JP2002203799A - 液相成長方法および液相成長装置 - Google Patents

液相成長方法および液相成長装置

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JP2002203799A
JP2002203799A JP2000402289A JP2000402289A JP2002203799A JP 2002203799 A JP2002203799 A JP 2002203799A JP 2000402289 A JP2000402289 A JP 2000402289A JP 2000402289 A JP2000402289 A JP 2000402289A JP 2002203799 A JP2002203799 A JP 2002203799A
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正晃 岩根
Masaki Mizutani
匡希 水谷
Toshihito Yoshino
豪人 吉野
Tatsumi Shoji
辰美 庄司
Tetsuo Saito
哲郎 齊藤
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Noritaka Ukiyo
典孝 浮世
Katsumi Nakagawa
克己 中川
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    • C30B19/08Heating of the reaction chamber or the substrate

Abstract

(57)【要約】 【課題】液相成長によりウエハ上に形成される堆積膜の
膜厚をウエハ全体に亙って均一化する。 【解決手段】ウエハ支持ピンで保持したウエハを成長材
料含有溶液の中に浸漬してウエハ上に堆積膜を成長させ
る。その場合に通気孔を使用してルツボを満たしている
溶液の中心部にも雰囲気ガスを送り込み、溶液の中心部
も積極的に冷やす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液相成長方法およ
び液相成長装置に関し、詳しくは、治具によってウエハ
サイズの基板を保持し、成長材料を含む溶液に浸け込む
浸漬型の液相成長方法と液相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電による石油の燃焼や、自動車の
エンジンによるガソリンの燃焼などにより、二酸化炭
素、窒素酸化物などの地球温暖化ガスの排出が、地球環
境を悪化させる原因になっている。また、将来、原油の
枯渇の心配もあり、クリーンなエネルギー源として、太
陽電池発電に関心が高まっている。
【0003】薄膜結晶シリコン(Si)太陽電池は発電
層が薄く、使用するSi原料が少ないので、この薄膜結
晶Si太陽電池の低コスト化が見こまれる。また、結晶
Siを発電層とするので、アモルファスSiなどの太陽
電池に比べて、高変換効率、低劣化が期待できる。さら
に、薄膜結晶Si太陽電池は、ある程度折り曲げること
ができるので、自動車のボディや家電製品や屋根瓦など
の曲面部に貼って使用できる。
【0004】この薄膜結晶Si太陽電池を実現するため
に、特開平8−213645号公報は、多孔質Si層上
のエピタキシャル層を利用して、薄膜単結晶Siを分離
することを開示している。図16は、特開平8−213
645号公報で、薄膜Siの太陽電池を形成する方法を
表す断面図である。図中、101はSiウエハ、102
は多孔質Si層、103はp+ 型Si層、104はp-
型Si層、105はn + 型Si層、106は保護膜、1
09、111は接着材、110、112は治具である。
図16の太陽電池の製造工程では、Siウエハ101の
表面に陽極化成により多孔質Si層102を形成する。
その後、多孔質Si層102上にp+ 型Si層103を
エピタキシャル成長させ、さらにその上にp- 型Si層
104とn+ 型Si層105を成長させる。そして、保
護膜106を形成する。そして、保護膜106とSiウ
エハ101に、それぞれ接着材111、109を付けて
治具112、110に接合させる。その後、治具11
0、112に引っ張り力Pを働かせて、多孔質Si層1
02でSiウエハ101とエピタキシャル成長した各S
i層(103、104、105)を分離する。そして、
エピタキシャル成長した各Si層(103、104,1
05)に太陽電池を形成し、一方、Siウエハ101を
再び同様の工程に投入してコストダウンを図る。
【0005】また、特開平5−283722号公報は、
多孔質Si層上に液相成長法でエピタキシャルSi層を
成長させることを開示している。溶媒としてSn溶融液
を用い、成長前に予めSn溶融液中にSiを溶解させて
飽和させておく。つぎに、徐冷を開始し、ある程度の過
飽和状態となったところでウエハの多孔質表面をSn溶
融液に漬け、多孔質表面上にエピタキシャルSi層を成
長させている。
【0006】また、特開平5−17284号公報は、化
合物半導体の浸漬型の液相成長装置と保持治具を開示し
ている。図17は、この液相成長装置の断面図である。
図中、81はウエハホルダー、82はウエハ、83はル
