JP2003192442A - 窒化アルミニウム基板、薄膜付き窒化アルミニウム基板およびこれからなるレーザー発光素子用サブマウント材 - Google Patents

窒化アルミニウム基板、薄膜付き窒化アルミニウム基板およびこれからなるレーザー発光素子用サブマウント材

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JP2003192442A JP2001394867A JP2001394867A JP2003192442A JP 2003192442 A JP2003192442 A JP 2003192442A JP 2001394867 A JP2001394867 A JP 2001394867A JP 2001394867 A JP2001394867 A JP 2001394867A JP 2003192442 A JP2003192442 A JP 2003192442A
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nitride substrate
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Mitsuhiro Okamoto
本 光 弘 岡
Keiichi Yano
野 圭 一 矢
Takao Shirai
井 隆 雄 白
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶粒子脱落が防止されたバイアホールを有
する窒化アルミニウム基板および接続信頼性が高い薄膜
付きの前記気窒化アルミニウム基板の提供。 【解決手段】 バイアホールを有する窒化アルミニウム
基板であって、このバイアホールにはタングステンまた
はモリブデンを主成分とする導電部を具備すると共に、
窒化アルミニウム結晶粒子が前記基板における直線距離
50μmの直線上に15〜30個存在することを特徴と
する窒化アルミニウム基板、前記の窒化アルミニウム基
板の片面あるいは両面に導電性薄膜が形成されてなるこ
とを特徴とする、薄膜付き窒化アルミニウム基板、およ
び。前記の薄膜付き窒化アルミニウム基板からなること
を特徴とするレーザー発光素子用サブマウント材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイアホールを有
する窒化アルミニウム(AlN)基板に関するものであ
る。さらに詳細には、本発明は、バイアホールによって
基板の表裏面間を導通させた窒化アルミニウム基板に関
するものであって、窒化アルミニウムの結晶組織を制御
することにより窒化アルミニウム結晶の脱粒を低減さ
せ、信頼性を大幅に向上させた窒化アルミニウム基板、
この基板の表面に導電性金属薄膜が形成されてなる薄膜
付き窒化アルミニウム基板、およびこの薄膜付き窒化ア
ルミニウム基板からなるレーザー発光素子用サブマウン
ト材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、CDやDVDなどの読み出し用
途などに多用されている半導体レーザー発光素子は、レ
ーザーダイオードが窒化アルミニウム等の熱伝導性が高
い基板からなるサブマウント材に接合されている構造を
している。この基板の片面(表面)にはレーザーダイオ
ードが実装され、もう片面(裏面)は素子パッケージの
放熱ベースに接合されてレーザーダイオード素子の熱を
外部に放熱できるようになっている。そして、サブマウ
ント材である窒化アルミニウム基板の表・裏面には金属
薄膜が例えばスパッタ法などで形成され、この薄膜を介
してレーザーダイオード素子からの電気信号の伝達がな
されるように構成されている。このようなレーザーダイ
オード素子パッケージでは、レーザーダイオード素子へ
の配線は一般的にワイヤボンディング法が採用されてい
る。
【0003】ワイヤボンディング法は、製造が容易であ
り、目的のところにワイヤによる配線接続ができること
から汎用性があるものの、ワイヤであるが故に断線の不
安は常に付きまとうのも事実である。また、ワイヤを設
ける構造であると、そのワイヤを設ける分だけスペース
が必要となり、必ずしも小型化の要求に応えているとは
言えなかった。
【0004】一方、サブマウント材の所定位置に導体金
属を充填したバイアホールを設ける構造とすることによ
り、ワイヤボンディング工程の省略と省スペース化を図
ることが試みられている。この場合、サブマウント材表
面の導体薄膜層とバイアホール金属との間の接続信頼性
