JP2002205355A - 耐食性、耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

耐食性、耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

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JP2002205355A
JP2002205355A JP2001004118A JP2001004118A JP2002205355A JP 2002205355 A JP2002205355 A JP 2002205355A JP 2001004118 A JP2001004118 A JP 2001004118A JP 2001004118 A JP2001004118 A JP 2001004118A JP 2002205355 A JP2002205355 A JP 2002205355A
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film
plating
plating film
organic
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Seiji Bando
誠治 坂東
Koji Tanida
孝次 谷田
Kiyomasa Tatsumi
斉正 辰己
Hiroto Masumoto
弘人 桝本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GA鋼板で得られない高加工性と高耐食性、
GI鋼板では得られない凹凸欠陥のない美麗な表面品質
を両立させ、密着性、耐黒変性を兼ね備えたクロムフリ
ーの有機複合被覆鋼板を開発する。 【解決手段】 鋼板上に設けためっき皮膜はAl 0.20 〜
1.0 %、かつFe 0.5〜6.0 %含有し、そしてその上に設
けた有機樹脂複合皮膜はフッ素 0.5〜5 at %、リン
0.5〜5at%含有する、シリカ−有機樹脂複合皮膜から
成り、0.2 〜1.5g/m2 の付着量で設ける。好ましくは、
前記亜鉛めっき皮膜に更にη相が95〜50at%存在する
か、および/または前記めっき皮膜表面のWCMが10μm
以下である。製造に当たっては、Alを0.15〜0.3 %含む
溶融亜鉛めっき浴へ素材鋼板を浸漬し、 次いでガスワイ
ビングにてめっきの付着量を調節し、得られためっき鋼
板を鋼板の温度が420 〜600 ℃の範囲で加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電化製品の部品、
自動車用の鋼板、カラー鋼板の素材、建材等に使用され
る溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき鋼板としては、Al
を0.13質量%程度以上含有するめっき浴でめっきを行
い、付着量を調節した後に加熱しないで得た溶融亜鉛め
っき鋼板(以下GI鋼板と表記)と、0.15質量%より少
ない量のAlを含有しためっき浴でめっきを行い、 付着量
調節後にめっき鋼板を加熱して、めっき皮膜中のFe含有
量が8〜12質量%になるようにめつき皮膜を合金化して
得た合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下GA鋼板と表記)
とがある。
【0003】GA鋼板は亜鉛めっき皮膜を前述の範囲で
Feと合金化するため、GI鋼板に比べ抵抗溶接性が優
れ、化成処理の際の化成処理塩の付着性および塗装密着
性が優れる反面、めっき層中に脆いFe−Zn系の合金層が
析出するため、加工性が劣る。また、めっき皮膜を前述
の範囲で合金化するため、合金化炉の設備上の制約か
ら、また最低限の加工性を確保する必要上から、めっき
厚を余り厚くすることができず、GI鋼板に比べて高耐
食性を得ることはできない。
【0004】一方、GI鋼板はGA鋼板に比べめっき厚
を十分に厚くすることができ、高耐食性が得られ、また
加工性もGA鋼板に比べて優れている。しかし、GI鋼
板はガスワイピングによりめっきの付着量を調節したま
まの状態で、溶融亜鉛めっきを凝固させるため、めっき
皮膜の表面にはガスワイピングの際の振動等によって生
じた凹凸やめっき浴中で付着したドロス(Fe−Zn系合金
の粒)が残り、表面外観上GA鋼板に劣る。そのため、
これまでGI鋼板はめっき皮膜の表面の凹凸欠陥に対し
て厳格な自動車の外装パネル材や、家電製品等の可視部
に無塗装で使用することができなかった。
【0005】特開昭52−6340号公報に開示された方法
は、上記課題を解決する方法であるが、めっき浴中のAl
濃度を通常のGI鋼板のめっき浴より高自にするため、
めっき浴の入れ替えやめっきポットを2種類準備する必
要がありめっき浴の変更に大きな工数を要し、非常にコ
ストがかかり生産性が悪い。また、めっき浴中のAl濃度
