JP5129486B2 - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び透湿性フィルム - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び透湿性フィルム Download PDF

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本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び透湿性フィルムに関する。更に詳しくは、有機溶剤を実質的に含有することなく、優れた透湿性、耐熱性、及び耐光性の全てをバランスよく兼ね備えた透湿性フィルムを得ることのできる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び透湿性フィルムに関する。
従来より、衣料材料分野においては、体内から発生した汗等による水蒸気は透すが、降雨等による水滴は透さないという、透湿性と防水性との両者を兼ね備えた透湿防水性布帛が使用されている。このような透湿防水性布帛は、透湿性を有するフィルムが布帛等に積層された構造を有している。
また、医療材料や衛生材料分野においても、例えば、創傷保護フィルム、女性用ナプキン、及びおむつ等、透湿性が必要な部材には、透湿性フィルムが使用されている。
とりわけ、このような透湿性フィルムの中でも、衣料材料分野等の屋外使用が長期にわたる用途においては、フィルムの変色や機械強度の低下を避ける目的で、更に、耐光性が求められる。
このような透湿性フィルムの材料としては、人体の動きに追従しやすい柔軟性や伸縮性、及び繰返し使用に対する耐久性が要求されることから、従来より、ポリウレタン樹脂が用いられている。
中でも、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ゴムとプラスチックとの中間領域を埋める製品に位置しており、反発弾性、耐摩耗性、機械強度、耐油性、耐薬品性、耐候性等の多くの特性を有することから、透湿性フィルムの材料として好適に用いることができる。ここで、熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、長鎖ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤を反応させて得られる、ハードセグメント(硬い剛直なセグメント)及びソフトセグメント(柔軟な可撓なセグメント)からなるブロックポリマーである。
ポリウレタン樹脂を用いた透湿性フィルムの製造方法としては、とりわけ、衣料材料分野における透湿防水性布帛を得る方法としては、湿式又は乾式コーティング法が用いられている。湿式コーティング法とは、ポリウレタン樹脂をジメチルホルムアミド等の有機溶剤に溶解し、得られた溶液を織物や編物等の布帛の上にコーティングした後、コーティングされた織物等を水中に通すことによりポリウレタン樹脂に含まれる有機溶媒を溶出させて微多孔を形成し、ポリウレタン樹脂からなる微多孔皮膜を布帛の表面に積層する方法である。一方、乾式コーティング法とは、ポリウレタン樹脂を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を離型紙上にコーティングした後、ポリウレタン樹脂に含まれる有機溶媒を蒸発させてポリウレタン樹脂の無孔皮膜を離型紙上に形成し、これに織物や編物等の布帛を貼り合わせることで透湿防水性布帛を形成する方法である。
このような湿式又は乾式コーティング法によれば、1回のコーティングにより形成される皮膜では十分な物性が発現しない。このため、複数回のコーティングが必要とされる。しかしながら、コーティングの回数が増加すると、製造工程が煩雑になる上、形成される皮膜の厚みにばらつきが生じ、物性が変動するといった問題が生じていた。
また、どちらのコーティング方法を採用する場合であっても、透湿防水素材の製造過程において有機溶媒の除去が必要となる。このため、ろ液の回収、処理等の工程が煩雑となる上、大気汚染の問題が生じていた。また、昨今においては、環境問題や衛生問題への対応として、有機溶剤を含有しない製品が求められている。
上記の問題を解決する手段として、天然又は合成繊維からなる布帛に、透湿性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂の熱成形フィルムを貼り合わせる方法が採用されており、様々な方策により、その改良が行われている。
特許文献1には、特定の平均分子量を有するポリエチレングリコールを特定量使用して、無溶媒で透湿性、及びフィルム又はシートの成形性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を、無溶媒で製造できる方法が開示されている。この方法によれば、成形直後のタックが少なく、透湿度の高いフィルムを得ることができる。
また、特許文献2には、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤、及び、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレン共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種の高分子ジオールを反応させて得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂によるフィルムを、布帛に加熱溶融圧着することにより、撥水、透湿性布帛を得る方法が開示されている。この方法によれば、繊維本来の風合いを損なうことなく、ムラのない撥水性、透湿性を備えた布帛を得ることができる。
特許文献3には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリエチレングリコール、及び1,4−ブタンジオールの反応生成物を含んでなり、それぞれの当量の比が4:1:3であり、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと1,4−ブタンジオールの量がポリウレタン樹脂の全量の約46重量%である親水性ポリウレタン樹脂が開示されている。この親水性ポリウレタン樹脂は、非常に優れた強靭性、引張強度、及び低い水膨潤性を有し、且つ、高い透湿性を発現することができる。
また、特許文献4には、イソシアネート成分として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、鎖伸長剤として1,4−ブタンジオールを用い、ポリオール成分として分子量1,000〜4,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び/又は、分子量1,000〜3,000のポリオキシプロピレンポリオキシエチレン共重合体を用いてなる熱可塑性ポリウレタンから得られる創傷保護フィルムが開示されている。この創傷保護フィルムは、上記の特定の熱可塑性ポリウレタン樹脂を製膜することにより、高い透湿性を有するものとなる。
特許文献5には、ポリウレタン樹脂100質量部に対して、熱可塑性生分解性樹脂を10〜80質量部ブレンドしてなる透湿性樹脂組成物を用いたフィルムが開示されている。このフィルムは、軟質で伸縮性があり、且つ、透湿性を有するものとなる。また、ポリウレタン樹脂と相溶性のある熱可塑性生分解性樹脂を配合するため、押出成形法、特にインフレーション法によるフィルムの成形加工性を改善することができる。
特許文献6には、繊維布帛に、ポリウレタン樹脂の皮膜をコーティングもしくはラミネートした防水性衣料用のシームテープが開示されている。このシームテープは、耐熱性ウレタン皮膜の上に、ホットメルトウレタン樹脂をコーティングもしくはラミネートした2層構造、又は、トリコット等の編物の上に、耐熱性のウレタン樹脂層をラミネート等の手段により形成し、更にその上に、ホットメルト性のウレタン樹脂をコーティングもしくはラミネートした3層構造を有する。また、耐熱性のウレタン樹脂層を形成する材料として、例えば、固形分30質量%のウレタン樹脂溶液にメチルエチルケトンのような有機溶媒を添加した溶液が使用されており、ウレタン樹脂の軟化温度は少なくとも170℃、更に好ましくは190℃以上であることが記載されている。尚、軟化温度の測定条件については、何ら記載されていない。
特許文献7には、イソシアネート成分として4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、特定の平均分子量を有するポリエチレングリコール、及び特定の鎖伸長剤を使用し、無溶媒で成形性に優れた熱可塑性ポリウレタンを製造する方法が開示されている。この方法によれば、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
特許文献8には、鎖伸長剤としてビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを使用し、無溶媒で熱可塑性ポリウレタンを製造する方法が開示されている。この方法によれば、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
特許文献9には、鎖伸長剤として特定の炭素数を有する直鎖グリコール、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエーテルポリオールを使用し、直鎖グリコールとポリエーテルポリオールとのモル比を特定の割合とすることにより、熱可塑性ポリウレタンを製造する方法が開示されている。この方法によれば、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
特許文献10には、鎖伸長剤としてヒドロキシル基末端グリコール、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエチレングリコールを使用することにより、熱可塑性ポリウレタンを製造する方法が開示されている。この方法によれば、耐熱性と高水蒸気透過性とを兼ね備えた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
特許文献11には、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエチレングリコールを使用し、鎖伸長剤とポリオール成分とのモル比を特定の割合とするポリウレタン樹脂をコーティングすることにより、透湿性に優れたフィルムを得ることができる。
特開平9−157409号公報 特開2001−214374号公報 特表平10−505108号公報 特開2002−345946号公報 特開2003−213119号公報 特開2003−176463号公報 米国特許第3901852号 英国特許第1024381号 国際公開98/56845号パンフレット 特表2006−505672号公報 特開2000−220076号公報
ところで、ポリエチレングリコールやポリオキシプロピレンポリオキシエチレン共重合体等のオキシエチレン基を多量に含有したポリオールを使用する場合には、オキシエチレン基の量の増加は、ポリウレタン樹脂の透湿性の向上に寄与する。しかしながら、ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が多くなりすぎると、フィルムの機械強度が低下する問題がある。
これに対し、特許文献1から3には、特定量のオキシエチレン基を含有する熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いれば、ポリウレタン樹脂の有する伸縮性、機械物性を保持しつつ、高い透湿性を発現するフィルムを、熱成形により得られることが開示されている。また、特許文献4から5には、特定の分子量のポリエチレングリコールを用い、あるいは、特定の樹脂を併用することにより、フィルムの成形加工性が改善されることが開示されている。
しかしながら、特許文献5のように、熱可塑性ポリウレタンにブレンドする他の特定の樹脂の量が大きい場合には、ポリウレタンそのものの性能を十分に発揮することが困難となる問題があった。
また、上記特許文献7〜11に開示されている方法についても、以下のような問題が挙げられる。
特許文献7によれば、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、特定の平均分子量を有するポリエチレングリコール、及び特定の鎖伸長剤を使用することにより、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタンを製造することできるが、ポリエチレングリコールの含有量が少なくなり、十分な透湿性を有しないという問題がある。
特許文献8によれば、鎖伸長剤としてビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを使用する
ことにより、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造することができるが、滑剤及び耐光安定剤を含有していないため、十分な成形安定性及び耐光性を有しないという
問題がある。
特許文献9によれば、鎖伸長剤として特定の炭素数を有する直鎖グリコール、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエーテルポリオールを使用し、前者と後者とのモル比を特定の割合とすることにより、機械特性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造することができるが、ハードセグメントの含有量が少なく、十分な耐熱性を有しないという問題がある。
特許文献10によれば、鎖伸長剤としてヒドロキシル基末端グリコール、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエチレングリコールを使用することにより、耐熱性及び高水蒸気透過性にすぐれた熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造することができるが、滑剤及び耐光安定剤を含有していないため、十分な成形安定性及び耐光性を有しないという問題がある。
特許文献11によれば、ポリオール成分として特定の分子量を有するポリエチレングリコールを使用し、鎖伸長剤とポリオール成分とのモル比を特定の割合とするポリウレタン樹脂をコーティングすることにより透湿性に優れたフィルムを得ることができるが、当該樹脂そのものをフィルム成形できない、あるいはフィルム成形しても耐熱性が低いという問題がある。
また、透湿性フィルムを衣料材料分野に用いる際には、熱成形によりポリウレタン樹脂フィルムを得るだけでは満足できるものではなく、その性能として、透湿性の他に、織物や編物等の布帛に得られたフィルムを加熱圧着する際の加熱温度に耐え得る耐熱性が必要とされる。