が重要となることは言うまでもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化ア
ルミニウム基板は、表面研削・研磨工程において結晶粒
子単位で粒子が脱落剥離する脱粒現象が起こりやすいも
のであって、この脱粒によってバイアホール金属の接続
信頼性が低下しがちであった。特に高熱伝導性の窒化ア
ルミニウム焼結体は熱伝導率を高めるために高温で焼成
されて製造されるのが普通であることから、この際に結
晶粒子が大きく成長しやすい傾向がある。そのため、研
磨工程において脱粒が生じた場合、脱粒痕が大きな穴と
なって表面の平坦性が悪化しやすい。脱粒を防ぐために
研磨における仕上げ工程を長時間かけることは、サブマ
ウント材のコスト高につながる。
【0006】また、脱粒の存在する面に薄膜層を形成す
ると、サブマウント材が高温にさらされた際に脱粒付近
を起点にフクレが発生しやすく、素子の信頼性を著しく
損なってしまう場合がある。特にバイアホールにより表
裏間に導通をとる構造の場合、バイアホール近傍におけ
る薄膜フクレは、最悪の場合導通不良となるので、バイ
アホールを有する窒化アルミニウムサブマウント材の場
合、研磨後の表面の脱粒は極力小さくかつ数を少なくす
ることが必要である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化アルミニ
ウム焼結体の結晶組織を制御することにより、窒化アル
ミニウムの結晶脱粒が低減された、信頼性が大幅に向上
された窒化アルミニウム基板を提供するものである。
【0008】したがって、本発明による窒化アルミニウ
ム基板は、バイアホールを有する窒化アルミニウム基板
であって、このバイアホールにはタングステンまたはモ
リブデンを主成分とする導電部を具備すると共に、窒化
アルミニウム結晶粒子が前記基板における直線距離50
μmの直線上に15〜30個存在すること、を特徴とす
るものである。
【0009】また、本発明による薄膜付き窒化アルミニ
ウム基板は、上記の窒化アルミニウム基板の片面あるい
は両面に金属薄膜層が形成されてなること、を特徴とす
るものである。
【0010】また、本発明によるレーザー発光素子用サ
ブマウント材は、上記の薄膜付き窒化アルミニウム基板
からなること、を特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による窒化アルミニウム基
板は、バイアホールを有するものであって、このバイア
ホールにはタングステンまたはモリブデンを主成分とす
る導電部を具備するものである。このような本発明によ
る窒化アルミニウム基板は、窒化アルミニウム基板の上
下面(あるいは表裏面)の表面に露出しているバイアホ
ール部分間において導電性が確保されているものであ
る。
【0012】この窒化アルミニウム基板の片面(あるい
は両面)に導電性薄膜が形成されかつこの薄膜とバイア
ホール内の前記導電部との導電性が確保されているもの
は、この窒化アルミニウム基板の片方の薄膜と、この窒
化アルミニウム基板の反対面側のバイアホール露出部あ
るいはその露出部上に形成された薄膜との間には導電性
が実現されることになる。
【0013】このような本発明による薄膜付き窒化アル
ミニウム基板の好ましい一具体例は、図1に示される通
りのものである。この図1において、1は窒化アルミニ
ウム板基板であり、2はタングステンまたはモリブデン
を主成分とする焼結体からからなる導電部を具備するバ
イアホールであり、3は導電性薄膜である。
【0014】1の窒化アルミニウム基板(この窒化アル
ミニウム基板は、窒化アルミニウム焼結体からなる)
は、熱伝導率が180W/mK以上と高熱伝導性を示す
ものが好ましい。熱伝導率が上記値未満であると、熱伝
導特性が満足できるレベルになく、基板上に実装された
素子の放熱を十分に行うことが難しくなる。
【0015】そして、本発明による窒化アルミニウム基
板は、窒化アルミニウム結晶粒子が前記基板における直
線距離50μmの直線上に15〜30個存在することを
特徴としている。直線距離50μm中の窒化アルミニウ
ム結晶粒子の数が14個以下では窒化アルミニウム結晶
粒子の粒子サイズが大きすぎるため、高熱伝導性を具備
することはできても強度が低下してしまう。また、粒子
サイズが大きいと(即ち、直線距離50μm中の窒化ア
ルミニウム結晶粒子の数が14個以下)、後述する表面
粗さRa0.05μm以下の鏡面加工を施した際に脱粒
痕が所定数以上かつ所定深さ以上になり易い。一方、直
線距離50μm中の窒化アルミニウム結晶粒子の数が3
