JP2004188356A - 有機性廃水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】余剰汚泥量を大幅に減量化でき、しかも、処理水のCOD値の上昇や、汚泥の沈降性を損なうことのない、経済的な有機性廃水の処理方法の提供。
【解決手段】有機物を含む被処理水を好気性微生物を含む活性汚泥により浄化処理する有機性廃水の処理方法において、活性汚泥の少なくとも一部を抜き出し、この抜き出した活性汚泥を構成している微生物を殺菌及び可溶化処理した後、処理された汚泥を、返送汚泥の一部とともに調整槽に再度導入して引き続き曝気槽で被処理水を浄化処理することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機物を含有する被処理水を活性汚泥により処理する有機性廃水の処理方法に関し、特に、処理液のCOD値の上昇、及び汚泥の沈降性の悪化を生じることなく、余剰汚泥の減量化を経済的に達成し得る有機性廃水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中の汚濁物質は、河川や湖沼等の自然の中で、沈殿、凝集、酸化、還元等の物理化学的、生物学的な作用を受けて分解除去されて浄化される。特に有機物を含んだ汚濁は、微生物によって生物学的な作用で浄化され易い。これを利用した有機性廃水の浄化方法として、好気性微生物を含んだ活性汚泥により有機性廃水を処理する活性汚泥法があるが、該方法は、浄化能力が高く、比較的に処理経費が少なくて済む等の利点があるため、これを利用した種々の方法が提案されており、下水処理や産業廃水処理等において広く一般に使用されている。
【0003】
上記活性汚泥法では、図3に示したように、一般的には、調整槽で廃水のpH調整や均一化といった前処理を行なった後、有機性廃水を曝気槽へと導き、この曝気槽内で、活性汚泥によりBODで示される廃水中の有機汚濁成分を分解させて浄化処理している。この際、分解したBODのうちの50〜70%は微生物の生活エネルギーとして消費されるが、残りの30〜50%は菌体の増殖に使用されるので活性汚泥の量は次第に増加していく。このため、一般的には、図3に示したように、曝気槽で処理された廃水を沈澱槽へと導き、沈殿した活性汚泥の中から有機性廃水の浄化処理に必要な量だけ返送汚泥として曝気槽内へと戻し、それ以外の活性汚泥を余剰汚泥として取り除いている。このように、活性汚泥を利用した有機性廃水の浄化処理では多量の余剰汚泥が発生するが、この余剰汚泥は、生物難分解性物質等を含み、粘性が高く取り扱いにくいこと等の欠点があり、有機性廃水を活性汚泥法によって浄化処理する場合においては常に余剰汚泥処理が問題となる。
【0004】
これに対し、本発明者らは、既に、活性汚泥法を利用した有機性廃水の処理方法において、最終段階で放流される処理水の水質を悪化させることなく余剰汚泥量を簡便な方法で大幅に減量化させることが可能な、簡易且つ経済的な有機性廃水の処理方法を提案している(特許文献1参照)。該方法によれば、余剰汚泥量を大幅に減量できるが、実際の処理に適用した場合に、処理水のCOD値が上昇する傾向があり、又、汚泥の沈降性が悪化する傾向もあることがわかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−224470号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、余剰汚泥量を大幅に減量化でき、しかも、処理水のCOD値の上昇や、汚泥の沈降性を損なうことのない、経済的な有機性廃水の処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、有機物を含む被処理水を好気性微生物を含む活性汚泥により浄化処理する有機性廃水の処理方法において、活性汚泥の少なくとも一部を抜き出し、この抜き出した活性汚泥を構成している微生物を殺菌及び可溶化処理した後、処理された汚泥を、返送汚泥の一部とともに調整槽に再度導入して引き続き曝気槽で被処理水を浄化処理することを特徴とする有機性廃水の処理方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、有機性廃水を含む被処理水を、好気性微生物を含む活性汚泥法により浄化処理する場合に、活性汚泥の少なくとも一部を抜き出し、この抜き出した活性汚泥(以下、被処理汚泥とも呼ぶ)を殺菌及び可溶化処理した後、この処理された汚泥(処理汚泥)を活性汚泥処理系に再度導入して処理する場合に、調整槽へと処理汚泥を戻せば、処理水のCOD値の上昇の問題や、汚泥の沈降性の低下といった問題を生じることなく、余剰汚泥量の大幅な減量化ができることを知見して本発明に至った。又、更に、曝気槽中に、無機沈降剤を500〜10,000mg/リットル含有させれば、上記した効果に対してより有効であることがわかった。