ツボ、84は溶液、85は石英反応管、86はガス導入
管、87はガス排出管、88はヒータ、89はダミーウ
エハである。この浸漬型の液相成長装置では、ウエハ8
2とダミーウエハ89を保持したウエハホルダー81を
(A方向へ)下降させることによって、ウエハ82を、
成長材料を溶かし込んだ溶液84に浸漬させる。溶液8
4はルツボ83のなかに入っており、ルツボ83は、ガ
ス導入管86、ガス排出管87を使って雰囲気ガス(還
元性ガスや、不活性ガス)の雰囲気に保つ石英反応管8
5のなかに置く。ヒータ88は系の温度制御用であり、
ヒータ88の温度を下げることによって溶液84の温度
を下げ、溶液84から成長材料をウエハ82上に析出さ
せて液相成長させる。浸漬型の液相成長装置は、スライ
ドボート方式や溶液注入型の液相成長装置に比べて、同
じサイズのウエハに液相成長させる分には、成長装置の
大きさを小さくすることができる。またホルダーに多数
のウエハを並べることができるので量産化にも便利であ
る。
【0007】また、特開昭57−76821号公報も浸
漬型の液相成長方法について開示している。図18
(a)は、特開昭57−76821号公報で開示された
ウエハ保持体の斜視図であり、123は腕、124は傘
状板、125はウエハ、126は通し穴、122は筒状
体を表す。このウエハ保持体は傘状板124上に6枚の
基板を載せることができる。図18(b)は、このウエ
ハ保持板の平面図である。図18(c)は、図18
(a)や(b)で表したウエハ保持体を浸漬するルツボ
128を表し、ルツボ128の中には溶液129が入っ
ている。ルツボ128の周りにはヒータ130があり、
ルツボ128の下部には中央にせり上がって突出する補
助ヒータ131がある。つまり、補助ヒータ131の周
りでは、ルツボ128は内部に向かって窪んでおり、そ
の内部に補助ヒータ131がある。この補助ヒータ13
1のために、溶液129の中央部が、その周辺部より温
度が低くなることがなく、溶液129全体が均一な育成
温度になる。このため、均一な液相成長が可能であるこ
とを開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図17を使って説明し
た特開平5−17284号公報で開示された浸漬型の液
相成長装置の場合、ウエハサイズが大きくなり、大きな
面積で液相成長させようとすると、堆積膜がウエハの周
辺部で厚く、中央部で薄くなる。図19は、その堆積膜
の成長を表す断面図である。図中、82はウエハ、90
はウエハ82上に堆積したエピタキシャル成長膜であ
る。図のように、ウエハサイズが大きくなると、堆積膜
90は、ウエハの中央部では薄く、周辺部で厚くなる。
この現象は、ウエハサイズが5インチ以上になると特に
顕著になる。この原因は、溶液84の外側は雰囲気ガス
の近くなので、溶液の外側の降温が系の冷却についてい
くが、溶液84の中央部は雰囲気ガスから遠いので、外
側の降温に比べて遅れて冷却されるためであると推測さ
れる。つまり、ウエハの中央部では、周辺部に比べて、
成長開始から温度変化が少ない。このため、ウエハの中
央部では堆積膜90の析出量が、周辺部に比べて小さい
と考えられる。
【0009】特開昭57−76821号公報に開示の液
相成長方法も同様で、ルツボに溜めた溶液を積極的に冷
やす機構がないため、ルツボ中央部の温度が周辺部に比
べて下がりにくい。このため、ルツボ中央部の溶質の析
出量が少なく、ウエハのルツボ中央部近くはやはり堆積
膜の膜厚が薄くなってしまう。
【0010】このように、ウエハの堆積膜にばらつきが
あると、例えば、太陽電池を製造し堆積膜の表面に電極
を付けたりするときに、コンタクト不良が起こる可能性
が大きい。また、十分に光吸収させるために、堆積膜の
膜厚を薄い部分に合わせなければならないため、膜厚の
厚い部分はオーバースペックになり堆積膜の材料が無駄
になる。そのうえ、堆積膜が厚い場合、その膜の周辺部
は、その厚すぎる膜厚のために電極に到達しない光キャ
リアも多くなり、光変換効率が悪くなる。このため、太
陽電池をウエハ上に製造する場合、堆積膜はできるだけ
均一である方がよい。太陽電池以外の半導体装置でも、
堆積膜の膜厚がばらついているとウエハの中央部と周辺
部で、設計を変えなければならず、これが工程増などに
つながり、製造コストが高くなってしまう。
【0011】そこで、本発明の課題は、ウエハなどの基
板上の液相成長による堆積膜の膜厚を基板全体に亙って
均一化することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、鋭意努力した結果、以下の発明が得られた。
【0013】すなわち、本発明は、溶媒に成長材料を溶
かし込んで溶液を調製し、基板をルッボに溜めた前記溶
液に浸し、前記溶液からの液相成長によって前記基板上
に堆積膜を成長させる方法において、冷却手段により前
記溶液の中央部を冷やすこととしている。
【0014】ここで、前記冷却手段は、前記ルツボの中
央部にある通気孔であるのがよい。この通気孔は、基板
を保持する治具に備わっていてもよいし、ルツボ自体に
備わっていてもよい。成長材料としてはSiが望ましい
が、Ge、GaAsなどの化合物半導体であってもよ
い。また、成長材料を溶かすための溶媒としてはInま
