JP6124103B2 - 窒化珪素回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Bonded Copper)あるいは活性金属ろう付け法(AMB:Active MetAl Bonding)等で行われる。前者は、予め銅又は銅合金板あるいは窒化珪素基板を熱処理することで、表面部に酸化膜を形成させ、続いてCu−Oの融点近傍にて加圧圧着する接合方法である。また、後者では、金属回路板を形成する金属箔又は金属板を窒化珪素基板の表面にろう材相を介して不活性ガス又は真空雰囲気中で加熱圧着接合する方法である。この接合の際に用いるろう材は、金属回路板の種類により異なり、アルミ又はアルミ合金の場合は、Al−Si系およびこれに防錆効果のあるGeまたは低融点化剤のMgを微量添加したAl−Si−Ge系またはAl−Si−Mg系のろう材金属が用いられる。また、金属回路板が無酸素銅または銅合金の場合には、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等の活性金属とともに低融点合金を作る銀(Ag)、銅(Cu)等の金属を混合したもの、又はこれらの合金をろう材として用いる。
これまで、アルミ又はアルミ合金を用いた窒化珪素回路基板およびその製造方法については、用いるろう材組成、ろう材ペースト種、合金粉末粒子径、接合温度など数多くの検討がなされている。
そこで、本発明者らが、接合強度試験と冷熱サイクル試験において、セラミック基板と金属回路板の間で剥離した試料について、鋭意調査を行った結果、剥離はセラミック基板とろう材との接合部分で発生している場合が多いことを突き止めた。
前記反応生成層が、Al−Mg−Si系組成からなると好ましく、さらに前記反応生成層がMgおよびSiの生成比が異なる2層により構成されると好ましい。
前記反応生成層が、窒化珪素基板側にMgリッチ層、Al−Si系ろう材側にSiリッチ層のMgおよびSiの生成比が異なる2層により構成されると好ましい。
ろう付け前の窒化珪素基板の表面部の最大表面粗さが、3μm<Rmax<20μmであると好ましい。
また、本発明の窒化珪素回路基板の製造方法は、マグネシウムを酸化マグネシウム(MgO)に換算して0.6〜7.0wt%、周期律表第3a族元素(3A)を酸化物(3AxOy)に換算して、酸化マグネシウムとの合計量が0.7〜8.0wt%、MgO/3AxOyで表される重量比が1〜70の割合で含有する窒化珪素基板とAl又はAl合金からなる金属回路板とを7wt%〜20wt%のSiを含み、Mgの含有量が0.05wt%以下のAl−Si系ろう材を介して接合する窒化珪素回路基板の製造方法において、焼成した窒化珪素基板に、900℃〜1,200℃の大気雰囲気中で熱処理を行った後、前記ろう材を介して450℃〜650℃で金属回路板と接合することを特徴とする。
前記焼成した窒化珪素基板の表面にブラスト処理を行った後に、前記熱処理を行うと好ましい。
前記ブラスト処理後の窒化珪素基板の表面粗さが、3μm<Rmax<20μmであると好ましい。
本発明に係る窒化珪素回路基板は、図1に示すように窒化珪素基板1の両面にAl又はAl合金からなる金属回路板3を、Si−Al系ろう材2により接合したものである。
シリコン系合金(Al−Si)、アルミニウム−マグネシウム系合金(Al−Mg)、アルミニウム−銅−シリコン系合金(Al−Cu−Si)またはアルミニウム−マグネシウム−シリコン系合金(Al−Mg−Si)などを使用することができる。高い放熱性が要求されるパワー半導体モジュール用の金属回路板は、純度が99.9%以上のAlがこれに適している。また、パワー半導体素子の発熱密度の増大に伴い、更なる高熱伝導性を有する金属回路板が必要となり、金属回路板が厚肉化の傾向にあるため、厚さ0.4mm以上のAl又はAl合金板を用いると好ましい。好ましいAl又はAl合金板の厚さは0.4mm〜2.0mmである。さらに好ましい厚さは、0.5mm〜1.2mmである。