【0009】
先に述べたように、調整槽は、曝気槽に給液する前に配置されるものであって、液の均一化や流量の調整がなされるものであるが、本発明者らの検討によれば、処理汚泥を、返送汚泥の一部とともに調整槽に導入し、通常の前処理を行なって、然る後、曝気槽へと導入すれば、処理汚泥を活性汚泥処理系に再度導入した場合にみられた、COD値の上昇、及び汚泥の沈降性の低下を有効に抑制できることがわかった。このような効果が得られる理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように考えている。従来より知られているように、曝気槽の活性汚泥中に糸状性の細菌が増加することは、汚泥の沈降性を低下させる大きな原因となる。ここで、糸状性細菌は、溶解性有機物を資化して増殖するが、固形の物質は利用しないという性質がある。又、有機物濃度の高い条件では他の細菌と比較して増殖速度が遅くなることが知られている。これに対して、調整槽内は廃水中の有機物が高濃度に存在しているが、ここに、本発明のように返送汚泥の一部を入れると、糸状性細菌以外の微生物が高い増殖速度を示して優先的に増殖し、このときに廃水中の溶解性有機物を資化するため、溶解性有機物濃度の低下が起こると考えられる。従って、本発明のように構成した場合には、調整槽から曝気槽へと、廃水と処理汚泥の混合液が入る段階で、糸状性細菌の資化できる溶解性有機物の濃度は低下しており、糸状性細菌は増殖できないことになり、結果として、曝気槽において、沈降性悪化の原因となる糸状性細菌の増殖が抑制されるものと考えられる。本発明では、これと同時に、殺菌、可溶化した処理汚泥も調整槽内へと導入しているので、調整槽内の微生物で分解処理され、この結果、曝気槽にかかる有機物濃度が低減され、活性汚泥の沈降性が改善され、処理水質の安定化にも役立つものと考えている。
【0010】
又、調整槽では、例えば、滞留時間を、少なくとも2時間として、更に、曝気しながら滞留させることが好ましい。又、調整槽へと導入する、処理汚泥及び返送汚泥の量は、廃水の種類や、BOD濃度及びCOD濃度にもよるが、例えば、以下の方法が好ましい。先ず、調整槽へと導入する返送汚泥の量としては、下記のようにして決定することが好ましい。
(1)全返送汚泥量の1〜20%を分岐して調整槽へ入れる。
(2)調整槽へ入れた返送汚泥に起因するSS濃度が50〜1,000mg/リットルとなる量の返送汚泥を調整槽に入れる。
(3)調整槽に入れた返送汚泥に起因するSS濃度が原水BOD濃度の10〜50%となる量の返送汚泥を調整槽に入れる。
これに対して、可溶化した処理汚泥は、その全量を調整槽に入れるように構成することが一般的である。
【0011】
次に、沈澱槽から送られる返送汚泥の一部を引き抜いた活性汚泥を殺菌及び可溶化処理する方法について説明する。例えば、抜き出した活性汚泥を金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解による方法で処理すると、明白ではないが、この方法では、一つには、強力な酸化剤である・OH(ヒドロキシルラジカル)が発生するため、該ヒドロキシルラジカルによって活性汚泥を構成している微生物の細胞膜が分解或いは傷つき、活性汚泥を構成している微生物が殺菌されると共に一部可溶化される。この結果、この処理汚泥を、返送汚泥の一部とともに調整槽に入れ、その後、再び生物的処理すると、これらの殺菌等された微生物は、調整槽内で、処理を受けていない返送汚泥を構成している正常な微生物によって捕食され易くなっているので、この段階で微生物の生活エネルギーとして一部消費される。このため、次の曝気槽における活性汚泥の処理にかかる負荷を軽減できる。先に述べたように、この際、調整槽内は、軽い曝気状態とすることがより好ましい。曝気する空気量としては、最低でも、調整槽に入れた処理汚泥及び返送汚泥が沈降しない程度に維持できる量とすることが好ましい。一方、最大でも、流入する廃水中の酸素要求量(BOD)の50%に相当する酸素を供給できる量であれば十分であり、本発明の目的が最大限達成できる条件となる。
【0012】
更に、好ましい形態としては、曝気槽中に、無機沈降剤を含有させることが挙げられる。その添加量としては、500〜10,000mg/リットルとすることが好ましい。この際に使用する無機沈降剤としては、例えば、珪藻土、ゼオライト、赤土、粘土、シルト、高炉滓、活性炭、コークス、アルミナ等の水に溶けにくい鉱物等の粉末あるいはポリ塩化アルミ、硫酸アルミ、アルミン酸ソーダ等のアルミニウム塩、塩化第2鉄、硫酸第1鉄等の鉄塩等の凝集剤がある。粉末の粒度は100μm以下が好ましい。
