JP4289731B2 - 有機性廃棄物の処理方法およびその装置 - Google Patents

有機性廃棄物の処理方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物の処理方法およびその装置に関する。更に詳しくは、好気性微生物および嫌気性微生物を単一の処理槽中に共生させ、これらの微生物で有機廃水や産業廃棄物としての余剰汚泥等の有機性廃棄物を処理する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機性廃棄物の生物学的処理方法は、(1) 好気性微生物を使用する「活性汚泥法」、(2)嫌気性微生物を使用する「嫌気消化法」に大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(1)の活性汚泥法による処理の場合は、曝気槽内で浄化微生物によってBODの除去が行われると汚泥が増殖する。この生物増殖による余剰汚泥の発生は活性汚泥法の宿命的な欠陥であり、余剰汚泥の処理に伴う運転コストの上昇や、環境二次汚染は、社会的問題点を多く含んだまま未だ十分な解決がなされていない。
【0004】
この余剰汚泥の発生は、次式によって表わされる。
△S=a・Lr−b・Sa+SS
△S・・・・・・汚泥泥発生量
a・・・・・・汚泥変換率
Lr・・・・・・除去された有機物
b・・・・・・自己消化係数
Sa・・・・・・曝気槽汚泥総量
SS・・・・・・非分解の物質
【0005】
上記式において、a,bの値は有機物質やエアレーション強度等による定まった値であり、又廃水処理の目的からLr値もほぼ一定と考えて良い。
そこで、△Sを小さくするには、Saを大きくすることと、SSを曝気槽流入以前に少なくすることで解決出来る。Sa値は曝気槽容積とMLSS濃度(曝気槽内の活性汚泥濃度)によって変化させることができるが、曝気槽容積を大きくするには経済的問題を含むこととなる。
【0006】
MLSS濃度を大きくすることは、活性汚泥法において有効であるが、処理水と汚泥との分離は、重力による沈降分離であるためにMLSS濃度を大きくすることには限界がある。
即ち、活性汚泥法においては、曝気槽で曝気した原水と活性汚泥の混合液を沈澱槽で汚泥と処理水とに分けるべく沈降分離を行うが、この場合MLSS濃度を大きくすると、汚泥と処理水との分離ができなくなる。
この為、MLSS濃度は3000〜5000ppm程度に制限される。
【0007】
また、高濃度の有機性廃棄物を活性汚泥法で処理する場合は、分解するまでの曝気槽滞留時間が長くなり、ランニングコストが高くなる。
つまり、高濃度の有機性廃棄物の処理を、活性汚泥法で行うことは、処理効率の観点からも、またコストの観点からも有効とはいえない。
【0008】
これに対し、(2)の嫌気消化法による処理の場合は、活性汚泥法に比べると高濃度の有機性廃棄物の処理に有効であるが、次のような課題がある。
▲1▼ 消化液中の残留有機物濃度が高いために、活性汚泥法などによる二次処理の必要があるが、嫌気性処理と好気性処理とを別々の工程に分けて処理する場合は、処理コストが高くなる。
▲2▼ 廃液中に硫化水素、アンモニアなどが発生して臭気を発するためにこれらの有害ガスを別途処理する装置が必要となり、その分処理コストが高くなる。
▲3▼ 処理速度を上げるためには、処理槽に一定の加温装置が必要である。
その場合の燃料として嫌気性処理の過程で発生したメタンガスや、一酸化炭素を利用しているが、処理する有機性廃棄物の濃度が低い場合には(BOD濃度が30000ppm未満)メタンガスや、一酸化炭素が発生しにくく、別に加温用燃料が必要になる。従って、低濃度の有機性廃棄物に対しては経済的ではない。
【0009】
ところで、汚泥負荷量は、汚泥負荷量=負荷(トータルBOD)/生物量(トータルMLSS)で表すことができる。汚泥負荷量は、小さい方が処理効率が上がるし、余剰汚泥の発生も少なくなる。
嫌気消化法による処理の場合は、活性汚泥法の場合と比べて生物の濃度は数十倍もあり、上記観点から、同じ曝気槽の容積であれば活性汚泥法で処理するよりも嫌気消化法で処理する方が処理効率はよい。
しかし、嫌気性菌による嫌気消化法の場合は、上記したように二次処理、臭いや有毒ガスの処理問題が生じ、この点の解決が望まれていた。
【0010】
本発明者は、有機性廃水の処理能力の向上、および汚泥の発生量の減少についての研究の過程において、図1に示した処理槽を使用して次のような実験を行っていた。
・廃水諸元
廃水種別 ブロイラー廃水
廃水流入水量 :200m/日
流入BOD :800ppm トータルBOD :160kgBOD/日
流入SS :600ppm トータルSS :120kgSS/日
・装置概要
