JP5948651B2 - 余剰汚泥の発生抑制方法、及び有機排水処理方法 - Google Patents
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Description
(特許文献2)。
本発明の余剰汚泥の発生抑制方法において、活性汚泥処理を行う曝気槽のMLSS濃度は、余剰汚泥の発生を抑制する点から、2000mg/L〜30000mg/Lに調整され、好ましくは4000mg/L〜20000mg/Lであり、より好ましくは8000mg/L〜15000mg/Lである。
本発明は、その他の態様として、曝気槽内で微生物を用いて有機排水を活性汚泥処理する活性汚泥処理工程、及び前記生物処理工程で処理された有機排水を沈降分離することにより汚泥を回収する分離工程、を含む有機排水処理方法であって、前記分離工程で回収した汚泥に酸素富化ガスを曝気することにより改質処理した汚泥を用いて、曝気槽内のMLSS濃度を2000mg/L以上に維持しながら前記活性汚泥処理工程を行うことを含む余剰汚泥の発生抑制が可能な有機排水処理方法に関する。本発明の有機排水処理方法によれば、例えば、余剰汚泥の発生抑制しつつ、効率よく有機排水処理を行うことができる。
本発明は、さらにその他の態様として、活性汚泥に酸素富化ガスの曝気を行うことを含む改質した活性汚泥の製造方法に関する。本発明の活性汚泥の製造方法によれば、例えば、改質され、余剰汚泥の発生抑制に有用な活性汚泥を製造することができる。
実施の形態1として、活性汚泥の改質処理を曝気槽とは異なる槽(以下、「培養槽」という)で行う場合を例にとり説明する。図1は、本発明に使用する処理装置の構成の一例を示す概略図である。本実施の形態1において、処理装置は、曝気槽1、沈殿槽2、及び培養槽3を備える。曝気槽1と沈殿槽2とはパイプP2によって接続し、沈殿槽2と培養槽3とはパイプP3によって接続し、培養槽3と曝気槽1とはパイプP5及びP1によって接続している。
実施の形態2として、曝気槽が汚泥の改質処理を行う槽を兼ねる場合を例にとり説明する。図2は、本発明に使用する処理装置の構成の一例を示す概略図である。本実施の形態2において、処理装置は、曝気槽11及び沈殿槽12を備える。曝気槽11と沈殿槽12とはパイプP12及びP15,11によって接続している。
図1の概略図に示す装置にて、有機排水の生物処理を行う。該装置は、容積3Lの曝気槽1を備え、容量2Lの分離槽(沈殿槽)2及び容量3Lの培養槽3が付設されている。曝気槽1にはブロワーから散気管4により空気曝気を行い、培養槽3に酸素曝気を行う(酸素:50体積%)。曝気槽1の外側の槽は恒温槽(図示せず)となっており、この恒温槽により曝気槽1内の温度を25〜30℃に設定する。pHは5.0〜7.0、曝気槽1のHRT(水理学的滞留時間:Hydraulic Retention Time)を12hとし、分離槽2のHRTを8hとする。活性汚泥は、下水処理場の活性汚泥を使用する。
曝気槽1の溶存酸素濃度(DO)は、2mg/Lに設定する。培養槽3の溶存酸素濃度(DO)は、15mg/Lに設定する。
有機排水を曝気槽1に投入した(投入量は6L/日)。活性汚泥は曝気槽1の容積が3Lになるようにポンプで管P2から引き抜き、分離槽2に送る。分離槽2では固液分離が行われ、沈降分離した活性汚泥はポンプで管P3を通して培養槽3に送る。培養槽3で汚泥改質処理を行い、処理後の汚泥を曝気槽1に返送する。
溶存酸素濃度測定は、フロー式を採用し、曝気槽からポンプで汚泥を循環させて曝気槽外で溶存酸素濃度を測定する。測定には、市販のDOメーターを使用する。曝気槽内の処理水をサンプリングして、MLSS測定及びSV測定を行う。SVは、1Lのメスシリンダーにサンプリングした処理水を1L入れ、30分静置した後の沈殿汚泥の容積(mL)の割合のことをいう。SVIは、得られたMLSS及びSVを用いて下記式から算出できる。
SVI=SV×10,000/MLSS
培養槽内の汚泥を採取し、PCR−DGGE法を用いて16SrRNAの解析を行い、微生物同定を行う。
図2の概略図に示す装置にて、有機排水の生物処理を行った。該装置は、容積3Lの曝気槽11を備え、容量2Lの分離槽(沈殿槽)12が付設されている。曝気槽11にはブロワーから散気管14により酸素曝気を行い、実施例1と同様の測定を行った。その結果を図3及び4に示す。曝気槽11の外側の槽は恒温槽(図示せず)となっており、この恒温槽により曝気槽11内の温度を25〜30℃に設定した。pHは5.0〜7.0、曝気槽のHRTは12hとした。有機排水は、スキムミルクを主成分とした模擬廃水を使用した。活性汚泥は、下水処理場の活性汚泥を使用した。
