JPH1192884A - 抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法

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JPH1192884A
JPH1192884A JP27352397A JP27352397A JPH1192884A JP H1192884 A JPH1192884 A JP H1192884A JP 27352397 A JP27352397 A JP 27352397A JP 27352397 A JP27352397 A JP 27352397A JP H1192884 A JPH1192884 A JP H1192884A
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JP
Japan
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phase
temperature
antibacterial
stainless steel
heat treatment
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Application number
JP27352397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokota
博史 横田
Tetsumi Ogawa
哲己 小川
Yoshihiro Nakajima
義弘 中嶋
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を有し,かつ,高硬度,熱間加工性に
優れた抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼を提供する
こと。 【解決手段】 重量%において,C:0.60〜1.5
0%,Si:2.00%以下,Mn:2.00%以下,
Cu:2.70〜5.00%,Ni:0.20〜1.5
0%,Cr:10.00〜18.00%を含有している
と共に,残部はFe及び不可避不純物からなる。かつ,
熱間圧延時の加熱温度をT℃としたとき,Cu,Ni
は,Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%
−T℃/500+2.40の関係にある。Cuの少なく
とも一部は,母相中において,Cuリッチ相よりなるε
−Cu粒子として析出し,分散している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,例えば刃物類等に適用可能な抗
菌性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製
造方法,並びにその鋼を用いた刃物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】例えば,台所等において使用される刃物類
においては,耐食性が要求されると共に,衛生上の観点
から,雑菌に対する抵抗力が要求される。即ち,耐食性
に優れかつ抗菌性を有する金属材料が望まれる。かかる
金属材料としては,耐食性に優れたステンレス鋼に抗菌
性を付与することが考えられる。
【0003】従来,抗菌性を有するステンレス鋼として
は,例えば,特開平8−60301号公報,特開平8−
104952号公報,特開平8−225895号公報に
示されたものがある。第1の従来鋼(特開平8−603
01号公報)は,表層部のCu濃度を高めたマルテンサ
イト系ステンレス鋼である。
【0004】また,第2の従来鋼(特開平8−1049
52号公報)は,低炭素(C)のマルテンサイト系ステ
ンレス鋼においてCu量等を所定量に規定したものであ
る。また,第3の従来鋼(特開平8−225895号公
報)は,Cuを0.3〜3.0%含有するマルテンサイ
ト系ステンレス鋼である。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来鋼に
おいては次の問題がある。即ち,上記第1の従来鋼にお
いては,抗菌性を発揮するCu濃化層が表層部のみに存
在する。そのため,この従来鋼を刃物等に適用した場合
には,使用時の研磨によって上記Cu濃化層が除去され
てしまい,抗菌性が失われてしまう。また,上記第2の
従来鋼においては,低炭素系であるため,焼入れ焼き戻
し後の硬度が低く,刃物等の高硬度が要求される製品へ
の適用が困難である。
【0006】また,上記第3の従来鋼においては,Cu
を0.3〜3%含有しているものの,単なるCuの含有
及びその表面における濃化だけでは十分な抗菌性を発揮
し得ない。また,抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼
は,刃物等の種々の製品に加工できるように熱間加工性
が良好であることも要求される。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,抗菌性を有し,かつ,高硬度,熱間加工
性に優れた抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,重量%におい
て,C:0.60〜1.50%,Si:2.00%以
下,Mn:2.00%以下,Cu:2.70〜5.00
%,Ni:0.20〜1.50%,Cr:10.00〜
18.00%を含有していると共に,残部はFe及び不
可避不純物からなり,かつ,熱間圧延時の加熱温度をT
℃としたとき,Cu,Niは, Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%−T
℃/500+2.40 の関係にあり,また,上記Cuの少なくとも一部は,母
相中において,Cuリッチ相よりなるε−Cu粒子とし
て析出し,分散していることを特徴とする抗菌性マルテ
ンサイト系ステンレス鋼にある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,C
uを2.70〜5.00%含有すると共に,Cu,Ni
及び熱間圧延の加熱温度Tとの関係は上記特定の関係式
により示され,かつ,上記Cuは母相中にε−Cu粒子
として析出し,分散していることである。
【0010】上記ε−Cu粒子は,Cuを高濃度含有し
ているCuリッチ相(ε−Cu相)よりなる粒子状の析
出相である。該ε−Cu粒子は,含有されるCuによっ
て優れた抗菌性を発揮することができる。また,上記ε
−Cu粒子の粒径が大きいほど,析出量が多いほど抗菌
性に有利となる。このε−Cu粒子の大径化及び析出量
の増加は,後述する製造方法により実現することができ
る。
【0011】次に,上記化学成分の限定理由について説
明する。 C:0.60〜1.50%;Cはその添加量が多すぎる
と炭化物の粗大化,鏡面性の低下,熱間加工性の低下等
を招くため,1.50%以下,好ましくは1.30%以
下とする。一方,添加量が少なすぎると焼入れ焼き戻し
後の強度,硬度が得られないため,0.60%以上,好
ましくは0.82%以上とする。
【0012】Si:2.00%以下;Siは焼き戻し軟
化抵抗性を向上させ,かつ脱酸剤としても有効な元素で
あるため添加する。ただし,添加量が多すぎてもその効
果が飽和しコストアップにつながるため,その添加量は
2.0%以下,好ましくは1.5%以下に制限する。な
お,下限値は,上記効果を十分に発揮させるため,0.