曝気槽有効 :500m/日 形状:11W×11L×4.5H
MLSS :3000ppm 総汚泥量:1500kgSS
エアレーター :11kw(表面散布式) 酸素供給能力:19.1kgO2/Hr
・処理水質(運転概要)
処理水BOD平均 :15ppm トータル窒素 :8ppm
処理水SS平均 :20ppm トータルリン :5ppm
余剰汚泥発生量 約50m/月 at 15000ppm
【0011】
上記数値を基に連続運転を行っていたところ、ある時期から運転概要数値に下記のような変化が見られた。
廃水流入水量 :250m/日
流入BOD :850ppm トータルBOD :212.5kgBOD/日
流入SS :700ppm トータルSS :173kgSS/日
つまり、30%程度の負荷量の増加となっていた。
【0012】
ところが、処理水質としては、
MLSS :4500ppm
処理水BOD :12ppm トータル窒素:6ppm
処理水SS :20ppm トータルリン:6ppm
余剰汚泥発生量 約5m/月 at 15000ppm
であった。
【0013】
上記のように、処理水質には大きな変化はないものの、余剰汚泥の引抜量が、50m/月の15000ppmであったものが、5m/月15000ppmと、極端に減少したのである。
余剰汚泥の系外への引き抜き量が極端に減量したことは、有機性廃水処理においては、多大なる利得であって、その原因を調査したところ、エアレーターの導液管の下部の一部分が脱落して導液管が短くなっていたことが判明した。
【0014】
更に、処理槽の現況調査を行ったところ、次の様なことがわかった。
▲1▼曝気槽底部より平均1.5m程度の高さの箇所に、嫌気性微生物を含有する嫌
気的層が出現していた。
▲2▼上層部の流動部のMLSSが4500ppmに上昇していた。
▲3▼流入負荷量が30%程度増加しているが、処理水質の悪化は見られなかった。
【0015】
また、各部の調査を行なったところ、次のこともわかった。
▲1▼下部の嫌気的層
(確認された菌相)
クロストリジウム(Clostridium)、プロテウス(Proteus)、バチルス(Bacillus)、ストプレトコッカス(Streptococcus)等の嫌気性菌と、数種のメタン細菌が確認された。汚泥濃度は平均54000ppmであった。
なお、溶存酸素は全く無く汚泥フロックには、少量のガスの付着が見られた。また、腐敗したSS類も確認された。
【0016】
▲2▼上部好気層部
(確認された菌相)
通常の活性汚泥に見られるズーグレア(zoogloea)を基相としており、自己酸化相に多く出現するアルカリゲネス(Alcaligenes)やフラボバクテリウム(Flavobacterium)が多く確認された。原生動物も多く見られた。DO(溶存酸素濃度)は平均2.4ppm程度であった。下部層が嫌気的であるにもかかわらず、表面での硫化水素やメルカプタン等の臭気は感知されなかった。
【0017】
以上のことから、単一の処理槽において、
(1)エアレーターの導液管の長さを長くすれば、従来の活性汚泥法による処理ができる。
(2)エアレーターの導液管の長さを短くすれば、同一槽内において好気層部と嫌気層部を形成でき、これによって好気性処理と嫌気性処理の双方を兼ねることができる。
(3)エアレーターの導液管の長さを調整することによって、好気層部と嫌気層部の割合を変えることができる。
(4)汚泥は対流させないと沈降し、沈降すると濃度が高くなって汚泥の総量 が増加する。
ということが判明した。
本発明は、これらの知見に基づき完成するに至ったものである。
【0018】
そこで本発明の目的は、単一の処理槽において好気性処理と嫌気性処理を併用した有機性廃棄物の処理方法および装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、単一の処理槽において好気性処理と嫌気性処理を併用することにより、高濃度の有機性廃棄物を嫌気性処理(嫌気消化法)で効率よく処理し、嫌気消化法の場合の問題点である二次処理、臭いや有毒ガスの処理は同一の処理槽内で好気的に処理することによって、処理効率の向上と処理コストの低減を図った処理方法および装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた発明の構成は次の通りである。
第1の発明にあっては、単一の処理槽を使用し、曝気装置で液面から一定の深さの領域を流動させて好気性微生物の領域を形成し、該好気性微生物の領域よりも下部の領域は流動させないようにして嫌気性微生物の領域を形成し、それぞれの領域の微生物で有機性廃棄物を処理する方法であって、
