度が高くなって嫌気性微生物の活性
が低下もしくは死滅するおそれがあるとともにエネルギ
効率が低下するおそれがある。これらのことから、25
℃以上55℃以下に加温する。
【0044】また、ポリエチレングリコールの濃度が5
0g/lより多くなると、後段での嫌気性処理槽4の反
応槽5内で、嫌気性微生物、すなわちポリエチレングリ
コール分解菌が十分に馴養されていない。このため、嫌
気性微生物によるポリエチレングリコールの分解能力を
超過し、ポリエチレングリコールが残留するおそれがあ
る。さらに、残留するポリエチレングリコールが後段の
活性汚泥処理槽12での活性汚泥処理の際に発泡原因とな
り、効率よく活性汚泥処理できなくなるおそれがある。
また、ポリエチレングリコールの負荷の増大により嫌気
性微生物の活性が低下して効率よく馴養できなくなるお
それがある。
【0045】一方、ポリエチレングリコールの濃度が3
g/lより少なくなると、処理できるポリエチレングリ
コールの量が減少し、処理効率が低減する。さらに、特
にポリエチレングリコール分解菌の馴養が十分に進行し
なくなるおそれがある。
【0046】これらのことから、ポリエチレングリコー
ルの濃度を50g/l以上以下、好ましくは3g/l以
上30g/l以下となるように調整する。
【0047】そして、このポリエチレングリコールの濃
度が調整された排水を送水管3を介して、例えばメタン
発酵処理により生じる汚泥をあらかじめ種嫌気性微生物
として貯留した嫌気性処理槽4の反応槽5に流入する。
この排水の嫌気性処理槽4への流入は、排水の処理の初
期段階では、嫌気性微生物、特にポリエチレングリコー
ル分解菌の馴養を兼ねて、容積負荷が低負荷の条件、す
なわち例えば2kg-COD Cr/m3・日以上4kg-CODCr/m3
日以下となるように流入させる。
【0048】ここで、嫌気性処理の初期段階での容積負
荷が2kg-CODCr/m3・日より小さくなると、処理できる
ポリエチレングリコールの量が減少し、処理効率が低減
する。さらに、特にポリエチレングリコール分解菌の馴
養が十分に進行しなくなるおそれがあり、処理効率の向
上が図れなくなるおそれがある。
【0049】一方、嫌気性処理の初期段階での容積負荷
が4kg-CODCr/m3・日より大きくなると、ポリエチレン
グリコール分解菌が十分に馴養されていない。このた
め、嫌気性微生物によるポリエチレングリコールの分解
能力を超過し、ポリエチレングリコールが残留するおそ
れがある。さらに、残留するポリエチレングリコールが
後段の活性汚泥処理槽12での活性汚泥処理の際に発泡原
因となり、効率よく活性汚泥処理できなくなるおそれが
ある。また、ポリエチレングリコールの負荷の増大によ
り嫌気性微生物の活性が低下して効率よく馴養できなく
なるおそれがある。
【0050】これらのことから、嫌気性処理の初期段階
での容積負荷を2kg-CODCr/m3・日以上4kg-CODCr/m
3・日以下に設定することが好ましい。
【0051】また、調整槽1から排水を嫌気性処理槽4
へ流入する際、栄養塩添加手段10から、炭酸アンモニウ
ム(NH4HCO3)などの窒素分、リン酸ナトリウム(N
3PO4)、リン酸水素ナトリウム(Na2HPO4、Na
2PO4)、などのリン酸塩であるリン分、硫酸マグネ
シウム(MgSO4)などのマグネシウム分、塩化鉄(Fe
Cl2)などの鉄分などの栄養塩類をそれぞれ添加する。
この栄養塩類の添加量は、例えばポリエチレングリコー
ル1kgに対して、窒素分は0.0175g以上0.5
25g以下、リン分は0.0035g以上0.0105
g以下、マグネシウム分は0.001g以上0.003
g以下、鉄分は0.007g以上0.021g以下とす
ることが好ましい。
【0052】すなわち、窒素分がポリエチレングリコー
ルに対して0.0175g/kgより少ない、リン分が
ポリエチレングリコールに対して0.0035gより少
ない、マグネシウム分がポリエチレングリコールに対し
て0.001gより少ない、あるいは鉄分がポリエチレ
ングリコールに対して0.007gより少ないと、嫌気
性処理槽4での嫌気性微生物、特にポリエチレングリコ
ール分解菌の増殖性が低下する。
【0053】一方、窒素分がポリエチレングリコールに
対して0.525gより多い、リン分がポリエチレング
リコールに対して0.0105gより多い、マグネシウ
ム分がポリエチレングリコールに対して0.003gよ
り多い、鉄分がポリエチレングリコールに対して0.0
21gより多くても、ポリエチレングリコール分解菌の
増殖性の増大はあまり認められず、過剰に添加すること