酸化マグネシウムの含有量が0.6wt%よりも少ないと焼結時の緻密化作用が不十分となり相対密度が95%未満となる場合があり、ミクロポアが生じるために、強度、熱伝導が低くなる場合があり、好ましくない。また、ろう材接合時に必要とされるMgの量が少なくなり、本願発明の特徴である反応生成層が形成されないために、接合強度が低くなる場合がある。合計量が7.0wt%よりも多いと窒化珪素質焼結体の第2のミクロ組織成分である熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり焼結体の熱伝導率が低くなる恐れがある。また、Mgの量が多いと反応生成層の厚さが厚くなりすぎ、逆に接合強度が低下する場合がある。より好ましい範囲は、1wt%〜5wt%である。
周期律表第3a族元素(3A)を酸化物(3AxOy)に換算して、酸化マグネシウムとの合計量が0.7〜8.0wt%の割合で含有することから焼結性を維持し、かつ熱伝導を阻害しない量の液相生成を確保することで高強度かつ高靭性という高い機械特性ならびに高熱伝導性を有する窒化珪素基板とすることができる。その合計量が0.7wt%よりも少ないと焼結時の緻密化作用が不十分となり相対密度が95%未満となる場合があり、ミクロポアが生じるために、強度、熱伝導が低くなる場合があり、好ましくない。合計量が8.0wt%よりも多いと窒化珪素質焼結体の第2のミクロ組織成分である熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり焼結体の熱伝導率が低くなる恐れがある。より好ましい範囲は、1wt%〜5wt%である。
本発明に係る反応生成層は、少なくとも2層からなる厚さ10nm〜500nmの反応生成層からなる。前記反応生成層は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において二次電子の放射率が他の部分と異なることからコントラストが異なり、容易に識別することが出来る。反応生成層の厚さが10nmよりも薄い場合には、Al−Si系ろう材と窒化珪素基板間の接合に寄与する効果が少なくなり金属回路板と窒化珪素基板の接合強度が低下し、ひいては冷熱サイクル性が低下するといった不具合が生じる。また、反応生成層の厚さが500nmよりも厚い場合には、当該反応層自身は脆性層であるため、過度に厚くなると反応生成層の強度低下が生じ接合強度が低下し、ひいては冷熱サイクル性が低下するといった不具合が生じる。その反応生成層は例えばAl−Mg−Si系組成からなり、Mg及びSiの生成比の異なる2層から構成されている。前記反応生成層は、窒化珪素基板側にMgリッチ層、Al−Si系ろう材側にSiリッチ層のMgおよびSiの生成比が異なる少なくとも2層からなると好ましい。反応生成層の組成については、透過型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型分析装置(TEM−EDX)などにより確認することが出来る。
従来、引用文献4に記載されているようにセラミック基板に隣接して、MgとOを含む層を介して接合することにより、接合強度が高くなることは知られていた。そのためにMg入りのろう材を用い、セラミック基板の表面にわずかに存在する酸化層とろう材中のMgを反応させて、反応生成層を形成していた。そこで、本発明者らはさらなる接合強度を得るために、セラミック基板とろう材との界面について鋭意検討を行った結果、従来の製造方法の場合にはろう材全体に多量のMgを分散させているために、接合強度が低下する場合があることを見出した。これはろう材中のMgはろう材の融点を下げるために添加されるが、Mgはろう材の全体に高い濃度で分散しており、ろう付けのための昇温過程において、形成されたAl−Mg−Si系溶融金属中でMg成分とSi成分が容易に反応して、MgSi2の偏析が生じる。このMgSi2は脆性相であるため、セラミック基板とろう材界面における接合強度が低下する場合があるためである。
また、例えば窒化珪素基板側にMgリッチ層、Al−Si系ろう材側にSiリッチ層のMgおよびSiの生成比が異なる少なくとも2層からなる反応生成層によりさらに接合強度が向上されることを見出した。