ここで、一般にポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させるためには、ポリウレタン樹脂の鎖延長剤として、グリコールよりもアミンを使用することが好ましい。しかしながら、熱可塑性ポリウレタン樹脂の場合には、熱成形するために、ウレタン基が著しく分解する温度以下で溶融させる必要がある。このため、熱可塑性ポリウレタン樹脂に対しては、鎖延長剤としてアミンを用いることができず、短鎖グリコールを用いたウレタン基からなるハードセグメント構造を有するのが一般的である。このような短鎖グリコールを用いたハードセグメント構造を有する熱可塑性ポリウレタンにおいては、耐熱性をより向上させることを目的としてハードセグメントの含有量を増加させると、透湿性の低下とともに、熱可塑性ポリウレタン樹脂の溶融粘度が上昇し、その結果、成形安定性が低下するという問題があった。
また、ポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させる別の方法として、ウレタン基よりも凝集力の高いウレア基を用いる方法を挙げることができる。有機溶媒に溶解させて使用するポリウレタン樹脂の場合には、熱をかけてポリマーを溶融させる必要が無いことから、ポリウレタン樹脂を重合する際の鎖延長剤として、ジアミンを用いたウレア基を用い、これをハードセグメントとして導入することができる。しかしながら、ウレア基を導入したポリウレタン樹脂は、溶融が困難となってしまい、このため、有機溶媒に溶解した形態で使用する場合が多くなる。その結果、ウレア基を導入したポリウレタン樹脂は、フィルム等の熱成形用途には、殆ど使用されていないのが現状である。
従って、天然又は合成繊維等からなる布帛に、熱可塑性ポリウレタン樹脂を熱成形したフィルムを貼り合わせる方法によれば、有機溶媒の使用に伴う諸問題を解決することはできる一方で、高い透湿性を維持したまま、有機溶媒を用いたポリウレタン樹脂溶液から得られるフィルムに匹敵する程度の耐熱性を発現させることは困難であった。すなわち、熱可塑性ポリウレタン樹脂においては、高い透湿性と耐熱性との両立については、未だ満足できるものではなく、更なる改善が望まれていた。
更に、透湿性及び耐熱性を必要物性とするフィルムの中でも、とりわけ、衣料材料分野等の屋外使用が長期にわたる用途においては、フィルムの変色や機械強度の低下を避ける目的で、更に、耐光性が必要とされる。一般的に、耐光性の改善にあたっては、目的とする樹脂中に耐光安定剤を添加する方法が知られている。しかしながら、熱可塑性ポリウレタンへの耐光安定剤の添加にあたっては、比較的少量の安定剤を均一に分散させることが難しく、また、耐光安定剤自身の耐熱性の問題等もあった。従って、十分な耐光性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを得ることは困難であった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、有機溶剤を実質的に含有することなく、優れた透湿性、耐熱性、及び耐光性の全てをバランスよく兼ね備えたフィルムを得ることができ、且つ、成形安定性が良好な熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び透湿性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、有機溶媒を実質的に用いることなくポリウレタン樹脂組成物の製造を行うことができ、更に、有機溶媒を実質的に用いることなくフィルム等への熱成形を安定して行うことができ、且つ、透湿性、耐熱性、及び耐光性の全てをバランスよく兼ね備えた成形品を得ることのできる樹脂組成物について鋭意研究を重ね、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) ハードセグメントとソフトセグメントとを含む(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び、(C)安定剤を含む組成物であって、前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるハードセグメントの含有量は、35質量%以上50質量%以下であり、
前記ハードセグメントは、(a1)対称構造を有するジイソシアネートと(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%含む鎖延長剤とから構成されるセグメントを含み、前記ソフトセグメントは、オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールを構成材料として含み、前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂における前記オキシエチレン基の含有量は、40質量%以上65質量%以下であり、前記(C)安定剤は、(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物を含み、前記組成物の重量平均分子量は、1.00×10以上3.50×10以下である熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、特定量の特定構造を有するハードセグメント、及び、特定量のオキシエチレン基を含むソフトセグメントを有する(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び3種類の特定の(C)安定剤を含み、且つ、特定範囲の重量平均分子量を有することにより、高い透湿性を有しつつも、高い耐熱性を発現し、且つ、高い耐熱性を有するものである。また、有機溶媒を実質的に用いることなく組成物を製造することができるとともに、有機溶剤を実質的に使用することなく組成物を熱成形することができる。従って、(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物によれば、高い透湿性、耐熱性、及び耐光性をバランスよく兼ね備えた、無溶剤の成形品を得ることができる。
ここで、本明細書における「ハードセグメント」とは、ポリイソシアネートと鎖延長剤との反応によって形成される硬い剛直なセグメントを意味し、「ソフトセグメント」とは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって形成される柔軟な可撓なセグメントポリマー部分を意味する。
また、本明細書における「ハードセグメントの含有量」とは、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるポリイソシアネート化合物と鎖延長剤との合計質量に対して、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の質量で除した後に100をかけた値をいう。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるハードセグメントの含有量が35質量%より少ない場合には、本発明の組成物に十分な耐熱性を付与することができず、一方で、ハードセグメントの含有量が50質量%より多い場合には、本発明の組成物に十分な透湿性を付与することが困難となる。
また、(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物における(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ハードセグメントに、(a1)対称構造を有するジイソシアネートと(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%含む鎖延長剤とから構成されるセグメントを含むものである。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂のハードセグメント構成材料として、(a1)対称構造を持つジイソシアネートを用いれば、得られる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂に、高い耐熱性を発現することができる。
また、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の鎖延長剤として、(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%用いることによって、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させることができる。
従って、ハードセグメントとして、(a1)対称構造を有するジイソシアネートと(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%含む鎖延長剤とから構成されるセグメントを含む(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂によれば、高い耐熱性を実現することが可能となる。
また、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂のソフトセグメント構成材料として、オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールを用いれば、得られる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるオキシエチレン基の含有量を容易に制御することができるとともに、高い透湿性を実現することができる。
更に、(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるオキシエチレン基の含有量が40質量%未満であると、十分な透湿性を得ることができない。一方で、オキシエチレン基の含有量が65質量%より多いと、十分な耐熱性を得ることが困難となる。尚、上記した通り、オキシエチレン基の含有量は、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いられる(a3)高分子量ポリオール中のオキシエチレン基により制御することができる。
また、(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、(C)安定剤として、(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物の全てを用いることにより、十分な耐光性を発現させることができる。本発明の組成物においては、これらのいずれが欠けても、十分な耐光性を奏することが困難である。
更に、(1)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、組成物の重量平均分子量が1.00×10より低い場合には、本発明の目的とする耐熱性及び耐光性を十分に得ることが困難である。一方で、重量平均分子量が3.50×10より大きい場合には、溶融粘度が高くなることから、安定したフィルム等の成形が実施困難となる。
(2) 前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び、(C)安定剤の質量配合比((A):(B):(C))は、95.4〜98.4:0.1〜0.7:1.5〜3.9である(1)記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
(2)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び、(C)安定剤の質量配合比((A):(B):(C))を特定範囲とするものである。
(2)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物における(B)滑剤の配合量が0.1〜0.7質量%であると、組成物の成形安定性を向上させることができる。ここで、本明細書における「成形安定性」とは、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を連続的に押出し、アダプタ部に取り付けられた樹脂圧計の値の最大値と最小値の差を平均値で除して、100をかけた値を基準にした指標にて示す。得られる値が小さいものほど樹脂圧変動が小さく、成形安定性に優れたものと判断する。
また、(B)滑剤の配合量が0.1〜0.7質量%であると、(2)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物から得られたペレット同士のブロッキングを防止することができる。
更に、(2)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物における(C)安定剤の配合量が1.5質量%未満である場合には、所望の耐光安定性を得ることができず、一方で、配合量が3.9質量%を超える場合には、耐熱性及び機械強度が低下を招来する。
(3) 前記(a2)芳香環を有するグリコールは、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である(1)又は(2)記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
上記の芳香環を有するグリコールを用いて製造された(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、透湿性及び耐熱性に特に優れている。従って、このような(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いた組成物は、透湿性及び耐熱性の両者に特に優れる。
(4) 前記(B)滑剤は、(b1)飽和脂肪酸エステル及び飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上、及び、(b2)不飽和脂肪酸エステル及び不飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上を含むものである(1)から(3)いずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
(4)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、2種類の融点の異なる(B)滑剤を含むことが好ましい。2種類の融点の異なる(B)滑剤を用いることにより、押出安定性を向上することができ、とりわけ、無溶剤成形の安定性を向上することができる。
(5) 前記(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアソール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物の質量配合比((c1):(c2):(c3))は、24〜55:12〜45:25〜64である(1)から(4)いずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
(5)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、3種類の(C)安定剤が、それぞれ特定範囲で配合されたものである。3種類の(C)安定剤を特定範囲で配合することにより、(5)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、優れた耐光性を容易に発現することができる。このため、屋外使用が長期にわたる衣料材料分野等の用途においても、フィルムの変色や機械強度の低下をより回避することが可能となる。
