JPH10237597A - 抗菌性に優れた高強度高延性複相組織ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性に優れた高強度高延性複相組織ステンレス鋼及びその製造方法

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JPH10237597A
JPH10237597A JP3902697A JP3902697A JPH10237597A JP H10237597 A JPH10237597 A JP H10237597A JP 3902697 A JP3902697 A JP 3902697A JP 3902697 A JP3902697 A JP 3902697A JP H10237597 A JPH10237597 A JP H10237597A
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JP3902697A
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Morihiro Hasegawa
守弘 長谷川
Katsuhisa Miyakusu
克久 宮楠
Naoto Okubo
直人 大久保
Sadayuki Nakamura
定幸 中村
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で延性,耐食性,抗菌性に優れた複相
組織ステンレス鋼を得る。 【解決手段】 この複相組織ステンレス鋼は、C:0.
1%以下,Si:2.0%以下,Mn:2.0%以下,
Cr:10〜20%,Ni:4.0%以下,N:0.1
%以下,Cu:0.4〜5%を含む組成で、マルテンサ
イト相とフェライト相からなる複相組織をもち、マトリ
ックスにCuを主体とする第2相が0.2体積%以上の
割合で分散している。必要に応じ、Mo:3%以下,A
l:0.20%以下,希土類金属(REM):0.20
%以下,Y:0.20%以下,Ca:0.10%以下,
Mg:0.10%以下,B:0.01%以下の1種又は
2種以上を添加しても良い。熱延板に500〜(Ac1
100)℃の温度範囲で均熱1時間以上のバッチ焼鈍を
施し、マトリックス中にCuを主体とする第2相の析出
を促進させた後、冷間圧延し、(Ac1+100)〜11
00℃の温度に加熱した後で冷却する複相化連続熱処理
を施すことにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨房機器,電気製品,
建築材料,各種機械,化学機器等の抗菌性,高強度,高
延性が要求される分野で使用される複相組織ステンレス
鋼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厨房機器,病院等で使用される機材やバ
ス,電車等の輸送機器に使用される手摺り用パイプ等に
は、一般環境における耐食性が要求されるため、SUS
304に代表されるステンレス鋼が従来から使用されて
きた。ところが、近年では黄色ブドウ球菌による院内感
染がクローズアップされ、バス,電車等の不特定多数の
人間が利用する環境においても衛生面の向上が望まれて
おり、フロッピーディスク等の電子機器製品,テーブル
ナイフ等の洋食器,手摺り用パイプ等の構造用高強度鋼
に至るまで抗菌性能が要求されるようになりつつある。
抗菌特性を付与する手段としては、特開平5−2282
02号公報,特開平6−10191号公報で紹介されて
いるように、有機皮膜やめっきによる抗菌コートが一般
的であった。しかし、抗菌コートでは、抗菌皮膜が消失
すると抗菌性が低下するため、抗菌特性を長期間にわた
って維持することが難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Ag,Cu
等の金属元素は、元素自体で有効な抗菌作用を発揮する
ことが知られている。しかし、Agは、非常に高価で耐
食性にも劣っていることから、腐食が予想される環境に
曝される用途で使用されていない。他方、Cuは、比較
的安価な元素であり抗菌成分としても有効なことから、