が高いため、それに伴ってめっき皮膜中のAl濃度も高く
なってしまい、溶接性が劣化してしまう。
【0006】特開昭62−4858号公報に開示された方法
は、加工性を改善するため、めっき皮膜と鋼板との界面
の合金層厚みを薄く制御する万法であるが、めっき浴中
のAl濃度が低く、そのためめっき皮膜と鋼板との界面の
合金層としては脆いFe−Zn系の合金層のみ成長してしま
うため、GA鋼板よりも加工性は劣らないが、GI鋼板
に比べると加工性は明らかに劣る。
【0007】さらに、亜鉛系めっき鋼板の防錆処理とし
ては、従来よりクロメート処理が広く用いられてきた。
しかし、近年、6価クロムが人体に有害であることが問
題視されるようになってきた。特に最近では、地球環境
問題から6価クロムを規制する動きが加速されているた
め、6価クロムフリー、さらには完全にクロムフリーの
防錆処理の開発が望まれている。
【0008】このような要請に対し、従来からクロムフ
リーの防錆処理の開発例があるが、特に最近は、樹脂を
主成分とし、必要により他の有機もしくは無機成分を添
加した皮膜を形成する有機複合被覆鋼板の開発例が多
い。
【0009】例えば、特開平8−232076号、同8−2320
77号、同10−251864号、同10−251865号の各公報に記載
の珪酸エステルとアルミニウム塩とその他の成分からな
る皮膜を形成する方法や、特開平5−195244号公報、同
7−145486号公報記載のフッ化物、リン酸、金属イオ
ン、樹脂等からなる皮膜を被覆する方法、特開平8−73
775 号公報記載のシランカップリング剤から形成される
皮膜を被覆する方法、特開平10−251509号公報記載の樹
脂、ポリアニリン、無機酸化物からなる皮膜を被覆する
方法、特開平10−337530号公報記載の樹脂と希土類化合
物とを含む皮膜を形成する方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クロメート
処理を施した溶融亜鉛めっき鋼板の課題として、高温多
湿環境に保持された場合、特にコイルのように、めっき
表面が密着した状況において、めっき表面が黒く変色す
る現象(以下、異変という)があり、黒変が生じた鋼板
は、商品価値が著しく低下することがある。
【0011】本発明者らが、種々のクロムフリー処理に
ついて検討したところ、有機複合皮膜を形成した場合に
も、同様な黒変が発生することが認められた。しかし、
上記の従来技術においては、耐黒変性については何ら検
討されていない。
【0012】かかる黒変現象を抑制する技術としては、
クロメート処理の場合には、特開昭51−177381号公報記
載の、めっき後にNi、Coを薄くめっきしてからクロメー
ト処理を施すという技術がある。しかし、析出したNi、
Coは、めっき皮膜のZnと局部電池を形成するため、耐食
性(耐白錆性)の劣化を生ずる傾向がある。クロメート
皮膜の場合、皮膜の持つ優れた自己修復性能により、耐
食性劣化を最小限度におさえることが可能だが、クロム
フリーの有機複合被覆鋼板では、そのような性能はみら
れず、耐食性劣化が大きく、実用に供することができな
かった。
【0013】従来文献[例えば、内田ほか、日新製鋼技
報、51,p.29(1984)]によると、上記の黒変現象は、めっ
き皮膜表層の亜鉛の酸欠錆と関連があり、表面の酸化皮
膜は黒変に影響せず、めっき皮膜中のAlの表層への拡散
が黒変に悪影響を及ぼすと報告されている。
【0014】ただし、めっき皮膜表面を完全に酸化して
しまうと、上層皮膜との密着性が劣化する、あるいは処
理液そのものをはじいてしまうことが経験的に知られて
いる。
【0015】ここに、本発明の課題は、GA鋼板で得る
ことのできない高加工性と高耐食性、およびGI鋼板で
は得ることのできない凹凸欠陥のない美麗な表面品質を
両立する溶融亜鉛めっき鋼板さらに、耐食性、密着性、
耐黒変性を兼ね備えたクロムフリーの有機複合被覆鋼板
およびその製造方法を開発することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クロムフ
リー処理を施す際に、耐食性を確保できる皮膜であるこ
とを前提として、さらにめっき皮膜表面の酸化状態を抑
制し、かつ有機皮膜成分をめっき皮膜との密着性を向上
させるような成分構成とすることにより、上記課題を解
決すべく検討を重ねた結果、溶融亜鉛めっき鋼板の表面
を再溶解し、凝固させた後に、シリカ質成分と有機樹脂
を主成分とするシリカー有機樹脂複合皮膜に少量のリン
酸類およびフッ化物類を含有させ複合皮膜を塗布するこ
とが有効であることを知り、本発明に至った。
【0017】ここに、本発明は次の通りである。 (1)鋼板上に溶融亜鉛めっき皮膜および有機樹脂複合皮
膜が順次被覆された複合被覆鋼板において、前記めっき
皮膜はAl 0.20 〜1.0 質量%、かつFe 0.5〜6.0質量%
