JP3606200B2 - クロム系ステンレス鋼箔およびその製造方法 - Google Patents

クロム系ステンレス鋼箔およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器、音響機器および精密電子機器等の部品に好適なばね特性に優れたばね用クロムステンレス鋼箔およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のばね部品としては、携帯電話のプッシュボタンを支えるばね等の各種ボタンおよびスイッチばねがある。これらは、いずれもばね特性に優れた板厚が0.1mm以下のばね用ステンレス鋼箔が使用されている。
【0003】
従来、ばね用ステンレス鋼箔には、SUS301LやSUS304に代表されるオ−ステナイト系ステンレス鋼が使用されている。
【0004】
このオーステナイト系ステンレス鋼は、加工誘起変態で生じるマルテンサイト相により強度を高めてばね特性を得たもので、素材メ−カ−から冷間圧延された状態で出荷され、加工メ−カ−において所望形状に加工される。加工後に、ばね特性の向上を目的として時効熱処理が施される場合もある。
【0005】
上記のオ−ステナイト系ステンレス鋼箔は、高強度でありながら良好な加工性を有する優れた鋼である。しかしながら、高価なNiを多量に含有することから鋼材コストが高く経済性を損なうという問題がある。
【0006】
また、板厚が0.1mm以下の箔を製造するには、加工誘起変態で生じるマルテンサイト相の生成により圧延負荷が非常に高くなり、生産性を損なうとともに良好な形状と所望の板厚を得るのが困難であるという問題もある。さらに、冷間圧延によるばね特性の上昇は、箔の圧延方向(L方向)に比べ、圧延方向に対し直角方向(T方向)の方が大きく、冷間圧延率が高まるとともに両者の差が大きくなって、いわゆる面内異方性が大きくなるという欠点がある。
【0007】
特公平6−78566号公報には、化学組成が質量%で、C:0.02〜0.2%,Si:0.1〜2%,Mn:0.1〜2%,S≦0.006%,Ni:6〜10.5%,Cr:16〜20%,Al≦0.01%,O≦0.01%,Mg≦0.01%,Ca:0.0001〜0.005%,N:0.01〜0.2%からなるオ−ステナイト系ステンレス鋼を、冷間圧延と焼鈍を繰り返して最終板厚0.1mm以下とし、介在物の大きさを7μm以下とする疲労特性に優れたステンレス鋼箔の製造方法が開示されている。このステンレス鋼箔は、介在物が微細化されているのでばね疲労特性が改善されている。
【0008】
特開平5−78789号公報には、表層にCr窒化物を析出分散させた制振特性に優れたばね用ステンレス鋼箔およびその製造方法が開示されている。このステンレス鋼箔は、板厚0.1mm以下のオ−ステナイト系ステンレス鋼が対象とされており、光輝焼鈍時の窒化を制御して表層にCr窒化物を析出分散させ、次いで約50%の調質圧延をおこない、必要に応じて時効熱処理を施すことにより製造される。上記の各公報に開示されている技術は、オ−ステナイト系ステンレス鋼箔のばね特性の向上を目的としたものである。したがって、上述したばね用オ−ステナイト系ステンレス鋼箔の経済性および生産性の改善には至っていない。他方、クロム系ステンレス鋼は、殆どNiを含有しないことから鋼材コストが安価で経済性に優れている。さらに、クロム系ステンレス鋼の中でフェライト系ステンレス鋼は軟質であり、オ−ステナイト系ステンレス鋼に比べ加工硬化が小さいことから箔の製造も容易であり生産性に優れている。しかしながら、上記クロム系ステンレス鋼箔では、オ−ステナイト系ステンレス鋼箔に匹敵するばね特性を得るのが困難であるという問題を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、Niを含有しないか、含有しても2%以下である安価なクロム系ステンレス鋼箔でありながら、オ−ステナイト系ステンレス鋼箔に匹敵するばね特性を有するばね用クロム系ステンレス鋼箔とその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、クロム系ステンレス鋼のばね特性を改善すべく、金属組織のばね特性に及ぼす影響について種々実験、検討を重ねた結果以下の知見を得るに至った。
【0011】
a)クロム系ステンレス鋼を残留オ−ステナイト相を含む金属組織とすることにより、加工性が改善されるうえ、加工を受けると加工誘起変態を生じ組織を強靱にし、強度を高めてばねの疲労特性を改善することができ、オーステナイト系ステンレス鋼と同等以上のばね特性が得られる。
b)残留オーステナイト相を生成させるためには、窒素を含有する雰囲気中でクロムステンレス鋼を加熱して窒素を吸収させて冷却すればよい。