ステンレス鋼等の材料に添加して抗菌性を付与すること
が検討されている。本発明者等も、Cu添加による抗菌
性の改善を種々検討し、ステンレス鋼表面のCu濃度を
高めることによって抗菌性が改善されることを見い出
し、特開平8−53738号公報,特開平8−2258
95号公報等で提案した。また、Cuを主体とする第2
相を析出させるとき、抗菌性が一層改善されることを特
願平7−347735号で提案した。本発明は、抗菌性
に及ぼすCuの作用・効果を種々鋼種について研究する
過程で見い出されたものであり、成分・組成を調整し、
Cuを主体とする第2相を所定割合で分散させることに
より、高強度,高延性が要求される複相組織をもつ鋼材
においても、抗菌性及びその持続性に優れた鋼材を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の複相組織ステン
レス鋼は、その目的を達成するため、C:0.1重量%
以下,Si:2.0重量%以下,Mn:2.0重量%以
下,Cr:10〜20重量%,Ni:4.0重量%以
下,N:0.1重量%以下,Cu:0.4〜5重量%を
含む組成で、マルテンサイト相とフェライト相からなる
複相組織をもち、複相組織中にCuを主体とする第2相
が0.2体積%以上の割合で分散していることを特徴と
する。この複相組織ステンレス鋼は、更にMo:3重量
%以下,Al:0.20重量%以下,希土類金属(RE
M):0.20重量%以下,Y:0.20重量%以下,
Ca:0.10重量%以下,Mg:0.10重量%以
下,B:0.01重量%以下の1種又は2種以上を含む
ことができる。
【0005】抗菌性が付与された複相組織ステンレス鋼
は、前述した組成をもつ複相組織ステンレス鋼の熱延板
に500〜(Ac1+100)℃の温度範囲で均熱1時間
以上のバッチ焼鈍を施し、マトリックス中にCuを主体
とする第2相の析出を促進させた後、冷間圧延し、(A
c1+100)〜1100℃の温度に加熱した後で冷却す
る複相化連続熱処理を行うことにより製造される。変態
点Ac1は、フェライト相がオーステナイト相に変態する
温度であり、次式に従って合金組成から算出できる。 Ac1(℃)=35(Cr+1.72Mo+2.09Si
+1.77Ti+21.4Al+40B−7.14C−
8N−3.28Ni−1.89Mn−0.51Cu)+
310
【0006】
【作用】ステンレス鋼は、Crを主体とする水酸化物か
らなる不動態皮膜で覆われているため優れた耐食性を呈
する。なかでも、フェライト−マルテンサイト複相組織
ステンレス鋼は、高強度に加えて優れた延性をもつこと
から、SUS304,SUS301等の調質圧延材では
加工性の点で適用が困難であったフロッピーディスクセ
ンターコア,電池ケース等に使用されている。また、従
来は、高い焼入れ性を示すSUS420J2が使用され
ていたテーブルナイフ等の用途に、高加工性を活用して
複相組織ステンレス鋼が適用されるケースが増加してい
る。これらの用途では、高強度高延性に加えて、最近の
衛生意識の高まりから更に抗菌性を併せ持つことが要求
されている。ところで、フェライト−マルテンサイト複
相組織ステンレス鋼は、特開昭63−7338号公報,
特開平7−138704号公報等で開示されているよう
に、高温でオーステナイト相を20%以上生成させるた
めにオーステナイト生成元素であるNiやCuを添加し
ている。このうち、Cuは、高強度を得る以外にも、前
述したように抗菌性の発現に有効な合金成分である。そ
こで、本発明者等は、複相組織ステンレス鋼に添加され
ているCuを利用して抗菌性を発現させるべく鋭意調査
検討した。その結果、ある程度以上の割合でCuを含有
させた複相組織ステンレス鋼は、抗菌性を示すことが判
った。しかし、数%以下のCuを単に固溶させただけで
は、抗菌性及びその持続性が必ずしも十分ではない場合
があった。
【0007】そこで、更に検討を重ねた結果、同一のC
u添加量であっても、Cuの一部が図1に示すようにC
uを主体とする第2相(以下、Cuリッチ相という)と
して析出していると、表面のCu濃度が上昇すると共
に、抗菌性も改善されることが明らかになった。抗菌性
