JP2018153713A - 生物活性化剤及び難分解性有機物含有水の生物処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CODMn値の測定値では測定されない、より難分解性或いはより遅分解性である有機物をも含む、CODcr値が500mg/L以上と高い有機物含有水の微生物処理において、この難分解性有機物を生物分解処理する微生物の活性不良の問題を効果的に解決することができる、生物活性化の有効成分の提供、これを用いた難分解性有機物含有水の生物処理方法。【解決手段】生物難分解性又は遅分解性の有機物成分を含有するCODcrが500mg/L以上の水系の生物処理に使用される、生物処理性能を向上させるための生物活性化剤であって、鉄塩を主成分とすることを特徴とする生物活性化剤、及び、該生物活性化剤を用いる難分解性有機物含有水の生物処理方法の提供。【選択図】なし

Description

本発明は、生物活性化剤、及び、これを用いた有機物含有水の生物処理方法に関し、更に詳しくは、生物難分解性又は遅分解性の有機物を含む水処理プロセスに対して、簡便な手段で安定的に微生物を活性化させ、生物処理性能の向上、これにより生物処理速度の促進を可能とする生物活性化剤及び難分解性有機物含有水の生物処理方法に関する。
従来より、下水や汚水や工場排水等の種々の有機物含有水の浄化処理では、活性汚泥を用いて、有機物を生物分解処理することが一般的に行われている。そして、より効率のよい処理を行うことや、処理後に生じる余剰汚泥の減容化を目的として種々の提案がなされている。その中で、本願出願人は、より根本的な問題の解決策となり得る、生物処理に使用される微生物の活性不良に起因する処理性能の低迷の問題に着目し検討を行い、この点が改善できる生物活性剤を提案している(特許文献1参照)。
特開2016−117004号公報
しかしながら、上記した従来技術では、有機物含有水の生物処理において、BODや、比較的に分解し易い溶解性CODMn(過マンガン酸カリウムを酸化剤に用いて使用)を問題としており、より難分解性或いはより遅分解性の有機物を含有する水の生物処理を問題としたものではなかった。ここで、難分解性や遅分解性の有機物の含有量の指標としては、より強い酸化剤である2クロム酸カリウムを用いて測定したCODcrが用いられている。
上記した従来技術が、CODcrに対応するものでなかった理由は、そもそも、通常の連続した微生物処理で、CODcr値を大きく低減させることや、CODcr値を大きく低減させた状態を安定して行うことは、いずれも非常に困難であると考えられており、事実、困難であったからである。
したがって、本発明の目的は、CODMn値の測定値では測定されない、より難分解性或いはより遅分解性である有機物をも含む、全ての有機物の酸化により得られる測定値である、CODcr値が500mg/L以上と高い有機物含有水(以下、難分解性有機物含有水とも呼ぶ)の微生物処理において、この難分解性有機物を生物分解処理する微生物の活性不良の問題を効果的に解決することができる、生物活性化の有効成分を見出すことにある。また、本発明の目的は、このような有効成分を見出すことで、難分解性有機物に対する生物処理の性能の向上、及び、このような生物分解が難しい有機物を多く含むものに対する生物浄化方法でありながら、安定した水処理を達成できる有機物含有水の生物処理方法を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、生物難分解性又は遅分解性の有機物成分を含有するCODcrが500mg/L以上の水系の生物処理に使用される、生物処理性能を向上させるための生物活性化剤であって、鉄塩を主成分とすることを特徴とする生物活性化剤を提供する。
上記の本発明の生物活性化剤の好ましい形態としては、生物学的廃水処理に用いるためのものが挙げられる。
本発明は、別の実施形態として、生物難分解性又は遅分解性の有機物を含有するCODcrが500mg/L以上の水処理系に、微生物処理性能を向上させるための生物活性化剤を、連続又は間欠的に継続して添加しながら連続して微生物処理する廃水の生物処理方法において、前記生物活性化剤が、先に記載の生物活性化剤であることを特徴とする有機物含有水の生物処理方法を提供する。
