JP2001002752A - 難燃性ポリウレタン発泡シートおよび該シートを用いた合成皮革 - Google Patents
難燃性ポリウレタン発泡シートおよび該シートを用いた合成皮革Info
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Abstract
ポリウレタン発泡シートを提供すること。 【解決手段】 分子量1500〜2500のポリオキシ
アルキレングリコールとジブロモネオペンチルグリコー
ルからなる数平均分子量700〜1250を有するグリ
コール混合物に、過剰量のジイソシアネートを反応さ
せ、末端にイソシアネート基を有し、且つ、そのイソア
ネート基の含有率が4〜6重量%になるプレポリマーと
し、当該プレポリマーを、触媒および整泡剤の存在下、
ポリオキシアルキレントリオールおよび大気中の水分と
反応させ、硬化させて得た難燃性ポリウレタン発泡シー
ト、ならびに当該難燃性ポリウレタン発泡シートを、銀
面層の一部として用いたことを特徴とする合成皮革であ
る。
Description
ン発泡シート、および当該発泡シートを銀面層の一部と
して使用した合成皮革に関する。
いる難燃性の人工皮革や合成皮革は、一般に、皮革を構
成する繊維基材層のみを難燃性としているか、若しくは
ポリウレタン樹脂中に難燃剤を練り込むか、あるいは樹
脂溶液中に難燃剤を溶解し含有させて難燃性が付与され
ていた。このような難燃性の付与手段にあっては、樹脂
中に練り込まれた難燃剤が、経時的変化により合成皮革
の表面側に徐々に移行し、皮革の風合いを変化させるば
かりでなく、難燃剤によりベタツキが発生し、問題にさ
れることもあった。
組込み、難燃化する方法があるが、一般的に高分子材料
中に難燃剤成分を組込み難燃化することは難しく、特
に、燐酸エステル系の難燃剤を用いた場合には、組込ま
れた難燃剤による加水分解で高分子材料の分子量低下が
生じ易く、種々の問題点が内在している。
野では、長期に亘って安定した強度物性と、難燃性を保
証できる難燃化システムの開発が求められており、特に
ポリウレタン発泡シートを銀面層の一部として使用した
人工皮革や合成皮革については、安定した難燃性の付与
方法が強く求められていた。
人工皮革や合成皮革の銀面層中で最大の樹脂比率を占め
る発泡層用のポリウレタン樹脂について、効率的、かつ
安定な難燃化方法に基づく、難燃性ポリウレタン発泡シ
ートを提供することを課題とする。
革として、難燃剤を含有する多孔質樹脂層(多孔質樹脂
シート)を、いわゆる湿式法により製造する場合には、
難燃剤が溶媒とともに水中へ溶出するばかりでなく、疎
水性が一般的に強くなるため、樹脂の凝固速度に遅れを
来たし、好ましい人工皮革としての多孔質構造を形成す
ることはできない。これに対し、いわゆる乾式法により
製造された難燃剤を含有する発泡ポリウレタンシートを
有する合成皮革は、製造上の問題点も極めて少なく、得
られた製品は柔軟性ならびに低温特性に優れ、湿式法に
よる合成皮革に匹敵する風合いを、容易に提供すること
が可能なものである。
レタン発泡樹脂シートの難燃化について鋭意研究した結
果、ポリウレタン発泡層樹脂の主材料であるグリコール
成分中に、同じグリコール系の難燃剤であるジブロモネ
オペンチルグリコールを化学的に組込むこと、すなわ
ち、樹脂の主鎖骨格中に難燃剤を化学的に組込んだプレ
ポリマーを得ることに成功し、その結果、かかるプレポ
リマーより得られた難燃性ポリウレタン発泡シートにあ
っては、難燃剤がその表面に全くブリードアウトしない
ものであることを確認し、本発明を完成させるに至っ
た。
分子量1500〜2500のポリオキシアルキレングリ
コールとジブロモネオペンチルグリコールからなる数平
均分子量700〜1250を有するグリコール混合物
に、過剰量のジイソシアネートを反応させ、末端にイソ
シアネート基を有し、且つ、そのイソアネート基の含有
率が4〜6重量%になるプレポリマーとし、当該プレポ
リマーを、触媒および整泡剤の存在下、ポリオキシアル
キレントリオールおよび大気中の水分と反応させ、硬化
させて得た難燃性ポリウレタン発泡シートを提供する。
燃性ポリウレタン発泡シートを、銀面層の一部として使
用した合成皮革をも提供する。
タンの樹脂成分であるグリコールとして、特定の分子量
を有するポリオキシアルキレングリコールと、同じグリ
コール系の難燃剤であるジブロモネオペンチルグリコー
ルとにより、特定数平均分子量を有する混合グリコール
を得、この混合グリコールを過剰量のジイソシアネート
を反応させることにより、末端にイソシアネート基を有
し、且つ、そのイソアネート基の含有率が4〜6重量%
