JP2002203752A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ。 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ。Info
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Abstract
びそれを用いる電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 本発明においては、電解コンデンサ用電
解液にリン酸化合物を含み、リン酸イオン濃度を0.0
1ppm以上に維持しているので、放置後の電極箔の劣
化を抑制することによって、良好な放置特性有する電解
コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ
を提供することができる。
Description
電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
な構成を取っている。すなわち、帯状に形成された高純
度のアルミニウム箔を化学的あるいは電気化学的にエッ
チングを行って拡面処理するとともに、拡面処理したア
ルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中
にて化成処理することによりアルミニウム箔の表面に酸
化皮膜層を形成させた陽極箔と、同じく高純度のアルミ
ニウム箔を拡面処理した陰極箔をセパレータを介して巻
回してコンデンサ素子が形成される。そしてこのコンデ
ンサ素子には駆動用の電解液が含浸され、金属製の有底
筒状の外装ケースに収納される。さらに外装ケースの開
口端部は弾性ゴムよりなる封口体が収納され、さらに外
装ケースの開口端部を絞り加工により封口を行い、電解
コンデンサを構成する。
サ素子に含浸される電解液としては、従来より、エチレ
ングリコールを主溶媒とし、アジピン酸、安息香酸など
のアンモニウム塩を溶質とするもの、または、γ−ブチ
ロラクトンを主溶媒とし、フタル酸、マレイン酸などの
四級化環状アミジニウム塩を溶質とするもの等が知られ
ている。
電解コンデンサを放置すると、静電容量が減少し、漏れ
電流特性が劣化し、さらには、安全弁の開弁にいたるこ
とがあるという問題点があり、このような負荷もしくは
無負荷での長時間経過後の特性である放置特性は、電解
コンデンサの信頼性に大きな影響を与えている。
用電解液およびそれを用いた電解コンデンサを提供する
ことをその目的とする。
用電解液は、リン酸化合物を含み、リン酸イオン濃度を
0.01ppm以上に維持したことを特徴とする。
いて、リン酸イオン濃度が1ppm以上であることを特
徴とする。
錯体にリン酸が結合した結合体であることを特徴とす
る。
結合した結合体の金属が鉄、銅、ニッケル、マンガン、
亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉛、チタ
ン、ニオブ、タンタル選ばれることを特徴とする。
であることを特徴とする。
の電解コンデンサ用電解液を用いたことを特徴とする。
は、リン酸化合物を含み、リン酸イオン濃度を0.01
ppm以上に維持している。すなわち、電解コンデンサ
は製造後、ある程度の期間常温で保管され、その後電子
機器に搭載されて使用されることになるが、本発明の電
解コンデンサは、この製造直後から使用の期間、リン酸
イオン濃度を0.01ppm以上に維持している。この
電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサの放置
特性は良好である。リン酸イオン濃度をこれらの値以上
に維持することによって、60℃以上の温度条件下で放
置しても、アルミニウム電極箔と電解液中の水分との反
応が抑制され、電極箔の劣化やガス発生による電解コン
デンサの開弁が防止される。さらに、リン酸イオン濃度
を0.1ppm以上に維持していると105℃以上の高
温下における放置特性も良好であり、1ppm以上に維
持していると125℃以上の高温下における放置特性も
良好である。
体にリン酸が結合した結合体(以下、水溶性結合体)を
用いることができる。この水溶性結合体は、電解液中の
リン酸イオン濃度が低下するとリン酸を放出して、電解
液中のリン酸イオン濃度を0.01ppm以上に維持す
る。さらに、125℃以上の高温下ではリン酸イオン濃
度を1ppm以上に維持する。このことによって、放置
特性は良好である。
属または金属化合物と溶媒中でリン酸イオンを生成する
化合物(以下、リン酸イオン生成性化合物)とを溶媒に
溶解することによって得ることができる。この溶液中で
は、キレート化剤と溶媒中に溶解した金属イオンとが錯
体を形成し、この錯体にリン酸イオンが結合して水溶性
結合体が形成される。そして、この結合体を電解液に添
加して本発明の電解コンデンサ用電解液を得ることがで
きる。また、ここで用いる溶媒は、キレート化剤、金属
または金属化合物、溶媒中でリン酸イオンを生成する化
合物を溶解する溶媒であればよく、なかでも水、エチレ
ングリコール、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
が挙げられる。すなわち、クエン酸、酒石酸、グルコン
酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキシ酪
酸、ヒドロキシマロン酸、α−メチルリンゴ酸、ジヒド
ロキシ酒石酸等のα−ヒドロキシカルボン酸類、γ−レ
ゾルシル酸、β−レゾルシル酸、トリヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシフタル酸、ジヒドロキシフタル酸、フェ
ノールトリカルボン酸、アウリントリカルボン酸、エリ
オクロムシアニンR等の芳香族ヒドロキシカルボン酸
類、スルホサリチル酸等のスルホカルボン酸類、タンニ
ン酸等の加水分解性タンニンや縮合型タンニンを含むタ
ンニン類、ジシアンジアミド等のグアニジン類、ガラク
トース、グルコース等の糖類、リグノスルホン酸塩等の
リグニン類、そして、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸(GEDTA)、ジエチレントリアミン
五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢
酸(TTHA)等のアミノポリカルボン酸類またはこれ
らの塩である。これらの中では、タンニン酸、グルコン
酸、DTPA、GEDTA、TTHAが好適である。そ
