JP2002194504A - クロム系ステンレス鋼箔およびその製造方法 - Google Patents

クロム系ステンレス鋼箔およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】オ−ステナイト系ステンレス鋼箔に匹敵する優
れたばね特性を有した安価なクロム系ステンレス鋼箔と
その製造方法の提供。 【解決手段】マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相
からなる二相混合組織またはマルテンサイト相と残留オ
−ステナイト相に加え、75体積%以下のフェライト相
を含む三相混合組織からなるクロム系ステンレス鋼箔、
および冷延鋼板を窒素含有雰囲気で雰囲気中の窒素を吸
収させる製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機器、音響機
器および精密電子機器等の部品に好適なばね特性に優れ
たクロムステンレス鋼箔およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のばね部品としては、携帯電話のプ
ッシュボタンを支えるばね等の各種ボタンおよびスイッ
チばねがある。これらは、いずれもばね特性に優れた板
厚が0.1mm以下のばね用ステンレス鋼箔が使用され
ている。
【0003】従来、ばね用ステンレス鋼箔には、SUS
301LやSUS304に代表されるオ−ステナイト系
ステンレス鋼が使用されている。
【0004】このオーステナイト系ステンレス鋼は、加
工誘起変態で生じるマルテンサイト相により強度を高め
てばね特性を得たもので、素材メ−カ−から冷間圧延さ
れた状態で出荷され、加工メ−カ−において所望形状に
加工される。加工後に、ばね特性の向上を目的として時
効熱処理が施される場合もある。
【0005】上記のオ−ステナイト系ステンレス鋼箔
は、高強度でありながら良好な加工性を有する優れた鋼
である。しかしながら、高価なNiを多量に含有するこ
とから鋼材コストが高く経済性を損なうという問題があ
る。
【0006】また、板厚が0.1mm以下の箔を製造す
るには、加工誘起変態で生じるマルテンサイト相の生成
により圧延負荷が非常に高くなり、生産性を損なうとと
もに良好な形状と所望の板厚を得るのが困難であるとい
う問題もある。さらに、冷間圧延によるばね特性の上昇
は、箔の圧延方向(L方向)に比べ、圧延方向に対し直
角方向(T方向)の方が大きく、冷間圧延率が高まると
ともに両者の差が大きくなって、いわゆる面内異方性が
大きくなるという欠点がある。
【0007】特公平6−78566号公報には、化学組
成が質量%で、C:0.02〜0.2%,Si:0.1
〜2%,Mn:0.1〜2%,S≦0.006%,N
i:6〜10.5%,Cr:16〜20%,Al≦0.
01%,O≦0.01%,Mg≦0.01%,Ca:
0.0001〜0.005%,N:0.01〜0.2%
からなるオ−ステナイト系ステンレス鋼を、冷間圧延と
焼鈍を繰り返して最終板厚0.1mm以下とし、介在物
の大きさを7μm以下とする疲労特性に優れたステンレ
ス鋼箔の製造方法が開示されている。このステンレス鋼
箔は、介在物が微細化されているのでばね疲労特性が改
善されている。
【0008】特開平5−78789号公報には、表層に
Cr窒化物を析出分散させた制振特性に優れたばね用ス
テンレス鋼箔およびその製造方法が開示されている。こ
のテンレス鋼箔は、板厚0.1mm以下のオ−ステナイ
ト系ステンレス鋼が対象とされており、光輝焼鈍時の窒
化を制御して表層にCr窒化物を析出分散させ、次いで
約50%の調質圧延をおこない、必要に応じて時効熱処
理を施すことにより製造される。上記の各公報に開示さ
れている技術は、オ−ステナイト系ステンレス鋼箔のば
ね特性の向上を目的としたものある。したがって、上述
したばね用オ−ステナイト系ステンレス鋼箔の経済性お
よび生産性の改善には至っていない。。他方、クロム系
ステンレス鋼は、殆どNiを含有しないことから鋼材コ
ストが安価で経済性に優れている。さらに、クロム系ス
テンレス鋼の中でフェライト系ステンレス鋼は軟質であ
り、オ−ステナイト系ステンレス鋼に比べ加工硬化が小
さいことから箔の製造も容易であり生産性に優れてい
る。しかしながら、上記クロム系ステンレス鋼箔では、
オ−ステナイト系ステンレス鋼箔に匹敵するばね特性を
得るのが困難であるという問題を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、Niを
含有しないか、含有しても2%以下である安価なクロム