【0012】
本発明は、このような知見に基づき付きなされたもので、その要旨は以下の通りである。
【0013】
(1)質量%で、C:0.01〜0.2%、Cr:10〜20%,N:0.05〜0.5%、Si:2%以下、Al:0.05%以下、Ni:2%以下、Mn:2%以下、Cu:2%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、金属組織が、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相とを含む二相混合組織またはマルテンサイト相、残留オ−ステナイト相および75体積%以下のフェライト相を含む三相混合組織からなることを特徴とするばね用クロム系ステンレス鋼箔。
【0014】
(2)Feの一部に代えて、質量%でTiを0.001〜0.02%含有する上記(1)に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
【0015】
(3)Feの一部に代えて、質量%でNbを0.01〜0.1%含有する上記(1)または(2)に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
(4)Feの一部に代えて、質量%でMoを0.1〜2%含有する上記(1)から(3)までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
【0016】
(5)Feの一部に代えて、質量%でVを0.05〜0.3%含有する上記(1)から(4)までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
(6)Feの一部に代えて、質量%で希土類元素を0.005〜0.1%含有する上記(1)から(5)までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
【0017】
(7)上記(1)から(6)までのいずれかに記載の化学組成を有するクロム系ステンレス冷延鋼板を窒素含有雰囲気中で加熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を吸収させたのち、1℃/秒以上の冷却速度で冷却することを特徴とするばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0018】
(8)冷却した後、100〜600℃の温度域で10秒以上の時効熱処理をおこなう上記(7)に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0019】
(9)時効熱処理をおこなった後、圧下率5%以下の調質圧延をおこなう上記(8)に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
【0020】
これらの知見は、種々の試験に基づいて得られたもので、その代表的な試験について以下に説明する。
【0021】
表1に示す化学組成を有するクロム系ステンレス鋼を溶製し、熱間加工後冷間圧延して板厚0.05mmの箔とした。
【0022】
【表1】
Figure 0003606200
この鋼箔を窒素含有雰囲気中にて1050℃で5〜90秒間加熱保持する熱処理を施し、窒素含有量が0.03〜0.2質量%となるように窒素を吸収させ、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相の総和が10〜100体積%で残部がフェライト相からなるクロム系ステンレス鋼箔を製造した。
【0023】
上記クロム系ステンレス鋼箔より圧延方向(L方向)および圧延直角方向(T方向)の曲げ試験片を採取し、450℃で均熱60秒の時効処理を施し、ばね限界値Kb、ばね疲労特性に及ぼす金属組織の影響を検討した。 なお、ばね限界値Kbは、JIS H 3732に規定される曲げによる表面最大応力が36.25GPaとなるときの弾性変形と同等の永久変形を生じさせる表面最大応力と定義される。
【0024】
ばね疲労特性は、繰り返し平面曲げ試験機を用い、所定の曲げ応力を付与して破壊に至るまでの繰り返し曲げ回数を求めた。ここで、繰り返し曲げ回数の上限は107回とした。
【0025】
図1は、試験材の代表的な断面ミクロ組織を示したもので、マルテンサイトと残留オーステナイト相からなる2相組織とフェライト相からなっている。
【0026】
図2は、マルテンサイトと残留オーステナイトの占める量とばね限界値Kbとの関係で整理した図である。同図には、従来のばね用オ−ステナイト系ステンレス鋼箔SUS301L(板厚0.06mm)の時効熱処理材および非時効熱処理材のばね限界値Kbを併せて示す。
【0027】
