JP3956683B2 - 複層組織クロム系ステンレス鋼材とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロム系ステンレス鋼材とその製造方法に関する。特に、本発明は、耐銹性に優れ、かつばね特性を備えるクロム系ステンレス鋼材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ばね用クロム系ステンレス鋼には、SUS 420J2−CPS のマルテンサイト系ステンレス鋼が規定されている(JIS −G4313)。しかし、Cr量が12〜14%と低いために耐銹性が不十分であるという問題がある。
【0003】
従来にあっても、例えば、特開平3−56621 号公報には、ばね特性に優れたCr量が20重量%に近いクロム系ステンレス鋼が提案されている。しかし、それはフェライト相+マルテンサイト相の混合組織を利用するものである。
【0004】
一方、特開2001−140041号公報において、本件出願人はばね用鋼として表層部と内層部とを備えた複層組織を提案している。これは、鋼材の表層部がマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相を含む混合組織、内層部がフェライト相とマルテンサイト相の混合組織からなる複層組織クロム系ステンレス鋼である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近、自動車部品メーカーにおいて塗装工程省略によるコストダウンが検討されており、それに伴いステンレス鋼素材に対してより厳しい耐銹性が求められるようになった。例えば、自動車用ホーンの振動板には、ばね用クロム系ステンレス鋼が使用されている。しかし、北米、北欧地域に代表される寒冷地の路面凍結防止のために散布される食塩に起因する発銹、および隙間部分での塩素イオン濃化によるpHの低下による腐食に対しては、従来のSUS430(汎用16Cr鋼)でも十分な抵抗力がない場合が見られる。一般に、これら耐銹性は、Cr、Mo量を増加させることで改善する。しかし、これら元素は高価であり、かつフェライト形成元素である。従って、同元素の添加は材料コストの上昇とばね材に必要な材料強度の低下を招くという問題がある。
【0006】
ここに、本発明の課題は、上述した最近のユーザー動向を踏まえ、より厳しい耐銹性が求められる環境に適用しうる安価なクロム系ステンレス鋼材とその製造方法を提供することである。
【0007】
具体的には、本発明の課題は、多量のNiを含有する強度・耐銹性に優れた高価なばね用オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304−CSP)と同等以上の特性(耐銹性、ばね性、加工性)を備えたクロム系ステンレス鋼材とその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく、種々の検討を重ねた結果、前述の特開2001−140041号公報において提案した表層部および内層部を備えた複層組織クロム系ステンレス鋼材において、その表層部へ必要量のCuを固溶させると、予想外にも、NaCl環境において腐食の進行を抑制する作用が極めて大きいとの知見を得、さらに検討を重ね、1.5 〜3.0 %のCuを含有するクロム系ステンレス鋼において、表層部の未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とすることにより、複層組織クロム系ステンレス鋼材の耐銹性が著しく向上することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
なお、前述の特開平3−56621 号公報にも、Cr:10〜20重量%、C:0.01〜0.15重量%、Ni、MnまたはCuのうち1種または2種以上を0.1 〜4.0 重量%含有する鋼組成が開示されているが、その場合に添加するCuは、NiおよびMnと均等な作用を有し、オーステナイト生成元素として高温でフェライト+オーステナイト二相組織を得るために添加するのであって、耐食性あるいは耐銹性の改善については何らの開示も示唆もすることがない。
【0010】
また、クロム系ステンレス鋼にCuを添加する例は、特開平10−237597号公報にも見られるが、この場合に添加されるCu:0.4 〜5重量%は、Cuのリッチな相を構成することで鋼材に抗菌性を付与するためである。
【0011】
むしろ、これらの従来例では、フェライト相とマルテンサイト相の混合組織( 複相組織) となっており、そのような複相化熱処理時の鋭敏化現象により耐食性が劣化することが危倶される。
【0012】
よって、本発明は次の通りである。