系ステンレス鋼箔でありながら、オ−ステナイト系ステ
ンレス鋼箔に匹敵するばね特性を有するクロム系ステン
レス鋼箔とその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クロム系
ステンレス鋼のばね特性を改善すべく、金属組織のばね
特性に及ぼす影響について種々実験、検討を重ねた結果
以下の知見を得るに至った。
【0011】a)クロム系ステンレス鋼を残留オ−ステ
ナイト相を含む金属組織とすることにより、加工性が改
善されるうえ、加工を受けると加工誘起変態を生じ組織
を強靱にし、強度を高めてばねの疲労特性を改善するこ
とができ、オーステナイト系ステンレス鋼と同等以上の
ばね特性が得られる。 b)残留オーステナイト相を生成させるためには、窒素
を含有する雰囲気中でクロムステンレス鋼を加熱して窒
素を吸収させて冷却すればよい。
【0012】本発明は、このような知見に基づき付きな
されたもので、その要旨は以下の通りである。
【0013】(1)金属組織が、マルテンサイト相と残
留オ−ステナイト相とを含む二相混合組織あまたはマル
テンサイト相、残留オ−ステナイト相および75体積%
以下のフェライト相とを含む三相混合組織からなるクロ
ム系ステンレス鋼箔。
【0014】(2)質量%で、C:0.01〜0.2
%、Cr:10〜20%,N:0.05〜0.5%、S
i:2%以下、Al:0.05%以下、Ni:2%以
下、Mn:2%以下、Cu:2%以下を含有し、残部F
eおよび不純物からなる上記(1)に記載のクロム系ス
テンレス鋼箔。
【0015】(3)Feの一部に代えて、質量%でTi
を0.001〜0.02%含有する上記(2)に記載の
クロム系ステンレス鋼箔。 (4)Feの一部に代えて、質量%でNbを0.01〜
0.1%含有する上記(2)〜(3)に記載のクロム系
ステンレス鋼箔。 (5)Feの一部に代えて、質量%でMoを0.1〜2
%含有する上記(2)〜(4)のいずれかに記載のクロ
ム系ステンレス鋼箔。
【0016】(6)Feの一部に代えて、質量%でVを
0.05〜0.3%含有する上記(2)〜(5)のいず
れかに記載のクロム系ステンレス鋼箔。 (7)Feの一部に代えて、質量%で希土類元素を0.
005〜0.1%含有する上記(2)〜(6)のいずれ
かに記載のクロム系ステンレス鋼箔。
【0017】(8)上記(1)に記載の金属組織または
上記(2)〜(7)のいずれかに記載の化学組成を有す
るクロム系ステンレス冷延鋼板を窒素含有雰囲気中で加
熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を吸収させたのち、
1℃/秒の冷却速度で冷却することを特徴とするクロム
系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0018】(9)冷却した後、100〜600℃の温
度域で10秒以上の時効熱処理をおこなう上記(8)に
記載のクロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0019】(10)時効熱処理をおこなった後、圧下
率5%以下の調質圧延をおこなう上記(9)に記載のク
ロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0020】これらの知見は、種々の試験に基づいて得
られたもので、その代表的な試験について以下に説明す
る。
【0021】表1に示す化学組成を有するクロム系ステ
ンレス鋼を溶製し、熱間加工後冷間圧延して板厚0.0
5mmの箔とした。
【0022】
【表1】 この鋼箔を窒素含有雰囲気中にて1050℃で5〜90
秒間加熱保持する熱処理を施し、窒素含有量が0.03
〜0.2質量%となるように窒素を吸収させ、マルテン
サイト相と残留オ−ステナイト相の総和が10〜100
体積%で残部がフェライト相からなるクロム系ステンレ
ス鋼箔を製造した。
【0023】上記クロム系ステンレス鋼箔より圧延方向
(L方向)および圧延直角方向(T方向)の曲げ試験片
を採取し、450℃で均熱60秒の時効処理を施し、ば
ね限界値Kb、ばね疲労特性に及ぼす金属組織の影響を
検討した。 なお、ばね限界値Kbは、JIS H 37
32に規定される曲げによる表面最大応力が36.25
GPaとなるときの弾性変形と同等の永久変形を生じさ
せる表面最大応力と定義される。
【0024】ばね疲労特性は、繰り返し平面曲げ試験機
を用い、所定の曲げ応力を付与して破壊に至るまでの繰
り返し曲げ回数を求めた。ここで、繰り返し曲げ回数の
上限は107回とした。
【0025】図1は、試験材の代表的な断面ミクロ組織