により処理コストが増大する。
【0054】これらのことから、ポリエチレングリコー
ル1kgに対して、窒素分は0.0175g以上0.5
25g以下、リン分は0.0035g以上0.0105
g以下、マグネシウム分は0.001g以上0.003
g以下、鉄分は0.007g以上0.021g以下とす
ることが好ましい。
【0055】そして、次第に流入する排水の容積負荷を
増大させ、十分にポリエチレングリコール分解菌が馴養
された時点で、通常の嫌気性処理をする。すなわち、嫌
気性処理槽4に排水を流入する際、排水中のポリエチレ
ングリコールの平均分子量に応じて化学的酸素要求量の
容積負荷を、例えば表1に示すように、2kg-CODCr/m
3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下に設定する。
【0056】すなわち、表1に示すように、ポリエチレ
ングリコールの平均分子量が大きくなるに従って、ポリ
エチレングリコールを分解する嫌気性微生物の量(ML
SS)に対する1日当たりのポリエチレングリコールの
量となるPEG−MLSS負荷が小さくなるようにす
る。ここで、例えば嫌気性処理槽4として、UASBを
用いる場合には、汚泥濃度を10g/l以上、好ましく
は15g/l以上20g/l以下、汚泥ベットでの汚泥
濃度を20g/l以上、好ましくは30g/l以上60
g/l以下とする。
【0057】
【表1】
【0058】ここで、容積負荷が2kg-CODCr/m3・日よ
り小さくなると、処理できるポリエチレングリコールの
量が減少し、処理効率が低減する。さらに、特にポリエ
チレングリコール分解菌の馴養が十分に進行しなくなる
おそれがあり、処理効率の向上が図れなくなるおそれが
ある。
【0059】一方、容積負荷が80kg-CODCr/m3・日よ
り大きくなると、ポリエチレングリコール分解菌による
ポリエチレングリコールの分解能力を超過し、ポリエチ
レングリコールが残留するおそれがある。さらに、残留
するポリエチレングリコールが後段の活性汚泥処理槽12
での活性汚泥処理の際に発泡原因となり、効率よく活性
汚泥処理できなくなるおそれがある。また、ポリエチレ
ングリコールの負荷の増大により嫌気性微生物の活性が
低下して効率よく馴養できなくなるおそれがある。
【0060】これらのことから、ポリエチレングリコー
ルの平均分子量に応じて化学的酸素要求量の容積負荷を
2kg-CODCr/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下に設
定することが好ましい。
【0061】そして、嫌気性処理槽4の反応槽5で、例
えば35℃以上60℃以下好ましくは50℃以上55℃
以下で適宜攪拌しつつ、5〜30日間好ましくは7〜1
5日間滞留させて、嫌気性処理する。なお、この嫌気性
処理により発生する有価物のバイオガスは、図示しない
バイオガス回収手段にて回収してガス管8を介してガス
タンク7に貯溜し、発電などにて固形有機性廃棄物の処
理の際の運転エネルギやその他の排水処理のための運転
エネルギ、冷暖房などに利用する。
【0062】ここで、嫌気性処理の温度条件が35℃よ
り低くなる、あるいは60℃より高くなると、嫌気性微
生物の活性が低下し、処理効率が低下するおそれがあ
る。このため、嫌気性処理の温度条件を35℃以上60
℃以下に設定することが好ましい。
【0063】また、嫌気性処理の際の35℃以上60℃
以下で攪拌混合して滞留させる時間が5日より短くなる
と、嫌気性処理が不十分となる。一方、30日を超えて
もさらなる嫌気性処理の進行が望めずエネルギ収支が悪
くなる。これらのことから、5〜30日好ましくは7〜
15日間に設定することが好ましい。
【0064】そして、この嫌気性処理された排水は、反
応槽の上部に設けられた第1の固液分離手段6にて適宜
固液分離し、嫌気性微生物が嫌気性処理槽4から流出し
ないように分離水のみを排水管9を介して活性汚泥処理
槽12に流入させる。
【0065】この活性汚泥処理槽12に流入された分離水
は、図示しない曝気手段にて適宜空気が曝気されて酸素
が供給され、好気性雰囲気の状態で活性汚泥により嫌気
性処理槽4で分解されずに残留したポリエチレングリコ
ールがある程度分解された易分解性の有機物を酸化分解
する。
【0066】そして、所定時間滞留させて活性汚泥によ
り活性汚泥処理した分離水は、第2の固液分離手段13に
て汚泥分と処理水とに固液分離する。この分離された処
理水は、系外に放流、あるいは例えば活性汚泥処理槽12
を別途直列に複数接続したプラグフロー形式としたり、