上記の本発明の有機物含有水の生物処理方法好ましい形態としては、前記水処理系が、標準の活性汚泥法による水処理系、或いは、前記標準の活性汚泥法の変法であることが挙げられる。ここで、標準活性汚泥法の変法としては、例えば、2相式活性汚泥法や、嫌気工程と好気工程とからなる多段式活性汚泥法等が挙げられる。
本発明によれば、CODMn値の測定では含まれない、より難分解性或いはより遅分解性である有機物をも含む値である、CODcr値が500mg/L以上と高い有機物含有水の微生物処理において、添加することで、この難分解性有機物を生物分解処理する微生物の活性低下を効果的に向上させることができる生物活性化剤が提供される。本発明によれば、上記の優れた生物活性化剤を見出したことで、この生物活性化剤を微生物処理の際に添加するといった極めて簡便な操作によって、難分解性有機物の生物処理の性能の向上の達成、及び、このような生物分解が難しい有機物を多く含むものに対し、安定した水処理を達成できる有機物含有水の生物処理方法の提供が可能になる。
本発明の実施例1及び比較例1で使用した連続通水実験装置の模式図である。 本発明の有機物含有水の生物処理方法の、実施例1及び比較例1の処理の結果を、処理水のCODcr値の変化で示したグラフである。 実施例1及び比較例1の処理方法で使用した曝気槽中のMLSS値を示したグラフである。 本発明の実施例2、実施例3及び比較例2で使用した連続通水実験装置の模式図である。 本発明の有機物含有水の生物処理方法の、実施例2、実施例3及び比較例2の処理の結果を、処理水のCODcr値の変化で示したグラフである。 実施例2、実施例3及び比較例2の処理方法を行った際の曝気槽中のMLSS値の変化を示したグラフである。 2相式活性汚泥法の処理フローを模式的に示した図である。
以下、好ましい実施形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、先述した従来技術の課題に対して鋭意検討した結果、CODcr値が500mg/L以上と高い難分解性有機物含有水の生物処理において、鉄塩という極めて一般的な物質でありながら、しかも、この物質を生物処理の工程に添加するといった極めて簡便な手法によって、難分解性有機物の分解菌の活性を向上させることができることを見出して本発明に至った。すなわち、本発明者らの検討によれば、鉄塩を添加することで、難分解性有機物を効果的に分解できる微生物の活性が明らかに向上して増殖し、難分解性有機物の分解を効果的に促進できることがわかった。
生物処理の工程に添加する鉄塩としては、特に限定されず、例えば、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、クエン酸第二鉄等が挙げられる。また、本発明者らの検討によれば、これらの鉄塩に夾雑物が含まれているような鉄塩製品を使用した場合に、より顕著な効果が得られることが確認された。これらの製品に夾雑物として含まれる成分としては、例えば、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
上記に挙げた鉄塩或いは鉄塩製品は、水溶液として添加することが好ましい。更に、この水溶液は第一鉄塩の水溶液であることが好ましい。また、添加量としては、添加したことで、被処理水中に、例えば、第一鉄イオンが0.25mg−Fe2+/L以上の濃度で含まれるようにすることが好ましい。すなわち、あまり少な過ぎると明らかな効果が認められず、多過ぎると経済的でない。具体的には、0.25mg〜5.0mg−Fe2+/Lの範囲となるように添加することが好ましい。また、連続処理を行う場合の生物活性化剤の添加は、連続して行ってもよいが、回分操作で行うことも好ましい形態である。例えば、原水槽内の生物処理原水に対して一定割合の生物活性化剤を、1日1回の頻度で添加してもよいし、生物処理槽内に、生物活性化剤を、連続的又は間欠的に添加してもよい。上記したように構成すれば、連続処理において、より安定した効果を持続させることができる。