1個以上では窒化アルミニウム結晶粒子サイズが小さく
なりすぎて、熱伝導率180W/mK以上を達成し難く
なる。
【0016】窒化アルミニウム焼結体中には、主として
使用された焼結助剤に基づく粒界相が存在する。従来か
ら粒界相を実質的に排除した窒化アルミニウム焼結体あ
るいは最初から焼結助剤を使用しない窒化アルミニウム
焼結体は存在するが、このような焼結助剤を使用しない
窒化アルミニウム焼結体では熱伝導率を180W/mK
以上にできたとしても強度が十分ではなく、必ずしもサ
ブマウント材等の回路基板に適しているとは言えない。
【0017】従って、本発明における窒化アルミニウム
焼結体は、主として焼結助剤成分からなる粒界相を具備
した熱伝導率180W/mK以上を示すものにおいて、
直線距離50μm中に窒化アルミニウム結晶粒子が15
〜30個存在するものである。直線距離50μm中に窒
化アルミニウム結晶粒子が15〜30個存在するという
ことは、窒化アルミニウム結晶粒子サイズが実質的にほ
ぼ均一であることを示すものである。
【0018】なお、直線距離50μm中の窒化アルミニ
ウム結晶粒子数の測定方法に関しては、拡大写真(20
00倍以上)を撮り直線距離50μmに相当する直線
(線径0.5mm)を引き、その直線上に存在するすべ
ての窒化アルミニウム結晶粒子をカウントするものとす
る。このような測定方法の一例としてSEM写真を画像
処理により画像解析を行う方法が有効である。
【0019】また、本発明における窒化アルミニウム焼
結体は、強度その他の観点から焼結助剤を使用したもの
が好ましい。焼結助剤としては、酸化イットリウムや酸
化イッテルビウムなどの希土類化合物、酸化カルシウム
などのアルカリ土類金属化合物など様々なものが使用可
能である。その添加量は、2〜10質量%が好ましく、
さらに好ましくは2〜6質量%である。焼結助剤の添加
量が2質量%未満では添加の効果が十分得られず、緻密
化が難しくて、熱伝導率および強度の向上が十分図れな
い。一方、10質量%を超えて使用すると、粒界相量が
多くなりすぎて高熱伝導化が図り難くなってしまう。
【0020】本発明による窒化アルミニウム焼結体では
タングステンまたはモリブデンを主成分とする高融点金
属からなる導電部が形成されている。窒化アルミニウム
を焼結した後の焼結体中にバイアホールを形成すること
は工程上あるいはその形成作業上の制約があって効率や
コストの点で好ましくない場合があるので、好ましくは
焼結前の窒化アルミニウム材(通常、シート状をしてい
る)の中にバイアホール充填用のタングステンまたはモ
リブデンを主成分とする高融点金属粉末のペーストを予
め埋め込んでおき、必要に応じ乾燥した後、窒化アルミ
ニウム材の焼結の際にこの高融点金属の焼成も同時に行
ってバイアホール導電部の形成を行うことからなる、同
時焼成法を採用することが好ましい。
【0021】好ましい同時焼成法の具体例としては、窒
素ガス等の非酸化性雰囲気中で600〜800℃で脱脂
後、非酸化性雰囲気中1700〜1950℃にて焼成す
る方法が挙げられる。焼成温度が1700℃未満である
と焼成が不十分であるため高融点金属が焼成できないお
それがある。一方、1950℃を超えると窒化アルミニ
ウム結晶粒子が必要以上に粒成長するため本発明の好ま
しい窒化アルミニウム結晶粒子径を得難くなる。また、
同時焼成を行う際は高融点金属ペースト中に窒化アルミ
ニウム粉末を1〜10質量%(高融点金属粉末との合計
で100質量%)添加してもよい。
【0022】薄膜形成のためには、窒化アルミニウム基
板を表面研磨して表面を平坦化する必要がある。表面粗
さ(Ra)は、0.5μm以下、好ましくは0.02〜
0.3μm、である。表面粗さ(Ra)が0.5μm超
過では基板表面の凹凸が大きいことから、その上に導電
性薄膜を設けた場合に薄膜と基板との間に隙間ができ易
いことから薄膜のフクレ等の不具合の原因になり易い。
一方、0.02μm未満にまで鏡面加工を施してもよい
が、必要以上に鏡面加工を施すことは加工費の増大に繋
がることから必ずしも製造性がよいとは言えない。言い
換えると、本発明の窒化アルミニウム基板は表面粗さ
(Ra)が0.02〜0.5μmと適度な鏡面加工であ
っても導電性薄膜との接合強度等がよいものが得られる
ことを示すものである。
【0023】また、従来の熱伝導率180W/mK以上
の窒化アルミニウム基板は結晶粒子サイズが大きいこと
から、鏡面加工を施すと大きな脱粒痕が多くでき易かっ
た。これは結晶粒子サイズが大きいことから一つの窒化
アルミニウム結晶粒子が脱粒するだけで、例えば最大径