接合強度が向上する理由については、Si、Mgの酸化層をろう材と接合する部分、すなわち窒化珪素基板表面上に存在するために、表面からろう材側に向かいMgの割合が段階的に減少するような生成比の異なる複数の層を構成となることにより、反応生成層内部において熱膨張のミスマッチなどを著しく軽減することができ、これによりろう材と窒化珪素基板界面において安定な接合強度が得られるものと思われる。本発明のAl−Si系ろう材中に含まれるMgの量は0.05wt%以下とする。さらに好ましいMgの含有量は0.03wt%以下である。
例えば、平均粒子径が0.2〜4μmのα型窒化珪素粉末99〜50重量部と、所望の組成となるようにマグネシウム(Mg)と、周期律表第3a族元素(3A)のイットリウム(Y)及び希土類元素(RE)からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とを含む焼結助剤と有機バインダー、可塑剤、溶剤等を混入しボールミル等で均一に混合する。混合した原料スラリーを脱泡・増粘した後、これをドクターブレード法で所定板厚にシート成形して成形体を得る。このシート成形の際、スラリーは例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムより成る厚み188μmの搬送用キャリヤフィルム上で搬送され、その後所定板厚に成形するため、ドクターブレードとの間の空隙により所定の厚みに仕上げられる。さらに乾燥室に搬送され、所定の温度に設定された乾燥室内を通過することにより、溶剤を蒸発させ成形体とする。
焼成時間は、2時間よりも短いと焼結が進行せず低密度の焼結体となり、窒化珪素の強度ならびに熱伝導率が低下する。また、10時間よりも長いと焼結過程で窒化珪素粒子の異常粒成長が起こり、窒化珪基板自体の強度低下を招くといった不具合が生じる。より好ましい焼成時間は4時間〜8時間である。
ブラスト処理には、コンプレッサーエアーで酸化アルミニウム(アルミナ)(Al2O3)等の研磨材を被研磨品に吹き付ける乾式ブラスト処理やコンプレッサーエアーで研磨材と溶液の混合物を被研磨品に吹き付ける湿式ブラスト処理がある。ブラスト処理は、粒径20〜250μmの研磨剤が添加された溶液を0.1〜0.5MPaの吹き付け圧力で1〜10分間、セラミック基板の表面に吹き付けると良い。
この熱処理が900℃よりも低い場合には、Mg、Siの酸化膜の形成が十分ではなく、窒化珪素基板とろう材の接合強度を増加するためのAl−Mg−Si系からなる少なくとも2層の反応生成層を形成することが出来ない場合がある。
一方、1,200℃を超える場合、Mg、Siの酸化膜の形成は促進されるものの窒化珪素基板中の粒界ガラス相の融点に近づくため、窒化珪素基板自身が変形しやすくなり、反りやうねりが生じる可能性が高くなり、基板として使用出来なくなる場合がある。
また、5時間超の場合には、Mg、Siの酸化膜の形成は促進されるものの、基板表面にMg成分が濃縮した偏析相が形成され、これにより、基板表面でMg成分が異なる部分ができ、窒化珪素基板とろう材の接合強度を増加するために、Mg成分が低くなった領域における窒化珪素基板とろう材界面において、Al−Mg−Si系からなる少なくとも2層の反応生成層を形成することが出来ない場合がある。また、Mg成分の濃縮は、基板外観上のムラとなって確認される。
したがって、熱処理時間については、0.5時間〜5時間が好ましい。さらに、1時間〜4時間での熱処理が望ましい。
ろう材量の低減とエッチング工程の簡略化を意図する場合に、所定の回路パターン形状にろう材粉末を用いたペーストを窒化珪素基板上にスクリーン印刷する。スクリーン印刷後のろう材厚さの範囲を5μm〜100μmに調整するとよい。ろう材厚さが、5μmよりも薄い場合は、接合に寄与するろう材量が枯渇して、金属回路板/窒化珪素基板界面にボイドが散在し、接合強度が低下して耐冷熱サイクル性が著しく減少する。また、100μmよりも厚い場合は、接合に寄与するろう材量は潤沢にあり、これにより良好な金属回路板/窒化珪素基板の接合強度が得られる反面、セラミックス基板との接合に必要な量以上に余剰のろう材があるため、このろう材は、金属回路板の側面、さらには金属回路板表面に廻り込んでしまい、表面がAl−Si合金化するため、特に純Alを回路基板として用いる場合には、純Alと異なる収縮挙動をするために金属回路板が変形する不具合が生じる。このため、ろう材厚さの範囲を5μm〜100μmとすることが望ましい。さらに望ましいろう材厚さの範囲は5μm〜30μmである。