上記した構成の本発明の生物活性化剤を、連続又は間欠的に継続して添加しながら微生物処理することを必須とする、本発明の難分解性有機物含有水の生物処理方法は、例えば、従来から広く行われている種々の形態の活性汚泥を用いて行う廃水処理等に適用できる。また、この際に使用する活性汚泥としては、例えば、下水汚泥や、生物難分解性の有機化合物の代表例といえるポリエチレングリコール等に訓養された活性汚泥等を用いることができる。本発明者らの検討によれば、本発明の鉄塩を主成分とする生物活性化剤を使用することで、難分解性有機物の生物分解をより促進でき、従来の方法では達成できなかった高いレベルまで、難分解性有機物の微生物分解が可能になる。
本発明の難分解性有機物含有水の生物処理方法におけるその他の条件等は、従来の微生物処理方法と何ら異なるものではない。本発明の生物処理方法を適用する対象となる被処理水としては、例えば、下記に例示するような生物難分解性の物質を含有するものが挙げられる。生物難分解性の物質としては、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロレングリコール等のグリコールエーテル類や、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリジメチルシロキサン、シランカップリング剤等の有機ケイ素化合物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸等のビニル化合物の重合によって得られる高分子化合物及びそれらの誘導体、タンパク質やデンプン、ペプチドグリカンなどの生物由来の高分子化合物及びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも、グリコールエーテル類は、例えば、塗料、インキ、染料、洗浄剤、電解液、ソリュブルオイル、作動油、ブレーキ液、冷媒、凍結防止剤、溶剤等々、工業的に広く使用されており、これらの製品の製造ラインからの廃水、これらの製品を使用する種々の製品の製造ラインからの廃水に対して、安定して効果的に浄化できる生物処理方法の開発が待望されている。
実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。これらの実施例によって本発明が限定されるものではない。
[実施例1、比較例1]:生物活性化剤が試薬の鉄塩溶液である場合の例
(模擬廃水の調製)
模擬廃水の調製にあたり、生物難分解性の有機化合物の代表例としてポリエチレングリコール600(和光純薬製の試薬、PEG600と略記)を用いた。そして、PEG600を水道水で希釈して、CODcrが1400mg/L、TOCが300mg/Lとなるように調整した。更に、これを、窒素源として尿素を用いて、生物分解の際に必要となる窒素分が充分な量になるように、窒素分を25mg−N/Lに調整し、リン源としてリン酸二水素ナトリウムを用いて、生物分解の際に必要となるリン分が充分な量になるように、リン分を6mg−P/Lに調整した。上記のようにして調製した模擬廃水を、下記の浄化処理実験に用いる対象の原水とした。
(微生物処理試験)
上記の原水に対して、図1に示した連続通水実験装置を用いて、下記の条件で、好気的連続通水試験をした。その際、実施例1では、生物活性化剤として、和光純薬製の特級試薬から調製した塩化第一鉄水溶液を用い、原水中に第一鉄イオンが0.6mg−Fe2+/Lの濃度で含まれるように、曝気槽に、塩化第一鉄水溶液を適宜に添加しながら連続処理を行った。一方、比較例1では、塩化第一鉄水溶液の添加を全く行わなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で処理を行った。