を示したもので、マルテンサイトと残留オーステナイト
相からなる2相組織とフェライト相からなっている。
【0026】図2は、マルテンサイトと残留オーステナ
イトの占める量とばね限界値Kbとの関係で整理した図
である。同図には、従来のばね用オ−ステナイト系ステ
ンレス鋼箔SUS301L(板厚0.06mm)の時効
熱処理材および非時効熱処理材のばね限界値Kbを併せ
て示す。
【0027】同図から明らかなように、マルテンサイト
相と残留オ−ステナイト相の総和が25体積%を超える
クロム系ステンレス鋼箔は、L方向とT方向とでほとん
ど差がなく面内異方性は極めて小さく、従来鋼であるS
US301L非時効熱処理材を上回るばね限界値Kb
(L、T方向平均値)であった。これは、マルテンサイ
ト相における固溶元素(C、N)が、時効処理により微
細析出し、鋼の弾性比例限が向上したことに起因すると
考えられる。
【0028】図3は、上記の試験で用いたM+残留γが
60%のクロム系ステンレス鋼箔のばね疲労特性を示し
たものである。同図に示すように、マルテンサイト相と
残留オ−ステナイト相の総和が約60体積%のクロム系
ステンレス鋼箔は、比較鋼であるSUS301L時効熱
処理材を上回る極めて優れたばね疲労特性を示した。こ
れは、上記マルテンサイト相の析出硬化に加え、C、N
を過飽和に固溶した残留オ−ステナイト相が繰り返し曲
げ試験により加工誘起変態して強靱な組織となりばね疲
労特性の向上に作用したものと考えられる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて具体的に説明する。なお、化学組成の%表示は質量
%を示す。
【0030】a.化学組成 本発明のクロム系ステンレス鋼は、金属組織がマルテン
サイト相と残留オ−ステナイト相からなる二相混合組織
あるいはマルテンサイト相、残留オ−ステナイト相およ
び75体積%以下のフェライト相からなる三相混合組織
であるクロム系ステンレス鋼であればよく、特に化学組
成を限定するものではないが、好ましい化学組成を以下
に示す。
【0031】C:Cは、代表的なオ−ステナイト形成元
素であり、また、マルテンサイト硬化能に大きく影響す
る元素である。オ−ステナイト系ステンレス鋼に相当す
るばね特性を得るために、C含有量を0.01%以上と
するのが望ましい。C含有量を過度に増加させるとマル
テンサイト相の割合が過大になるとともに、マルテンサ
イト相の硬さが増加し、熱間加工性および製品の加工性
が低下する。さらに、窒素含有雰囲気熱処理の冷却過程
において鋭敏化現象起こし易くなり耐食性が劣化する。
これらの不都合を避けるためにC含有量を0.2%以下
とするのが望ましい。
【0032】Cr:Crは、フェライト相を形成すると
共に、耐食性を確保するために必要な元素である。さら
に、窒素含有雰囲気中でクロム系ステンレス鋼を熱処理
した際に、雰囲気中の窒素を吸収して、オ−ステナイト
相を安定化させる作用を有する。ばね疲労特性向上のた
めに残留オ−ステナイト相を生成させ、耐食性を確保す
るには、Cr含有量を10%以上とするのがよい。他
方、Cr量を過剰に含有させると鋼材コストが高価にな
るばかりでなく、オ−ステナイト相を安定化させる温度
が1200℃超となり、鋼の高温強度不足により熱処理
することが困難になるなどの操業上の問題が生じる場合
がある。これを避けるために、Cr含有量を20%以下
とするのがよい。より望ましくは12〜7%である。
【0033】N:Nは、Cと同様に代表的なオ−ステナ
イト形成元素であり、ばね疲労特性の向上に効果的な元
素である。しかしながら、鋼の溶製時にNを大量に含有
させるのは通常の方法では困難であるうえに、Nを大量
に含有した鋼は熱間加工性が悪く、熱間圧延時に耳割れ
等の表面疵の発生原因となる。したがって、窒素含有雰
囲気熱処理以前の段階においては特に限定する必要はな
く、通常の製造方法で得られる0.001〜0.04%
程度の含有量でよい。
【0034】本発明においては、窒素含有雰囲気中で熱
処理することにより鋼にNを吸収させる。これによりオ
−ステナイト相を安定化させ、冷却過程における鋭敏化
現象の発生を抑制し、また、冷却後の金属組織をマルテ
ンサイト相に加え残留オ−ステナイト相を含有する混合
組織とする。
【0035】前記熱処理後のN含有量は、残留オ−ステ
ナイト相の比率の増加により、ばね疲労特性をさらに向
上させるために0.05%以上とするのがよい。より望
ましくは0.1%以上である。他方、N含有量を増加さ
せるには、熱処理時間を長くする必要があり、生産性を
阻害するという問題が生じる。従って、その上限は0.