【0013】
そして、このようにして調整槽に戻された処理汚泥及び返送汚泥を含む原水が曝気槽に導入されると、捕食され易くなっている処理汚泥は、曝気槽内の活性汚泥を構成している正常な微生物の生活エネルギーとして消費されてしまう。従って、活性汚泥の処理能力や余剰汚泥の発生量を加味して、上記した殺菌及び可溶化処理等を行う活性汚泥(被処理汚泥)の量を決定すれば、余剰汚泥の発生を100%抑制することも可能となる。尚、上記では、被処理汚泥を処理する方法として、金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解による方法を例として挙げたが、本発明はこれに限定されず、汚泥を構成している微生物の細胞膜が分解或いは傷つき、活性汚泥を構成している微生物が殺菌されると共に一部可溶化されて、被処理汚泥が、正常な微生物によって捕食され易い状態となり得るものであればいずれの方法でもよい。
【0014】
本発明の有機性廃水の処理方法では、基本的には、通常の活性汚泥法による処理フローとほぼ同様のフローによって有機性廃水の処理が行われる。本発明の有機性廃水の処理方法の特徴は、例えば、図1に示した様に、沈澱槽から沈澱した活性汚泥の少なくとも一部を抜き出し、この抜き出した活性汚泥を何らの前処理をすることなく殺菌及び可溶化処理工程へと導いて処理し、処理した活性汚泥を返送汚泥の一部とともに調整槽に導入して、その後、通常と同様の循環処理する。図1には、沈澱槽から曝気槽への返送汚泥の一部を被処理汚泥として取り出す例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、沈澱槽を設けない回分式の活性汚泥法の場合には、活性汚泥を含む被処理水の一部を曝気槽内から取り出して被処理汚泥としてもよい。上記したようにすれば、種々の形態がある現状の活性汚泥処理による有機性廃水の処理フローに大きな変更を加えることなく、本発明の有機性廃水の処理方法を簡便に組み入れることができる。
【0015】
本発明の有機性廃水の処理方法において、殺菌及び可溶化処理工程へと導く被処理汚泥の量としては、対象とする有機性廃水の種類や、殺菌及び可溶化処理工程における処理条件にもよるが、1日に生成する活性汚泥量に対して1〜10倍程度とするのが好ましい。この結果、本発明の処理方法で有機性廃水を処理した場合には、従来の様な余剰汚泥が発生することが殆どなくなり、余剰汚泥の抜き出し及びこれに続く煩雑な余剰汚泥処理が不要になる。加えて、本発明によって処理された処理水の水質は、従来一般に行われている活性汚泥法によって処理された処理水に比べて劣ることなく、処理水の水質の悪化も生じることはない。
【0016】
以下、本発明の有機性廃水の処理方法において、被処理汚泥を殺菌及び可溶化処理する方法の好ましい一例である金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解、更に好ましくは、反応液を加温した状態での金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解処理について詳細に説明する。
【0017】
酸化処理において使用する酸化剤は、従来公知の化学酸化方法において使用されている酸化剤、例えば、過酸化水素、過酸化カルシウム、過硫酸アンモニウム、アルキルヒドロペルオキシド、過酸化エステル、過酸化ジアルキル又はジアシル等が使用されるが、コストや副生物等の点からみて過酸化水素が最も好ましい。過酸化水素等の酸化剤の使用量は、特に限定されず処理する汚泥の内容によって変化するが、好ましい使用量としては、汚泥1g(dry)に対して0.1〜0.001gとなる範囲である。
【0018】
触媒として使用する金属イオンとしては、鉄、チタン、セリウム、銅、マンガン、コバルト、バナジウム、クロム、鉛のイオン等が挙げられ、これらの金属イオンを有すれば、その形態は、金属、金属酸化物、金属塩及び錯体等いずれのものでもよい。本発明において特に好ましいものは鉄イオンである。
鉄イオンには、従来技術においては第一鉄イオンが使用されたが、本発明においては第一鉄イオンは勿論、第二鉄イオンも有効であり、更に鉄屑等の如き金属鉄や鉄イオンをイオン交換樹脂等で固定した固定鉄イオンも使用することができる。この触媒としての鉄イオンの使用量は、過酸化水素等の酸化剤100mg/リットル当たり約20〜1,000mg/リットルで十分な処理効果を挙げることができる。又、廃水中に鉄イオンが含まれる場合はこの鉄を利用することもできる。
【0019】
