JP2000223725A - 光電変換装置および半導体層の分離方法 - Google Patents

光電変換装置および半導体層の分離方法

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JP2000223725A
JP2000223725A JP11022598A JP2259899A JP2000223725A JP 2000223725 A JP2000223725 A JP 2000223725A JP 11022598 A JP11022598 A JP 11022598A JP 2259899 A JP2259899 A JP 2259899A JP 2000223725 A JP2000223725 A JP 2000223725A
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wafer
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Masaaki Iwane
正晃 岩根
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Katsumi Nakagawa
克己 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離層で確実に分離をおこない製造コストを
下げる。 【解決手段】 Siウェハを陽極化成して非多孔質Si
層28上に多孔質Si層29形成し、多孔質Si層29
上に、エピタキシャルSi層24,25を形成して、エ
ピタキシャルSi層25と、支持基板52に密着したA
l51を熱溶着して合金化しAl51とエピタキシャル
Si層25を強固に密着させる。つぎに、非多孔質Si
層の裏面を真空チャック26で固定しながら、支持基板
52を引っ張り、多孔質Si層29で分離する。分離し
た非多孔質Si層28は、再び製造工程に投入する。そ
して、多孔質Si層29の残さを取り除き、グリッド電
極を形成し、反射防止膜20を形成し、太陽電池とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換装置および
半導体層の分離方法に係わり、特に光電変換装置の光電
変換層などを金属基板上に形成する場合等に利用される
半導体層の分離方法、及び太陽電池などの光電変換装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電による石油の燃焼や、自動車の
エンジンによるガソリンの燃焼などにより、二酸化炭
素、窒素酸化物などの地球温暖化ガスの排出が、地球環
境を悪化させる原因になっている。また、将来の原油の
枯渇の心配もあり、クリーンなエネルギー源として、太
陽電池発電に関心が高まっている。
【0003】薄膜結晶シリコン(Si)太陽電池は発電
層が薄く、使用するSi原料が少ないので低コスト化が
できる。また、結晶Siを発電層とするので、アモルフ
ァスSiなどの太陽電池に比べて、高変換効率、低劣化
が期待できる。さらに、薄膜結晶Si太陽電池は、ある
程度曲げることができるので、自動車のボディや家電製
品や屋根瓦などの曲面部に貼って使用できる。
【0004】この薄膜結晶Si太陽電池を実現するため
に、特開平8−213645号公報は、多孔質Si層上
のエピタキシャル層を利用して、薄膜単結晶Siを分離
することを開示している。図14は、特開平8−213
645号公報で、薄膜結晶Siの太陽電池を形成する方
法を表す断面図である。
【0005】図中、101はSiウェハ、102は多孔
質Si層、103はp+ 型Si層、104はp- 型Si
層、105はn+ 型Si層、106は保護膜、109,
111は接着剤、110,112は治具である。図14
の太陽電池の製造方法では、Siウェハ101の表面に
陽極化成により多孔質Si層102を形成する。その
後、多孔質Si層102上にp+ 型Si層103をエピ
タキシャル成長させ、さらにその上にp- 型Si層10
4とn+ 型Si層105を成長させる。そして、保護層
106を形成する。そして、保護層106とSiウェハ
101に、接着剤109,111を付けて治具110,
112に接着させる。その後、治具110,112に引
っ張り力を働かせて、多孔質Si層102でSiウェハ
101とエピタキシャルSi層103,104,105
を分離する。そして、エピタキシャルSi層103,1
04,105に太陽電池を形成し、Siウェハ101を
再び同様の工程に投入してコストダウンを図る。
【0006】また、特開平5−283722号公報は、
多孔質Si層上に液相成長法でエピタキシャルSi層を
成長させることを開示している。メルトとしてSnを用
い、成長前に予めSn中にSiを溶解させて飽和させて
おく。つぎに、徐冷を開始し、ある程度の過飽和状態と
なったところでウェハの多孔質表面をSn溶液に漬け、
多孔質表面上にエピタキシャルSi層を成長させてい
る。また、米国特許第4,393,576号は、シリコ
ン太陽電池にAlなどの金属のフィルムを吸着させ、焼
成し合金化することにより、電極を形成することを開示
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平8−2
13645号公報のように、治具110,112に引っ
張り力を働かせて、多孔質Si層102でSiウェハ1
01とエピタキシャルSi層103,104,105を
分離する場合、多孔質Si層102で分離ができないこ
とがある。これは、エピタキシャル成長など、高温のプ