の改善は、析出したCuリッチ相が表面の一部に存在
し、この部分においてはCrを主体とする不動態皮膜が
存在せず、結果的にCuの溶出が容易になることに原因
があるものと推察される。また、Cuリッチ相の析出量
が0.2体積%以上になると、抗菌性が著しく改善され
ることが判った。Cuリッチ相の析出には、Cuリッチ
相が析出し易い温度領域で時効等の等温加熱を施すこと
や、析出温度域の通過時間ができるだけ長くなるように
徐冷する手段等が考えられる。そこで、種々の条件につ
いて検討した結果、Cuを含む複相組織ステンレス鋼に
おいて、500〜(Ac1+100)℃の温度域で均熱1
時間以上のバッチ焼鈍を熱延板に施し、マトリックス中
にCuリッチ相を0.2体積%以上の割合で析出分散さ
せることが有効であることを見い出した。バッチ焼鈍さ
れた熱延板は、更にその後、通常の冷間圧延を施し、最
終焼鈍として(Ac1+100)〜1100℃の2相域で
連続焼鈍する複相化処理しても抗菌性が維持される。
【0008】以下、本発明の複相組織ステンレス鋼に含
まれる合金成分,含有量等について説明する。 C:0.1重量%以下 マルテンサイト相の強度向上に有効な合金成分である
が、0.1重量%を超える多量のCが含まれると靭性が
低下し、製造性及び製品特性が劣化する。また、最終焼
鈍でフェライト+オーステナイト域に加熱・急冷すると
オーステナイト粒界に析出し、いわゆる鋭敏化が生じて
耐食性が低下する場合がある。そこで、本発明において
は、C含有量の上限を0.1重量%に設定した。 Si:2.0重量%以下 フェライト生成元素であると共に、フェライト相及びマ
ルテンサイト相の双方に対して固溶強化能をもつので、
マルテンサイト量の制御及び強度の制御に有用である。
しかし、2.0重量%を超える多量のSiが含まれる
と、熱間加工性及び冷間加工性が低下する。
【0009】Mn:2.0重量%以下 オーステナイト生成元素であり、複相化処理後のマルテ
ンサイト量及び強度の制御に有用な合金成分である。し
かし、2.0重量%を超える多量のMnが含まれると、
耐食性が劣化する。 Cr:10〜20重量% 複相組織ステンレス鋼の耐食性を維持するために必要な
合金成分であり、10重量%以上のCr含有量で耐食性
改善の効果がみられる。しかし、20重量%を超える多
量のCrが含まれると、靭性が劣化し、製造コストが上
昇する。 Ni:4.0重量%以下 オーステナイト生成元素であり、複相化処理後のマルテ
ンサイト相の量及び強度の制御に有用な合金成分であ
る。しかし、4.0重量%を超える多量添加は、製造コ
スト及び鋼材コストを上昇させる原因となる。
【0010】N:0.1重量%以下 オーステナイト生成元素であり、複相化熱処理後のマル
テンサイト相の高強度化に有効な合金成分である。しか
し、0.1重量%を超える多量のNが含まれると、高強
度化は図られるものの、延性の低下を招く。 Cu:0.4〜5重量%、 Cuリッチ相:0.2体
積%以上 本発明において最も重要な合金成分であり、良好な抗菌
性を維持するためにはCuリッチ相を0.2体積%以上
の割合で分散析出させることが必要である。0.2体積
%以上のCuリッチ相を析出させるためには、Cu含有
量を0.4重量%以上にすることが必要となる。しか
し、過剰量のCuを添加すると、製造性が阻害され、耐
食性も低下する。したがって、本発明においては、Cu
含有量の上限を5重量%に設定した。
【0011】本発明に従った複相組織ステンレス鋼は、
以上に掲げた合金成分の外に、耐食性の向上に有効なM
o:3.0重量%以下,製鋼時の脱酸及びプレス成形性
に悪影響を及ぼすA2系介在物の低減に有効なAl:
0.20重量%以下,熱間加工性の改善に有効な希土類
金属(REM):0.20重量%以下,Y:0.20重
量%以下,Ca:0.10重量%以下,Mg:0.10
重量%以下,B:0.01重量%以下の1種又は2種以
上を含むこともできる。
【0012】バッチ焼鈍:500〜(Ac1+100)℃
の温度範囲で均熱1時間以上 Cuリッチ相の析出には時効処理が有効である。本発明
に従ったステンレス鋼は、マルテンサイト相とフェライ
ト相からなる複相組織をもつことから、冷間圧延後に複
