JPH04341397A - メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法 - Google Patents

メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法

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JPH04341397A
JPH04341397A JP3143816A JP14381691A JPH04341397A JP H04341397 A JPH04341397 A JP H04341397A JP 3143816 A JP3143816 A JP 3143816A JP 14381691 A JP14381691 A JP 14381691A JP H04341397 A JPH04341397 A JP H04341397A
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JP
Japan
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methane fermentation
fermentation treatment
methane
bioreactor
bacteria
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JP3143816A
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Kazuo Okamura
和夫 岡村
Takaaki Narutomi
成富 隆昭
Seiji Minami
南 清司
Yoshimichi Ogawa
小川 恵道
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、産業廃水、下水汚泥な
どのメタノールを主成分とする有機性廃水に含まれる有
機物をメタン発酵関連菌によって分解処理する際に採用
されて好適なメタン発酵処理装置およびメタン発酵処理
方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、有機物をメタンに変換する性質を
有するメタン生成細菌(メタン発酵関連菌)を利用した
メタン発酵による有機性廃水の処理は、曝気のためのエ
ネルギーが不要である、余剰汚泥の発生量が少ない、生
成するメタンガスをエネルギーとして利用可能であるな
どの点で、活性汚泥法等の好気性処理に比べ、エネルギ
ー的に有利な方法とされている。 【0003】ところが、メタン生成細菌は増殖が遅いう
えに、これらの菌体の沈降性が悪いために、せっかく増
殖した菌体が処理水とともに系外へ流出してしまうとい
う問題がある。そこで、これらの問題を解決するために
開発された方法の一つに固定床法がある。固定床法は、
メタン発酵関連菌を固定するための固定床担体となる抗
火石などを導入し、この抗火石にメタン発酵関連菌を固
定化してメタン発酵を行うというもので、この固定床法
の開発に伴って、メタン発酵用のバイオリアクター内の
菌体濃度をある程度高濃度に保持することが可能となる
。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
メタン生成細菌を用いて、メタノールを主成分とする有
機性廃水をメタン発酵処理するに際し、メタン発酵用バ
イオリアクター内には、メタン生成細菌の他に、硫酸還
元菌等その他の細菌類が共存している。ところが、メタ
ン発酵処理を高効率で運転するためには、できるだけメ
タン生成細菌のみを選択的に成育させることが望ましい
。 【0005】硫酸還元菌は、メタン生成細菌Metha
nosarcinaspに比べると比較的大型で、鞭毛
を有している等の理由で、固定床担体には付着し易い。 一方、Methanosarcina  spは、球菌
であり、固定床担体には付着しにくい。したがって、M
ethanosarcina  spは系外へ流出し易
く、高負荷、高効率のメタン発酵処理が難しいという問
題を抱えている。 【0006】また従来、このようなメタン発酵処理を行
うに際しては、栄養塩類として、窒素(N)およびリン
(P)を添加することが必要とされている。そして、こ
れらの栄養塩類の添加は、一般に、BOD:N:P=1
00:5:1の割合で行なわれている。ところが、メタ
ン発酵処理では、通常高濃度の有機性廃水を処理するた
め、有機性廃水中の有機物濃度が高ければ高い程、それ
に応じて窒素およびリンの添加濃度も高くする必要があ
る。 このため、費用が高くつくうえ、処理水中にもこれらの
窒素およびリンが高濃度に残留するなどの問題がある。 【0007】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であって、特に請求項1および請求項2では、メタン生
成細菌を優先的に循環水中に成育させて、高負荷、高効
率のメタン発酵処理を可能とするようなメタン発酵処理
装置およびメタン発酵処理方法を提供することを目的と
している。 【0008】また、請求項3では、栄養塩類としての窒
素およびリンの添加量の最適値を求めて無駄を省いて、
高効率のメタン発酵処理を可能とするようなメタン発酵
処理方法を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のメタン発酵処理装置は、メタン発酵用のバイオリアク
ター内に、固定床担体を充填して、メタン生成細菌およ
び硫酸還元菌を固定するとともに、該バイオリアクター
には、循環配管を介して、分離膜その他、遠心分離等の
汚泥の分離機能を備えた分離槽を接続してなることを特
徴とする。 【0010】また、請求項2に記載のメタン発酵処理方
法は、有機性廃水を、メタン発酵用バイオリアクターと
、分離機能を備えた分離槽との間を循環させることによ
って、循環水中にはメタン生成細菌を主菌として存在さ
せることを特徴とする。 【0011】また、請求項3に記載のメタン発酵処理方
法は、有機性廃水中に栄養塩類として窒素(N)および
リン(P)を、BOD:N:P=100:0.4〜1.