凝集剤などの薬剤にて化学的処理したり、紫外線やオゾ
ン、過酸化水素などにて分解したり、活性炭などの吸着
剤にて吸着させるなどの別途浄化処理する。また、汚泥
の一部は、返送手段15を介して再び活性汚泥処理槽12に
返送する。さらに、固液分離した残りの余剰の汚泥は可
溶化手段16にて可溶化した後に嫌気性処理槽4に投入
し、排水とともに再び処理する。
【0067】なお、長期間の排水の処理により、余剰の
嫌気性微生物を引き抜いた場合には、約5℃程度の低温
無酸素状態で保存できることから、別途装置の種嫌気性
微生物に用いたり、反応槽5の不具合が生じた際に投入
するために、別途確保しておくとよい。
【0068】このように、上記実施の形態では、ポリエ
チレングリコールを含有する排水を、嫌気性微生物によ
り嫌気性処理して分解するとともに有価物としてバイオ
ガスを回収し、完全に分解されずに残留するポリエチレ
ングリコールの分解副生成物の易分解性の有機物は活性
汚泥により活性汚泥処理する。そして、単に活性汚泥に
より処理する場合では、分解されるポリエチレングリコ
ールが活性汚泥のエネルギ源となるので、排水の処理に
より発生する汚泥量が例えば0.3〜0.4kg-MLSS/除
去BODと多くなり、汚泥の処理が煩雑となる。一方、
上記実施の形態では、一旦嫌気性微生物にて有価物のバ
イオガスに分解して嫌気性微生物が余剰に増殖すること
を抑制し、残留する有機物のみを活性汚泥処理するの
で、余剰汚泥量が例えば0.15kg-MLSS/除去BODと
大きく減少し、排水のCODCr除去率も99%以上とな
り、処理効率を向上できる。
【0069】そして、あらかじめ嫌気性微生物によりポ
リエチレングリコールを分解あるいは易分解性の重合度
が小さい有機物に分解し、残留する有機物を活性汚泥処
理する。このため、単に活性汚泥処理する場合に比して
処理負荷を大きくでき、高濃度・高負荷で効率よく分解
処理できる。
【0070】さらに、上記実施の形態では、嫌気性微生
物による嫌気性処理の条件を、排水中のポリエチレング
リコールの平均分子量に応じて化学的酸素要求量の容積
負荷を2kg-CODCr/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以
下とする。このため、平均分子量の大きさにより分解性
が異なるポリエチレングリコールでも、残留することな
く高度に効率よく分解できる。
【0071】また、嫌気性微生物を粒状に凝集させて汚
水中に浮遊した状態で嫌気性処理する。このことによ
り、嫌気性微生物、特にポリエチレングリコール分解菌
を容易に高濃度に馴養でき、ポリエチレングリコールを
確実に効率よく分解できる。このため、例えば平均分子
量が比較的大きいポリエチレングリコールを含有する排
水やポリエチレングリコールを比較的高濃度に含有する
排水でも短時間で効率よく処理できる。
【0072】さらには、嫌気性微生物を粒状に凝集させ
るため、重力沈降にて嫌気性微生物と分離水とに容易に
固液分離できる。このことから、例えば反応槽5の上部
に第1の固液分離手段6を備えたUASBやEGSBを
用いることができ、馴養した嫌気性微生物が系外に流出
させることなく分離水を活性汚泥処理槽12に送水でき、
効率よく処理できる。また、高さ制限によりUASBや
EGSBを用いることができない場合には、反応槽5か
ら第1の固液分離手段6として別途沈殿槽にて固液分離
させたり、膜分離手段にて固液分離するなどもでき、設
置条件に容易に対応でき、施工性も向上できる。
【0073】そして、排水を処理する初期段階で、例え
ば2kg-CODCr/m3・日以上4kg-COD Cr/m3・日以下の低
負荷でポリエチレングリコール分解菌を馴養しつつ排水
処理し、ポリエチレングリコール分解菌の馴養に伴って
次第に負荷条件を増大させる。このため、排水の処理と
平行してポリエチレングリコール分解菌を高濃度に効率
よく馴養でき、処理効率を向上できる。
【0074】また、嫌気性処理の際に、栄養塩類を添加
する。このため、嫌気性微生物、特にポリエチレングリ
コール分解菌を効率よく高濃度に馴養でき、処理効率を
向上できる。
【0075】さらに、処理の際に余剰の汚泥が比較的発
生しやすい活性汚泥処理で発生する汚泥を可溶化手段16
にて可溶化し、再び嫌気性処理する。このため、ポリエ
チレングリコールの分解処理で余剰汚泥が発生しないも
しくは発生する汚泥量を大きく減少でき、余剰汚泥の処
理工程を削減もしくは低減でき、処理効率を向上でき
る。そしてさらには、可溶化された汚泥から栄養塩類が