含有し、そして前記有機樹脂複合皮膜はフッ素 0.5〜5
at%、リン 0.5〜5at%含有する、シリカ−有機樹脂複
合皮膜から成ることを特徴とする、表面が美麗な耐食
性、耐黒変性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0018】(2)前記亜鉛めっき皮膜にη相が95〜50at
%存在することをを特徴とする上記(1) 記載の有機複合
被覆鋼板。 (3)前記めっき皮膜の表面のWCMが10μm 以下であるこ
とを特徴とする上記(1)または(2) 記載の有機複合被覆
鋼板。
【0019】(4)Alを0.15〜0.30質量%含む溶融亜鉛め
っき浴へ素材鋼板を浸漬し、 次いでガスワイピングにて
めっき付着量を調節し、得られためっき鋼板を420 〜60
0 ℃の範囲の鋼板温度で加熱することにより、めっき皮
膜中にAlが0.20〜1.0 質量%、かつFeが0.5 〜6.0 質量
%含有するめっき鋼板とし、そして該めっき鋼板表面に
フッ素を0.5 〜5at%、リンを0.5 〜5at%含有する、
シリカ−有機樹脂複合皮膜を設けることを特徴とする有
機複合被覆鋼板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明においてめっき皮膜
の組成を上述のように規定した理由についてさらに具体
的に説明する。なお、めっき浴、めっき皮膜、有機複合
皮膜の組成等を規定する「%」は、特にことわりがない
限り、「質量%」でもって示す。
【0021】鋼板 本発明において用いる鋼板、つまり素材鋼板は、熱延
板、冷延板のいずれをも問わない。従来より溶融亜鉛め
っきを行われてきた加工用鋼板が例示されるが、溶融亜
鉛めっきを行える限り、また所要の加工性が満足される
限り高張力鋼板等であっても特に制限されない。
【0022】めっき皮膜 めっき皮膜中に含有されるAl濃度については、0.20%未
満の場合、めっき時にめつき皮膜と鋼板の界面に生成す
るFe2Al5相の合金層が成長しにくく、 脆いFe−Zn系の合
金層が析出しやすくなり、めっき皮膜の母材鋼板に対す
る密着性が損なわれる。
【0023】しかし、めっき皮膜中のAl濃度が高すぎる
と、めっき皮膜と鋼板の界面にFe2Al5相以外にFeAl3
が析出し、このFeAl3 相はFe−Zn系の合金層の成長を促
進するため、 基地である鋼板へのめっき皮膜の密着性が
損なわれる。 また、通常使用するGI鋼板用のめっき浴
ではめっき皮膜中のAl濃度が1.0 %超にはなり得ない。
【0024】したがって、本発明ではめっき皮膜中のAl
含有量を0.20〜1.0 %に規定する。好ましくは、0.2 〜
0.4 %である。めっき皮膜中のFe%については、0.5 %
未満では、めっき鋼板をガスワイピング後に加熱する際
に、めっき皮膜表面が溶解する温度まで昇温できず、め
っき皮膜表面の凹凸欠陥を消滅させることはできない。
一方、めっき皮膜中のFe%が6.0 %超では、脆いFe−Zn
系の合金層が多く析出し、めっき皮膜の母材鋼板に対す
る密着性が損なわれる。好ましい範囲は2.5 %未満であ
る。
【0025】このように本発明によれば、 めっき皮膜中
のAl濃度が0.20〜1.0 %の範囲でめっき皮膜中に密着性
の良いFe2Al5相が存在する条件下で、めっき皮膜中のZn
と鋼板のFeを合金化し、Fe−Zn合金層のζ相を一定範囲
で析出させることによって、めっき皮膜の鋼板に対する
密着性を確保したまま、めっき皮膜表面の凹凸ムラの無
い美麗な表面を有した溶融亜鉛めっき鋼板を得ることが
できる。
【0026】めっき皮膜表面の凹凸は同一面内のめっき
付着量の大小によって生じるが、めっき皮膜中のZnと鋼
板のFeを合金化する事により、めっき付着量の多い部分
に比べてめっき付着量の少ない部分の方がめっき皮膜と
鋼板との界面への入熱が多くなり、合金化が早く進むた
めζ相が析出し、めっき厚み変動、つまり表面凹凸を軽
減できる。
【0027】従って、本発明の好適態様にあっては、め
っき皮膜中のη相が95at%を超えると、めっき皮膜の合
金化が進まずめっき表面の凹凸を軽減する効果が乏しく
めっき皮膜表面が美麗にできない。一方、めっき皮膜中
のζ相等のFe−Zn合金層が厚く成長し、η相が50at%未
満になってしまうと、めっき皮膜が脆くなりすぎて、め
っき皮膜の密着性が低下する。
【0028】めっき鋼板表面の凹凸に関してはJIS B061
0 で規定されるWcM を、基準長さ30mm、カツトオフ0.8m
m で測定した値で評価し、この値が10μm以下であれ
ば、自動車外装パネル材などの表面凹凸欠陥に厳格な用
途でも、外観上顕在化しないので良好である。したがっ
て、本発明の好適態様にあっては、めっき鋼板の表面凹
凸をJIS B0610 で規定されるWcM でもって10μm 以下に
規定する。
【0029】ところで、このようにめっき皮膜表面の凹
凸を抑制し、めっき皮膜の密着性を確保するための製造