相化熱処理を施す。複相化熱処理では、連続ラインにお
いてAc1点よりも高い温度に加熱してオーステナイト相
を現出させた後、急冷してマルテンサイト相に変態させ
る比較的短時間の熱処理である。そのため、複相化熱処
理によってCuリッチ相を析出させることは困難であ
る。そこで、本発明者等は、熱間圧延後のバッチ焼鈍に
よる時効処理でCuリッチ相を析出させる方法を採用し
た。時効処理では、加熱温度が低いほどマトリックスに
固溶できるCu量が少なくなり、Cuリッチ相が析出す
る傾向が強くなる。しかし、低過ぎる加熱温度では元素
の拡散速度が遅いため、必要量のCuリッチ相を析出さ
せるために必要な処理時間が長くなり、或いはCuリッ
チ相の析出量が少なくなる。
【0013】Cuリッチ相の析出に及ぼす処理温度の影
響を調査・研究した結果、500℃以上の加熱温度がC
uリッチ相の析出に効果的であることが判った。加熱温
度の上昇に伴ってCu元素の拡散速度が大きくなり、C
uリッチ相の析出が促進される。しかし、加熱温度が変
態点Ac1を超えると、Cuの固溶限が大きなオーステナ
イト相が現出し、却ってCuリッチ相の析出が抑制され
る。したがって、加熱温度は、500〜(Ac1+10
0)℃の範囲に設定される。また、抗菌性発現に有効な
量のCuリッチ相を析出させるためには、均熱1時間以
上の加熱が要求される。
【0014】複相化熱処理:(Ac1+100)〜110
0℃の温度に加熱した後で冷却 バッチ焼鈍による時効処理でCuリッチ相を析出させた
ステンレス鋼は、冷間圧延工程を経て、仕上げ処理とし
ての複相化連続熱処理が施される。複相化連続熱処理
は、フェライト−オーステナイトの二相域に鋼材を保持
することから(Ac1+100)〜1100℃に加熱温度
が設定される。複相化熱処理は、通常、連続ラインで行
われる短時間処理であり、時効処理で析出させたCuリ
ッチ相はオーステナイト相に実質的に再固溶しない。そ
のため、複相化熱処理により抗菌性が低下することはな
い。
【0015】
【実施例】表1に示した合金組成をもつ各種ステンレス
鋼を30kg真空溶解炉で溶製し、得られた鋳塊を幅2
00mm,厚み6mmに熱間圧延した。熱延板に時効処
理を施したが、本発明例では処理温度を500〜(Ac1
+100)℃又は900℃の範囲に設定した。比較例で
は、Cuリッチ相が十分粗大化しない低温域及びCuリ
ッチ相が固溶する高温域を含む400〜950℃の温度
範囲で均熱時間を種々変化させた時効処理を施した。時
効処理で生成した酸化スケールを研磨除去した後、冷間
圧延により板厚1.5mmの冷延板を製造した。そし
て、仕上げの複相化熱処理として、950〜1050℃
で均熱1分の連続熱処理を施し、フェライト+マルテン
サイトの複相組織に調整した。複相化熱処理したステン
レス鋼板を透過型電子顕微鏡で観察し、Cuリッチ相の
析出量を定量した。走査型電子顕微鏡で観察した鋼種番
号D−1の金属組織を示す図1にみられるように、本発
明に従ったステンレス鋼板では、Cuリッチ相がマトリ
ックスに分散析出していた。
【0016】複相化熱処理された各ステンレス鋼板から
試験片を切り出し、抗菌性試験に供した。抗菌性試験で
は、Staphylococcus aureus I
FO12732(黄色ブドウ球菌)を普通ブイヨン培地
で35℃,16〜24時間振盪培養し、培養液を用意し
た。培養液を減菌リン酸緩衝液で20,000倍に希釈
し、菌液を調製した。5cm×5cmの試験片を#40
0研磨した表面に菌液1mlを滴下し、25℃で24時
間保存した。保存後、試験片をSCDLP培地(日本製
薬株式会社製)9mlで洗い流し、得られた液について
標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35℃,2日間
培養)で生菌数をカウントした。また、参照としてシャ
ーレに菌液を直接滴下し、同様に生菌数をカウントし
た。生菌が検出されなかったものを◎,参照の生菌数と
比較して95%以上が死滅したものを○,60〜95%
未満の範囲で死滅したものを△,60%未満の死滅量で
あったものを×として抗菌性を評価した。熱延板焼鈍条
件及び複相化熱処理がCuリッチ相及び抗菌性に及ぼす