15%であることが好ましい。
【0013】Mn:2.00%以下;Mnは焼入れ性を
向上させ,かつ脱酸剤としても有効であるため添加す
る。ただし,添加量が多すぎてもその効果が飽和しコス
トアップにつながるため,その添加量は2.0%以下,
好ましくは1.5%以下とする。なお,下限値は,上記
効果を十分に発揮させるため0.15%であることが好
ましい。
【0014】Cu:2.70〜5.00%;Cuは抗菌
性を発揮しうる元素であって本発明において最も重要な
ものである。ただし,その添加量が2.7%未満の場合
には,十分な抗菌性を維持することが困難であるという
問題があり,好ましくは3.1%以上であることが好ま
しい。一方,5.00%を超える場合には熱間加工性が
低下すると共に焼入れ焼き戻し後の硬さが低下するとい
う問題があり,好ましくは4.0%以下がよい。
【0015】Ni:0.20〜1.50%;Niは上記
のCuによる赤熱脆性を防止すると共に焼入れ性,靱性
を向上させるため0.20%以上添加する。一方,1.
50%を超えて添加した場合には焼入れ焼き戻し硬さの
低下,冷間加工性低下,コストアップ等の問題がある。
【0016】Cr:10.00〜18.00%;Crの
添加量が10%未満の場合には耐食性向上,焼入れ性向
上,耐摩耗性向上等の効果が得られないという問題があ
る。一方,18%を超える場合には熱間加工性低下,コ
ストアップ,冷間加工性低下等の問題がある。
【0017】また,上記成分の限定に加えて,Al及び
O(酸素)の含有量を極力低減することが好ましい。こ
れにより。Al2 3 の生成を抑制することができ,A
23 に起因して鋼表面がチラチラ光るチラチラキズ
の発生を防止することができる。具体的には,Alは
0.030%以下,Oは0.0080%以下とすること
が好ましい。
【0018】次に,熱間圧延時の加熱温度をT℃とした
ときのCu,Niについては, Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%−T
℃/500+2.40 の関係とする。この関係式が満足されない場合には,熱
間加工性が低下するという問題がある。
【0019】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明の抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼は,母相中に
おいて上記ε−Cu粒子を析出し,分散させてある。そ
のため,ε−Cu粒子が優れた抗菌性を発揮し,後述す
る実施形態例にも示すごとく,鋼全体の抗菌性を著しく
向上させることができる。
【0020】また,本発明の鋼は,上記組成を上記特定
の範囲に限定すると共に,Cu,Ni,熱間圧延の加熱
温度Tの間には上記特定の関係を有している。そのた
め,後述する実施形態例にも示すごとく,非常に優れた
熱間圧延性を発揮する。さらには,優れた耐食性,焼入
れ性等を発揮し,後述する刃物等の用途に容易に適用す
ることができる。
【0021】このように,本発明によれば,抗菌性を有
し,かつ,高硬度,熱間加工性に優れた抗菌性マルテン
サイト系ステンレス鋼を提供することができる。
【0022】次に,請求項2の発明のように,上記抗菌
性マルテンサイト系ステンレス鋼は,さらに,Mo:
0.05〜2.00%,V:0.02〜1.50%,
W:0.02〜1.50%,Ti:0.02〜0.50
%,Nb:0.02〜0.50%,Zr:0.02〜
0.50%のうちの1種又は2種以上を含有しているこ
とが好ましい。以下,これらの成分の限定理由について
説明する。
【0023】Mo:0.05〜2.00%;Moは,焼
入れ性,耐摩耗性,靱性,焼き戻し軟化抵抗性,耐食性
等を向上させるため0.05%以上添加することが好ま
しい。一方,添加量が2.00%を超える場合には,熱
間加工性低下,靱性低下,コストアップ等の問題があ
り,より好ましくは1.50%以下がよい。
【0024】V:0.02〜1.50%;Vは,焼入れ
性,耐摩耗性,靱性,焼き戻し軟化抵抗性等を向上させ
るため0.02%以上添加することが好ましい。一方,
添加量が1.50%を超える場合には,熱間加工性低
下,靱性低下,コストアップ,冷間加工性低下等の問題
があり,より好ましくは1.00%以下がよい。