(6) (1)から(5)いずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなり、無溶媒で熱成形されてなる透湿性フィルム。
(6)の透湿性フィルムは、耐熱性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を用いるため、オキシエチレン基の含有量が40質量%以上65質量%以下であっても、熱成形により得ることができる。また、有機溶媒を用いることなくフィルムの成形を行うことができるため、昨今の環境問題や衛生問題に十分に対応することができる。
(7) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を無溶剤で熱成形して得られる透湿性フィルムであって、厚み20μmでのJIS L−1099記載のB1法による透湿度が80,000(g/m・24h)以上であり、厚み20μmでの熱機械分析(TMA)による軟化温度が160℃以上であり、厚み20μmでの紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びが、耐候性試験前の破断伸びと比較して、保持率60%以上である透湿性フィルム。
フィルムの厚み20μmにおける透湿度が80,000(g/m・24h)以上であると、当該フィルムは高い透湿性を有する。その結果、当該フィルムを使用した布帛の透湿度も高くなるため、十分な快適性を付与することができる。従って、(7)の透湿性フィルムは、例えば、衣料材料分野、医療材料や衛生材料分野において要求される透湿性を十分に満足させることができることから、様々な用途に用いることができる。
また、フィルムの厚み20μmにおける熱機械分析(TMA)による軟化温度が160℃以上であると、例えば、衣料用材料のフィルムとして使用された場合、フィルムを布帛に加熱圧着する温度において、あるいは乾燥、クリーニング時において、フィルムにしわや穴が開きにくく、その結果、意匠性を保つことができる。
更に、フィルムの厚み20μmにおける紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びが、耐候性試験前の破断伸びと比較して、保持率60%以上であると、十分な耐光性を有する。このようなフィルムは、屋外使用が長期にわたる衣料材料分野等の用途に用いた場合であっても、変色や機械強度の低下を回避することができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物では達成が困難であった高い透湿性と耐熱性とを両立するだけではなく、更に、耐光性をバランスよく兼ね備えた組成物となる。このため、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からは、透湿性、耐熱性、及び耐光性を兼ね備えた透湿性フィルムを得ることができる。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、引張強度、破断伸び等の機械物性が優れる上、成形加工性に優れる。このため、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からは、容易にフィルム等の成形品を安定して得ることができ、また、得られたフィルムは、高い機械物性を必要とする分野に好適に用いることができる。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、有機溶媒を実質的に用いることなく組成物を製造することができるとともに、有機溶剤を実質的に使用することなく組成物を熱成形することができる。従って、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、環境対応あるいは衛生対応等が必要とされる分野においても、十分に用いることが可能となる。
<熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU)>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、特定量の特定構造を有するハードセグメント、及び、特定量のオキシエチレン基を含むソフトセグメントを有する(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び3種類の特定の(C)安定剤を含み、且つ、特定範囲の重量平均分子量を有するものである。
また、本明細書における「ハードセグメント」とは、ポリイソシアネートと鎖延長剤との反応によって形成される硬い剛直なセグメントを意味し、「ソフトセグメント」とは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって形成される柔軟で可撓なセグメントを意味する。
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂]
本発明の組成物に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート、ポリオール、及び、鎖延長剤を出発原料として含む。
〔ポリイソシアネート〕
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の出発原料のひとつとなるポリイソシアネートは、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、本発明においては、(a1)対称構造を有するジイソシアネートを少なくとも一部に用いる必要がある。(a1)対称構造を有するジイソシアネートとしては、例えば、イソシアネート基を1分子中に2個有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系等の対称構造を有するイソシアネート化合物を挙げることができる。
(a1)対称構造を有するジイソシアネートの具体例としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIともいう)、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート等の炭素数2〜18(NCO基中の炭素を除く。以下同様)の脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIともいう)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等の炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート;p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIともいう)等の炭素数6〜18の芳香族ジイソシアネート;ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等の炭素数3〜17のカーボネート系ジイソシアネート;及び、これら対称構造を有するジイソシアネートの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、ウレア基、ウレトジオン基、オキサゾリドン基を含有する対称構造の変性物等)を挙げることができる。
尚、これらの(a1)対称構造を有するジイソシアネートは、1種単独の使用であっても、また、2種以上の併用であってもよい。
上記の(a1)対称構造を有するジイソシアネートの中では、好ましくは、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、HDI、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、MDIを用いることができる。また、より好ましくはMDI、水添MDI、又はHDIを用いることができる。特にMDIを用いることが好ましい。
また、本発明においては、非対称構造のジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)を、上記の(a1)対称構造を持つジイソシアネートと併用することもできる。この場合の非対称構造のジイソシアネートの使用量は、溶融性の観点から、(a1)対称構造を持つジイソシアネートに対して0.25以下のモル比とすることが好ましい。
〔ポリオール〕
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の出発原料のひとつとなるポリオールは、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用されるポリオールであれば特に限定されるものではないが、オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールを少なくとも一部に用いる必要がある。尚、本発明においては、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるオキシエチレン基の含有量は、原料として用いるポリオール中のオキシエチレン基により制御する。
本発明において必須に用いられるオキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールは、得られる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるオキシエチレン基の含有量が、40質量%以上65質量%以下となる範囲で使用する。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイドを共重合したポリオキシアルキレンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールを分岐鎖として有するポリエステルポリオール等を挙げることができる。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの例であるエチレンオキサイドを共重合したポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合して得られるポリオキシアルキレンポリオールが例示できる。
ここで、活性水素化合物としては、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物が挙げられる。このような活性水素化合物としては、例えば、炭素数2〜20で、2〜8個の水酸基を有する多価アルコールを挙げることができる。また、このような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトール等を挙げることができる。
また別の活性水素化合物として、芳香族ポリオール、芳香族ポリカルボン酸、脂環式ポリオール等の、1分子中に少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を挙げることもできる。このような化合物としては、例えば、ハイドロキノン(以下、HQともいう)、レゾルシン(以下、RSともいう)、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の芳香族ポリオール;ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、BHETともいう)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4,4−イソプロピリデンビスシクロヘキサノール等の脂環式ポリオールが挙げられる。
上記のような活性水素化合物に付加重合するアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中では、エチレンオキサイドが好ましく、単独、もしくは他のアルキレンオキサイドと併用することができる。他のアルキレンオキサイドと共重合する場合には、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が、40質量%より少なくならないように併用する。尚、エチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドを共重合する際には、例えば、プロピレンオキサイドの重合後にエチレンオキサイドを重合するブロック共重合を行うよりも、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとをランダムに共重合する方法を用いることが好ましい。
アルキレンオキサイドの重合触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属化合物、特開平11−106500号公報に記載されたP=N結合を有するホスファゼニウム化合物、EP763555号公報に記載されたホスファゼン化合物等を使用することができる。
上記の重合開始剤となる活性水素化合物にアルキレンオキサイドを付加重合した後の粗製ポリオキシアルキレンポリオールは、リン酸、塩酸等の酸による中和、及び/又は従来公知の吸着剤を用いた精製処理を行うことにより、JIS K−1557で定められるCPR(Controlled Polymerization Rate)が5以下、好ましくは3以下、最も好ましくは1以下に制御することが好ましい。
また、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価としては、5mgKOH/g以上220mgKOH/g以下が好ましく、8mgKOH/g以上120mgKOH/g以下が更に好ましい。
このようなポリオキシアルキレンポリオールは、単独で用いても、あるいは併用しても構わない。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの別の例であるポリエチレングリコール(以下、PEGともいう)としては、本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂中のオキシエチレン基の含有量が40質量%より少なくならないように用いる。
好ましくは、PEGの水酸基価としては、5mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であり、8mgKOH/g以上120mgKOH/g以下が更に好ましい。
また、オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの更に別の例である、PEGを分岐鎖として有するポリエステルポリオールとしては、無水トリメリット酸無水物のような酸無水物に、片末端にメトキシ基やラウリル基を導入したポリエチレングリコールモノアルキルエーテルを反応させ、更に、グリコールとの縮合重合により得られるポリオールを例示することができる。ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(以下、メトキシPEGともいう)が好ましく用いられる。
