JP2010036074A - 有機性廃水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最終段階で放出される処理水の水質を悪化させずに、余剰汚泥の発生量を従来の方法に増して減らすことを実現し、これにより余剰汚泥処理にかかるコストの削減を可能とした、簡易且つ経済的な有機性廃水の処理方法の提供。
【解決手段】活性汚泥処理で、沈殿槽で固液分離した汚泥の一部を取り出して可溶化し、可溶化した汚泥を再度曝気槽内に戻して浄化処理を行う汚泥の可溶化処理工程を有する有機性廃水の処理方法において、汚泥の可溶化処理工程で、沈殿槽内から、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の1〜3倍量を取り出し、取り出した汚泥を並列又は直列で、酸処理及びアルカリ処理し、その後に、これらの処理汚泥を曝気槽内へと返送する場合に、酸処理がされる汚泥量とアルカリ処理がされる汚泥量との容積比率が、1:1〜1:6となるようにする有機性廃水の処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、余剰汚泥の一部を可溶化処理する活性汚泥法を利用した有機性廃水の処理方法に関し、さらに詳しくは、汚泥の可溶化処理工程の条件を最適化することで高い減容率を実現した有機性廃水の処理方法に関する。より好ましい形態では、最適化した条件で可溶化処理した汚泥を細菌槽で処理した後、該処理物を曝気槽で処理することで、より高い減容率を実現した有機性廃水の処理方法に関する。
従来より、BODで示される廃水中の有機性汚濁成分を含んだ有機性廃水は、エアレーションタンク(曝気槽)内で、好気性微生物を含んだ活性汚泥により処理することが行われている。該方法は、浄化能力が高く、処理経費が比較的少なくて済む等の利点があるため、これを利用した種々の方法が提案されており、下水処理や産業廃水処理等において広く一般に使用されている。
上記曝気槽内で分解されるBODのうちの50〜70%は微生物の維持エネルギーとして消費されるが、残りの30〜50%は菌体の増殖に使用されるので、処理系において活性汚泥の量は次第に増加していく。このため、活性汚泥法では、曝気槽で処理した廃水を沈殿槽へと導き固液分離し、沈殿した活性汚泥の中から有機性廃水の浄化処理に必要な量だけ返送汚泥として曝気槽内へと戻し、それ以外の活性汚泥を余剰汚泥として取り除くことで浄化処理を行っている。このように、活性汚泥を利用した有機性廃水の浄化処理では多量の余剰汚泥が発生するが、この余剰汚泥の処理には多大な費用がかかることから、余剰汚泥の減容化が大きな問題となっている。
上記の問題に対し、余剰汚泥の一部をオゾンや酸やアルカリ等で可溶化し、再度曝気槽へと戻すことで余剰汚泥を減容化することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3167021号公報
上記した余剰汚泥の一部を可溶化し、これを曝気槽へと戻す方法によれば、従来の可溶化処理をしない方法の場合と比べて格段に余剰汚泥の量を減らすことができる。しかしながら、これらの方法によっても充分であるとは言えず、余剰汚泥の減容化については、さらなる検討が望まれている。
従って、本発明の目的は、活性汚泥を利用した有機性廃水の処理方法において、最終段階で放流される処理水の水質を悪化させることなく、余剰汚泥の発生量を従来の方法に増して減らすことを実現し、これによって余剰汚泥処理にかかるコストの削減を図ることができる、簡易かつ経済的な有機性廃水の処理方法を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明の第1の形態は、活性汚泥を利用して有機性廃水を浄化処理する曝気槽内から沈殿槽内へと導入され該沈殿槽で固液分離された汚泥の一部を取り出して可溶化し、可溶化した汚泥を再度曝気槽内に戻して浄化処理を行う汚泥の可溶化処理工程を有する有機性廃水の処理方法において、汚泥の可溶化処理工程で、沈殿槽内から、