(1)内層部と、該内層部の上に加窒処理により形成されるN含有量が0.03〜0.5質量%である表層部との複層組織から成り、前記内層部は、質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1.0%以下、Mn 1.0 %以下、Al:0.05%以下、Cr:16〜20%、Cu:1.5〜3.0%、N:前記表層部のN含有量よりも少ない量、Nb:0.005〜0.1%、残部Fe及び不可避的不純物から成る鋼組成を有するとともに、フェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくはマルテンサイト単相組織からなり、かつ前記表層部は、マルテンサイト相と残留オーステナイト相とを含有する混合組織からなるとともに、該表層部における未固溶Cu粒子の最大粒子径は0.5μm以下であり、かつ該表層部の厚さが5μm以上であることを特徴とする複層組織クロム系ステンレス鋼材。
【0013】
(2)前記内層部は、質量%で、Ti:0.003〜0.03%、およびMo:0.1〜1.0%から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有する上記(1)に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
(3)前記内層部は、質量%で、 Ni:0.3〜1.0%を含有する上記(1)または(2)に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
(4)前記内層部は、V:0.05〜0.3質量%を含有する上記(1)から(3)までのいずれか1項に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
【0014】
(5)上記(1)からから(4)までのいずれか1項に記載された鋼組成を有するクロム系ステンレス鋼材を、水素:10体積%以上及び窒素:5体積%以上、及び/又は、露点:−30℃以下の窒素含有雰囲気中で下記(1)式で規定される均熱温度Tに均熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を鋼材の表層部に吸収させたのち、1℃/秒以上の冷却速度で冷却する複層化熱処理を行うことによって、フェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくはマルテンサイト単相組織からなる内層部と、N含有量が0.03〜0.5質量%であり、マルテンサイト相と残留オーステナイト相とを含有する混合組織からなるとともに未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5μm以下であり、かつ厚さが5μm以上である表層部とからなる複層組織とすることを特徴とする複層組織クロム系ステンレス鋼材の製造方法。
T(℃)≧93Cu(質量%)+760 ・・・・・(1)
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明をさらに具体的に説明する。なお、本明細書において、化学組成、つまり鋼組成を示す「%」は、とくにことわりがない限り、「質量%」を意味する。
【0016】
図1は、耐銹性に対する代表的な実験結果を示すもので、45℃−1.5 %NaCl含有水溶液中(pH塩酸調整)半浸漬後の腐食減量を示すグラフである。
本発明鋼材は、SUS430(16%Cr鋼)材に2%Cuを添加したものであり、Cuが理論上完全に固溶する均熱温度で複層化熱処理を行い、表層部へ実質的に2%のCuを固溶させた状態から急冷してから実験に供している。未固溶Cuの最大粒径は0.1 μm であった。本発明鋼材は、SUS430鋼と比較して酸性環境(pH2〜1)において腐食の進行が著しく抑制されており、中性〜酸性の幅広い環境において、SUS304−CSP(18%Cr−8%Ni鋼)と同等以上の優れた耐銹性を示すことが分かった。 本発明における上述のメカニズムはまだ明確には判明してないが、現状では、以下のように推察する。
【0017】
すなわち、NaCl含有水溶液中において、表層部の固溶Cuは不働態化効果のあるCuCl皮膜を生成し、これにより腐食の進行を抑制したものと考える。16%Cr鋼は、pH2を境界にしてCr皮膜が不働態化状態から活性溶解状態へ移行する。しかしながら、本発明鋼材では、Cr皮膜の活性溶解状態においてCuとClイオンの界面反応により母材の溶解(Feの溶出)が抑制されたものと推察する。
【0018】
ここに、本発明において鋼組成を限定する理由は次の通りである。
Cr:Crはフェライト形成元素であり、耐銹性を確保するために必須の元素である。本発明の目標とする耐銹性を確保するには、Cr量を16%以上とする。他方、Cr量の増加は鋼材コストの上昇と材料強度の低下を招くため、上限は20%とする。望ましくは18%以下である。
【0019】
C:Cは代表的なオーステナイト形成元素であり、マルテンサイト硬化能に大きく影響する。ばね材に必要な材料強度を得るためには、C量を0.01%以上とする。他方、C量の増加は、熱間加工性および製品の加工性の低下を招くために、下限は0.15%とする。
【0020】
N:NはCと同様に代表的なオーステナイト形成元素であり、ばね疲労強度の向上に効果的な元素である。しかし、通常の溶製方法でNを多量に含有させるのは困難であり、Nを多量に含有した鋼は熱間加工性が悪く、熱間圧延時に耳割れ等の表面疵の発生原因となる。従って、N量は通常の溶製方法で得られる0.01〜0.04%でよい。 .