7μm以上の大きな脱粒痕ができてしまう。また、結晶
粒子サイズが大きいことから単位面積当たりにおいて結
晶粒子を固定するための粒界相の割合が実質的に少なく
なってしまい脱粒が起き易くなってしまっていた。窒化
アルミニウム基板上にこのような脱粒痕が多いと、薄膜
を形成後の加熱によって、薄膜とバイアホールとの未接
合部を形成し易くなり、信頼性が低下する。また、バイ
アホールとの接合部に電気抵抗のバラツキが生じてしま
い、素子の信頼性させてしまうことになる。
【0024】それに対し、本発明の窒化アルミニウム基
板は、直線距離50μm中に窒化アルミニウム結晶粒子
が15〜30個存在するものであるように実質的に均一
な結晶粒子サイズを有するものである。このような形態
であると、熱伝導率180W/mK以上を保ちつつ、適
度な粒界相量を具備していることから脱粒が起き難く、
仮に脱粒が起きたとしても最大径5μm以上の脱粒痕は
少なくて済むことになる。
【0025】窒化アルミニウム基板の表面に存在する最
大径5μm以上の脱粒痕は、単位面積50μm×50μ
m中に5個以下であることが好ましい。ここで、脱粒痕
の数およびその大きさはSEM等の拡大写真によって判
断することができる。
【0026】バイアホールの大きさ、その数およびその
配置場所は、本発明による窒化アルミニウム基板の具体
的用途、目的等に応じて適宜決定することができる。バ
イアホールの直径は好ましくは0.1〜0.7mmであ
る。バイアホールの直径が0.1mm未満であってもよ
いが、0,1mm未満の場合、前述の同時焼成法を用い
ると焼成時の窒化アルミニウム成形体の収縮によりバイ
アホールの形状が維持しない等の導通不良の原因になり
易い。一方、0.7mmを超えてもよいが導通の信頼性
としてそれ以上の効果が得られない。特に、後述するよ
うに窒化アルミニウム基板の板厚が薄いときに大きなバ
イアホールを形成すると基板の強度低下の原因になる。
【0027】また、窒化アルミニウム基板の厚さも、窒
化アルミニウム基板の具体的用途、目的等に応じて適宜
決定することができる。好ましくは0.1〜1mmであ
り、さらに好ましくは0.2〜0.7mmである。基板
の厚さが0.1mm未満であると基板の強度が弱くな
る。特に本発明の窒化アルミニウム基板はバイアホール
を具備していることからバイアホール周辺は強度が低下
し易いため、あまり基板厚さが薄いのは好ましいとは言
えない。一方、基板厚さが1mmを超えてもよいが、基
板が厚いとバイアホールを設けワイヤボンディングレス
(ワイヤボンディングを行わない)とすることによる省
スペース化の効果が十分ではなくなるので、必ずしも好
ましいとは言えない。
【0028】このような本発明による窒化アルミニウム
基板には、従来の窒化アルミニウムと同様に、基板の片
面あるいは両面に導電性金属薄膜層を形成することがで
きる。
【0029】本発明による窒化アルミニウム基板は、前
記の通りに、窒化アルミニウム結晶粒子が前記基板にお
ける直線距離50μmの直線上に15〜30個存在し、
窒化アルミニウム結晶の脱落が少ないことにより、バイ
アホール導電部と基板上の導電性金属薄膜層との接合が
良好であるので、前記のバイアホール導電部と導電性金
属薄膜層との電気的接続信頼性を高いレベルで実現する
ことができる。導電性金属薄膜の好ましい具体例として
は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、パラジウム
(Pd)、金(Au)等を例示することができ、これら
導電性金属薄膜を積層構造とすることも可能である。こ
の薄膜の厚さは任意であるが、好ましくは3〜70nm
(30〜700オングストローム)である。また、導電
性金属薄膜の積層構造の一例としては、窒化アルミニウ
ム基板側からチタン5〜10nm/ニッケル10〜20
nm/金20〜50nmやチタン5〜10nm/パラジ
ウム10〜20nm/金20〜50nm等が挙げられ
る。
【0030】また、この薄膜の形成方法も、任意であ
り、例えばスパッタリング法、蒸着法等を例示すること
ができる。この薄膜は、窒化アルミニウム基板の片面ま
たは両面に形成することもできるし、窒化アルミニウム
基板の表面の一部に連続または独立したパターンで形成
させ窒化アルミニウム基板表面に電気回路を形成させる
こともできる。
【0031】上記の本発明による窒化アルミニウム基板
および薄膜付き窒化アルミニウム基板は、その優れた電
気的特性および機械的特性を利用して種々の用途に適応
可能なものである。このような本発明による窒化アルミ