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の1〜3倍量を取り出し、取り出した汚泥のうちの一部を酸処理槽内で酸処理し、該酸処理と並列に、取り出した汚泥のうちの別の一部をアルカリ処理槽内でアルカリ処理し、その後に、酸処理及びアルカリ処理したそれぞれの汚泥を併合して曝気槽内へと返送する場合に、或いは、取り出した汚泥のうちの一部を可溶化処理槽内で酸処理し、処理物を曝気槽内へと返送するとともに、該酸処理を行った可溶化処理槽内で別に取り出した汚泥の一部を可溶化処理槽内でアルカリ処理し、処理物を曝気槽へと返送する場合に、酸処理がされる汚泥量とアルカリ処理がされる汚泥量との容積比率が、1:1〜1:6となるようにすることを特徴とする有機性廃水の処理方法である。
また、本発明の第2の形態は、上記の構成に加えて、さらに、可溶化処理工程で処理した汚泥の処理物を曝気槽へと返送する前に、原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌で処理を行う細菌槽に導入して細菌処理し、その後、該細菌槽で処理した処理物を曝気槽に導入し、該曝気槽内で非固着性原生動物の実質的不存在下、固着性原生動物処理する有機性廃水の処理方法である。
本発明によれば、活性汚泥を利用した有機性廃水の処理方法において、最終段階で放流される処理水の水質を悪化させることなく、余剰汚泥の発生量を従来の方法に増して減らすことが実現され、これによって余剰汚泥処理にかかるコストの削減が可能となる、簡易且つ経済的な有機性廃水の処理方法の提供が可能となる。
本発明の好ましい実施の形態を挙げて更に詳細に説明する。本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、余剰汚泥の可溶化処理に、酸処理とアルカリ処理とを併用し、かつ、それぞれで処理された処理物の量が特定の比率となるようにして、これらの処理物を再度曝気槽に返送することが有効であることを見出して本発明に至った。余剰汚泥の減容化を目的として、余剰汚泥の可溶化処理を酸処理又はアルカリ処理のいずれかで行い、その後、必要に応じてpH調整し、処理した汚泥を曝気槽に返送して処理することが従来より行われている。しかし、従来の方法では、曝気槽中のBODで示される廃水中の有機性汚濁量が増加するので、余剰汚泥の可溶化処理を行わない方法に比べて、曝気槽は高負荷運転になるため、処理不足によって放流される処理水の水質が低下することが懸念され、処理水の水質維持と、余剰汚泥の減容化率の向上とを両立させることが問題となっている。
本発明者らの検討によれば、酸処理或いはアルカリ処理の際の処理温度等の条件を変えたとしても、処理水を水質維持した状態で行える余剰汚泥の減容化には限度があり、改良の余地があった。これに対して、余剰汚泥の一部に行う可溶化処理に、酸処理とアルカリ処理とを併用し、かつ、それぞれの方法によって処理した処理汚泥の割合を特定のものとし、酸処理とアルカリ処理とで処理した処理汚泥を再度曝気槽に返送することで、処理水の水質を維持した状態で、余剰汚泥の減容化をより高いレベルで行うことができることがわかった。さらに、可溶化処理した汚泥を曝気槽に返送する前に、原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌で処理を行う細菌槽に導入して細菌処理する構成とすれば、より高い効果が得られることがわかった。
本発明者らの検討によれば、酸処理とアルカリ処理とを併用し、それぞれの処理物を曝気槽に返送する構成とすればよく、酸処理とアルカリ処理の方法としては、並列に行ってもよく、順次行ってもよいことがわかった。具体的には、取り出した汚泥のうちの一部を酸処理槽内で酸処理するとともに、該酸処理と並列に取り出した汚泥のうちの別の一部をアルカリ処理槽内でアルカリ処理し、その後に、酸処理及びアルカリ処理したそれぞれの汚泥を併合して曝気槽内へと返送する並列処理してもよい。