技術としては、溶融亜鉛めっき浴中のAl含有量につい
て、めっき皮膜中のAlが0.20〜1.0 %になるように0.15
〜0.30%の範囲とする。AlはZnに比べてFeとの反応性が
高く、めっき皮膜と鋼板との界面にFe2Al5相が析出する
ため、Alはめっき皮膜中にめっき浴の濃度以上に濃化す
る。
【0030】また、このめっき浴中Al濃度は通常のGI
鋼板用のめっき浴であり、本発明を実施するにあたり、
浴の入れ替え等が必要でないので、低コストで製品を供
給することができる。
【0031】素材鋼板を上述のようにAl含有量を規定し
た溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、引き上げてから、ガスワ
イピングにてめっき付着量を調節するが、本発明によれ
ば、そのようにめっき付着量を調整してから、めっき鋼
板を加熱する。
【0032】めっき鋼板を加熟する自的は、めっき皮膜
の表面を再溶解するためである。従来のGI鋼板では、
ガスワイピングされたままの状態で亜鉛めっき皮膜を凝
固させるため、めっき皮膜の表面にはガスワイピング時
の振動による凹凸(波状の凹凸)や、めっき浴中で付着
したドロスが存在する。これらはいずれも外観を損ねる
ものである。しかし、本発明では、めっきの表面を再溶
解し、ガスワイピング時の振動から解放された状態でめ
っき皮膜を凝固させることによって、めっき皮膜表面の
凹凸を消滅させ、また、同時にめっきを再加熱し合金化
させることによって、めっき浴中で付着したドロスをめ
っき皮膜と鋼板との界面に移動し、表面を美麗にするこ
とができる。
【0033】亜鉛めっき皮膜の表面を再溶解するために
は、亜鉛の融点以上の温度にする必要があるため、420
℃以上に加熱する。しかし、600 ℃超の高温に加熱する
と、めっき皮膜と鋼板との界面に脆いFe−Zn系の合金層
が析出しめっき皮膜の密着性が損なわれるとともに、め
っき皮膜の表面に合金化ムラの色調ムラが生じる。好ま
しい加熱温度は下限が450 ℃、上限が550 ℃である。
【0034】さらにこのような再溶解処理を施すことに
より、めっき皮膜表面の状態が変化し、予想外にもその
後の有機複合皮膜を施した後の耐黒変性が格段に向上す
る。このメカニズムは明らかではないが、次のように考
えられる。ガスワイピングされた後の凝固した亜鉛めっ
き皮膜の表面には前述のようにガスワイピング時の振動
による凹凸や、めっき浴中で付着したドロスが存在する
が、めっき皮膜の表面を再溶解し、ガスワイピング時の
振動から解放された状態でめっき皮膜を凝固させること
によって、めっき皮膜表面の凹凸を消滅させ、また、同
時にめっきを再加熱し合金化させることによって、めっ
き浴中で付着したドロスをめっき皮膜と鋼板との界面に
移動させるが、この時、黒変化に悪影響を及ぼすとされ
ているめっき皮膜表層中にあるA1の濃化層がめっき皮膜
内に拡散することにより、めっき皮膜表面のAl濃化層が
減少し、耐黒変性が向上すると考えられる。
【0035】本発明に係るシリカ−有機樹脂複合皮膜
は、有機樹脂およびシリカとそれ以外の成分との供給源
を含有する処理液を母材鋼板表面に塗布し、そのまま塗
膜を焼付けて乾燥することにより形成される。次にこれ
らの成分について説明する。
【0036】有機樹脂 有機樹脂は上記複合皮膜の主成分であり、以下ベース樹
脂とも云う。樹脂種は、好ましくは焼付け硬化型であ
る。例えば、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル
系、ウレタン系、フェノール系等が使用できる。樹脂液
は、例えば、アルコール等の水混和性有機溶剤を用いた
有機系とすることも可能であるが、水性系の樹脂液(水
溶性樹脂または水分散性もしくはエマルジョン型樹脂を
使用)とする方が好ましい。
【0037】シリカ質成分 シリカ質成分は、樹脂に次ぐ皮膜の主成分であり、樹脂
とシリカ質成分とでめっき皮膜の表面に、これを周囲環
境から遮断するバリア皮膜を形成する。シリカ質成分
は、乾燥後にシリカ質皮膜を形成できる任意の珪酸化合
物および関連化合物から誘導することができる。即ち、
このような化合物を処理液に添加すればよい。
【0038】一般にシリカ質皮膜を形成できる材料は、
Si−O 結合を介して樹脂およびシリカ質成分同士と結合
することで、樹脂皮膜それ自体を強化し、かつめっき皮
膜との密着性を高めるので、 従来より鋼板の表面処理液
に使用されてきた。
【0039】この種の材料の具体例として、コロイダル
シリカ(湿式シリカ、シリカゾル)、乾式シリカ(気相
シリカ、フュームドシリカ)、シランカップリング剤、
珪酸金属塩(例、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム等)、
珪酸エステル(例、エチルシリケート)などが挙げられ
る。
【0040】また樹脂としてシリカ変性またはシリコー
