JP2002194101A - 水膨張性ポリウレタン成形品及びその製法 - Google Patents

水膨張性ポリウレタン成形品及びその製法

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JP2002194101A
JP2002194101A JP2001322833A JP2001322833A JP2002194101A JP 2002194101 A JP2002194101 A JP 2002194101A JP 2001322833 A JP2001322833 A JP 2001322833A JP 2001322833 A JP2001322833 A JP 2001322833A JP 2002194101 A JP2002194101 A JP 2002194101A
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Kimio Miura
公生 三浦
Jiro Nagarego
治朗 流郷
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形やプレス成形による製造が可能な水
膨張性ポリウレタン成形品を提供する。 【解決手段】 少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)と加硫剤(B)
および充填剤(C)からなる混練物が、所望の形状に押
出又はプレス成形され、加熱硬化されてなり、飽和体積
水膨張倍率が1.2〜8倍である水膨張性ポリウレタン
成形品とその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水膨張性ポリウレ
タン成形品及びその製法に関する。さらに詳しくは、土
木、建築及びその他各種分野における止水材に適し、所
望の形状に押出又はプレス成形され、加熱硬化されてな
る水膨張性ポリウレタン成形品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水膨張性ポリウレタン成形品とし
ては、熱硬化性ウレタン樹脂単体からなるもの(特開昭
59−15424号公報など)が挙げられ、良好な耐久
性を有する水膨張性シール材として上市されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のは原材料を熱硬化後、切断加工してシール材とするた
め、モールド成型が通常であって、押出成形ができず、
プレス成形も困難であるため生産性が不十分という問題
点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、押出成形
やプレス成形により製造でき、所望の断面形状に容易に
成形できる水膨張性ポリウレタン成形品を得るべく鋭意
検討した結果、本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、少なくとも1個のエチレン
性不飽和結合を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)と
加硫剤(B)および充填剤(C)からなる混練物が、所
望の形状に押出又はプレス成形され、加熱硬化されてな
り、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍であることを特
徴とする水膨張性ポリウレタン成形品;並びに少なくと
も1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有するポリウレ
タン樹脂(A)と加硫剤(B)および充填剤(C)から
なる混練物を、所望の形状に押出又はプレス成形し、加
熱下に(A)のエチレン性不飽和結合と(B)を反応さ
せ、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍の成形品を得る
ことを特徴とする水膨張性ポリウレタン成形品の製法で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水膨張性ポリウレタン成
形品は、23℃の精製水(蒸留水または脱イオン水)中
で、通常1.2〜8倍、好ましくは1.4〜7倍、さら
に好ましくは1.5〜6倍の飽和体積水膨張倍率を有す
る。この場合の体積水膨張倍率とは下記の方法で求めた
ものである。飽和体積水膨張倍率が1.2倍未満である
と水膨張後の止水効果が十分に得られず、8倍を超える
と水膨張後の樹脂強度が低下するため、止水性能が維持
できなくなる。 (体積水膨張倍率)ポリウレタン成形品の帯状体から2
0×20×2mmの試験片を採取し、この試験片を23
℃の精製水中に浸漬した際の体積を一定期間毎に測定
し、次式にて体積水膨張倍率を算出する。 体積水膨張倍率(倍)=膨張後の体積/膨張前の体積 また、1日当たりの体積水膨張倍率の増加率が0.01
%以下となった時点での倍率(前日の倍率の1.000
1倍以下となった時点の倍率)を試験片の飽和体積水膨
張倍率とする。
【0007】ポリウレタン樹脂(A)は、少なくとも1
個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有する。エチレン性
不飽和結合を有することにより、(A)と加硫剤(B)
および充填剤(C)が通常のゴムと同様に混練された
後、所望の形状に押出又はプレス成形され、加熱硬化さ
れて水膨張性ポリウレタン成形品が得られる。エチレン
性不飽和結合を側鎖に有しないと、加硫反応が遅くな
る。(A)中の側鎖のエチレン性不飽和結合の数(1分
子あたりの平均)は、好ましくは1〜100個、さらに
好ましくは2〜30個、とくに好ましくは5〜20個で
ある。
【0008】(A)としては、下記一般式(1)で表さ
れる化合物(a)とオキシエチレン単位を少なくとも2
0質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b)
と有機ポリイソシアネート(c)と必要により低分子活
性水素含有化合物(d)から得られる樹脂が、容易に製
造できるので好ましい。なお、(a)〜(d)はそれぞ
れ2種以上を併用してもよい。 (HO)mR(OX)r−m (1) [式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性
不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、m
は2以上でr−mが1以上となる整数。]
【0009】上記一般式(1)において、Rは3価以上
のポリオールからすべてのOH基を除いた残基である。
3価以上のポリオールとしては、脂肪族(脂環式を含
む)アルコール、フェノールおよびこれらの(ポリ)オ
キシアルキレンエーテル、これらまたはその(ポリ)オ
キシアルキレンエーテルをアルキレンジハライド(炭素
数1〜4)でカップリング(ジャンプ)したものが挙げ