ロセスを通すため、多孔質Si層102が脆弱すぎると
プロセスの途中で剥がれてしまい、その一方、多孔質S
i層を強固にすると、多孔質Si層102でSiウェハ
と101とエピタキシャルSi層103,104,10
5を分離する工程で、うまく剥がれず接着剤109,1
11などのところで剥がれてしまう場合があるからであ
る。このため、多孔質Si層で分離しようすると、多孔
質Si層102の強度に厳しい条件があり、この条件に
合った多孔質Si層102を形成するために、ウェハの
抵抗率や陽極化成電流を精密に制御しなければならず、
製造のコストアップにつながる。
【0008】多孔質Si層102の強度の条件を弛める
ためには、接着剤の強度を高めることが有効であるが強
度の高い接着剤は、接着剤コストが高い上、乾燥に時間
がかかることが多く、太陽電池自体の製造コストをあげ
てしまう。また、治具110,112でSiウェハ10
1やエピタキシャルSi層103,104,105を引
っ張っているので、太陽電池を完成させるために、治具
110,112をSiウェハ101やエピタキシャルS
i層103,104,105から剥がさなければなら
ず、この工程自体が高コストな上、歩留まりが悪くさら
に太陽電池を高コストにする原因になる。
【0009】そこで、本発明の目的は、多孔質Si層な
どの分離層で確実に分離がおこなえる半導体層の分離方
法と、分離治具がそのまま完成品として使え、低い製造
コストで済む光電変換装置の製造方法を提供することで
ある。また、本発明の他の目的は、分離層で確実に分離
がおこなえる光電変換装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明者らが鋭意努力した結果、以下の発明を得
た。
【0011】すなわち、本発明の半導体層の分離方法の
第1は、第1の半導体層上に分離層を介して第2の半導
体層が設けられ、前記第2の半導体層を前記第1の半導
体層から前記分離層により分離する方法において、前記
第2の半導体層上に金属を接触させ、前記金属と前記第
2の半導体層の界面で金属と半導体の合金あるいは化合
物を形成した後、前記第2の半導体層を前記第1の半導
体層から前記分離層により分離することを特徴とする。
【0012】また、本発明の半導体層の分離方法の第2
は、第1の半導体層上に分離層を介して第2の半導体層
が設けられ、前記第2の半導体層を前記第1の半導体層
から前記分離層により分離する方法において、前記第2
の半導体層上に金属を接触させ、前記金属の融点以下の
温度で、前記金属と前記第2の半導体層を接着した後、
前記第2の半導体層を前記第1の半導体層から前記分離
層により分離することを特徴とする。
【0013】これら本発明による半導体層の分離方法に
おいて、前記第1の半導体層はSiウェハ中の非多孔質
Si層であり、前記分離層は多孔質Si層であり、前記
第2の半導体層は前記多孔質Si層上にエピタキシャル
成長させた単結晶Si層であるのが望ましい。また、前
記エピタキシャル成長し分離したSi層下に一方の電極
を形成し、前記金属を他方の電極として、太陽電池を形
成するのが望ましい。ただし、半導体層は、光センサー
などの一般の半導体装置に使用できる。
【0014】また、本発明の半導体層の分離方法の第3
は、非多孔質半導体層上に多孔質半導体層が設けられ、
前記多孔質半導体層上に金属を接触させ、前記金属と前
記多孔質半導体層の界面で金属と半導体の合金あるいは
化合物を形成した後、前記多孔質半導体層の少なくとも
一部を前記非多孔質半導体層から分離することを特徴と
する。
【0015】また、本発明の半導体層の分離方法の第4
は、非多孔質半導体層上に多孔質半導体層が設けられ、
前記多孔質半導体層上に金属を接触させ、前記金属の融
点以下の温度で、前記金属と前記多孔質半導体層を接着
した後、前記多孔質半導体層の少なくとも一部を前記非
多孔質半導体層から分離することを特徴とする。
【0016】また、本発明は、光電変換装置の発明も包
含する。すなわち、本発明の光電変換装置の第1は、一
方の電極となる金属基板上に多孔質単結晶半導体層があ
り、前記多孔質単結晶半導体層上に前記多孔質単結晶半
導体層とは反対導電型の非単結晶半導体層があり、前記
非単結晶半導体層上に他方の電極があることを特徴とす
る。ここで、前記多孔質単結晶半導体層と前記一方の電
極の間に、非多孔質単結晶半導体層があってもよい。
【0017】また、本発明の光電変換装置の第2は、一
方の電極となる金属基板上にp型の非多孔質単結晶半導
体層があり、前記非多孔質単結晶半導体層上にn型の多
孔質単結晶半導体層があり、前記多孔質単結晶半導体層
の側に他方の電極があることを特徴とする。
【0018】なお、本発明における第2の半導体層は、
単層であっても複数層であってもよい。また、分離層に
より分離するとは、分離層中で分離する場合、分離層と
第1の半導体層との界面で分離する場合、分離層と第2
の半導体層との界面で分離する場合がある。例えば、後
述する実施形態1では分離層となる多孔質層は図1
(c)の工程以後で除去されるので、分離層中で分離し
ても、分離層と第1の半導体層との界面で分離しても、
分離層と第2の半導体層との界面で分離してもよい(た
だし、分離層と第2の半導体層との界面で分離すれば第
2の半導体層側に分離層が残らないので除去工程は不要
となる。)。後述する実施形態2では分離層となる多孔
質層を太陽電池の一部として用いるので、分離層中で分
離するか、分離層と第1の半導体層との界面で分離する
ことになる。
【0019】分離層の形成方法としては、例えば、陽極
化成を用いて多孔質層を形成する方法、水素イオン、希