たはSnなどの溶融液が挙げられる。
【0015】本発明の別の態様は、ルツボ内に溜めた溶
媒に成長材料を溶かし込んで溶液を調製し、前記溶液に
基板を浸し、前記溶液からの液相成長によって前記基板
上に堆積膜を成長させる装置において、前記装置内にて
前記溶媒に前記成長材料を溶解させることができるよう
にその外部から内部へ導入され、次いでその内部から外
部へ排出される溶かし込みウエハカセット、前記装置内
にて前記堆積膜を成長させることができるようにその外
部から内部へ導入され、次いでその内部から外部へ排出
されるウエハカセット、前記装置の外部から前記装置の
内部へ気体を導入するためのガス導入管、前記装置の内
部から前記装置の外部へ気体を排出するためのガス排出
管及び前記溶液の中央部を冷やす冷却手段を具備するこ
ととする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照し詳細に説明する。4つの実施形態を説明する
が、それぞれの実施形態に限らず、それぞれの組み合わ
せも本発明の範囲に含まれる。
【0017】(実施形態1)実施形態1は、Siウエハ
を支えるウエハカセットの中心の主軸が中空構造になっ
ていて、溶液の中心部分の冷却効果を上げる実施形態で
ある。図1は、実施形態1のウエハカセットの、側面か
らの断面図(a)と上面からの平面図(b)である。図
1(a)は図1(b)のA−A’線での断面図であり、
図1(b)は図1(a)のB−B’線での断面図であ
る。図中、1はルツボ、2は主軸、3は通気孔、4はル
ツボ1に蓄えられた溶液、5はウエハ支持ピン、6はS
iウエハ、7は自転軸、8は支持ピン固定円盤、11は
自転軸支持円盤である。ルツボ1、主軸2、ウエハ支持
ピン5、自転軸7、支持ピン固定円盤8、自転軸支持円
盤11は1000℃程度の温度に耐えられるように石英
製であるのが好ましい。
【0018】図2は、ヒータ10と駆動系22と図1の
ウエハカセット15を含めた液相成長装置の側面からの
断面図である。ルツボ1とウエハカセット15は、石英
反応管14の中に入る。ヒータ10は、石英反応管14
の外側にあり、上中下で3つの部分に別れていて、中央
部の加熱部として、ルツボ1を設置する場所と、ルツボ
1上部のルツボ1の高さ分程度は確保している。これ
は、ウエハカセット15をルツボ1に浸漬する前に、1
040℃程度の温度で水素アニールを行って、Siウエ
ハ6の表面を清純化するためである。
【0019】駆動系22について説明する。図中、13
は公転軸用モータ、12は自転軸用モータ、16は自転
軸支柱、17は主軸支柱、18は上部自転軸支持円盤、
19、20は接続部、21はウエハカセット支持系、2
3は公転軸用モータ13と自転軸用モータ12に電力を
供給する導線である。自転軸支柱16、主軸支柱17、
上部自転軸支持円盤18、全体支柱はステンレス製であ
る。主軸支柱17と石英製の主軸2は、接続部20でボ
ルトとナットなどを使って接続させる。自転軸7と自転
軸支柱16も接続部19で同様に接続させる。86は、
石英反応管14内に水素、窒素などの雰囲気ガスを導入
するガス導入管である。
【0020】ウエハカセット支持系21は、外枠と通じ
ていて、駆動系22やウエハカセット15などを支持し
ている。公転軸用モータ13は、主軸支柱17を介して
ウエハカセット15の公転軸となる主軸2を回転させ
る。主軸支柱17の中には導線が通っていて、その導線
から自転軸用モータ12に電力が供給される。公転軸用
モータ13の中にはリング電極があり、主軸支柱17が
公転しても、導線23と主軸支柱の中の導線との導通が
とれるようになっている。
【0021】以下、実施形態1の気相成長装置を使っ
て、剥離型の太陽電池を製造する例を説明する。図3と
図4は、この構造の太陽電池の作製工程を示す断面図で
あり、図6は完成した太陽電池の斜視図である。
【0022】まず、図3(a)のように単結晶のSiウ
エハ6を用意する。つぎに、図3(b)のようSiウエ
ハ6の表面に陽極化成によって厚さ(1〜30μm)の
多孔質Si層27を形成する。Siウエハ6の厚みは6
00μm程度であり、多孔質Si層27は1〜30μm
程度とするので、Siウエハ6の極表層部分だけが多孔
質Si層27となる。Siウエハ6の大部分は、非多孔
質Si層28として残る。
【0023】図5(a)と(b)は、Siウエハ6をフ
ッ酸系のエッチング液で処理(陽極化成)をする装置の
断面図である。図中、6はSiウエハ、41はフッ酸系
のエッチング液、42、43は金属電極、44はOリン
グを表す。処理するSiウエハ6はp型の方が望ましい
が、低抵抗であればn型でもよい。また、n型のウエハ
であっても光を照射し、ホールが生成した状態であれば
多孔質化することができる。図5(a)のように下側の
金属電極42を正に、上側の金属電極43を負にして両
電極間に電圧をかけ、この電圧が引き起こす電界がSi
ウエハ6の面に垂直な方向にかかるように設置すると、
Siウエハ6の上側の表面が多孔質化される。図5
(b)のように左側の金属電極42を正に、右側の金属
電極43を負にし、両電極間にSiウエハ6を置いて電
圧をかけると、Siウエハ6の右側の表面つまり負電極
側が多孔質化される。フッ酸系のエッチング液41とし