窒化珪素基板の両面にろう材を塗布し、さらにろう材の上にAl又はAl合金からなる金属回路板を配置し、接合温度を450℃以上、650℃以下の範囲において加圧しながら接合する。接合温度が450℃より低い場合は、ろう材の溶融が不十分であり、接合に寄与するろう材量が不足して良好な接合状態が得られない。また、650℃を超える場合は、金属回路板の融点の660℃近傍となるため、ろう材との反応とともに金属回路板自身が軟化して変形する不具合が生じる。また、余剰のろう材分が金属回路板表面に廻り込みも頻発する。
次に、ろう付け時の時間は、接合温度での保持時間を0.5時間以上、7時間以下の範囲とする。保持時間が、0.5時間未満では、窒化珪素基板と金属回路板の接合強度向上に必要な少なくとも2層からなる反応生成層が不十分であり、良好な接合強度を得ることができない。また、7時間超の場合には、金属回路板の再結晶が促進され、軟化が進み金属回路板の形状が変形する不具合が生じる場合がある。
このため、接合温度での保持時間は0.5時間以上、7時間以下の範囲が好ましい。さらに、2時間以上5時間以下が望ましい。
さらに必要に応じて回路パターン形成後の金属回路板及び金属放熱板にNi−Pメッキを施し、セラミックス回路基板が作製される。なお、用いるはんだ材などを適宜選定することにより、このめっき処理を施さない実装形態も可能であり、この場合には、回路パターン形成後に化学研磨を行い、ベンゾトリアゾール等などの防錆剤を塗布する。また、選択するはんだ材種に応じて、ロジンなどの濡れ性向上成分を含有した防錆剤を用いてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
R1606に準拠して測定を行った。表面粗さは、表面粗さ測定機(東京精密製 SAFCOM 130A)にて、評価長さ12.5mm、評価速度:0.3mm/sec、カットオフ値:0.8mmにて粗さ曲線の最大高さ(Rz)を求めた。
また、窒化珪素基板表面の外観ムラについては、2倍の拡大鏡を用いて、マトリックの色調と異なる0.2mm以上の色調変色部が、10mm四方辺りに1個よりも少ない場合を○として、1個以上ある場合を×として表1、表2中に記した。
さらに、その両面に縦40mm×横20mm×厚さ0.5mmの純度99.9%のAl板を配置し、真空炉中において、1に示す接合温度と、ろう付け時間4時間で窒化珪素基板とAl板をろう付けし接合体を得た。
また、ピール試験用の試験片として、金属回路板の一端部を窒化珪素基板の側面に対し10mm突出するようにするとともに、接合面積を5mm×5mmとした試験片を作成した。
No.1〜6,は、窒化珪素基板中のMgO量を変更した場合の、No.9〜14は、窒化珪素基板中のY2O3量を変更した場合の、No.15〜22は、3A酸化物をLa2O3、CeO2、Nd2O3、Dy2O3、Gd2O3、Er2O3,Yb2O3,Lu2O3に変更した場合の、No.23〜27は、MgO+Y2O3量およびMgO/Y2O3量比を変更することにより、Al−Mg−SiおよびAl−Si−Mg界面反応層の生成とその厚さを制御した結果である。
また、No.28〜33は、用いるAl−Si系ろう材に含有するSi量を変更した場合の、No.34〜40は、ろう材に含有するMg量とろう材の厚さを変更させたものである。
また、No.41〜44は、ろう付け前の熱処理条件を変更した場合の、No45〜49は、ろう付け温度を変更させたものである。
さらに、No.50〜55は、サンドブラスト条件により窒化珪素基板の表面粗さを変更した場合のものである。
金属回路板は、上記実施例と同様に用い、表2に示す試料No.81〜99においては、MgO+3AxOyの合計量およびMgO/3AxOy比、ろう材組成および厚さ、ろう付け前熱処理およびろう付け温度、基板表面粗さを変更した。
