JP2002202074A

JP2002202074A - スクロール型圧縮機

Info

Publication number: JP2002202074A
Application number: JP2000399675A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Motonami; 博之元浪; Kazuhiro Kuroki; 和博黒木; Kenji Isomura; 賢児磯村; Shinji Tsubakii; 慎治椿井; Naohiro Nakajima; 尚宏中島; Yasushi Watanabe; 靖渡辺
Original assignee: Toyota Industries Corp
Current assignee: Toyota Industries Corp
Priority date: 2000-12-28
Filing date: 2000-12-28
Publication date: 2002-07-19
Also published as: DE10164251A1; US6568928B2; US20020085938A1

Abstract

(57)【要約】【課題】選択嵌合の固定プレートを必要とせず、圧縮機
外殻の密封構造を簡潔にしても気密保持性能を向上させ
ることができ、しかもそれによって生産工数の低減によ
るコスト低減を図ることができると共に、部品コストの
低減を図ることのできるようにする。【解決手段】機体の外殻をフロントハウジング１２及び
リアハウジング１０にて構成して、リアハウジング１０
内には固定スクロール１１を保有し、フロントハウジン
グ１２との間には可動スクロール１８を収納すると共
に、該可動スクロール１８の基板１８aのほぼ中央部に
吐出穴１８cを設けて該基板１８aの背面に吐出圧が負荷
されるようにし、かつ前記フロントハウジング１２とリ
アハウジング１０の接合端面間にはガスケットシール３
０を介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型圧縮
機に係り、特に圧縮機の外殻を形成するハウジングの接
合部における密封装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、スクロール型圧縮機において
は、ハウジング内に、基板及び渦巻部を有する固定スク
ロールと、基板及び渦巻部を有する可動スクロールと
が、それらの渦巻部において互いに噛み合わされた状態
で配設されている。そして、両スクロール部材間には圧
縮室が形成され、可動スクロールが固定スクロールの軸
心の周りで公転されることにより、この圧縮室が渦巻部
の外周側から中心側に移動されつつ、外周側から吸入さ
れたガスが次第に圧縮される。

【０００３】従来のこの種のスクロール型圧縮機として
は、特開平８−３３８３７６号公報に示すような構成の
ものが知られている。この従来構成では、図４に示すよ
うに（説明の便宜上、公報のものとは向きを変更してい
る。）、固定スクロール１１１はセンタハウジングを兼
用し、その両端面にはフロントハウジング１１２及びリ
アハウジング１１３が固定されている。固定スクロール
１１１は基板１１１aと渦巻部１１１bとより構成され、
基板１１１aのほぼ中央部には、圧縮されたガスを吐出
するための吐出穴１１１cが形成されている。また、基
板１１８a及び渦巻部１１８bを有する可動スクロール１
１８が、その渦巻部１１８bを固定スクロール１１１の
渦巻部１１１bに噛み合わせた状態で配設され、それら
との間に複数の圧縮室１２０が形成されている。そして
該可動スクロール１１８は、外部駆動源に連結された回
転軸１１４の駆動力によって、固定スクロール１１１の
軸心周りで公転運動され圧縮作用が行われる。

【０００４】フロントハウジング１１２の内壁面には、
リング状の固定プレート１２６が配設され、可動スクロ
ール１１８の基板１１８aの背面に接合されている。そ
して、前記圧縮室１２０内でのガス圧縮に伴なって作用
する圧縮反力のうちで、可動スクロール１１８に対しそ
の軸線方向に沿って作用する圧縮反力が、この固定プレ
ート１２６によって受け止められる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来技
術においては、固定スクロール１１１及び可動スクロー
ル１１８のそれぞれの渦巻部１１１b、１１８bの高さＨ
₁、Ｈ₂の寸法公差を吸収して、渦巻部１１１b、１１８b
の先端部１１１d、１１８dにおける密閉度を一定にする
ため、固定プレート１２６を選択嵌合させていた。即
ち、複数枚の厚さの異なる（例えば、１０μ毎に厚さを
変化させる）固定プレート１２６を用意しておき、組み
立てる圧縮機毎に最適な厚さのものを選んで組み込むよ
うにしている。従って、これによれば、選択嵌合のため
に、余分に多くの種類の固定プレート１２６を用意しな
ければならないということと、組み付けに多大な工数を
必要とするという欠点が有った。

【０００６】また、この従来技術においては、固定スク
ロール１１１とフロントハウジング１１２の接合部に、
気密を保持するためのＯリングシール１３０が配設され
ている。このＯリングシール１３０を設けるには、Ｏリ
ング溝を刻設しなければならず、しかもそれはシール必
要箇所に沿って複雑に形成する必要が有り、それによっ
て、加工コストが比較的高くなったり、また、気密性が
高くしかも耐久性の高いＯリングを必要とすることか
ら、そのこと自体でもコスト高となるという欠点を有し
ていた。