Cu:Cuはオーステナイト形成元素であり、マルテンサイト相の量と硬さを調整するのに有効な元素である。さらに、本発明の目標とする耐銹性を得るために必須の元素である。含有量の下限は、目標とする耐銹性を得るために1.5 %とする。他方、過度な添加は鋼の熱間加工性を阻害するために上限は3.0 %とする。望ましくは2 .5%以下とする。
【0021】
Ti:Tiはフェライト形成元素であるとともに、結晶粒の微細化に効果的な元素である。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の含有量は0.003 %以上とする。他方、Tiを過剰に含有させると経済性を損なうだけでなく、鋼中のC、Nを固定して強度低下の原因となるので、その上限は0.03%とする。
【0022】
Nb:Nbはフェライト形成元素であるとともに、C、Nを固定して複層化熱処理で生じる鋭敏化現象を抑制する作用がある。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の含有量は、0.005 %以上とする。他方、Nbを過剰に含有させると鋼中のC、N元素を固定して強度低下の原因となるので、その上限は0.1 %とする。
【0023】
Mo:Moはフェライト形成元素であるとともに、耐銹性を著しく向上させる作用がある。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の含有量は、0.1 %以上とする。しかし、Moは高価であり過剰に含有させると経済性を損なううえ、ばね材に必要な強度を低下させるためにその上限は1.0 %とする。
【0024】
Ni、Mn:これらは、いずれもオーステナイト形成元素であり、マルテンサイト相の量と硬さを調整するのに有効な元素である。従って、このような観点からは必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の含有量は、それぞれ0.3 %以上とする。他方、Niは過剰に含有させると経済性を損なうので、その上限は1.0 %とする。Mnは過剰に含有させると耐銹性を低下させる作用があるので、その上限は1.0 %とする。
【0025】
V:Vは強度を得るために効果的な元素である。従って、必須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の含有量は0.05%以上とする。しかし、0.3 %を超えると効果が飽和するので、その上限は0.3 %とする。
【0026】
Si:Siは鋼の脱酸剤として用いられる元素である。しかし、過剰に含有させると鋼の靭性を損なうので、その上限は1.0 %とする。
Al:Alは鋼の脱酸剤として有効な元素である。しかし、Alは窒化物を形成して加工性を低下させるため、含有量の上限は0.05%とする。
【0027】
希土類元素:鋼の耐酸化性を向上させる作用があるので含有させても構わない。しかし、合計量で0.1 %を越えて含有させると効果が飽和するうえコストが高くなるので0.1 %以下とする。
【0028】
残部はFeおよび不可避不純物である。
これらをまとめると本発明にかかる鋼組成は次のように記述することができる。
【0029】
C:0.01〜0.15%、Cr:16 〜20%、Cu:1.5〜3.0 %
あるいは所望により上記組成にさらに下記▲1▼ないし▲6▼の任意の組み合わせ:
▲1▼フェライト形成元素として、Ti:0.003〜0.03%、Nb: 0.005 〜0.1 %、およびMo:0.1〜1.0 %から成る群から選んだ少なくとも1種
▲2▼オーステナイト形成元素として、Ni:0.3〜1.0 %および/またはMn:0.3〜1.0 %、
▲3▼ V: 0.05〜0.3 %、
▲4▼ Si:1.0 %以下、
▲5▼ Al:0.05%以下、
▲6▼希土類元素:0.1%以下。
【0030】
かかる態様において、鋼組成の残部はFeおよび不可避不純物であってもよい。
本発明の鋼材は、表層部においてマルテンサイト相と残留オーステナイト相を含む混合組織からなり、かつ表層部の金属組織中において未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とし、内層部はフェライト相とマルテンサイト相とからなる2相混合組織もしくはマルテンサイト単相組織とする。
【0031】