【0025】W:0.02〜1.50%;Wは,耐摩耗
性向上のために0.02%以上添加することが好まし
い。一方,添加量が1.50%を超える場合には熱間加
工性低下,コストアップ,靱性低下等の問題があり,よ
り好ましくは1.00%以下がよい。
【0026】Ti:0.02〜0.50%;Tiは,耐
摩耗性向上のため0.02%以上添加することが好まし
い。一方,添加量が0.50%を超える場合には熱間加
工性を阻害するという問題がある。
【0027】Nb:0.02〜0.50%;Nbは,結
晶粒を細かくし靱性を向上させるため0.02%以上添
加することが好ましい。一方,添加量が0.50%を超
える場合には上記効果が飽和し,却ってその効果が低下
してくるという問題がある。
【0028】Zr:0.02〜0.50%;Zrは,結
晶粒を微細化させ靱性を向上させるため0.02%以上
添加することが好ましい。一方,添加量が0.50%を
超える場合にはかえって靱性が悪くなるという問題があ
る。
【0029】次に,上記優れた抗菌性マルテンサイト系
ステンレス鋼を製造する方法としては,次の発明があ
る。即ち,請求項3の発明のように,重量%において,
C:0.60〜1.50%,Si:2.00%以下,M
n:2.00%以下,Cu:2.70〜5.00%,N
i:0.25〜1.50%,Cr:10.00〜18.
00%を含有していると共に,残部はFe及び不可避不
純物からなり,かつ,熱間圧延時の加熱温度をT℃とし
たとき,Cu,Niが,Ni%≧(Cu%×T℃)/2
00−5.5Cu%−T℃/500+2.40の関係に
ある素材を熱間圧延し,その後,オーステナイト相(以
下,γ相という)とフェライト相(以下,α相という)
とε−Cu相とを有する組織となる温度領域の下限温度
−50℃から上限温度+50℃の間の温度に加熱する第
1熱処理を行い,次いで,γ相とε−Cu相とを有する
組織となる温度領域の下限温度−80℃から上限温度の
間の温度に加熱する第2熱処理を行い,次いで,γ相と
α相とε−Cu相とを有する組織となる温度領域の下限
温度−50℃から上限温度+50℃の間の温度に4時間
以上保持する第3熱処理を行うことを特徴とする抗菌性
マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法がある。
【0030】本発明において最も注目すべきことは,上
記特定の組成の素材を用い,かつ,上記第1熱処理,第
2熱処理,第3熱処理という3段階の特殊な熱処理を行
うことである。また,本製造方法においては,上記3段
階の熱処理の前又は後に,必要に応じて冷間圧延を行う
ことができる。また,上記素材の組成の限定理由は上記
と同様である。
【0031】次に,上記第1〜第3熱処理について,図
1に示す状態図を用いて説明する。同図に示す状態図
は,上記組成においてCu含有量を変化させた状態図で
ある。同図においてγはオーステナイト相,αはフェラ
イト相,ε−Cuはε−Cu相,MCは種々の炭化物を
示す。なお,便宜上,A点の組成の素材を用いた場合を
例にとって説明する。
【0032】上記第1熱処理は,図1に示すごとく,γ
相とα相とε−Cu相とを有する組織となる温度領域
(γ+α+ε−Cu+MC領域(S2))の下限温度
(T1 )−50℃から上限温度(T2 )+50℃の間の
温度,即ち,Ta1〜Ta2の範囲の温度に加熱するという
熱処理である。
【0033】なお,この第1熱処理における加熱後の保
持時間は0.5時間以上であることが好ましい。これに
より,析出したε−Cu粒子をある程度まで成長させる
ことができる。一方,保持時間の上限値は製造上のコス
トアップになるという理由から,10時間であることが
好ましい。
【0034】次に,上記第2熱処理は,同図に示すごと
く,γ相とε−Cu相を有する組織となる温度領域(γ
+ε−Cu領域(S4))の下限温度(T3 )−80℃
から上限温度(T4 )の間の温度,即ち,Tb1〜T4
間の温度に加熱するという熱処理である。
【0035】この第2熱処理における加熱後の保持時間
は0.5時間以上であることが好ましい。これにより,
析出したε−Cu粒子の中で小さい粒子は母相に再固溶
し,比較的大きなε−Cu粒子を適正な量にするという
効果が得られる。一方,保持時間の上限値は上記効果が
飽和するとの理由により4時間であることが好ましい。