ては、濃フッ酸(例えば49%HF)を用いる。金属電
極42、43は、PtやAuなどを使用する。陽極化成
中は、Siウエハ6から気泡が発生するので、この気泡
を効率よく取り除くために、界面活性剤としてアルコー
ルを加える場合がある。アルコールとしてメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが望
ましい。また、界面活性剤の代わりに攪拌器を用いて、
攪拌しながら陽極化成を行ってもよい。多孔質化する表
面の厚さは0.1〜30μmがよく、より望ましくは1
〜10μmである。
【0024】また、陽極化成の工程では、後に分離工程
での作業をやりやすくするため、陽極化成時に金属電極
42から金属電極43に流す電流を変化させる。例え
ば、Siウエハ6の極表層を多孔質化する陽極化成の前
半は小電流を、非多孔質Si層28と多孔質Si層27
の界面付近を多孔質化する陽極化成の後半は大電流を流
す。この場合、多孔質Si層27中の表層は、後のエピ
タキシャル成長を行いやすい孔の小さい構造になり、多
孔質Si層27の非多孔質Si層28側は、分離を行い
やすい孔の大きい構造になる。この結果、後のエピタキ
シャル成長の工程と分離の工程の実施が容易になる。も
ちろん、工程簡略化のため、一定電流で陽極化成をして
もよい。
【0025】つぎに、図3(c)のように多孔質Si層
27上に液相成長によってエピタキシャル層(単結晶)
であるp- 型Si層25を成長させる。その際の膜厚は
20〜50μmとする。実施形態1の場合、このエピタ
キシャル層が本発明の堆積膜である。この工程は、図1
と図2を使って説明した本発明の液相成長装置と方法に
よって行う。
【0026】まず、薄いフッ酸などで洗浄した溶かし込
み用Siウエハをウエハカセット15に取り付ける。ウ
エハ支持ピン5には、Siウエハを挿し込む溝が切って
あり、その中にSiウエハを挿し込むことによってSi
ウエハを支持する。ウエハ支持ピン5の溝は、溶液4か
らSiウエハ6を引き上げたとき、Siウエハ上に溶液
4が残らないように、Siウエハを斜めに取り付けるよ
うに形成されている。
【0027】つぎに、図2のようにウエハカセット15
を、接続部19、20を使って、駆動部22に取り付け
る。このとき、あらかじめ、主軸2の接続部20は常時
接合状態にあり、接続部19のみを外して、ウエハカセ
ット15の抜き差しを行った方がよい。このようにし
て、ウエハカセット15を液相成長装置に組み込み、ウ
エハカセット15を、図2のように溶媒の真上に置い
て、ヒータ10に通電し、10分間程度1040℃でア
ニールを行い、Siウエハ6の表面を清純化する。この
アニールは水素雰囲気中で行う。このとき、公転モータ
13や自転モータ12を使って、Siウエハを回転させ
るのが望ましい。
【0028】その後、ヒータ10への通電状態を調節す
ることにより、ルツボ1の中の溶媒を960℃程度の温
度に調節し、上下機構を使って、ウエハカセット15と
駆動系22を下降させ、溶媒にSiウエハを浸け込み、
約1時間放置する。すると、SiウエハのSiが溶媒に
溶ける。つぎに、ウエハカセット15を溶液4から引上
げ、ウエハカセット15を液相成長装置の外に出すこと
によって、溶媒へのSiの溶かし込みを終える。このよ
うにしてSiを含む溶液が調製される。
【0029】つぎに、表面に多孔質Si層27があり、
やはり薄いフッ酸などで洗浄したSiウエハ6を別のウ
エハカセット15に取り付ける。そして、溶かし込みウ
エハと同様に水素雰囲気中でアニールを行ったあと、ヒ
ータ10への通電状態を調節することにより950℃に
温度調節する。この段階でSiの溶け込んだ溶液4が過
飽和状態になる。そして、上下機構を使って、ウエハカ
セット15と駆動系22を下降させ、溶液4にSiウエ
ハ6を浸け込む。その後、ヒータ10への通電状態を調
節することにより、溶液4を900℃程度まで徐々に温
度調節し、溶液4からSiウエハ6上にSiの堆積膜を
形成させる。つぎに、ウエハカセット15を溶液4から
引上げ、ウエハカセット15を液相成長装置の外に出す
ことによって、液相成長を終了させる。
【0030】実施形態1の液相成長では、通常は自転軸
用モータ12と公転軸用モータ13で、Siウエハに自
転と公転を与えるのが望ましいが、通気孔3を通じて、
溶液4の内部まで石英反応管14中の雰囲気中の温度に
追従する。このため、特に、Siウエハに自転や公転を
与えなくても、液相成長によるエピタキシャル層の膜厚
の均一性を保つことができる。従って、特に、成長中、
自転と公転のいずれか一方があってもよいし、全く自転
と公転がなくてもよい。
【0031】液相成長法で、p- 型Si層25の液相成
長を終えた後、図3(d)のように不純物拡散によっ
て、p- 型Si層25の表面をn+ 型Si層24とす
る。つぎに図3(e)のようにn+ 型Si層24上に印
刷などの方法で表面電極31を形成する。表面電極31
は、斜視図である図6で示すように櫛の歯のような構造
を有する。つぎに、表面電極31で覆われていないn+
型Si層24上にTiO(酸化チタン)やMgF(フッ
化マグネシウム)やSiN(窒化シリコン)などからな
る反射防止膜をスパッタなどの方法で形成し、その上に
図4(a)のようにガラス基板33を接着材で貼り付け
