JP2002201072A - AlN焼結体およびこれを用いたAlN回路基板 - Google Patents
AlN焼結体およびこれを用いたAlN回路基板Info
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Abstract
焼結体を提供する。AlN基板の研磨性を向上させて、
AlN基板と金属回路部との高い接合強度および耐熱サ
イクル特性に優れたAlN回路基板を提供する。 【解決手段】直線距離50μmに含まれるAlN結晶粒
子の数が15〜30個であり、熱伝導率が200W/m
・K以上であることを特徴とする。
Description
した半導体素子を搭載するパワーモジュール用の基板ま
たは熱電モジュール用の基板であって、優れた放熱性を
有するAlN焼結体およびこれを用いたAlN回路基板
に関する。
ミック基板が適用されている。このセラミック基板の材
料として、熱伝導率および機械的強度の両特性に優れた
アルミナ(Al2O3)焼結体,熱伝導率が100〜1
80W/m・K程度のAlN焼結体,BeO焼結体,S
iC焼結体などが用いられている。
層高い放熱性が要求されている。しかし、上述したAl
2O3焼結体またはAlN焼結体では、熱伝導率が18
0W/m・K以下であり放熱性を満足するものではな
く、また、BeO焼結体およびSiC焼結体などは、そ
れぞれ毒性および電気絶縁性の点で問題を有していた。
ラミック基板が適用されており、このセラミック基板の
材料として、高い熱伝導率を有するAlN焼結体,Si
C焼結体,Si3N4焼結体などが使用されている。
集積化,高速化,大チップ化されているため、使用時の
半導体素子からの発熱が増加して温度上昇する傾向にあ
る。このため、基板材料の特性として、半導体素子から
発生する熱を外部に効率良く放熱できる高い放熱性が要
求される。このため、高熱伝導率を有するAlN焼結体
が主に実用化されている。
主に熱が格子の振動を介して伝播するフォノン(格子振
動)によるものである。このため、セラミックス焼結体
中に存在する粒界はフォノンの伝播を妨げてしまい、熱
伝導率の低下を招く原因となる。
が存在するが、粒界相を形成する焼結助剤を使用せずに
形成したAlN焼結体や、焼結助剤からなる粒界層を実
質的に排除したAlN焼結体とすることで、熱伝導率を
200W/m・K程度としたAlN焼結体が開発されて
いる。
たようなAlN焼結体は、熱伝導率を200W/m・K
以上とすることができるが、AlN焼結体自体の強度が
十分ではなかった。詳述すると、熱伝導率が200W/
m・K以上であるAlN焼結体は、熱伝導率を高くする
ことのみに着目したものであるため、粒界相を低減して
AlN結晶粒子のサイズを平均粒径5μm以上と大きく
したものであり、また、AlN結晶粒子のサイズはそれ
ぞれ異なっておりばらつきが極めて大きかった。従っ
て、200W/m・K以上の熱伝導率を有するAlN焼
結体は、回路基板に要求される強度特性を満足するもの
ではなかった。
る場合、AlN焼結体から成るAlN基板上に金属回路
部を形成する必要がある。この時、AlN基板の表面が
粗いと、AlN基板と金属回路部とを接合する時に接合
不良が生じてしまい接合強度(ピール強度)が低下して
しまう。このため、AlN基板を表面研磨して表面粗さ
を低減して、AlN基板表面を平坦化することは必須で
あった。
属回路部を薄膜形成する際には、AlN基板表面の平坦
度が要求され、具体的には、AlN基板の表面粗さRa
を0.01μm以下とする鏡面加工を施す必要があっ
た。
K以上のAlN焼結体からなるAlN基板に表面粗さR
a0.01μm以下とする鏡面加工を施すと、大きな脱
粒痕が多量に生じ易かった。この理由は、AlN結晶粒
子のサイズが大きいため、一つのAlN結晶粒子が脱粒
するだけで、例えば、最大径5μm以上の大きな脱粒痕
が生じるからである。また、AlN結晶粒子サイズが大