ン変性された樹脂を用いる場合には、この樹脂の変性部
分をシリカ質成分として利用できる。即ち、この場合の
樹脂は、樹脂成分とシリカ質成分を兼ねる。
【0041】本発明においては、下層のめっき皮膜との
密着性を向上させる目的で、珪酸化合物の一部または全
部としてシランカップリング剤を使用することが好まし
い。特に好ましいシランカップリング剤は、使用する樹
脂と反応性の官能基を有するものである。反応の種類
は、重合反応、縮合反応、付加反応等でよく、特に制限
されない。例えば、樹脂とシランカップリング剤の一方
がカルボキシル基を有し、他方がアミノ基を有している
と、縮合反応により形成されたアミド結合を介して樹脂
とシランカップリング剤が強固に結合し、樹脂皮膜がよ
り強化されると共に、めっき皮膜との密着性も高まる。
このような互いに反応性の官能基の組合わせは、アミノ
基、水酸基および/もしくはカルボキシル基とエポキシ
基との組合わせ、水酸基および/もしくはスルホ基とカ
ルボキシル基との組合わせ、ビニル基同士の組合わせ
等、他にも可能である。従って、樹脂中の官能基に応じ
て、これと反応性の適当な官能基を持つシランカッブリ
ング剤を選択すればよい。
【0042】具体例を示すと、ビニル基を有するアクリ
ル系樹脂に対しては、同じビニル基を有するビニルトリ
メトキシシランといったシランカップリング剤が反応性
を有する。また、アクリル系樹脂がカルボン酸基を有す
る(酸価を有する)ものである場合には、アミノ基を有
するシランカップリング剤も反応性がある。フェノール
樹脂や一部のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等のよ
うに水酸基を有する樹脂に対しては、例えば、エポキシ
基を有するシランカップリング剤が反応性がある。
【0043】シリカ質成分の皮膜中の含有量は、SiO2
算で10〜30%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜25
%である。なお、樹脂がシリカもしくはシリコーン変性
樹脂の場合には、樹脂中の変性部分のシリカ換算含有量
がこの範囲内の量にあればよい。シリカ質成分の含有量
が10%未満または30%超であると、耐食性が劣化する傾
向があり、また10%未満では下層のめっき皮膜に対する
皮膜密着性も低下することがある。
【0044】シリカ質成分が、例えば気相シリカのよう
に、水性系では分散させにくいものである場合には、必
要に応じて、予めアルコール等の水混和性有機溶媒に分
散させてから加えることができる。この場合、皮膜中に
有機溶媒が残存しないように、できるだけ低沸点の溶媒
を使用することが好ましい。
【0045】リン リンは、各種リン酸またはその塩を処理液に添加するこ
とにより、皮膜中に存在させることが好ましい。リン酸
は、オルトリン酸のほか、メタリン酸、ポリリン酸、亜
リン酸(ホスホン酸)、次亜リン酸(ホスフィン酸)な
どでもよい。
【0046】シリカー有機複合皮膜が、このようなリン
酸類から誘導されたリンを含有することにより、皮膜の
バリア効果がより高まり、耐食性が改善される。そのた
めには、皮膜中のP含有量が0.5 〜5at%の範囲となる
ようにリン酸類を添加する。これより少量では上記の効
果が不足し、多すぎると耐黒変性の低下が認められる。
好ましいP含有量は1〜4at%である。なお、皮膜中の
各元素の含有量は、皮膜をXPS(X線光電子分光法、
ESCA)で分析することにより決定できる。
【0047】フッ素 フッ化物が処理液中に存在していると、処理中にめっき
皮膜の表面がエッチングされ、めっき皮膜との密着性が
増し、耐食性が向上する。フッ化物は、皮膜中のF含有
量が0.5 〜5at%となる範囲で添加する。これより少量
では効果がほとんどなく、過添カロでは、耐黒変性および
耐食性が劣化する。好ましいF含有量は1〜4at%であ
る。
【0048】フッ化物としては、フッ酸(またはその
塩)のほか、フツ化チタン酸、フツ化ジルコン酸(また
はその塩)、ケイフッ酸などの醋フッ化物が挙げられ
る。その他の成分 本発明の有機複合被覆鋼板の性能、特に耐食性や耐黒変
性に顕著な劣化を生じさせない限り、他の任意の添加剤
をシリカー有機複合皮膜中に存在させることができる。
このような添加剤の例には、消泡剤、乳化剤、防錆剤等
がある。また、ワックス等の固形潤滑剤を添加して、潤
滑性を付与することもできる。
【0049】シランカップリング剤の一部に代えて、チ
タネートカップリング剤やアルミニウムアルコキシド等
を使用すると、コスト高になり、処理液寿命にも問題を
生ずるものの、耐食性は向上する。
【0050】なお、珪酸塩、リン酸塩、フッ化物塩など
として金属元素が皮膜中に導入される場合があるが、こ
れも耐食性や耐黒変性に対し悪影響を及ぼさない限り許
容される。
【0051】以上の成分を溶媒に溶解または分散させて
処理液を調製する。各成分とも1種もしくは2種以上を