ニウム基板および薄膜付き窒化アルミニウム基板は、好
ましくはレーザー発光素子用サブマウント材に利用する
ことができる。
【0032】
【実施例】<実施例1〜4、比較例1〜2>平均粒径
0.8μm以下の窒化アルミニウム粉末を94〜98重
量%、平均粒径0.9μm以下の酸化イットリウム粉末
を2〜6重量%を混合した混合粉末に、有機バインダー
加え、この混合物をドクターブレード法によりシート成
形して、窒化アルミニウムグリーンシートを得た。
【0033】一方、高融点金属ペーストとして、平均粒
径1μm以下のタングステン粉末95質量%と平均粒径
0.8μm以下の窒化アルミニウム粉末5質量%混合
し、有機バインダーを加えて高融点金属ペーストを調整
した。
【0034】次に、前記窒化アルミニウムグリーンシー
トに直径約0.25mmのバイアホールを打抜き加工に
より形成し、その後、前記高融点金属ペーストを充填し
た。
【0035】このグリーンシートを窒素雰囲気中600
〜800℃で脱脂した後、圧力約0.5MPaの窒素雰
囲気中1700〜1850℃×2〜6時間の焼成を行っ
た後、表面粗さRaが0.04μmになるように研磨加
工を施して、表1に示した窒化アルミニウム結晶粒子数
を具備する窒化アルミニウム焼結体(バイアホールを具
備する窒化アルミニウム基板)を得た。
【0036】この窒化アルミニウム焼結体に対して、レ
ーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。なお、
これらの各窒化アルミニウム基板は、縦20mm×横2
0mm×厚さ0.635mmのサイズのものであり、焼
成後、直径約0.2mmのバイアホールが縦10個×横
10個の合計100個を均等に配置されたものである。
【0037】比較のために、窒化アルミニウム結晶粒子
数が少ないものを比較例1、結晶粒子数が多いものを比
較例2として同様の測定を行った。
【0038】なお、直線距離50μm中の窒化アルミニ
ウム結晶粒子の数の測定は単位面積50μm×50μm
を焼結体の表面2ヶ所、断面2ヶ所の合計4ヶ所を測定
しその上限下限を示した。
【0039】
【表1】 表1から分かる通り、本実施例にかかる窒化アルミニウ
ム基板は熱伝導率が180W/m・K以上と高く、かつ
表面研磨を施した際の脱粒痕が少ないことが分かる。
【0040】<実施例5〜9>基板の厚さ、表面粗さ
(Ra)を表2の通りに変えた窒化アルミニウムを用意
し、実施例1と同様の測定を行った。
【0041】なお、いずれの基板も直線距離50μm中
の窒化アルミニウム結晶粒子の数(個)は15〜30
個、熱伝導率180W/m・K以上のものを用意した。
【0042】
【表2】 表2から分かる通り、本実施例にかかる窒化アルミニウ
ム基板は基板の厚さや表面粗さを変えても有効なもので
ある。
【0043】<実施例10〜12>バイアホールの径、
数を表3のように変えたものを用意した。各窒化アルミ
ニウムに対し、同様の調査を行った。なお、いずれの基
板も直線距離50μm中の窒化アルミニウム結晶粒子の
数(個)は15〜30個、熱伝導率180W/m・K以
上のものを用意した。
【0044】
【表3】 表3から分かる通り、本実施例にかかる窒化アルミニウ
ム基板はバイアホールの径を変えても有効である。
【0045】<実施例13〜24、比較例3〜4>実施
例1〜12、比較例1〜2の窒化アルミニウム基板上
に、表4に示した金属薄膜を形成することにより薄膜付
き窒化アルミニウム基板を作製した。なお、各金属薄膜
はスパッタリング法により、すべてのバイアホールを覆
うように基板の裏表面に形成したベタ膜とした。
【0046】各薄膜付き窒化アルミニウム基板に対し、
加熱サイクル特性試験、金属薄膜の接合強度試験、バイ
アホールの導通試験を行った。
【0047】接合強度は、薄膜付き窒化アルミニウム基
板をエポキシ系接着剤により支持台に固定した後、金属
薄膜を覆うようにテープを張りつけテープを剥がした際
に、窒化アルミニウム基板における100個のバイアホ
ールのうち金属薄膜の剥がれによりバイアホールがオー
プンしなかったバイアホールの数によって評価するテー
プテストにより実施した。表中においては(オープンに
ならなかったバイアホールの数/全バイアホールの数)
で示した。なお、テープテストとはスコッチテープ(3
M社製;商標)を用いたスコッチテープ法のことであ
る。
【0048】加熱サイクル特性試験は、ホットプレート
上で380℃×10分加熱した際の金属薄膜のフクレの
有無を確認することにより対応した。また、バイアホー