きいため、単位面積当たりの結晶粒子を固定するための
粒界相の割合が実質的に少なくなり脱粒が生じ易かっ
た。特に、表面粗さRaが0.01μm以下となるよう
な研磨加工を施すと脱粒痕が多くなる傾向にあり、この
ような大きな脱粒痕が多数あるとAlN基板表面の凹凸
が大となり、金属回路部を形成する際に未接合部ができ
易くなり接合不良が生じてしまうという問題を有してい
た。
るAlN回路基板に、大電流を流すなどにより昇温・冷
却の熱サイクルを繰り返すと、AlN基板と金属回路部
とは熱膨張率が異なることから、AlN回路基板に不要
な応力が発生してしまう。特に、AlN焼結体の熱伝導
率を200W/m・K以上と高くする場合には、当然な
がらAlN基板に要求される放熱特性が高まり、熱サイ
クルが厳しくなる。このため、未接合部が亀裂発生部位
となり、この未接合部を起点として次第にAlN基板と
金属回路部とが剥離して耐熱サイクル特性が低下してし
まうという問題を有していた。
なされたものであり、高い放熱性を有し、かつ高強度を
有するAlN焼結体を提供することを目的とする。
基板の研磨性を向上させて、AlN基板と金属回路部と
の接合強度を向上させて、これにより優れた耐熱サイク
ル特性を有するAlN回路基板および熱電モジュール用
AlN回路基板を提供することを目的とする。
的を達成するために種々研究した結果、AlN焼結体中
におけるAlN粒子の粒径の大きさと、焼結助剤からな
る粒界相の存在割合を調整することで、AlN焼結体の
放熱特性と強度特性との両特性の向上を図れることを見
い出した。
直線距離50μmに含まれるAlN結晶粒子の数が15
〜30個であり、熱伝導率が200W/m・K以上であ
ることを特徴とする。
子の数が14個以下では、AlN結晶粒子の粒子サイズ
が大きく高い熱伝導性を有するが、AlN焼結体の強度
が低下してしまう。また、粒子サイズが大きいと表面粗
さRaが0.01μm以下の鏡面加工を施した際に脱粒
痕が所定数以上になり易く接合不良を生じてしまう。一
方、直線距離50μmに含まれるAlN結晶粒子の数が
31個以上では、AlN結晶粒子サイズが小さくなり熱
伝導率を200W/m・K以上とすることが難しい。な
お、本発明において、直線距離50μmに含まれるAl
N結晶粒子が15〜30個存在するということは、Al
N結晶粒子サイズが実質的にほぼ均一であることを示す
ものである。
N結晶粒子の数を15〜30個の範囲としてAlN結晶
粒子サイズを均一とすることで、熱伝導率を200W/
m・K以上とし、かつ3点曲げ強度を300MPa以上
として、高熱伝導性および高強度特性の両特性の向上を
図れる。
粗さRaが0.01μm以下であり、その表面における
単位面積50μm×50μmあたりに含まれる最大径5
μm以上の脱粒痕が5個以下であることが望ましい。
0W/m・K以上を保ちつつ、適度な粒界相量を具備し
ていることから脱粒が生じ難く、仮に脱粒が起きたとし
ても最大径5μm以上の脱粒痕は少なくて済む。つま
り、熱伝導率200W/m・K以上のAlN焼結体を研
磨して表面粗さRaを0.01μm以下としたとき、最
大径5μm以上の脱粒痕が単位面積50μm×50μm
中に5個以下となる。また、最大径5μm以上の脱粒痕
は、最も大きなものであっても10μm以下である。
すると、大きな脱粒痕が少ないことから金属回路板を各
種接合方法において接合した際に、接合面の未接合部を
0.5%以下とすることができ、接合応力のばらつきを
抑えることができる。この結果、AlN基板と金属回路
部との接合強度(ピール強度)を5kN/m以上とする
ことができる。
さRmaxが0.03μm以下であることが望ましく、
さらに、3点曲げ強度が300MPa以上であることが
望ましい。
板を構成し、このAlN基板の少なくとも一方の面に金
属回路部を形成したことを特徴とする。このようなAl
N焼結体からなるAlN基板の少なくとも一方の面に金