供給される。このことから、嫌気性微生物の馴養のため
に添加する栄養塩類を低減もしくは栄養塩類を添加しな
くても分解処理可能となり、処理コストを低減できる。
【0076】また、排水を処理する前に排水のポリエチ
レングリコールの濃度を希釈水添加装置を備えた調整槽
1で調整する。このため、希釈水を添加する簡単な構造
でポリエチレングリコールを確実に分解するための濃度
以下に容易に調整できる。なお、例えば排水のポリエチ
レングリコールの濃度が低い場合には、そのまま処理し
てもポリエチレングリコールを分解できるので、濃度を
調整しないでそのまま処理してもよい。
【0077】なお、上記実施の形態において、排水中に
ポリエチレングリコール以外でBODやCODに起因す
る有機物を含有するおそれのある排水を処理する場合で
も、PEG−MLSS負荷から換算されるBOD−ML
SS負荷やCOD−MLSS負荷に基づいて調整すれば
よい。
【0078】また、処理水の一部を嫌気性処理槽4や活
性汚泥処理槽12に返送して処理水が一部循環する構成と
してもよい。この構成により、より確実に高度にポリエ
チレングリコールを分解できるとともに、より高負荷で
処理可能となる。
【0079】そして、固液分離した余剰の活性汚泥の一
部を返送手段15にて活性汚泥処理槽12に返送して活性汚
泥処理に再利用して説明したが、活性汚泥の全量を返送
したり、返送手段15を設けないで活性汚泥を返送しない
構成でもできる。
【0080】また、可溶化手段16を設けて固液分離した
余剰の活性汚泥の一部を可溶化して嫌気性処理槽4に返
送して説明したが、活性汚泥の全量を可溶化して返送し
たり、可溶化手段16を設けない構成でもできる。なお、
可溶化手段16を設けることにより、上述したように、栄
養塩類が可溶化されて返送される汚泥から供給されるた
め、ポリエチレングリコール分解菌の栄養塩類、すなわ
ち窒素、リン、マグネシウム、鉄などの栄養塩類を添加
する栄養塩添加手段10を設けなくてもよい。
【0081】
【発明の効果】請求項1記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理方法によれば、ポリエチレングリコール
を含有する排水を、嫌気性微生物により嫌気性処理する
とともに、この嫌気性処理した後に酸素を供給して活性
汚泥により活性汚泥処理するため、余剰汚泥の発生量を
減少しつつ高度にポリエチレングリコールを分解でき
る。
【0082】請求項2記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1記載のポリエチレ
ングリコール含有排水の処理方法の効果に加え、嫌気性
微生物を粒状に凝集して排水中で浮遊させて嫌気性処理
するため、嫌気性処理した排水と嫌気性微生物とを容易
に固液分離できるので、嫌気性微生物が系外に流出する
ことなく容易に高濃度に馴養でき、ポリエチレングリコ
ールを確実に効率よく分解でき、例えば平均分子量が比
較的大きいポリエチレングリコールを含有する排水やポ
リエチレングリコールを比較的高濃度に含有する排水で
も短時間で効率よく処理でき、処理効率を向上できる。
【0083】請求項3記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1または2記載のポ
リエチレングリコール含有排水の処理方法の効果に加
え、嫌気性処理した排水を固液分離し、固液分離した嫌
気性微生物を排水の嫌気性処理に返送するとともに、分
離水は後段で活性汚泥処理するため、嫌気性微生物を確
実に高濃度に効率よく馴養でき、例えば平均分子量が比
較的大きいポリエチレングリコールを含有する排水やポ
リエチレングリコールを比較的高濃度に含有する排水で
も短時間で効率よく処理でき、処理効率を向上できる。
【0084】請求項4記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1ないし3いずれか
一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法の
効果に加え、嫌気性処理する排水に栄養塩を添加するた
め、嫌気性微生物を効率よく高濃度に馴養でき、処理効
率を向上できる。
【0085】請求項5記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1ないし4いずれか
一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法の
効果に加え、排水中のポリエチレングリコールの平均分