0:0.05〜0.2の割合で添加することを特徴とす
る。 【0012】 【作用】本発明の請求項1および請求項2に記載のメタ
ン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法によれば、バ
イオリアクターと、分離膜等の分離機能を備えた分離槽
との間に、有機性廃水を循環させるので、循環水中に含
有される菌体が選択濃縮される。その結果、バイオリア
クター内の固定床担体には硫酸還元菌とメタン生成細菌
が保持され、また循環水中には、メタン生成細菌が主菌
として存在することになる。したがって、循環水中の基
質を素早く取り込んで高負荷、高効率のメタン発酵処理
を実現できる。 【0013】また請求項3に記載のメタン発酵処理方法
によれば、栄養塩類としての窒素およびリンの添加量の
最適値が定められているので、無駄を省いて、効率的に
高負荷のメタン発酵処理を実現することができる。 【0014】 【実施例】以下、実施例を示して、本発明のメタン発酵
処理装置およびメタン発酵処理方法について説明する。 【0015】図1は、請求項1に記載のメタン発酵処理
装置の一実施例を示すものである。この装置は、概略、
有機性廃水の原料タンク1と、pH調整槽2と、メタン
発酵用のバイオリアクター3と、レベル調整槽4と、分
離槽5とを主体として構成されている。原料タンク1と
pH調整槽2とは、原料酌み上げポンプ6を有する原料
配管7によって連結されている。pH調整槽2、バイオ
リアクター3、レベル調整槽4および分離槽5とは、循
環ポンプ8を備えた循環配管9によって輪状に連結され
、循環可能とされている。バイオリアクター3内部には
、固定床担体として抗火石が充填され、該固定床担体に
はメタン生成細菌Methanosarcina  s
pが保持されている。またこのバイオリアクター3には
、該バイオリアクター3内の水温を最適に保持して基質
と菌体との接触を良好にするため、ヒーター10が設け
られている。分離槽5には、分画分子量10万の限外濾
過(UF)膜、その他の分離装置が設けられている。レ
ベル調整槽4にはレベルセンサー11が設けられるとと
もに、このレベルセンサー11は、分離槽5近傍に設け
られた排水ポンプ12に連動可能とされ、これによって
、系内への供給量を越える処理水を排出して、系内の水
量を常に一定に保つように構成されている。また、分離
槽5の近傍には、分離膜循環ポンプ13が設けられてお
り、系内を循環する循環水を分離槽5に通したり通さな
いように適宜変更可能とされている。また、バイオリア
クター3の上部には、脱硫装置14が設けられ、ガス容
器15を経て焼却手段に連結されている。 【0016】次に、請求項2に記載のメタン発酵処理方
法について、図1を参照して説明する。 【0017】まず、原料酌み上げポンプ6を作動させて
、原料タンク1からpH調整槽2内に、原料配管7を通
じて有機性廃水を導入する。pH調整槽2内で、水酸化
ナトリウム等のアルカリ剤を添加するなどの方法により
pHを6.8〜7.0程度に調整した後、循環ポンプ8
により、この有機性廃水を、上向流でバイオリアクター
3内に供給する。バイオリアクター3内の線速度は1m
/hr程度に調整する。バイオリアクター3内の水温は
、基質(メタノール)と菌体の接触を良好に維持するた
めに、53℃程度に保たれるようにそのヒーター10を
調整する。その後、循環配管9を通じて、バイオリアク
ター3、レベル調整槽4、分離槽5およびpH調整槽2
との間を循環させる。バイオリアクター3内では、メタ
ノールを基質としてメタノール発酵が進み、メタンガス
が生成する。分離槽5には分離膜等の分離装置が設けら
れているので、これを通過する循環水中に含まれる菌体
のうちメタン生成細菌Methanosarcina 
 spは循環水とともに通過し、また硫酸還元菌はこの
分離膜等によって濾別される。このため、有機性廃水が
連続循環処理される間には、循環水中には、硫酸還元菌
はほとんど残存しなくなり、メタン生成細菌が主菌とし
て存在するようになる。また、レベル調整槽4に設けら
れたレベルセンサー11と排水ポンプ12によって、系
内に供給される供給量を越える量の循環水は系外へ排出
され、系内の水量は常に一定に保たれる。また、バイオ
リアクター3内で発生した硫化水素等のガスは、上部の
脱硫装置14に捕集され、系外へ排気される。 【0018】このように、請求項1および請求項2に記
載のメタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法によ
れば、バイオリアクター3と、分離膜等の分離装置を備
えた分離槽5との間に、有機性廃水を循環させるので、
この循環水中に含有される菌体が分離膜等によって選択
濃縮される。その結果、バイオリアクター3内の固定床
担体には硫酸還元菌とメタン生成細菌が保持され、また
循環水中には、メタン生成細菌が主菌として存在するこ
とになる。したがって、循環水中の基質(メタノール等
)を素早く取り込んで高負荷、高効率のメタン発酵処理
が実現される。 【0019】また、前記実施例では、バイオリアクター
3の前段にpH調整槽2が設けられているので、このp
H調整槽2に供給された有機性廃水は、既に系内を循環
してきた循環水によって希釈されることとなる。したが
って、この有機性廃水には、メタノール生成細菌Met
hanosarcina  spが優先的に存在してお
り、基質としてのメタノールや酢酸をより素早く取り込
むことができる。 【0020】次に、実験例を示して、このメタン発酵処
理装置およびメタン発酵処理方法の効果について明らか
にする。 【0021】実験は、図1に示した装置を用いて行うと
ともに、分離槽5の複合されていない装置を用意して、
比較して行った。両装置とも、バイオリアクター3内の
水温は53℃、バイオリアクター3内の線速度は1m/
hrに調整した。また、pH調整槽2内は、pH6.8
〜7.0に保持した。分離槽5内の分離膜には、分画分
子量10万の限外濾過(UF)膜(有効膜面積1.0m
2)を使用し、膜面流速1.0m/sec、人工圧力1
.5kg/cm2の条件で、この分離膜の運転を実施し
、結果を表1に示す。 【0022】表1の結果より、分離膜を複合しなかった
比較例の装置を用いた場合には、BOD容積負荷が30
.6g−BOD/l/day以上では、処理後の処理水
中にメタノールが残留することによりTOC除去率の低
下が認められた。これに対し、分離膜を複合した実施例
の装置を用いた場合には、BOD容積負荷が69.8g
−BOD/l/dayまではメタノールの残留はなく、
分離膜を複合することにより2倍以上の負荷での運転が
可能であった。 【0023】また、これらの原因を調査するために、実
施例の装置におけるバイオリアクター3内の汚泥の状況
を調べた。結果を表2に示す。 【0024】 【表1】 【0025】表2の結果より、固定床担体に付着した汚
泥のメタノール消費速度は、2.89g−BOD/d−
MLVSS/day、ガス発生量は1.55l/g−M
LVSS/dayであったのに対し、浮遊汚泥のメタノ
ール消費速度は、6.33g−BOD/g−MLVSS
/day、ガス発生量は、3.77l/g−MLVSS
/dayと、固定床担体に付着した汚泥の2倍以上の能
力を有していた。また、各汚泥の硫酸イオンの消費は、
固定床担体に付着した汚泥の方が著しく、浮遊汚泥では
消費率が62.7%であったのに対し、固定床担体に付
着した汚泥では98.3%であった。 【0026】以上の結果から、固定床担体に付着した汚
泥には、メタン生成細菌の他に硫酸還元菌等の種々の細
菌が存在し、浮遊汚泥にはメタン生成細菌が主菌として
存在していることが明らかとなった。 【0027】 【表2】 【0028】次に、本発明の請求項3に記載のメタン発
酵処理方法について説明する。 【0029】図2は、請求項3に記載のメタン発酵処理
方法において用いられるメタン発酵処理装置の一例を示
すものである。この装置は、概略、有機性廃水の原料タ
ンク21と、pH調整槽22と、メタン発酵用のバイオ
リアクター23と、レベル調整槽24とを主体として構
成されている。原料タンク21とpH調整槽22とは、
原料酌み上げポンプ26を有する原料配管27によって
連結されている。pH調整槽22、バイオリアクター2
3およびレベル調整槽24とは、循環ポンプ28を備え
た循環配管29によって輪状に連結され、循環可能とさ
れている。バイオリアクター23内部には、固定床担体
として抗火石が充填され、該固定床担体にはメタン生成
細菌Methanosarcinaspが保持されてい
る。またこのバイオリアクター23には、該バイオリア
クター23内の水温を最適に保持して基質と菌体との接
触を良好にするため、ヒーター30が設けられている。 また、前記循環配管29には、該循環水を系外へ排出す
るための排水管31が接続されている。また、バイオリ
アクター23の上部には、脱硫装置34が設けられ、ガ