処理槽の底部には嫌気性微生物の領域である流動しない嫌気性層が形成され、該嫌気性層の上面には所要厚さで通性嫌気性微生物の領域である通気性層が形成され、上記通気性層の上部には好気性微生物の領域である好気性層が形成され、嫌気的処理により生じた臭いや有毒ガスの処理は同一の処理槽内で好気的に処理するものであり、
上記嫌気性層は、嫌気性菌と数種のメタン細菌を含み、汚泥フロックには少量のガスの付着もみられ、腐敗したSS類も含んでおり、
上記好気性層はズーグレアを基相として、アルカリゲネスやフラボバクテリウム、原生動物も含んでおり、
上記処理槽には、混合液に空気を溶解させる為のエアレータが設けてあり、エアレータはフロートを備え、軸流水車を動力により回転させる構造のもので、下部には導液管が設けてあり、該導液口より液を吸い上げ、大気中に散液し、空気を溶存させ、液面へ激突させる機構となっており、
上記エアレータは、一定濃度の、主に好気性微生物が混合されている処理槽の中間部の好気性層の混合液を吸い込み、上記導液口より下から処理槽の底面までの領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はないようにした、
有機性廃棄物の処理方法である。
【0020】
第2の発明にあっては、単一の処理槽と液面に空気を供給する空気供給装置とを有し、該空気供給装置は液面から一定の深さにある導液管を有しており、該導液管の導液口より下方に嫌気性微生物の領域を、該嫌気性微生物の領域の上方には好気性微生物の領域を有する有機性廃棄物の処理装置であって、
上記処理槽の底部には嫌気性微生物の領域である流動しない嫌気性層が形成されており、該嫌気性層の上面には所要厚さで通性嫌気性微生物の領域である通気性層が形成されており、上記通気性層の上部には好気性微生物の領域である好気性層が形成されており、
上記嫌気性層は、嫌気性菌と数種のメタン細菌を含み、汚泥フロックには少量のガスの付着もみられ、腐敗したSS類も含んでおり、
上記好気性層はズーグレアを基相として、アルカリゲネスやフラボバクテリウム、原生動物も含んでおり、
上記処理槽には、混合液に空気を溶解させる為のエアレータが設けてあり、エアレータはフロートを備え、軸流水車を動力により回転させる構造のもので、下部には導液管が設けてあり、該導液口より液を吸い上げ、大気中に散液し、空気を溶存させ、液面へ激突させる機構となっており、
上記エアレータは、一定濃度の、主に好気性微生物が混合されている処理槽の中間部の好気性層の混合液を吸い込むようにし、上記導液口より下から処理槽の底面までの領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はないようにしている、
有機性廃棄物の処理装置である。
【0021】
第3の発明にあっては、既存の活性汚泥処理槽を表面曝気方式に変更し、導液管の導液口の高さ方向の位置を変えることによって嫌気性微生物の領域と好気性微生物の領域の境界部分を変えたものである、
第2の発明に係る有機性廃棄物の処理装置である。
【0024】
【作用】
単一の処理槽において好気性処理と嫌気性処理を併用することにより、高濃度の有機性廃棄物を嫌気性処理(嫌気消化法)で効率よく処理し、嫌気消化法の場合の問題点である二次処理、臭いや有毒ガスの処理は同一の処理槽内で好気的に処理することができる。
【0025】
単一の処理槽内には、液面から一定の深さにある導液管を有しており、液面に空気を供給する空気供給装置が設けられている。導液管で処理槽の全液深の略中間部より処理槽内の混合液を吸い上げ、液面に散布する。これにより混合液中の上層部は、空気を溶解させ乍ら流動し好気性微生物の領域が形成される。一方、処理液中の下層部は流動しないため、嫌気性微生物の領域が形成される。これによって、上層部に好気性微生物の領域が、また、下層部に嫌気性微生物の領域が形成され、更に両領域の界面に通性嫌気性微生物の領域が形成される。そうしてそれぞれの微生物が共生しあい、有機性廃棄物の処理が効率よく行われる。
【0026】
嫌気性微生物の領域を有しているため、活性汚泥法の場合に比べて有機廃棄物の濃度を上げて運転でき、しかも汚泥の発生量は少ない。
【0027】
なお、導液管の長さを調整することによって好気的雰囲気の領域と嫌気的雰囲気の領域の割合を調整することができるので、両者を適切に培養することによって全体として処理能力の向上・汚泥の発生量の減少させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明にかかる処理装置の概要を説明する説明図である。符号10は深さは4.5mの処理槽で、内部に混合液を貯留している。処理槽10の底部には、嫌気性微生物の領域である嫌気性層12が形成されている。嫌気性層12の上面には、所要厚さで通性嫌気性微生物の領域である通気性層14が形成されている。嫌気性層12と通気性層14を合わせた高さは、処理槽10の底部から略1.5m〜1.7mの高さである。