マルテンサイト相の存在により、鋼の硬さと弾性比例限を高めてばね特性を向上させる効果が得られる。この効果を得るにはマルテンサイト相の比率を40体積%以上とするのが好ましい。より好ましくは50体積%以上である。他方、マルテンサイト相の比率を過度に高くすると鋼の延性が低下し、加工性が損なわれるので、表層部のマルテンサイト比率を95体積%以下とするのが好ましい。
【0032】
残留オーステナイト相は、マルテンサイト相に比べて軟質で加工性に富むうえ、加工を受けた際に加工誘起変態して組織を極めて強靱にする作用がある。また、複層化熱処理後の鋼材の靱性を増す作用もある。さらに、表層部に、C、Nなどの吸収能の大きいオーステナイト相を配することにより、鋭敏化現象の原因となるCやNを吸収して複層化熱処理によって生じる耐銹性の劣化を抑制することができる。これらの効果を得るために表層部における残留オーステナイト相の比率は3体積%以上とするのが好ましい。より好ましくは5体積%以上である。
【0033】
表層部には、上記2相以外に、鋼の特性に悪影響を及ばさない範囲で、混入するフェライト相が存在しても差し支えない。フェライト相は、ばね特性および複層化熱処理による耐銹性の低下を招くため、混入する場合であっても10体積%以下であることが望ましい。より好ましくは5体積%以下である。
【0034】
腐食に関与する表層部(表面〜表皮下0.01mm) は、低pH環境下における耐銹性を改善するために、未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とする。Cu粒子はステンレス鋼表面の不働態皮膜形成を阻害し、耐銹性を低下させる。本発明の対象とするクロム系ステンレス鋼は、未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μm を越えると、低pHのNaCl環境下における耐銹性が著しく低下する。従って、Cuの固溶による耐銹性の向上効果を得るには、未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とする。より好ましくは0.1 μm 以下である。もちろん、Cuが完全に固溶した状態、すなわち未固溶Cu粒子の最大粒子径が0μmであっても良い。
【0035】
表層部がマルテンサイト相に加え、残留オーステナイト相を含有する混合組織とし、かつ1.5〜3.0%のCuを固溶させることにより、ばね性と加工性に加え、耐銹性を著しく改善できる。表層部の厚さは、上記の有効な効果を得るために5μm以上とする。より好ましくは10μm以上である。15μmを越える場合は、複層化熱処理の生産性を阻害するとともに、上記の特性に悪影響を及ぼすこともある。従って表層部の厚さは15μm以下とすることが好ましい。
【0036】
内層部の金属組織は、フェライト相とマルテンサイト相からなる2相混合組織あるいは実質的にマルテンサイト単相組織とする。その理由は、鋼の内層部では曲げ加工などによる加工変形量が小さく、残留オーステナイト相があっても加工誘起変態による強度向上が期待できないからである。
【0037】
内層部のフェライト相の含有は必須ではないが、フェライト相があると加工性改善効果がある。しかしながら、フェライト相の比率が高くなると強度が低下してばね特性、特にばね疲労特性が損なわれるので、フェライト相を含有する場合であってもその上限は体積%で90%とするのが望ましい。
【0038】
ここに、本明細書において用いる「表層部」とは、例えば雰囲気中から吸収した窒素が鋼内部を拡散することにより形成した鋼表面近傍の高窒素濃度領域を意味し、一般には、内層部に対する相対的用語であって、鋼材の表面を含む領域をいう。そして、上記例示した場合においては、表層部の厚さは、EPMA装置により鋼の表面から窒素濃度のプロファイルを測定することによって、あるいは断面を腐食した後にSEM 観察等することによって求めることができ、表層部の組織は、上記高窒素濃度領域の組織をもって決定され、内層部の組織は、鋼内部の低窒素濃度領域の組織をもって決定される。ここで、高窒素濃度領域とは、複層化熱処理前の被熱処理材の窒素濃度に対して複層化熱処理により窒素濃度が高められた領域であり、低窒素濃度領域とは前記高窒素濃度領域に比して窒素濃度が低い領域である。
【0039】
より具体的には、表層部の金属組織および未固溶Cu粒子の径は、後述する実施例の記載からも分かるように、表面研磨により観察される組織をもって決定し、その領域における未固溶Cu粒子の径は、Tiメッシュに抽出して透過型電子顕微鏡で倍率2000倍で観察してとらえられた未固溶Cu粒子の長径をもって決定すればよい。