また、取り出した汚泥のうちの一部を可溶化処理槽内で酸処理し、処理物を曝気槽内へと返送した後、該酸処理を行った可溶化処理槽内で別に取り出した汚泥の一部を可溶化処理槽内でアルカリ処理し、処理物を曝気槽へと返送するようにして順次行ってもよい。さらに、本発明者らの検討の結果、処理水の水質を維持した状態で、余剰汚泥の減容化がより高いレベルで達成されるようにするためには、酸処理とアルカリ処理とを併用することに加え、可溶化処理を行う汚泥の量を、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の1〜3倍量とし、かつ、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との容積比率を1:1〜1:6とすることが有効であることがわかった。また、酸処理及びアルカリ処理の処理時間を3〜6時間程度とし、さらに酸処理及びアルカリ処理する温度を40〜80℃とすることが、より好ましいことを見出した。
上記のことから、本発明の方法は、余剰汚泥の可溶化処理に、酸処理とアルカリ処理とを併用し、かつ、これらの処理を施す汚泥の容積比率、可溶化処理を施す総汚泥量を最適な条件に規定したことを特徴とする。より好ましい形態では、さらに、可溶化処理した汚泥を曝気槽に返送する前に、原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌で処理を行う細菌槽に導入して細菌処理する構成とする。また、酸処理とアルカリ処理とを行う場合に、処理時間及び処理温度を最適な条件とすることで、より高い効果が得られる。
余剰汚泥の可溶化処理に、酸処理とアルカリ処理とを併用し、これらの処理物を特定比率となるようにして曝気槽に返送することで余剰汚泥の減容化率が向上できる理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように考えている。活性汚泥法で使用される微生物等を形成成分でみると、一般に、乾燥微生物細胞の化学組成で40〜70%をタンパク質が占めている。ここで、タンパク質の一般式はR−CH(NH2)COOHで表され、Rは側鎖と呼ばれている。そして、側鎖に−COOH基を持つものを酸性タンパク質、−NH2をもつものを塩基性タンパク質と呼んでいる。微生物を形成しているのは高次構造であるタンパク質であるため一概には言えないが、下記のことが知られている。酸性タンパク質が強酸性に曝されると高次構造は変化するが、中性に戻すと構造が戻る。しかし、強塩基性にすると高次構造が変わり、中性に戻しても構造は復元しない。また、塩基性タンパク質が強アルカリに曝された場合の逆パターンもある。
以上のことから、本発明者らは、酸のみ或いはアルカリのみによって汚泥を可溶化処理した場合よりも、酸処理とアルカリ処理とを併用して可溶化処理した場合の方が、微生物の多くの部位が加水分解されて低分子化するため、結果として、余剰汚泥の高い減容率を達成できたものと考えている。このことは、可溶化処理した汚泥を曝気槽に返送した場合に、曝気槽内の汚泥濃度(MLSS[mg/L])の上昇が、酸のみ或いはアルカリのみによって汚泥を可溶化処理した場合よりも、これらを併用した場合の方が低減されることからも推論できる。また、本発明者らのさらなる検討の結果、可溶化処理する総汚泥容積量のうち、酸処理とアルカリ処理を施す汚泥量の比率によっても、減容化に影響があることがわかった。具体的には、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との容積比率が1:1〜1:6の範囲内となるように制御することで、処理水の安定した水質と、高い減容化率の実現とを両立できることを確認した。すなわち、酸処理する汚泥量と、アルカリ処理する汚泥量との割合を容積比率で考えた場合に、アルカリ処理する汚泥量を、酸処理する汚泥量と少なくとも同等以上6倍以下とすることが有効であることを見出した。より好ましくは、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との容積比率を1:1〜1:5の範囲内、さらには、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との容積比率を1:1〜1:2の範囲内とすると、得られる効果の程度はより高くなることがわかった。特に、酸処理とアルカリ処理する汚泥量の比率がほぼ1:2になる程度とすることで、より高い効果が得られることがわかった。さらに、これらの可溶化処理する余剰汚泥の総量としては、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の1〜3倍量とするが、より好ましくは、1.5〜2倍量程度とするとよい。