属回路部を形成することにより、高い接合強度を得られ
るだけでなく、接合応力のばらつきをも低減できること
から、昇温・冷却の耐熱サイクル後のクラック発生を防
止し、耐熱サイクル特性を向上することができる。
合(DBC、DBA等),活性金属接合,Al系ろう材
接合のいずれかにより接合された金属回路板であること
が望ましく、また、金属回路部が、AlN基板にスパッ
タ法により形成された金属回路薄膜であっても良い。
て、ピール強度が5kN/m以上であることが望まし
い。
あるAlN焼結体によりAlN基板を構成し、このAl
N基板の少なくとも一方の面に金属回路部を形成し、こ
の金属回路部が熱電素子に接続するためのものであるこ
とが望ましい。
熱電モジュール用の回路基板とすることが望ましい。
明する。製造方法は特に限定されるものではないが、例
えば次のような方法が有効である。
以下)とした窒化アルミニウム(AlN)粉末に、焼結
助剤を添加して原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕
および混合を行う。この原料粉末に有機バインダおよび
有機溶剤(エタノール)を添加した後混合してスラリー
化し、このスラリーをドクターブレード法によりシート
状に成形し、AlNグリーンシートを作製する。そし
て、このAlNグリーンシートを脱脂した後、不活性雰
囲気中、1700〜1800℃で2〜5時間常圧焼成を
行いAlN焼結体とする。
や酸化イッテルビウムなどの希土類化合物、酸化カルシ
ウムなどのアルカリ土類金属化合物など様々なものが使
用可能である。添加量は、2〜10質量%(重量%と同
じ)が好ましく、さらに好ましくは3〜6質量%であ
る。焼結助剤の添加量が、2質量%未満では添加の効果
が十分得られず緻密化が難しく熱伝導率および強度の向
上が十分図れない。一方、10質量%を超えると、粒界
相量が多くなりすぎ高熱伝導化が図り難くなってしまう
ためである。
れを用いたAlN回路基板および熱電モジュール用Al
N回路基板について、図1および表1〜表4を用いて説
明する。
例1および比較例2を用いて本発明のAlN焼結体につ
いて説明する。
窒化アルミニウム(AlN)粉末95質量%に、焼結助
剤である酸化イットリウム(Y2O3)粉末を5質量%
添加して複数の原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕
および混合を行った。この原料粉末に有機バインダおよ
び有機溶剤(エタノール)を添加した後、混合してスラ
リー化した。このスラリーをドクターブレード法により
シート状に成形し、AlNグリーンシートを多数作製し
た。
後、不活性雰囲気中、1700〜1800℃で2〜5時
間常圧焼成を行い、その後、表面粗さRaが0.1μm
になるように研磨加工を施してAlN焼結体を作製し
た。
倍に拡大して、直線距離50μmに相当する直線(線径
0.5mm)を引き、その直線上に存在するAlN結晶
粒子の数をカウントした。また、AlN結晶粒子の数の
測定は、AlN焼結体の表面2ヶ所、断面2ヶ所の合計
4ヶ所を測定して、これらの平均値を算出したものであ
る。なお、AlN焼結体の表面ではAlN結晶粒子の大
きさが判断し難いときには断面から4ヶ所選択するもの
とする。また、直線距離50μm上のAlN粒子の数え
方は、その直線上に触れるAlN結晶粒子はすべて1個
としてカウントするものとする。
0μmに含まれるAlN結晶粒子の数が15〜30個の
範囲にあるものを実施例1〜実施例4、AlN結晶粒子
数が少ないものを比較例1、AlN結晶粒子数が多いも
のを比較例2とした。
比較例2のAlN焼結体から、長さ50mm×幅3mm
×高さ4mmの試験片を作製して、熱伝導率および3点
曲げ強度を測定した。
測定した。また、3点曲げ強度は、JIS−1601に
準じた方法によりインストロンにて室温強度を求めた。