【0040】
また、「複層組織」とは、例えば上記のように、鋼表層部がマルテンサイト相と残留オーステナイト相とを含有する混合組織であり、内層部がフェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくは実質的にマルテンサイト単相組織である組織をいい、一般には、表層部の組織と内層部の組織とが異なる組織をいう。
【0041】
「複層化熱処理」とは、例えば、質量%で、C:0.01%以上0.15%以下、Cr:16%以上20%以下、Cu:1.5 %以上3.0 %以下を含有するクロム系ステンレス鋼を、窒素含有雰囲気中で均熱して少なくとも表層部をオーステナイト単相とし、前記窒素含有雰囲気中の窒素を鋼表層部に吸収させたのちに1℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱処理をいい、一般には複層組織を形成せしめる熱処理をいう。
【0042】
なお、「実質的にマルテンサイト単相組織」とは、マルテンサイト相以外に、鋼の特性に悪影響を及ぼさない範囲で、素材の偏析等に起因して混入するフェライト相が存在する場合を含む意味である。
【0043】
本発明にかかる鋼材の形態は、代表的には、冷間圧延鋼板や熱間圧延鋼板であるが、それに限定する必要はなく、箔、線材、条鋼、管材などをも包含するものである。要するに、複層組織を有する鋼材であれば、その形態は特に制限はない趣旨である。
【0044】
本発明のクロム系ステンレス鋼材の製造方法を、「鋼材」が冷間圧延鋼板である場合を例に説明する。
すでに述べた鋼組成を備えた鋼のスラブを公知の方法、例えば、転炉や電気炉で鋼を溶解した後、真空脱ガス処理を施し、連続鋳造法や鋼塊にした後に分塊圧延するなどの方法でスラブを製造する。得られたスラブを公知の方法で熱間圧延して熱間圧延鋼板を製造する。この熱間圧延鋼板を常法にしたがって焼鈍し、酸洗などの公知の方法で表面のスケールを除去する。
【0045】
その後、公知の方法で冷間圧延して鋼板を製造する。冷間圧延は、中間焼鈍を含む複数回の冷間圧延を行ってもよいし、中間焼鈍を含まない冷間圧延としてもよい。冷間圧延鋼板の寸法は、特に限定するものでなく、通常使用されている厚さ(例えば0.1 〜2.Omm)とすればよい。
【0046】
最終の冷間圧延を施した後、窒素含有雰囲気中でCuの溶解度が鋼中Cuを完全に固溶する程度とする均熱温度で均熱する複層化熱処理を行う。複層化熱処理の均熱温度の上限は、連続焼鈍ラインの通板に必要な鋼の高温強度を確保するために1200℃とする。ステンレス鋼中のCuの溶解度は複層化熱処理の均熱温度の上昇により増加する。複層化熱処理の均熱温度は、Cu含有量により次式のように関係づけられる。
【0047】
T(℃)≧93×Cu(mass%)+760 、T:均熱温度
ここに、上記均熱温度はCuの完全固溶を狙った温度である。
均熱後の冷却は、鋭敏化現象の発生と粗大Cu粒子の析出を抑制するために1℃/秒以上で行う。冷却速度が1℃/秒未満では、鋭敏化現象の発生と粗大Cu粒子の析出により耐銹性が劣化する。好ましくは5℃/秒以上である。他方、冷却速度を1000℃/秒超とすることは実質的に困難であるので、上限は1000℃/ 秒以下とする。好ましくは50℃/秒以下、より好ましくは25℃/秒以下である。
【0048】
上記の窒素含有雰囲気は、複層化熱処理における鋼材表層の金属組織を制御するために、以下のようにすることが望ましい。
窒素含有雰囲気中の水素濃度は、10体積%以上とすることが好ましい。雰囲気中の水素濃度が10体積%未満の場合は、鋼材表面に厚い酸化皮膜(>500 Å)が形成し易く、表面の美観を損なうとともに、窒素吸収量の制御が困難となる。より好ましくは50体積%以上である。
【0049】
窒素含有雰囲気中の窒素濃度は、鋼材表層の窒素吸収量を制御するために5体積%以上とする。雰囲気中の窒素濃度が5体積%未満の場合は、複層化組織とすることができない。
【0050】
上記の窒素含有雰囲気の露点は、−30℃以下、より好ましくは−40℃以下とする。露点が−30℃を越える場合は、鋼材表面に厚い酸化皮膜が形成し易く、表面の美観を損なうとともに、窒素吸収量の制御が困難となる。
【0051】
ここに、本発明にかかる鋼材において、未固溶Cu粒子の径は、例えば、複層化熱処理の均熱温度を変更することによって調整可能である。