使用できる。得られた処理液を母材の亜鉛系めっき鋼板
のめっき皮膜上に塗布し、直ちに焼付け・乾燥すると、
本発明の有機複合被覆鋼板が得られる。
【0052】処理液中の各成分の配合割合や焼付け温度
等の具体的条件は、当業者であれば以上の説明から容易
に決定できる。塗布方法も特に制限されないが、工業的
にはロール塗布、噴霧、浸漬等が−般的である。
【0053】母材が両面めっき鋼板の場合、この複合皮
膜を両面に形成することが防食効果の点からは好ましい
が、片面だけに形成し、他面はめっき皮膜のままか、別
の防食皮膜を形成することも可能である。
【0054】シリカー有機複合皮膜の付着量は、要求さ
れる性能レベル(主に耐食性)により異なるため一概に
決められないが、0.2 〜1.5 g/m2の範囲内が適当であ
る。薄すぎると、十分な耐食性が得られず、厚すぎる
と、性能が飽和してコスト高につながる上、導電性の低
下により抵抗溶接性が低下する。仮にこの有機複合皮膜
の比重を1とすれば、上記の付着量は膜厚0.2 〜1.5 μ
m に相当し、非常に薄膜であるが、このように本発明に
かかる有機複合皮膜が非常に緻密であるので、このよう
な薄膜でも高いバリア効果を示すことができる。さらに
好ましい付着量は0.3 〜1.0 g/m2である。
【0055】本発明の有機複合被覆鋼板は、上記のよう
に耐食性と耐黒変性に優れている上、シリカー有機複合
皮膜の膜厚が非常に薄いので、溶接性も良好であり、ま
たこのめっき皮膜の鋼板表面に対する密着性が高いので
加工性も良好である。
【0056】この有機複合被覆鋼板は、そのまま無塗装
で使用することができるが、所望により塗装を施しても
よい。その場合、リン酸亜鉛処理などの適当な塗装前処
理を施してもよい。
【0057】本発明の有機複合被覆鋼板は塗料との密着
性にも優れており、高い塗膜密着性を与えることができ
る。以上より、本発明の有機複合被覆鋼板は、自動車、
家電、建材といった各種用途に有用であることは明らか
である。
【0058】
【実施例】表1および表2に本発明の実施例および比較
例を示す。本例では亜鉛めっき鋼板の素材鋼板に、連続
鋳造したスラブに加熱、熱間圧延、酸洗および冷間圧延
を行って得た冷間圧延鋼板を使用した。その鋼板の材質
としては、次の2種を用いた。以下、それぞれ「低炭素
鋼」、「極低炭素鋼」と称する。 [C] =0.02〜0.18%、 [Si]≦0.20%、[Mn]=0.10
〜1.00%、[P]≦0.05%、[S]≦0.05%、不可避元
素と鉄からなる低炭素鋼、および、[C]≦0.02%、
[Si]≦0.20%、[Mn]≦0.10t %、[P]≦0.05%、
[S]≦0.05%、不可避元素と鉄からなる極低炭素鋼。
【0059】前述の素材鋼板を連続溶融亜鉛めっきライ
ンにて、溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度が0.15〜0.32%の
浴に浸漬した後、片面のめっき付着量が30g/m2〜150 g/
m2の範囲でめっきした後のめっき鋼板を400 〜600 ℃の
範囲で再加熱した。
【0060】めっき皮膜中のFeおよびAlの含有量につい
ては、めっき皮膜を塩酸で溶解した溶液をICPで定量
分析して求めた。めっき皮膜中のη相体積率について
は、電解電位法を用いて求めた。
【0061】すなわち、ZnSO4 ・7H2O :100g/l、NaC
l:200g/lからなる電解液中で、電流密度20mA/cm2でサ
ンプルを陽極として定電流電解し、Agを参照電極として
電位を測定した。この時、最表層を起点として電解を進
め、Ag電極に対して−750mV 未満の電位を示す範囲をη
相とした。また、めっき層は最表層を起点として電解を
進め、Ag電極に対して−290mV の電位を示す範囲をめっ
き皮膜を構成するめっき層とした。
【0062】ここで、最表層の電解を開始してから。Ag
電極に対して−750mV の電位を示すまでの時間をA秒、
最表層の電解を開始してから、Ag電極に対して−290mV
の電位を示すまでの時間をT秒とすると、めっき皮膜中
のη相の割合は、η相at%=A×100/Tにより求めるこ
とができる。
【0063】そのめっき皮膜上に施すシリカ−有機樹脂
複合皮膜については、母材であるめっき鋼板を弱アルカ
リ性脱脂液で脱脂した後、その両面に、表1および表2
に示す割合のベース樹脂(アクリル系またはフェノール
系)とシリカ質成分(シリカ、シランカップリング
剤)、およびオルトリン酸とフツ酸を含有する水性処理
液をバーコーターにて塗布し、最高到達温度が100 ℃と
なるように焼付けた。
【0064】有機樹脂複合皮膜中のシリカ質成分の含有
量(SiO2換算量)は、処理液への添加量から、樹脂との
合計量に基づいて算出した。有機複合樹脂皮膜の付着量
は、蛍光X線装置にて皮膜中のSi強度を測定し、この測
定値と上記のシリカ質成分の含有量とから求めた。
【0065】また、同じく皮膜中のフッ素およびリンの