その結果を表1に示す。
のAlN焼結体は、いずれも熱伝導率は200W/m・
K以上であり、3点曲げ強度は300MPa以上であっ
た。これに対し、比較例1では、240W/m・Kの高
い熱伝導率を示したが3点曲げ強度は221MPaと低
い値を示していた。これは、直線距離50μm中に存在
するAlN結晶粒子数の少ないためにAlN結晶粒子の
粒径が大となり熱伝導率が向上し、その一方で、焼結助
剤により形成される粒界相の存在割合が低いため、Al
N焼結体の強度低下が生じたものであると考えられる。
また、比較例2では、3点曲げ強度は高いが、熱伝導率
は175W/m・Kと低下していた。これは、直線距離
50μm中に存在するAlN結晶粒子数の多いためAl
N結晶粒子の粒径が小さくなり、AlN焼結体が緻密化
され高い強度が得られたが、AlN結晶粒子の粒径が小
さく、かつ、焼結助剤からなる粒界相の存在により格子
振動の効率が低下したものであると考えられる。
距離50μmに含まれるAlN結晶粒子の数を15〜3
0個の範囲とすることで、AlN焼結体の結晶粒子径と
AlN焼結体中に含まれる粒界相の存在割合を制御する
ことにより、熱伝導率が200W/m・K以上の優れた
放熱性を有し、かつ高強度のAlN焼結体を得られる。
製し、このAlN基板上に金属回路部を形成し、接合強
度および耐熱サイクル特性を調査した。
6 平均粒径0.7μm以下(標準偏差2μm以下)のAl
N粉末95質量%に、平均粒径0.9μm以下の酸化イ
ットリウム(Y2O3)粉末を4質量%添加して複数の
原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕および混合を行
った。この原料粉末に有機バインダおよび有機溶剤(エ
タノール)を添加した後、混合してスラリー化した。こ
のスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形
し、AlNグリーンシートを多数作製した。
不活性雰囲気中、1700〜1800℃で2〜5時間常
圧焼成を行い、横50mm×縦50mm×厚さ0.63
5mmのAlN基板を複数作製した。
00倍に拡大して、直線距離50μmに含まれるAlN
結晶粒子の数を測定した。直線距離50μmに含まれる
AlN結晶粒子の数が15〜30個の範囲にあるものを
実施例5〜実施例8、AlN結晶粒子数が多いものを比
較例3とした。
点曲げ強度を測定したところ、いずれも200W/m・
K以上の高熱伝導性を示し、実施例5〜実施例8では、
3点曲げ強度がいずれも300MPa以上であった。
各AlN基板に対してラップ研磨加工を施し、表面粗さ
Raを0.01μm以下とした。そして、ラップ研磨加
工後に生じたAlN基板の研磨面の単位面積あたりにお
ける脱粒痕の数を測定した。
た。まず、AlN基板を研磨した研磨面における単位面
積50μm×50μmを任意の3ヶ所選びその中に存在
する最大径5μm以上の脱粒痕の数を測定した。次に、
この任意の3ヵ所において、単位面積あたりの脱粒痕の
数を測定した。そして脱粒痕の数の平均を算出して、そ
の結果を脱粒痕の数として表2に示した。また、脱粒痕
の数を測定する際に、最大径5μm以上の脱粒痕のうち
最も大きな脱粒痕のサイズを測定し、表2に示した。
のAlN基板を研磨加工して表面粗さRaを0.01μ
m以下としても、最大径5μm以上の大きな脱粒痕は5
個以下であり、各脱粒痕の最大サイズを10μm以下に
抑えることができた。
較例3の各AlN基板上に金属回路部を形成して、実施
例9〜実施例16、比較例4〜比較例7の各種AlN回
路基板を作製した。
N基板を用いたものである。
用い、具体的には、AlN基板の両面にCu板を配し、
窒素ガス雰囲気下、1080℃で30分加熱してAlN
回路基板を得た。
による活性金属法を用い、質量比(重量比と同様)で、
Ag:Cu:In:Ti=61.9:24.1:10:
4の活性金属ろう材ペースト(厚さ20μm)をAlN
基板上にスクリーン印刷して、乾燥後のぺースト上にC
u板を載置し、1×10−4Torr以下の真空中で7
60℃で20分接合した。
ろう材接合法として、Siを8質量%含有したAl−S
iろう材(厚さ20μm)を介して銅板を積層し、1×
10 −4Torr以下の真空中で650℃で20分接合
することにより、AlN基板の両面にCu板を形成して
AlN回路基板を作製した。
m×縦40mm×厚さ0.3mmを2枚(間隔2mm)
と統一し、裏側のCu板のサイズは、横45mm×縦4
5mm×厚さ0.2mmと統一した。
lN基板上にAlN基板側からTi薄膜(厚さ100m
m)/Pt薄膜(厚さ200mm)/Au薄膜(厚さ5
00mm)の3層薄膜を形成した。
例7のAlN基板を用い、比較例4〜比較例7では比較
例3のAlN基板を用い、それぞれ表3に示す接合法を
用いてAlN回路基板を作製した。
較例4〜比較例7の各AlN回路基板に対して、ピール
強度を測定し、耐熱サイクル特性を評価した。
た。なお、ピール強度の測定として、直接接合法、活性
金属接合法、ろう材接合法により銅板を接合したもの
は、この銅板の接合強度を測定した。スパッタ法により
金属回路部を形成したものについては、前記3層薄膜上
にNiメッキ(厚さ2μm)を設け、その上にBAg−
8ろう材により銅板を接合し、ピール強度を測定した。
て評価した。具体的には、AlN回路基板に対して昇温
・冷却の熱サイクルを100回繰り返し、100サイク
ル後にAlN回路基板の金属回路板を溶解除去して、A
lN基板上のクラック量を測定し指数ηで評価した。指
数ηが100%であると、AlN基板上のクラックがな
く、指数ηが0%であると、AlN基板の全面にクラッ
クが発生していることを示す。なお、1サイクルは、−
40℃×30分→RT×10分→125℃×30分→R
T×10分とした。また、スパッタ法により金属回路部
を設けたものについては、前記3層薄膜の状態でTCT
試験を行った。
6のAlN回路基板は、ピール強度および耐熱サイクル
特性がいずれも優れていた。これに対し比較例4〜比較
例7のAlN回路基板は、ピール強度および耐熱サイク
ル特性のいずれも実施例と比較して劣っていた。この理
由は、AlN基板上の研磨面に存在する脱粒痕の数が多
くかつ脱粒痕自体が大きいために、AlN基板と金属回
路部との接合不良が生じ、接合強度と耐熱サイクル特性
が劣化したものと考えられる。
た際に、研磨面における脱粒痕の数を低減できるため、
AlN基板と金属回路部との接合不良を防止して接合強
度を向上させることができる。また、AlN基板と金属
回路部との接合強度を向上させることにより、耐熱サイ
クル特性の向上を図ることができる。
作製して、熱抵抗を測定した。
以下)のAlN粉末95質量%に、平均粒径0.9μm
以下の酸化イットリウム(Y2O3)粉末を5質量%添
加して複数の原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕お
よび混合を行った。この原料粉末に有機バインダおよび
有機溶剤(エタノール)を添加した後、混合してスラリ
ー化した。このスラリーをドクターブレード法によりシ
ート状に成形し、AlNグリーンシートを多数作製し
た。
不活性雰囲気中、1700〜1800℃で2〜5時間常
圧焼成を行い、横50mm×縦50mmとし、厚さをそ
れぞれ表4に示す厚さとしたAlN基板を作製した。こ
れらのAlN焼結体を実施例17〜実施例23とした。
これらの各AlN焼結体の熱伝導率をレーザーフラッシ
ュ法により測定したところ、いずれも200W/m・K
以上であった。
施形態に示す実施例5および実施例7のAlN基板を用
いたものである。
O3焼結体から形成されるAl2O 3基板を用いたもの
であり、比較例12〜比較例15は、Si3N4焼結体
から形成されるSi3N4基板を用いたものである。