して、これらの塩としては、アンモニウム塩、アルミニ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を用いることがで
きる。なお、これらのキレート化剤を二以上用いてもよ
い。
ン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉛、
チタン、ニオブ、タンタル等、キレート化剤と錯体を形
成する金属を用いることができる。また、金属化合物と
しては、酸化物、水酸化物、塩化物、また硫酸塩、炭酸
塩等の金属塩など、溶媒中で金属イオンを生成する化合
物を用いることができる。
性結合体と同様に、リン酸イオン濃度を維持することが
できる。
たは金属化合物と溶媒中でリン酸イオン生成性化合物と
を溶媒に溶解することによって得ることができる。この
溶液中では、リン酸イオンと溶媒中に溶解した金属イオ
ンとが錯体を形成する。そして、同様にこのリン酸金属
錯体を電解液に添加して本発明の電解コンデンサ用電解
液を得ることができる。また、ここで用いる溶媒は、金
属または金属化合物、溶媒中でリン酸イオンを生成する
化合物を溶解する溶媒であればよく、なかでも水、エチ
レングリコール、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
ッケル、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、鉛、チタン、ニオブ、タンタル等、キレート
化剤と錯体を形成する金属を用いることができる。ま
た、金属化合物としては、酸化物、水酸化物、塩化物、
また硫酸塩、炭酸塩等の金属塩など、溶媒中で金属イオ
ンを生成する化合物を用いることができる。
て、一般式(化1)で示されるリン化合物又はこれらの
塩もしくはこれらの縮合体又はこれらの縮合体の塩を挙
げることができる。
下のものを挙げることができる。正リン酸、亜リン酸、
次亜リン酸、及びこれらの塩、これらの塩としては、ア
ンモニウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシ
ウム塩、カリウム塩である。正リン酸及びこの塩は、水
溶液中で分解してリン酸イオンを生じる。また、亜リン
酸、次亜リン酸、及びこれらの塩は、水溶液中で分解し
て、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオンを生じ、その後
に酸化してリン酸イオンとなる。
ン酸ブチル、リン酸ジブチル等のリン酸化合物、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノト
リメチレンホスホン酸、フェニルホスホン酸等のホスホ
ン酸化合物等が挙げられる。また、メチルホスフィン
酸、ホスフィン酸ブチル等のホスフィン酸化合物が挙げ
られる。
れらの塩をあげることができる。ピロリン酸、トリポリ
リン酸、テトラポリリン酸等の直鎖状の縮合リン酸、メ
タリン酸、ヘキサメタリン酸等の環状の縮合リン酸、又
はこのような鎖状、環状の縮合リン酸が結合したもので
ある。そして、これらの縮合リン酸の塩として、アンモ
ニウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム
塩、カリウム塩等を用いることができる。
るか、もしくは、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオンを
生じ、その後に酸化してリン酸イオンとなる、リン酸生
成性化合物である。
ンを生ずる正リン酸またはその塩、縮合リン酸、または
リン酸化合物が好ましい。さらに、添加量に対して、比
較的速やかに、多くのリン酸イオンを生ずる正リン酸、
ピロリン酸、トリポリリン酸等の直鎖状の縮合リン酸、
またはその塩が好ましい。なお、これらの化合物以外で
も、水溶液中でリン酸イオンを生ずる物質であれば、本
発明の効果を得ることができる。
常電解コンデンサ用電解液に用いられる、酸の共役塩基
をアニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、四
級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が
挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては一級ア
ミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メ
チルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン
(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ
(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第
四級アンモニウム塩を構成する第四級アンモニウムとし
てはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエ
チルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム
等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチル
ピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げら
れる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカ
チオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが
挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─
メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェ
ニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル
−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オ
キシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1
−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジ
メチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよ
びアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベ
ンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイ
ミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物
(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾ
リン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−
フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環
を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6
−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシク
ロ〔4.3.0〕ノネン−5等)等である。
タル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル
酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント
酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、
5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、
1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、
硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価ア
ルコール錯化合物、リン酸、炭酸、けい酸等の無機酸の
共役塩基を挙げることができる。これらの中で好ましい
のは、デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸、安息香酸、イソフタル酸、蟻酸等の有機カルボ
ン酸、または、硼酸、硼酸の多価アルコール錯化合物で
ある。
媒、非プロトン性極性溶媒、水、及びこれらの混合物を
用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一
価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
シクロペンタノール、ベンジルアルコール、等)、多価
アルコール及びオキシアルコール化合物類(エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、1,3−ブタンジオー
ル、メトキシプロピレングリコール等)などがあげられ
る。非プロトン性極性溶媒としては、アミド系(N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリッ
クアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン等)、環状アミド類(N−メチル−2−
ピロリドン等)、カーボネート類(エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等)、ニトリル類(アセト
ニトリル等)、オキシド類(ジメチルスルホキシド
等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノ
ン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジ
ノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン
等)〕などが代表としてあげられる。
溶媒が水を含んでいると電極箔の劣化は顕著になるが、
この場合にも本発明においては、リン酸イオンが0.0
1ppm以上に維持されるので、本発明の電解コンデン
サの放置特性は良好である。さらに、水を主成分とした
溶媒を用いた場合にも放置特性が劣化することはなく、
このような溶媒を用いることによって、電解コンデンサ
用電解液の比抵抗が低減でき、そのことによって電解コ
ンデンサの低インピーダンス化を図ることができる。こ
こで、溶媒中の水の含有率は、35〜100wt%、好
ましくは、35〜65wt%である。この範囲以上であ
るとインピーダンス特性が良好であり、この範囲以下で
は低温特性が良好である。また、水を主成分とした溶媒
を用いた場合、高電圧使用などの規格外の使用によって
コンデンサが故障した際にも、発火が生じるなどの問題
点がなく、耐環境性も良好である。
する目的で、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニト
ロアセトフェノン、ニトロベンジルアルコール、2−
(ニトロフェノキシ)エタノール、ニトロアニソール、
ニトロフェネトール、ニトロトルエン、ジニトロベンゼ
ン等の芳香族ニトロ化合物を添加することができる。
として、電解液の耐電圧向上を図ることができる非イオ
ン性界面活性剤、多価アルコールと酸化エチレン及び/
または酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキ
シアルキレン多価アルコールエーテル化合物、ポリビニ
ルアルコールを添加することもできる。
に、硼酸、多糖類(マンニット、ソルビット、ペンタエ
リスリトールなど)、硼酸と多糖類との錯化合物、コロ
イダルシリカ等を添加することによって、さらに耐電圧
の向上をはかることができる。
ルボン酸化合物等を添加することができる。
ず、5〜7(水溶液として50倍に希釈して測定)に維
持されていることが判明した。これは、電解液中に保持
されたリン酸イオンによって、電極箔の溶解が抑制さ
れ、したがって、電解質のアニオン成分が電極箔と反応
することが抑制されて、pHの上昇が抑制されているも
のと思われる。
デンサは、放置特性、すなわち、長期間にわたる負荷、
無負荷試験後の特性が良好である。
ンサ素子は陽極箔と、陰極箔をセパレータを介して巻回
して形成する。陽極電極箔は、純度99.9%のアルミ
ニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエ
ッチングして拡面処理した後、アジピン酸アンモニウム
の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜
層を形成したものを用いる。陰極箔として、純度99.