ガスイオン、窒素イオン等の異種元素を半導体ウエハに
注入して微少空隙を含む層或いはその後の熱処理により
微少空隙を生じうる潜在的微少空隙を含む層を半導体ウ
エハの表面より所定の深さの位置に形成する方法(例え
ば特開平9−331077号公報)等がある。
【0020】また分離層において、分離を行う方法は大
別すると2種類ある。なお、以下に述べる多層構造体は
例えば図1(b)に示すような金属と半導体層の貼り合
わせ後の基体をいう。一つは、分離層を含む多層構造体
を外部から加熱したり、多層構造体に光を照射して光吸
収させたりすることにより、多層構造体内部に分離の為
のエネルギーを発生させる方法である。具体的には、水
素イオン、希ガスイオン、窒素イオン等を第1のウエハ
の所定の深さの位置に打ち込んで形成された微少空隙を
含む層或いは潜在的微少空隙を含む層は、熱エネルギー
を受けることにより、その微少空隙が増大しつつ、密度
が減少する。これにより、分離層において多層構造体の
剥離現象が生じる。これが、多層構造体内部に分離のた
めのエネルギーを発生させる方法である。或いは、加熱
処理により分離層及び/又はその近傍を側面側から酸化
して酸化膜成長による応力を利用して分離する方法等で
あってもよい。
【0021】もう一つは、分離の為のエネルギーを外部
から直接、分離層を含む多層構造体に与える方法であ
る。具体的には、多層構造体の側面に楔を挿入して剥離
する方法、多層構造体の側面に液体及び/又は気体から
なる流体を吹き付けて剥離する方法、多層構造体の表面
及び裏面に互いに反対向きの張力を加えて剥離する方
法、多層構造体の表面及び裏面に互いに反対向きの押圧
力を加えて分離層を破壊して剥離する方法、多層構造体
の側面にせん断力を加えて分離層を破壊して剥離する方
法、内周刃やワイヤーソーを用いてスライスする方法、
超音波振動を与えて分離層を破壊する方法などである。
【0022】勿論、上述した分離方法を組み合わせて併
用してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照し詳細に説明する。実施形態を6つ説明するが、
それぞれの実施形態に限らず、それぞれの組み合わせも
本発明の範囲である。
【0024】(実施形態1)実施形態1は、太陽電池を
製造する形態である。図1〜図7を用いて実施形態1を
説明する。図3は、本実施形態1で製造する太陽電池の
斜視図である。図中、21はバスバー、22はフィンガ
ー、23は反射防止層、24はn+ Si層、25はp-
Si層、52は支持基板である。バスバー21とフィン
ガー22は負極側の電極となる表面電極を構成し、支持
基板52のSi層側に正極側の電極となる裏面電極のA
lがある。n+ Si層24とp- Si層25は、Si単
結晶の液相成長で形成する。
【0025】図1、図2は、実施形態1の単結晶太陽電
池の製造工程を表す断面図である。まず、図2(a)の
ようにSiウェハ3を用意し、Siウェハ3の表面を多
孔質化し、Siウェハ3中に非多孔質Si層28上に多
孔質Si層29がある構造を形成する。Siウェハ3の
厚みは600(μm)程度であり、多孔質Si層29は
1〜10(μm)程度とするので、Siウェハ3の極表
層部分だけが多孔質Si層29となっている。多孔質S
i層29は、陽極化成することによって形成できる。図
4(a)と図4(b)は、Siウェハ3をフッ酸系のエ
ッチング液で陽極化成をする装置の断面図である。図4
(a),(b)中、3はSiウェハ、31はフッ酸系の
エッチング液、32,33は金属電極、34はOリング
を表す。陽極化成するSiウェハ3はp型の方が望まし
いが、低抵抗ならn型でもいい。また、n型のウェハで
も光を照射し、ホールを生成した状態にすれば多孔質化
することができる。図4(a)のように下側の金属電極
32を正に、上側の金属電極33を負にして両電極間に
電圧をかけ、この電圧が引き起こす電界がSiウェハ3
の面に垂直な方向にかかるように設置すると、Siウェ
ハ3の上側の表面が多孔質化される。図4(b)のよう
に左側の金属電極32を正に、右側の金属電極33を負
にし、両電極間にSiウェハ3を置いて電圧をかけると
Siウェハ3の右側の表面つまり負電極側が多孔質化さ
れる。フッ酸系のエッチング液31は、濃フッ酸(例え
ば49%HF)を用いる。金属電極32,33は、Pt
やAuなどを使用する。陽極化成中は、Siウェハ3か
ら気泡が発生するので、この気泡を効率よく取り除く目
的から、界面活性剤としてアルコールを加える場合があ
る。アルコールとしてメタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノールなどが望ましい。また、界面
活性剤の代わりに攪拌器をもちいて、攪拌しながら陽極
化成をしてもいい。多孔質化する表面の厚さは、0.1
〜30(μm)がよい。より望ましくは、1〜10(μ
m)である。
【0026】また、陽極化成の工程では、後に分離工程
での分離をやりやすくするため、陽極化成時に金属電極
32から金属電極33に流す電流を変化させる。例え
ば、Siウェハ3の極表層を多孔質化する陽極化成の最
初は小電流を、非多孔質Si層28と多孔質Si層29
の界面付近を多孔質化する陽極化成の最後は大電流を流
す。すると、多孔質Si層29中の表層は、後のエピタ
キシャル成長をおこないやすい孔の小さい構造になり、
多孔質Si層29の非多孔質Si層側は、分離をおこし
やすい孔の大きい構造になる。この結果、後のエピタキ
シャル成長の工程と分離の工程がおこないやすくなる。
もちろん、工程の簡略化のため、一定電流で陽極化成を
してもよい。
