JP2772274B2 - 複合セラミックス基板 - Google Patents

複合セラミックス基板

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JP2772274B2
JP2772274B2 JP7344236A JP34423695A JP2772274B2 JP 2772274 B2 JP2772274 B2 JP 2772274B2 JP 7344236 A JP7344236 A JP 7344236A JP 34423695 A JP34423695 A JP 34423695A JP 2772274 B2 JP2772274 B2 JP 2772274B2
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通泰 小松
裕 小森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子等の発熱
電子部品を搭載するセラミックス基板に係り、特に放熱
特性,機械的強度および耐熱サイクル特性を改善したセ
ラミックス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からアルミナ(Al2 3 )焼結体
などのように絶縁性に優れたセラミックス基板の表面
に、導電性を有する金属回路板をろう材で一体に接合
し、さらに金属回路板の所定位置に半導体素子等の電子
部品を搭載したセラミックス基板や樹脂基板が広く普及
している。
【0003】一方、窒化けい素を主成分とするセラミッ
クス焼結体は、一般に1000℃以上の高温度環境下で
も優れた耐熱性を有し、かつ耐熱衝撃性にも優れている
ことから、従来の耐熱性超合金に代わる高温構造材料と
してガスタービン用部品、エンジン用部品、製鋼用機械
部品等の各種高強度耐熱部品への応用が試みられてい
る。
【0004】従来より窒化けい素セラミックス焼結体の
組成として、窒化けい素に酸化イットリウム(Y
2 3 ),酸化セリウム(CeO),酸化カルシウム
(CaO)などの希土類元素あるいはアルカリ土類元素
の酸化物を焼結助剤として添加されたものが知られてお
り、これら焼結助剤により焼結性を高めて緻密化・高強
度化が図られている。
【0005】従来の窒化けい素焼結体は、窒化けい素原
料粉末に上記のような焼結助剤を添加し成形し、得られ
た成形体を1600〜2000℃程度の温度で焼成炉で
所定時間焼成した後に炉冷し、得られた焼結体を研削研
摩加工する製法で製造されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法によって製造された窒化けい素焼結体では、靭性
値などの機械的強度は優れているものの、熱伝導特性の
点では、他の窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化
ベリリウム(BeO)焼結体や炭化けい素(SiC)焼結体
などと比較して著しく低いため、特に放熱性を要求され
る半導体用回路基板などの電子用材料としては実用化さ
れておらず、用途範囲が狭い難点があった。
【0007】一方窒化アルミニウム焼結体は他のセラミ
ックス焼結体と比較して高い熱伝導率と低熱膨張係数の
特長を有するため、高速化、高出力化、多機能化、大型
化が進展する半導体素子(チップ)を搭載するための回
路基板部品やパッケージ材料として広く使用されてい
る。しかしながら、機械的強度の点で充分に満足できる
ものは得られていないため、回路基板の実装工程におい
て破損を生じたり、実装工程が煩雑になって半導体装置
の製造効率が低下する問題点があった。
【0008】すなわち、上記窒化アルミニウム焼結体基
板や酸化アルミニウム焼結体基板などのセラミックス基
板を主たる構成材とする回路基板を、アッセンブリ工程
にて実装ボートにねじ止め等により固定しようとする
と、ねじの押圧力による僅かな変形やハンドリング時の
衝撃によって回路基板が破損し、半導体装置の製造歩留
りを大幅に低減させる場合がある。
【0009】また上記のような窒化アルミニウム基板表
面に金属回路板および半導体素子などの発熱部品を一体
に接合して形成したセラミックス基板においては、窒化
アルミニウム基板自体の機械的強度および靭性が不充分
であったため、半導体素子の作動に伴う繰り返しの熱サ
イクルを受けて、金属回路板の接合部付近の窒化アルミ
ニウム基板にクラックが発生し易く、耐熱サイクル特性
および信頼性が低いという問題点があった。
【0010】さらに窒化アルミニウムのように熱伝導率
が大きいセラミックス基板を使用して回路基板を製造し
た場合においても、ある程度の強度値および絶縁耐性を
確保するために、厚さが大きい窒化アルミニウム基板を
用いる必要があった。そのため、AlN基板の高い熱伝
導率にも拘らず、回路基板全体としての熱抵抗値が増大
することになり、熱伝導率に比例した高い放熱性が得ら
れないという問題点があった。
【0011】本発明は上記のような課題に対処するため
になされたものであり、窒化けい素焼結体が本来備える
高強度高靭性特性を利用し、さらに熱伝導率が高く放熱
性に優れるとともに耐熱サイクル特性を大幅に改善した
電子部品搭載用のセラミックス基板を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するために、セラミックス基板の放熱性(熱伝導率)
を劣化させず、強度および靭性値を共に満足するような
基板材料を研究するとともに、セラミックス基板のアッ
センブリ工程において発生する締め付け割れや熱サイク
ル付加時に発生するクラックを防止する対策について鋭
意研究を重ねた。その結果、基板材料については、組成
および製造条件を適正に制御することにより、高い熱伝
導率(60W/m・K以上)を有する窒化けい素焼結体
が得られることが判明した。
【0013】このような60W/m・K以上の熱伝導率
を有する高熱伝導性窒化けい素焼結体自体は、その一部
が既に本発明者により特許出願されており、さらに特開
平6−135771号公報および特開平7−48174
号公報によって出願公開されている。そして、これらの
特許出願において記載されている窒化けい素焼結体は、
希土類元素を酸化物に換算して2.0〜7.5重量%含
有するものである。しかしながら、本発明者はさらに改
良研究を進めた結果、含有される希土類元素は酸化物に
換算して7.5重量%を超えた場合の方が焼結体の高熱
伝導化がさらに進み、焼結性も良いことを見い出し、本
願発明を完成したものである。特に希土類元素がランタ
ノイド系列の元素である場合に、その効果は顕著であ
る。ちなみに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全
体に対する割合が60〜70%である場合においても、
焼結体は110〜120W/m・K以上の高熱伝導率を
達成することができる。
【0014】しかしながら、この新規な窒化けい素焼結
体の熱伝導率は高いといっても、現在、実用化されてい
る窒化アルミニウムの熱伝導率(170〜270W/m
・K)と比較すると未だに不十分である。しかし、窒化
けい素焼結体が本来的に有している高強度高靭性特性は
損われていない。
【0015】そこで、回路基板の部位毎の要求特性を考
慮し、例えば高強度特性が必要とされる回路基板の部位
には上記窒化けい素焼結体を配置する一方で、半導体素
子の搭載直下部など特に放熱性が要求される部位には、
高熱伝導性を有するAlN焼結体を配置することによっ
て複合化したセラミックス基板を調製した。また窒化け
い素焼結体とAlN焼結体とを積層して複合化したセラ
ミックス基板を調製した。
【0016】そして、この複合化したセラミックス基板
表面に金属回路板を一体に形成するとともに半導体素子
を搭載して回路基板とした場合に、アッセンブリ工程に
おける回路基板の締め付け割れ等を効果的に低減できる
こと、耐熱サイクル特性を大幅に改善できること、回路
基板の放熱性を大幅に改善できること、などを見出し本
発明を完成するに至った。
【0017】さらに、この窒化けい素焼結体と窒化アル
ミニウム焼結体とを同一平面上に配置して複合基板とし
たり、また両者を積層して複合基板とし、その表面に、
導電性を有する金属回路板を一体に接合し、さらに半導
体素子を金属回路板上に搭載して回路基板を製造したと
きに、機械的強度、靭性値、耐熱サイクル特性および放
熱性を全て満足する複合セラミックス基板が得られるこ
とを実験により確認した。
【0018】上記高熱伝導性窒化けい素焼結体の開発経
緯を以下に述べる。
【0019】すなわち、微細で高純度を有する窒化けい
素粉末に希土類元素酸化物等を所定量ずつ添加した原料
混合体を成形脱脂し、得られた成形体を所定温度で一定
時間加熱保持して緻密化焼結を実施した後、所定以下の
冷却速度で徐冷し、得られた焼結体を研削研摩加工して
製造したときに熱伝導率が従来の窒化けい素焼結体の2
倍以上、具体的には60W/m・K以上と大きく向上
し、かつ高強度高靭性を有する窒化けい素焼結体が得ら
れることが判明し、放熱特性および強度特性を共に満足
する新規な窒化けい素材料を開発した。そして、この窒
化けい素材料を、回路基板の基板材料に適用したとき
に、優れた放熱特性と耐久性と耐熱サイクル特性とを同
時に改善できることが判明した。
【0020】また、酸素や不純物陽イオン元素含有量を
低減した高純度の窒化けい素原料粉末を使用し、上記条
件にて焼結することにより、粒界相におけるガラス相
(非晶質相)の生成を効果的に抑制でき、粒界相中にお
ける結晶化合物相の割合が20%以上(粒界相全体に対
し)、より好ましくは50%以上となり、希土類元素酸
化物のみを原料粉末に添加した場合においても60W/