【0036】次に,上記第3熱処理は,同図に示すごと
く,γ相とα相とε−Cu相とを有する組織となる温度
領域(γ+α+ε−Cu+MC領域(S2))の下限温
度(T1 )−50℃から上限温度(T2 )+50℃の間
の温度,即ち,Ta1〜Ta2の範囲の温度に4時間以上保
持するという熱処理である。この場合の保持温度は上記
第1熱処理の場合と同じであっても異なってもよい。
【0037】また,上記保持時間が4時間未満の場合に
は第2熱処理によって残存したε−Cu粒子の粗大化が
得られないという問題がある。一方,保持時間の上限値
は製造上のコストアップになることから200時間であ
ることが好ましい。
【0038】なお,得られた鋼に対しては,適宜焼入れ
焼き戻し処理を施すことができる。ただし,この場合に
は,焼入れのための加熱温度(焼入れ温度)を,図1に
おけるγ+ε−Cu領域(S4)の上限温度(成分Aの
場合はT4 )未満としなければならない。これ以上の温
度まで加熱すると,析出しているε−Cu粒子が再び固
溶してしまうという問題があるためである。また,焼入
れ処理後においては,必要に応じてサブゼロ処理を行う
こともできる。
【0039】次に,本製造方法の作用につき説明する。
本製造方法においては,上記特定の組成の素材を用い,
これを熱間圧延した後に,上記3段階の熱処理を行う。
まず,第1熱処理を行うことにより,微細なε−Cu粒
子の核が析出し,これがある程度成長する。
【0040】次いで,第2熱処理を行うことにより,ε
−Cu粒子の核のうち小さいもの等が母相内に再び固溶
し,比較的大きなε−Cu粒子だけに集約される。次い
で,第3熱処理を行うことにより,微細なε−Cu粒子
が母相より析出すると共に,前記熱処理で集約されたε
−Cu粒子がさらに大きく成長する。即ち,上記3段階
の熱処理を行うことによって,ε−Cu粒子が分散した
状態で析出し,かつこれを成長させることができる。
【0041】したがって,本製造方法により得られるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼は,母相中にε−Cu粒子
を析出,分散させてなるものとなる。しかも,ε−Cu
粒子は,上記特殊な熱処理によって十分に成長させてあ
る。それ故,得られるマルテンサイト系ステンレス鋼
は,従来のマルテンサイト系ステンレス鋼よりも優れた
抗菌性を発揮する。
【0042】また,上記素材は上記特定の組成範囲内に
あり,かつCu,Ni,及び熱間圧延時の加熱温度T
が,Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%
−T℃/500+2.40の関係にある。それ故,優れ
た熱間加工性が得られる。この理由は,Cuの増加は高
温圧延時に赤熱脆性を起こす要因となりうるが,加熱温
度とCu,Niが上記式を満足することにより赤熱脆性
の発生を抑制することができ,これにより,熱間圧延時
に生産上問題となるような割れを起こすことなく圧延す
ることが可能となるためである。
【0043】したがって,本発明によれば,抗菌性を有
し,かつ,熱間加工性に優れた抗菌性マルテンサイト系
ステンレス鋼の製造方法を得ることができる。
【0044】次に,請求項4の発明のように,上記素材
は,さらに,Mo:0.05〜2.00%,V:0.0
2〜1.50%,W:0.02〜1.50%,Ti:
0.02〜0.50%,Nb:0.02〜0.50%,
Zr:0.02〜0.50%のうちの1種又は2種以上
を含有していることが好ましい。これにより,上記と同
様に各成分の添加効果が得られる。
【0045】次に,上記優れた抗菌性マルテンサイト系
ステンレス鋼を用いた刃物の製造方法としては,次の発
明がある。即ち,請求項5の発明のように,請求項1又
は2に記載の抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼を刃
物形状に切り出して刃物用素材を作製し,次いで,該刃
物用素材の刃先形成部には,局部的な焼入れ処理を行う
ことを特徴とする抗菌性刃物の製造方法がある。
【0046】本製造方法において最も注目すべきこと
は,上記刃物用素材の刃先形成部には,局部的な焼入れ
処理を行うことである。この局部的な焼入れ処理方法と
しては,例えば,バーナー焼入れ,高周波焼入れ,レー
ザー焼入れ,通電焼入れ等がある。