【0027】以上のような工程で、図2(b)のように
多孔質Si層29をSiウェハ3上に形成した後、図2
(c)のように、単結晶のn+ Si層24を液相成長で
0.1〜2(μm)エピタキシャル成長させる。多孔質
Si層29は、穴の開いた構造であるが、その単結晶性
は維持できている。このため、多孔質Si層29上のエ
ピタキシャル成長が可能なのである。その後、図2
(d)のように、単結晶のp- Si層25をやはり液相
成長で30〜50(μm)形成する。ここで、エピタキ
シャル成長は液相成長などに限らず、CVD(Chemical
Vapor Deposition)などの気相成長を用いてもよい。
【0028】つぎに、図2(e)のように、Alなどの
導電膜51のついた支持基板52を用意する。そして、
図1(a)のように導電膜51とp- Si層25を貼り
合わせ、融点以下の温度で熱処理することにより、導電
膜51とp- Si層25を合金化または化合物化し、導
電膜とp- Si層の間で強固な接合を作る。このとき、
支持基板52の上に重石等を置くことによって、圧力を
かけてもいい。導電膜51にAlを用いた場合、Alは
Siがp型になるための不純物なので、接合面近傍のS
iとAlが融合して、p- 型Si層25のAl側の接合
面がp+ になり、接合面がオーミックになる。このとき
の熱処理の温度は、550℃〜640℃が望ましい。こ
こで、導電膜51のついた支持基板52としてAlめっ
き鋼板を用いてもよい。支持基板52自体がSUS基板
(ステンレス基板)のような導電性であれば、導電膜5
1は必ずしも必要がない。また、支持基板52自体が導
電性のものとして、Mo,W,Feなどが使用できる。
【0029】つぎに、図1(b)のように非多孔質Si
層28の裏側を真空チャック26で固定し、支持基板5
2に引っ張り力をかける。ここで真空チャック26の代
わりに接着材を使った治具を使用してもよい。すると、
多孔質Si層29で、図1(c)のような基板を得る。
その後、エッチングや研磨の方法で、多孔質層29を除
去し、図1(d)のようにn+ 型Si層24を露出させ
る。そして、図1(e)のように、180°回転させ
て、グリッド電極21を印刷、スパッタなどの方法で形
成する。最後に、図1(f)のように表面に反射防止膜
23をつけて、太陽電池ユニットセルの完成となる。
【0030】図1(b)の分離工程で分離した非多孔質
Si層28は、表面の多孔質Si層29を除去した後、
再び図2(a)の工程から、Siウェハ3として繰り返
し使用する。多孔質Si層29を除去した後の非多孔質
Si層28は、極表層部分が除去され少しだけ薄くなっ
ているだけなので、何度も使用できる。このため、Si
ウェハ3は、太陽電池のユニットセルを作製するのに何
度も使われる。望ましくは、一つのSiウェハ3を10
0回以上使用して、一つのSiウェハ3から100個以
上太陽電池のユニットセルを作製する。
【0031】図5は、2槽型の液相成長装置を上部から
見た図である。図中、1はローディングチャンバー(L
/C)であり、2は水素アニール室、4はp- Si層2
5の成長チャンバー、5はn+ Si層24の成長チャン
バー、6はアンローディングチャンバー(UL/C)、
13は基板カセットの搬送系が入るコア(Core)で
ある。8、9は、それぞれp- Si層、n+ Si層の成
長チャンバーへSi原料を供給する搬送室、11、12
は、それぞれp- Si層、n+ Si層の成長チャンバー
用のSi原料の保管室である。
【0032】液相成長をさせるとき、まず、表面に多孔
質Si層29があるSiウェハ3を入れたウェハカセッ
トをローディングチャンバー(L/C)1に入れる。そ
して、コア13にある搬送系を使って、ローディングチ
ャンバー(L/C)1に入った基板カセットを水素アニ
ール室2に移動させ、水素アニールをおこなう。その
後、ウェハカセット18をn+ Si層24の成長チャン
バー5、p- Si層25の成長チャンバー4の順に移し
ていき、図2(c)や図2(d)のように、n+Si層
24、p- Si層25を多孔質Si層29の表面に形成
する。
【0033】図5の切断面AA’で切った断面図を図6
で表す。図中、14はメルト、15はヒーター、16は
ルツボ、18は基板カセット、19は垂直方向の搬送
系、20は水平方向の搬送系、36は溶かし込み基板カ
セット、37は溶かし込み基板である。先に説明した符
号の部品は、前述した部品を同じなので説明を省略す
る。ローディングチャンバー1は、普段はゲートバルブ
17によりコア13及び外気と隔離された状態である。
ローディングチャンバー1は、ローディングチャンバー
1の右側のゲートバルブ17を解除しウェハカセット1
8を導入することができる。また、ローディングチャン
バー1の左側のゲートバルブを解除することにより、コ
ア13にある水平方向の搬送系20を使い、ウエハカセ
ット18をn + Si層の成長チャンバー5に移動させる
ことができる。
【0034】Si原料供給室12は、左側のゲートバル
ブ17を開けることにより、溶かし込み基板カセット3
6を出し入れすることができるようになっている。ま
た、右側のゲートバルブを解除することにより、搬送室
9にある水平方向の搬送系20を使い、溶かし込み基板
カセット36をn+ Si層の成長チャンバー5に移動さ
せることができる。n+ Si層の成長チャンバー5は、
ウェハカセット18と溶かし込み基板カセット36を上
下させる垂直方向の搬送系19を持っている。垂直方向
の搬送系19は、ルツボ16に溜めたメルト14中に、
ウェハカセット18と溶かし込み基板カセット36を浸
すことができる。ヒーター15は、メルト14に高温を