5%とするとよい。
【0036】本発明のクロム系ステンレス鋼の代表的な
化学組成は、上記の3元素を含み残部がFeおよび不純
物からなるステンレス鋼であり、さらに必要により下記
の元素を含有させることができる。
【0037】Ni、Mn、Cu:これらの元素は、いず
れもオ−ステナイト形成元素であり、熱処理後のマルテ
ンサイト相の量と硬さを調整するのに有効な元素であ
る。また、これらの元素を含有させることにより、(C
+N)含有量を低減することができるので、マルテンサ
イト相を軟質なものとすることができる。よって、鋼の
加工性を向上させるのに好適である。
【0038】したがって、これらの元素は必須元素では
ないが、上記の効果を得るために含有させても構わな
い。含有させる場合は、それぞれ0.3%以上含有させ
るのがよい。他方、NiおよびCuを過剰に含有させる
と経済性を損なうので、含有させる場合でもその上限を
それぞれ2.0%とするのがよい。Mnは、窒素含有雰
囲気熱処理時の窒素吸収能を高める作用がるが、過剰に
含有させると経済性を損なううえ、耐食性を低下させる
作用があるので、含有させる場合でもその上限を2%と
するのがよい。これらの元素を積極的に添加しない場合
は、不純物としてNiは0.3未満程度、Cuは0.0
01%程度混入してくる。また、Mnは脱酸剤としても
有効であり、脱酸剤として使用すれば0.1%程度含
む。
【0039】Ti:Tiは、フェライト形成元素である
とともに、窒素含有雰囲気熱処理において結晶粒の粗大
化を防止し、さらに冷却過程で生じる鋭敏化現象を抑制
する作用を有する。したがって、必須元素ではないが、
上記の効果を得るために含有させても構わない。
【0040】含有させる場合には、0.001%以上含
有させるのがよい。他方、Tiを過剰に含有させると経
済性を損なうだけでなく、鋼中のC、Nを固定して強度
低下の原因となるので、含有させる場合でもその上限は
0.02%とするのがよい。
【0041】Nb:Nbは、フェライト形成元素である
とともに、窒素含有雰囲気熱処理後の冷却過程で生じる
鋭敏化現象を抑制し、さらに、オ−ステナイト相(冷却
後にはマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相)に固
溶し、強度を上昇させる作用もある。従って、必須元素
ではないが、上記の効果を得るために含有させても構わ
ない。含有させる場合には0.01%以上含有させるの
がよい。他方、Nbを過剰に含有させると鋼中のC、N
元素を固定して強度低下の原因となるので、含有させる
場合でもその上限は0.1%とするのがよい。Mo:M
oは必須元素ではないが、フェライト形成元素であると
ともに、耐食性を著しく向上させる作用があるので、C
r含有量が少ない場合でもMoを含有させることにより
耐食性を得ることができる。含有させる場合には0.1
%以上含有させるのがよい。しかしながら、Moは高価
であり過剰に含有させると経済性を損なうので、含有さ
せる場合でもその上限は2.0%とするのがよい。
【0042】V:必須元素ではないが、強度を得るため
に効果的な元素であるため、含有させてもよい。含有さ
せる場合には0.05%以上含有させるのがよい。しか
しながら、上記効果は0.3%を越えると飽和するの
で、含有させる場合でも0.3%以下とするのがよい。
【0043】Si:Siは、鋼の脱酸剤として有効な元