【0047】この場合には,上記刃先形成部にのみ局部
的に焼入れ処理を施す。そのため,抗菌性については刃
先以外の部分によって得られるので,面積の少ない刃先
形成部には,抗菌性を犠牲にした焼入れ処理を施すこと
も可能となる。即ち,刃先形成部には,図1の状態図に
おけるγ領域(S5)の温度まで加熱した焼入れ処理を
行うことができる。それ故,刃物の刃先硬度の高硬度化
へのニーズが厳しい用途については,最適な焼入れ処理
によってさらに高い硬度を得ることができる。
【0048】また,刃先においては上記最適な焼入れ処
理によってε−Cu粒子が固溶して抗菌性が低下するお
それがある。しかしながら,この最適な焼入れ処理は刃
先形成部にのみ行う。そのため,他の部分の優れた抗菌
性によって,鋼全体としての抗菌性を維持することがで
きる。なお,刃先形成部以外の部分に対しては,抗菌性
を低下させない範囲における焼入れ処理を施してもよ
い。
【0049】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる抗菌性マルテンサイト系ス
テンレス鋼及びその製造方法につき,図1〜図3を用い
て説明する。本例の抗菌性マルテンサイト系ステンレス
鋼は,後述する表1のE1にも示すごとき組成の鋼であ
って,特にNi,Cuについては,熱間圧延時の加熱温
度をT℃としたとき,Ni%≧(Cu%×T℃)/20
0−5.5Cu%−T℃/500+2.40の関係にあ
る。また,図3(e)に示すごとく,Cuの少なくとも
一部は,母相1中において,Cuリッチ相よりなるε−
Cu粒子2として析出し,分散している。
【0050】本例の抗菌性マルテンサイト系ステンレス
鋼を製造するに当たっては,2ton真空溶解炉で溶解
した鋼から650kg鋼塊を作製し,これを上記素材と
する。次いで,この素材を熱間圧延し,22mm厚みの
熱延鋼板を作製する。本例における熱間圧延は,割れ等
を伴うことなくスムーズに行うことができた。このこと
から,本例の鋼は,熱間加工性が良好であることが分か
る。次いで,この熱延鋼板となった素材に図2(a)に
示すごとき熱処理を施す。また,説明のため,図1の状
態図に本例の鋼の成分をAとして示す。
【0051】まず,図2(a)に示すごとく,素材を7
50℃に加熱し,これを4時間保持するという第1熱処
理を行う。この第1熱処理の加熱温度(750℃)は,
図1の状態図におけるγ+α+ε−Cu+MC領域(S
2)の範囲内の温度であり,Ta1〜Ta2の範囲内の温度
である。この第1熱処理によって,素材の組織において
は,まず図3(a)に示すごとく,ε−Cu粒子2の核
が多数析出し,次いで図3(b)に示すごとくその核が
成長する。
【0052】次に,図2(a)に示すごとく,素材を9
30℃に加熱し,これを1時間保持するという第2熱処
理を行う。この第2熱処理の加熱温度は,図1の状態図
におけるγ+ε−Cu領域(S4)の範囲内の温度であ
り,Tb1〜T4 の範囲内の温度である。この第2熱処理
によって,素材の組織は,図3(c)に示すごとく,比
較的小さなε−Cu粒子2の核が母相1に固溶して,比
較的大きな核だけに集約された状態となる。
【0053】次に,図2(a)に示すごとく,素材は,
20℃/分の冷却速度で750℃まで冷却し,100時
間保持する。この保持温度は,本例では第1熱処理温度
と同じに設定した。この第3熱処理によって,素材の組
織は,図3(d)(e)に示すごとく,時間の経過と共
にε−Cu粒子2の核が大きく成長した。
【0054】即ち,得られた鋼は,図3(e)に示すご
とく,ε−Cu粒子を析出,分散させた組織を有するも
のとなる。次に,本例においては,図2(b)に示すご
とく,焼入れ焼き戻し処理を行った。焼入れ条件は,9
60℃×5分加熱後空冷という条件とした。また焼き戻
し条件は170℃×90分とした。
【0055】このようにして得られた本例の鋼は,上記
の焼入れ焼き戻し処理後においても上記3段階の特殊な
熱処理により得られたε−Cu粒子の析出,分散状態を
維持することができる。即ち,焼入れ温度は,図1の状
態図におけるγ+ε−Cu領域(S4)としたため,ε
−Cu粒子の析出状態を維持したまま焼入れ処理を行う
ことができる。
【0056】それ故,本例の鋼は,ε−Cu粒子の作用
により非常に優れた抗菌性を発揮すし,かつ,高硬度,