影響を表2(本発明例)及び表3(比較例)に示す。
【0017】表2にみられるようにCu含有量0.4重
量%以上のステンレス鋼熱延板に500〜(Ac1+10
0)℃又は900℃×均熱1時間以上の焼鈍を施し、最
終焼鈍として(Ac1+100)〜1050℃×均熱1分
の複相化熱処理を施したものでは、0.2体積%以上の
Cuリッチ相が析出しており、優れた抗菌性を呈してい
た。また、何れの材料においても、硬さ270HV〜3
25HVの高強度を示した。他方、Cu含有量が0.4
重量%未満のステンレス鋼では、表3にみられるよう
に、500〜(Ac1+100)℃の熱延板焼鈍を施して
もCuリッチ相の析出量が0.2体積%に達せず、抗菌
性が劣っていた。また、Cu含有量が0.4重量%以上
であっても、熱延板焼鈍温度が500℃未満或いは(A
c1+100)℃を超えると、同様にCuリッチ相の析出
量が0.2体積%に達せず、抗菌性が劣っていた。ま
た、本発明複相組織ステンレス鋼は、Cuリッチ相が析
出しているにも拘らず、比較鋼と同等又はそれ以上の高
い伸び値を示し、マルテンサイト相を含む鋼としては高
水準の延性を示している。延性に関しては、JIS Z
2201に準拠した引張試験の伸びにより調査し、表
2,3に掲げた。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の複相組
織ステンレス鋼板では、熱延板焼鈍で所定量のCuリッ
チ相を析出させた後で複相化熱処理している。析出した
Cuリッチ相は、複相化熱処理時にマトリックスへほと
んど再固溶せず、最終製品においてもマトリックスに分
散している。このようにして製造されたステンレス鋼
は、高強度,延性,耐食性,抗菌性が要求される厨房機
器,電気製品,建築材料,各種機械,化学機器,公共機
関等の鋼材,部品等として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明鋼D−1の金属組織を示す走査型電子
顕微鏡写真
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
フロントページの続き (72)発明者 中村 定幸 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.1重量%以下,Si:2.0重
    量%以下,Mn:2.0重量%以下,Cr:10〜20
    重量%,Ni:4.0重量%以下,N:0.1重量%以
    下,Cu:0.4〜5重量%を含む組成で、マルテンサ
    イト相とフェライト相からなる複相組織をもち、複相組
    織中にCuを主体とする第2相が0.2体積%以上の割
    合で分散している抗菌性に優れた高強度高延性複相組織
    ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 更にMo:3重量%以下,Al:0.2
    0重量%以下,希土類金属(REM):0.20重量%
    以下,Y:0.20重量%以下,Ca:0.10重量%
    以下,Mg:0.10重量%以下,B:0.01重量%
    以下の1種又は2種以上を含む請求項1記載の抗菌性に
    優れた高強度高延性複相組織ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成をもつ複相組
    織ステンレス鋼の熱延板に500〜(Ac1+100)℃
    の温度範囲で均熱1時間以上のバッチ焼鈍を施し、マト
    リックス中にCuを主体とする第2相の析出を促進させ
    た後、冷間圧延し、(Ac1+100)〜1100℃の温
    度に加熱した後で冷却する複相化連続熱処理を行うこと
    を特徴とする抗菌性に優れた高強度高延性複相組織ステ
    ンレス鋼の製造方法。
JP3902697A 1997-02-24 1997-02-24 抗菌性に優れた高強度高延性複相組織ステンレス鋼及びその製造方法 Pending JPH10237597A (ja)

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