JP2008208191A - ポリウレタン系硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)およびポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)との反応生成物であるポリエーテルモノオール誘導体(Q)を含むポリウレタン系硬化性組成物において、イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)とポリエーテルモノオール誘導体(Q)の組み合わせにおいて、ポリエーテルモノオール(B)がR1−O−(R2−O)n−Hで表されることを特徴とするポリウレタン系硬化性組成物。ただし、前記式において、R1は炭素数8〜20の有機基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは5〜85の整数であることを表す。
【選択図】なし
Description
可塑剤として、最も一般的なものは、ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)等である。
また、総不飽和度の低いポリエーテル系可塑剤(特許文献1および特許文献2)を用いたポリウレタン系硬化性組成物も提案されている。
また、特許文献1、2で用いられている可塑剤は、粘度が高く作業性に問題があるか、粘度が低い場合には、ポリウレタン系硬化性組成物の硬化物の耐汚染性、耐久性が不充分であった。
[1]ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)との反応生成物であるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)およびポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)との反応生成物であるポリエーテルモノオール誘導体(Q)を含むポリウレタン系硬化性組成物において、
ポリイソシアネート(D)はポリイソシアネート(C)またはイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)と同じものまたはそれらと異なるポリイソシアネートであり、
イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)とポリエーテルモノオール誘導体(Q)の組み合わせにおいてポリエーテルポリオール(A)の100質量部に対するポリエーテルモノオール(B)の割合は1〜200質量部であり、
ポリエーテルモノオール(B)が下式(1)で表され、かつ、下式(2)で表される副生物不飽和度αが0.05meq/g以下であることを特徴とするポリウレタン系硬化性組成物。
R1−O−(R2−O)n−H (1)
(ただし、前記式(1)において、R1は炭素数8〜20の有機基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは5〜85の整数である。)
α=β−γ (2)
(前記式(2)において、βはJIS K 1557によって測定される総不飽和度、γはR1中に含まれる不飽和結合の数から計算される不飽和度である。)
[2]下記の1)〜4)のいずれかの方法により製造される[1]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
1)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させてポリエーテルモノオール誘導体(Q)を得た後、さらにポリエーテルポリオール(A)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得る方法。
2)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させて得られたポリエーテルモノオール誘導体(Q)及び別途ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させて得られたイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を混合する方法。
3)ポリイソシアネート(C)に、ポリエーテルポリオール(A)とポリエーテルモノオール(B)との混合物を反応させる方法。
4)ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得た後、さらにポリエーテルモノオール(B)を反応させる方法。
本発明におけるポリエーテルモノオール誘導体(Q)は、ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)との反応生成物である。ここでポリイソシアネート(D)は後述するポリイソシアネート(C)またはイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)と同じものまたはそれらと異なるポリイソシアネートである。
[ポリエーテルモノオール(B)]
本発明におけるポリエーテルモノオール(B)は、下式(1)で表される。
R1−O−(R2−O)n−H (1)
R1は、側鎖を有する方が、高い親油性を有するため好ましい。また、不飽和のものより酸化耐性が強いことから、飽和であるものが好ましく、側鎖を有するアルキル基が特に好ましい。アルキル基としては、炭素数8〜12のものが好ましい。
本発明のポリウレタン系硬化性組成物は、R1が異なる前記式(1)で表されるポリエーテルモノオール(B)に由来するポリエーテルモノオール誘導体(Q)を複数種含んでいてもよい。
また、ポリエーテルモノオール(B)に由来するポリエーテルモノオール誘導体(Q)を用いた本発明からなるポリウレタン系硬化性組成物の硬化物は、樹脂表面のべたつきが抑制される。これは、アルキル基の部分がウレタン硬化塗膜の表面に配位するためと考えられる。
ポリエーテルモノオール(B)全体の(R2−O)単位の80〜100質量%は、オキシプロピレン基であることが好ましい。特に、オキシプロピレン基100%のものは、付加が均一であり、分子量分布を狭くできる。ポリエーテルモノオール(B)の親水性を向上させたい場合には、オキシエチレン基を含んでいてもよい。ただし、耐水性が低下しやすいため、オキシエチレン基を大量に含むことは好ましくない。ポリエーテルモノオール(B)の親油性を向上させたい場合は、オキシブチレン基を含ませるか、オキシブチレン基100質量%で構成されていてもよい。