尚、本発明の主旨に反しない範囲で、上記のオキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの他に、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコール等を併せて用いることができる。オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの他に用いるポリオールの水酸基価は、15mgKOH/g以上220mgKOH/g以下が好ましく、35mgKOH/g以上120mgKOH/g以下が更に好ましい。オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールの他に用いるポリオールは、1種単独であってもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールと併用できるポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の低分子量ポリオールの1種又は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸あるいはその他のジカルボン酸やオリゴマー酸等のカルボン酸成分となる化合物の1種又は2種以上とを、縮合重合することにより得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。また、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンジオール等を例示することができる。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールと併用するのに好ましいポリエステルポリオールとしては、グリコール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールの1種又は2種以上、カルボン酸成分として、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸の1種又は2種以上を用いたポリエステルポリオール、及びε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールと併用できるポリカーボネートジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等との縮合反応より得られるポリカーボネートジオールを挙げることができる。
オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールと併用できるポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMEGともいう)とは、テトラヒドロフランを開環重合することによって得られるものであり、本発明においては、PTMEGにエチレンオキサイドを付加重合したポリオールを使用することもできる。
〔鎖延長剤〕
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いられる鎖延長剤は、特に限定されるものではないが、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を2個以上有する数平均分子量が500以下の低分子グリコールであって、(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%含む必要がある。
(a2)芳香環を有するグリコールとしては、以下の一般式(I)で表されるジオールが好ましく用いられる。
Figure 0005129486
(式中、
a及びbは、同一でも異なっていてもよく、0〜4の整数を示し、
A及びBは、同一でも異なっていてもよく、オキシアルキレン基又は置換オキシアルキレン基を示す。)
本発明において、好ましく用いられる上記一般式(I)におけるa及びbは、a=bの関係となることがより好ましい。また、a+bの最大値は8とすることが好ましく、a+bが0〜6の整数とすることがより好ましく、1〜4の範囲の整数とすることが更に好ましい。最も好ましくは、a+bを2〜4の整数とすることである。このような範囲の(a2)芳香環を有するグリコールを使用することにより、所望とする耐熱性及び透湿性を有する樹脂組成物を得ることができる。
上記一般式(I)におけるA及びBを有する基は、互いに、1,2−位、1,3−位、及び1,4−位に位置する構造をとりうる。熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造、及び溶融物性の観点からは、1,4−位、又は1,3−位の化合物とすることが好ましい。中では、1,4−位の化合物が最も好ましく、耐熱性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を与えうる。
更に、上記一般式(I)におけるA及びBとなるオキシアルキレン基又は置換オキシアルキレン基は、特に限定されるものではないが、炭素数2以上30以下のものが好ましく、炭素数2以上15以下のものが更に好ましく、炭素数2以上10以下のものが特に好ましい。
上記一般式(I)におけるA及びBとなる基の具体例としては、オキシプロピレン基、オキシエチレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等を挙げることができる。これらの中では、オキシプロピレン基及びオキシエチレン基から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有することが好ましく、オキシエチレン基が含まれていることが最も好ましい。
例えば、Aとして、オキシエチレン基を繰り返し単位とする場合には、a=b=1(a+b=2)であり、1,4−位にヒドロキシル基を有する、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、a=b=1(a+b=2)であり、1,3−位にヒドロキシル基を有する、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等が挙げられる。
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の構成材料となる、最も好ましい(a2)芳香環を有するグリコールとしては、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが挙げられる。
また、本発明において、(a2)芳香環を有するグリコール以外に用いることのできる他の鎖延長剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールのような短鎖ジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の脂環式ジオール、トリメチロールプロパンのような短鎖トリオールを挙げることができる。これらの鎖延長剤は、上記の(a2)芳香環を有するグリコールが、鎖延長剤全体の30質量%以上となる範囲で併用する。
〔(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法〕
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、上記のポリイソシアネート、ポリオール、及び、鎖延長剤を、出発原料の主原料として製造される。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造においては、例えば、David Randall and Steve Lee編「The polyurethanes book」(JOHN WILEY&SONS,LTD)第324頁〜第327頁に記載されているような方法が挙げられる。
より具体的には、予め、ポリオールの全部又は一部とポリイソシアネートとを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー(以下、プレポリマーと略す)を製造し、これに鎖延長剤と残りのポリオールを反応させて得る方法(以下、プレポリマー法と略す)と、ポリオールと鎖延長剤とを予め混合し、次いでポリイソシアネートと反応させる方法(以下、ワンショット法と略す)のいずれを用いても差し支えない。本発明においては、熱可塑性ポリウレタン樹脂の機械強度の発現性やフィッシュアイの減少という観点から、プレポリマー法を用いることが好ましい。
また、プレポリマー法及びワンショット法のいずれの方法においても、ポリオール及び鎖延長剤は加熱減圧脱水処理を十分に行い、水分量を低下させておくことが好ましい。ポリオール及び鎖延長剤の水分量としては、好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下、特に好ましくは0.02質量%以下である。
ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール及び鎖延長剤のヒドロキシル基とのモル比(イソシアネートインデックス、NCO/OH比)は、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の重量平均分子量が所望の範囲となるものであれば、これを限定するものではないが、好ましくは0.95以上1.20以下、更に好ましくは0.97以上1.10以下、特に好ましくは0.98以上1.05以下である。
通常、プレポリマー法においては、まず、ポリオールの全部又は一部とポリイソシアネートとからプレポリマーを合成し、その後、得られたプレポリマーと鎖延長剤及び/又は残りのポリオールとを攪拌混合し、最後に、攪拌混合したものからポリウレタンの合成を行う。
プレポリマーの合成にあたっては、不活性ガスの存在下、ポリオールとポリイソシアネートとを反応温度40℃以上150℃以下で、0.5分以上8時間以下程度攪拌混合し、プレポリマーを製造する。
次いで、得られたプレポリマーと、鎖延長剤及び/又は残りのポリオールとを秤量し、両者を混合する。プレポリマーと、鎖延長剤及び/又は残りのポリオールとのイソシアネートインデックス(プレポリマー中のイソシアネート基と、鎖延長剤及び/又は残りのポリオール中のヒドロキシル基の比)は、0.95以上1.20以下の範囲が好ましく、更に好ましくは0.97以上1.10以下、特に好ましくは0.98以上1.05以下の範囲である。
プレポリマーと鎖延長剤及び/又は残りのポリオールとの混合条件は特に限定されないが、好ましくは40℃以上280℃以下、更に好ましくは100℃以上270℃以下、特に好ましくは120℃以上260℃以下で、0.5分以上30分間以下程度、攪拌混合を行う。
プレポリマーと鎖延長剤及び/又は残りのポリオールとを十分に攪拌混合した後の(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の重合温度は、150℃以上280℃以下が好ましく、更に好ましくは170℃以上260℃以下である。
ワンショット法によって(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂を得る場合においても同様に、予め、混合、脱泡したポリオール及び鎖延長剤とポリイソシアネートとを、好ましくは40℃以上280℃以下、更に好ましくは100℃以上260℃以下の温度範囲で、0.5分以上1時間以下程度、まずは攪拌混合を行う。
ポリオール及び鎖延長剤とポリイソシアネートとを十分に攪拌混合した後の(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の重合温度は、150℃以上280℃以下が好ましく、更に好ましくは170℃以上260℃以下である。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造するための混合方法に関しては、プレポリマー法においても、ワンショット法においても、特に限定されるものではない。例えば、ディゾルバーのような混合槽や循環式の低圧、高圧衝突混合装置、高速攪拌ミキサー、スタティックミキサー、ニーダーのような装置を好ましく用いることができる。特に、高速攪拌ミキサーで残りのポリオール及び鎖延長剤とポリイソシアネート、あるいはプレポリマーとを十分に混合した後、混合液をバット上に流して合成する方法、混合液をベルトコンベア上に流して連続的に合成を行う方法、又は、スタティックミキサー等の静止型混合器を含む装置にて連続的に合成する方法等を用いることが好ましい。
尚、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物から得られる成形品の用途によっては、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造時に、金属系やアミン系等の公知の触媒を添加してもよい。その使用量としては、ポリオール100質量部に対して、0.0001質量部以上2.0質量部以下が好ましく、0.001質量部以上1.0重量部以下が更に好ましい。
重合された(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、カッターやペレタイザー等を用いて粉砕、細粒化した後、押出機等を用いて、ペレット等の所望の形状に成形することもできる。
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂は、その製造後、例えば、70℃以上120℃以下、好ましくは80℃以上110℃以下の温度範囲にて、1時間以上24時間以下程度アニールすることが好ましい。アニールすることにより、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂のハードセグメントの凝集性が上昇し、耐熱性及び機械物性に優れた成形品を得ることができる。
〔(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性〕
(ハードセグメントの含有量)
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるハードセグメント(硬い剛直なセグメント)の含有量は、通常、35質量%以上50質量%以下の範囲であり、35質量%以上45質量%以下の範囲がより好ましい。ここで、本発明で定義するハードセグメントの含有量とは、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるイソシアネート化合物と鎖延長剤との合計の質量に対して、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の質量で除した後に100をかけた値をいう。
(オキシエチレン基の含有量)
オキシエチレン基の含有量は、通常、40質量%以上65質量%以下の範囲であり、45質量%以上65質量%以下がより好ましい。尚、オキシエチレン基の含有量は、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料である(a3)高分子量ポリオール中のオキシエチレン基により制御することができる。