m・K以上、さらに好ましくは80W/m・K以上の高
熱伝導率を有する窒化けい素焼結体が得られるという知
見を得た。
【0021】また、従来、焼結操作終了後に焼成炉の加
熱用電源をOFFとして焼結体を炉冷していた場合に
は、冷却速度が毎時400〜800℃と急速であった
が、本発明者の実験によれば、特に焼結直後における焼
結体の冷却速度を毎時100℃以下に緩速に制御するこ
とにより、窒化けい素焼結体組織の粒界相が非結晶質状
態から結晶相を含む相に変化し、高強度特性と高伝熱特
性とが同時に達成されることが判明した。
【0022】このように高強度特性および高伝熱特性を
共に満足する窒化けい素焼結体を基板材料の一部とし、
金属回路板を基板材料表面に一体に接合して回路基板を
形成することにより、回路基板全体の靭性強度および熱
伝導性を改善することができ、特に回路基板のアッセン
ブリ工程における締め付け割れや熱サイクルの付加によ
るクラックの発生を効果的に防止できることが判明し
た。
【0023】特に上記窒化けい素焼結体を回路基板で構
造強度を必要とする部位に配置する一方、放熱性を必要
とする部位に高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体を配置
して複合基板を形成したり、窒化けい素焼結体と窒化ア
ルミニウム焼結体とを積層して複合基板を形成したりす
ることにより、複合基板全体としての放熱性が良好にな
り、かつアッセンブリ工程における回路基板の締め付け
割れが発生することが少なく、回路基板を使用する半導
体装置の製造歩留りを大幅に改善できることが判明し
た。
【0024】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち本発明に係る複合セラミックス基板
は、熱伝導率が60W/m・K以上である高熱伝導性窒
化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを同一平面上に
配置し、前記高熱伝導性窒化けい素基板および前記窒化
アルミニウム基板の表面に形成した酸化層を介して金属
回路板を接合したことを特徴とする。
【0025】また高熱伝導性窒化けい素基板および窒化
アルミニウム基板の裏面に形成した酸化層を介して金属
板を接合するとよい。さらに金属板は酸化層を介して高
熱伝導性窒化けい素基板および窒化アルミニウム基板の
両方に亘って直接接合されていることを特徴とする。
【0026】すなわち、本発明の複合セラミックス基板
は、熱伝導性に優れる窒化アルミニウム基板と、高強度
・高靭性の窒化けい素基板とを組合せることによって、
両者の特徴を兼ね備えた複合セラミックス基板を得るこ
とを可能にとしたものである。窒化けい素基板および窒
化アルミニウム基板の配置形態は大別して2種類に分か
れる。すなわち、同一平面上に両基板を隣接して配置す
る形態と、両基板を積層してサンドイッチ構造を有する
配置形態とがあるが、要求特性に応じて上記両形態を併
用してもよい。
【0027】例えば、高強度・高靭性の窒化けい素基板
を熱伝導性に優れる窒化アルミニウム基板の表面部側に
配置し、機械的圧力や機械的応力等が直接作用する表面
部を高強度・高靭性の窒化けい素基板で構成することに
よって、アッセンブリ工程での締め付け割れや熱サイク
ルの付加に伴うクラック発生等を抑制することが可能と
なる。また、熱伝導性に関しては窒化アルミニウム基板
が担うため、高熱伝導性を維持することができる。
【0028】さらに本発明に係る複合セラミックス基板
は、熱伝導率が60W/m・K以上である高熱伝導性窒
化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを同一平面上に
配置し、前記高熱伝導性窒化けい素基板および前記窒化
アルミニウム基板の表面に形成したTi,Zr,Hfお
よびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含
有する金属接合層を介して金属回路板を接合してなるこ
とを特徴とする。
【0029】また高熱伝導性窒化けい素基板および窒化
アルミニウム基板の裏面に形成した金属接合層を介して
金属板を接合したことを特徴とする。さらに金属回路板
の厚さを金属板の厚さより大きく設定するとよい。また
金属板は金属接合層を介して高熱伝導性窒化けい素基板
および窒化アルミニウム基板の両方に亘って接合され
る。さらに少なくとも1枚の金属回路板が金属接合層を
介して高熱伝導性窒化けい素基板および窒化アルミニウ
ム基板の両方に亘って接合されるように構成するとよ
い。
【0030】また本発明に係る複合セラミックス基板
は、熱伝導率が60W/m・K以上である高熱伝導性窒
化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを積層して成
り、前記窒化アルミニウム基板は、前記窒化けい素基板
により挟持されるとともに、Ti,Zr,HfおよびN
bから選択される少なくとも1種の活性金属を含有する
金属接合層を介して接合されていることを特徴とする。
ここで上記窒化アルミニウム基板と窒化けい素基板と
は、前記金属板の接合方法と同様に、活性金属接合法,
ガラス接合法や直接接合法により一体に接合される。ま
た窒化アルミニウム基板は高熱伝導性窒化けい素基板よ
り厚く形成するとよい。
【0031】また本発明で使用する高熱伝導性窒化けい
素基板は、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜1
7.5重量%、不純物陽イオン元素としてのLi,N
a,K,Fe,Ca,Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合
計で0.3重量%以下含有するように構成される。
【0032】また他の態様として高熱伝導性窒化けい素
基板は、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.
5重量%含有し、窒化けい素結晶および粒界相から成る
とともに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に
対する割合が20%以上である窒化けい素焼結体から形
成してもよい。
【0033】さらに上記希土類元素としてはランタノイ
ド系列の元素を使用することが熱伝導率を向上させるた
めに、特に好ましい。
【0034】また、高熱伝導性窒化けい素基板は、窒化
アルミニウムまたはアルミナを1.0重量%以下含有す
るように構成してもよい。さらにアルミナを1.0重量
%以下と窒化アルミニウムを1.0重量%以下とを併用
してもよい。
【0035】また本発明において使用する高熱伝導性窒
化けい素基板は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,
Cr,Mo,Wからなる群より選択される少なくとも1
種を酸化物に換算して0.1〜3.06重量%含有する
ことが好ましい。このTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Wから成る群より選択される少なくと
も1種は、酸化物、炭化物、窒化物、けい化物、硼化物
として窒化けい素粉末に添加することにより含有させる
ことができる。
【0036】さらに本発明で使用する高熱伝導性窒化け
い素基板の製造方法は、酸素を1.7重量%以下、不純
物陽イオン元素としてのLi,Na,K,Fe,Ca,
Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合計で0.3重量%以
下、α相型窒化けい素を90重量%以上含有し、平均粒
径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、希土類元素を酸
化物に換算して2.0〜17.5重量%以下と、必要に
応じてアルミナおよび窒化アルミニウムの少なくとも一
方を1.0重量%以下添加した原料混合体を成形して成
形体を調製し、得られた成形体を脱脂後、温度1800
〜2100℃で雰囲気加圧焼結し、上記焼結温度から、
上記希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固す
る温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下
にして徐冷することを特徴とする。
【0037】上記製造方法において、窒化けい素粉末
に、さらにアルミナおよび窒化アルミニウムの少なくと
も一方を1.0重量%以下添加するとよい。
【0038】さらに窒化けい素粉末に、さらにTi,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの酸化物、
炭化物、窒化物、けい化物、硼化物からなる群より選択
される少なくとも1種を0.1〜3.0重量%添加する
とよい。
【0039】上記製造方法によれば、窒化けい素結晶組
織中に希土類元素等を含む粒界相が形成され、気孔率が
2.5%以下、熱伝導率が60W/m・K以上、三点曲
げ強度が室温で650MPa以上の機械的特性および熱
伝導特性が共に優れた窒化けい素基板が得られる。
【0040】上記製造方法において使用され、焼結体の
主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度お
よび熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.7重量%以
下、好ましくは0.5〜1.5重量%、Li,Na,
K,Fe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,Bなどの不