る。
【0032】その後、ガラス基板33と非多孔質Si層
28の間に引っ張り力を働かせ、多孔質Si層27の部
分で非多孔質Si層28と太陽電池となる部分を分離す
る。分離した非多孔質Si層28は、表面に残った多孔
質Siの残さをアルカリのエッチャントなどで除去し再
びSiウエハ6として、図3(a)からの工程に使用す
る。図4(b)で分離した太陽電池となる部分について
は、やはり、多孔質Si層27の残さをアルカリのエッ
チャントなどで除去し、図4(c)のような残さのない
構造にする。その後、図4(d)のようにp- 型Si層
25の裏面にステンレスやA1鋼板などからなる裏面電
極32を導電性接着材などで貼り合わせ、図6の太陽電
池向けユニットセルの完成となる。裏面電極32のp-
型Si層25への貼り付けは熱溶着によって行ってもよ
い。
【0033】実施形態1の液相成長装置を使って浸漬型
の液相成長を行えば、溶液の中央部もヒータの温度調節
に追従して冷却することができるので、膜厚むらの少な
い堆積膜を成長させることができる。さらに、ウエハカ
セットに多くのSiウエハを付けることができるので、
大量生産に適している。また、実施形態1は、Siウエ
ハに多孔質Si層を形成して、単結晶Si層をエピタキ
シャル成長させる例を挙げて説明したが、Siウエハの
代りにGe、GaAsウエハを使用してもよいし、Si
ウエハを陽極化成して得た多孔質Si層上に、Ge、G
aAsなどを成長させてもよい。また、太陽電池を製造
する例を示したが、エピタキシャルウエハやSOI(Si
licon on Insulator)基板の製造に適用させてもよい。
【0034】(実施形態2)実施形態2は、ルツボの中
央部が中空構造になっていて、溶液の中心部分の冷却効
果を上げる実施形態である。実施形態2では、4つのウ
エハカセットを一つのルツボに浸漬する。図7は、実施
形態2のウエハカセットとルツボの側面からの断面図
(a)と上面からの断面図(b)である。部品の符号
は、前述の図と同じものを表す。図8は、ウエハカセッ
トをルツボ1から引き上げた状態での断面図である。8
6はガス導入管であり、87はガス排出管である。この
液相成長装置では、自転軸用モータ12で自転をするの
みであって、実施形態1のように公転機構は備わってい
ないが、その分、単純な構造になっている。図7や図8
で示すように、実施形態2のルツボ1は、中央部に雰囲
気ガス9が流れる通気孔3があるので、溶液4の中央部
も周辺部と同様に冷やすことができる。雰囲気ガス9の
流れを確保するためにガス導入管やガス排出管の形状を
適宜変更する。
【0035】(実施形態3)実施形態3は、実施形態2
と同様に溶液のルツボの中央部が中空構造になってい
て、溶液の中心部分の冷却効果を上げる実施形態であ
る。しかし、ウエハカセットが一つであって、Siウエ
ハの中央部に穴が開口している。図9は、実施形態3の
ウエハカセットとルツボの側面からの断面図(a)と上
面からの断面図(b)である。部品の符号は、前述の図
と同じものを表す。断面図(a)は断面図(b)のA−
A’線で切った断面図であり、断面図(b)は断面図
(a)のB−B’線で切った断面図である。実施形態3
のSiウエハ6は六角形であり、中央部に六角形の穴が
開口している。Siウエハ6を溶液4の入ったルツボ1
に浸漬するとき、ルツボ1に備わった通気孔3がSiウ
エハ中央部の穴を通る。六角形のSiウエハは(11
1)面が表面であるSiウエハを使い、そのへき開性を
利用して六角形に成形するのが望ましい。
【0036】実施形態3の液相成長では、Siウエハ中
央部の溶液付近に雰囲気ガスを当てることができるの
で、Siウエハ中央部も周辺部も溶液4の温度が均一に
下がり、ウエハ全体に亙って厚さが均一である膜を液相
成長させることができる。また、支持ピン固定円盤8に
つながった3本のウエハ支持ピン5でSiウエハ6を支
え、回転させることにより、より均一な液相成長を行う
ことができる。実施形態3の液相成長を実施形態1で説
明した太陽電池の製造工程に使用し、1枚のSiウエハ
から100枚程度薄膜単結晶の太陽電池ユニットセルが
得られる。
【0037】実施形態3で成長させ、剥離した薄膜単結
晶を図10(a)の点線のところで切断し、太陽電池ユ
ニットセル37とする。完成した太陽電池ユニットセル
37は、図10(b)のように並べてユニットセルの充
填率の高い太陽電池モジュール38とする。実施形態3
では、図10(c)のように、外周が四角形であって、
四角形の穴を開口させたSiウエハを使用し、同様の方
法で液相成長と太陽電池のセル化を行い、ユニットセル
39を作製してもよい。この場合、ユニットセル39を
図10(d)のように並べて充填率の高い太陽電池モジ
ュール40とする。図10(b)や(d)のモジュール
は、幾何学的模様のような形になり、例えば太陽電池を
住宅の屋根に取り付ける場合、デザインの多様性を高め
る効果もある。
【0038】(実施形態4)実施形態4は、ウエハカセ
ットに通気孔が備わっている形態である。図11と図1
2は、それぞれ実施形態4のウエハカセットの側面から
と斜め上面からの断面図である。図12の断面図は、図
11のA−A’線で切った斜め上面からの断面図であ
る。図中、41は支柱、44はウエハ覆い、45はウエ