素であるうえ、強度を高める作用もあるので含有させて
もよい。しかしながら、過剰に含有させると鋼の靱性を
損なうので、含有させる場合でもその上限は2%とする
のがよい。脱酸剤として使用すれば0.1%以上で含有
する。
【0044】Al:Alは、鋼の脱酸剤として有効な元
素であるので含有させてもよい。しかしながら、Alは
窒化物を形成するため、過剰に含有させると窒素含有雰
囲気熱処理時の固溶窒素量を減少させる作用がある。従
って、含有させる場合でもその上限は0.05%とする
のがよい。
【0045】希土類元素:希土類元素は、通常含有させ
ないが、鋼の耐酸化性を向上させる作用があるので含有
させてもよい。しかしながら、合計量で0.1%を超え
て含有させると効果が飽和するうえコストが高くなるの
で含有させる場合でも0.1%以下とするのがよい。
【0046】b.金属組織 ばね用クロム系ステンレス鋼として好適な金属組織とし
ては、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相とから
なる二相混合組織あるいはマルテンサイト相と残留オ−
ステナイト相に加え、75体積%以下のフェライト相を
含む三相混合組織である。
【0047】マルテンサイト相は、鋼の強度と硬さを高
めるうえに、時効熱処理を施して固溶元素(C、N)を
析出させることにより鋼の弾性比例限を高めてばね特性
を向上させる。この効果を得るにはマルテンサイト相の
比率を25体積%以上とするのが好ましい。より好まし
くは50%以上である。
【0048】他方、マルテンサイト相の比率を過度に高
くすると鋼の延性が低下し、加工性が損なわれるので、
マルテンサイト比率は95体積%以下とするのが好まし
い。より好ましくは90%以下である。
【0049】残留オ−ステナイト相は、マルテンサイト
相に比べて軟質で加工性に富むうえ、加工を受けた際に
加工誘起変態して組織を極めて強靱にする。また、加工
誘起変態して得られる強靱な組織により、鋼の強度を高
めてばね疲労特性を向上させる。これら効果を得るため
に残留オ−ステナイト相の比率は2体積%以上とするの
が好ましい。
【0050】フェライト相は必須ではないが、マルテン
サイトと残留オーステナイトの2相組織にさらにフェラ
イト相があると加工性改善効果がある。しかしながら、
フェライト相の比率が高くなると強度が低下してばね特
性が損なわれるので、フェライト相を含有する場合の上
限は75体積%以下とする。
【0051】マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相
およびフェライト相の体積比率は、これらの総和が10
0%を超えない範囲である。なお、金属組織の体積%は
金属組織観察面における面積%にも相当する。
【0052】c.製造方法 上記a項で述べた化学組成範囲に調整した鋼のスラブを
一般の方法で製造する。例えば、転炉や電気炉で鋼を溶
解した後、真空脱ガス処理を施し、連続鋳造鋳片やイン
ゴットにした後、分塊圧延するなどの方法でスラブを製
造する。
【0053】得られたスラブを一般の方法で熱間圧延し
て熱間圧延鋼板を製造し、常法にしたがって焼鈍し、酸
洗などの方法でその表面の酸化スケ−ルを除去する。
【0054】その後、冷間圧延して冷延鋼板を製造す
る。冷間圧延は中間焼鈍を含む複数回おこなって目標の
板厚とする。ばね部品としての用途には最終板厚が0.