各含有量は、表面のXPS分析結果から求めた。以上の
結果を表1および表2にまとめて示す。
【0066】本例により得られた有機複合被覆鋼板の各
サンプルの耐食性、耐黒変性、導電性を以下の方法で調
査した。比較のために、母材がGI鋼板+Niめっき(G
I鋼板をNi2+水溶液に浸漬して、Niを約1g/m2の付着量
で置換析出させたもの)であるもの(これに上記と同様
にシリカー有機複合被覆を形成したもの)、およびGI
鋼板のクロメート処理品 [GI鋼板を市販の反応型クロ
メート(酢酸クロメート)液にて処理し、Cr換算で10mg
/m2 のクロメート皮膜を形成したもの] についても、同
様に調査を行った。
【0067】これらの試験結果も表1および表2に併せ
て示す。このときの特性評価は次の要領で行った。耐食性 有機複合被覆鋼板のサンプルの端面をポリエステルテー
プで被覆した後、塩水噴霧試験(JIS Z2371 に準拠)を
72時間行い、サンプル表面の白錆発生面積率で評価し
た。
【0068】耐黒変性 有機複合被覆鋼板のサンプル表面を、厚さ約20μm の透
明なポリエステルテープで被覆し、予め表面の明度(JI
S-Z8370 に規定されるL*)を測定した。このサンプル
を、恒温恒温器(60℃、85%RH)に1週間保持したの
ち、再びL*を測定した。このときの△L*[L*(試験後)
−L*(試験前)]で耐黒変性を評価した。こうして求めた
△L*が−8以下になると、目視でも明らかに黒変してい
た。−5までは実用上問題なく、−3までであれば殆ど
変化が分からない。
【0069】図1は本例で得られた加熱処理と耐黒変性
との関係を示すグラフである。導電性 SQメータ(荷重300g) を用いて、表面の電気抵抗値を
測定した。この電気抵抗値が1000Ωを超えると、実用上
スポット溶接が困難である。
【0070】加工性 加工性については、めっき鋼板を密着曲げし、めっき皮
膜にクラックまたは剥離が発生したか否かを観察し、
1:クラックおよび剥離の発生が無し、2:クラックは
発生するが剥離は無し、3:めっき皮膜の剥離が発生の
3段階の指標で評価した。
【0071】表面美麗化の指標としてはめっき皮膜表面
の凹凸をJIS B0610 で規定される基準長さ30mm、カット
オフ0.8mm で測定したWCMの値で評価した。表1および
表2に示すめっき皮膜表面のWCMと塗装後の評価結果か
らWCMが10μm 以下を良好とした。
【0072】本発明で規定している亜鉛めっき浴中のAl
濃度の範囲でめっきをすることにより、めっき皮膜中Al
含有量が0.20〜1.0 %にすることができ、めっき後の再
加熱温度を420 〜600 ℃にすることによって、 めっき皮
膜中のFe含有量を0.5 〜6.0%にでき、 まためっき皮膜
中のη相が95〜50at%でめっき表面のWCMが10μm 以下
であり、めっき皮膜表面の凹凸が少なく加工性に優れた
美麗な鋼板を得ることができた。
【0073】一方、表1および表2の比較例に示すよう
に、めっき後の再加熱温度が420 ℃未満で低すぎると、
めっき皮膜中のFe%が0.5 %未満であり、ζ相の体積率
が5vol%未満になってしまい、表面の凹凸が残る。
【0074】また、再加熱温度が600 ℃を超える高温に
なってしまうと、めっき皮膜中のFe−Zn合金の成長が進
みめっき皮膜中のFe%が6.0%を超えてしまうか、ζ相
の体積率が50vol%を超えてしまい、めっきの密着性が劣
化し加工性が劣る。
【0075】また、亜鉛めっき浴中のAl濃度が0.15%未
満の場合は、めっき後の再加熟の際にめっき皮膜中のFe
%が急激に高まるため、本発明で述べるめっき皮膜中の
所要Fe含有量が得られずめっき皮膜の母材鋼板に対する
密着性が劣る。
【0076】亜鉛めっき浴中のAl濃度が0.30%超では、
めっき皮膜中のFe%が全く上昇せず、本発明で規定する
めっき皮膜中の所要Fe含有量が得られずめっき皮膜表面
の凹凸軽減に効果が認められない。
【0077】これらの表1および図1に示す結果からわ
かるように、本発明にかかるシリカ−有機複合被覆鋼板
は、耐食性に関して反応型クロメート皮膜を形成した場
合と同レベル(塩水噴霧72時間で白錆20%)またはそれ
以上の性能を示す。特に、シリカ質成分の少なくとも一
部を、樹脂と反応性の官能基を有するシランカップリン
グ剤から形成したときに、非常に優れた耐食性(塩水噴
霧72時間で白錆5%以下)を示すことがわかった。
【0078】耐黒変性に関しては、本発明にかかる有機
複合被覆鋼板では、若干の明度低下(|L*|=5前後ま
たはそれ以下)が認められるが、十分実用に耐えうるレ
ベルであった。加熱処理を行うことにより、その効果が
より顕著に現れている。
【0079】一方、有機樹脂複合皮膜中のリン、フッ素
の少なくとも1成分が本発明で規定する範囲外になる
と、耐食性または耐黒変性のいずれかが劣った。この皮
膜の付着量が0.2 mg/m2 未満では耐食性に劣り、1.5 g/