[(B)滑剤]
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、必須成分として(B)滑剤を含有する。(B)滑剤の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上0.7質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下とすることが更に好ましい。
上記範囲での(B)滑剤の添加によれば、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物をフィルム等へ成形する際の成形安定性を向上することができる。ここで、本発明における「成形安定性」とは、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を連続的に押出し、アダプタ部に取り付けられた樹脂圧計の値の最大値と最小値の差を平均値で除して、100をかけた値を基準にした指標にて示すことができる。得られた値が小さいものほど樹脂圧変動が小さく、成形安定性に優れる。
また、上記範囲での(B)滑剤の添加によれば、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物のペレット同士のブロッキングを改善する効果も有する。
本発明の組成物に用いられる(B)滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪酸エステル、飽和脂肪酸アミド系化合物等の飽和化合物系の滑剤、不飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸アミド系化合物等の不飽和結合を含有する滑剤のいずれであっても採用することができる。
〔飽和脂肪酸エステル〕
本発明の(B)滑剤に用いられる飽和脂肪酸エステルとしては、日本油脂社製の商品名:ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチルME−175等が挙げられる。
〔飽和脂肪酸アミド系化合物〕
本発明の(B)滑剤に用いられる飽和脂肪酸アミド系化合物としては、飽和脂肪酸モノアミドとして、日本化成社製の商品名:ダイヤミッドY、ダイヤミッドKP、アマイドAP−1等が挙げられる。また、飽和脂肪酸ビスアミドとして、日本化成社製の商品名:ビスアマイドLA、ビスアマイド12、スリパックスL、スリパックスE、日本油脂社製の商品名:アルフローHシリーズ等が挙げられる。飽和脂肪酸アミド系化合物の中では、ビスアミドタイプを用いることが好ましい。
〔不飽和脂肪酸エステル〕
本発明の(B)滑剤に用いられる不飽和脂肪酸エステルとしては、日本油脂社製の商品名:オレイン酸メチルユニスターM−182A、エルカ酸メチル等が挙げられる。
〔不飽和脂肪酸アミド系化合物〕
本発明の(B)滑剤に用いられる不飽和脂肪酸アミドとしては、日本化成社製の商品名:ビスアマイドO、スリパックスO、スリパックスR)等が挙げられる。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、押出安定性の向上、とりわけ、無溶剤成形の安定性が向上できることから、2種類の融点の異なる(B)滑剤を含むことが好ましい。2種類の融点の異なる(B)滑剤としては、(b1)飽和脂肪酸エステル及び飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上と、(b2)不飽和脂肪酸エステル及び不飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上の併用が好ましい。
このような2種類の融点の異なる(B)滑剤の組み合わせの中では、例えば、飽和脂肪酸ビスアミドとして日本化成社製の商品名:スリパックスLと、不飽和脂肪酸ビスアミドとして商品名:スリパックスRとの組み合わせ、あるいは、飽和脂肪酸ビスアミドとして商品名:スリパックスEと、不飽和脂肪酸ビスアミドとして商品名:スリパックスOとの組み合わせに例示されるような、飽和脂肪酸ビスアミドと不飽和脂肪酸ビスアミドの組み合わせが特に好ましい。
尚、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、混練を均一にする観点から、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂と(B)滑剤の溶融時の粘度は、できるだけ近いほうが好ましい。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂に(B)滑剤を添加する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、事前に高濃度の(B)滑剤を含む熱可塑性樹脂(以下、マスターバッチという)を調製し、これを(A)熱可塑性ポリウレタンとドライブレンドし、押出機に供給する方法(以下マスターバッチ法という)が好ましい。マスターバッチ法によれば、比較的少量の滑剤であっても、(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂中に均一に分散させることが可能となる。
マスターバッチは、例えば、同方向回転式の二軸押出機を使用し、定量フィーダーを用いて、熱可塑性樹脂及び(B)滑剤をそれぞれ別個に二軸押出機のホッパーに供給することにより得ることができる。
マスターバッチ中の(B)滑剤の濃度としては、5質量%以上40質量%以下程度が好ましく、10質量%以上30質量%以下程度がより好ましい。マスターバッチ中の(B)滑剤の濃度が5質量%以下の場合には、(B)滑剤を所望の濃度とするために添加するマスターバッチ量が多くなるため、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の透湿度や耐熱性等の性能が発現しにくくなる。
マスターバッチ法に用いる熱可塑性樹脂としては、本発明の主旨に反しない範囲であれば、実質的に透湿性を有しないエラストマー系の熱可塑性樹脂を用いることもできるが、好ましくは透湿性を有するエラストマー系の熱可塑性樹脂を用いる。このようなエラストマー系の熱可塑性樹脂としては、例えば、透湿性の熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等を挙げることができ、これらの中でも、熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
[(C)安定剤]
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、その耐光性向上を目的として、必須成分として、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c−3)ヒンダードアミン系化合物の3種類の安定剤を含有する。
(C)安定剤の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、(C)安定剤の合計で、1.5質量%以上3.9質量%以下とすることが好ましく、1.5質量%以上3.5質量%以下とすることがより好ましく、1.8質量%以上3.3質量%以下とすることが更に好ましい。
(c−1)ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:イルガノックス1010、同1076、同1135、同245、同3114、同3790等、旭電化工業社製の商品名:アデカスタブAO−60、同AO−70、同AO−80等を例示することができる。
このような(c−1)ヒンダードフェノール系化合物の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、0.6質量%以上1.3質量%以下の範囲とすることが好ましい。
(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:チヌビンP、同234、同326、同327、同328、同329、同213、同571等を例示することができる。また、旭電化工業社性の商品名:LA−31、同32、同36等も挙げることができる。
このような(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、0.3質量%以上1.0質量%以下の範囲とすることが好ましい。
(c−3)ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:シマソーブ119FL、同2020FDL、同944FDL、同944LD、チヌビン622LD、同123S、同144、同765、同770、同770DF、同770FL等、三共社製の商品名:サノールLS−770、同765、同2626、同944等、旭電化工業社製の商品名:LA−52、同62、同77、同T−940等を例示することができる。
このような(c−3)ヒンダードアミン系化合物の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、0.6質量%以上1.6質量%以下の範囲とすることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物においては、(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物の質量配合比((c1):(c2):(c3))は、24〜55:12〜45:25〜64であることが好ましい。更に好ましくは、30〜50:15〜40:25〜55の範囲である。
(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂に(C)安定剤を添加する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記滑剤(B)にて記述したマスターバッチ法により、(A)熱可塑性ポリウレタン中に均一に分散させることができる。
[その他配合剤]
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物には、その製造時あるいは製造後に、必要に応じて、公知の離型剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤等の添加剤を配合してもよい。
例えば、成形加工性における熱安定性を向上させる目的で、リン系加工熱安定剤を配合することが可能であり、その市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:イルガフォス38、同126、同P−EPQ等、旭電化工業社製の商品名:アデカスタブPEP−4C、同11C、同24、同36等を例示することができる。このようなリン系加工熱安定剤の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物全体に対して、0.05質量%以上1質量%以下の範囲とすることが好ましい。
また、耐光性及び意匠性を向上させる目的で、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機フィラーを添加することも可能である。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU)の物性]
〔重量平均分子量(Mw)〕
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCともいう)で測定した重量平均分子量(Mw)は、耐熱性、耐光性、及び安定な成形性の観点から、通常、1.00×10以上3.50×10以下であり、1.00×10以上3.00×10以下がより好ましい。更に好ましくは、1.20×10以上2.50×10以下である。
〔固体核磁気共鳴(NMR)スペクトロスコピーによる相対プロトン存在比〕
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の固体核磁気共鳴(NMR)スペクトロスコピーにより測定した100℃での横緩和時間(スピン−スピン緩和時間)が50μs以下の相対プロトン存在比は、少なくとも5%であることが好ましく、より好ましくは7%以上である。本発明の目的とする高い耐熱性を有するフィルムを得るためには、相対プロトン比が5%以上であることが好ましい。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU)の用途]
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、透湿性、耐熱性、及び耐光性に優れ、且つ、成形加工性に優れることから、無溶剤にて熱成形が可能となる。このため、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、これらの特性を要求する分野における成形品用の材料として好適に用いることができる。このような成形品としては、例えば、紙おむつ等の衛生材料、キズバンド、手術用衣料、手袋等のメディカル、スポーツ用衣料、テント等の材料、食品等の包装材料等を挙げることができる。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を、厚みが2mm程度のシートに成形すれば、透湿性が要求される各種部材に好適に使用することができる。特に、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、有機溶剤を含有しないため、上記の各分野の中でも、環境問題や衛生問題への対応が強く要求されている分野において好適に用いることができる。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU)の成形法]
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形法は、特に限定されるものではなく、例えば、押出機等を用いて所望の形状へ熱成形することができる。熱成形の際の成形温度としては、170℃以上250℃以下が好ましく、更に好ましくは175℃以上240℃以下である。
更に、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、その製造後、例えば、70℃以上120℃以下、好ましくは80℃以上110℃以下の温度範囲にて、1時間以上24時間以下程度アニールすることが好ましい。アニールすることにより、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物におけるハードセグメントの凝集性が上昇し、耐熱性及び機械物性に優れた成形品を得ることができる。
<透湿性フィルム>
本発明の透湿性フィルムは、無溶媒にて熱成形されるものである。また、フィルムの厚み20μmでのJIS L−1099記載のB1法による透湿度が80,000(g/m・24h)以上であり、厚み20μmでの熱機械分析(TMA)による軟化温度が160℃以上であり、厚み20μmでの紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びが、耐候性試験前の破断伸びと比較して、保持率60%以上となる。