ス容器35を経て焼却手段に連結されている。 【0030】次に、このようにしてなる装置を用いてメ
タン発酵処理を行う方法について説明する。 【0031】まず、原料酌み上げポンプ26を作動させ
て、原料タンク21からpH調整槽22内に、原料配管
27を通じて有機性廃水を導入する。pH調整槽22内
には、栄養塩類として、窒素(N)およびリン(P)を
添加する。ここで、窒素(N)としては硫酸アンモニウ
ムなどを添加し、リン(P)としては各種リン酸塩など
を添加する。窒素(N)およびリン(P)の添加は、B
OD:N:P=100:0.4〜1.0:0.05〜0
.2の割合で行い、好ましくはBOD:N:P=100
:0.7〜1.0:0.1〜0.2の割合で行う。さら
に、pH調整槽22内で、水酸化ナトリウム等のアルカ
リ剤を添加するなどの方法によりpHを6.8〜7.0
程度に調整した後、循環ポンプ28により、この有機性
廃水を、上向流でバイオリアクター23内に供給する。 バイオリアクター23内の線速度は1m/hr程度に調
整する。バイオリアクター23内の水温は、基質(メタ
ノール)と菌体の接触を良好に維持するために、53℃
程度に保たれるようにそのヒーター30を調整する。そ
の後、循環配管29を通じて、バイオリアクター23、
レベル調整槽24およびpH調整槽22との間を循環さ
せる。バイオリアクター23内では、メタノールを基質
としてメタノール発酵が進み、メタンガスが生成する。 また、メタン発酵処理後の処理水は、排水管31より系
外へ排出される。また、バイオリアクター23内で発生
した硫化水素等のガスは、上部の脱硫装置34に捕集さ
れ、系外へ排気される。 【0032】ここで、前記栄養塩類として添加される窒
素(N)およびリン(P)の添加量を前記範囲に限定し
たのは、窒素(N)の添加量が0.4未満、あるいはリ
ン(P)の添加量が0.05未満であると、処理水中に
多量のメタノールが残留するとともに酢酸およびプロピ
オン酸が生成し、メタン発酵が十分に進まないためであ
り、窒素(N)の添加量が1.0を越えたり、あるいは
リン(P)の添加量が0.2を越えたりした場合には、
それ以上のメタン発酵促進効果が得られずに、窒素ある
いはリンが処理水中に残留してしまうためである。 【0033】このように、請求項3に記載のメタン発酵
処理方法によれば、窒素およびリンの添加量を前記範囲
に限定したので、メタン発酵が十分に促進されて、高負
荷、高効率のメタン発酵が可能となる。また、このこと
により、処理水中に残留するメタノールの濃度が低いば
かりでなく、窒素およびリンもほとんど残留しないので
、無駄が省けて経済的でもある。 【0034】次に、実験例を示して、このメタン発酵処
理方法の効果について明らかにする。 【0035】まず、有機性廃水中の基質であるメタノー
ルを効率良くメタンに変換するため、メタノール発酵処
理に必要な窒素(N)およびリン(P)の最適添加量を
把握する実験を行った。 【0036】実験は、図2に示した装置を用いて行い、
有機性廃水には、表3に示す組成の合成有機性廃水を用
いた。バイオリアクター23内の水温は53℃、バイオ
リアクター23内の線速度は1m/hrに調整した。ま
た、pH調整槽22内は、pH6.8〜7.0に保持し
た。リン(P)の添加量を、BOD:P=100:0.
2に調整して、BOD容積負荷10〜20g−BOD/
l/dayの条件下で運転を行い、硫酸アンモニウムを
添加することにより、窒素(N)濃度を適宜変化させて
運転した。結果を、図3に示す。また、リン(P)の最
適添加量は、処理水中の残留リン酸濃度を測定すること
により把握した。 【0037】図2に示すように、合成有機性廃水中の窒
素(N)あるいはリン(P)の添加を停止した状態では
、処理水中に急激にメタノールが残留するとともに、酢
酸およびプロピオン酸の生成が認められた。このことか
ら、メタノールを基質とする合成有機性廃水をメタン発
酵処理するためには、栄養塩類として窒素およびリンの
添加が不可欠であることが明らかとなった。 【0038】また、窒素(N)の添加を、BOD:N=
100:0.35以下の割合で行った場合には、急激に
酢酸およびプロピオン酸の生成が多くなるが、BOD:
N=100:1.0以上の割合で行った場合には、酢酸
およびプロピオン酸の生成はほとんど認められなかった
。 このことから、窒素の添加量は、BOD:N=100:
0.4〜1.0、好ましくはBOD:N=100:0.