本明細書で云う「耐銹性」は一般に云う耐食性に含まれる1つの特性であるが、本発明の場合にはNaCl環境における腐食減量をもって評価する特性を云う。
【0052】
次に、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に説明する。
【0053】
【実施例】
本例における供試鋼の鋼組成、つまり化学組成を表1に示す。これらの鋼組成を有するクロム系ステンレス鋼連続鋳造スラブを1150〜1200℃に加熱し、仕上げ温度900 〜950 ℃で熱間圧延を終了して、厚さ3.2mm の熱延鋼帯とした。これら熱延鋼帯は750 〜830 ℃で熱延板焼鈍を施した後、ショットブラストと硝弗酸酸洗を施して脱スケールした後、中間焼鈍を挟む冷間圧延を施して厚さが0.25mmの鋼板とし、さらに以下に述べる条件で複層化熱処理を施した。
【0054】
【表1】
Figure 0003956683
【0055】
複層化熱処理は、連続光輝焼鈍炉を用いて、均熱雰囲気は窒素5〜25体積%、水素95〜75体積%からなり、雰囲気露点は−40℃以下に制御した混合ガスを使用した。均熱時の鋼表面温度は850 〜1050℃とした。均熱時間は5〜45秒の範囲とし、均熱後の冷却速度は10〜25℃/秒とした。比較のために均熱雰囲気は、上記以外の混合比からなるガスも使用した。
【0056】
本例にあって、未固溶Cu粒子の径は、複層化熱処理の均熱温度を変更することによって調整した。
比較鋼として、市販のオーステナイト系ばね用ステンレス鋼SUS301−CSP(3/4 H仕様材) 、SUS304−CSP(H仕様材)を準備した。
【0057】
表層部のマルテンサイト相の比率は、常法により研磨・腐食した試料表面を顕微鏡観察して測定した。残留オーステナイト相の比率は、試料表面のX線回折によりα−Feとγ−Feの積分強度を測定し、積分強度の比率より求めた。残部をフェライト相の比率とした。
【0058】
内層部のマルテンサイト相とフェライト相の体積率は、常法により研磨・腐食した試料断面の顕微鏡観察により求めた。
表層部の窒素含有量は、窒素含有量測定専用の分光結晶LAD(人工多層膜)を有するEPMA装置により鏡面研磨した試験片断面において定量した。また、これら窒素含有量の実測値とX線回折から求めたγ−Feの格子定数を回帰し、下記の関係式を得た。
【0059】
表層部の窒素含有量[mass%]
=(γ−Fe格子定数[Å]−3.592)/0.0394
表層部の窒素含有量は、X線回折から求めたγ−Feの格子定数を用いて上式により簡便的に求めることもできる。
【0060】
表層部の未固溶Cu粒子は、鋼板表面をバフ研磨後、腐食した試料表面を10%アセチルアセトン−1%TMAC−メタノール溶液に浸漬し、Tiメッシュに抽出した。Tiメッシュに抽出したCu粒子を透過型電子顕微鏡により×2000で観察し、観察されるCu粒子の長径の最大値を測定し、これを未固溶Cu粒子の最大粒子径とした。Cu粒子の化学組成はEDX 元素分析により確認した。
【0061】
表面硬さは、JIS −Z2244 に規定されているビッカース硬さ試験法により、荷重9.8 Nの条件にて測定した。
ばね疲労限界は、圧延方向(L方向)と圧延垂直方向(T方向)の試験片を使用し、繰り返し平板曲げ試験機により測定した。ばね疲労限界は、30Hzの一定振幅の繰り返し平板曲げ試験で107 回を上限として試験片が破断に至らなかった最大応力とした。
【0062】
耐銹性は、45℃−1.5 %NaCl水溶液(中性、pH1:塩酸調整)に100 時間半浸漬した後、発銹状況を目視観察し、発銹が無い場合を合格(○)と判断した。しみが確認された場合は、SUS304と同等(△)とした。
【0063】
これらの結果および評価については、表2および表3にまとめて示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003956683
【0065】
【表3】
Figure 0003956683
【0066】
表2において、符号A1、B1、B2、C1、D1、D2は、いずれも必須元素としてC:0.01〜0.15質量%、Cr:16〜20質量%、Cu:1.5 〜3.0 質量%を含有し、表層部はマルテンサイト相と残留オーステナイト相を含む混合組織からなり、かつ表層部の金属組織中に未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μm 以下である複層組織クロム系ステンレス鋼板である。
【0067】