図2に金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解に使用する反応処理槽を図解的に示したが、被処理汚泥は、先ず、触媒再生槽に導入される。該触媒再生槽では、触媒が加えられ、更に、槽内がpH4以下の酸性に保たれ、且つ40〜100℃程度に加温されて、触媒として加えた金属等が金属イオンとなって活性を有するように処理される。次に、この状態の金属イオンを含む被処理汚泥は、反応槽へと導かれ、ここで過酸化水素等の酸化剤が適宜な濃度となる様に添加されて酸化処理される。
【0020】
この際、被処理汚泥を含む反応液のpHが約2〜3.5に保たれる様に調節して反応を行なうことが好ましい。更に、酸化反応は反応液を加温して行うことが好ましい。加温温度としては、好ましくは40℃〜100℃の範囲、更に好ましくは50℃〜80℃の範囲である。処理温度が40℃未満である場合には、酸化に時間がかかり、酸化効率が不十分で且つ過酸化水素等の酸化剤の利用効率が不十分である。又、100℃を超える温度としても、それ以上の処理効果を期待することができず、更に過酸化水素等の酸化剤の自己分解が大きくなり、利用効率が低下すると共に、加熱エネルギー消費が大になるだけで特別の利点はない。被処理汚泥を含む反応液を加熱する手段としては、水蒸気等の吹込み、工場における他の温水等による熱交換等、任意の手段を利用することができ、反応液が適宜の温度に加温され維持されれば、加温方法は特に限定されない。
【0021】
又、酸化反応時間は、酸化処理槽のサイズ、撹拌機の性能、温度等によって異なるが、例えば、返送汚泥の一部を抜き出した被処理汚泥(固形分約1重量%)の量が10m3で酸化温度が50℃で充分な撹拌が行われる場合には、約0.5〜3時間の反応温度で充分であり、被処理汚泥を構成している微生物の殆どが死滅することが確認された。
【0022】
次に、処理された汚泥を含む反応が終了した反応液を中和槽へと導入し、必要に応じて水酸化ナトリウム等のアルカリを加えて反応液をpH6.5〜7.5にして中和する。その後、中和した反応液を調整槽内に導入し、通常の活性汚泥処理系へと戻されて被処理水と共に活性汚泥処理がなされる。一般には、殺菌及び可溶化処理する活性汚泥の量は廃水量の数%ないしそれ以下であるので、特にアルカリによる中和をしなくても、廃水中のアルカリ度によって曝気槽あるいは処理水のpHは中性付近に保たれる。
【0023】
更に、本発明において用いることのできる、簡易に被処理汚泥を殺菌及び可溶化処理する他の方法としては、例えば、超音波発生機による超音波処理が挙げられる。この場合には、被処理汚泥に、超音波発生機による超音波を用いて、処理出力0.1〜10kW程度で、処理時間1〜30分間、処理温度20℃〜100℃、処理pH3〜10の条件で処理することが好ましい。
【0024】
又、本発明においては、被処理汚泥を殺菌及び可溶化処理を酵素処理によって行ってもよい。この際に使用される酵素としては、プロテアーゼ、α−アミラーゼ、リパーゼ、グルカナーゼ、セルラーゼ等を使用し、処理温度10〜100℃、処理pH4〜10の範囲で行なうことが好ましい。酵素の添加量は、酵素の種類や処理汚泥の種類によって異なるが、被処理汚泥(固形分約1重量%)の量が10m3 の場合、酵素の添加量を約0.001〜1kg程度とすることが好ましい。
【0025】
その他、被処理汚泥の殺菌及び可溶化処理の方法としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウムの添加、オゾン添加、UV照射処理、光酸化触媒を添加して行うUV照射処理、或いは機械的な破壊等が挙げられる。又、これらの方法は単独で用いても勿論よいが、上記で挙げた各種の処理を組み合わせて用いてもよい。例えば、被処理汚泥(固形分約1重量%)の量が10m3の場合、0.05〜1kgの範囲内で、次亜塩素酸ナトリウムを添加して超音波処理したり、酵素を添加して酵素処理を行うと共に超音波処理を行うことも好ましい。
【0026】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
図1に示したフローに従って建設した曝気槽容積500リットル規模のパイロットプラントを使用して、有機性廃水を含む原水の活性汚泥処理を行った。返送汚泥の量は、250リットル/dayとした。下記の表1に原水の性状を示したが、食品工場からの有機性廃水を用いた。又、本実施例では、図1に示した処理フローの殺菌或いは可溶化処理工程に、金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解手段を用いた。触媒としては、鉄触媒を用い、試験開始当初の活性汚泥槽中に鉄イオンとして100mg/リットルになるようにFe(OH)3を添加した。酸化剤としては過酸化水素を用いた。又、酸化分解反応槽の反応液の温度は、ヒータによって50℃に加温した。