られる。脂肪族アルコールの具体例としては、炭素数3
〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオー
ル;トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミ
ン;および脂環式トリオール、例えばシクロヘキサント
リオール)、炭素数5〜20の4〜8価又はそれ以上の
多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタ
ン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアル
カンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物;
ならびにショ糖、グルコース、マンノース、ラクトー
ス、メチルグルコシドなどの糖類及びその誘導体)が挙
げられる。フェノールの例としては、3価以上の単環フ
ェノール(ピロガロール、フロログルシンなど)および
フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)
が挙げられる。
【0010】上記(ポリ)オキシアルキレンエーテル
は、これらにアルキレンオキサイドを付加して得られ
る。付加させるアルキレンオキサイドとしては、炭素数
2〜4のものが好ましく、例えばエチレンオキサイド
(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下PO
と略記)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3
−ブチレンオキサイド(以下BOと略記)、ならびにこ
れらの2種以上の併用(ランダム付加またはブロック付
加)が挙げられる。とくに好ましくは、EO単独および
EOと他のアルキレンオキサイド[炭素数3または4の
アルキレンオキサイド、例えばPO、1,2−BO、
1,4−BOなどの1種または2種以上]の併用であ
る。これらのRの中では、3価以上の脂肪族アルコール
の残基(3価以上の炭化水素基)が好ましい。
【0011】一般式(1)において、Xはエチレン性不
飽和結合を1個以上有する基である。不飽和結合の数
は、好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1個であ
る。Xの例としては、エーテル結合および/またはエス
テル結合を有していてもよいエチレン性不飽和炭化水素
基、例えば下記一般式(2)および(3)で表される基
が挙げられる。 −(A1O)pQ1 (2) −〔CO-A2-COO-(A4O)sA3(OA4)t-O〕kCO-Q2 (3) [式中、A1 およびA4 は炭素数1〜4のアルキレン
基、p、sおよびtは0または1〜50の整数、Q1
炭素数2〜24のアルケニル基、アルカジエニル基、ア
ルカトリエニル基もしくはアルカテトラエニル基であ
り、A2 は炭素数2〜22のアルケニレン基、A3 は炭
素数2〜20の2価の炭化水素基、kは0または1〜2
0の整数、Q2 はQ1 、A2COOH 、またはA2CO
O(A4O)sA3(OA4)tOHである。ただし、k≠0の
とき、Q2 は炭素数1〜24のアルキル基でもよく、Q
2 がQ1 のとき、A2 は炭素数2〜22のアルキレン基
でもよい。]
【0012】上記A1 およびA4 としては、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、1,2−、1,4−お
よび2,3−ブチレン基などが挙げられる。A2 として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコ
ン酸などの炭素数4〜24の不飽和ジカルボン酸からす
べてのCOOH基を除いた残基などが挙げられる。A3
としては、低分子ポリオール類の例として後述する炭素
数2〜20の2価アルコールからすべてのOH基を除い
た残基などが挙げられる。p、k、sおよびtは0が好
ましい。
【0013】Xの具体例としては、一般式(2)でp=
0の場合、X=Q1 となり、炭素数2〜24の直鎖、分
岐もしくは環状のアルケニル基、例えばビニル基、アリ
ル基、イソプロペニル基、オレイル基、シクロヘキセニ
ル基:炭素数3〜24の直鎖、分岐もしくは環状のアル
カジエニル基、例えばリノール基;炭素数4〜24の直
鎖、分岐もしくは環状のアルカトリエニル基、例えばリ
ノレン基;などが挙げられる。pが1〜50の場合とし
ては、Q1OH で表される不飽和アルコールのアルキレ
ンオキサイド(前記炭素数2〜4のもの)付加物からO
H基を除いた残基、および−CH2O(A1O)p-11
(ただしA1 の炭素数は2〜4)が挙げられる。
【0014】一般式(3)でk=0、Q2=Q1の場合、
X=COQ1 となり、炭素数3〜25の不飽和アシル
基、例えばアクリロイル基、メタアクリロイル基、オレ
オイル基などが挙げられる。kが1〜20の場合として
は、前記炭素数4〜24の不飽和ジカルボン酸と前記炭
素数2〜20の2価アルコールとの(ポリ)エステルの
1個の末端COOH基からOHを除いた残基などが挙げ
られる。
【0015】式(1)中の水酸基の数mは、(A)がエ
チレン性不飽和結合を側鎖に有するようにするためと、
イソシアネート基との反応性と得られる樹脂の水膨張性
の点から、通常2以上、好ましくは2〜3、さらに好ま
しくは2である。また、(A)にエチレン性不飽和結合
を導入するために、r−mは1以上である必要があり、
好ましくは1〜4、さらに好ましくは1または2、とく
に好ましくは1である。
【0016】(a)の具体例で好ましいものとしては、
前記3価以上の脂肪族アルコールと炭素数2〜24の不
飽和アルコール(ビニルアルコール、アリルアルコー
ル、イソプロペニルアルコール、オレイルアルコールな
ど)もしくはそのアルキレンオキサイド(炭素数2〜
4)付加物との部分エーテル(例えば、炭素数1〜4の
アルキレンジハライドでジャンプして得られる)、およ
び前記3価以上の脂肪族アルコールと炭素数3〜25の
不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイ
ン酸など)との部分エステル化反応による部分アシル化
物が挙げられる。これらの中でさらに好ましいものとし
ては、3価以上の脂肪族アルコールのモノもしくはポリ
アリルエーテル、例えばグリセリンモノアリルエーテ
ル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペン
タエリスリトールジアリルエーテル;3価以上の脂肪族
アルコールのモノもしくはポリアクリレート、例えばグ
リセリンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモ
ノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト;3価以上の脂肪族アルコールのモノもしくはポリメ