7〜1.0が最適であると判断された。 【0039】また、この時のリン酸濃度は、供給水24
0mg/lに対して、処理水中には140mg/lであ
り、なお添加量は過剰であることが認められた。リンの
消費量から、リン酸の添加量は、BOD:P=100:
0.05〜0.2、好ましくはBOD:P=100:0
.1〜0.2が最適であると判断された。 【0040】次に、バイオリアクター23の最大負荷運
転時の状況を把握するための実験を行った。 【0041】実験は、窒素(N)濃度およびリン(P)
濃度を、BOD:N:P=100:0.7:0.1とな
るように調整したメタノールを基質とする合成有機性廃
水を使用して実施した。その結果、BOD容積負荷が3
3.7g−BOD/l/dayの高負荷運転が可能であ
ることが  確認された。最大負荷運転時の運転状況を
表4に示す。 【0042】 【表3】       【0043】表4の結果より、供給水中の
ほとんどの硫酸アンモニウムが消費されていることが明
らかとなった。処理水中には、メタノールの残留がなく
、酢酸およびプロピオン酸も低濃度で維持されていた。 【0044】以上の結果より、従来のメタノール発酵で
は、BOD容積負荷は最大10g−BOD/l/day
での運転が大半であったのに対し、本発明の請求項3に
記載のメタン発酵処理方法では、栄養塩類(窒素および
リン)の濃度を最適範囲に管理することにより、BOD
容積負荷が30g−BOD/l/day以上の高負荷運
転が可能となった。 【0045】 【表4】 【0046】なお、本発明のメタン発酵処理装置および
メタン発酵処理方法は、前記実施例に限られず、具体的
構成要件は実施に当たり適宜変更可能とされる。 【0047】例えば、前記実施例では、メタノール廃水
のメタン発酵へ適用した例を示したが、酢酸廃水のメタ
ン発酵への適用はもちろん、二相式メタン発酵における
酸発酵相の後段メタン発酵槽への適用や、あるいは酸生
成細菌への適用なども可能であり、またその他のすべて
の有機性廃水のメタン発酵への適用が可能である。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
および請求項2に記載のメタン発酵処理装置およびメタ
ン発酵処理方法によれば、バイオリアクターと、分離膜
を備えた分離槽との間に、有機性廃水を循環させるので
、循環水中に含有される菌体が選択濃縮される。したが
って、バイオリアクター内の固定床担体には硫酸還元菌
とメタン生成細菌が保持され、また循環水中には、メタ
ン生成細菌が主菌として高濃度に存在することとなる。 よって、循環水中の基質を素早く取り込んで高負荷、高
効率のメタン発酵処理を行うことが可能となる。 【0049】また請求項3に記載のメタン発酵処理方法
によれば、栄養塩類としての窒素およびリンの添加量の
最適値が定められているので、無駄を省いて効率的に、
高負荷、高効率のメタン発酵処理を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に記載のメタン発酵処理装置
の一実施例を示す概念図である。
【図2】本発明の請求項3に記載のメタン発酵処理方法
において用いられるメタン発酵処理装置の一例を示す概
念図である。
【図3】請求項3に記載のメタン発酵処理方法にしたが
ってメタン発酵を行った時の窒素の添加量と処理水中の
VFA(酢酸およびプロピオン酸)濃度との関係を示す
図である。
【符号の説明】
3  バイオリアクター 5  分離槽 9  循環配管 23  バイオリアクター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  メタン発酵用のバイオリアクター内に
    は、固定床担体が充填されて、メタン生成細菌および硫
    酸還元菌が固定されるとともに、該バイオリアクターは
    、循環配管を介して、分離膜等の分離機能を備えた分離
    槽に接続されてなることを特徴とするメタン発酵処理装
    置。
  2. 【請求項2】  有機性廃水をメタン発酵処理するに際
    し、この有機性廃水を、メタン発酵用バイオリアクター
    と、分離膜等の分離機能を備えた分離槽との間を循環さ
    せることによって、循環水中にはメタン生成細菌を主菌
    として存在させることを特徴とするメタン発酵処理方法
  3. 【請求項3】  有機性廃水をメタン発酵処理するに際
    し、この有機性廃水中に栄養塩類として窒素(N)およ
    びリン(P)を、BOD:N:P=100:0.4〜1
    .0:0.05〜0.2の割合で添加することを特徴と
    するメタン発酵処理方法。
JP3143816A 1991-05-20 1991-05-20 メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法 Withdrawn JPH04341397A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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