になるプレポリマーとなし、得られたプレポリマーを、
乾式法により、触媒および整泡剤の存在下、ポリオキシ
アルキレントリオールおよび大気中の水分と反応させ、
硬化させて得た難燃性ポリウレタン発泡シートを提供す
るものである。
して、比較的効果の優れているものに、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等のハロゲン置換体が知られてい
る。しかしながら、近年ハロゲン化芳香族化合物による
環境問題が一部で指摘されており、より安全なものの使
用が求められている。
ブロモビスフェノールA,テトラブロモビスフェノール
S、オクタブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモ
シクロドデカン、ペンタブロモトルエン等があり、これ
らは、ポリウレタン樹脂用の難燃剤としては極めて効果
的である。しかしながら、これらの難燃剤は何れも常温
で個体であり、ポリプロピレングリコール等との混和性
に欠けるため、樹脂成分中に練り込み含有させることは
できない。したがって、プレポリマー樹脂骨格中へ化学
的に組込むか、或いはプレポリマー溶液中に溶解させ含
有させなければならないが、これらの難燃剤は溶解性が
著しく悪いほか、一部のものには環境汚染物質との類似
物であると指摘されていることあり、これらの点を総合
すると、本発明の目的に使用することは好ましいものと
はいえない。
として、ジブロモプロピルアルコール、トリブロモネペ
ンチルアルコール等のアルコール系難燃剤が良く知られ
ている。しかしながらこのものはモノアルコールである
ために、高分子化反応においては反応停止剤として作用
し、樹脂組成物に十分な物性が得られない。
反応性難燃剤の中で、ポリウレタン樹脂の主鎖骨格中に
化学的に組込んでも何等物性を低下させず、優れた物性
を提供することができる短鎖グリコール系難燃剤とし
て、ジブロモネオペンチルグリコールを選択し、樹脂の
主鎖骨格であるポリオキシアルキレングリコール中に同
じグリコール系の難燃剤を化学的に組込んだプレポリマ
ーより得られた難燃性ポリウレタン発泡シートは、極め
て良好なものであることを見出したのである。したがっ
て本発明は、グリコール成分に化学的に組込まれる難燃
剤として、特に同じグリコール系の難燃剤であるジブロ
モネオペンチルグリコールを選択した点に特徴を有する
ものである。
は、臭素原子を有しないネオペンチルグリコールに比較
して、融点が約20℃程度低温側にシフトしている。こ
のことからすると、ジブロモネオペンチルグリコールの
使用は、樹脂の凝集力を一見低下するものと判断されが
ちであるが、実際には特別な原料組成および反応条件を
設定することにより、通常の短鎖グリコールと同様に使
用することができることが判明した。
コール自身の融点が100℃以上であり、またポリオキ
シアルキレングリコールとの相溶性も無溶媒下では著し
く悪いため、ジイソシアネートとの反応によるプレポリ
マーの製造にあっては、加熱操作を加えるか、あるいは
溶媒を併用することが必要であり、特に溶媒の併用が必
要である。
応によるプレポリマーの製造において、グリコール成分
を融点以上に加熱することは、ウレタンプレポリマー合
成時の安定性を著しく低下させ、熱による酸化劣化を誘
発しやすい。したがって、やむを得ず加熱反応させる場
合は、酸化防止剤を併用するのが好ましい。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−
エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,3,5−トリメチル−2,4,6トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)1,3,5−トリアジン、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート等が挙げられる。またこの場合の酸
化防止剤の添加量は、ポリウレタン樹脂100重量部当
たり、0.3ないし3.0部程度の範囲が好ましい。な
お、ここでポリウレタン樹脂100重量部とは、プレポ
リマーおよび架橋剤であるポリオキシアルキレントリオ
ールとの合計されたものと定義する。この際、雰囲気中
の水分と反応し、二酸化炭素が放出されることによる重
量の増減は考慮しないものとする。
イソシアネートとの反応によるプレポリマーの合成は、
溶媒の併用、特に、活性水素を含有しない溶媒との併用
が最も好ましい実施態様となる。