ここで、本発明の透湿性フィルムにおける透湿度とは、JIS L−1099に基づき、「酢酸カリウム法(B−1法)」で測定した値である。一般に、フィルムの厚みが薄くなるに従い、透湿度は上昇することが知られており、本発明の透湿性フィルムも同様の挙動を示す。
[透湿度]
本発明の透湿性フィルムは、その厚み20μmにおける透湿度が、通常80,000(g/m・24h)以上であり、好ましくは100,000(g/m・24h)以上である。フィルムの厚み20μmにおける透湿度が80,000(g/m・24h)以上であると、そのフィルムを使用した布帛の透湿度も高くなり、十分な快適性を得ることができる。尚、本発明の透湿性フィルムの透湿度の上限は、250,000(g/m・24h)程度である。
[軟化温度]
本発明の透湿性フィルムは、その厚み20μmにおける熱機械分析(TMA)により測定した軟化温度が、通常160℃以上であり、好ましくは170℃以上である。熱機械分析(TMA)により測定した軟化温度は、耐熱性の指標となる。本発明における熱機械分析(TMA)の測定条件は、JIS K−7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従うものである。尚、本発明の透湿性フィルムにおける軟化温度の上限としては、220℃程度である。
[破断伸びの保持率]
本発明の透湿性フィルムは、厚み20μmでの紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びが、耐候性試験前の破断伸びと比較して、保持率60%以上であり、好ましくは65%以上である。
保持率の評価にあたっては、JIS A1415「高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法」に記載の方法のうち、WV−Bの方法に準拠して30時間の紫外線照射を実施する。尚、このときの試験片保持装置の回転速度は3rpmとする。引き続き、照射後のフィルム及び照射前のフィルムの両者を用いて、JIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠した引張試験を実施する。得られた紫外線照射後の破断伸びを照射前の破断伸びで除した値に100をかけた値を、保持率(%)とする。
[100%モジュラス]
本発明の透湿性フィルムの厚み20μmでの引張物性における100%モジュラスは、JIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠した引張試験により測定を行う。本発明の透湿性フィルムの100%モジュラスとしては、1MPa以上15MPa以下程度が好ましく、更に好ましくは2MPa以上10MPa以下程度である。100%モジュラスが1MPa以上15MPa以下程度であると、フィルムに柔軟性があり、その触感が良好となる。
[引張強度]
また、本発明の透湿性フィルムの厚み20μmでの引張強度は、JIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠した引張試験により測定を行う。本発明の透湿性フィルムの引張強度としては、10MPa以上100MPa以下程度が好ましく、更に好ましくは20MPa以上100MPa以下程度である。
[破断伸び]
更に、本発明の透湿性フィルムの厚み20μmでの破断伸びは、JIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠した引張試験により測定を行う。本発明の透湿性フィルムの破断伸びとしては、200%以上1,000%以下程度が好ましく、更に好ましくは300%以上900%以下程度である。本発明の透湿性フィルムを、例えば、衣料用材料のフィルムとして用いる場合には、人体の動きに無理なく追従する必要があることから、フィルムが柔軟であり、破断に至るまでの伸びが200%以上1,000%以下程度とすることが好ましい。
[膨潤度]
また、本発明の透湿性フィルムの水に対する膨潤度は、20%以下程度が好ましい。ここで、水に対する膨潤度は、水浸漬前後のフィルム長さの変化率を測定する方法によって求められる。水に対する膨潤度が20%程度より大きくなると、洗濯時や雨水に長く晒された場合、フィルムの寸法が変化し、フィルムと布帛との接着面がずれることがある。
[透湿性フィルムの製造方法]
本発明の透湿性フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の製膜方法を適用することができる。例えば、単軸もしくは二軸押出機により、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を溶融混練後、Tダイ、コートハンガーダイに代表されるフラットダイによる方法、あるいは、サーキュラーダイからのインフレーション法等が適用できる。
特に、本発明の透湿性フィルムをキャスティング工程によって得る場合には、得られる透湿性フィルムの両面もしくは片面を、離型紙、あるいはポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム等で挟み込みながら、巻き取る方法を採用することが好ましい。また、多層押出ダイを用いて、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物と他の樹脂とを同時に押出成形し、本発明の透湿性フィルムを含む積層体として製造することもできる。
フィルムに成形する際の成形温度としては、170℃以上250℃以下が好ましく、更に好ましくは175℃以上240℃以下である。
また、本発明の目的とする透湿性、及び軟化温度の向上をより容易とするために、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、例えば、そのペレットを、成形前に十分に乾燥した後に成形機に供する方法が好ましい。
尚、透湿性フィルムを得る際の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の水分としては、500ppm以下が好ましく、更に好ましくは200ppm以下である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、特に説明のない限り、「部」数は「質量部」を意味するものとする。
<測定評価>
実施例及び比較例においては、以下のそれぞれの測定項目につき、以下の方法により測定を実施した。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)]
N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬社製、DMF、液体クロマトグラフィー用)に0.01mol/Lの濃度でLiBr(Aldrich Chemical Company,Inc製)を溶解したものを遊離液として使用した。東ソー社製、商品名:HLC−8220GPCに、GPCカラムとして、昭和電工社製、商品名:KD−804,KD−8025,KD−802を直列に装着し、カラム温度40℃、遊離液の流速0.6mL/minの条件で、RI検出器を用いて測定し、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から、重量平均分子量(Mw)を算出した。
[透湿性フィルムの厚み(単位:μm)]
ヨシトミ社製、商品名:ID−Cデジマチックインジケータを用いて、フィルムの幅方向及びその垂直方向にわたって5個所の厚みを測定し、その算術平均値を求めた。得られた算術平均値を透湿性フィルムの厚みとした。
[透湿性フィルムの透湿度(単位:(g/m・24h))]
JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)記載の方法に準拠し、フィルムと水が接する面に、ナイロンタフタを重ねた後に測定を行った。その後、24時間の値に換算した。
[透湿性フィルムの軟化温度(単位:℃)]
Seiko Instruments社製、商品名:TMA/SS6000を用いて、JIS K−7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って測定を実施した。尚、圧子の直径は1.0mmのものを使用した。
[透湿性フィルムの100%モジュラス:M100(単位:MPa)]
[透湿性フィルムの引張強度:TS(単位:MPa)]
[透湿性フィルムの破断伸び:EL(単位:%)]
JIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠して測定を行った。具体的には、試験片をダンベル状3号形にて打ち抜き、TOYOBALDWIN CO.,LTD.製、商品名:TENSILON/UTM−III−100にて、標線間20mm、引張速度200mm/分の条件で測定を行った。
[透湿性フィルムの水膨潤度(単位:%)]
縦10cm、横3cmの正方形のフィルムを、25℃に調整した100mLの純水に30分間浸漬した後、水を拭き、フィルムの縦の長さを測定した。浸漬後のフィルムの縦の長さを浸漬前の縦の長さで除した後、100をかけた値を水膨潤度とした。
[紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びの耐光性試験前の破断伸びに対する保持率(単位:%)]
JIS A1415「高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法」に記載の方法のうち、WV−Bの方法に準拠して30時間の紫外線照射を実施した。尚、試験片保持装置の回転速度は3rpmであった。照射後のフィルム及び照射前のフィルムの両者を用いて、上記のJIS K−6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の方法に準拠した引張試験を実施した。得られた紫外線照射後の破断伸びを照射前の破断伸びで除した値に100をかけて、保持率(%)とした。
[成形安定性]
押出機の径が50mmの単軸押出機にて、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を連続的に押出し、1時間の間、2分ごとに、アダプタ部に接続した樹脂圧力の変動を記録した。最大値と最小値の差を平均値で除して、100をかけた値を成形安定性の指標とし、以下の評価を実施した。
5:5以下
4:5以上8未満
3:8以上12未満
2:12以上20未満
1:20以上
[ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価(単位:mgKOH/g)]
JIS K−1557記載の方法に準拠して測定を実施した。
[ポリエステルポリオールのアセチル価(単位:mgKOH/g)]
[ポリエステルポリオールの酸価(単位:mgKOH/g)]
JIS K−6901「液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法」に記載の方法に準拠して測定を実施した。
[ポリオキシアルキレンポリオール及びポリエステルポリオールのオキシエチレン基の含有量(単位:質量%)]
重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とし、日本電子社製、商品名:JNM−AL400を用いて、1H−核磁気共鳴スペクトルスコピー(NMR)測定にて、ポリオール中のオキシエチレン基含有量を測定した。3.5ppm付近のピークをオキシエチレン基由来のピークとして算出した。
<調製例1> ポリオキシアルキレンポリオール(ポリオールA)の調製
耐圧製の反応機に、268部のジプロピレングリコール、及び10.2部の水酸化カリウムを仕込み、十分に窒素置換を行った後に、105℃に昇温し、同温度にて1kPa以下の条件で6時間の減圧脱水を行った。次いで、窒素置換を行い、ゲージ圧0.1MPaの条件から、746.4部のプロピレンオキサイドを逐次装入して、プロピレンオキサイドの付加重合を行った。引き続き、反応機の内圧が低下し始めた後、987.1部のエチレンオキサイドを逐次装入し、一部、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのランダム共重合反応を行い、その後、2,000部のエチレンオキサイドを逐次装入して、エチレンオキサイドの付加重合反応を行った。反応機の内圧が一定になるまで同温度にて反応を継続した後、内温105℃、1kPa以下の条件で減圧処理を行い、粗製ポリオキシアルキレンポリオール(以下、粗製ポリオールともいう)を得た。
次いで、得られた粗製ポリオール850部に対して、脱イオン水25.5部を加え、80℃に昇温した後、粗製ポリオール中の水酸化カリウム1モルに対して、1.03モルに相当する75(w/w)%のリン酸水溶液を添加し、同温度にて2時間攪拌した。次いで、粗製ポリオール100部に対して、酸化防止剤(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)を0.05部添加し、減圧しながら脱水を行った。内圧が250kPaになった時に、粗製ポリオール100部に対して、吸着剤(協和化学工業社製、商品名:KW−700SEN)を0.3部添加し、減圧脱水を継続した。最終的に、窒素を液相にバブリングしながら、110℃、1kPa以下の条件で、ポリオールの水分が200ppm以下になるまで減圧脱水を行った。その後、加圧ろ過を行い、ポリオキシアルキレンポリオールを回収した。得られたポリオキシアルキレンポリオール(以下、ポリオールAと略す)の水酸基価は56.4mgKOH/g、オキシエチレン基の含有量は75質量%であった。
<実施例1>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
窒素雰囲気下、攪拌機が装着された反応機に、483.0部のポリエチレングリコール(東邦化学工業社製、商品名:PEG4000、水酸基価:33.0mgKOH/g)、121.1部の上記調製例1で得られたポリオールA、及び2.9部の(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)を添加し、80℃で1時間溶解した。次いで、233.4部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製、商品名:コスモネートPH)を添加し、80℃で4時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(以下、プレポリマーと略す)を合成した。