高靱性が得られる。また,上記のごとく熱間加工性も良
好であった。したがって,本例によれば,抗菌性を有
し,かつ,高硬度,熱間加工性に優れた抗菌性マルテン
サイト系ステンレス鋼及びその製造方法を得ることがで
きる。
【0057】実施形態例2 本例においては,実施形態例1の抗菌性マルテンサイト
系ステンレス鋼(E1)の優れた特性を定量的に評価す
べく,他の本発明鋼(E2〜E10),比較鋼(C11
〜C15),従来鋼(C16)と共に種々の試験を行っ
た。まず,準備した鋼の組成等を表1,表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】本発明鋼(E1〜E10)は,すべて本発
明の組成範囲内の組成を有すると共に,熱間圧延時の加
熱温度をT℃としたとき,Cu,Niが,Ni%≧(C
u%×T℃)/200−5.5Cu%−T℃/500+
2.40の関係にあるものである。また,本発明鋼のう
ちE4〜E10については,Mo,V,W,Ti,N
b,Zrを1種又は2種添加したものである。
【0061】比較鋼(C11〜C15)のうち,C11
は個々の化学成分は本発明範囲内にあるが上記関係式が
満たされないものである。また,C12からC15はい
ずれかの化学成分が本発明範囲内から外れるものであ
る。従来鋼(C16)は,刃物用鋼板として使用されて
いるものであって,Cu,Ni含有量が本発明範囲から
外れるものである。
【0062】また,これら各鋼(E1〜E10,C11
〜C16)は,すべて実施形態例1と同様にして熱間圧
延した。そして,この熱延鋼板から,硬さ試験片と抗菌
性試験片とを切り出した。硬さ試験片のサイズは厚み約
10mmの10mm角,抗菌性試験片びサイズは厚み約
5mmの50mm角とした。
【0063】次に,これらの試験片に対して,実施形態
例1と同様の,第1〜第3熱処理を施した。その後,種
々の条件で焼入れ焼き戻し処理を施し,硬さ,抗菌性に
ついて評価した。焼入れ条件,評価結果につき表3に示
す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示すごとく,焼入れ温度は,原則と
して,図1の状態図におけるγ+ε−Cu領域(S4)
の範囲内の温度とした。これは,上記第1〜第3熱処理
によって析出,分散したε−Cu粒子を維持するためで
ある。また,焼き戻し処理は,いずれも170℃×90
分保持後空冷する条件に統一した。
【0066】なお,比較のため,E1鋼,C16鋼につ
いては,γ領域(S5)の1050℃まで焼入れ温度を
上げた処理も行った(E1−2,C16−2)。また,
E1鋼については,刃物の製造を想定して刃先形成部分
(端部から10mmの部分)のみをバーナー加熱して,
1050℃の焼入れ温度での焼入れ処理を行った(E1
−3)。
【0067】これらの場合(E1−2,E1−3,C1
6−2)も,焼き戻し条件は上記と同じとした。なお,
硬さ試験及び抗菌性試験に際しては,予め各試験片のス
ケールを落とすと共に#600の仕上げ研磨を行った。
【0068】表3より知られるごとく,焼入れ・焼き戻
し後の硬さは,C13,C14を除きHRC45以上の
高硬度が得られた。C13,C14の高度が低かった理
由は,C13はC量が低いため焼入れ硬さが低くなり,
C14はNiを多量に添加しているため多量の残留オー
ステナイトが生成したためであると考えられる。また,
E1−2,E1−3,C16−2は,焼入れ温度が低い
他のものに比べて非常に高硬度なものとなった。
【0069】次に,各鋼について抗菌性試験を行った。
まず,抗菌性試験に用いる菌(大腸菌)を前培養した。
具体的には,Escherichia coli IF
O 3301(大腸菌)を普通寒天培地に塗布し,35
℃で2日間培養した。
【0070】次いで,試験菌液の調製を行った。具体的
には,前培養した大腸菌を0.5白金耳[SARSTE
DT製1μlloop,White]とり,5mlの普
通ブイヨン培地を含む試験管の中に入れ,35℃で1
6.5時間振盪(回転式130rpm)培養した。この
培養液を50mMリン酸緩衝液(pH7)で2×104
倍に希釈し,試験菌液とした。
【0071】試験開始時の生菌数を測定するため,2×
104 倍希釈の試験菌液1mlにSCDLP培地9ml
を加えてよく混合し,コロニー測定できる範囲に希釈