かけることにより、メルト14を液体の状態に保つ。p
- Si層の成長チャンバー4、搬送室8、Si原料供給
室11もその断面は、図6と同じ構造をしている。
【0035】図7は、図5と図6の液相成長装置を動か
すシーケンスを表すタイムチャートである。Aは、1バ
ッチ目のウェハカセットの動きを表す。1バッチ目のウ
ェハカセットは、最初の20分でローディングチャンバ
ー1にロードされ、水素アニール室2に搬送される。水
素アニール室2は、ウェハカセット18の昇温に30分
かけ、水素アニールを10分おこなう。水素アニール
は、水素雰囲気中で、約1040℃でおこなう。また、
水素アニールの直後に微量のSiH4 (シラン)ガスを
流し、多孔質Si層29の表面性をよくしておいてもい
い。そして、ウェハカセット18をコア13の水平方向
の搬送系20を使いながらn+ Si層の成長チャンバー
5に移動させて、ウェハカセット18が成長温度になる
まで、10分保持する。このとき、メルト14が冷やさ
れてn+ Siが過飽和状態になる。ウェハカセット18
をn+ Si層の成長チャンバー5に移動させる前に、S
i原料供給室12から搬送室9を通して、n+ Siウェ
ハなどを保持した溶かし込み基板カセット37を高温に
したメルト14に浸し、メルト14内にn+ Siを溶か
しこんでおく。メルト14の材料としては、In,Sn
などがある。
【0036】そして、垂直方向の搬送系19を使って、
ウェハカセット18をメルト14に浸し、メルト14の
温度を徐々に下げると、多孔質Si層29の表面上にn
+ Si層がエピタキシャル成長する。この成長時間は、
約10分である。
【0037】その後、ウェハカセット18をメルト14
から引き上げp- Si層の成長チャンバー4に移動さ
せ、同様に10分保持し、メルト14にp- Siの過飽
和をつける。このとき、同様に予めp- Si基板を保持
した溶かし込み基板カセットを、メルト14に浸し、p
- Siをメルト14に20分溶かし込んでおく。そし
て、ウェハカセット18をメルト14に浸し、メルト1
4の温度を徐々に下げると、n+ Si層24の表面上に
- Si層25がエピタキシャル成長する。この成長時
間は、約30分である。
【0038】その後、ウェハカセット18をメルト14
から引き上げ、アンローディングチャンバー6に移動さ
せ、55分冷却し室温に戻した後、最後の5分でウェハ
カセット18を液相成長装置から取り出す。Bは、2バ
ッチ目のウェハカセットの動きを表す。2バッチ目のウ
ェハカセットも図7のタイムチャートどおりに移動さ
せ、1バッチ目のウェハカセットと同様の動きなので、
説明を省略する。実施形態1の液相成長装置によれば、
60分ごとに新しいウェハカセットの液相成長ができ
る。
【0039】実施形態1では、第1の半導体層はSiウ
ェハ中の非多孔質Si層であり、分離層は多孔質Si
層、第2の半導体層はエピタキシャル成長させた単結晶
Si層(n+ Si層、p- Si層)である。実施形態1
は、Siウェハに多孔質Si層を形成して、単結晶Si
層をエピタキシャル成長させる例を挙げて説明したが、
Siウェハの代わりにGe,GaAsウェハを使用して
もいいし、Siウェハを陽極化成して得た多孔質Si層
上に、GaAsなどを成長させてもよい。
【0040】実施形態1によれば、半導体層がすべて薄
膜単結晶半導体からなる太陽電池が、簡単な工程のため
低コストで形成できる。また、太陽電池の半導体層をS
i基板から分離するとき、支持基板と太陽電池の半導体
層を強固に接合して引き剥がすので、太陽電池の製造歩
留まりがよくなる。また、導電膜がAlなら、熱溶着を
したときに、半導体層中にp+ 層を形成する工程と、半
導体層に裏面電極を形成する工程を同時におこなうこと
ができ、製造工程を減らすことができる。また、裏面電
極を有する支持基板を太陽電池の半導体層側の引き剥が
し治具として使用するので、完成までに一旦接合した支
持基板を除去することが要らず、これも低コストで太陽
電池を製造できる利点となる。
【0041】(実施形態2)実施形態2も太陽電池の製
造を説明するが、多孔質Si層も太陽電池の半導体層と
して使用する製造方法と太陽電池そのものを説明する。
図8、図9は実施形態2の製造工程を表す断面図であ
る。まず図8(a)のようにn+ 型のSiウェハ3を用
意する。つぎに、Siウェハ3を陽極化成して図8
(b)のように非多孔質Si層の表面に多孔質Si層2
9がある構造にする。多孔質Si層29は、n+ 型のS
iウェハ3を陽極化成しているため、n型のままであ
る。陽極化成の方法は、図4を使って説明した実施形態
1と同様である。多孔質Si層29の膜厚は0.1〜1
0(μm)が望ましい。そして、図5〜図7を使って説
明した実施形態1と同様に液相成長で、図8(c)のよ
うにp- Si層25をエピタキシャル成長させる。p-
Si層25の膜厚は20〜50(μm)が望ましい。
【0042】つぎに、図8(d)のようにAlなどの導
電膜51を持った支持基板52を用意し、図8(e)の
ように導電膜51とp- Si層25を密着させ、熱処理
により強固に接合させる。このとき、導電膜51にAl
を使えば、Alとp- Si層25の界面が合金化または
化合物化して、強固な接合とp+ Si層ができる。そし
て、図9(a)のように、非多孔質Si層28の裏面を
真空チャック26で固定しながら、支持基板52を引っ
張ることで多孔質Si層29を非多孔質Si層28から
分離し、図9(b)のような構造にすることができる。
実施形態2の陽極化成時、実施形態1で説明した方法と
同様に陽極化成の最後で大電流を流している。このた