タクリレート、例えばグリセリンモノメタクリレート、
トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエ
リスリトールジメタクリレート;が挙げられる。これら
の中でとくに好ましいものは、グリセリンモノアリルエ
ーテルである。
【0017】(a)の数平均分子量(末端基定量法によ
る)は、好ましくは2000以下、さらに好ましくは1
000以下である。分子量が2000以下であるとポリ
オキシアルキレンポリオール(b)との相溶性が良くな
り、ポリウレタン樹脂(A)の物性が安定する。
【0018】(b)としては、下記(i)〜(iii) な
どの分子量400以下の低分子活性水素含有化合物の、
EO付加物および/またはEOと他のアルキレンオキサ
イド[炭素数3又は4のアルキレンオキサイド、例えば
PO、1,2−BO、1,4−BO、などの1種又は2
種以上]の共付加物(ランダム又はブロック)などが挙
げられる。上記付加物に用いるEOの量は、得られる
(A)の水膨張性が良好となることから、(b)中のオ
キシエチレン単位の含量が20質量%以上、とくに30
〜95質量%となる量が好ましく、付加に用いるアルキ
レンオキサイド中のEOの含量は、好ましくは25質量
%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好まし
くは50〜95質量%である。なお、2種以上の(b)
を用いる場合は、加重平均したEO含量が上記範囲内と
なるのが好ましい。
【0019】低分子活性水素含有化合物の例: (i)低分子ポリオール類:炭素数2〜20の2価アル
コール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環
式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコー
ル)、炭素数3〜20の3価アルコール〔前記一般式
(1)の説明で例示したもの〕、炭素数5〜20の4〜
8価又はそれ以上の多価アルコール〔前記一般式(1)
の説明で例示したもの〕など。 (ii)多価フェノール類:ハイドロキノン、レゾルシ
ン、カテコール、ピロガロールおよびフロログルシン等
などの単環フェノール類;ビスフェノールA、ビスフェ
ノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどの
ビスフェノール類;およびフェノールとホルムアルデヒ
ドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第326
5641号明細書に記載のポリフェノールなど。
【0020】(iii) 低分子アミン類:アンモニア;脂
肪族アミン類として、炭素数2〜20のアルカノールア
ミン類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノール
アミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン類(例え
ば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数
2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミ
ン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン類
(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリア
ミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレ
ントリアミンおよびトリエチレンテトラミン);炭素数
6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン類(例えば、
アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キ
シリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレ
ンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン)、炭
素数4〜20の脂環式アミン類(イソホロンジアミン、
シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタ
ンジアミン)、炭素数4〜20の複素環式アミン類(例
えば、ピペラジンおよびアミノエチルピペラジン)な
ど。
【0021】(b)として好ましいものは、低分子ポリ
オール類もしくは多価フェノール類の、EO付加物及び
EOと他のアルキレンオキサイドの共付加物である。さ
らに好ましくは、芳香環を含有するポリオール類からの
ウレタン樹脂は水膨張後の物性が良好なため、多価フェ
ノール類(特にビスフェノール類)のEOとPOの共付
加物(ランダム又はブロック)及びこれらの併用であ
る。(b)の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフによる、以下GPCと略記)は、好ましくは
600〜8000、さらに好ましくは1000〜600
0である。また、(b)の官能基数は、好ましくは2〜
3、さらに好ましくは2である。
【0022】有機ポリイソシアネート(c)としては、
例えば、炭素数(イソシアネート基中の炭素を除く、以
下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[エチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデ
カメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル
ヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2
−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシ
アナトエチル)カーボネートなど]、炭素数8〜15の
脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添T
DI)、ビス(2−イソシアネートエチル)4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボキシレートなど]、炭素数
8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレン
ジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート(TMXDI)など]、およびこれら
のポリイソシアネートの変成物(カーボジイミド基、ウ
レトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレッ
ト基、イソシアヌレート基などを含有する変成物)など
が挙げられる。耐薬品性、耐候性等を考慮して、これら
のうち好ましいものは、脂肪族又は脂環式ポリイソシア
ネート(とくにジイソシアネート)であり、とくに好ま
しいものはHDI、IPDI及び水添MDIである。
【0023】低分子活性水素含有化合物(d)として
は、低分子ポリオール類、低分子アミン類、及びこれら
の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物などが挙
げられ、具体例としては、前記(b)の出発物質として
例示した低分子活性水素含有化合物のうち、低分子ポリ
オール類(i)、低分子アミン類(iii) 、および
(i)、多価フェノール類(ii)又は(iii) の炭素数
2〜4のアルキレンオキサイド(EO単独又はEOと前
記炭素数3又は4のアルキレンオキサイドの併用)付加
物が挙げられる。(d)の数平均分子量(GPCによ
る)は通常600未満、好ましくは500以下である。
(d)として(i)を用いるか、(i)、(ii)又は
(iii) のアルキレンオキサイド付加物を用いる場合は
(A)中にウレタン結合が生成し、(iii) を用いる場
合はウレア結合が生成する。
【0024】(A)を得るの用いる前記(a)の使用量
は、(b)に対して、好ましくは0.1〜20質量%、
さらに好ましくは0.5〜10質量%である。また、
(d)の使用量は、(b)に対して 好ましくは30質
量%以下、さらに好ましくは1〜20質量%である。
【0025】ポリウレタン樹脂(A)は、例えば、
(a)、(b)、(c)および必要により(d)を用
い、ワンショット法又はプレポリマー法のいずれかによ
り製造できる。好ましくは、製造上のばらつきが少ない
プレポリマー法である。プレポリマー法により製造する
場合の中間体である、末端イソシアネート基含有プレポ
リマーの製法を例示すると、上記(b)の少なくとも一
部と過剰当量[(b)中の活性水素含有基1当量に対す
る(c)中のイソシアネート基の当量が、好ましくは
1.2〜10]の(c)とを70〜150℃で常法で反
応させて得られる。得られたプレポリマー中のイソシア
ネート基含有量は、好ましくは2〜15質量%、さらに
好ましくは3〜10質量%である。
【0026】(A)をプレポリマー法により製造する場
合の製法を例示すると、(b)の少なくとも一部と
(c)からの末端イソシアネート基含有プレポリマーを
主剤成分とし、(a)と必要により(b)の残部および
/または(d)の混合物からなる硬化剤成分に、触媒、
酸化防止剤等の添加剤を予め混合し、両成分を金型に注
型し、好ましくは70〜120℃、さらに好ましくは9
0〜120℃で、0.5〜5時間反応させることにより
(A)が得られる。主剤成分中のイソシアネート基の、
硬化剤成分中の活性水素含有基に対する当量比は、好ま
しくは0.8〜1.0、さらに好ましくは0.93〜
0.99である。イソシアネート基の活性水素含有基に
対する当量比が0.8以上では、ウレタン結合濃度が確
保され、水膨張時の水中溶出物が少なくなる。1.0以
下では、(A)の可塑性が確保され、その後の混練及び
押出成形が容易となる。
【0027】水膨張性ポリウレタン樹脂(A)の製造の
際には、必要によりポリウレタンに通常使用される触媒
を用いることができる。触媒としては、例えば、3級ア
ミン[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス
(ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホ
リン、ジメチルアミノメチルフェノール、N−メチル−
N−ジメチルアミノエチルピペラジン、ピリジンなど]
およびこれらの酸ブロック化合物、カルボン酸の金属塩
(酢酸ナトリウム、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナ
フテン酸コバルト、スタナスオクトエート、ジブチルチ
ンジラウレートなど)、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアルコキシドまたはフェノキシド(ナトリウム
メトキシド、ナトリウムフェノキシドなど)、4級アン
モニウム塩(テトラエチルヒドロキシルアンモニウムな
ど)、イミダゾール類(イミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾールなど)、およびスズ、アンチモン
などの金属を含有する有機金属化合物(テトラフェニル
スズ、トリブチルアンチモンオキサイドなど)などが挙
げられる。これらの触媒は、単独または混合して使用す
ることができる。触媒の使用量は、ポリウレタン樹脂を
得るための全成分の合計質量に対して、好ましくは5%
以下、さらに好ましくは0.001〜4%である。
【0028】(A)1000g当たりのウレタン結合お
よびウレア結合の合計当量(反応当量比からの計算値)
は、0.5〜2.5当量、とくに0.6〜2.2当量が
好ましい。0.5当量以上では水膨張後の強度が確保さ
れ、水膨張後溶解しない。2.5当量以下ではオキシエ
チレン単位の含有量に応じて、相当する水膨張倍率が得
られる。
【0029】(A)1000g当たりのエチレン性不飽
和結合の当量(反応当量比からの計算値)は、0.00
1〜3当量、とくに0.01〜2当量が好ましい。3当
量以下ではオキシエチレン単位の含有量に応じて、相当
する水膨張倍率が得られ、0.001当量以上では水膨
張後の水中への溶出物を抑えることができる。
【0030】ポリウレタン樹脂(A)と共に配合される
加硫剤(B)としては、通常ゴムの加硫に用いられるも
のでよく、イオウ、塩化イオウ、有機過酸化物(ベンゾ
イルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、メチルエチ
ルケトンパーオキシド、ラウリルパーオキシド、シクロ
ヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエー
ト、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルベンゼ
ンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチ
ルパーオクトエートなど)、オキシム類(p−キノンジ
オキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムな
ど)、金属酸化物(マグネシア、リサージなど)、アル
キルフェノール樹脂、ポリチオール化合物[トリメチロ
−ルプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプ
ロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、グリコ