純物陽イオン元素含有量が合計で0.3重量%以下、好
ましくは0.2重量%以下に抑制されたα相型窒化けい
素を90重量%以上、好ましくは93重量%以上含有
し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜
0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用すること
ができる。
【0041】平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉
末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気
孔率が2.5%以下の緻密な窒化けい素基板を形成する
ことが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害す
るおそれも減少する。
【0042】またLi,Na,K,Fe,Ca,Mg,
Sr,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元素は熱伝導性
を阻害する物質となるため、60W/m・K以上の熱伝
導率を確保するためには、上記不純物陽イオン元素の含
有量は合計で0.3重量%以下とすることにより達成可
能である。特に同様の理由により、上記不純物陽イオン
元素の含有量は合計で0.2重量%以下とすることが、
さらに好ましい。ここで通常の窒化けい素焼結体を得る
ために使用される窒化けい素粉末には、特にFe,C
a,Mgが比較的に多く含有されているため、Fe,C
a,Mgの合計量が上記不純物陽イオン元素の合計含有
量の目安となる。
【0043】さらに、β相型と比較して焼結性に優れた
α相型窒化けい素を90重量%以上含有する窒化けい素
原料粉末を使用することにより、高密度の窒化けい素基
板を製造することができる。
【0044】また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として
添加する希土類元素としては、Ho,Er,Yb,Y,
La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなど
の酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物とな
る物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せた
ものを含んでもよいが、特に酸化ホルミウム(Ho2
3 ),酸化エルビウム(Er2 3 )が好ましい。
【0045】特に希土類元素としてランタノイド系列の
元素であるHo,Er,Ybを使用することにより、焼
結性あるいは高熱伝導化が良好になり、1850℃程度
の低温度領域においても十分に緻密な焼結体が得られ
る。したがって焼成装置の設備費およびランニングコス
トを低減できる効果も得られる。これらの焼結助剤は、
窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進
剤として機能する。
【0046】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原
料粉末に対して2.0〜17.5重量%の範囲とする。
この添加量が2.0重量%未満の場合は、焼結体の緻密
化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元
素のように原子量が大きい元素の場合には、比較的低強
度で比較的に低熱伝導率の焼結体が形成される。一方、
添加量が17.5重量%を超える過量となると、過量の
粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が低下し始める
ので上記範囲とする。特に同様の理由により4〜15重
量%とすることが望ましい。
【0047】また上記製造方法において他の選択的な添
加成分として使用するTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Wの酸化物,炭化物、窒化物、けい化
物、硼化物は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促
進すると共に、結晶組織において分散強化の機能を果し
Si3 4 焼結体の機械的強度を向上させるものであ
り、特に、Hf,Tiの化合物が好ましい。これらの化
合物の添加量が0.1重量%未満の場合においては添加
効果が不充分である一方、3.0重量%を超える過量と
なる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊
強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜3.0重量
%の範囲とする。特に0.2〜2重量%とすることが望
ましい。
【0048】また上記Ti,Zr,Hf等の化合物は窒
化けい素焼結体を黒色系に着色し不透明性を付与する遮
光剤としても機能する。そのため、特に光によって誤動
作を生じ易い集積回路等を搭載する回路基板を製造する
場合には、上記Ti等の化合物を適正に添加し、遮光性
に優れた窒化けい素基板とすることが望ましい。
【0049】さらに上記製造方法において、他の選択的
な添加成分としてのアルミナ(Al2 3 )は、上記希
土類元素の焼結促進剤の機能を助長する役目を果すもの
であり、特に加圧焼結を行なう場合に著しい効果を発揮
するものである。このAl2 3 の添加量が0.1重量
%未満の場合においては、より高温度での焼結が必要に
なる一方、1.0重量%を超える過量となる場合には過
量の粒界相を生成したり、または窒化けい素に固溶し始
め、熱伝導の低下が起こるため、添加量は1重量%以
下、好ましくは0.1〜0.75重量%の範囲とする。
特に強度、熱伝導率共に良好な性能を確保するためには
添加量を0.1〜0.5重量%の範囲とすることが望ま
しい。
【0050】また、後述するAlNと併用する場合に
は、その合計添加量は1.0重量%以下にすることが望
ましい。
【0051】さらに他の添加成分としての窒化アルミニ
ウム(AlN)は焼結過程における窒化けい素の蒸発な
どを抑制するとともに、上記希土類元素の焼結促進剤と
しての機能をさらに助長する役目を果すものである。
【0052】AlNの添加量が0.1重量%未満(アル
ミナと併用する場合では0.05重量%未満)の場合に
おいては、より高温度での焼結が必要になる一方、1.
0重量%を超える過量となる場合には過量の粒界相を生
成したり、または窒化けい素に固溶し始め、熱伝導率の
低下が起こるため、添加量は0.1〜1.0重量%の範
囲とする。特に焼結性,強度,熱伝導率共に良好な性能
を確保するためには添加量を0.1〜0.5重量%の範
囲とすることが望ましい。なお前記Al2 3と併用す
る場合には、AlNの添加量は0.05〜0.5重量%
の範囲が好ましい。
【0053】また焼結体の気孔率は熱伝導率および強度
に大きく影響するため2.5%以下となるように製造す
る。気孔率が2.5%を超えると熱伝導の妨げとなり、
焼結体の熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低
下が起こる。
【0054】また、窒化けい素焼結体は組織的に窒化け
い素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界相中の結晶
化合物相の割合は焼結体の熱伝導率に大きく影響し、本
発明で使用する窒化けい素基板においては、粒界相の2
0%以上とすることが必要であり、より好ましくは50
%以上が結晶相で占めることが望ましい。結晶相が20
%未満では熱伝導率が60W/m・K以上となるような
放熱特性に優れ、かつ高温強度に優れた窒化けい素基板
が得られないからである。
【0055】さらに上記のように窒化けい素基板の気孔
率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成
される粒界相の20%以上が結晶相で占めるようにする
ためには、窒化けい素成形体を温度1800〜2100
℃で2〜10時間程度、加圧焼結し、かつ焼結操作完了
直後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にし
て徐冷することが重要である。
【0056】焼結温度を1800℃未満とした場合に
は、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が2.5vol%以上
になり機械的強度および熱伝導性が共に低下してしま
う。一方焼結温度が2100℃を超えると窒化けい素成
分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、
常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化
けい素の分解蒸発が始まる。
【0057】上記焼結操作完了直後における焼結体の冷
却速度は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子で
あり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却
を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質
(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相と
して粒界相に占める割合が20%未満となり、強度およ