同図から明らかなように、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相の総和が25体積%を超えるクロム系ステンレス鋼箔は、L方向とT方向とでほとんど差がなく面内異方性は極めて小さく、従来鋼であるSUS301L非時効熱処理材を上回るばね限界値Kb(L、T方向平均値)であった。これは、マルテンサイト相における固溶元素(C、N)が、時効処理により微細析出し、鋼の弾性比例限が向上したことに起因すると考えられる。
【0028】
図3は、上記の試験で用いたM+残留γが60%のクロム系ステンレス鋼箔のばね疲労特性を示したものである。同図に示すように、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相の総和が約60体積%のクロム系ステンレス鋼箔は、比較鋼であるSUS301L時効熱処理材を上回る極めて優れたばね疲労特性を示した。これは、上記マルテンサイト相の析出硬化に加え、C、Nを過飽和に固溶した残留オ−ステナイト相が繰り返し曲げ試験により加工誘起変態して強靱な組織となりばね疲労特性の向上に作用したものと考えられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、化学組成の%表示は質量%を示す。
【0030】
a.化学組成
本発明のばね用クロム系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.01〜0.2%、Cr:10〜20%,N:0.05〜0.5%、Si:2%以下、Al:0.05%以下、Ni:2%以下、Mn:2%以下、Cu:2%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなるものである。各元素の限定理由は下記のとおりである。
【0031】
C:Cは、代表的なオ−ステナイト形成元素であり、また、マルテンサイト硬化能に大きく影響する元素である。オ−ステナイト系ステンレス鋼に相当するばね特性を得るために、C含有量を0.01%以上とする。C含有量を過度に増加させるとマルテンサイト相の割合が過大になるとともに、マルテンサイト相の硬さが増加し、熱間加工性および製品の加工性が低下する。さらに、窒素含有雰囲気熱処理の冷却過程において鋭敏化現象起こし易くなり耐食性が劣化する。これらの不都合を避けるためにC含有量を0.2%以下とする。
【0032】
Cr:Crは、フェライト相を形成すると共に、耐食性を確保するために必要な元素である。さらに、窒素含有雰囲気中でクロム系ステンレス鋼を熱処理した際に、雰囲気中の窒素を吸収して、オ−ステナイト相を安定化させる作用を有する。ばね疲労特性向上のために残留オ−ステナイト相を生成させ、耐食性を確保するには、Cr含有量を10%以上とする。他方、Cr量を過剰に含有させると鋼材コストが高価になるばかりでなく、オ−ステナイト相を安定化させる温度が1200℃超となり、鋼の高温強度不足により熱処理することが困難になるなどの操業上の問題が生じる場合がある。これを避けるために、Cr含有量を20%以下とする。より望ましくは12〜17%である。
【0033】
N:
Nは、Cと同様に代表的なオ−ステナイト形成元素であり、ばね疲労特性の向上に効果的な元素である。しかしながら、鋼の溶製時にNを大量に含有させるのは通常の方法では困難であるうえに、Nを大量に含有した鋼は熱間加工性が悪く、熱間圧延時に耳割れ等の表面疵の発生原因となる。したがって、窒素含有雰囲気熱処理以前の段階においては特に限定する必要はなく、通常の製造方法で得られる0.001〜0.04%程度の含有量でよい。
【0034】
本発明においては、窒素含有雰囲気中で熱処理することにより鋼にNを吸収させる。これによりオ−ステナイト相を安定化させ、冷却過程における鋭敏化現象の発生を抑制し、また、冷却後の金属組織をマルテンサイト相に加え残留オ−ステナイト相を含有する混合組織とする。
【0035】
前記熱処理後のN含有量は、残留オ−ステナイト相の比率の増加により、ばね疲労特性をさらに向上させるために0.05%以上とする。より望ましくは0.1%以上である。他方、N含有量を増加させるには、熱処理時間を長くする必要があり、生産性を阻害するという問題が生じる。従って、その上限は0.5%とする。
【0036】
本発明のクロム系ステンレス鋼の代表的な化学組成は、上記の3元素を含み残部がFeおよび不純物からなるステンレス鋼であり、さらに必要により下記の元素を含有させることができる。
【0037】
Ni、Mn、Cu:
これらの元素は、いずれもオ−ステナイト形成元素であり、熱処理後のマルテンサイト相の量と硬さを調整するのに有効な元素である。また、これらの元素を含有させることにより、(C+N)含有量を低減することができるので、マルテンサイト相を軟質なものとすることができる。よって、鋼の加工性を向上させるのに好適である。