9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理した箔
を用いた。
アルミ電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。こ
の電解液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアル
ミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開
口端部に、ブチルゴム製の封口体を挿入し、さらに外装
ケースの端部を絞り加工することによりアルミ電解コン
デンサの封口を行う。ここで用いる電解液は以下のよう
に作成した。
レート化剤、金属化合物、リン酸二水素アンモニウムを
添加し、キレート化反応及びリン酸イオン結合反応を完
結させ、水溶性結合体を作成した。次いで、この水溶性
結合体の水溶液を、(表2)に示す、水、エチレングリ
コール、アジピン酸アンモニウムからなる電解液に添加
して、本発明の電解液を作成した。なお、組成は部で示
した。その比抵抗を(表2)に示す。
サの高温寿命試験を行った。アルミ電解コンデンサの定
格は、6.3WV−5600μFである。試験条件は、
105°C、定格電圧負荷、無負荷、1000時間であ
る。そして、試験後のコンデンサを分解し、電解液のリ
ン酸イオン濃度を測定した。それぞれの結果を(表3)
〜(表4)に示す。
ム0.2部、リン酸二水素アンモニウム1部を添加し、
リン酸とアルミニウムの錯体反応を完結させ、リン酸ア
ルミニウム錯体を作成した。次いで、このリン酸アルミ
ニウム錯体の水溶液を、(表5)に示す、水、エチレン
グリコール、安息香酸トリエチルアミン塩からなる電解
液に添加して、本発明の電解液を作成した。なお、組成
は部で示した。その比抵抗を(表5)に示す。また、比
較例5として水25部、エチレングリコール65部、安
息香酸アンモニウム10部の電解コンデンサ用電解液を
用いた。比抵抗は106Ωcmであった。
サの高温寿命試験を行った。アルミ電解コンデンサの定
格は、50WV−820μFである。試験条件は、10
5°C、無負荷、3000時間である。そして、試験後
のコンデンサを分解し、電解液のリン酸イオン濃度、及
びpHを測定した。それぞれの結果を(表6)に示す。
4〕 GluA:グルコン酸 DTPA:ジエチレントリアミン六酢酸 FeSO:硫酸第二鉄 NiSO:硫酸ニッケル CaCO:炭酸カルシウム 2PA :リン酸二水素アンモニウム
の正接、LC:漏れ電流(μA)、ΔCap:静電容量
変化率(%) リン酸:リン酸イオン濃度(ppm)
比較例は試験中に開弁しリン酸イオン濃度は0.1pp
m未満となっているが、水溶性接合体を用いた実施例に
おいては105℃、1000時間の試験でリン酸イオン
濃度が0.1ppm以上に維持され良好な特性を保って
いる。なお、リン酸二水素アンモニウムを添加した比較
例2、3においては試験後にリン酸イオン濃度が0.1
ppm未満となり、リン酸イオン濃度が維持されていな
いことがわかる。
中に開弁しリン酸イオン濃度は0.1ppm未満となっ
ているが、リン酸金属錯体を用いた実施例においては1
05℃、3000時においてもリン酸イオン濃度が0.
1ppm以上に維持され良好な特性を保っている。
コンデンサ用電解液にリン酸化合物を含み、リン酸イオ
ン濃度を0.01ppm以上に維持しているので、放置
後の電極箔の劣化を抑制することによって、良好な放置
特性有する電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた
電解コンデンサを提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 リン酸化合物を含み、リン酸イオン濃度
を0.01ppm以上に維持したことを特徴とする電解
コンデンサ用電解液。 - 【請求項2】 リン酸イオン濃度が1ppm以上である
請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。 - 【請求項3】 リン酸化合物が金属錯体にリン酸が結合
した結合体である請求項1記載の電解コンデンサ用電解
液。 - 【請求項4】 金属が鉄、銅、ニッケル、マンガン、亜
鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉛、チタ
ン、ニオブ、タンタル選ばれる請求項3記載の電解コン
デンサ用電解液。 - 【請求項5】 リン酸化合物がリン酸金属錯体である請
求項1記載の電解コンデンサ用電解液。 - 【請求項6】 請求項1記載の電解コンデンサ用電解液
を用いた電解コンデンサ。
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JP4737354B2 (ja) | 2011-07-27 |
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