また、ポリエーテルモノオール(B)全体の分子中にある複数の(R2−O)は、互いに同一の基で構成しても、または異なった基で構成してもよい。さらに(R2−O)組成の異なる複数種の化合物1を組み合わせてもよい。
アルキル基R1を炭素数8〜12とすることにより、オキシアルキレン基の重合数nを小さくできる。これはアルキル基R1の方がオキシアルキレン基(R2−O)より親油向上効果が大きいためであると考えられる。したがって、ポリエーテルモノオール(B)は、分子量が過大にならず、低粘度である。ゆえに、ポリエーテルモノオール(B)はイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーと混ざりやすく、可塑化効果が大きい。よって、添加量が少量で済み、得られる硬化物のブリードおよび移行がさらに起きにくくなる。
α=β−γ (2)
たとえば、不飽和結合を1個有するR1にプロピレンオキシドを付加して分子量2,000とした場合、R1の理論不飽和度γは1/2,000×1,000=0.5meq/gとなる。総不飽和度βが仮に0.62meq/gだとすれば、副生物不飽和度αは前記式(2)により、0.12meq/gとなる。
本発明におけるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)は、ポリエーテルポリオール(A)と種々のポリイソシアネート(C)を、ポリイソシアネート(C)過剰の条件で反応させることによって得られるものである。
開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。中でもプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、開環重合可能なアルキレンオキシドであればよく、特に限定されない。具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、グリシジルエ−テル、およびグリシジルアクリレ−ト等のグリシジル化合物、およびオキセタンが挙げられる。
本発明においては、一種類のアルキレンオキシドのみを用いてもよく、二種類以上のアルキレンオキシドを併用することもできる。
本発明におけるポリウレタン系硬化性組成物において、イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)とポリエーテルモノオール誘導体(Q)の組み合わせにおいてポリエーテルポリオール(A)の100質量部に対するポリエーテルモノオール(B)の割合は1〜200質量部である。
この際、イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を構成するポリエーテルポリオール(A)とポリエーテルモノオール(B)の水酸基数の当量比は、約50〜99/1〜50であり、ポリイソシアネート(C)および(D)における合計のイソシアネート基数は、全水酸基数の約1.5〜4.0倍となることが好ましい。なお、以下の記述において、イソシアネート基と水酸基とを反応させる際の割合(モル比)を、NCO/OH比と略する。
1)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させてポリエーテルモノオール誘導体(Q)を得た後、さらにポリエーテルポリオール(A)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得る方法。特にポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)との反応は、ポリイソシアネート(D)の大過剰(NCO/OH比=3〜8)で反応させることが好ましい。
2)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させて得られたポリエーテルモノオール誘導体(Q)及び別途ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させて得られたイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を混合する方法。ここで、ポリエーテルモノオール誘導体(Q)を得る際にはポリイソシアネート(D)を過剰(NCO/OH比=2〜3)とすることが好ましい。またイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得る際にはポリイソシアネート(C)を過剰(NCO/OH比=1.5〜3)とすることが好ましい。
3)ポリイソシアネート(C)に、ポリエーテルポリオール(A)とポリエーテルモノオール(B)との混合物を反応させる方法。
4)ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得た後、さらにポリエーテルモノオール(B)を反応させる方法。ここでイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得る際にはポリイソシアネート(C)を過剰(NCO/OH比=2〜4)とすることが好ましい。
いずれの方法でも目的のポリウレタン系硬化性組成物を得ることができるが、ポリエーテルモノオール(B)がポリウレタンプレポリマーの末端NCO基を封鎖しにくい理由から、手法としては番号順に好ましい。
一液型とした場合の硬化反応には、硬化促進触媒を適宜使用できる。硬化促進触媒としては、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等のカルボン酸の金属塩、ジブチルアミン−2−エチルヘキサノエート等のアミン塩、および他の酸性触媒、塩基性触媒を使用できる。また、安定剤または劣化防止剤等を併用すれば、より優れた耐候性および耐熱性を付与できる。
二液型とした場合の硬化剤には、ポリオール、短鎖ジオール、アミン系が挙げられる。中でも反応性が高いアミン系が好ましく、特に芳香族ジアミンが好ましい。
<<イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーの合成>>
実施例等で使用したポリオールとイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーは、以下のように合成した。
<ポリオール(a)>