以下、本発明で行う余剰汚泥の可溶化処理について説明する。酸処理に使用する酸剤としては、硝酸或いは硫酸等の酸或いは廃酸を使用すればよく、より好ましくは廃硝酸を使用すればよい。酸処理をする場合のpH値としては、2.5〜3.5程度となるようにすればよい。また、アルカリ処理に使用するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の溶液を使用することができる。アルカリ処理をする場合のpH値としては、10〜11程度で行えばよい。前記したように、本発明において重要なことは酸処理とアルカリ処理とを併用することであり、酸処理とアルカリ処理とは、処理を並列に行っても両者を繰り返して順次行うように構成してもよい。図1に示した例では、沈殿槽から取り出した汚泥の一定量を本発明で規定する特定の比率となるように、それぞれ酸処理槽とアルカリ処理槽へと導入し、それぞれの処理を並行して行った後、得られた処理物を併合して曝気槽内へと返送する。また、図2に示した例では、沈殿槽から取り出した汚泥の一定量を可溶化処理槽に導入し、先ず、酸剤を加えて酸処理を行い、得られた処理物を曝気槽内に返送した後、次に、沈殿槽から取り出して可溶化処理槽に導入した別の一定量の汚泥にアルカリ剤を加えてアルカリ処理し、処理物を曝気槽内に返送する。本発明においては、この場合に、沈殿槽から取り出して可溶化処理する汚泥の量、及び、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との比が、本発明で規定する特定の範囲内になるようにすることを要する。前記したように、上記した酸処理及びアルカリ処理は、それぞれ処理温度を40〜80℃の範囲とし、かつ、酸処理及びアルカリ処理の処理時間は、処理槽の大きさにもよるが、それぞれ3〜6時間程度とすることが好ましい。本発明においては、基本的には、上記した余剰汚泥の可溶化工程以外は、従来公知の通常の活性汚泥法による処理方法を用いることができる。
本発明の好ましい形態では、上記した可溶化処理工程において可溶化した処理汚泥を曝気槽に戻す前に、原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌で処理を行う細菌槽に導入して細菌処理し、その後、該細菌槽で処理した処理物を曝気槽に導入し、該曝気槽内で非固着性原生動物の実質的不存在下、固着性原生動物処理する。このようにすれば、可溶化処理した汚泥を曝気槽へと返送することによって曝気槽に生じていた負荷変動を抑制することが可能となる。このため、曝気槽において十分な処理を安定して行うことが可能となり、処理水質をより安定したものとすることができる。同時に、細菌槽で、可溶化した汚泥を原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌での処理が行われ、可溶化した汚泥は低分子化されてBODで示される溶解性の有機物となり、該有機物は、細菌によって効率よく生物分解され、その後に、細菌処理した処理物を曝気槽に導入する構成とすることで、BOD汚泥転換率を低下させることができる。すなわち、細菌槽で処理された処理物は、非凝集性細菌が増殖するとともにBODが低下したものとなるので、これを処理する次の曝気槽におけるBOD汚泥転換率は低下するため、汚泥の発生量は格段に低減されることとなる。同時に、この場合の曝気槽内における処理は、主に、増殖した細菌を原生動物が捕捉することによって行われるが、曝気槽に導入する前に、上記したような細菌による処理を行う構成とすれば、増殖した非凝集性細菌は、非固着性原生動物の実質的不存在下、固着性原生動物によって極めて効率よく捕捉される。以上の結果、上記した本発明の好ましい形態によれば、曝気槽の負荷変動を伴う汚泥の可溶化処理を組み入れているにもかかわらず、より安定した処理が可能で、最終段階で放流される処理水の水質を悪化させることなく、余剰汚泥の発生量を従来の方法に比して、さらに減らすことを実現することが可能となる。なお、細菌槽は、特公昭56−48235号公報を参照することで容易に得られる。