ハ裏打ち台座、50は支柱指示円盤であり、すべて10
00℃程度の温度に耐えるよう石英製である。実施形態
4のウエハカセットは、Siウエハ6を保持するウエハ
裏打ち台座45を有し、そのウエハ裏打ち台座45の裏
表でSiウエハ6を保持し、それぞれのウエハ裏打ち台
座45を支える支柱41とウエハ裏打ち台座45自身が
一体構造の石英で構成されている。支柱指示円盤50
は、支柱41と一体構造の石英製であり、支柱41を支
えている。6はSiウエハで、図12の49の位置にオ
リエンテーションフラット(以下オリフラと略す。)を
有する。ウエハ裏打ち台座45のザグリ(凹部)の中に
Siウエハを埋め込み、ウエハ覆い44を使って保持す
る。
【0039】ウエハ裏打ち台座45は、Siウエハ6よ
りもその直径が0.1〜0.5mm程度大きく、Siウ
エハ6のオリフラ部分49の形に合わせたザグリ(凹
部)が設けてあり、Siウエハ6をそのザグリの中に埋
め込む。このため、ウエハ裏打ち台座45は、Siウエ
ハ6を保持する保持板となる。ウエハ覆い44の直径
は、Siウエハ6をSiウエハ6の周辺部だけで押さえ
られるように図12のようにSiウエハ6の大きさより
1〜5mm小さく、オリフラ部分49の形に対応した開
口部47がある。また、図11のように、支柱41のウ
エハ裏打ち台座45の接続部に溝48が形成されてお
り、ウエハ覆い44をその溝48に合わせることでウエ
ハ覆い44を固定する。ウエハ覆い44を装着したり取
り外したりするときは、ウエハ覆い44を溝48のなか
で回転させ、図12で示した切り欠き部46を支柱41
に合わせる。このようなSiウエハ6を固定する構造
は、他のSiウエハ6を押さえる部分にも共通してい
る。
【0040】このウエハカセットの支柱41とウエハ裏
打ち台座45の内部に、通気孔3を設けてある。この通
気孔3により、雰囲気ガスが溶液の中央部まで回り、溶
液の中央部を積極的に冷やすことになる。このため、ウ
エハ中央部も端部も、液相成長時、同じ降温速度で冷や
されることになり、膜厚の均一な成長ができる。通気孔
3の上部は、支柱指示円盤50の上部まで達しており、
ここが雰囲気ガスの出入り口になる。実施形態4では、
この出入り口付近にガス導入管を置いて、積極的に雰囲
気ガスが通気孔3のなかに入るようにしてもよい。
【0041】実施形態4では、2槽型の液相成長装置を
使用する。図13は、2槽型の液相成長装置を上部から
見た平面図である。図中、51はローディングチャンバ
ー(L/C)であり、52は水素アニール室、54はp
- 型Si層25の成長チャンバー、55はn+ 型Si層
24の成長チャンバー、56はアンローディングチャン
バー(UL/C)、63はウエハカセット68の搬送系
が入るコアである。58、59は、それぞれp- 型Si
層、n+ 型Si層の成長チャンバーへSi原料を供給す
る搬送室、61、62は、それぞれp- 型Si層、n+
型Si層の成長チャンバーにSi原料を供給するための
Si原料保管室である。
【0042】液相成長をさせるとき、通気孔3を持ちS
iウエハ6を乗せたウエハカセット68をローディング
チャンバー(L/C)51に入れる。次に、コア63に
ある搬送系を使って、ローディングチャンバー(L/
C)51に入ったウエハカセット68を水素アニール室
52に移動させ、水素アニールを行う。その後、ウエハ
カセット68をp- 型Si層25の成長チャンバー5
4、n+ 型Si層24の成長チャンバー55の順に移し
ていき、順にp- 型Si層、n+ 型Si層をSiウエハ
6上に形成する。
【0043】図13の切断面A−A’で切った断面図を
図14で表す。図中、64は溶液、65はヒータ、66
はルツボ、68は本実施形態のウエハカセット、69は
垂直方向の搬送系、70は水平方向の搬送系、86は溶
かし込みウエハカセット、87は溶かし込みウエハ、3
8は接続部である。先に説明した符号の部品は、前述し
た部品と同じであるので説明を省略する。
【0044】ローディングチャンバー51は、普段はゲ
ートバルブ67によりコア63と外気とから隔離されて
いる。ローディングチャンバー51の右側のゲートバル
ブ67を解除し、ウエハカセット68をローディングチ
ャンバー51へ導入することができる。また、ローディ
ングチャンバー51の左側のゲートバルブを解除するこ
とにより、コア63にある水平方向の搬送系70を使
い、ウエハカセット68をp- 型Si層の成長チャンバ
ー54に移動させることができる。
【0045】Si原料供給室61は、左側のゲートバル
ブ67を開けることにより、溶かし込みウエハカセット
86を出し入れすることができるようになっている。ま
た、右側のゲートバルブを解除することにより、搬送室
58にある水平方向の搬送系70を使い、溶かし込みウ
エハカセット86をp- 型Si層の成長チャンバー54
に移動させることができる。p- 型Si層の成長チャン
バー54は、ウエハカセット68と溶かし込みウエハカ
セット86を上下させる垂直方向の搬送系69を持って
いる。垂直方向の搬送系69は、ルツボ66に溜めた溶
媒(メルトともいう。)中に、ウエハカセット68と溶
かし込み基板カセット86を浸すことができる。接続部
38は、石英製のウエハカセット68とステンレス製の