得られたプレポリマーを80℃に調整し、予め110℃で溶解した140.0部のビスヒドロキシエトキシベンゼン(三井化学ファイン社製、商品名:BHEB)を添加し、気泡が混入しないよう十分に攪拌した。次いで、予め170℃に調整したテフロン(登録商標)でコートされた容器に、得られた混合液を素早く注入し、同温度にて1時間反応させた。反応後、120℃に調整した別のオーブンに該容器を移し替え、同温度にて23時間反応させて、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た後、得られた樹脂を粉砕した。粉砕した熱可塑性ポリウレタン樹脂のオキシエチレン基の含有量は59質量%、ハードセグメント濃度は38質量%であった。結果を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−1)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)5部と、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)5部を、口径30mmの同方向回転式二軸押出機(池貝社製、商品名:PCM30)に定量フィードすることにより、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。尚、押出機の設定温度は180〜215℃の範囲とした。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.3部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)5.0部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)8.8部を、口径30mmの同方向回転式二軸押出機(池貝社製、商品名:PCM30)に定量フィードすることにより、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。尚、押出機の設定温度は180〜215℃の範囲とした。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物88.2部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット7.8部を、タンブラーを用いてブレンドした。その後、得られたブレンド樹脂を除湿乾燥器に入れて、90℃、20時間乾燥し、単軸押出機によりペレット状に成形し、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−1)のペレットを得た。尚、押出機の設定温度は、ホッパーからダイの先端にかけて、180〜215℃の範囲とした。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−1)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
尚、表1中の(B)滑材及び(C)安定剤量は、組成物全体における「質量%」に換算して表記したものであり、上記[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]にて使用した(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)は表1中の(c−1)ヒンダードフェノール系化合物に含まれている。
[透湿性フィルムの製造]
除湿乾燥機と連結した幅800mmのTダイを装着した口径50mmの単軸押出機、及びテフロン(登録商標)加工した巻取り機により、離型紙を連続的に供給しながら、離型紙上に熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−1)のフィルムを成形し、巻き取りを行った。押出機の設定温度はホッパーからダイの先端にかけて、200〜220℃の範囲とした。
得られたフィルムについて各種測定評価を実施し、その厚み、透湿度、軟化温度、水膨潤度、100%モジュラス(M100)、引張強度(TS)、破断伸び(EL)、紫外線照射30時間後の破断伸びの保持率、及び、成形安定性を、表2に示す。
Figure 0005129486
Figure 0005129486
<実施例2>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PEG2000」とは、「東邦化学工業社製、商品名:PEG−2000、(水酸基価:55.7mgKOH/g)」を示す。また、「EG」とは、「三井化学社製、エチレングリコール」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−2)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:AO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−2)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−2)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−2)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<実施例3>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−3)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスO)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.2部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン234)4.9部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)8.9部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.0部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット11.0部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−3)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−3)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−3)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<実施例4>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PEG6000」とは、「東邦化学工業社製、商品名:PEG−6000、(水酸基価:13mgKOH/g)」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−4)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:AO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−4)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−4)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−4)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<実施例5>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−5)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:AO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−5)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−5)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−5)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<実施例6>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PEG14000」とは、「東邦化学工業社製、商品名:PEG−14000、(水酸基価:6.5mgKOH/g)」、「SHP2550」とは、「三井化学ポリウレタン社製、商品名:SHP−2550、(水酸基価:21.2mgKOH/g)」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−6)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:AO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−6)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−6)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−6)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例1>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「1,4−BD」とは、「三菱化学社製、1,4−ブタンジオール」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−7)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−7)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−7)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−7)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例2>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PEG1000」とは、「東邦化学工業社製、商品名:PEG1000(水酸基価:115mgKOH/g)」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−8)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−8)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−8)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−8)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例3>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PCL220」とは、「ダイセル化学工業社製、商品名:PLACCEL 220(水酸基価:56.4mgKOH/g)」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−9)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−9)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−9)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−9)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例4>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−10)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−10)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−10)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−10)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例5>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−11)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1076)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−11)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−11)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−11)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例6>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−12)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスO)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