ールジメルカプトプロピオネート、グリコールジメルカ
プトアセテート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカ
プトプロピオネート)など]、ポリアミン化合物(アル
デヒド−アミン縮合物、グアニジン類など)、アゾ化合
物(アゾビスイソブチロニトリル、2−t−ブチルアゾ
−2−シアノ−4−メチルペンタン、4−t−ブチルア
ゾ−4−シアノ−吉草酸など)などが挙げられ、以上の
加硫剤は1種または2種以上を適宜組み合わせて用いる
ことが可能である。これらのうちで好ましいものは、取
り扱いの容易さなどから、硫黄および硫黄と他の加硫剤
との併用、とくに硫黄である。また、(B)の配合量は
(A)100質量部に対して、好ましくは0.5〜10
質量部、さらに好ましくは1〜8質量部である。(B)
の配合量が0.5質量部以上では水膨張時の水中への溶
出物が少なく、10質量部以下では加硫後に表面に加硫
剤が析出する恐れがない。
【0031】(A)と共に配合される充填剤(C)とし
ては、一般にゴム用充填剤として用いられているもので
よく、例えば、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシ
ウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びクレー等が挙げられ
る。これらの中で好ましくは、カーボンブラック及びタ
ルクであり、さらに好ましくは、カーボンブラックの中
でもFEFブラック、およびタルクの中でもミストロン
ベーパーである。(C)としては、相対的添加量が多く
てもムーニー粘度の上昇を抑えられるもので、且つ成形
時の膨張を発生させず安定な成形品とすることができる
ものを選択することが好ましい。(C)の配合量は、
(A)100質量部に対して、好ましくは10〜150
質量部、さらに好ましくは20〜100質量部である。
10質量部以上では押出成形時の膨張が減少し、また配
合物の粘着性が強く加工性が良くなる。100質量部以
下では押し出し肌が良くなる。混練物のムーニー粘度及
び粘着性に合わせて、(C)を2種以上用いてもよい。
【0032】本発明の成形品には、必要により、顔料
[無機顔料(酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、硫化カドミ
ウム、群青など)、および有機顔料(アゾ系、フタロシ
アニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系など)な
ど]も含有させることができる。また、これら顔料の配
合量は(A)100質量部に対して、好ましくは150
質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下であ
る。
【0033】さらに必要により、加硫促進剤[例えばグ
アニジン類(ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグ
アニジンなど)、チアゾール類(2−メルカプトベンゾ
チアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなど)、チ
ウラム類(テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラ
エチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィドなど)、およびスルフェンアミド類(N−シクロヘ
キシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−
t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドな
ど)等]、加硫促進助剤[炭素数8〜24の脂肪酸とそ
の誘導体(ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ス
テアリン酸亜鉛など)および金属酸化物と金属塩(酸化
亜鉛、炭酸亜鉛など)等]、発泡剤[ニトロソ化合物
(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンな
ど)、およびアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾジカルボンアミドなど)等]、軟化剤[潤滑
油、プロセスオイル、パラフィンオイル、芳香族プロセ
スオイル、石油アスファルト、脂肪酸油、フタル酸誘導
体オイル、アジピン酸誘導体オイル、セバシン酸誘導体
オイル、マレイン酸誘導体オイル、フマル酸誘導体オイ
ル、トリメリット酸誘導体オイル、クエン酸誘導体オイ
ル、オレイン酸誘導体オイル、リシノール酸誘導体オイ
ル、ステアリン酸誘導体オイル、リン酸誘導体オイル、
グリコール酸誘導体オイル、ポリエステル系、およびエ
ポキシ系など]、および老化防止剤〔アミン類(N−フ
ェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフ
チルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−
フェニレンジアミンなど)、アミンケトン類(2,2,
4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物な
ど)、ヒンダードフェノール類[2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
など]、およびジチオカルバミン酸塩類(ジブチルジチ
オカルバミン酸ニッケルなど)等〕などの公知の添加剤
を配合できる。また、必要により加硫時のウレタン架橋
剤として、3官能以上のエチレン性不飽和結合含有化合
物(例えば、トリアリルイソシアヌレート)を、(B)
とともに配合してもよい。
【0034】これらの添加剤の添加量(質量基準)は、
本発明の成形品の合計質量に対して、加硫促進剤、加硫
促進助剤および発泡剤はそれぞれ通常10%以下、好ま
しくは0.001〜5%であり、軟化剤は通常20%以
下、好ましくは0.1〜15%であり、老化防止剤は通
常10%以下、好ましくは0.001〜5%である。こ
れらの添加剤の合計添加量は、好ましくは20%以下、
さらに好ましくは0.1〜15%である。
【0035】(A)、(B)及び(C)の混練物は、ム
ーニー粘度が、JISK6300「未加硫ゴム物理試験
法」に従い、100℃で1分間予熱した後、更に4分間
L形ローターを回転させた後の値で、[20ML(1+
4)100℃]以上となるものが好ましい。さらに好ま
しくは[30ML(1+4)100℃]以上である。ム
ーニー粘度が[20ML(1+4)100℃]以上で押
出加工後の形状保持が容易となる。
【0036】本発明の水膨張性ポリウレタン成形品は、
例えばバンバリミキサー又はニーダーで、ポリウレタン