び熱伝導性が共に低下してしまう。
【0058】上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲
は、所定の焼結温度(1800〜2100℃)から、前
記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するま
での温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結
助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜15
00℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記
液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時10
0℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは2
5℃以下に制御することにより、粒界相の20%以上、
特に好ましくは50%以上が結晶相になり、熱伝導率お
よび機械的強度が共に優れた焼結体が得られる。
【0059】本発明において使用する窒化けい素基板
は、例えば以下のようなプロセスを経て製造される。す
なわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物含有量が
少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の焼結助
剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に応じて
Al2 3 やAlN,Ti化合物等を加えて原料混合体
を調整し、次に得られた原料混合体を成形して所定形状
の成形体を得る。原料混合体の成形法としては、汎用の
金型プレス法、ドクターブレード法のようなシート成形
法などが適用できる。上記成形操作に引き続いて、成形
体を非酸化性雰囲気中で温度600〜800℃、または
空気中で温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、
予め添加していた有機バインダ成分を充分に除去し、脱
脂する。次に脱脂処理された成形体を窒素ガス、水素ガ
スやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1800
〜2100℃の温度で所定時間雰囲気加圧焼結を行う。
【0060】上記製法によって製造された窒化けい素基
板は気孔率が2.5%以下、60W/m・K(25℃)
以上の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が常温で65
0MPa以上と機械的特性にも優れている。
【0061】なお、低熱伝導性の窒化けい素に高熱伝導
性のSiC等を添加して焼結体全体としての熱伝導率を
80W/m・K以上にした窒化けい素焼結体は本発明の
範囲には含まれない。しかしながら、熱伝導率が80W
/m・K以上である窒化けい素焼結体に高熱伝導性のS
iC等を複合させた窒化けい素系焼結体の場合には、本
発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0062】また上記高熱伝導性窒化けい素基板の厚さ
は、回路基板として使用した場合の要求特性に応じて種
々の厚さに設定されるが、回路層の厚さの2倍以下に設
定するとよい。窒化けい素基板の厚さが回路層の厚さの
2倍を超えると、回路基板全体の厚さが増加し熱抵抗が
大きくなる。窒化けい素基板の具体的な厚さは、0.2
5〜1.2mmの範囲である。特に、この窒化けい素基板
の厚さを0.8mm以下に設定することにより、回路基板
全体の厚さを低減することができ、回路基板の上下面間
の熱抵抗差を、より効果的に減少させることが可能にな
り、回路基板全体の放熱性を、より改善することができ
る。
【0063】一方、本発明で使用される窒化アルミニウ
ム基板は、例えば以下のような手順で製造される。すな
わち周期律表IIa 族元素,Ca,Sr,Ba以外の不純
物陽イオンの含有量が0.5重量%以下である高純度の
窒化アルミニウム原料粉末に、周期律表IIIa族元素,
Y,Scおよびランタノイドから選択される少なくとも
1種の元素の酸化物1〜10重量%と、Si成分0.0
1〜0.2重量%とを添加した混合粉末を形成し、得ら
れた成形体を非酸化性雰囲気中で1650〜1900℃
の温度域で焼結して製造される。
【0064】上記のように製造した窒化アルミニウム基
板の熱伝導率は150〜190W/m・Kと前記高熱伝
導性窒化けい素基板より高い値を示す。
【0065】本発明では上記2種類のセラミックス基板
を回路基板の要求特性に応じて使い分け、同一平面上に
配置したり、積層したりして複合基板を形成する。すな
わち構造強度が特に要求される部位には前記窒化けい素
基板をする一方、半導体素子などの発熱部品を搭載する
ために特に高い放熱性が要求される部位には上記窒化ア
ルミニウム基板を同一平面上に配置したり、相互に積層
配置することにより複合基板が形成される。
【0066】本発明に係る複合セラミックス基板は、上
記のように製造した複合基板の表面に、必要に応じて導
電性を有する金属回路板を一体に接合し、さらにこの金
属回路板を介して半導体素子を搭載して製造される。
【0067】さらに上記のように高熱伝導性窒化けい素
基板と窒化アルミニウム基板とを同一平面上で複合化し
た複合基板の裏面、すなわち金属回路板接合面と反対側
の面に金属板を一体に接合するとよい。金属板は金属回
路板と同様な材料で形成される。この金属板を一体に接
合することにより、回路基板をヒートシンクなどの放熱
部品に接合することが容易になるとともに、複合基板と
金属回路板との熱膨張差に起因する回路基板の反りや変
形を効果的に防止できる。
【0068】特に比較的に疎に形成される金属回路板の
厚さを、密に形成される金属板の厚さより大きく設定す
ることにより、複合化した複合基板の表裏に配設する金
属量を同等にすることが可能であり、複合基板の表裏に
おける熱膨張差が少なくなり、複合セラミックス回路基
板の反りや変形をより効果的に防止できる。
【0069】また少なくとも1枚の金属回路板または少
なくとも1枚の金属板が、高熱伝導性窒化けい素基板お
よび窒化アルミニウム基板の両方に亘って一体に接合さ
れる構造にすると、同一平面上に配置した窒化けい素基
板と窒化アルミニウム基板とが相互に連結され、複合セ
ラミックス基板の一体性を高めることができる。
【0070】上記金属回路板および金属板の接合方法
は、特に限定されず、以下に説明する直接接合法または
活性金属法などを適用することができる。
【0071】直接接合法は、窒化けい素基板と窒化アル
ミニウム基板とから成る複合基板の表面に、厚さが0.
5〜10μm程度の酸化層を形成し、この酸化層を介し
て、回路層となる金属回路板や金属板を上記複合基板に
直接接合する方法である。ここで上記金属回路板や金属
板は、ろう材などの接合剤を使用せずに複合基板表面に
直接的に接合される。すなわち、金属回路板の成分と基
板成分との共晶化合物を加熱により発生せしめ、この共
晶化合物を接合剤として両部材が接合される。なお、こ
の直接接合法はAl2 3 などの酸化物系セラミックス
についてのみ適用可能であり、窒化けい素基板や窒化ア
ルミニウム基板などの非酸化物系セラミックスにそのま
ま適用しても基板に対する濡れ性が低いため、金属回路
板の充分な接合強度が得られない。
【0072】そこで窒化けい素基板および窒化アルミニ
ウム基板の表面に予め酸化層を形成し、基板に対する濡
れ性を高める必要がある。この酸化層は上記窒化けい素
基板および窒化アルミニウム基板を、空気中などの酸化
雰囲気中で温度1000〜1400℃程度で0.1〜4
8時間加熱して形成される。この酸化層の厚さが0.5
μm未満の場合には、上記濡れ性の改善効果が少ない一
方、10μmを超えるようにしても改善効果が飽和する
とともに、却って熱伝導率が低下し易くなるため、酸化
層の厚さは0.5〜10μmの範囲、より好ましくは1
〜5μmの範囲とする。
【0073】上記Si3 4 基板の酸化層は、当初Si
3 4 基板成分の酸化物であるSiO2 のみから構成さ
れているが、加熱による金属回路板の接合操作時におい
て、Si3 4 基板に焼結助剤として添加されていた希
土類元素酸化物が酸化層方向に拡散移動する結果、希土
類酸化物が酸化層中に濃縮された構成となる。例えば焼
結助剤としてY2 3 を使用した場合には加熱接合操作
後の酸化層は、Y2 3 を1〜20重量%程度含有する
イットリアシリケートなどのSiO2 −Y2 3 化合物
から構成されるようになる。一方、AlN基板の酸化層
はAl2 3 から構成される。
【0074】上記金属回路板や金属板を構成する金属と
しては、銅,アルミニウム,鉄,ニッケル,クロム,
銀,モリブデン,コバルトの単体またはその合金など、
基板成分との共晶化合物を生成し、直接接合法を適用で
きる金属であれば特に限定されないが、特に導電性およ
び価格の観点から銅,アルミニウムまたはその合金が好
ましい。
【0075】金属回路板(回路層)の厚さは、通電容量
等を勘案して決定されるが、窒化けい素基板の厚さを
0.25〜1.2mmの範囲とする一方、金属回路板の厚
さを0.1〜0.5mmの範囲に設定して両者を組み合せ
ると熱膨張差による変形などの影響を受けにくくなる。
【0076】そして、金属回路板や金属板が銅回路板で
ある場合には、以下のように接合操作が実施される。す
なわち酸化層を形成した窒化けい素基板および窒化けい