グリセリンのプロピレンオキシド付加物(分子量1,000)に、複合金属シアン化物錯体(亜鉛ヘキサシアノコバルテート、以下、DMCという。)を触媒として添加し、プロピレンオキシドを付加させることにより、分子量8,014、総不飽和度0.006meq/gのポリオキシプロピレントリオールを得た。これをポリオール(a)と称する。
<プレポリマー(p)>
前記で得たポリオール(a)877gと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート123gを混合し(NCO/OH比=3.0)、反応器中80℃で9時間反応を行い、イソシアネート含有率2.71質量%、粘度21,500mPa・s(25℃)のイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを得た。これをプレポリマー(p)と称する。
実施例等で使用した化合物は、以下のとおりである。
(モノオールB1)
2−エチルヘキシルアルコールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量2,002、副生物不飽和度α=0.005meq/g(β=0.005meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB1と称する。
(モノオールB2)
2−エチルヘキシルアルコールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量3,419、副生物不飽和度αが0.006meq/g(β=0.006meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB2と称する。
ラウリルアルコールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量2,002、副生物不飽和度αが0.005meq/g(β=0.005meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB3と称する。
(モノオールB4)
ラウリルアルコールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量3,279、副生物不飽和度αが0.006meq/g(β=0.006meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB4と称する。
ステアリルアルコールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量2,011、副生物不飽和度αが0.005meq/g(β=0.006meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB5と称する。
(モノオールB6)
2−エチルヘキシルアルコールを開始剤とし、水酸化セシウムを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量1,981、副生物不飽和度αが0.04meq/g(β=0.04meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールB6と称する。
n−ブタノールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量2,011、副生物不飽和度αが0.005meq/g(β=0.005meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールBX1と称する。
(モノオールBX2)
n−ブタノールを開始剤とし、DMCを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量3,259、副生物不飽和度αが0.006meq/g(β=0.006meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールBX2と称する。
ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(大八化学工業社製)を可塑剤1と称する。
(モノオールBX3)
2−エチルヘキシルアルコールを開始剤とし、水酸化カリウムを触媒としてプロピレンオキシドを付加させた分子量2,002、副生物不飽和度αが0.10meq/g(β=0.10meq/g、γ=0meq/g)のポリオキシプロピレンモノオールを得た。これをモノオールBX3と称する。
前記可塑剤における、ポリエーテルモノオールの副生物不飽和度αと分子量は、以下のようにして求めた。
(副生物不飽和度α)
総不飽和度βの測定は、JIS K 1557に準じておこなった。すなわち、各モノオールの不飽和結合に酢酸第二水銀を作用させて、遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定した。また、開始剤の理論不飽和度γは計算により求められた。副生物不飽和度αは、α=β―γの式により求められた。
JIS K 1557に準じて水酸基価(OHV)を測定し、下式にて換算して求めた。
56,100×官能基数/OHV=分子量
(開始剤がモノオールの場合、官能基数は1である。)
前記で得られたポリオール(a)あるいはプレポリマー(p)と、モノオールB1〜B6、BX1〜BX2、可塑剤1を用いて、下記に示す一液型ポリウレタン系の硬化性組成物を合成した。
(実施例1)
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート540gとモノオールB1の3,460gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート540gとモノオールB1の3,460gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物150gとプレポリマー(p)400g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート335gとモノオールB2の3,665gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート540gとモノオールB3の3,460gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート348gとモノオールB4の3,652gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート538gとモノオールB5の3,462gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート545gとモノオールB6の3,455gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1,401gとポリオール(a)6,139g、モノオールB1の3,460gを混合し(NCO/OH比=2.78)、反応器中80℃で10時間反応を行い、硬化性イソシアネート基末端プレポリマー混合液を得た。