[安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン234)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物94.5部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット1.5部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−12)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−12)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−12)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例7>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−13)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスO)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)20部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物92.6部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット3.4部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−13)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−13)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−13)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例8>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−14)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスO)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)10部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン234)10部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物89.2部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット6.8部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−14)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−14)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−14)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例9>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−15)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)5.0部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスO)5.0部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)10部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)10部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物89.2部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット6.8部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−15)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−15)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−15)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例10>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−16)の製造]
〔安定剤マスターペレットの製造〕
熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン234)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物89.9部と、安定剤マスターペレット10.1部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−16)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−16)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−16)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例11>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−17)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスE)10部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン234)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物87.7部と、滑剤マスターペレット2.0部、安定剤マスターペレット10.3部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−17)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−17)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−17)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<比較例12>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「PEG8000」とは、「平均分子量8,000のポリエチレングリコール」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−18)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−18)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−18)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−18)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムの成形を行ったが、フィルムを得ることはできなかった。
<比較例13>
[(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造]
表1に示す処方により、実施例1に記載の方法に従い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性等を表1に示す。尚、表1において、「DEG」とは、「三菱化学社製、ジエチレングリコール」を示す。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−19)の製造]
〔滑剤マスターペレットの製造〕
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物90部と、滑剤(b−1)として飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスL)2.4部、滑剤(b−2)として不飽和脂肪酸ビスアミド(日本化成社製、商品名:スリパックスR)7.6部を用いて、実施例1に記載の方法に従い、滑剤を10質量%含む滑剤マスターペレットを得た。
〔安定剤マスターペレットの製造〕
更に、熱可塑ポリウレタン樹脂の粉砕物80部と、(c−1)ヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブAO−80)6.7部、(c−2)ベンゾトリアゾール系化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン328)6.7部、(c−3)ヒンダードアミン系化合物(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブLA−52)6.7部を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い、安定剤を20質量%含む安定剤マスターペレットを得た。
〔組成物の製造〕
引き続き、熱可塑性ポリウレタン樹脂の粉砕物85.8部と、滑剤マスターペレット4.0部、安定剤マスターペレット10.2部を使用した以外は、実施例1記載の方法に従い、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−19)のペレットを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−19)における添加剤処方及び物性等を表1に示す。
[透湿性フィルムの製造]
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(TPU−19)を用いて、実施例1に記載の方法に従い、透湿性フィルムを成形した。得られた透湿性フィルムにつき、各種の測定評価を行った結果を表2に示す。
<結果のまとめ>
表2に示されるように、実施例1〜6と比較例4〜8との比較により、特定量の特定構造を有するハードセグメント、特定量のオキシエチレン基を含むソフトセグメントを有する(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂を含み、特定範囲の重量平均分子量を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が、透湿性、及び耐熱性に優れることは明らかである。
また、実施例1〜6と比較例9〜11との比較により、3種の特定の(C)安定剤を含む熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が耐光性に優れることが明らかである。また、実施例1〜6及び比較例10、11の比較により、特定量の(B)滑材を含む熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が成形安定性に優れることが明らかである。
また、実施例1〜6と比較例12、13との比較により、特定量の特定構造を有するハードセグメント、特定量のオキシエチレン基を含むソフトセグメントを有する(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂を含み、特定範囲の重量平均分子量を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が、成形性、及び、耐熱性に優れることは明らかである。
以上より、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、有機溶剤を実質的に含有せず、優れた透湿性、耐熱性、及び耐光性の全てをバランスよく兼ね備えたフィルムを与えることが明らかである。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、透湿性、耐熱性、及び耐光性に優れ、且つ、実質的に無溶剤にて熱成形が可能となることから、例えば、紙おむつ等の衛生材料、キズバンド、手術用衣料、手袋等のメディカル、スポーツ用衣料、テント等の材料、食品等の包装材料等に好適に使用することができる。更に、本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を、厚みが2mm程度のシートに成形すれば、透湿性が要求される各種部材に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. ハードセグメントとソフトセグメントとを含む(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び、(C)安定剤を含む組成物であって、
    前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるハードセグメントの含有量は、35質量%以上50質量%以下であり、
    前記ハードセグメントは、(a1)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと(a2)芳香環を有するグリコールを少なくとも30質量%含む鎖延長剤とから構成されるセグメントを含み、
    前記ソフトセグメントは、オキシエチレン基を有する(a3)高分子量ポリオールを構成材料として含み、
    前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂における前記オキシエチレン基の含有量は、40質量%以上65質量%以下であり、
    前記(C)安定剤は、(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物を含み、
    前記(A)熱可塑性ポリウレタン樹脂、(B)滑剤、及び、(C)安定剤の質量配合比((A):(B):(C))は、95.4〜98.4:0.1〜0.7:1.5〜3.9であり、
    前記組成物の重量平均分子量は、1.00×10以上3.50×10以下である熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記(a2)芳香環を有するグリコールは、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記(B)滑剤は、(b1)飽和脂肪酸エステル及び飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上、及び、(b2)不飽和脂肪酸エステル及び不飽和脂肪酸アミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上を含むものである請求項1又は2記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記(c1)ヒンダードフェノール系化合物、(c2)ベンゾトリアゾール系化合物、及び、(c3)ヒンダードアミン系化合物の質量配合比((c1):(c2):(c3))は、24〜55:12〜45:25〜64である請求項1からいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項1からいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなり、無溶媒で熱成形されてなる透湿性フィルム。
  6. 請求項1からいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を無溶剤で熱成形して得られる透湿性フィルムであって、
    厚み20μmでのJIS L−1099記載のB1法による透湿度が80,000(g/m・24h)以上であり、
    厚み20μmでの熱機械分析による軟化温度が160℃以上であり、
    厚み20μmでの紫外線カーボンアークランプによる耐光性試験30時間後の破断伸びが、耐候性試験前の破断伸びと比較して、保持率60%以上である透湿性フィルム。
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