好気的連続通水試験の条件は、原水の水量を714mL/日として、曝気槽容量を5L/日として、水理学的滞留時間(HRT)を7日とし、CODcr容積負荷が0.2kg−CODcr/m3/日となるようにした。また、汚泥滞留時間(SRT)が13日となるよう、定期的に沈殿槽から排泥を行った。培養温度9〜28℃(その日の室温に依存)で処理を行った。曝気槽内の微生物には、下水処理場の活性汚泥を用いた。この際に、下水処理場から採取した活性汚泥を、曝気槽内のSS濃度が常に2000mg/L程度になるように調整して用いた。上記処理で使用した活性汚泥について分析を行い、金属元素の含有状況を調べた。分析の結果、Feが13mg/L、Caが20mg/L、Mnが0.7mg/L、Coが3μg/L、Niが0.01mg/L、Cuが0.2mg/L、Znが0.8mg/L、Moが0.02mg/L、それぞれ含まれていることを確認した。
表1に、上記のそれぞれの処理で得られた、初期から27日までの処理水のCODcrの測定結果をまとめて示した。また、その際の曝気槽中のMLSSも併せて示した。
Figure 2018153713
(評価結果)
表1に示したように、生物難分解性の有機化合物であるPEG600を含む原水を、下水処理場の活性汚泥で、連続して好気処理した場合、生物活性化剤である塩化第一鉄水溶液の添加の有無にかかわらず、培養(微生物処理)開始しても、直ぐにはPEG600が処理されないことがわかった。そして、培養を続けるにつれて徐々に効果的な分解が認められ、培養開始から10日目から、実施例1と比較例1との間に、生物処理性に明らかな差が認められるようになった。培養開始から10日目における実施例1のCODcr値は700mg/Lで、その除去率は、50%であったが、比較例1ではそれぞれ、900mg/L、36%であった。図2及び図3に上記の結果をグラフ化して示した。
更に、その後に処理を続けた場合、比較例1では、19日目以降も、処理水のCODcrの値は300mg/Lで安定して、それ以上の分解は認められず、通水開始から27日目もCODcr除去率は79%のままだった。これに対し、生物活性化剤を添加した状態で処理した実施例1では、19日目以降も、処理水のCODcr値は徐々に軽減していき、培養開始から27日目のCODcr除去率は86%となった。表1に示したように、この処理の間における曝気槽汚泥の濃度(MLSS)は、比較例1と実施例1とでほぼ等しかったことから、実施例1におけるCODcr除去率の向上は、曝気槽内に塩化第一鉄水溶液を添加したことに起因して得られた効果であることが確認された。
[実施例2、実施例3、比較例2]:生物活性化剤が微量金属塩を含む鉄塩製品溶液である場合の例
実施例1で調製して使用した原水(模擬排水)を使用して、基本的には実施例1の場合と同様にして、図4に示した、連続通水実験装置を用いて好気的連続通水試験をした。実施例1の処理の場合と異なる点は、固液分離手段として、沈殿槽ではなく、膜分離槽を用いていることと、曝気槽内の微生物を、PEG600の馴養活性汚泥に替えたこと、培養開始時における曝気槽中のMLSSが100mg/Lとなるように調整したこと(培養開始後にはMLSSを調整しない)である。更に、実施例2の処理と実施例3の処理との違いとして、実施例3の処理では、使用した生物活性化剤を、実施例2の処理では、実施例1で用いたと同様の特級試薬を用いたのに対して、その製品中に、夾雑物として微量の金属塩を含有する塩化第一鉄含有製品を用いた。
実施例3の処理で用いた塩化第一鉄含有製品について分析し、表2に、その分析の結果を示した。表2の分析結果は、第一鉄イオンが0.6mg−Fe2+/Lの濃度となるように希釈した製品中に、夾雑物として含まれていた各金属元素の量を示している。
Figure 2018153713
比較例2の処理では、曝気槽内の微生物を、下水処理場の活性汚泥から、実施例2及び3で用いたPEG600の馴養活性汚泥に替えて、更に、培養開始時における曝気槽中のMLSSが100mg/Lとなるように調整したこと以外は比較例1と同様に、鉄塩溶液を添加することなく生物処理を行った。
上記で行った、実施例2、実施例3及び比較例2の各試験で用いたPEG600の馴養活性汚泥は、下記の手順で調製したものである。まず、下水処理場から採取した活性汚泥を、実施例1で記載したようにしてPEG600を水道水で希釈して得た原水中に、培養開始時のSS濃度が100mg/Lになるように懸濁させた。これを15℃で3日間培養し、その後、懸濁した菌を遠心分離によって全量回収し、上澄水を除去した。これを、再度、原水に懸濁した。その後に、上記した、3日間培養、遠心分離、再度、原水に懸濁の手順を5回繰り返してPEG馴養活性汚泥を得、この汚泥を用いて、実施例2、実施例3及び比較例2の好気的連続通水試験をそれぞれ行った。