【０００７】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、選択嵌合の固定プレートを必要とせず、
圧縮機外殻の密封構造を簡潔にしても気密保持性能を維
持することができ、しかもそれによって生産工数の低減
によるコスト低減を図ることができると共に、部品コス
トの低減を図ることのできるスクロール型圧縮機を提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１に記載の発明では、可動スクロールのほ
ぼ中央部に吐出穴を設け、該吐出穴から送り出された高
圧ガスを、可動スクロールの基板の背面に作用させるよ
うにし、さらに圧縮機の外殻を形成するハウジングの接
合部をガスケットシールによって密封したものである。

【０００９】請求項２に記載の発明では、請求項１に記
載の発明において、リアハウジングと固定スクロールを
一体構成としたものである。

【００１０】

【作用】請求項１に記載のスクロール型圧縮機において
は、吐出穴から送り出された高圧ガスが可動スクロール
の基板の背面に作用するため、その高圧ガスによる推力
によって圧縮室に発生する圧縮反力が受け止められ、可
動スクロールの基板の背面を機械的に支持する必要が無
くなるため、ハウジングの接合部の気密保持がガスケッ
トシールで達成される。

【００１１】請求項２に記載のスクロール圧縮機におい
ては、リアハウジングと固定スクロールとが一体構成と
されるため、固定スクロール及び可動スクロールの組み
合わせに関係する寸法管理が単純化する。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を、図
面に基づいて詳細に説明する。図１において、リアハウ
ジング１０、フロントハウジング１２及びモータハウジ
ング１３がボルト１５によって結合されて圧縮機の外殻
が形成されている。リアハウジング１０には、基板１１
aと渦巻部１１bとよりなる固定スクロール１１が一体的
に形成されている。また該リアハウジング１０には、外
部冷凍回路と連結され吸入冷媒を導入するための吸入口
１６が設けられている。リアハウジング１０とフロント
ハウジング１２で囲まれた空間内には基板１８aと渦巻
部１８bとよりなる可動スクロール１８が収納されてい
る。このとき、該渦巻部１８bは固定スクロール１１の
渦巻部１１bと噛み合わせた状態とされ、両スクロール
部材間には複数の閉じられた圧縮室２０が形成される。
可動スクロール１８の基板１８aのほぼ中央部には、圧
縮室２０で圧縮された冷媒ガスを、基板１８aの背面側
の吐出室１７に吐出するための吐出穴１８cが形成され
ている。

【００１３】モータハウジング１３の内周面にはステー
タ１９が取り付けられ、これに対応するロータ２１は、
モータハウジング１３の軸心部にベアリング２２、２３
によって回転可能に支持された駆動軸１４に嵌着固定さ
れている。該駆動軸１４の図示左方端は偏心軸１４aと
なっており、該偏心軸１４aはブッシュ２４を介して可
動スクロール１８のボス２５と係留している。２６は可
動スクロール１８に関し、固定スクロールの軸心周りの
公転は許容するが、その自転は阻止する自転防止機構で
ある。駆動軸１４の図示左方端からほぼ中間位置までの
間に亘って吐出通路２７が貫設され、該吐出通路２７に
よって吐出室１７とモータハウジング１３内空間とが連
通される。モータハウジング１３の図示右方端には、圧
縮された高圧冷媒ガスを外部冷凍回路へと送り出すため
の吐出口２８が設けられている。

【００１４】リアハウジング１０とフロントハウジング
１２の接合面間には、ガスケットシール３０が介在され
ている。該ガスケットシールは図２及び図３に示すよう
に、前記接合面の形状をした鉄板から形成され、シール
面に連続の突条３１が設けられている。そしてこの鉄板
の両面にはゴムコーティングが施されている。なお、４
隅にはリアハウジング１０、フロントハウジング１２及
びモータハウジング１３を結合するための前記ボルト１
５が挿通される孔３２が明けられている。また３３は両
ハウジング１０、１２における位置決めピンが挿通され
る孔である。

【００１５】上記のように構成された実施例において、
その作用を説明する。ステータ１９とロータ２１とより
なる電気モータの駆動によって、駆動軸１４が回転され
ると、可動スクロール１８が固定スクロール１１の軸心
の周りを公転運動する。この公転運動によって容積変化
する圧縮室２０の吸入・圧縮作用により、吸入口１６を
介して外部冷凍回路から吸入された冷媒ガスを、該圧縮
室２０内で所定圧まで圧縮して吐出穴１８cを経て吐出
室１７へと吐出する。該吐出室１７内に導入された高圧
冷媒ガスは、吐出通路２７を通ってモータハウジング１
３の内空間より吐出口２８を経て外部冷凍回路へと送り
出される。