め、多孔質Si層29は、非多孔質Si層28との界面
側で脆弱な構造をしており、分離のとき、多孔質Si層
29と非多孔質Si層28の界面で分離することができ
る。よって図9(b)のように、単結晶のp- Si層2
5下に多孔質Si層29がある構造で分離することがで
きる。
【0043】つぎに、図9(c)のようにグリッド電極
21を多孔質Si層29の上に形成し、図9(d)のよ
うにグリッド電極21と多孔質Si層23の上に反射防
止膜23を形成して太陽電池の完成となる。実施形態2
では、第1の半導体層はSiウェハ中の非多孔質Si
層、分離層が非多孔質Si層と多孔質Si層の界面、第
2の半導体層が多孔質Si層とエピタキシャル成長させ
た単結晶Si層となる。実施形態2の太陽電池では、多
孔質Si層29がn+ 型でその下部にp- Si層25が
あるので、これらの間でpn接合ができる。また、多孔
質Si層29は、p- Si層25のような非多孔質Si
層よりバンドギャップが広い。このため、ヘテロ接合で
光入射側のバンドギャップが広くなり、半導体層内に内
部電界が生じ、より光電変換効率を高めることができ
る。実施形態2の、n層が多孔質半導体で、p層が非多
孔質半導体である光電変換装置によれば、簡単な製造工
程で高光電変換効率の装置を提供できる。
【0044】(実施形態3)実施形態3も太陽電池とそ
の製造方法の形態であるが、多孔質半導体とともにアモ
ルファス半導体またはマイクロクリスタル半導体などの
非単結晶半導体を使った形態である。つまり、一方の電
極となる金属基板上に多孔質単結晶半導体層があり、前
記多孔質単結晶半導体層上に多孔質半導体層と反対導電
型の非単結晶半導体層があり、前記非単結晶半導体層の
側に他方の電極がある光電変換装置の形態である。図1
0〜図11は、実施形態3を説明する断面図である。ま
ず、図10(a)のようにp+ 型のSiウェハ3を用意
する。つぎに、Siウェハ3を陽極化成して図10
(b)のように非多孔質Si層の表面に多孔質Si層2
9がある構造にする。多孔質Si層29は、p+ 型のS
iウェハ3を陽極化成しているため、p型のままであ
る。陽極化成の方法は、図4を使って説明した実施形態
1と同様である。多孔質Si層29の膜厚は5〜50
(μm)が望ましい。そして、図10(c)のようにA
lなどの導電膜51を持った支持基板52を用意し、図
10(d)のように導電膜51と多孔質Si層29を密
着させ、熱処理により強固に接合させる。このとき、導
電膜51にAlを使えば、Alと多孔質Si層29の界
面が合金化または化合物化して、強固な接合と多孔質S
i層29ができる。
【0045】つぎに、図11(a)のように、非多孔質
Si層28の裏側を真空チャック26で固定しながら、
支持基板52を引っ張ることで多孔質Si層29と非多
孔質Si層28の界面から非多孔質Si層28を分離す
る。多孔質Si層29は、実施形態1で説明したように
陽極化成時の最後で大電流を流して形成している。この
ため、Siウェハ3中の非多孔質Si層28と多孔質S
i層29との界面側で脆弱な構造をしており、Siウェ
ハ3を、多孔質Si層29と非多孔質Si層28の界面
で分離することができる。そして、図11(b)のよう
に、p型の多孔質Si層29上にn型のアモルファスS
i層30を形成する。n型のアモルファスSi層30
は、シランガス(SiH4 )とフォスフィン(PH3
を使ったプラズマCVDなどによって形成する。アモル
ファスSi層30は、マイクロクリスタルSi層であっ
てもよい。アモルファスSi層やマイクロクリスタルS
i層でのn層の形成は、支持基板52と多孔質Si層2
9の熱溶着より低温でおこなえるので、支持基板52と
単結晶の多孔質Si層29を結合した後でも、形成でき
る。このため、製造コストが低く済む。実施形態3で
は、第1の半導体層はSiウェハ中の非多孔質Si層、
分離層は非多孔質Si層と多孔質Si層の界面、第2の
半導体層は多孔質Si層となる。
【0046】つぎに、図11(c)のようにITOなど
の透明導電膜27をアモルファスSi層30上に形成
し、図11(d)のようにグリッド電極21を透明導電
膜27の上に形成し、図11(e)のようにグリッド電
極21と透明導電膜27の上にパッシベーション層40
を形成して太陽電池の完成となる。実施形態3の太陽電
池では、多孔質Si層29がp型の単結晶で、その上部
に単結晶の多孔質Si層29よりもバンドギャップの広
いアモルファスSi層30があり、これらの間でpn接
合ができる。このため、ヘテロ接合で光入射側のバンド
ギャップが広くなり、半導体層内に内部電界が生じ、よ
り光電変換効率を高めることができる。アモルファスS
i層30はマイクロクリスタルSi層に置き換えること
もできるが、マイクロクリスタルSi層も、単結晶の多
孔質Si層29に比べてバンドギャップが広いので同じ
く光電変換効率を高めることができる。実施形態3の、
多孔質単結晶半導体上に非単結晶半導体がある光電変換
装置によれば、簡単な製造工程で高光電変換効率の装置
を提供できる。
【0047】(実施形態4)実施形態4は、実施形態3
と同様に非単結晶半導体を使った上に、非多孔質単結晶
半導体も使用する。つまり、一方の電極となる金属基板
上に多孔質単結晶半導体層があり、前記多孔質単結晶半
導体層上に多孔質半導体層と反対導電型の非単結晶半導
体層があり、前記非単結晶半導体層の側に他方の電極が
あり、前記多孔質単結晶半導体層と前記一方の電極の間
に、非多孔質単結晶半導体層がある形態である。図1
2、図13は、実施形態4を説明する断面図である。ま
ず、図12(a)のようにp+ 型のSiウェハ3を用意