他方、符号A2、B3、D3は、残留オーステナイト相を含まない金属組織である。また、符号A2とD3は、未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5μmをえる鋼板である。符号E1およびF1は必須元素であるCu 含有量が1.5%未満である鋼板である。
【0068】
表3において符号Al、Bl、B2、Cl、D1、D2は、比較鋼の301 −CSP(3/4H)および 304−CSP(H) に相当するばね疲労限界(≧600 N/mm2)と曲げ加工性(R/t≦2)を兼備し、304 −CSP(H)と同等以上の優れた耐銹性を有した。
【0069】
符号A2、B3、D3、El、F1は、目標とする 304−CSP(H)と同等以上の耐銹性が得られなかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明により、殆どNiを含有しない安価なばね用クロム系ステンレス鋼材において、SUS304鋼(18Cr−8Ni)と同等以上の優れた耐銹性が得られる効果がある。特に、塗装省略を目的とした自動車用ホーンの振動板として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる鋼材の耐銹性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 内層部と、該内層部の上に加窒処理により形成されるN含有量が0.03〜0.5質量%である表層部との複層組織から成り、
    前記内層部は、質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:1.0%以下、Mn 1.0 %以下、Al:0.05%以下、Cr:16〜20%、Cu:1.5〜3.0%、N:前記表層部のN含有量よりも少ない量、Nb:0.005〜0.1%、残部Fe及び不可避的不純物から成る鋼組成を有するとともに、フェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくはマルテンサイト単相組織からなり、かつ
    前記表層部は、マルテンサイト相と残留オーステナイト相とを含有する混合組織からなるとともに、該表層部における未固溶Cu粒子の最大粒子径は0.5μm以下であり、かつ該表層部の厚さは5μm以上であること
    を特徴とする複層組織クロム系ステンレス鋼材。
  2. 前記内層部は、質量%で、Ti:0.003〜0.03%、およびMo:0.1〜1.0%から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
  3. 前記内層部は、質量%で、 Ni:0.3〜1.0%を含有する請求項1または請求項2に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
  4. 前記内層部は、V:0.05〜0.3質量%を含有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された複層組織クロム系ステンレス鋼材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された鋼組成を有するクロム系ステンレス鋼材を、水素:10体積%以上及び窒素:5体積%以上、及び/又は、露点:−30℃以下の窒素含有雰囲気中で下記(1)式で規定される均熱温度Tに均熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を鋼材の表層部に吸収させたのち、1℃/秒以上の冷却速度で冷却する複層化熱処理を行うことによって、フェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくはマルテンサイト単相組織からなる内層部と、
    N含有量が0.03〜0.5質量%であり、マルテンサイト相と残留オーステナイト相とを含有する混合組織からなるとともに未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5μm以下であり、かつ厚さが5μm以上である表層部とからなる複層組織とすることを特徴とする複層組織クロム系ステンレス鋼材の製造方法。
    T(℃)≧93Cu(質量%)+760 ・・・・・(1)
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