次に、実施例、参考例及び比較系を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例、参考例、比較系]
図1(a)又は図2(a)に示した試験プラントを用いて模擬試験を行った。豆乳を水で薄めてBOD濃度が1,000mg/Lの模擬廃水を作製し、これを原水として使用した。この原水を流量2.7L/日で、4.5Lの曝気槽内に通水し、活性汚泥処理を行った。表1に活性汚泥の曝気槽運転条件を示し、表2に汚泥の可溶化処理条件及び汚泥処理量を示した。酸処理には、廃硝酸を用い、アルカリには、25%の水酸化ナトリウムを用いた。表2中の処理倍率とは、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量に対しての、可溶化処理した汚泥量の比率を示している。即ち、表中の倍率1.5とは、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の容積の1.5倍量の汚泥を可溶化処理したことを意味している。また、表1中のSRT(日)とは、活性汚泥設備内からの汚泥の排出により、曝気槽内の汚泥が新しい汚泥に入れ換わる日数を意味する。
Figure 2010036074
Figure 2010036074
[評価]
上記の実施例、参考例及び比較系でそれぞれ処理した結果、処理水のCODMnで表される水質は、比較系で約7mg/L、参考例及び実施例で5〜10mg/Lであった。さらに処理水のBODは、全ての系で5mg/L以下であり、いずれの方法によっても良好な処理が行われたことを確認した。
図3に処理の経過日数と、曝気槽中における汚泥濃度(MLSS[mg/L])の変化を記載した。その結果、アルカリ処理した汚泥量を酸処理した汚泥量と同等以上とした各実施例では、酸処理或いはアルカリ処理だけで可溶化処理を行った参考例1及び2、酸処理した汚泥量をアルカリ処理した汚泥量よりも多くした参考例3と比較して、曝気槽中における汚泥濃度の上昇を低く抑えることができることを確認した。酸処理した汚泥量を1とした場合に、アルカリ処理した汚泥量を1以上6以下となるように制御すれば、曝気槽中における汚泥濃度の増加を十分に抑制できることがわかった。より好ましくは、酸処理した汚泥量とアルカリ処理した汚泥量との比率が1以上6以下となるようにして処理すれば、曝気槽中における汚泥濃度の上昇の抑制効果が、より十分に得られることがわかった。特に、酸処理した汚泥量とアルカリ処理した汚泥量との比率が1:2となるようにした実施例1及び3の処理では、曝気槽中における汚泥濃度が、可溶化処理を行わない比較系の処理の場合と同程度に保たれることを確認した。また、図4に、処理したBODの積算量と、汚泥発生量との関係を示した。図4に示した通り、可溶化処理を行わない比較系による処理に比べて、可溶化処理を行う実施例及び参考例での処理の場合は、汚泥発生量を格段に低減できることを確認した。さらに、酸処理とアルカリ処理を併用し、かつ、本発明で規定する特定の比率で処理する実施例の場合は、酸処理或いはアルカリ処理を単独で行った参考例1及び2の場合は勿論、本発明で規定する比率以外の比率で処理した参考例3の場合に比べても、汚泥発生量が低減することについて、有為な差があることを確認した。