ルの導通性試験として、各薄膜付き窒化アルミニウム基
板を切断することにより、例えばレーザー発光素子用の
サブマウント材として使用可能なバイアホールを1個具
備する薄膜付き窒化アルミニウム基板を各100個作製
する。その後、前述の加熱サイクル特性試験と同様に3
80℃×10分加熱した後のバイアホールの導通の有無
を測定することにより、バイアホールの導通の信頼性を
確認した。なお、表中では(導通したもの/全測定数)
で表示した。
【0049】
【表4】 表4から分かる通り、本実施例にかかる薄膜付き窒化ア
ルミニウム基板は金属薄膜およびバイアホールの信頼性
が優れていると言える。
【0050】
【発明の効果】本発明による窒化アルミニウム基板およ
び薄膜付き基板は、結晶組織を制御することによって窒
化アルミニウム結晶の脱粒が著しく低減されたものであ
る。従って、バイアホール導電部と薄膜との接続信頼性
が良好であるところから、各種の用途、好ましくはレー
ザー発光素子用サブマウント材に利用することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜付き窒化アルミニウム基板の
好ましい一具体例を示す断面図
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム焼結体 2 タングステンまたはモリブデンを主成分とする焼結
体からからなる導電部を具備するバイアホール 3 導電性薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白 井 隆 雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4G001 BA09 BA36 BA61 BB09 BB36 BB61 BC13 BC22 BC33 BC72 BC73 BD03 BD38 BE31 BE32 BE35 5F073 BA05 EA29 FA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バイアホールを有する窒化アルミニウム基
    板であって、このバイアホールにはタングステンまたは
    モリブデンを主成分とする導電部を具備すると共に、窒
    化アルミニウム結晶粒子が前記基板における直線距離5
    0μmの直線上に15〜30個存在することを特徴とす
    る、窒化アルミニウム基板。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム基板が熱伝導率が180
    W/mK以上のものである、請求項1記載の窒化アルミ
    ニウム基板。
  3. 【請求項3】窒化アルミニウム基板が表面粗さ(Ra)
    0.5μm以下のものである、請求項1または2記載の
    窒化アルミニウム基板。
  4. 【請求項4】窒化アルミニウム基板が、その表面に存在
    する最大径5μm以上の脱粒痕の数が単位面積50μm
    ×50μm中に5個以下のものである、請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム基板。
  5. 【請求項5】同時焼成法により作製されたものである、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の窒化アルミニ
    ウム基板。
  6. 【請求項6】窒化アルミニウム基板の厚さが0.1〜1
    mmのものである、請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の窒化アルミニウム基板。
  7. 【請求項7】バイアホールの径が0.05〜0.7mm
    のものである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の窒化アルミニウム基板。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の窒化
    アルミニウム基板の片面あるいは両面に導電性薄膜が形
    成されてなることを特徴とする、薄膜付き窒化アルミニ
    ウム基板。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の薄膜付き窒化アルミニウ
    ム基板からなることを特徴とする、レーザー発光素子用
    サブマウント材。
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