この硬化性イソシアネート基末端プレポリマー混合液550gと、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×1時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1,401gとモノオールB1の3,460gを混合し(NCO/OH比=6.49)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。次いでポリオール(a)6,139gを投入して80℃で8時間反応を行い、硬化性イソシアネート基末端プレポリマー混合液とした。次いでこのイソシアネート基末端プレポリマー混合液550gと、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×1時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1,401gとポリオール(a)6,139gを混合し(NCO/OH比=4.88)、反応器中80℃で8時間反応を行い、次いでモノオールB1の3,460gを投入して80℃で8時間反応を行い、硬化性イソシアネート基末端プレポリマー混合液を得た。このイソシアネート基末端プレポリマー混合液550gと、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×1時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート538gとモノオールBX1の3,462gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート350gとモノオールBX2の3,650gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
プレポリマー(p)350g、可塑剤1の250g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート540gとモノオールBX3の3,460gを混合し(NCO/OH比=2.5)、反応器中80℃で10時間反応を行い、予めイソシアネート基末端化合物を得た。このイソシアネート基末端化合物200gとプレポリマー(p)350g、可塑剤1の50g、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム社製)150g、表面処理微粒炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR、白石カルシウム社製)250gを、ニーダーにて均一に混合(40℃×2時間)して硬化性組成物を得た。
各実施例と各比較例で使用したポリエーテルモノオール、および各実施例と各比較例で得られた硬化性組成物について、下記評価をおこなった。
(可塑剤粘度)
各可塑剤について、E型粘度計(型番:RE−80U、東機産業社製)を用い、1号ローターにて25℃での20rpmにおける粘度(mPa・s)の測定をおこなった。結果を表1に示す。
実施例と比較例で得られた各硬化性組成物について、BH型粘度計(型番:B8U、東機産業社製)を用い、7号ローターにて25℃での1rpm、10rpmにおける粘度(mPa・s)の測定をおこなった。さらに1rpmでの測定値/10rpmでの測定値の比を計算してチクソトロピー性(チクソ性と略する。)を求めた。結果を表1に示す。
実施例と比較例で得られた各硬化性組成物について、JIS A 1439のタックフリー試験に準じて、試験体を作成し、硬化時間の測定をおこなった。すなわち、23℃、相対湿度50%の環境下で、ガラス板(厚さ5mm、大きさ300×300mm)の上に泡が入らないように各硬化性組成物を塗布し、塗布した硬化性組成物の厚さが約3mmになるようにヘラで平らにならした試験体を作成した。これを23℃、相対湿度50%の環境下に静置した。作成した試験体の表面3か所を、エタノールで清浄にした指先で軽く接触し、試験体を作成した時点を測定開始時点に定め、その時点から120分経過後を1回目の接触として、以後30分間隔で、試験体が指先に付着しなくなるまでに要した時間の測定をおこなった。結果を表1に示す。
実施例1〜7と比較例1〜4で得られた硬化性組成物から得られた試験体に、試験塗膜に浸透しやすいミネラルターペン溶剤型のフッ素樹脂系保護仕上げ材(旭硝子ポリウレタン建材社製:サラセーヌTフッ素弱溶剤)を上塗りして、試験塗膜のブリード性と相関する保護仕上げ材の塗布表面のタック性と接着性を評価した。
テスター産業社製の恒温槽付きプローブタックテスターを用い、JIS Z0237、ASTM D2979に準拠して測定した。測定条件は温度25℃、接触圧1000g/cm2、接触時間10秒、剥離速度10mm/秒であった。なお、評価値は、5回の測定(N=5)の平均値を用いた。
碁盤目試験は、JIS K 5400(1990)8.5.2に準じた。すなわち、保護仕上げ材の表面に1mm間隔で11本の切り込みを縦方向と横方向にそれぞれ入れ、1mm角のマス目に100個からなる基板目を作成し、その上からセロハンテープを密着させてから、23℃、相対湿度50%の環境下で、試験体の平面方向に対して垂直方向に0.3〜1秒で一気に剥がしたときに、保護仕上げ材が剥離せずに残ったマス目の数で表した。結果を表1に示す。
各実施例と各比較例で得られた各硬化性組成物を、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)上にアプリケーターにて膜厚500μmになるように塗布し、23℃、相対湿度50%の環境下に1週間置き、空気中の湿気により水分硬化させた。得られたフィルムをダンベルカッターで所定形状に切断し、水分硬化した硬化性組成物をOPPフィルムから剥がして、これを試験片とした。得られた試験片に対して、以下(1)〜(4)の項目について物性測定をおこなった。