【0029】
嫌気性層12は、クロストリジウム(Clostridium)、プロテウス(Proteus)、バチルス(Bacillus)、ストプレトコッカス(Streptococcus)等の嫌気性菌と、数種のメタン細菌を含んでおり、(汚泥濃度)平均54000ppm、溶存酸素は全く無く、汚泥フロックには、少量のガスの付着もみられ、腐敗したSS類も含んでいる。
【0030】
通気性層14は、酸素があってもなくても生存できる菌、例えば大腸菌を含んでいる。
【0031】
通気性層14の上部には、好気性微生物の領域である好気性層16が形成されている。好気性層16は通常の活性汚泥に見られるズーグレア(zoogloea)を基相としており、自己酸化相に多く出現するアルカリゲネス(Alcaligenes)やフラボバクテリウム(Flavobacterium)を多く含んでいる。また、原生動物も含んでおり、DO(溶存酸素濃度)は平均2.4ppm程度である。
なお、下部の層が嫌気性であるにもかかわらず、表面での硫化水素やメルカプタン等の臭気は感知されない。
【0032】
処理槽10の中央には、混合液に空気を溶解させる為のエアレータ20が設けてある。エアレータ20は、軸流水車22を動力により回転させる構造のもので、下部には導液管24が設けてあり、導液口241より液を吸い上げ、大気中に散液し、空気を溶存させ、液面へ激突させる機構となっている。
符号27はフロート、28はエアレータ20の位置を固定するためのロープを示している。
【0033】
エアレータ20の導液管24の導液口241は、処理槽10の底面より一定の高さ(本実施の形態では略1.7m)を保持し、処理槽の中間部の好気性層16の混合液を吸い込む。吸い込まれた混合液には、上記したように一定濃度の、主に好気性微生物が混合されている。この混合液は、エアレータ20の散液口26より、大気中に散布され、又、混合液表面に激突する。この様にして、空気が溶存した混合液は、液面から、導液管24の導液口241迄を循環し、上層部は好気的雰囲気が保たれることになる。従って、この循環部では、好気性微生物が有効に働く好気性微生物の領域となる。
【0034】
一方、導液口241より下から処理槽10の底面までの領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はない。従って、嫌気性微生物が有効に働く嫌気性微生物の領域となる。
【0035】
好気的領域と嫌気的領域の境界面部分では、わずかな流動面を形成し、通性嫌気性微生物が優勢となる。この様に、単一の処理槽内で、好気性、通気性、嫌気性の各微生物の活動する領域を持つ。これによって、自然界の河川や湖沼等の様な自浄作用システムにより近い、有機性廃水処理システムとなる。
【0036】
(比較例)
図1で示した処理槽を使用して、従来の活性汚泥法だけでの処理と、本発明にかかる処理方法での処理とをそれぞれ実施した。その結果の比較を示すと次の通りである。
Figure 0004289731
上記結果から明らかなように、従来の活性汚泥法だけで処理した場合と本発明による処理の場合とでは、トータルBOD、トータルSSとも本発明による処理の方が優れている。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成を有し、次の効果を奏する。
(1) 好気性微生物および嫌気性微生物の活動領域を単一の処理槽内に有し、これらの微生物で有機性廃棄物を処理するようにしている。
つまり単一の処理槽内に、性質の異なる微生物の共生関係を構築し、好気性処理と嫌気性処理を併用することにより、高濃度の有機性廃棄物を嫌気性処理(嫌気消化法)で効率よく処理し、嫌気消化法の場合の問題点である二次処理、臭いや有毒ガスの処理は同一の処理槽内で好気的に処理することによって、処理効率の向上と処理コストの低減を図ることができる。
【0038】
(2) 本発明にかかる装置の製造に当たっては、既存の活性汚泥処理(好気性処理)槽を使用することができ、多額の投資は不要である。
すなわち、既存の活性汚泥処理槽を表面曝気方式に変更し、導液管を短くすることにより、混合液は導液管の導液口迄を循環し、上層部は好気的雰囲気が保たれることになる。従って、この循環部では、好気性微生物が有効に働く好気性微生物の領域が形成できる。
導液口下部液位の領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はない。従って、嫌気性微生物が有効に働く嫌気性微生物の領域を形成できる。
【0039】
(3) 嫌気性微生物の領域には酸素の供給の必要がないため、曝気処理に必要なモーターなどの動力エネルギーを大幅に節減できる。