垂直方向搬送系69を接続する。この接続方式としては
鍵掛け式のものが望ましい。ヒータ65は、メルトに高
温をかけることにより、メルトを液体の状態に保つ。n
+型Si層の成長チャンバー55、搬送室59、Si原
料供給室62もその断面は、図14と同じ構造である。
ウエハカセット68では、Siウエハ6の裏面と側面に
溶液64が触れず、Siウエハ6の裏面と側面上では薄
膜を成長させずに、表面のみに薄膜を成長させる。溶か
し込みウエハカセット86は、1枚のウエハからできる
だけ多量のSiを溶媒中に溶かせるように表面も裏面も
側面も溶媒に触れる構造を有する。薄膜を成長させる場
合、垂直方向搬送系69を使ってウエハカセット68に
回転を与えるのが望ましい。
【0046】図15は、図13と図14の液相成長装置
を動かすシーケンスを表すタイムチャートである。A
は、1バッチ目のウエハカセットの動きを表す。1バッ
チ目のウエハカセットは、最初の20分間でローディン
グチャンバー51にロードされ、次いで水素アニール室
52に搬送される。水素アニール室52では、ウエハカ
セット68の昇温に30分かけ、水素アニールを10分
間行う。水素アニールは、水素雰囲気中で約1040℃
にて行う。また、水素アニールの直後に微量のSiH4
(シラン)ガスを流し、多孔質Si層27の表面性を良
くしておいてもよい。そして、ウエハカセット68をコ
ア63の水平方向の搬送系70を使いながらp- 型Si
層の成長チャンバー54に移動させて、ウエハカセット
68が成長温度になるまで10分間保持する。このと
き、溶液64aが冷やされて溶液64a中のp- 型Si
が過飽和状態になる。ウエハカセット68をp- 型Si
の成長チャンバー54に移動させる前に、Si原料供給
室61から搬送室58を通して、p- 型Siウエハなど
保持した溶かし込みウエハカセット86を高温の溶媒に
浸し、溶媒内にp- 型Siを溶かし込んでおく。溶媒の
材料としては、In、Snなどがある。このようにして
- 型Siを含む溶液が調製される。
【0047】次に、垂直方向の搬送系を使って、ウエハ
カセット68を溶液64aに浸し、溶液64aの温度を
徐徐に下げると、多孔質Si層27の表面上にp- 型S
i層25がエピタキシャル成長する。この成長時間は約
30分である。その後、ウエハカセット68を溶液64
aから引き上げp- 型Siの成長チャンバー54に移動
させ10分間保持する。
【0048】同様に予めn+ 型Siウエハを保持した溶
かし込みウエハカセットを溶媒に浸し、n+ 型Siを溶
媒に20分間溶かし込んでおく。このようにしてn+
Siを含む溶液が調製される。そして、ウエハカセット
68を溶液64bに浸し、溶液64bの温度を徐徐に下
げると、p- 型Si層の表面上にn+ 型Si層がエピタ
キシャル成長する。この成長時間は約10分間である。
【0049】その後、ウエハカセット68を溶液64b
から引き上げ、アンローディングチャンバー56に移動
させ、55分間冷却し室温に戻した後、最後の5分間で
ウエハカセット68を液相成長装置から取り出す。
【0050】Bは、2バッチ目のウエハカセットの動き
を表す。2バッチ目のウエハカセットも図15のタイム
チャートどおりに移動させるが、1バッチ目のウエハカ
セットと同様の動きなので、説明を省略する。実施形態
4の液相成長装置によれば、60分ごとに新しいウエハ
カセットの液相成長ができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒に成長材料を溶か
し込んで溶液を調製し、基板をルツボに溜めた前記溶液
に浸し、前記溶液からの液相成長によって前記基板上に
堆積膜を成長させる方法において、冷却手段により前記
溶液の中央部を冷やす場合、溶媒の中央部と端部の間の
温度差がなくなるので、中央部でも端部でも、均一な膜
厚の成長を行うことができる。また、本発明によれば、
前記方法に使用される装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のウエハカセットの、側面からの断
面図(a)と上面からの断面図(b)である。
【図2】実施形態1の液相成長装置の側面からの断面図
である。
【図3】太陽電池の製造工程を表す断面図である。
【図4】太陽電池の製造工程を表す断面図である。
【図5】陽極化成装置の断面図である。
【図6】太陽電池ユニットセルの斜視図である。
【図7】実施形態2のウエハカセットとルツボの側面か
らの断面図(a)と上面からの断面図(b)である。
【図8】実施形態2の液相成長装置の側面からの断面図
である。
【図9】実施形態3のウエハカセットとルツボの側面か
らの断面図(a)と上面からの断面図(b)である。
【図10】実施形態3のウエハの平面図と太陽電池ユニ
ットセルを並べた平面図である。
【図11】実施形態4のウエハカセットの側面からの断
面図である。
【図12】実施形態4のウエハカセットの斜め上面から
の断面図である。
【図13】実施形態4の液相成長装置の平面図である。
【図14】実施形態4の液相成長装置の断面図である。
【図15】実施形態4の液相成長のシーケンスを表すタ
イムチャートである。
【図16】従来の太陽電池の製造工程を表す断面図であ
る。
【図17】従来の液相成長装置の断面図である。