表3及び図5に、実施例、参考例及び比較系でのそれぞれの処理においてのBOD汚泥転換率及び汚泥の減容率をまとめて示した。図5に示した通り、可溶化処理を行わない比較系による処理に比べて、可溶化処理を行う実施例及び参考例での処理の場合は、BOD汚泥転換率を半分以下に低減できることを確認した。さらに、酸処理とアルカリ処理を併用し、かつ、特定の比率での処理を行う実施例の場合は、酸処理或いはアルカリ処理を単独で行う参考例の場合に比べて、BOD汚泥転換率を低減することについて、有為な差があることを確認した。参考例3は、酸処理とアルカリ処理を併用し、かつ、酸処理する汚泥量とアルカリ処理する汚泥量との容積比率を2:1とした例であるが、表3及び図5に示した通り、併用することによる効果は顕著なものではなかった。
Figure 2010036074
なお、上記において、汚泥の減容率は、比較系におけるBOD汚泥転換率に比べてBOD汚泥転換率が減じている割合を算出して求めた値である。
[実施例6]
実施例1で行った処理において、酸及びアルカリで可溶化処理した処理物を、それぞれ非凝集性細菌によって処理する細菌槽に導入して処理し、その後に曝気槽で処理する構成とした以外は、実施例1と同様の条件で処理を行った(図1(b)参照)。細菌槽には、BOD容積負荷が10kg/m3/日であり、容積が63mlのものを使用した。
この結果、汚泥の転換率では、実施例1と比べて、曝気槽における汚泥への転換率が0.7倍程度に低減され、これにより、減容率をさらに高めることができることを確認した。さらに、細菌槽を設けない場合に比べて、処理水の水質は、変動のないより安定した良好なものとなることを確認した。
本発明の一態様の処理フローを模式的に示した図である。 本発明の別の態様の処理フローを模式的に示した図である。 本発明の実施例及び参考例と、通常の処理方法である比較系で処理した場合における、処理日数と曝気槽中のMLSSとの関係を示した図である。 本発明の実施例及び参考例と、通常の処理方法である比較系で処理した場合における、積算BOD量と汚泥発生量との関係を示した図である。 本発明の実施例及び参考例と、通常の処理方法である比較系で処理した場合における、BOD汚泥転換率と汚泥の減容率との関係を示した図である。

Claims (4)

  1. 活性汚泥を利用して有機性廃水を浄化処理する曝気槽内から沈殿槽内へと導入され該沈殿槽で固液分離された汚泥の一部を取り出して可溶化し、可溶化した汚泥を再度曝気槽内に戻して浄化処理を行う汚泥の可溶化処理工程を有する有機性廃水の処理方法において、
    汚泥の可溶化処理工程で、沈殿槽内から、曝気槽内での有機物処理によって増殖する汚泥量の1〜3倍量を取り出し、
    取り出した汚泥のうちの一部を酸処理槽内で酸処理し、該酸処理と並列に、取り出した汚泥のうちの別の一部をアルカリ処理槽内でアルカリ処理し、その後に、酸処理及びアルカリ処理したそれぞれの汚泥を併合して曝気槽内へと返送する場合に、或いは、
    取り出した汚泥のうちの一部を可溶化処理槽内で酸処理し、処理物を曝気槽内へと返送するとともに、該酸処理を行った可溶化処理槽内で別に取り出した汚泥の一部を可溶化処理槽内でアルカリ処理し、処理物を曝気槽へと返送する場合に、酸処理がされる汚泥量とアルカリ処理がされる汚泥量との容積比率が、1:1〜1:6となるようにすることを特徴とする有機性廃水の処理方法。
  2. 酸処理がされる汚泥量とアルカリ処理がされる汚泥量との容積比率が、1:1〜1:2となるようにする請求項1に記載の有機性廃水の処理方法。
  3. さらに、可溶化処理工程で処理した汚泥の処理物を曝気槽へと返送する前に、原生動物の実質的不存在下、非凝集性細菌で処理を行う細菌槽に導入して細菌処理し、その後、該細菌槽で処理した処理物を曝気槽に導入し、該曝気槽内で非固着性原生動物の実質的不存在下、固着性原生動物処理する請求項1又は2に記載の有機性廃水の処理方法。
  4. 酸処理及びアルカリ処理の処理時間を3〜6時間とし、かつ、酸処理及びアルカリ処理の処理温度を40〜80℃とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機性廃水の処理方法。
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