樹脂(A)と充填剤(C)及び必要によりその他の添加
剤を混練した後、加硫剤(B)及び必要により加硫促進
剤をロール上で混練し、押出成形、プレス成形などによ
り所望の形状(例えば、角柱状、円柱状、シート状)に
成形し、加熱下に加硫して得られる。加熱硬化温度は加
硫剤の種類により設定するが、好ましくは150〜20
0℃である。また、通常の非膨張ゴムと共押出すること
により、膨張部と非膨張部を持つ複合止水材も作成可能
である。
【0037】本発明の水膨張性ポリウレタン成形品は、
(1)押出成形あるいは非膨張性ゴムと共押出成形する
ことにより各種断面形状のセグメント用シール材など
に;(2)中空状や板状に成形することにより建築用ガ
スケットなどに;(3)プレス成形で断面が円形のリン
グ状に成形することによりグラウトホールなどの水膨張
性パッキングなどに使用でき、とくにシールドトンネル
用セグメントシール材およびコンクリート打ち継ぎ部用
止水板に好適である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて%は質量%、部は質量部を示す。
【0039】実施例1 ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比80/
20)を付加させて得た数平均分子量4000のポリエ
ーテルグリコール1000部と、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート383部とを120℃で3時間反応
させて、イソシアネート基含有量が8%のプレポリマー
を得た。次いで硬化剤成分として、グリセリンモノアリ
ルエーテル39.5部(得られるウレタン樹脂1000
gに対し0.1当量のエチレン性不飽和結合に相当)と
ポリエチレングリコール(数平均分子量1500)15
67部(プレポリマーのイソシアネート基の、硬化剤成
分の水酸基の合計に対する当量比が0.98となる量)
とオクチル酸鉛2.84部を加え、110℃で5時間反
応させて、ポリオキシエチレン系ウレタン樹脂(ウレタ
ン結合濃度1.05当量/1000g)を得た。この樹
脂100部に対して、50部のタルク〔ミストロンベー
パー、日本ミストロン(株)製〕、ステアリン酸0.5
部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで混練した後、
硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド4部、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロールで配合した
後(配合物のムーニー粘度[45ML(1+4)100
℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30mmの帯状に
成形し、180℃で10分間オーブン中で加熱した。
【0040】実施例2 実施例1のポリオキシエチレン系ウレタン樹脂100部
に対して、50部のFEFブラック、ステアリン酸0.
5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで混練した
後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド4部、2
−メルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロールで配合
した後(配合物のムーニー粘度[47ML(1+4)1
00℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30mmの帯
状に成形し、180℃で10分間オーブン中で加熱し
た。
【0041】実施例3 ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比50/
50)を付加させて得た数平均分子量5300のポリエ
ーテルグリコール350部とビスフェノールAのEO付
加物(数平均分子量670)650部との混合物と、イ
ソフォロンジイソシアネート376部を120℃で3時
間反応させて、イソシアネート基含有量が4%のプレポ
リマーを得た。次いで硬化剤成分として、トリメチロー
ルプロパンモノメタクリレート38.7部(得られるウ
レタン樹脂1000gに対し0.1当量のエチレン性不
飽和結合に相当)とポリエチレングリコール(数平均分
子量1500)687部(プレポリマーのイソシアネー
ト基の、硬化剤成分の水酸基の合計に対する当量比が
0.98となる量)とオクチル酸鉛2.83部を加え、
110℃で5時間反応させて、ポリオキシエチレン系ウ
レタン樹脂(ウレタン結合濃度1.61当量/1000
g)を得た。この樹脂100部に対して、50部のタル
ク〔ミストロンベーパー、日本ミストロン(株)製〕、
ステアリン酸0.5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキ
サーで混練した後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスル
フィド4部、2−メルカプトベンゾチアゾール2部を2
本ロールで配合した後(配合物のムーニー粘度[35M
L(1+4)100℃])、押出成形機で厚み2mm、
幅30mmの帯状に成形し、180℃で10分間オーブ
ン中で加熱した。
【0042】実施例4 実施例3のポリオキシエチレン系ウレタン樹脂100部
に対して、50部のFEFブラック、ステアリン酸0.
5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで混練した
後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド4部、2
−メルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロールで配合
した後(配合物のムーニー粘度[38ML(1+4)1
00℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30mmの帯
状に成形し、180℃で10分間オーブン中で加熱し
た。
【0043】実施例5 プロピレングリコールにEOとPOの混合物(質量比8
0/20)を付加させて得た数平均分子量4000のポ
リエーテルグリコール1000部と、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート383部を120℃で3時間反
応させて、イソシアネート基含有量が8%のプレポリマ
ーを得た。次いで硬化剤成分として、ペンタエリスリト
ールジアクリレート18.5部(得られるウレタン樹脂
1000gに対し0.1当量のエチレン性不飽和結合に
相当)と1,4−ブタンジオール114部(プレポリマ
ーのイソシアネート基の、硬化剤成分の水酸基の合計に
対する当量比が0.98となる量)とオクチル酸鉛2.