【００１６】このとき、吐出室１７内の高圧冷媒ガスに
よって、可動スクロール１８の基板１８aの背面が押圧
されて該可動スクロール１８が、固定スクロール１１に
向けて常時付勢され、それによって、渦巻部１１b、１
８bの先端部１１d、１８dにおける密封度が保持され
る。このように、基板１８aの背面に作用する冷媒ガス
の圧力によって前記付勢力が得られるため、互いに噛み
合わされる渦巻部１１b、１８bの高さ寸法に公差が存在
しても、渦巻部１１b、１８bの先端部１１d、１８dにお
ける密封度は何ら支障無く達成される。このため、リア
ハウジング１０とフロントハウジング１２との接合面
は、それらの間に介在されるガスケットシール３０で、
気密が十分に保持される。ガスケットシール３０は、圧
縮機の組み立てに際して、リアハンジング１０とフロン
トハウジング１２の接合面間に介挿された後、ボルト１
５で締め付けられることによって、突条３１がある程度
潰されながら圧着力が保留され、また、表面にコーティ
ングされたゴムの密着力によって、十分な密封作用が発
揮される。

【００１７】上述の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。（ａ）圧縮された冷媒ガスの圧力を利用して、可動スク
ロールを固定スクロールに向けて付勢するため、何ら機
械的な付勢手段を必要とすることなく、圧縮室の気密が
確実に保持される。（ｂ）上述のごとく、可動スクロールの付勢に機械的手
段を利用することがないため、固定スクロール及び可動
スクロールを内包するリアハウジングとフロントハウジ
ングの接合部に、締め付けた後の寸法誤差が比較的大き
く現れるガスケットシールの使用が可能となる。従っ
て、コスト的に有利となる。（ｃ）リアハウジングと固定スクロールを一体構成とし
た為、これらの組み合わせに関係した寸法管理が楽にな
り、設計段階及び製造段階での自由度の増加により、よ
り高品質な製品を得る事に貢献し得る。

【００１８】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、下記のようにしても実施は可能である。 ○ 上記実施形態においては、リアハウジングと固定ス
クロールを一体構成としたが、基板と渦巻部とよりなる
固定スクロールを単独に別体で形成し、それを、別に準
備したリアハウジングに対して組み込む様にしてもよ
い。 ○ 上記実施形態においては、駆動源がビルトイン・タ
イプのもの、即ち、駆動用の電気モータが圧縮機体内に
組み込まれたものであったが、図４に示した従来例のよ
うに、駆動軸が圧縮機体外に突出し、該駆動軸がエンジ
ン等の外部動力源に適宜連結されて駆動される形式のも
のにおいても実施は可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
縮冷媒ガスの圧力を利用して圧縮室の気密性を保持する
ことができるようにしたため、機械的な寸法調整が必要
無くなり、構成が簡潔になる共に、圧縮機の外殻を形成
するハウジングの接合部も、簡潔なガスケットシールで
十分な気密保持が可能になるという顕著な効果を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】スクロール型圧縮機を示す断面図

【図２】ガスケットシールを示す平面図

【図３】図２におけるＡ−Ａ断面図

【図４】従来装置を示す断面図

【符号の説明】

１０リアハウジング１１固定スクロール１２フロントハウジング１４駆動軸１７吐出室１８可動スクロール２０圧縮室３０ガスケットシール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者椿井慎治愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地株式会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者中島尚宏愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地株式会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者渡辺靖愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地株式会社豊田自動織機製作所内Ｆターム(参考） 3H029 AA02 AA15 AB03 BB16 BB32 3H039 AA03 AA04 AA12 BB08 BB15 CC02 CC03 CC08 CC29 CC31 CC33

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基板及び渦巻部を有する固定スクロール
と基板及び渦巻部を有する可動スクロールとを、それら
の渦巻部において互いに噛み合わせた状態で配設して、
両スクロール部材間に圧縮室を形成し、可動スクロール
を固定スクロールの軸心周りで公転させることにより、
圧縮室を渦巻部の外周側から中心側に移動させて、ガス
の圧縮作用を行うようにしたスクロール型圧縮機におい
て、機体の外殻をフロントハウジング及びリアハウジン
グにて構成して、リアハウジング内には固定スクロール
を保有し、フロントハウジングとの間には可動スクロー
ルを収納すると共に、該可動スクロールの基板のほぼ中
央部に吐出穴を設けて該基板の背面に吐出圧が負荷され
るようにし、かつ前記フロントハウジングとリアハウジ
ングの接合端面間にはガスケットシールを介在させたこ
とを特徴とするスクロール型圧縮機。
【請求項２】前記リアハウジングと固定スクロールは
一体構成とされたことを特徴とする請求項１に記載のス
クロール型圧縮機。