素基板の表面の所定位置に、銅回路板を接触配置して基
板方向に押圧した状態で、銅の融点(1083℃)未満
の温度で、かつ銅−酸化銅の共晶温度(1065℃)以
上に加熱し、生成したCu−O共晶化合物液相を接合剤
として銅回路板等が窒化けい素基板および窒化アルミニ
ウム基板の表面に直接的に接合される。この直接接合法
は、いわゆる銅直接接合法(DBC:Direct Bonding C
opper 法)である。さらにAlN基板上に直接接合した
銅回路板の所定位置に半導体素子(Siチップ)を半田
接合して搭載することにより、本発明に係る複合セラミ
ックス基板が製造される。
【0077】一方、金属回路板や金属板がアルミニウム
回路板である場合には、Si3 4基板およびAlN基
板表面にAl回路板を押圧した状態でアルミニウム−け
い素の共晶温度以上に加熱し、生成したAl−Si共晶
化合物を接合剤としてAl回路板がSi3 4 基板表面
に直接的に接合される。そしてAlN基板上に直接接合
したAl回路板の所定位置に半導体素子を半田接合して
搭載することにより、本発明の複合セラミックス基板が
製造される。
【0078】このように直接接合法を使用して金属回路
板を複合セラミックス基板表面に直接接合し、さらに複
数の半導体素子をAlN基板上の金属回路板上に搭載し
て形成した本発明に係る複合セラミックス基板によれ
ば、金属回路板とSi3 4 基板またはAlN基板との
間に、接着剤やろう材のような介在物が存在しないた
め、両者間の熱抵抗が小さく、金属回路板上に設けられ
た半導体素子の発熱を系外に迅速に放散させることが可
能である。
【0079】次に活性金属法による金属回路板等の接合
方法を説明する。
【0080】活性金属法では、Ti,Zr,Hfおよび
Nbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有し
適切な組成比を有するAg−Cu−Ti系ろう材等で複
合セラミックス基板表面に、厚さ20μm前後の金属接
合層(活性金属ろう材層)を形成し、この金属接合層を
介して、銅回路板などの金属回路板や金属板が接合され
る。活性金属は、基板に対するろう材の濡れ性を改善
し、接合強度を高める作用を有する。活性金属ろう材の
具体例としては、重量%で上記活性金属を1〜10%,
Cuを15〜35%,残部が実質的にAgから成るろう
材組成物が好適である。上記金属接合層は、このろう材
組成物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペ
ーストを複合セラミックス基板表面にスクリーン印刷す
る等の方法で形成される。
【0081】そしてスクリーン印刷した金属接合層上
に、回路層となる金属回路板や金属板を接触配置した状
態で、真空中または不活性ガス雰囲気中で、例えばAg
−Cu共晶温度(780℃)以上で、かつ金属回路板の
融点(銅の場合は1083℃)以下の温度に加熱するこ
とにより、金属回路板が金属接合層を介して複合基板に
接合される。
【0082】なお、上記の回路基板においては金属回路
板や金属板を直接接合方や活性金属方を使用して複合基
板上に一体に接合して回路層を形成しているが、メタラ
イズ法によって回路層を形成することも可能である。す
なわち、メタライズ法では、例えばモリブデン(Mo)
やタングステン(W)などの高融点金属とTiやその化
合物とを主成分とするメタライズ組成物を複合セラミッ
クス基板表面に焼き付けて、厚さ15μm程度の回路層
としての高融点金属メタライズ層を形成する方法であ
る。このメタライズ法により、回路層を形成する場合に
は、メタライズ層表面にさらにNiやAuから成る厚さ
3〜5μm程度の金属めっき層を形成することが好まし
い。この金属めっき層を形成することにより、メタライ
ズ層の表面平滑性が改善され、半導体素子との密着性が
より改善されるとともに、半田濡れ性が向上するため、
半田を使用した半導体素子の接合強度をより高めること
ができる。
【0083】上記構成に係る複合セラミックス基板によ
れば、窒化けい素焼結体が本来的に有する高強度高靭性
特性に加えて特に熱伝導率を大幅に改善した高熱伝導性
窒化けい素基板を、特に構造強度を要求される部位に配
置する一方、半導体素子等の発熱部品を搭載するために
特に高い放熱性が要求される部位に窒化アルミニウム基
板を配置し、両基板を同一平面上に配置したり、積層し
たりして複合基板とし、この複合基板の表面に金属回路
板を一体に接合し、さらに窒化アルミニウム基板上に接
合した金属回路板上に半導体素子を搭載して形成されて
いる。したがって、半導体素子等の発熱部品からの発熱
は熱伝導率が高い窒化アルミニウム基板を経て迅速に系
外に伝達されるため放熱性が極めて良好である。一方、
高強度高靭性である高熱伝導率窒化けい素基板を、構造
強度が要求される部位に配置しているため、回路基板の
最大たわみ量を大きく確保することができる。そのた
め、アッセンブリ工程において回路基板の締め付け割れ
が発生せず、回路基板を用いた半導体装置を高い製造歩
留りで量産することが可能になる。
【0084】また窒化けい素基板の靭性値が高いため、
熱サイクルによって基板と金属回路板や金属板との接合
部に割れが発生することが少なく、耐熱サイクル特性が
著しく向上し、耐久性および信頼性に優れた半導体装置
を提供することができる。
【0085】さらに従来では達成されていない高い熱伝
導率を有する窒化けい素基板を使用しているため、高出
力化および高集積化を指向する半導体素子を搭載した場
合においても、熱抵抗特性の劣化が少なく、優れた放熱
性を発揮する。
【0086】特に窒化けい素基板自体の機械的強度が優
れているため、要求される機械的強度特性を一定とした
場合に、他のセラミックス基板を使用した場合と比較し
て基板厚さをより低減することが可能となる。この基板
厚さを低減できることから熱抵抗値をより小さくでき、
放熱特性をさらに改善することができる。また要求され
る機械的特性に対して、従来より薄い基板でも充分に対
応可能となるため、基板製造コストをより低減すること
が可能となる。
【0087】また従来の高熱伝導性窒化アルミニウム基
板のみを回路基板の構成材とした場合には、ある程度の
機械的強度を確保するために窒化アルミニウム基板の厚
さを大きく設定する必要があった。しかるに本発明の回
路基板では、主として窒化アルミニウム基板によって高
い放熱性を確保する一方で窒化けい素基板によって高強
度特性を確保している。そして、特に窒化けい素基板の
厚さに、窒化アルミニウム基板の厚さを揃えて小さく形
成することが可能となるため、窒化アルミニウム基板部
の熱抵抗値をさらに相乗的に低減することが可能とな
る。したがって本発明によれば、同じ熱伝導率を有する
従来の窒化アルミニウム基板のみを使用した従来の回路
基板と比較して、放熱性をさらに高めることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を以下に示
す実施例を参照して具体的に説明する。まず、窒化けい
素基板と窒化アルミニウム基板とを同一平面上に配置し
た複合セラミックス基板の実施例について説明する。
【0089】実施例1〜3 酸素を1.3重量%、不純物陽イオン元素としてLi,
Na,K,Fe,Ca,Mg,Sr,Ba,Mn,Bを
合計で0.15重量%含有し、α相型窒化けい素97%
を含む平均粒径0.55μmの窒化けい素原料粉末に対
して、焼結助剤として平均粒径0.7μmのY2
3 (酸化イットリウム)粉末5重量%、平均粒径0.5
μmのAl2 3 (アルミナ)粉末1.0重量%を添加
し、エチルアルコール中で24時間湿式混合した後に乾
燥して原料粉末混合体を調整した。次に得られた原料粉
末混合体に有機バインダを所定量添加して均一に混合し
た後に、1000kg/cm2 の成形圧力でプレス成形し、
長さ80mm×幅50mm×厚さ1〜5mmの成形体を多数製
作した。次に得られた成形体を700℃の雰囲気ガス中
において2時間脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガス雰
囲気中7.5気圧にて1900℃で6時間保持し、緻密
化焼結を実施した後に、焼結炉に付設した加熱装置への
通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降下す
るまでの間における焼結体の冷却速度がそれぞれ100
℃/hrとなるように調整して焼結体を徐冷し、さらに得
られた各焼結体を研摩加工してそれぞれ熱伝導率kが7
0W/m・Kであり、厚さが0.4mm,0.6mm,0.
8mmである実施例1〜3用の窒化けい素基板を調製し
た。
【0090】一方、不純物として酸素を0.8重量%含
有し、平均粒径1μmの窒化アルミニウム粉末に対し
て、Si成分としてのSiO2 をSi換算で0.01重
量%と、焼結助剤としてのY2 3 を5重量%とをそれ
ぞれ添加し、エチルアルコールを溶媒としてボールミル
で20時間混合して原料混合体を調製した。次にこの原
料混合体に有機バインダとしてのポリビニルアルコール
(PVA)を5.5重量%添加して造粒粉を調製した。
【0091】次に、得られた造粒粉をプレス成形機の成
形用金型内に充填して1200kg/cm2 の加圧力にて一
軸方向に圧縮成形して、角板状の成形体を多数調製し
た。引き続き各成形体を空気中で450℃で1時間加熱
して脱脂処理した。
【0092】次に脱脂処理した各成形体をAlN製焼成
容器内に収容し、焼成炉において焼成温度1760〜1
780℃で4時間緻密化焼結を実施し、その後冷却速度
200℃/hrで冷却してそれぞれ熱伝導率が182W/
m・Kであり、厚さが前記Si3 4 基板と等しい実施