曝気槽11の溶存酸素濃度(DO)は、15mg/Lに設定した。
有機排水を曝気槽11に投入した(投入量は6L/日)。活性汚泥は曝気槽11の容積が3Lになるようにポンプで管P2から引き抜き、分離槽12に送った。分離槽12では固液分離が行われ、沈降分離した活性汚泥はポンプで管P15を通して曝気槽11に返送した。
曝気槽における曝気を酸素曝気に替えて空気曝気とし、曝気槽の溶存酸素濃度(DO)を2mg/Lとした以外は、実施例2と同様に行った。
図3にMLSS濃度とSVIの関係を示す。同図からMLSS濃度が高くなるにつれ、SVIが減少していることがわかる。とりわけ、MLSS濃度が8000mg/Lを超えるとSVIは100以下に下がり、14000mg/Lを超えるとSVIは70以下に下げることができた。このように、高濃度のMLSS濃度で活性汚泥処理を行うにも関わらずSVIを低減させることができた。つまり、培養槽で汚泥の酸素曝気処理を行うことにより、汚泥が凝集性のよい汚泥に改質され、その汚泥を用いて高濃度のMLSS濃度で有機排水処理を行うことにより、余剰汚泥の発生を抑制することができた。
2,12 沈殿槽
3, 培養槽
4,5,14 散気管
P1〜P6 パイプ
Claims (7)
- 余剰汚泥の発生を抑制する方法であって、
酸素富化ガスの曝気によって活性汚泥を改質すること、
酸素富化ガスの曝気により改質処理した前記活性汚泥を使用し、かつ、曝気槽内のMLSS濃度を4000mg/L〜30000mg/Lに維持しながら、曝気槽内で微生物を用いて有機排水を活性汚泥処理することを含み、
前記汚泥の改質処理は、改質処理を行う槽内の溶存酸素濃度を10mg/L以上に維持しながら酸素富化ガスを曝気することを含み、
前記汚泥の改質処理は、ハリスコメノバクター属、レウィネラ属、及びリゾビウム属からなる群から選択される少なくとも1つに分類される1種類以上の微生物を増殖及び/又は活性化することを含む、余剰汚泥の発生抑制方法。 - 前記改質処理した活性汚泥に存在する微生物におけるハリスコメノバクター属及び/又はレウィネラ属の微生物の存在比[(ハリスコメノバクター属の微生物とレウィネラ属の微生物との合計)/(曝気槽内に存在する微生物)]が、20%以上である、請求項1に記載の余剰汚泥の発生抑制方法。
- 前記汚泥の改質処理を前記曝気槽とは異なる槽で行い、改質処理した活性汚泥を前記改質処理を行った槽から活性汚泥処理を行う前記曝気槽に導入することを含む、請求項1または2に記載の余剰汚泥の発生抑制方法。
- 前記改質処理を行う槽は、酸素富化ガスの曝気を行い、前記曝気槽は、空気曝気を行う、請求項3記載の余剰汚泥の発生抑制方法。
- 前記改質処理した活性汚泥として、前記改質処理を行った槽から得られた粘質物質を前記曝気槽に添加することを含む、請求項3または4に記載の余剰汚泥の発生抑制方法。
- 前記曝気槽が前記汚泥の改質処理を行う槽を兼ね、前記曝気槽において前記汚泥の改質処理及び活性汚泥処理を行う、請求項1または2に記載の余剰汚泥の発生抑制方法。
- 曝気槽内で微生物を用いて有機排水を活性汚泥処理する活性汚泥処理工程、及び
前記生物処理工程で処理された有機排水を沈降分離することにより汚泥を回収する分離工程を含む有機排水処理方法であって、
前記分離工程で回収した汚泥に酸素富化ガスの曝気によって活性汚泥を改質すること、前記改質処理した活性汚泥を用いて、曝気槽内のMLSS濃度を4000mg/L〜30000mg/Lに維持しながら前記活性汚泥処理工程を行うことを含み、
前記汚泥の改質処理は、改質処理を行う槽内の溶存酸素濃度を10mg/L以上に維持しながら酸素富化ガスを曝気することを含み、
前記改質処理した活性汚泥に存在する微生物におけるハリスコメノバクター属及び/又はレウィネラ属の微生物の存在比[(ハリスコメノバクター属の微生物とレウィネラ属の微生物との合計)/(曝気槽内に存在する微生物)]が、20%以上である、余剰汚泥の発生抑制が可能な有機排水処理方法。
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