No.92は、ろう付け前熱処理温度が1250℃と高いために、ろう材表面のMgSi2が濃化し、反応生成層の厚さが580μmとなり、これにより接合界面強度が低下し、ピール強度および耐ヒートサイクル性が劣化する不具合が生じた。
2.ろう材
3.金属板
Claims (12)
- マグネシウムを酸化マグネシウム(MgO)に換算して0.6〜7.0wt%、周期律表第3a族元素(3A)を酸化物(3AxOy)に換算して、酸化マグネシウムとの合計量が0.7〜8.0wt%、MgO/3AxOyで表される重量比が1〜70の割合で含有する窒化珪素基板と、Al又はAl合金からなる金属回路板とを、7wt%〜20wt%のSiを含み、Mgの含有量が0.05wt%以下のAl−Si系ろう材を介して接合した窒化珪素回路基板において、前記窒化珪素基板と前記ろう材との接合界面に2層からなる厚さ10nm〜500nmの反応生成層が形成されていることを特徴とする窒化珪素回路基板。
- 前記反応生成層は、厚さが24nm〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素回路基板。
- 前記窒化珪素基板は、マグネシウムを酸化マグネシウム(MgO)に換算して2〜7.0wt%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化珪素回路基板。
- 前記反応生成層が、Al−Mg−Si系組成からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の窒化珪素回路基板。
- 前記反応生成層がMgおよびSiの生成比が異なる2層により構成されることを特徴とする請求項4に記載の窒化珪素回路基板。
- 前記反応生成層が、前記窒化珪素基板側にMgリッチ層、前記ろう材側にSiリッチ層のMgおよびSiの生成比が異なる2層により構成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化珪素回路基板。
- ろう付け前の窒化珪素基板の表面部の最大表面粗さが、3μm<Rz<20μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の窒化珪素回路基板。
- マグネシウムを酸化マグネシウム(MgO)に換算して0.6〜7.0wt%、周期律表第3a族元素(3A)を酸化物(3AxOy)に換算して、酸化マグネシウムとの合計量が0.7〜8.0wt%、MgO/3AxOyで表される重量比が1〜70の割合で含有する窒化珪素基板とAl又はAl合金からなる金属回路板とを7wt%〜20wt%のSiを含み、Mgの含有量が0.05wt%以下のAl−Si系ろう材を介して接合する窒化珪素回路基板の製造方法において、焼成した窒化珪素基板に、900℃〜1,200℃の大気雰囲気中で熱処理を行った後、前記ろう材を介して450℃〜650℃で金属回路板と接合することを特徴とする窒化珪素回路基板の製造方法。
- 焼成した窒化珪素基板に大気雰囲気中で熱処理を行う際に、温度範囲を900℃〜1,100℃とすることを特徴とする請求項8に記載の窒化珪素回路基板の製造方法。
- 焼成して熱処理を行った窒化珪素基板に前記ろう材を介して金属回路板を接合する際に、温度範囲を500℃〜650℃とすることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の窒化珪素回路基板の製造方法。
- 前記焼成した窒化珪素基板の表面にブラスト処理を行った後に、前記熱処理を行うことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の窒化珪素回路基板の製造方法。
- 前記ブラスト処理後の窒化珪素基板の最大表面粗さが、3μm<Rz<20μmであることを特徴とする請求項11に記載の窒化珪素回路基板の製造方法。
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