子量に応じて化学的酸素要求量の容積負荷を2kg-CODCr
/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以下で嫌気性処理す
るため、平均分子量の大きさにより分解性が異なるポリ
エチレングリコールでも高度に効率よく分解できる。
【0086】請求項6記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1ないし5いずれか
一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法の
効果に加え、嫌気性処理をする初期段階で、低い容積負
荷の条件で嫌気性微生物を馴養しつつ嫌気性処理した
後、次第に嫌気性処理の負荷の条件を増大させるため、
排水の処理と平行してポリエチレングリコールを分解す
る菌を高濃度に含有する嫌気性微生物を効率よく馴養で
き、処理効率を向上できる。
【0087】請求項7記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項6記載のポリエチレ
ングリコール含有排水の処理方法の効果に加え、嫌気性
処理の初期段階での容積負荷を2kg-CODCr/m3・日以上
4kg-CODCr/m3・日以下とするため、排水を処理しつつ
ポリエチレングリコールを分解する菌を高濃度に含有す
る嫌気性微生物を効率よく馴養できる。
【0088】請求項8記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1ないし7いずれか
一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法の
効果に加え、嫌気性微生物としてメタン発酵処理により
生じる汚泥を用いるため、嫌気性処理の際にポリエチレ
ングリコールを分解する菌が良好に高濃度で馴養できる
とともに、嫌気性処理の際にポリエチレングリコールの
分解にて有価物としてのバイオガスが効率よく生成し、
ポリエチレングリコールを有効に分解処理できる。
【0089】請求項9記載のポリエチレングリコール含
有排水の処理方法によれば、請求項1ないし8いずれか
一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法の
効果に加え、活性汚泥処理により発生する余剰汚泥を可
溶化し、排水とともに嫌気性処理するため、ポリエチレ
ングリコールを含有する排水の処理により発生する汚泥
量を減少でき、汚泥の処理が削減もしくは低減でき、処
理効率を向上できるとともに、汚泥の可溶化により嫌気
性微生物への栄養塩が補給されるので、嫌気性微生物の
活性が増大して処理効率を向上できる。
【0090】請求項10記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置によれば、嫌気性微生物を流出しな
い状態で保持した嫌気性処理槽でポリエチレングリコー
ルを含有する排水を嫌気性微生物により嫌気性処理した
後、活性汚泥処理槽で活性汚泥により適宜酸素を供給し
て活性汚泥処理するため、余剰汚泥の発生量を減少しつ
つ高度にポリエチレングリコールを分解できる。
【0091】請求項11記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置によれば、請求項10記載のポリエ
チレングリコール含有排水の処理装置の効果に加え、排
水を嫌気性微生物により嫌気性処理する反応槽に、嫌気
性処理した廃水から嫌気性微生物を固液分離して反応槽
に返送する固液分離手段を設けて嫌気性処理槽とするた
め、嫌気性処理しつつ、嫌気性微生物を確実で容易に高
濃度に馴養でき、例えば平均分子量が比較的大きいポリ
エチレングリコールを含有する排水やポリエチレングリ
コールを比較的高濃度に含有する排水でも短時間で効率
よく処理できる。
【0092】請求項12記載のポリエチレングリコール
含有排水の処理装置によれば、請求項10または11記
載のポリエチレングリコール含有排水の処理装置の効果
に加え、嫌気性処理槽で嫌気性微生物を粒状に凝集し排
水中で浮遊させて排水を嫌気性処理するため、嫌気性処
理した排水と嫌気性微生物とを容易に固液分離できるの
で、嫌気性処理しつつ嫌気性微生物を確実で容易に高濃
度に馴養でき、処理効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態におけるポリエチレング
リコール含有排水の処理方法の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