実験によれば、同じ容量の有機廃液を従来の曝気槽で行う場合と、本発明にかかる処理槽で行なう場合の処理に要するランニングコストは、従来の方法に比較して約30ないし50%程度削減された。
【0040】
(4) 処理槽の底部に嫌気性微生物の領域を形成することにより、嫌気性処理が可能となる。嫌気的に処理する場合は有機性廃棄物の濃度を数万ppmの濃度とすることができるため、容積当たりの分解効率がよい。
また、メタンガス等のガスが発生しても上部の好気性微生物の領域にとけ込み吸収されるために、外部に漏れる心配がなく、従ってガス処理或いは二次処理などの処理設備が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる処理装置の概要を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 処理槽
12 嫌気性層
14 通気性層
16 好気性層
20 エアレーター
24 導液管

Claims (3)

  1. 単一の処理槽を使用し、曝気装置で液面から一定の深さの領域を流動させて好気性微生物の領域を形成し、該好気性微生物の領域よりも下部の領域は流動させないようにして嫌気性微生物の領域を形成し、それぞれの領域の微生物で有機性廃棄物を処理する方法であって、
    処理槽(10)の底部には嫌気性微生物の領域である流動しない嫌気性層(12)が形成され、該嫌気性層(12)の上面には所要厚さで通性嫌気性微生物の領域である通気性層(14)が形成され、上記通気性層(14)の上部には好気性微生物の領域である好気性層(16)が形成され、嫌気的処理により生じた臭いや有毒ガスの処理は同一の処理槽内で好気的に処理するものであり、
    上記嫌気性層(12)は、嫌気性菌と数種のメタン細菌を含み、汚泥フロックには少量のガスの付着もみられ、腐敗したSS類も含んでおり、
    上記好気性層(16)はズーグレアを基相として、アルカリゲネスやフラボバクテリウム、原生動物も含んでおり、
    上記処理槽(10)には、混合液に空気を溶解させる為のエアレータ(20)が設けてあり、エアレータ(20)はフロート(27)を備え、軸流水車(22)を動力により回転させる構造のもので、下部には導液管(24)が設けてあり、該導液口(241)より液を吸い上げ、大気中に散液し、空気を溶存させ、液面へ激突させる機構となっており、
    上記エアレータ(20)は、一定濃度の、主に好気性微生物が混合されている処理槽の中間部の好気性層(16)の混合液を吸い込み、上記導液口(24)より下から処理槽(10)の底面までの領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はないようにした、
    有機性廃棄物の処理方法。
  2. 単一の処理槽と液面に空気を供給する空気供給装置とを有し、該空気供給装置は液面から一定の深さにある導液管を有しており、該導液管の導液口より下方に嫌気性微生物の領域を、該嫌気性微生物の領域の上方には好気性微生物の領域を有する有機性廃棄物の処理装置であって、
    上記処理槽(10)の底部には嫌気性微生物の領域である流動しない嫌気性層(12)が形成されており、該嫌気性層(12)の上面には所要厚さで通性嫌気性微生物の領域である通気性層(14)が形成されており、上記通気性層(14)の上部には好気性微生物の領域である好気性層(16)が形成されており、
    上記嫌気性層(12)は、嫌気性菌と数種のメタン細菌を含み、汚泥フロックには少量のガスの付着もみられ、腐敗したSS類も含んでおり、
    上記好気性層(16)はズーグレアを基相として、アルカリゲネスやフラボバクテリウム、原生動物も含んでおり、
    上記処理槽(10)には、混合液に空気を溶解させる為のエアレータ(20)が設けてあり、エアレータ(20)はフロート(27)を備え、軸流水車(22)を動力により回転させる構造のもので、下部には導液管(24)が設けてあり、該導液口(241)より液を吸い上げ、大気中に散液し、空気を溶存させ、液面へ激突させる機構となっており、
    上記エアレータ(20)は、一定濃度の、主に好気性微生物が混合されている処理槽の中間部の好気性層(16)の混合液を吸い込むようにし、上記導液口(24)より下から処理槽(10)の底面までの領域は、混合液の流動はほとんどなく、酸素の供給はないようにしている、
    有機性廃棄物の処理装置。
  3. 既存の活性汚泥処理槽を表面曝気方式に変更し、導液管の導液口の高さ方向の位置を変えることによって嫌気性微生物の領域と好気性微生物の領域の境界部分を変えたものである、請求項2記載の有機性廃棄物の処理装置。
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