【0038】
したがって、これらの元素は必須元素ではないが、上記の効果を得るために含有させても構わない。含有させる場合は、それぞれ0.3%以上含有させるのがよい。他方、NiおよびCuを過剰に含有させると経済性を損なうので、含有させる場合でもその上限をそれぞれ2.0%とする。Mnは、窒素含有雰囲気熱処理時の窒素吸収能を高める作用がるが、過剰に含有させると経済性を損なううえ、耐食性を低下させる作用があるので、含有させる場合でもその上限を2%とする。これらの元素を積極的に添加しない場合は、不純物としてNiは0.3未満程度、Cuは0.001%程度混入してくる。また、Mnは脱酸剤としても有効であり、脱酸剤として使用すれば0.1%程度含む。
【0039】
Ti:
Tiは、フェライト形成元素であるとともに、窒素含有雰囲気熱処理において結晶粒の粗大化を防止し、さらに冷却過程で生じる鋭敏化現象を抑制する作用を有する。したがって、必須元素ではないが、上記の効果を得るために含有させても構わない。
【0040】
含有させる場合には、0.001%以上含有させるのがよい。他方、Tiを過剰に含有させると経済性を損なうだけでなく、鋼中のC、Nを固定して強度低下の原因となるので、含有させる場合でもその上限は0.02%とするのがよい。
【0041】
Nb:
Nbは、フェライト形成元素であるとともに、窒素含有雰囲気熱処理後の冷却過程で生じる鋭敏化現象を抑制し、さらに、オ−ステナイト相(冷却後にはマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相)に固溶し、強度を上昇させる作用もある。従って、必須元素ではないが、上記の効果を得るために含有させても構わない。含有させる場合には0.01%以上含有させるのがよい。他方、Nbを過剰に含有させると鋼中のC、N元素を固定して強度低下の原因となるので、含有させる場合でもその上限は0.1%とするのがよい。
Mo:Moは必須元素ではないが、フェライト形成元素であるとともに、耐食性を著しく向上させる作用があるので、Cr含有量が少ない場合でもMoを含有させることにより耐食性を得ることができる。含有させる場合には0.1%以上含有させるのがよい。しかしながら、Moは高価であり過剰に含有させると経済性を損なうので、含有させる場合でもその上限は2.0%とするのがよい。
【0042】
V:必須元素ではないが、強度を得るために効果的な元素であるため、含有させてもよい。含有させる場合には0.05%以上含有させるのがよい。しかしながら、上記効果は0.3%を越えると飽和するので、含有させる場合でも0.3%以下とするのがよい。
【0043】
Si:Siは、鋼の脱酸剤として有効な元素であるうえ、強度を高める作用もあるので含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させると鋼の靱性を損なうので、その上限は2%とする。脱酸剤として使用すれば0.1%以上含まれる。
【0044】
Al:Alは、鋼の脱酸剤として有効な元素であるので含有させてもよい。しかしながら、Alは窒化物を形成するため、過剰に含有させると窒素含有雰囲気熱処理時の固溶窒素量を減少させる作用がある。従って、その上限は0.05%とする。
【0045】
希土類元素:
希土類元素は、通常含有させないが、鋼の耐酸化性を向上させる作用があるので含有させてもよい。しかしながら、合計量で0.1%を超えて含有させると効果が飽和するうえコストが高くなるので含有させる場合でも0.1%以下とするのがよい。
【0046】
b.金属組織
ばね用クロム系ステンレス鋼として好適な金属組織としては、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相とからなる二相混合組織あるいはマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相に加え、75体積%以下のフェライト相を含む三相混合組織である。
【0047】
マルテンサイト相は、鋼の強度と硬さを高めるうえに、時効熱処理を施して固溶元素(C、N)を析出させることにより鋼の弾性比例限を高めてばね特性を向上させる。この効果を得るにはマルテンサイト相の比率を25体積%以上とするのが好ましい。より好ましくは50%以上である。
【0048】
他方、マルテンサイト相の比率を過度に高くすると鋼の延性が低下し、加工性が損なわれるので、マルテンサイト比率は95体積%以下とするのが好ましい。より好ましくは90%以下である。
【0049】