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ノ
ルマルヘキサン、リモネン、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルホルムアミド、シクロヘキサノン、テトラヒドロ
フラン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられ
る。得られるプレポリマーの安定性の点から考慮する
と、疎水性の高沸点溶媒が好ましく、トルエン、キシレ
ンおよび天然系溶媒であるリモネンが好ましく、なかで
もリモネンの使用が環境対策上の観点で最も好ましい。
ルキレングリコールとしては、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリ
オキシエチレングリコールが使用可能であるが、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコールが好ましく、単独若しくは混合物、さらには
共重合体を使用することができる。
ングリコールの単体、若しくはポリオキシプロピレング
リコールとポリオキシテトラメチレングリコールとの混
合物若しくは共重合物においてポリオキシプロピレング
リコールの含有率の高いものが好ましい。前記共重合体
はブロック共重合体でもあっても、またランダム共重合
体であってもよい。
の分子量としては、1500〜2500の範囲が好まし
い。分子量が1500以下のポリオキシアルキレングリ
コールでは破断時伸度が小さくなり、一方、分子量が3
000以上のものでは破断強度が小さくなる。
グリコール系難燃剤であるジブロモネオペンチルグリコ
ールとからなる混合物グリコールにあっては、その数平
均分子量が強度物性および難燃性に関係することが判明
した。ポリウレタン樹脂の適正な強度範囲を考慮する
と、混合グリコールの数平均分子量の範囲としては、7
00〜1200が好ましく、特に800〜1100が好
ましい。
プレポリマーを合成する場合に使用されるジイソシアネ
ート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、2,4−/2,6−トルエンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、ノルボネンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート等が挙げられる。そのなかで
も、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが反
応性、物性等の点から考慮して、最も好ましい。
ブロモネオペンチルグリコールとの混合グリコールと、
ジイソシアネートとの反応によるプレポリマーの合成
は、いわゆるワンショット法で、各反応物を一括して反
応容器内へ仕込み、反応を行ってもよいし、或いは、各
グリコール成分を個別的にジイソシアネートと反応さ
せ、末端イソシアネート基含有プレポリマーを合成した
後、混合してもよい。
使用量は、全樹脂100重量部当たり、5〜20部程度
の範囲が好ましく、溶媒量が多すぎると粘度低下が著し
く、雰囲気中の水分を取り込み難くなり、発泡性が低下
する。また、溶媒量が少なすぎると、プレポリマーの粘
度が必要以上に高くなるばかりかプレポリマーの貯蔵安
定性が低下するとともに、発泡倍率の制御が難しくな
り、形成されるポリウレタン発泡シートの表面平活性が
低下することが判明した。
含有される水分と、ジイソシアネート化合物との反応量
を無視できる水準まで低下せしめるために、予め脱水し
た溶媒を使用するか、あるいは溶媒の水分量を測定し、
その水分量に見合った分の脱水剤、例えばモノイソシア
ネート化合物を添加してもよい。
に限定できず、室温〜100℃程度が好ましく、室温に
て容器内へ所定量を仕込み、その後徐々に昇温していく
ことが最も好ましい。乾燥空気、乾燥窒素ガス、若しく
は乾燥炭酸ガスの雰囲気下に、還流冷却器等を設置した
反応設備を用いるのが好ましい。
れるポリオキシアルキレントリオールは、グリセリン等
の分子内に少なくとも3個の水酸基を有する化合物にプ
ロピレンオキサイドを付加した後、さらにエチレンオキ
サイドを付加したものが、反応性および物性の点から好
ましい。これらの化合物の分子量は、3000〜900
0程度が好ましく、さらに好ましくは5000〜800
0の範囲内のものである。
用量は、プレポリマーの中のイソシアネート基含有率換
算で、その含有率を0.5〜1.0重量%減少させる量
を用いるのが好ましい。イソシアネート基含有率を0.