(1)伸び100%のときの引張弾性率(100%Mと称する。単位:MPa)
(2)伸び300%のときの引張弾性率(300%Mと称する。単位:MPa)
(3)引張破断強度(Tsと称する。単位:MPa)
(4)破断伸び率(Eと称する。単位:%)
なお、前記(1)〜(4)の項目の測定条件は、JIS−K7311に準拠した。測定機器として引張試験機(型番:UTM−111、TOYO BALDWIN社製)を用い、試験片をダンベル3号にて型抜きし、引張速度200mm/分の条件でおこなった。結果を表2に示す。
各実施例と各比較例で得られた硬化性組成物を、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)上にアプリケーターにて膜厚500μmになるように塗布し、23℃、相対湿度50%の環境下に1週間置き、空気中の湿気により水分硬化させた。得られたフィルムをダンベルカッターで所定形状に切断し、水分硬化した硬化性組成物をOPPフィルムから剥がして、これを試験片とした。得られた試験片に対して温度63度、相対湿度50%の環境下、255W/m2(300〜700nm)の紫外線(促進耐候性試験:WOM、スガ試験機社製)を1,000時間照射の後、前記(1)〜(4)の項目について物性測定をおこなった。結果を表2に示す。
また、表1に示されるように、各実施例で使用した硬化性組成物は、各比較例で使用した硬化性組成物に比べて、耐ブリード性における接着性が低かった。
耐ブリード性の指標であるタック性と接着性が低いことから、各実施例の硬化性組成物は、組成物中の可塑剤が移動して表面に浮き出るブリードが起きにくく、耐汚染性、耐久性に優れていることが確認された。
また、表1に示されるように、モノオールB1〜B6は、モノオールBX1〜3、可塑剤1と同等の粘性を示し、各実施例で使用した硬化性組成物も、各比較例で使用した硬化性組成物と同等の粘性を示した。これらのことから、実施例のモノオールB1〜B6は、粘性を損なうことなく、良好な作業性を有していることが確認された。
また、表2に示されるように、各実施例で使用した硬化性組成物は、各比較例で使用した硬化性組成物と同等の引張弾性率、引張破断強度、破断伸び率を得ることができ、良好な耐久性を有していることが確認された。
したがって、本発明のポリウレタン系硬化性組成物から得られる硬化物は、良好な作業性を有しつつ、耐ブリード性、すなわち耐汚染性と耐久性に優れていることが確認された。
Claims (5)
- ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)との反応生成物であるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)およびポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)との反応生成物であるポリエーテルモノオール誘導体(Q)を含むポリウレタン系硬化性組成物において、
ポリイソシアネート(D)はポリイソシアネート(C)またはイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)と同じものまたはそれらと異なるポリイソシアネートであり、
イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)とポリエーテルモノオール誘導体(Q)の組み合わせにおいてポリエーテルポリオール(A)の100質量部に対するポリエーテルモノオール(B)の割合は1〜200質量部であり、
ポリエーテルモノオール(B)が下式(1)で表され、かつ、下式(2)で表される副生物不飽和度αが0.05meq/g以下であることを特徴とするポリウレタン系硬化性組成物。
R1−O−(R2−O)n−H (1)
(ただし、式(1)において、R1は炭素数8〜20の有機基であり:R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり:nは5〜85の整数である。)
α=β−γ (2)
(ただし、式(2)において、βはJIS K 1557によって測定される総不飽和度であり、γはR1中に含まれる不飽和結合の数から計算される不飽和度である。) - 下記の1)〜4)のいずれかの方法により製造される請求項1に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
1)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させてポリエーテルモノオール誘導体(Q)を得た後、さらにポリエーテルポリオール(A)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得る方法。
2)ポリエーテルモノオール(B)とポリイソシアネート(D)とを反応させて得られたポリエーテルモノオール誘導体(Q)及び別途ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させて得られたイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を混合する方法。
3)ポリイソシアネート(C)に、ポリエーテルポリオール(A)とポリエーテルモノオール(B)との混合物を反応させる方法。
4)ポリエーテルポリオール(A)とポリイソシアネート(C)を反応させてイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマー(P)を得た後、さらにポリエーテルモノオール(B)を反応させる方法。 - 前記ポリエーテルモノオール(B)において、(R2−O)単位の80〜100質量%がオキシプロピレン基である請求項1または2に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
- 前記ポリエーテルモノオール(B)において、R1が炭素数8〜12のアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
- シーリング材である請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
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