例1〜3用のAlN基板を製造した。
【0093】次に図2に示すように同じ厚さを有するS
3 4 基板2とAlN基板2aとを同一平面上で組み
合せてそれぞれ複合基板10を形成した。すなわち半導
体素子6を搭載する部位にはAlN基板2aを配置する
一方、その他の部位にはSi3 4 基板2を配置して複
合基板10とした。
【0094】次に図1および図2に示すように各窒化け
い素基板2および窒化アルミニウム基板2aの表面の回
路層を形成する部位および裏面の金属板(銅板)を接合
する部位に、30wt%Ag−65%Cu−5%Tiろ
う材をスクリーン印刷し乾燥して厚さ20μmの活性金
属ろう材層7a,7bを形成した。この活性金属ろう材
層7a,7bの所定位置に、タフピッチ電解銅から成る
厚さ0.3mmの銅回路板4と厚さ0.25mm値の金属板
(裏銅板)5とを接触配置した状態で、真空中で温度8
50℃で10分間保持して接合体とした。次に各接合体
をエッチング処理することにより、所定回路パターン
(回路層)を形成した。さらにAlN基板2a上面に接
合した銅回路板4の中央部に半田層8を介して半導体素
子6を接合して実施例1〜3に係る複合セラミックス基
板1を多数製造した。
【0095】比較例1 実施例1〜3で使用したSi3 4 基板2とAlN基板
2aとから成る複合基板10に代えて、熱伝導率kが1
82W/m・Kであり厚さが0.8mmの窒化アルミニウ
ム(AlN)焼結体のみなら成るセラミックス基板を使
用した以外は実施例1〜3と同様に活性金属法によって
基板表面に銅回路板および金属板を一体に接合して比較
例1に係るセラミックス回路基板を製造した。
【0096】このようにして調製した実施例1〜3およ
び比較例1に係る回路基板の最大たわみ量および抗折強
度を測定したところ、実施例1〜3に係る複合セラミッ
クス基板1は、従来の窒化アルミニウム基板のみを使用
した比較例1の回路基板と比較して2倍以上の最大たわ
み量と抗折強度とを有することが判明した。また複合セ
ラミックス基板の厚さを低減するに伴って、さらにたわ
み量および抗折強度が改善されることも確認できた。さ
らに基板厚さの低減化により、熱抵抗が減少するため、
回路基板全体としての放熱特性をさらに改善できること
も確認できた。
【0097】上記各実施例の複合セラミックス基板を、
図2に示すようにヒートシンク9に接合した後にアッセ
ンブリ工程においてボードに実装したところ、締め付け
割れが発生せず、回路基板を用いた半導体装置を高い製
造歩留りで量産することができた。
【0098】また各セラミックス回路基板について−4
5℃から室温(RT)まで加熱し、引き続き室温から+
125℃まで加熱した後に、室温を経て再び−45℃に
冷却するまでを1サイクルとする昇温−降温サイクルを
繰り返して付加し、基板部にクラック等が発生するまで
のサイクル数を測定する耐熱サイクル試験を実施したと
ころ、実施例1〜3の複合セラミックス基板では100
0サイクル経過後においても、Si3 4 基板やAlN
基板の割れや金属回路板(Cu回路板)および金属板の
剥離が皆無であり、優れた耐熱サイクル特性を示すこと
が判明した。一方、比較例1の回路基板においては、1
00サイクルでクラックが発生し、耐久性が低いことが
確認された。
【0099】実施例4 実施例1〜3において調製したSi3 4 基板であり熱
伝導率kが70W/m・Kであり厚さがそれぞれ0.4
mm,0.6mm,0.8mmである各Si3 4基板を酸化
炉中で温度1300℃で12時間加熱することにより、
基板の全表面を酸化し、厚さ2μmの酸化層を形成し
た。酸化層はSiO2 皮膜で形成される。
【0100】一方、実施例1〜3において調製したAl
N基板であり熱伝導率kが182W/m・Kであり厚さ
がそれぞれ0.4mm,0.6mm,0.8mmである各Al
N基板を空気中で温度1200℃で0.5時間加熱する
ことにより、基板の全表面を酸化し、厚さ2μmの酸化
層を形成した。酸化層はAl2 3 皮膜で形成される。
【0101】次に図3に示すように同じ厚さを有するS
3 4 基板2とAlN基板2aとを同一平面上で組み
合せてそれぞれ複合基板10を形成した。すなわち半導
体素子6を搭載する部位には、AlN基板2aを配置す
る一方、その他の部位にはSi3 4 基板2を配置して
複合基板10とした。
【0102】次にそれぞれ酸化層3を形成した各Si3
4 基板2とAlN基板2aとを複合化した複合基板1
0の表面側に、厚さ0.3mmのタフピッチ電解銅から成
る銅回路板を接触配置する一方、背面側に厚さ0.25
mmのタフピッチ銅から成る金属板を裏当て材として接触
配置させて積層体とし、この積層体を窒素ガス雰囲気に
調整した温度1075℃の加熱炉に挿入して1分間加熱
することにより、各複合基板10の両面に銅回路板また
は金属板を直接接合し、さらに半導体素子を半田接合し
て実施例4に係る複合セラミックス基板1aをそれぞれ
調製した。
【0103】各複合セラミックス基板1aは、図3に示
すようにSi3 4 基板2およびAlN基板2aの全表
面にそれぞれSiO2 またはAl2 3 から成る酸化層
3が形成されており、Si3 4 基板2とAlN基板2
aとから成る複合基板10の表面側に金属回路板として
の銅回路板4が直接接合される一方、背面側に裏銅板と
しての金属板5が同様に直接接合され、さらに表面側の
銅回路板4の所定位置に半田層8を介して半導体素子6
が一体に接合された構造を有する。なお複合基板10の
両面に銅回路板4または金属板5を接合した場合、裏銅
板としての金属板5は放熱促進および反り防止に寄与す
るので有効である。
【0104】上記のように直接接合法によって回路層を
形成した実施例4に係る複合セラミックス基板の最大た
わみ量は0.8〜1.6mmの範囲であり、また抗折強度
は550〜900MPaの範囲であり、実施例1〜3の
ように活性金属法で回路層を形成した場合と同等の特性
値が得られた。また耐熱サイクル試験において1000
サイクル経過後においてもSi3 4 基板およびAlN
基板の割れや金属回路板および金属板の剥離が皆無であ
り、優れた耐熱サイクル特性を示した。
【0105】次に窒化けい素基板と窒化アルミニウム基
板とを積層して形成した複合セラミックス基板の実施形
態について説明する。
【0106】図4は、本発明の複合セラミックス基板の
一実施形態を示す断面図である。同図において、2は窒
化けい素基板であり、これら2枚の窒化けい素基板2,
2は窒化アルミニウム基板2aを介して積層、一体化さ
れている。すなわち、窒化アルミニウム基板2aは表面
部側に配置された2枚の窒化けい素基板2,2により挟
持されており、この窒化けい素基板2/窒化アルミニウ
ム基板2a/窒化けい素基板2から成る3層のサンドイ
ッチ構造によって複合基板10aが構成されている。
【0107】上述した窒化けい素基板2および窒化アル
ミニウム基板2aとしては、従来から用いられている一
般的なものを使用することができるが、特に窒化けい素
基板2としては熱伝導率が60W/m・K以上のものを
使用することが好ましい。
【0108】窒化けい素基板2を構成する窒化けい素焼
結体は、高強度・高靭性のセラミックス焼結体としてよ
く知られているが、例えば高純度化、組成調整等を行な
うことによって、本来の高強度・高靭性という機械的特
性を損うことなく、熱伝導率が60W/m・K以上とい
うように、比較的熱伝導性に優れた窒化けい素焼結体を
得ることができる。本発明では、このような比較的熱伝
導性に優れた窒化けい素基板2を用いることが好まし
い。また、窒化アルミニウム基板2aとしては、従来か
ら一般的に用いられている熱伝導率が170W/m・K
以上の高熱伝導性のものを使用することが好ましい。
【0109】上記複合基板10aを構成する窒化けい素
基板2,2と窒化アルミニウム基板2aとは、活性金属
接合層11を介してそれぞれ接合されている。活性金属
接合法としては、一般的な4A族元素や5A族元素等の
活性金属を含む活性金属ろう材を用いた活性金属ろう付
け法や、活性金属の箔や粉体を用いた活性金属固相接合
法等を適用することができる。例えば活性金属ろう材と
しては、Ag−Cuの共晶組成(72wt%Ag−28
wt%Cu)もしくはその近傍組成のろう材に、Ti,
Zr,HfおよびNbから選ばれる少なくとも1種の活
性金属を添加したものや、Cuに同様な活性金属を添加
したもの等が用いられる。また、このような活性金属ろ
う材にInやSn等を添加して、融点を低下させた低融
点活性金属ろう材を使用することも可能である。
【0110】窒化けい素基板2,2と窒化アルミニウム
基板2aとの接合には、上述した活性金属接合法に限ら
ず、図5に示すように、ガラス接合法を適用することも
可能である。接合層となるガラス層12,12には、硼
珪酸ガラス等の接合用ガラスが用いられる。
【0111】窒化けい素基板2,2と窒化アルミニウム
基板2aとの接合に活性金属接合法を適用した場合に
は、銅板(回路)を活性金属法で同時に形成できるとい
うような利点があり、一方ガラス接合法を適用した場合
には、銅板(回路)を直接接合法(DBC法)で接合で
きるというような利点がある。
【0112】また、複合基板10aを構成する窒化けい
素基板2および窒化アルミニウム基板2aの厚さは、要
求特性や接合基板10a全体の厚さ等によっても異なる
が、表面部側に位置して機械的強度を担う窒化けい素基
板2は0.2mm以上とすることが好ましい。窒化けい素
基板2の厚さが0.2mm未満であると、複合基板10a
として十分な機械的強度が得られないおそれがある。但
し、窒化けい素基板2の厚さがあまり厚すぎると、複合
基板10aとしての放熱性が低下するおそれがあるた
め、窒化けい素基板2の厚さは0.5mm以下とすること