1mm以下の鋼箔とするのがよい。得られた鋼箔を窒素
含有雰囲気中で加熱し、雰囲気中の窒素を吸収させ、1
℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱処理を施す。
【0055】上記窒素含有雰囲気は、鋼箔への窒素吸収
率を効率よくおこなわせるために、以下のようにするこ
とが望ましい。
【0056】上記窒素含有雰囲気中の水素濃度は、10
体積%以上とすることが好ましい。鋼表面に酸化皮膜が
形成されると窒素含有雰囲気からの窒素吸収が阻害され
るが、雰囲気中の水素濃度を上記範囲とし、かつ露点を
低くすることにより酸化皮膜の生成を抑制することがで
きる。より望ましくは50〜80体積%である。酸化皮
膜の厚さは100Å以下に抑えるのがよい。
【0057】上記窒素含有雰囲気中の窒素濃度は、10
体積%以上とすることが好ましい。より望ましくは20
〜50体積%である。
【0058】上記窒素含有雰囲気の露点が高いと、厚さ
が100Åを超える緻密な酸化皮膜が鋼表面に形成さ
れ、鋼箔への窒素吸収率が低下するため、窒素含有雰囲
気の露点は−30℃以下にすることが好ましい。より望
ましくは−40℃以下である。
【0059】なお、上記窒素含有雰囲気中には、鋼箔の
表面酸化作用のないArガス等の不活性ガスや窒化反応
を促進させるNH3等の触媒が含まれていても差し支え
ない。上記熱処理の鋼箔の表面温度は900℃以上とす
るのがよい。表面温度は加熱炉内に輻射温度計を配置し
て測定することができる。酸素ポテンシャルが低い低露
点雰囲気中で鋼箔の表面温度を900℃以上とすると、
鋼表面の酸化被膜が還元されるので、鋼表面の酸化皮膜
を100Å未満まで薄くすることができる。また、上記
温度域では酸化皮膜中および鋼中の窒素原子の拡散速度
が速く、鋼の窒素固溶量も大きくなるなどの相乗効果
で、鋼箔への窒素吸収が促進される。他方、鋼箔の表面
温度が1200℃を超えると、鋼箔の高温強度が低下
し、均熱作業に支障が生じることがあるので、熱処理の
均熱過程における鋼箔の表面温度は1200℃以下とす
るのがよい。
【0060】上記熱処理の均熱過程において鋼箔の表面
温度を900℃以上とする時間(以下、「均熱時間」と
もいう)を10秒以上とするのが望ましい。均熱時間が
10秒未満では、所期のばね特性を得るのに必要なマル
テンサイト相と残留オ−ステナイト相が得られない場合
がある。均熱時間の上限は特に限定しないが、連続熱処
理炉にて熱処理をおこなう場合には、生産性の低下を抑
制するために、2分以下とするとよい。
【0061】上記均熱後は、鋭敏化現象の発生を抑制す
るために1℃/秒以上の冷却速度で冷却をおこなう必要
がある。冷却速度が1℃/秒未満では、冷却過程におけ
る鋭敏化現象の発生を充分に抑制できない場合がある。
冷却速度の上限は特に限定しないが、冷却速度を100
0℃/秒超とすることは実質的に困難であるので、10
00℃/秒以下とするとよい。
【0062】上記熱処理後の鋼箔は、そのままばね用鋼
箔として使用してもよいが、ばね特性の向上を目的とし
た時効熱処理などの熱処理を施してもよい。
【0063】ばね特性を向上させるために時効熱処理を
おこなう場合には、時効熱処理温度を100〜600℃
とすることが望ましい。
【0064】時効温度が100℃未満では、時効処理に
よるばね特性の向上が不充分となる場合がある。また、
時効温度が600℃超では前記窒素含有雰囲気熱処理に
より固溶したC、Nが数μmに及ぶ粗大な析出物を形成
して、結晶粒界および結晶粒内に析出し、耐食性および
材料強度を低下させる場合がある。より望ましくは、2
00〜00℃である。時効熱処理時間は、10秒以上と
することが望ましい。時効処理時間が10秒未満では、
時効処理によるばね特性の向上が不充分となる場合があ
る。時効処理時間の上限は特に限定する必要はないが、
本発明の窒素含有雰囲気熱処理後のクロム系ステンレス
鋼箔についての時効処理は、短時間でその効果を発揮す
ることから、バッチ式熱処理炉以外に連続熱処理炉にお
いてもおこなうことが可能であり、時効熱処理時間を5
分超としても上記効果が飽和する傾向を示すことから、
連続熱処理炉において時効処理をおこなう場合には5分
以下にするとよい。
【0065】時効熱処理後の冷却速度は、ばね特性や他
の諸特性に殆ど影響を及ぼさないことから、時効処理後
の冷却には任意の冷却方式を適用することができる。
【0066】また、ばね特性の向上および鋼箔の形状
(平坦度)修正を目的として、時効熱処理後に調質圧延
をおこなうとよい。また、前記窒素含有雰囲気中で加