m2超のとき表面の導電性に劣った。また黒変抑制技術で
ある下地Niめっき処理では、黒変性の改善効果はある
が、その上に本発明と同様のシリカー有機樹脂複合皮膜
を形成しても、耐食性の劣化が著しかった。これはNiめ
っき自体が、前述したように局部電池作用により亜鉛系
めっきの耐食性を大きく低下させてしまうからである。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明により、表面が美麗で耐食性と耐
黒変性に優れ、かつ環境への負荷の少ないクロムフリー
有機複合被覆鋼板が提供される。この有機複合被覆鋼板
は、溶接可能であり、塗装性も良好であるので、自動
車、家電製品、建材などをはじめとする各種用途に有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における耐黒変性に及ぼす加熱処理の影
響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/06 C23C 2/06 2/26 2/26 2/28 2/28 2/40 2/40 (72)発明者 辰己 斉正 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 桝本 弘人 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 Fターム(参考) 4D075 AB03 AB51 AE16 BB24Y BB57Y BB87X BB91Y CA13 CA33 CA34 DA03 DA06 DB02 DB05 DB07 DC01 DC10 DC11 DC19 EA06 EA10 EA13 EA19 EB02 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB56 EC03 EC54 4F100 AA04C AA05C AA20C AA36C AB02B AB03A AB10B AB18B AB31B AK01C AK25 BA03 BA07 BA10A BA10C EC032 EH462 EH71B EH712 EJ422 GB07 GB32 GB48 JB02 JL01 JL11 JM02C 4K027 AA02 AA22 AB05 AB15 AB26 AB28 AB35 AB42 AB44 AC82 AE03 AE12 AE25 AE27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板上に溶融亜鉛めっき皮膜および有機
    樹脂複合皮膜が順次被覆された複合被覆鋼板において、
    前記めっき皮膜はAl 0.20 〜1.0 質量%、かつFe 0.5〜
    6.0 質量%含有し、そして前記有機樹脂複合皮膜はフッ
    素 0.5〜5at%、リン 0.5〜5at%含有する、シリカ−
    有機樹脂複合皮膜から成ることを特徴とする、表面が美
    麗な耐食性、耐黒変性に優れた有機複合被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛めっき皮膜にη相が95〜50at%
    存在することをを特徴とする請求頂1記載の有機複合被
    覆鋼板。
  3. 【請求項3】 前記めっき皮膜の表面のWCMが10μm 以
    下であることを特徴とする請求項1または2記載の有機
    複合被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 Alを0.15〜0.30質量%含む溶融亜鉛めっ
    き浴へ素材鋼板を浸漬し、 次いでガスワイピングにてめ
    っき付着量を調節し、得られためっき鋼板を420 〜600
    ℃の範囲の鋼板温度で加熱することにより、めっき皮膜
    中にAlが0.20〜1.0 質量%、かつFeが0.5 〜6.0 質量%
    含有するめっき鋼板とし、そして該めっき鋼板の表面に
    フッ素を0.5 〜5at%、リンを0.5 〜5at%含有する、
    シリカ−有機樹脂複合皮膜を設けることを特徴とする有
    機複合被覆鋼板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100742920B1 (ko) 2005-12-27 2007-07-25 주식회사 포스코 내가공흑화성이 우수한 크롬프리 코팅층을 갖는 강판제조방법, 이에 따라 제조된 강판 및 이에 사용되는 코팅조성물
JP2010530028A (ja) * 2007-05-31 2010-09-02 ポスコ めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

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