80部を加え、110℃で5時間反応させて、ポリオキ
シエチレン系ウレタン樹脂(ウレタン結合濃度2.06
当量/1000g)を得た。この樹脂100部に対し
て、30部のタルク〔ミストロンベーパー、日本ミスト
ロン(株)製〕、ステアリン酸0.5部、酸化亜鉛1部
をバンバリーミキサーで混練した後、硫黄2部、ジベン
ゾチアジルジスルフィド4部、2−メルカプトベンゾチ
アゾール2部を2本ロールで配合した後(配合物のムー
ニー粘度[63ML(1+4)100℃])、押出成形
機で厚み2mm、幅30mmの帯状に成形し、180℃
で10分間オーブン中で加熱した。
【0044】実施例6 実施例5のポリオキシエチレン系ウレタン樹脂100部
に対して、30部のFEFブラック、ステアリン酸0.
5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで混練した
後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド4部、2
−メルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロールで配合
した後(配合物のムーニー粘度[66ML(1+4)1
00℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30mmの帯
状に成形し、180℃で10分間オーブン中で加熱し
た。
【0045】比較例1 ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比80/
20)を付加させて得た数平均分子量4000のポリエ
ーテルグリコール1000部と、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート383部とを120℃で3時間反応
させて、イソシアネート基含有量が8%のプレポリマー
を得た。次いでポリエチレングリコール(数平均分子量
1500)2016部(プレポリマーのイソシアネート
基に対する水酸基の当量比が0.98となる量)とオク
チル酸鉛2.77部を加え、110℃で5時間反応させ
て、ポリオキシエチレン系ウレタン樹脂(ウレタン結合
濃度0.92当量/1000g)を得た。この樹脂10
0部に対して、50部のFEFブラック、ステアリン酸
0.5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで混練し
た後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド4部、
2−メルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロールで配
合した後(配合物のムーニー粘度[47ML(1+4)
100℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30mmの
帯状に成形し、180℃で10分間オーブン中で加熱し
た。
【0046】比較例2 ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比50/
50)を付加させて得た数平均分子量5300のポリエ
ーテルグリコール350部とビスフェノールAのEO付
加物(数平均分子量670)650部との混合物と、イ
ソフォロンジイソシアネート376部を120℃で3時
間反応させて、イソシアネート基含有量が4%のプレポ
リマーを得た。次いでポリエチレングリコール(数平均
分子量1500)1003部(プレポリマーのイソシア
ネート基に対する水酸基の当量比が0.98となる量)
とオクチル酸鉛2.75部を加え、110℃で5時間反
応させて、ポリオキシエチレン系ウレタン樹脂(ウレタ
ン結合濃度1.42当量/1000g)を得た。この樹
脂100部に対して、50部のFEFブラック、ステア
リン酸0.5部、酸化亜鉛1部をバンバリーミキサーで
混練した後、硫黄2部、ジベンゾチアジルジスルフィド
4部、2−メルカプトベンゾチアゾール2部を2本ロー
ルで配合した後(配合物のムーニー粘度[35ML(1
+4)100℃])、押出成形機で厚み2mm、幅30
mmの帯状に成形し、180℃で10分間オーブン中で
加熱した。
【0047】比較例3 プロピレングリコールにEOとPOの混合物(質量比8
0/20)を付加させて得た数平均分子量4000のポ
リエーテルグリコール1000部と、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート383部を120℃で3時間反
応させて、イソシアネート基含有量が8%のプレポリマ
ーを得た。次いで1,4−ブタンジオール121部(プ
レポリマーのイソシアネート基に対する水酸基の当量比
が0.98となる量)とオクチル酸鉛2.77部を加
え、110℃で5時間反応させて、ポリオキシエチレン
系ウレタン樹脂(ウレタン結合濃度2.08当量/10
00g)を得た。この樹脂100部に対して、30部の
FEFブラック、ステアリン酸0.5部、酸化亜鉛1部
をバンバリーミキサーで混練した後、硫黄2部、ジベン
ゾチアジルジスルフィド4部、2−メルカプトベンゾチ
アゾール2部を2本ロールで配合した後(配合物のムー
ニー粘度[67ML(1+4)100℃])、押出成形
機で厚み2mm、幅30mmの帯状に成形し、180℃
で10分間オーブン中で加熱した。
【0048】[性能試験例]実施例1〜6及び比較例1
〜3の各成形物の引張物性値を表1に、長期膨張試験と
質量減少率試験の結果を表2に示す。なお試験法は以下
のとおりである。 (ムーニー粘度)JISK6300記載の「未加硫ゴム
物理試験方法」に従い、L形ローターを用い、100℃
で1分予熱後、ローターを回転させ、4分後の値を測定
した。 (硬さ)JISK6253記載の「加硫ゴム及び熱可塑
性ゴムの硬さ試験方法」に従い、2mm厚にプレス成形
したシートを4枚重ねて、タイプAデュロメータで測定
した。 (引張強さ、伸び)JISK6251記載の「加硫ゴム
の引張試験方法」に従い、2mm厚にプレス成形したシ
ートから3号ダンベル試験片を打ち抜き、測定した。膨
張後の引張強さは同様に作成した3号ダンベル試験片を
23℃の水道水中に1ヶ月浸漬した後、測定した。
【0049】(体積水膨張倍率)帯状体から20×20
×2mmの試験片を採取し、この試験片を23℃の精製
水中に浸漬した際の体積を一定期間毎に測定し、次式に
て体積水膨張倍率を算出する。 体積水膨張倍率(倍)=膨張時の体積/膨張前の体積 また、1日当たりの体積水膨張倍率の増加率が0.01