残留オ−ステナイト相は、マルテンサイト相に比べて軟質で加工性に富むうえ、加工を受けた際に加工誘起変態して組織を極めて強靱にする。また、加工誘起変態して得られる強靱な組織により、鋼の強度を高めてばね疲労特性を向上させる。これら効果を得るために残留オ−ステナイト相の比率は2体積%以上とするのが好ましい。
【0050】
フェライト相は必須ではないが、マルテンサイトと残留オーステナイトの2相組織にさらにフェライト相があると加工性改善効果がある。しかしながら、フェライト相の比率が高くなると強度が低下してばね特性が損なわれるので、フェライト相を含有する場合の上限は75体積%以下とする。
【0051】
マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相およびフェライト相の体積比率は、これらの総和が100%を超えない範囲である。なお、金属組織の体積%は金属組織観察面における面積%にも相当する。
【0052】
c.製造方法
上記a項で述べた化学組成範囲に調整した鋼のスラブを一般の方法で製造する。例えば、転炉や電気炉で鋼を溶解した後、真空脱ガス処理を施し、連続鋳造鋳片やインゴットにした後、分塊圧延するなどの方法でスラブを製造する。
【0053】
得られたスラブを一般の方法で熱間圧延して熱間圧延鋼板を製造し、常法にしたがって焼鈍し、酸洗などの方法でその表面の酸化スケ−ルを除去する。
【0054】
その後、冷間圧延して冷延鋼板を製造する。冷間圧延は中間焼鈍を含む複数回おこなって目標の板厚とする。ばね部品としての用途には最終板厚が0.1mm以下の鋼箔とするのがよい。得られた鋼箔を窒素含有雰囲気中で加熱し、雰囲気中の窒素を吸収させ、1℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱処理を施す。
【0055】
上記窒素含有雰囲気は、鋼箔への窒素吸収率を効率よくおこなわせるために、以下のようにすることが望ましい。
【0056】
上記窒素含有雰囲気中の水素濃度は、10体積%以上とすることが好ましい。鋼表面に酸化皮膜が形成されると窒素含有雰囲気からの窒素吸収が阻害されるが、雰囲気中の水素濃度を上記範囲とし、かつ露点を低くすることにより酸化皮膜の生成を抑制することができる。より望ましくは50〜80体積%である。酸化皮膜の厚さは100Å以下に抑えるのがよい。
【0057】
上記窒素含有雰囲気中の窒素濃度は、10体積%以上とすることが好ましい。より望ましくは20〜50体積%である。
【0058】
上記窒素含有雰囲気の露点が高いと、厚さが100Åを超える緻密な酸化皮膜が鋼表面に形成され、鋼箔への窒素吸収率が低下するため、窒素含有雰囲気の露点は−30℃以下にすることが好ましい。より望ましくは−40℃以下である。
【0059】
なお、上記窒素含有雰囲気中には、鋼箔の表面酸化作用のないArガス等の不活性ガスや窒化反応を促進させるNH3等の触媒が含まれていても差し支えない。
上記熱処理の鋼箔の表面温度は900℃以上とするのがよい。表面温度は加熱炉内に輻射温度計を配置して測定することができる。酸素ポテンシャルが低い低露点雰囲気中で鋼箔の表面温度を900℃以上とすると、鋼表面の酸化被膜が還元されるので、鋼表面の酸化皮膜を100Å未満まで薄くすることができる。また、上記温度域では酸化皮膜中および鋼中の窒素原子の拡散速度が速く、鋼の窒素固溶量も大きくなるなどの相乗効果で、鋼箔への窒素吸収が促進される。他方、鋼箔の表面温度が1200℃を超えると、鋼箔の高温強度が低下し、均熱作業に支障が生じることがあるので、熱処理の均熱過程における鋼箔の表面温度は1200℃以下とするのがよい。
【0060】
上記熱処理の均熱過程において鋼箔の表面温度を900℃以上とする時間(以下、「均熱時間」ともいう)を10秒以上とするのが望ましい。均熱時間が10秒未満では、所期のばね特性を得るのに必要なマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相が得られない場合がある。均熱時間の上限は特に限定しないが、連続熱処理炉にて熱処理をおこなう場合には、生産性の低下を抑制するために、2分以下とするとよい。
【0061】
上記均熱後は、鋭敏化現象の発生を抑制するために1℃/秒以上の冷却速度で冷却をおこなう必要がある。冷却速度が1℃/秒未満では、冷却過程における鋭敏化現象の発生を充分に抑制できない場合がある。冷却速度の上限は特に限定しないが、冷却速度を1000℃/秒超とすることは実質的に困難であるので、1000℃/秒以下とするとよい。
【0062】
上記熱処理後の鋼箔は、そのままばね用鋼箔として使用してもよいが、ばね特性の向上を目的とした時効熱処理などの熱処理を施してもよい。
【0063】
ばね特性を向上させるために時効熱処理をおこなう場合には、時効熱処理温度を100〜600℃とすることが望ましい。