表3に、上記のそれぞれの処理で得られた、初期から27日までの処理水のCODcrの測定結果をまとめて示した。また、その際の曝気槽中のMLSSも併せて示した。
Figure 2018153713
(評価結果)
表3に示したように、生物難分解性の有機化合物であるPEG600を含む原水を、前記したPEG600の馴養活性汚泥で、連続して好気処理した場合、比較例2において、培養(微生物処理)開始2日目から処理水のCODcrは、1000mg/Lで変化せず、CODcrの除去率は29%のままだった。なお、下水処理場の活性汚泥を用いた比較例1との2日目までの比較から、PEG600の馴養活性汚泥を用いた比較例2の場合の方が、CODcrの低減効果が高いことが示された。
比較例2では開始2日目以降、CODcrの除去率は29%のままだったのに対して、表3に示したように、実施例2では、処理性能は2日目から比較例2を顕著に上回り、培養開始から2日目のCODcr除去率は72%であり、培養開始から27日目では、CODcr除去率は86%になった。実施例2では、運転開始時の曝気槽中のMLSSが100mg/Lであったのに対し、27日目では2000mg/Lまで増加したのに対し、比較例2では380mg/Lまでしか増加しなかった。このことから、曝気槽内に塩化第一鉄水溶液を添加したことによって、生物難分解性の有機化合物を分解する微生物の増殖性が向上することが確認できた。
表3に示したように、実施例3においても、処理性能は2日目から比較例2の場合を顕著に上回り、培養開始から2日目のCODcr除去率は72%であり、比較例2の場合に比べて格段に高い除去率を示した。また、実施例3の場合は、培養開始から27日目のCODcr除去率は91%であり、生物難分解性の有機化合物に対して、実施例2の場合を上回る処理性能が発揮されたことが確認された。このことから、PEG600に代表される生物難分解性の有機化合物に対する微生物処理性能は、塩化第一鉄水溶液を添加したことに加えて、マンガン、モリブデン、亜鉛等の微量な金属塩を一緒に添加したことで、微生物処理性能を更に向上させる効果が得られることがわかった。すなわち、上記実験に用いた原水には水道水を用いているので、金属類が微量含有されているが、それよりも多い量で含有させることが、より優れた効果を得るためには好ましいことが確認された。
上記した連続通水実験は、曝気槽と、沈殿槽又は膜分離槽からなる標準の活性汚泥処理装置を念頭に検討した。しかし、本発明者らの検討によれば、これに限定されず、活性汚泥による処理に先だって分散菌による処理を行う、図7に示したようないわゆる2相式活性汚泥法でも適用可能である。この場合は、本発明の処理方法を特徴づける本発明の生物活性化剤を、分散菌槽に添加してもよいし、曝気槽に添加しても、場合によっては、両方の槽に入れてもよい。生物活性化剤の添加方法も特に限定されず、ライン注入でもよい。

Claims (4)

  1. 生物難分解性又は遅分解性の有機物成分を含有するCODcrが500mg/L以上の水系の生物処理に使用される、生物処理性能を向上させるための生物活性化剤であって、鉄塩を主成分とすることを特徴とする生物活性化剤。
  2. 生物学的廃水処理に用いるためのものである請求項1に記載の生物活性化剤。
  3. 生物難分解性又は遅分解性の有機物を含有するCODcrが500mg/L以上の水処理系に、微生物処理性能を向上させるための生物活性化剤を、連続又は間欠的に継続して添加しながら連続して微生物処理する廃水の生物処理方法において、
    前記生物活性化剤が、請求項1又は2に記載の生物活性化剤であることを特徴とする難分解性有機物含有水の生物処理方法。
  4. 前記水処理系が、標準の活性汚泥法による水処理系、或いは、前記標準の活性汚泥法の変法である請求項3に記載の難分解性有機物含有水の生物処理方法。
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