%以下となった時点での倍率(前日の倍率の1.000
1倍以下となった時点の倍率)を試験片の飽和体積水膨
張倍率とする。 (質量減少率)体積水膨張倍率6ケ月測定後の試験片を
60℃のオーブン中で乾燥させ、質量の減少が0.1g
以下になったときの質量を乾燥後の質量とし、次式によ
って算出した。 質量減少率(%)=100×(膨張前の質量−乾燥後の
質量)/膨張前の質量
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の水膨張性ポリウレタン成形品
は、下記の効果を奏する。 (1)配合、混練時は反応性がなく安定で、通常のゴム
と同様にバンバリーミキサー及びロール上での加工が容
易にできる。 (2)ゴムで通常行われている成形法(押出成形、プレ
ス成形など)で成形でき、種々の形状の成形品が得られ
る。 (3)加硫温度で三次元化反応が行われることにより、
水膨張後の吸水成分の溶出が著しく低減され、長期に渡
って安定した膨張性能を示す。 (4)水膨張性ウレタン樹脂のオキシエチレン単位の含
量及びエチレン性不飽和結合含量の調整などにより、水
膨張性を調整できる。上記効果を奏することから、本発
明の水膨張性ポリウレタン成形品は、各種工業用途のシ
ール材に用いることができ、特にシールドトンネル用セ
グメントシール材、コンクリート打ち継ぎ部用止水板及
び建築用ガスケットとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/14 C08L 75/14 E04B 1/684 E04B 1/68 A Fターム(参考) 2E001 DA01 EA02 HF02 MA02 MA04 4F071 AA53 AB03 AB04A AB26 AE02A AF04 AF13 AF21 AF25 AF53 AH03 AH19 BA09 BB04 BB06 BC03 4J002 CK021 CK041 DA036 DA046 DE237 DG016 DJ017 DJ037 DJ047 EK006 FD017 FD146 FD150 GJ02 GL00 4J034 CA03 CA05 CA13 CA14 CA15 CA19 CB04 CB08 CC02 CC12 CC24 CC26 CC61 CC62 CC65 CC67 CD08 DG02 DG14 DG16 DG20 EA07 FA02 HB08 HC03 HC06 HC09 HC22 HC34 HC35 HC63 HC64 HC67 HC71 HC73 MA02 MA04 MA12 MA13 MA14 MA15 QB04 QB19 QC01 RA08 RA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
    を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)と加硫剤(B)
    および充填剤(C)からなる混練物が、所望の形状に押
    出又はプレス成形され、加熱硬化されてなり、飽和体積
    水膨張倍率が1.2〜8倍であることを特徴とする水膨
    張性ポリウレタン成形品。
  2. 【請求項2】 (A)1000g当たりのウレタン結合
    及びウレア結合の合計当量が0.5〜2.5当量であ
    り、エチレン性不飽和結合の当量が0.001〜3当量
    である請求項1に記載の成形品。
  3. 【請求項3】 (A)が、下記一般式(1)で表される
    化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質
    量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b)、有
    機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子
    活性水素含有化合物(d)から得られた樹脂である請求
    項1又は2のいずれかに記載の成形品。 (HO)mR(OX)r−m (1) [式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性
    不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、m
    は2以上でr−mが1以上となる整数。]
  4. 【請求項4】 (b)が低分子ポリオール類もしくは多
    価フェノール類の、エチレンオキサイド付加物またはエ
    チレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドの共付加
    物である請求項1〜3のいずれかに記載の成形品。
  5. 【請求項5】 (c)が脂肪族及び/又は脂環式ポリイ
    ソシアネートである請求項1〜4のいずれかに記載の成
    形品。
  6. 【請求項6】 (B)が硫黄である請求項1〜5のいず
    れかに記載の成形品。
  7. 【請求項7】 (C)がカーボンブラック及び/又はタ
    ルクである請求項1〜6のいずれかに記載の成形品。
  8. 【請求項8】 シールドトンネル用セグメントシール材
    またはコンクリート打ち継ぎ部用止水板である請求項1
    〜7のいずれかに記載の成形品。
  9. 【請求項9】 少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
    を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)と加硫剤(B)
    および充填剤(C)からなる混練物を、所望の形状に押
    出又はプレス成形し、加熱下に(A)のエチレン性不飽
    和結合と(B)を反応させ、飽和体積水膨張倍率が1.
    2〜8倍の成形品を得ることを特徴とする水膨張性ポリ
    ウレタン成形品の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111621138A (zh) * 2020-06-29 2020-09-04 江西伟普科技有限公司 一种柔性导热屏蔽材料及其制备方法
WO2021138803A1 (zh) * 2020-01-07 2021-07-15 诠达化学股份有限公司 一种具有高拉伸强度的热可塑性聚氨酯、其制备配方及制造方法

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