(試験菌液に対して103 〜104 倍希釈)してシャー
レに入れ,45℃〜50℃で保温された20mlのパー
ルコア標準寒天培地を加えて軽く混合した。寒天が固ま
った後,35℃で17時間培養し,コロニーカウンター
測定によりコロニー数を測定した。
【0072】次いで,抗菌性試験を行った。まず,図4
に示すごとく,上記サイズの各試験片6の表面60に広
がるように試験菌液1mlを滴下して25℃で放置し
た。なお,E1−3については,図5に示すごとく,刃
先形成部分62を端部に残した試験片61を用い,その
表面63に上記と同様に試験菌液を滴下した。24時間
後,試験片の表面にある菌液をできる限り回収し,残り
をSCDLP培地9mlで洗い流して回収した。
【0073】24時間後の生菌数を測定するため,上記
回収液(約10ml)をコロニー測定できる範囲に希釈
(試験菌液に対して10倍希釈,5×102 倍希釈,1
4倍希釈)してシャーレに入れ,45〜50℃で保温
された20mlのパールコア標準寒天培地を加えて軽く
混合した。寒天培地が固まった後,35℃で17時間培
養し,上記の試験菌液の調整の場合と同様にコロニー数
を測定した。
【0074】生菌数は,各希釈率毎のコロニー数をそれ
ぞれの希釈率に乗じて,それを合計したものとした。ま
た,基準試験片としてガラス板を準備し,これに菌液を
直接滴下して,同様の試験を実施した。そして,この抗
菌性試験においては,試験後の生菌数をすべて常用対数
値化して,基準試験片(ガラス板)における生菌数nと
各試験片における生菌数mの差が2以上の場合に抗菌性
があると判断した。即ち,log(n)−log(m)
の値が2以上の場合には抗菌性を有すると判断した。
【0075】この抗菌性試験の結果を表3に示す。表3
より知られるごとく,本発明鋼E1〜E10はすべて良
好な抗菌性を示した。また,比較鋼C11〜C14も良
好な抗菌性を示した。一方,C15,C16はほとんど
抗菌性を示さなかった。これらの結果から,Cuを適量
含有し,かつ上記特殊な3段階の熱処理を行うことによ
って,抗菌性に有効なε−Cu粒子を析出,分散させる
ことができることがわかる。
【0076】また,E1−2の結果から,焼入れ温度を
γ領域(S5)まで上げた場合には,硬度は向上するも
のの,抗菌性が著しく低下することが分かる。また,E
1−3のように,焼入れ温度を同様に上げてもこれを刃
先形成部分に限った場合には,優れた抗菌性が維持され
ることがわかる。また,C16−2の結果から,従来鋼
は焼入れ温度を向上させると硬度は向上するものの抗菌
性は依然として発揮されないことがわかる。
【0077】また,表3には,熱間加工性の評価結果に
ついても示してある。この熱間加工性は,熱間圧延時に
割れが発生したか否かにより判断した。そして,割れの
ない場合を◎,軽微な割れの場合を○,コーナー割れの
場合を△,面割れを×として評価した。熱間加工性は,
上記関係式が満たされないC11,C12,C13が非
常に悪い結果となった。
【0078】以上の各評価結果から,高硬度性,抗菌
性,熱間加工性のすべてを満たすものは,本発明鋼(E
1〜E10)とE1−3のみであった。
【0079】なお,上記の実施形態例においては,いず
れも冷間圧延を実施しなかったが,必要に応じて冷間圧
延を実施することができる。例えば,刃物を製造するに
当たっては,上記第1〜第3熱処理後に,酸洗処理を介
して冷間圧延を行うことができる。そして,冷間圧延さ
れた板を刃物形状に打ち抜き,焼入れ焼き戻し,研磨等
の工程を経て刃物を得ることができる。なお,冷間圧延
による加工硬化が大きい場合にはその後の打ち抜き加工
が困難であるので,歪み取り焼鈍を行うことが好まし
い。
【0080】また,上記冷間圧延は,上記熱間圧延後
に,焼鈍,酸洗工程を経て,上記第1〜第3熱処理の前
に行うこともできる。この場合には,第1〜第3熱処理
を真空等の非酸化雰囲気において行うことが好ましい。
これにより,上記熱処理後に酸洗工程を再度行うことな
く刃物加工を行うことができる。
【0081】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,組成範
囲を上記特定の範囲に限定し,かつ,上記特殊な3段階
の熱処理を行うことにより,抗菌性を有し,かつ,高硬
度,熱間加工性に優れた抗菌性マルテンサイト系ステン