熱、冷却後に調質圧延を施してもよい。
【0067】調質圧延をおこなうことにより、残留オ−
ステナイト相の加工誘起変態を活用することが好ましい
が、この場合の調質圧延の圧下率は5%以下とするのが
望ましい。調質圧延の圧下率が5%超では、鋼箔の延性
が低下し加工性が損なわれる場合があるからである。
【0068】
【実施例】表2に示す2種の化学組成を有するクロム系
ステンレス鋼連続鋳造スラブを1150〜1200℃に
加熱し、仕上げ温度900〜950℃で熱間圧延を終了
して、厚さ3.2mmの熱延鋼帯を得た。これら熱延鋼
帯を750〜850℃での熱延板焼鈍を施した後、ショ
ットブラストと硝弗酸酸洗を施して脱スケ−ルした後、
中間焼鈍を挟む冷間圧延を施して厚さが0.05mmの
鋼箔とし、さらに以下に述べる条件で窒素含有雰囲気で
の熱処理を施した。
【0069】
【表2】 窒素含有雰囲気での熱処理は、連続光輝焼鈍炉を用い
た。均熱雰囲気は窒素25体積%、水素75体積%と
し、雰囲気露点は−40℃以下に制御した混合ガスを使
用した。均熱時の鋼表面温度は800〜1100℃とし
た。均熱時間は10〜90秒の範囲とし、均熱後の冷却
速度は5〜40℃/秒と変化させた。
【0070】熱処理後の鋼箔の一部に圧下率1〜5%の
調質圧延を施した。
【0071】また、窒素含有雰囲気での熱処理後の鋼箔
および窒素含有雰囲気熱処理後に調質圧延を施した鋼箔
の一部には、温度:200〜600℃,熱処理時間:1
0〜180秒とした時効処理を連続光輝焼鈍炉を用いて
おこなった。比較鋼として、市販のオ−ステナイト系ば
ね用鋼箔SUS301L−0.06mm厚,SUS30
4−0.05mm厚を準備した。
【0072】フェライト相は、腐食した試験片を顕微鏡
観察あるいはSEM観察によりマルテンサイト相および
残留オ−ステナイト相と識別できる。したがって、フェ
ライト相の体積率は、試験片断面を常法により研磨し腐
食させた金属組織観察面を顕微鏡観察して測定した。
【0073】また、残留オ−ステナイト相の体積率は、
X線回折法によりα−Feとγ−Feの積分強度を測定
することにより求めた。これより、マルテンサイト相の
体積率は、100−(フェライト相の体積率+残留オ−
ステナイト相の体積率)[%]より求めた。鋼箔の窒素含
有量は、化学分析(ガス分析法)により定量した。
【0074】表3に各鋼箔の金属組織および熱処理条件
とを共に示す。
【0075】
【表3】 表面硬さは、JIS Z 2244に規定されているビッ
カ−ス硬さ試験法により、0.98N荷重の条件にて測
定した。
【0076】ばね特性は、圧延方向(L方向)と圧延垂
直方向(T方向)の試験片を使用し、平面曲げ試験機に
よりJIS H 3732に規定されているばね限界値K
bとばね疲労限を測定した。Kbは、曲げによる表面最
大応力が36.25GPaとなるときの弾性変形と同等
の永久変形を生じさせる表面最大応力と定義される。
【0077】ばね疲労限は、30Hzの一定振幅の繰り
返し曲げ試験において107回を上限として試験片が破
断に至らなかった最大応力を測定した。
【0078】耐食性は、塩水噴霧試験器を用いて、5%
塩水を192時間噴霧した後の腐食面積率レイティング
No.(No.10:発銹なし,Noが小さい程腐食面
積率大)を測定した。
【0079】表4に得られた各鋼箔の特性測定結果を示
す。
【0080】
【表4】 表3に示すように、符号1A,1B,2Bの鋼箔は、い
ずれもマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相に加
え、75体積%以下のフェライト相を含む三相混合組織
を有し、符号2Aの鋼箔はマルテンサイト相と残留オ−
ステナイト相からなる二相混合組織である。他方、符号
1Cの鋼箔はマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相
に加え、75体積%を越えるフェライト相を含む三相混
合組織を有し、符号2Cの鋼箔は残留オ−ステナイト相
が無いマルテンサイト相とフェライト相からなる二相混
合組織である。
【0081】表4に示すように、試番1、2、3、6お
よび7の鋼箔は、いずれも表面硬さがHv500を超え
ており、比較鋼であるSUS301L鋼箔に相当する優
れたばね限界値およびばね疲労限が得られた。試番8の
鋼箔は、比較鋼であるSUS304鋼箔に相当する良好
なばね限界値およびばね疲労限を有した。
【0082】試番4、5、9および10は表面硬さ不足
であり、目標のばね限界値、ばね疲労限が得られなかっ