する。つぎに、Siウェハ3を陽極化成して図12
(b)のように非多孔質Si層28の表面に多孔質Si
層29がある構造にする。多孔質Si層29は、p+
のSiウェハ3を陽極化成しているため、p型のままで
ある。陽極化成の方法は、図4を使って説明した実施形
態1と同様である。多孔質Si層29の膜厚は5〜50
(μm)が望ましい。そして、図12(c)のように単
結晶のp+ Si層41をエピタキシャル成長させる。単
結晶のp+ Si層41を形成する方法は、CVDまたは
液相成長などエピタキシャル成長させることのできる方
法ならなんでもよい。p+ Si層41は、Siウェハ3
よりp型になるための不純物濃度が大きい方が望まし
い。つぎに、図12(d)のように導電膜51を持った
支持基板52を用意し、図12(e)のように導電膜5
1とp+ Si層41を密着させ、熱処理により強固に接
合させる。実施形態4では、すでにp+ Si層41があ
るので、導電膜はAlのようなp+ 層を作る導電膜でな
くとも、MoやWやAgなどでもよい。
【0048】つぎに、図13(a)のように、非多孔質
Si層28の裏面を真空チャック26で固定しながら、
支持基板52を引っ張ることで多孔質Si層29と非多
孔質Si層28の界面でのSiウェハを分離する。多孔
質Si層29は、実施形態1で説明したように陽極化成
時の最後で大電流を流して形成している。このため、S
iウェハ3中の非多孔質Si層28と多孔質Si層29
との界面側で脆弱な構造をしており、Siウェハ3を、
多孔質Si層29と非多孔質Si層28の界面で分離す
ることができる。そして、図13(b)のように、p型
の多孔質Si層29上にn型のアモルファスSi層30
を形成する。n型のアモルファスSi層30は、シラン
ガス(SiH4 )とフォスフィン(PH3 )を使ったプ
ラズマCVDなどによって形成する。アモルファスSi
層30は、マイクロクリスタルSi層であってもよい。
アモルファスSi層やマイクロクリスタルSi層でのn
層の形成は、支持基板52とp+ Si層41の熱溶着よ
り低温でおこなえるので、支持基板52と単結晶のp+
Si層41を接合した後でも、形成できる。このため、
製造コストが低く済む。実施形態4では、第1の半導体
層はSiウェハ中の非多孔質層、分離層はSiウェハ中
の非多孔質Si層と多孔質Si層の界面、第2の半導体
層は多孔質Si層と単結晶のp+ Si層となる。
【0049】つぎに、図13(c)のようにITOなど
の透明導電膜27をアモルファスSi層30上に形成
し、図13(d)のようにグリッド電極21を透明導電
膜27の上に形成し、図13(e)のようにグリッド電
極21と透明導電膜27の上にパッシベーション層40
を形成して太陽電池の完成となる。実施形態4の太陽電
池では、多孔質Si層29がp型でその上部に多孔質S
i層29よりもバンドギャップの広いアモルファスSi
層30があり、これらの間でpn接合ができる。さら
に、p型の多孔質Si層29の下部には、多孔質Si層
29よりもバンドギャップの狭い単結晶のp+ 型Si層
41がある。このため、ヘテロ接合で光入射側に近づく
程バンドギャップが広くなり、半導体層内に内部電界が
生じ、より光電変換効率を高めることができる。アモル
ファスSi層30はマイクロクリスタルSi層に置き換
えることもできるが、マイクロクリスタルSi層も、単
結晶の多孔質Si層29に比べてバンドギャップが広い
ので同じことが言える。実施形態4の、非多孔質単結晶
半導体上に多孔質単結晶半導体があり、前記多孔質単結
晶半導体上に非多単結晶半導体がある光電変換装置によ
れば、簡単な製造工程で高光電変換効率の装置を提供で
きる。
【0050】(実施形態5)本発明の分離層を形成する
ために、特開平9−331077号公報のように、半導
体基板にイオン注入し、空孔を有する層を形成してもよ
い。そして、前述した実施形態と同様に導電膜を有する
支持基板と空孔上の活性層の間で合金などの強い接合を
形成し、脆弱な構造の空孔を利用して活性層と半導体基
板を分離してもよい。
【0051】(実施形態6)実施形態6は、光センサー
を製造する例である。実施形態1の説明で用いた図1と
図2の断面図を使って説明する。単純マトリックス型の
光センサーの場合、表面電極と裏面電極でマトリックス
を構成し、活性層となる半導体層を絶縁分離する。この
ため、図2(e)の導電膜51はストライプ上になって
おり、図1(d)のn+ Si層24を露出させたところ
で、n+ 型Si層24をストライプ状に分離する。この
分離に、フォトリソグラフィーや電子ビームリソグラフ
ィー、レーザスクライブの技術が使用できる。そして、
図1(e)の工程で、グリッド電極21の代わりに導電
膜51と垂直な方向にストライプ状に走る表面電極を形
成する。それ以外の工程は、実施形態1と同様である。
この結果、マトリックス型の光センサーができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体層
の分離方法によれば、金属と第2の半導体層(又は金属
と多孔質半導体層)の界面で強固な接合が得られる。こ
のため、歩留まりよく分離することができ、低コストで
光電変換装置などを提供することができる。
【0053】また、本発明の光電変換装置によれば、簡
単な製造工程で、ヘテロ接合のため、高い光電変換効率
の装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の太陽電池の製造工程を表す断面図
である。
【図2】実施形態1の太陽電池の製造工程を表す断面図
である。