4 嫌気性処理槽 5 反応槽 6 第1の固液分離手段 10 栄養塩添加手段 12 活性汚泥処理槽 16 可溶化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D028 AB00 BC17 BC18 BD00 BD11 BD16 BD17 4D040 AA04 AA23 AA27 AA34 AA43 AA61 BB42 BB82

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレングリコールを含有する排水
    を嫌気性微生物により嫌気性処理し、 この嫌気性処理した前記排水を酸素を供給して活性汚泥
    により活性汚泥処理することを特徴とするポリエチレン
    グリコール含有排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 嫌気性処理は、嫌気性微生物を粒状に凝
    集して排水中で浮遊させることを特徴とする請求項1記
    載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 嫌気性処理した排水を分離水と嫌気性微
    生物とに固液分離し、前記固液分離した嫌気性微生物を
    前記排水の嫌気性処理に返送し、分離水は活性汚泥処理
    することを特徴とする請求項1または2記載のポリエチ
    レングリコール含有排水の処理方法。
  4. 【請求項4】 嫌気性処理する排水に栄養塩を添加する
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のポ
    リエチレングリコール含有排水の処理方法。
  5. 【請求項5】 嫌気性処理は、排水中のポリエチレング
    リコールの平均分子量に応じて化学的酸素要求量の容積
    負荷を2kg-CODCr/m3・日以上80kg-CODCr/m3・日以
    下とすることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一
    記載のポリエチレングリコール含有排水の処理方法。
  6. 【請求項6】 嫌気性処理をする初期段階で、低い容積
    負荷の条件で嫌気性微生物を馴養しつつ前記排水を嫌気
    性処理した後、次第に嫌気性処理の負荷の条件を増大さ
    せることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載
    のポリエチレングリコール含有排水の処理方法。
  7. 【請求項7】 嫌気性処理をする初期段階での容積負荷
    は、2kg-CODCr/m 3・日以上4kg-CODCr/m3・日以下で
    あることを特徴とする請求項6記載のポリエチレングリ
    コール含有排水の処理方法。
  8. 【請求項8】 嫌気性微生物は、メタン発酵処理により
    生じる汚泥であることを特徴とする請求項1ないし7い
    ずれか一記載のポリエチレングリコール含有排水の処理
    方法。
  9. 【請求項9】 活性汚泥処理により発生する余剰汚泥を
    可溶化した後に排水とともに嫌気性処理することを特徴
    とする請求項1ないし8いずれか一記載のポリエチレン
    グリコール含有排水の処理方法。
  10. 【請求項10】 嫌気性微生物を流出しない状態で保持
    し、前記嫌気性微生物により流入するポリエチレングリ
    コールを含有する排水を嫌気性処理する嫌気性処理槽
    と、 この嫌気性処理槽に接続されこの嫌気性処理槽で嫌気性
    処理された前記排水に適宜酸素を供給して活性汚泥処理
    する活性汚泥処理槽とを具備したことを特徴としたポリ
    エチレングリコール含有排水の処理装置。
  11. 【請求項11】 嫌気性処理槽は、排水を嫌気性微生物
    により嫌気性処理する反応槽と、この反応槽にて嫌気性
    処理された前記排水から前記嫌気性微生物を固液分離し
    て前記反応槽に返送する固液分離手段とを備えたことを
    特徴とした請求項10記載のポリエチレングリコール含
    有排水の処理装置。
  12. 【請求項12】 嫌気性処理槽は、嫌気性微生物を粒状
    に凝集させ排水中で浮遊させて前記排水を嫌気性処理す
    ることを特徴とした請求項10または11記載のポリエ
    チレングリコール含有排水の処理装置。
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