た。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、殆どNiを含有しない
安価なクロム系ステンレス鋼箔でありながら、オ−ステ
ナイト系ステンレス鋼箔に匹敵する優れたばね特性を有
する鋼箔が得られ、ばね部品、ばね性を必要とする通信
機器、音響機器および精密電子機器等の部品のばね、特
に携帯電話のプッシュボタンを支えるばね部品に用い優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステンレス鋼の代表的なミクロ組織を
示す図である。
【図2】ばね限界値とマルテンサイトと残留オーステナ
イトの体積率との関係を示す図である。
【図3】クロム系ステンレス鋼箔のばね疲労特性を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/58 C22C 38/58 (72)発明者 青木 正紘 新潟県上越市港町2丁目12番1号 株式会 社住友金属直江津内 (72)発明者 御所窪 賢一 新潟県上越市港町2丁目12番1号 株式会 社住友金属直江津内 (72)発明者 安達 和彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AD13 4K037 EA01 EA05 EA06 EA12 EA13 EA15 EA17 EA18 EA19 EA20 EA27 EA28 EA31 EA32 EA36 EB12 EB14 FA02 FC04 FF02 FF03 FJ04 FJ06 FJ07 FK02 FK03 FM02 FM04 GA07 JA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属組織が、マルテンサイト相と残留オ−
    ステナイト相とを含む二相混合組織またはマルテンサイ
    ト相、残留オ−ステナイト相および75体積%以下のフ
    ェライト相を含む三相混合組織からなることを特徴とす
    るクロム系ステンレス鋼箔。
  2. 【請求項2】質量%で、C:0.01〜0.2%、C
    r:10〜20%,N:0.05〜0.5%、Si:2
    %以下、Al:0.05%以下、Ni:2%以下、M
    n:2%以下、Cu:2%以下を含有し、残部Feおよ
    び不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のク
    ロム系ステンレス鋼箔。
  3. 【請求項3】Feの一部に代えて、質量%でTiを0.
    001〜0.02%含有する請求項2に記載のクロム系
    ステンレス鋼箔。
  4. 【請求項4】Feの一部に代えて、質量%でNbを0.
    01〜0.1%含有する請求項2または3記載のクロム
    系ステンレス鋼箔。
  5. 【請求項5】Feの一部に代えて、質量%でMoを0.
    1〜2%含有する請求項2〜4のいずれかに記載のクロ
    ム系ステンレス鋼箔。
  6. 【請求項6】Feの一部に代えて、質量%でVを0.0
    5〜0.3%含有する請求項2〜5のいずれかに記載の
    クロム系ステンレス鋼箔。
  7. 【請求項7】Feの一部に代えて、質量%で希土類元素
    を0.005〜0.1%含有する請求項2〜6のいずれ
    かに記載のクロム系ステンレス鋼箔。
  8. 【請求項8】請求項1の金属組織または請求項2〜7に
    記載の化学組成を有するクロム系ステンレス冷延鋼板を
    窒素含有雰囲気中で加熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒
    素を吸収させたのち、1℃/秒の冷却速度で冷却するこ
    とを特徴とするクロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
  9. 【請求項9】冷却した後、100〜600℃の温度域で
    10秒以上の時効熱処理をおこなうことを特徴とする請
    求項8に記載のクロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
  10. 【請求項10】時効熱処理をおこなった後、圧下率5%
    以下の調質圧延をおこなうことを特徴とする請求項9に
    記載のクロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
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