【0064】
時効温度が100℃未満では、時効処理によるばね特性の向上が不充分となる場合がある。また、時効温度が600℃超では前記窒素含有雰囲気熱処理により固溶したC、Nが数μmに及ぶ粗大な析出物を形成して、結晶粒界および結晶粒内に析出し、耐食性および材料強度を低下させる場合がある。より望ましくは、200〜600℃である。時効熱処理時間は、10秒以上とすることが望ましい。時効処理時間が10秒未満では、時効処理によるばね特性の向上が不充分となる場合がある。時効処理時間の上限は特に限定する必要はないが、本発明の窒素含有雰囲気熱処理後のクロム系ステンレス鋼箔についての時効処理は、短時間でその効果を発揮することから、バッチ式熱処理炉以外に連続熱処理炉においてもおこなうことが可能であり、時効熱処理時間を5分超としても上記効果が飽和する傾向を示すことから、連続熱処理炉において時効処理をおこなう場合には5分以下にするとよい。
【0065】
時効熱処理後の冷却速度は、ばね特性や他の諸特性に殆ど影響を及ぼさないことから、時効処理後の冷却には任意の冷却方式を適用することができる。
【0066】
また、ばね特性の向上および鋼箔の形状(平坦度)修正を目的として、時効熱処理後に調質圧延をおこなうとよい。また、前記窒素含有雰囲気中で加熱、冷却後に調質圧延を施してもよい。
【0067】
調質圧延をおこなうことにより、残留オ−ステナイト相の加工誘起変態を活用することが好ましいが、この場合の調質圧延の圧下率は5%以下とするのが望ましい。調質圧延の圧下率が5%超では、鋼箔の延性が低下し加工性が損なわれる場合があるからである。
【0068】
【実施例】
表2に示す2種の化学組成を有するクロム系ステンレス鋼連続鋳造スラブを1150〜1200℃に加熱し、仕上げ温度900〜950℃で熱間圧延を終了して、厚さ3.2mmの熱延鋼帯を得た。これら熱延鋼帯を750〜850℃での熱延板焼鈍を施した後、ショットブラストと硝弗酸酸洗を施して脱スケ−ルした後、中間焼鈍を挟む冷間圧延を施して厚さが0.05mmの鋼箔とし、さらに以下に述べる条件で窒素含有雰囲気での熱処理を施した。
【0069】
【表2】
Figure 0003606200
窒素含有雰囲気での熱処理は、連続光輝焼鈍炉を用いた。均熱雰囲気は窒素25体積%、水素75体積%とし、雰囲気露点は−40℃以下に制御した混合ガスを使用した。均熱時の鋼表面温度は800〜1100℃とした。均熱時間は10〜90秒の範囲とし、均熱後の冷却速度は5〜40℃/秒と変化させた。
【0070】
熱処理後の鋼箔の一部に圧下率1〜5%の調質圧延を施した。
【0071】
また、窒素含有雰囲気での熱処理後の鋼箔および窒素含有雰囲気熱処理後に調質圧延を施した鋼箔の一部には、温度:200〜600℃,熱処理時間:10〜180秒とした時効処理を連続光輝焼鈍炉を用いておこなった。
比較鋼として、市販のオ−ステナイト系ばね用鋼箔SUS301L−0.06mm厚,SUS304−0.05mm厚を準備した。
【0072】
フェライト相は、腐食した試験片を顕微鏡観察あるいはSEM観察によりマルテンサイト相および残留オ−ステナイト相と識別できる。したがって、フェライト相の体積率は、試験片断面を常法により研磨し腐食させた金属組織観察面を顕微鏡観察して測定した。
【0073】
また、残留オ−ステナイト相の体積率は、X線回折法によりα−Feとγ−Feの積分強度を測定することにより求めた。これより、マルテンサイト相の体積率は、100−(フェライト相の体積率+残留オ−ステナイト相の体積率)[%]より求めた。鋼箔の窒素含有量は、化学分析(ガス分析法)により定量した。
【0074】
表3に各鋼箔の金属組織および熱処理条件とを共に示す。
【0075】
【表3】
Figure 0003606200
表面硬さは、JIS Z 2244に規定されているビッカ−ス硬さ試験法により、0.98N荷重の条件にて測定した。
【0076】
ばね特性は、圧延方向(L方向)と圧延垂直方向(T方向)の試験片を使用し、平面曲げ試験機によりJIS H 3732に規定されているばね限界値Kbとばね疲労限を測定した。Kbは、曲げによる表面最大応力が36.25GPaとなるときの弾性変形と同等の永久変形を生じさせる表面最大応力と定義される。
【0077】
ばね疲労限は、30Hzの一定振幅の繰り返し曲げ試験において107回を上限として試験片が破断に至らなかった最大応力を測定した。
【0078】
耐食性は、塩水噴霧試験器を用いて、5%塩水を192時間噴霧した後の腐食面積率レイティングNo.(No.10:発銹なし,Noが小さい程腐食面積率大)を測定した。
【0079】
表4に得られた各鋼箔の特性測定結果を示す。
【0080】
【表4】
Figure 0003606200