が好ましい。
【0113】窒化アルミニウム基板2aは複合基板10
aの放熱性を担う部分であるため、複合基板10a全体
の厚さの20%以上が窒化アルミニウム基板2aとなる
ように、その厚さを設定することが好ましい(より好ま
しくは30%以上)。窒化アルミニウム基板2aが占め
る厚さが20%未満となると、複合基板10aとしての
放熱性が低下するおそれがある。このように、窒化アル
ミニウム基板2aは窒化けい素基板2より厚いことがよ
り好ましい。但し、複合基板10aとしての機械的強度
や放熱性等の特性は、窒化けい素基板2および窒化アル
ミニウム基板2aの個々の材料特性によっても異なるた
め、それらを考慮してそれぞれの厚さを設定することが
好ましい。
【0114】この実施形態の複合基板10aにおいて
は、機械的圧力、機械的応力、熱応力等が直接作用する
表面部を高強度・高靭性の窒化けい素基板2で構成して
いるため、アッセンブリ工程での締め付け割れや熱サイ
クルの付加に伴うクラック発生等を抑制することができ
る。すなわち、例えば熱応力や機械的応力等は基本的に
は表面にしか加わらないため、表面部を高強度・高靭性
の窒化けい素基板2で構成することによって、割れやク
ラック等の発生を抑制することが可能となる。
【0115】一方、複合基板10aの熱伝導性は、窒化
けい素基板2,2の中央に位置する窒化アルミニウム基
板2aが担うため、複合基板10aとして十分良好な高
熱伝導性を得ることができる。このように、上記複合基
板10aは、高強度・高靭性の窒化けい素基板2および
熱伝導性に優れる窒化アルミニウム基板2aの両者の特
徴を兼ね備えるものである。
【0116】上述した複合基板10aの両主面上、すな
わち窒化けい素基板2,2上には、それぞれ銅板4,4
が接合されており、これら銅板4,4は回路(配線層)
や半導体素子搭載部等を構成するものであり、これによ
って複合セラミックス基板1bが構成されている。銅板
4,4は、例えば上述した活性金属接合法や銅直接接合
法いわゆるDBC法により接合することができる。ま
た、回路等となる金属層は、上記した接合銅板4に限ら
ず、厚膜ペーストの塗布、焼成等によって形成すること
も可能である。厚膜ペーストとしては、WやMo等の高
融点金属を含むペースト、あるいは活性金属を含むAg
−Cu合金ペースト等が用いられる。
【0117】次に、本発明の他の実施形態について、図
6を参照して説明する。
【0118】図6は本発明の複合セラミックス基板をヒ
ートシンクに利用したものであり、上面側の窒化けい素
基板2は機械的圧力等が直接的に印加される周縁部の
み、すなわち窒化アルミニウム基板2aの上面周縁部の
みに接合されている。下面側の窒化けい素基板2は窒化
アルミニウム基板2a全面に接合されており、これらに
よって複合基板10bが構成されている。これら窒化け
い素基板2と窒化アルミニウム基板2aとは図示を省略
したが、前述した実施形態と同様に、活性金属接合法や
ガラス接合法等により接合されている。なお、下面側の
窒化けい素基板2表面には銅板4が同様な方法で接合さ
れている。
【0119】上述したように、この実施形態の複合セラ
ミックス基板においては、上面側の窒化けい素基板2を
機械的圧力等が直接的に印加される周縁部のみに接合し
ているため、半導体素子6等の電子部品は熱伝導性に優
れる窒化アルミニウム基板2a上に直接搭載することが
できる。したがって、半導体素子6からの熱をより速か
に放散することができる。このように、本発明の電子部
品搭載用セラミックス基板によれば、ヒートシンクとし
ての特性を維持した上で、アッセンブリ工程での締め付
け割れや熱サイクルの付加に伴うクラック発生等を抑制
することが可能となる。
【0120】図6に示した構造の複合基板10bは、例
えばQFPのパッケージ基体として利用することもでき
る。すなわち、窒化アルミニウム基板2aの上面側に接
合された窒化けい素基板2上にリードフレームを接合す
ることによって、リードフレームの接合に伴う応力割れ
等を防止することができる。なお、上記ヒートシンクと
同様に、半導体素子6は窒化アルミニウム基板2a上に
直接搭載できるため、QFPとしてより良好な放熱性を
得ることができる。
【0121】本発明の複合セラミックス基板は、図6に
示したように、必ずしも窒化けい素基板2を窒化アルミ
ニウム基板2aの全面に接合しなければならないもので
はなく、窒化アルミニウム基板2aに対して部分的に窒
化けい素基板2を接合することも可能である。
【0122】また、本発明の複合セラミックス基板は、
セラミックス回路基板やヒートシンク等に限らず、前述
したように半導体用パッケージの基体等としても使用す
ることができる。例えば、BGAやPGA等のパッケー
ジ基体に本発明の複合基板を用いる場合、プリント配線
基板との接合部側に特に熱応力が付加されるため、この
ような熱応力が集中して加わる側のみに窒化けい素基板
を接合して用いることも可能てある。すなわち、本発明
においては、窒化アルミニウム基板の片面のみに窒化け
い素基板を接合一体化した複合基板を用いることもでき
る。
【0123】このように、本発明の電子部品搭載用セラ
ミックス基板においては、窒化けい素基板の窒化アルミ
ニウム基板に対する接合位置は特に限定されるものでは
なく、機械的強度が必要とされる種々の部位に窒化けい
素基板を接合することができ、種々の形態の複合基板を
使用することが可能である。
【0124】次に積層形の複合セラミックス基板の実施
形態について以下に示す実施例5を参照してさらに説明
する。
【0125】実施例5 まず複合セラミックス基板の構成材となる各種窒化けい
素基板を以下の手順で製造した。
【0126】すなわち、酸素を1.3重量%、前記不純
物陽イオン元素を合計で0.15重量%含有し、α相型
窒化けい素97%を含む平均粒径0.55μmの窒化け
い素原料粉末に対して、表1〜3に示すように、焼結助
剤としてのY2 3 ,Ho2 3 などの希土類酸化物
と、必要に応じてTi,Hf化合物,Al2 3粉末,
AlN粉末とを添加し、エチルアルコール中で窒化けい
素製ボールを用いて72時間湿式混合した後に乾燥して
原料粉末混合体をそれぞれ調整した。次に得られた各原
料粉末混合体に有機バインダを所定量添加して均一に混
合した後に、1000kg/cm2 の成形圧力でプレス成形
し、各種組成を有する成形体を多数製作した。次に得ら
れた各成形体を700℃の雰囲気ガス中において2時間
脱脂した後に、この脱脂体を表1〜3に示す焼結条件で
緻密化焼結を実施した後に、焼結炉に付設した加熱装置
への通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降
下するまでの間における焼結体の冷却速度がそれぞれ表
1〜3に示す値となるように調整して焼結体を冷却し、
それぞれ試料1〜51に係る窒化けい素焼結体を調製し
た。
【0127】こうして得た試料1〜51に係る各窒化け
い素焼結体について気孔率、熱伝導率(25℃)、室温
での三点曲げ強度の平均値を測定した。さらに、各焼結
体についてX線回折法によって粒界相に占める結晶相の
割合(面積比)を測定し、下記表1〜3に示す結果を得
た。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】表1〜3に示す結果から明らかなように試
料1〜51に係る窒化けい素焼結体においては、原料組
成を適正に制御し、従来例と比較して緻密化焼結完了直
後における焼結体の冷却速度を従来より低く設定してい
るため、粒界相に結晶相を含み、結晶相の占める割合が
高い程、高熱伝導率を有する放熱性の高い高強度窒化け
い素焼結体が得られた。
【0132】これに対して酸素を1.3〜1.5重量
%,前記不純物陽イオン元素を合計で0.13〜0.1
6重量%含有し、α相型窒化けい素を93%含む平均粒
径0.60μmの窒化けい素原料粉末を用い、この窒化
けい素粉末に対してY2 3 (酸化イットリウム)粉末
を3〜6重量と、アルミナ粉末を1.3〜1.6重量%
添加した原料粉末を成形,脱脂後、1900℃で6時間
焼結し、炉冷(冷却速度:毎時400℃)して得た焼結
体の熱伝導率は25〜28W/m・Kと低く、従来の一
般的な製法によって製造された窒化けい素焼結体の熱伝
導率に近い値となった。
【0133】次に得られた試料1〜51に係る各窒化け
い素焼結体の表面を加工研磨することにより、各試料焼
結体から厚さ0.2mmの窒化けい素基板を2枚ずつ用意
する一方、この窒化けい素基板と平面形状が同一で、熱
伝導率が170W/m・Kで厚さ0.4mmの窒化アルミ
ニウム基板を多数用意した。次に窒化アルミニウム基板
2aの両面にそれぞれ窒化けい素基板2を、それぞれ活
性金属法で接合することにより、図4に示すようなサン
ドイッチ構造を有する厚さ0.8mmの複合基板10aを
それぞれ調製した。さらに各複合基板10aの両主面に
銅板4,4を、それぞれ活性金属法により接合し、しか
る後にエッチング処理して所定の配線パターンを形成
し、それぞれ実施例5に係る複合セラミックス基板を製
造した。
【0134】このようにして得た各複合セラミックス基
板1bの曲げ強度を測定したところ、平均値で500M
Paと良好な値を示した。また、各複合セラミックス基
板に233K〜RT〜398Kの熱サイクル試験を施し
たところ、1000サイクル後においてもクラックの発
生は認められず、耐電圧の低下も発生しなかった。
【0135】実施例6 実施例5において用意した熱伝導率が170W/m・K
で厚さ0.4mmの窒化アルミニウム基板2aと、この窒
化アルミニウム基板2aと平面が同一で、前記試料1〜
51に係る各窒化けい素焼結体から切り出した厚さ0.