レス鋼及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼
の状態図。
【図2】実施形態例1における,(a)第1〜第3熱処
理,(b)焼入れ焼き戻し処理,を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,熱処理に伴い変化する
組織状態を示す説明図。
【図4】実施形態例2における,抗菌性試験片を示す説
明図。
【図5】実施形態例2における,刃物製造想定材の抗菌
性試験片を示す説明図。
【符号の説明】
1...母相, 2...ε−Cu粒子,

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%において,C:0.60〜1.5
    0%,Si:2.00%以下,Mn:2.00%以下,
    Cu:2.70〜5.00%,Ni:0.20〜1.5
    0%,Cr:10.00〜18.00%を含有している
    と共に,残部はFe及び不可避不純物からなり,かつ,
    熱間圧延時の加熱温度をT℃としたとき,Cu,Ni
    は, Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%−T
    ℃/500+2.40 の関係にあり,また,上記Cuの少なくとも一部は,母
    相中において,Cuリッチ相よりなるε−Cu粒子とし
    て析出し,分散していることを特徴とする抗菌性マルテ
    ンサイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1において,さらに,Mo:0.
    05〜2.00%,V:0.02〜1.50%,W:
    0.02〜1.50%,Ti:0.02〜0.50%,
    Nb:0.02〜0.50%,Zr:0.02〜0.5
    0%のうちの1種又は2種以上を含有していることを特
    徴とする抗菌性マルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 重量%において,C:0.60〜1.5
    0%,Si:2.00%以下,Mn:2.00%以下,
    Cu:2.70〜5.00%,Ni:0.25〜1.5
    0%,Cr:10.00〜18.00%を含有している
    と共に,残部はFe及び不可避不純物からなり,かつ,
    熱間圧延時の加熱温度をT℃としたとき,Cu,Ni
    が,Ni%≧(Cu%×T℃)/200−5.5Cu%
    −T℃/500+2.40の関係にある素材を熱間圧延
    し,その後,オーステナイト相(以下,γ相という)と
    フェライト相(以下,α相という)とε−Cu相とを有
    する組織となる温度領域の下限温度−50℃から上限温
    度+50℃の間の温度に加熱する第1熱処理を行い,次
    いで,γ相とε−Cu相とを有する組織となる温度領域
    の下限温度−80℃から上限温度の間の温度に加熱する
    第2熱処理を行い,次いで,γ相とα相とε−Cu相と
    を有する組織となる温度領域の下限温度−50℃から上
    限温度+50℃の間の温度に4時間以上保持する第3熱
    処理を行うことを特徴とする抗菌性マルテンサイト系ス
    テンレス鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記素材は,さら
    に,Mo:0.05〜2.00%,V:0.02〜1.
    50%,W:0.02〜1.50%,Ti:0.02〜
    0.50%,Nb:0.02〜0.50%,Zr:0.
    02〜0.50%のうちの1種又は2種以上を含有して
    いることを特徴とする抗菌性マルテンサイト系ステンレ
    ス鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の抗菌性マルテン
    サイト系ステンレス鋼を刃物形状に切り出して刃物用素
    材を作製し,次いで,該刃物用素材の刃先形成部には,
    局部的な焼入れ処理を行うことを特徴とする抗菌性刃物
    の製造方法。
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