【図18】従来の液相成長装置を表す模式図である。
【図19】従来の液相成長した層の断面図である。
【符号の説明】
1 ルツボ 2 主軸 3 通気孔 4 溶液 5 ウエハ支持ピン 6 Siウエハ 7 自転用軸 8 支持ピン固定円盤 9 雰囲気ガス 10 ヒーター 14 石英反応管 15 ウエハカセット 19、20 接続部 21 ウエハカセット支持系 22 駆動系 24 n+ 型Si層 25 p- 型Si層 27 多孔質Si層 28 非多孔質Si層 31 表面電極 32 裏面電極 33 ガラス基板 51 ローディングチャンバー 52 水素アニール室 54 p- 型Si層の成長チャンバー 55 n+ 型Si層の成長チャンバー 56 アンローディングチャンバー 58 搬送室 59 搬送室 61 Si原料保管室 62 Si原料保管室 63 コア 64、64a、64b 溶液 66 ルツボ 86 ガス導入管 87 ガス排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 豪人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 庄司 辰美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 西田 彰志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浮世 典孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中川 克己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BA04 BA05 BE46 CG02 CG06 EG02 EG14 EG18 QA04 QA12 QA34 QA38 QA54 5F053 AA03 AA22 BB53 BB54 BB55 DD01 DD03 FF02 GG01 HH04 RR01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルツボ内に溜めた溶媒に成長材料を溶かし
    込んで溶液を調製し、前記溶液に基板を浸し、前記溶液
    からの液相成長によって前記基板上に堆積膜を成長させ
    る方法において、 冷却手段により前記溶液の中央部を冷やすことを特徴と
    する液相成長方法。
  2. 【請求項2】前記冷却手段は前記基板を保持する治具に
    形成された通気孔である請求項1に記載の液相成長方
    法。
  3. 【請求項3】前記冷却手段は前記ルツボに形成された通
    気孔である請求項1に記載の液相成長方法。
  4. 【請求項4】前記ルツボとしてp- 型Si層を形成する
    液相成長槽を、続いてn+ 型Si層を形成する液相成長
    槽を用いる請求項1に記載の液相成長方法。
  5. 【請求項5】前記成長材料はSi、GeまたはGaAs
    である請求項1に記載の液相成長方法。
  6. 【請求項6】前記溶媒はInまたはSnの溶融液である
    請求項1に記載の液相成長方法。
  7. 【請求項7】ルツボ内に溜めた溶媒に成長材料を溶かし
    込んで溶液を調製し、前記溶液に基板を浸し、前記溶液
    からの液相成長によって前記基板上に堆積膜を成長させ
    る装置において、 前記装置内にて前記溶媒に前記成長材料を溶解させるこ
    とができるようにその外部から内部へ導入され、次いで
    その内部から外部へ排出される溶かし込みウエハカセッ
    ト、 前記装置内にて前記堆積膜を成長させることができるよ
    うにその外部から内部へ導入され、次いでその内部から
    外部へ排出されるウエハカセット、 前記装置の外部から前記装置の内部へ気体を導入するた
    めのガス導入管、 前記装置の内部から前記装置の外部へ気体を排出するた
    めのガス排出管及び前記溶液の中央部を冷やす冷却手段
    を具備することを特徴とする液相成長装置。
  8. 【請求項8】前記冷却手段は前記基板を保持する治具に
    形成された通気孔である請求項7に記載の液相成長装
    置。
  9. 【請求項9】前記冷却手段は前記ルツボに形成された通
    気孔である請求項7に記載の液相成長装置。
  10. 【請求項10】前記ルツボとしてp- 型Si層を形成す
    る液相成長槽とn+型Si層を形成する液相成長槽を具
    備する請求項7に記載の液相成長装置。
  11. 【請求項11】前記ウエハカセットは自転可能である請
    求項7に記載の液相成長装置。
  12. 【請求項12】前記ウエハカセットは公転可能である請
    求項7に記載の液相成長装置。
  13. 【請求項13】前記気体は雰囲気ガスとしての水素また
    は窒素ガスである請求項7に記載の液相成長装置。
  14. 【請求項14】前記成長材料はSi、GeまたはGaA
    sである請求項7に記載の液相成長装置。
  15. 【請求項15】前記溶媒はInまたはSnの溶融液であ
    る請求項7に記載の液相成長装置。
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