【図3】実施形態1の太陽電池の斜視図である。
【図4】実施形態1の陽極化成装置の断面図である。
【図5】実施形態1の液相成長装置の上面から見た平面
図である。
【図6】実施形態1の液相成長装置の断面図である。
【図7】実施形態1の液相成長のシーケンスを表すタイ
ムチャートである。
【図8】実施形態2の太陽電池の製造工程を表す断面図
である。
【図9】実施形態2の太陽電池の製造工程を表す断面図
である。
【図10】実施形態3の太陽電池の製造工程を表す断面
図である。
【図11】実施形態3の太陽電池の製造工程を表す断面
図である。
【図12】実施形態4の太陽電池の製造工程を表す断面
図である。
【図13】実施形態4の太陽電池の製造工程を表す断面
図である。
【図14】従来の太陽電池の製造工程を表す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ローディングチャンバー 2 水素アニール室 3 Siウェハ 4 p- Si層の成長チャンバー 5 p+ Si層の成長チャンバー 6 アンローディングチャンバー 8,9 搬送室 11,12 Si原料供給室 13 コア 14 メルト 15 ヒーター 16 ルツボ 17 ゲートバルブ 18 カセット 19 搬送系(垂直方向) 20 搬送系(水平方向) 21 グリッド電極 22 フィンガー 23 反射防止層 24 n+ Si層 25 p- Si層 26 真空チャック 27 透明導電膜 28 Siウェハ 29 多孔質Si層 30 アモルファスSi層 31 フッ酸系のエッチング液 32,33 金属電極 34 Oリング 36 溶かし込み基板カセット 37 溶かし込み基板 40 パッシベーション層 41 p+ Si層 51 導電膜 52 支持基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 克己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA02 AA04 AA05 CB02 CB19 CB29 DA03 GA02 GA04 GA06 GA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体層上に分離層を介して第2
    の半導体層が設けられ、前記第2の半導体層を前記第1
    の半導体層から前記分離層により分離する方法におい
    て、 前記第2の半導体層上に金属を接触させ、前記金属と前
    記第2の半導体層の界面で金属と半導体の合金あるいは
    化合物を形成した後、前記第2の半導体層を前記第1の
    半導体層から前記分離層により分離することを特徴とす
    る半導体層の分離方法。
  2. 【請求項2】 第1の半導体層上に分離層を介して第2
    の半導体層が設けられ、前記第2の半導体層を前記第1
    の半導体層から前記分離層により分離する方法におい
    て、 前記第2の半導体層上に金属を接触させ、前記金属の融
    点以下の温度で、前記金属と前記第2の半導体層を接着
    した後、前記第2の半導体層を前記第1の半導体層から
    前記分離層により分離することを特徴とする半導体層の
    分離方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体層はSiウェハ中の非
    多孔質Si層であり、前記分離層は多孔質Si層であ
    り、前記第2の半導体層は前記多孔質Si層上にエピタ
    キシャル成長させた単結晶Si層である請求項1または
    請求項2に記載の半導体層の分離方法。
  4. 【請求項4】 エピタキシャル成長し分離した前記単結
    晶Si層下に一方の電極を形成し、前記金属を他方の電
    極として、太陽電池を形成する請求項3に記載の半導体
    層の分離方法。
  5. 【請求項5】 非多孔質半導体層上に多孔質半導体層が
    設けられ、前記多孔質半導体層上に金属を接触させ、前
    記金属と前記多孔質半導体層の界面で金属と半導体の合
    金あるいは化合物を形成した後、前記多孔質半導体層の
    少なくとも一部を前記非多孔質半導体層から分離するこ
    とを特徴とする半導体層の分離方法。
  6. 【請求項6】 非多孔質半導体層上に多孔質半導体層が
    設けられ、前記多孔質半導体層上に金属を接触させ、前
    記金属の融点以下の温度で、前記金属と前記多孔質半導
    体層を接着した後、前記多孔質半導体層の少なくとも一
    部を前記非多孔質半導体層から分離することを特徴とす
    る半導体層の分離方法。
  7. 【請求項7】 一方の電極となる金属基板上に多孔質単
    結晶半導体層があり、前記多孔質単結晶半導体層上に前
    記多孔質単結晶半導体層とは反対導電型の非単結晶半導
    体層があり、前記非単結晶半導体層上に他方の電極があ
    ることを特徴とする光電変換装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質単結晶半導体層と前記一方の
    電極の間に、非多孔質単結晶半導体層がある請求項7に
    記載の光電変換装置。
  9. 【請求項9】 一方の電極となる金属基板上にp型の非
    多孔質単結晶半導体層があり、前記非多孔質単結晶半導
    体層上にn型の多孔質単結晶半導体層があり、前記多孔
    質単結晶半導体層の側に他方の電極があることを特徴と
    する光電変換装置。
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