【0027】
Figure 2004188356
【0028】
先ず、上記の被処理水について、pH7.0、BOD負荷量0.6kg/m3、HRT1.7日の運転条件で活性汚泥処理を行った。その際に、沈澱槽から活性汚泥処理系への返送汚泥ライン中に設けられている、図2に示した様な構造の反応処理槽に、返送汚泥の一部を導いて熱酸化処理を行った。本実施例では、その処理量を10リットル/dayとした。そして、殺菌及び可溶化した処理汚泥を、返送汚泥のうちの一部の10リットル/dayとともに調整槽内に戻すように構成して、引き続き活性汚泥処理を連続的に行った。調整槽内には空気を送り、軽く曝気した状態で処理した。
【0029】
図2に本実施例で使用した反応処理槽の概略図を示したが、該反応槽では、汚泥を含む反応液中の過酸化水素の濃度が100mg/リットルになるように過酸化水素を添加し、pH3.5に保ちながら、滞留時間を60分間として反応させた。反応前後の汚泥の生菌数を測定したところ、反応前が109cells/mlであったのに対し、反応後は、104cells/mlであり、殆どの微生物が死滅し、可溶化が進行していることがわかった。反応終了後、汚泥を中和槽内に導き入れ、中和槽内に水酸化ナトリウムを添加し、pHを7.0に調整して中和後、返送汚泥の一部とともに調整槽に再び戻し、活性汚泥処理を引き続き行った。
【0030】
上記処理を行った後の処理水について、CODMn値と、汚泥の沈降性指標であるSVIを測定したところ、表2に示した通り、CODMn値及びSVIの値は、後述する比較例と比べて低い値となった。又、余分な活性汚泥の生成が全く見られず、余剰汚泥を抜き出して除去する必要がなかった。
【0031】
実施例2
曝気槽内に、無機沈降剤である200メッシュ篩下のゼオライト粉末を2,000mg/リットル含有させた以外は実施例1と同様にして、図1に示したフローに従って活性汚泥処理試験を行った。得られた処理水のCODMn値と、汚泥の沈降性指標であるSVIを測定し、その結果を表2に示した。表2に示す通り、いずれの値も実施例1の場合よりも良好な結果が得られることがわかった。又、無機沈降剤ゼオライト粉末の添加は、試験開始当初1回だけで追加添加することなく処理を6ヶ月継続したが、表2に示した良好な処理結果が継続して得られることが確認できた。余剰汚泥を系外に引き抜くことなく処理を継続したため、曝気槽内に添加したゼオライト粉末が失われることがなかったことによるものと考えられる。
【0032】
比較例1
処理汚泥を、返送汚泥の全量とともに曝気槽に戻した以外は実施例1と同様にして、図3に示したフローに従って活性汚泥処理試験を行った。得られた処理水のCODMn値と、汚泥の沈降性指標であるSVIを測定した。結果を表2に示した。
【0033】
Figure 2004188356
【0034】
【発明の効果】
上記した様に、本発明によれば、活性汚泥法を利用した有機性廃水の処理において、処理後に放流する処理水の水質の悪化を生じることなく、特に、COD値が上昇することも、汚泥の沈降性が損なわれることもなく、余剰汚泥の量を簡易な方法で且つ大幅に減量化させることができる、経済的な有機性廃水の浄化処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性廃水の処理方法の処理フローの一例である。
【図2】本発明の有機性廃水の処理方法に使用される反応槽の一例の概略図である。
【図3】従来の有機性廃水の処理方法の処理フローの一例である。

Claims (4)

  1. 有機物を含む被処理水を好気性微生物を含む活性汚泥により浄化処理する有機性廃水の処理方法において、活性汚泥の少なくとも一部を抜き出し、この抜き出した活性汚泥を構成している微生物を殺菌及び可溶化処理した後、処理された汚泥を、返送汚泥の一部とともに調整槽に再度導入して引き続き曝気槽で被処理水を浄化処理することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
  2. 前記曝気槽中に、無機沈降剤を500〜10,000mg/リットル含有させる請求項1に記載の有機性廃水の処理方法。
  3. 殺菌及び可溶化処理の方法が、金属イオンを触媒とした酸化剤による酸化分解である請求項1に記載の有機性廃水の処理方法。
  4. 酸化分解を、金属イオンが鉄イオンで、酸化剤が過酸化水素であり、且つ被処理液を40〜100℃に加温した条件で行う請求項3に記載の有機性廃水の処理方法。
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