8〜比較例10〜比較例15の各AlN基板上にCu板
(横4mm×縦2mm×厚さ0.3mm)を48枚(間
隔1.5mm)接合して、熱電モジュール用AlN回路
基板を作製した。なお、接合方法は、第2実施形態に示
す方法と同様とした。この熱電モジュール用AlN回路
基板の上面図を図1に示す。
個のCu板2が接合されている。
熱電素子をそれぞれはんだ付けし、その後、熱電素子を
接合した面と、これと反対側の面との間の熱抵抗を過渡
熱抵抗測定試験により測定した。その結果を表4に示
す。
31では、いずれも熱抵抗が0.10℃/W以下と低い
値となっており、放熱性が優れていることが判明した。
一方、Al2O3焼結体から形成されるAl2O3基
板、Si3N4焼結体から形成されるSi3N4基板
は、いずれも基板厚を0.320mmと薄くしたにもか
かわらず熱抵抗は0.10を超えており、放熱性が低下
していた。
/m・K以上としたAlN基板を熱電モジュール用回路
基板に適用することで、放熱性を格段に向上することが
でき、その結果、熱電モジュールの小型化を図ることが
できる。
大きくした場合であっても放熱性を得られることから、
絶縁耐圧の点からも大きなパワーをかけることが可能と
なる。
結体によれば、放熱特性および強度特性の両特性を満足
し、このAlN焼結体をAlN基板とすることにより、
研磨性を向上させ、これにより接合強度および耐熱サイ
クル特性を改善でき、高信頼性のAlN回路基板を得る
ことができる。
ール用基板を示す上面図。
Claims (10)
- 【請求項1】 直線距離50μmに含まれるAlN結晶
粒子の数が15〜30個であり、熱伝導率が200W/
m・K以上であることを特徴とするAlN焼結体。 - 【請求項2】 請求項1記載のAlN焼結体において、
表面粗さRaが0.01μm以下であり、その表面にお
ける単位面積50μm×50μmあたりに含まれる最大
径5μm以上の脱粒痕が5個以下であることを特徴とす
るAlN焼結体。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のAlN焼結体に
おいて、最大表面粗さRmaxが0.03μm以下であ
ることを特徴とするAlN焼結体。 - 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
AlN焼結体において、3点曲げ強度が300MPa以
上であることを特徴とするAlN焼結体。 - 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
AlN焼結体によりAlN基板を構成し、このAlN基
板の少なくとも一方の面に金属回路部を形成したことを
特徴とするAlN回路基板。 - 【請求項6】 請求項5記載のAlN回路基板におい
て、金属回路部がAlN基板に直接接合,活性金属接
合,Al系ろう材接合のいずれかにより接合された金属
回路板であることを特徴とするAlN回路基板。 - 【請求項7】 請求項5記載のAlN回路基板におい
て、金属回路部がAlN基板にスパッタ法により形成さ
れた金属回路薄膜であることを特徴とするAlN回路基
板。 - 【請求項8】 請求項5から7までのいずれかに記載の
AlN回路基板において、ピール強度が5kN/m以上
であることを特徴とするAlN回路基板。 - 【請求項9】 熱伝導率が200W/m・K以上である
AlN焼結体によりAlN基板を構成し、このAlN基
板の少なくとも一方の面に金属回路部を形成し、この金
属回路部が熱電素子に接続するためのものであることを
特徴とする熱電モジュール用AlN回路基板。 - 【請求項10】 請求項5記載のAlN回路基板を熱電
モジュール用の回路基板としたことを特徴とする熱電モ
ジュール用AlN回路基板。
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