2mmの窒化けい素基板2,2とを硼珪酸ガラスを用いて
接合して、図5に示すようなサンドイッチ構造を有する
厚さ0.8mmの複合基板10aを得た。さらに上記複合
基板10aの両主面に銅板4,4をそれぞれ直接接合法
(DBC法)で接合し、エッチングにてパターンを形成
し、それぞれ実施例6に係る複合セラミックス基板1b
を製造した。
【0136】このようにして得た各複合セラミックス基
板1bの曲げ強度を測定したところ、平均値で500M
Paと良好な値を示した。また、上記各複合セラミック
ス基板1bについて233K〜RT〜398Kの熱サイ
クル試験を施したところ、1000サイクル後において
もクラックの発生は認められず、耐電圧の低下も発生し
なかった。
【0137】比較例2 熱伝導率が170W/m・Kで厚さ0.8mmの窒化アル
ミニウム基板の両主面に、銅板をそれぞれ直接接合法
(DBC法)により接合し、エッチングにてパターンを
形成した。このようにして得た各複合セラミックス回路
基板の曲げ強度を測定したところ、300MPaであっ
た。また、このセラミックス回路基板に233K〜RT
〜398Kの熱サイクル試験を施したところ、300サ
イクルでクラックが発生し、耐電圧が低下した。
【0138】比較例3 熱伝導率が170W/m・Kで厚さ0.8mmの窒化アル
ミニウム基板の両主面に、銅板をそれぞれ活性金属接合
法により接合し、エッチングにてパターンを形成した。
このようにして得た各複合セラミックス回路基板の曲げ
強度を測定したところ、300MPaであった。また、
このセラミックス回路基板に233K〜RT〜398K
の熱サイクル試験を施したところ、500サイクルでク
ラックが発生し、耐電圧が低下した。
【0139】以上説明したように、本実施例に係る複合
セラミックス基板によれば、窒化アルミニウム基板本来
の高熱伝導性等の特性をあまり低下させることなく、回
路基板全体としての機械的強度を高めることができ、よ
って信頼性を大幅に向上させることが可能となる。
【0140】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る複合セラ
ミックス基板によれば、窒化けい素焼結体が本来的に有
する高強度高靭性特性に加えて特に熱伝導率を大幅に改
善した高熱伝導性窒化けい素基板を、特に構造強度を要
求される部位に配置する一方、半導体素子等の発熱部品
を搭載するために特に高い放熱性が要求される部位に窒
化アルミニウム基板を配置し、両基板を同一平面上に配
置したり、積層したりして形成されているため、半導体
素子等の発熱部品からの発熱は熱伝導率が高い窒化アル
ミニウム基板を経て迅速に系外に伝達されるため放熱性
が極めて良好である。一方、高強度高靭性である窒化け
い素基板を、構造強度が要求される部位に配置している
ため、回路基板の最大たわみ量を大きく確保することが
できる。そのため、アッセンブリ工程において回路基板
の締め付け割れが発生せず、回路基板を用いた半導体装
置を高い製造歩留りで量産することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合セラミックス基板の構成例を
示す平面図。
【図2】本発明に係る複合セラミックス基板の一実施例
を示す断面図であり、図1におけるII−II矢視断面図。
【図3】本発明に係る複合セラミックス基板の他の実施
例を示す断面図であり、図1における III−III 矢視断
面図。
【図4】本発明に係る複合セラミックス基板の他の実施
例を示す断面図。
【図5】図4に示す複合セラミックス基板の変形例を示
す断面図。
【図6】本発明に係る複合セラミックス基板の他の実施
例を示す断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 複合セラミックス基板 2 窒化けい素(Si3 4 )基板 2a 窒化アルミニウム基板(AlN基板) 3 酸化層(SiO2 皮膜,Al2 3 皮膜) 4 金属回路板(Cu回路板),回路層,銅板 5 金属板(裏銅板) 6 半導体素子(チップ) 7a,7b 金属接合層(活性金属ろう材層) 8 半田層 9 ヒートシンク 10,10a,10b 複合基板 11 活性金属接合層 12 ガラス接合層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孔俊 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 水野谷 信幸 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株 式会社東芝 京浜事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/15 C04B 35/58

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率が60W/m・K以上である高
    熱伝導性窒化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを同
    一平面上に配置し、前記高熱伝導性窒化けい素基板およ
    び前記窒化アルミニウム基板の表面に形成した酸化層を
    介して金属回路板を接合したことを特徴とする複合セラ
    ミックス基板。
  2. 【請求項2】 高熱伝導性窒化けい素基板および窒化ア
    ルミニウム基板の裏面に形成した酸化層を介して金属板
    を接合したことを特徴とする請求項1記載の複合セラミ
    ックス基板。
  3. 【請求項3】 金属板は酸化層を介して高熱伝導性窒化
    けい素基板および窒化アルミニウム基板の両方に亘って
    直接接合されていることを特徴とする請求項2記載の複
    合セラミックス基板。
  4. 【請求項4】 熱伝導率が60W/m・K以上である高
    熱伝導性窒化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを同
    一平面上に配置し、前記高熱伝導性窒化けい素基板およ
    び前記窒化アルミニウム基板の表面に形成したTi,Z
    r,HfおよびNbから選択される少なくとも1種の活
    性金属を含有する金属接合層を介して金属回路板を接合
    してなることを特徴とする複合セラミックス基板。
  5. 【請求項5】 高熱伝導性窒化けい素基板および窒化ア
    ルミニウム基板の裏面に形成した金属接合層を介して金
    属板を接合したことを特徴とする請求項4記載の複合セ
    ラミックス基板。
  6. 【請求項6】 金属板は活性金属ろう材層を介して高熱
    伝導性窒化けい素基板および窒化アルミニウム基板の両
    方に亘って接合されていることを特徴とする請求項5記
    載の複合セラミックス基板。
  7. 【請求項7】 熱伝導率が60W/m・K以上である高
    熱伝導性窒化けい素基板と窒化アルミニウム基板とを積
    層して成り、前記窒化アルミニウム基板は、前記窒化け
    い素基板により挟持されるとともに、Ti,Zr,Hf
    およびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を
    含有する金属接合層を介して接合されていることを特徴
    とする複合セラミックス基板。
  8. 【請求項8】 高熱伝導性窒化けい素基板上に直接接合
    法により接合された銅板を有することを特徴とする請求
    項7記載の複合セラミックス基板。
  9. 【請求項9】 高熱伝導性窒化けい素基板上に活性金属
    接合法により接合された銅板を有することを特徴とする
    請求項7記載の複合セラミックス基板。
  10. 【請求項10】 窒化アルミニウム基板は高熱伝導性窒
    化けい素基板より厚いことを特徴とする請求項7記載の
    複合セラミックス基板。
  11. 【請求項11】 高熱伝導性窒化けい素基板は、希土類
    元素を酸化物に換算して2.0〜17.5重量%、不純
    物陽イオン元素としてのLi,Na,K,Fe,Ca,
    Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合計で0.3重量%以下
    含有することを特徴とする請求項1,4または7記載の
    複合セラミックス基板。
  12. 【請求項12】 高熱伝導性窒化けい素基板は、希土類
    元素を酸化物に換算して2.0〜17.5重量%含有
    し、窒化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界
    相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が
    20%以上であることを特徴とする請求項1,4または
    7記載の複合セラミックス基板。
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