表3に示すように、符号1A,1B,2Bの鋼箔は、いずれもマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相に加え、75体積%以下のフェライト相を含む三相混合組織を有し、符号2Aの鋼箔はマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相からなる二相混合組織である。他方、符号1Cの鋼箔はマルテンサイト相と残留オ−ステナイト相に加え、75体積%を越えるフェライト相を含む三相混合組織を有し、符号2Cの鋼箔は残留オ−ステナイト相が無いマルテンサイト相とフェライト相からなる二相混合組織である。
【0081】
表4に示すように、試番1、2、3、6および7の鋼箔は、いずれも表面硬さがHv500を超えており、比較鋼であるSUS301L鋼箔に相当する優れたばね限界値およびばね疲労限が得られた。試番8の鋼箔は、比較鋼であるSUS304鋼箔に相当する良好なばね限界値およびばね疲労限を有した。
【0082】
試番4、5、9および10は表面硬さ不足であり、目標のばね限界値、ばね疲労限が得られなかった。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、殆どNiを含有しない安価なクロム系ステンレス鋼箔でありながら、オ−ステナイト系ステンレス鋼箔に匹敵する優れたばね特性を有する鋼箔が得られ、ばね部品、ばね性を必要とする通信機器、音響機器および精密電子機器等の部品のばね、特に携帯電話のプッシュボタンを支えるばね部品に用い優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステンレス鋼の代表的なミクロ組織を示す図である。
【図2】ばね限界値とマルテンサイトと残留オーステナイトの体積率との関係を示す図である。
【図3】クロム系ステンレス鋼箔のばね疲労特性を示す図である。

Claims (9)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Cr:10〜20%、N:0.05〜0.5%、Si:2%以下、Al:0.05%以下、Ni:2%以下、Mn:2%以下、Cu:2%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、金属組織が、マルテンサイト相と残留オ−ステナイト相とを含む二相混合組織またはマルテンサイト相、残留オ−ステナイト相および75体積%以下のフェライト相を含む三相混合組織からなることを特徴とするばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  2. Feの一部に代えて、質量%でTiを0.001〜0.02%含有する請求項1に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  3. Feの一部に代えて、質量%でNbを0.01〜0.1%含有する請求項1または請求項2に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  4. Feの一部に代えて、質量%でMoを0.1〜2%含有する請求項1から請求項3までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  5. Feの一部に代えて、質量%でVを0.05〜0.3%含有する請求項1から請求項4までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  6. Feの一部に代えて、質量%で希土類元素を0.005〜0.1%含有する請求項1から請求項5までのいずれかに記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の化学組成を有するクロム系ステンレス冷延鋼板を窒素含有雰囲気中で加熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を吸収させたのち、1℃/秒以上の冷却速度で冷却することを特徴とするばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
  8. 冷却した後、100〜600℃の温度域で10秒以上の時効熱処理をおこなうことを特徴とする請求項7に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
  9. 時効熱処理をおこなった後、圧下率5%以下の調質圧延をおこなうことを特徴とする請求項8に記載のばね用クロム系ステンレス鋼箔の製造方法。
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