5重量%以下に減少させる量の使用では、プレポリマー
が発泡するものの、硬化が遅れ、しかも得られた発泡樹
脂に十分な物性が付与されない。また一方、1.0重量
%を越えるよう減少させる量を使用した場合は、得られ
た樹脂は強度的にはかなり満足できるものの、優れた発
泡状態は得られない。
に使用できる触媒としては、ジブチル酸化錫、ジブチル
錫ジラウレート、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、トリ
エチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルヘ
キサメチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エ
チルモルホリン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメ
チルジエチレントリアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等を挙げることができ
る。かかる触媒の使用量としては、ポリウレタン樹脂1
00重量部当たり、0.08〜0.35部程度の範囲で
あることが好ましい。
雰囲気中の水分を吸収し易くするために、ポリウレタン
プレポリマー混合液中に水分吸収を促進させるために、
吸湿剤を配合しておくことは極めて効果的である。かか
る吸湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコールノ
ニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリ
ルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレン
グリコール共重合体、ジオクチルコハク酸ナトリウム、
ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の界
面活性剤の類が挙げられる。これらの吸湿剤の添加量
は、ポリウレタン樹脂100部当たり、0.5〜2.0
部程度である。
泡状態を達成するために、ポリウレタンフォームの製造
技術では、一般的な、シリコーン系の整泡剤の併用がこ
の場合でも必要である。例えば、ポリエチレングリコー
ル/ポリプロピレングリコール変性ポリジメチルシロキ
サン等である。その使用量は、ポリウレタン樹脂100
重量部当たり、0.5〜3.0部程度の範囲である。
に、必要に応じて顔料、防黴剤、紫外線吸収剤、ブロッ
キング防止剤、加水分解防止剤、香料、染料、無機系充
填剤、抗菌剤等を、本発明の趣旨を損なわない範囲で添
加してもよい。
をさらに向上させるために、トリス(2,3−ジブロモ
プロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)
ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホ
スフェート、塩素化ポリエチレン、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリ
エチルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート等
を、ポリウレタン樹脂100重量部当たり、5〜20部
程度添加することもできる。
等を添加したプレポリマーは、適宜の混合機にて空気と
混合され、コーティング液とされ、例えば離型紙上にコ
ーティングされ、硬化反応によりポリウレタン発泡シー
トとされる。
ン発泡シートは、その厚みが0.2〜1.0mm程度の
範囲で、極めて均一なシートとなる。厚みが1.0mm
を越す場合には、雰囲気中の水分がコーディングされた
混合物の中に均一に取り込まれず、発泡はするものの表
面平滑性はかなり劣るものとなる。厚みが0.2mmを
下回る場合は、混合吐出の性能にもよるが、一般的には
微細な発泡セルを形成することができない。
保つため、強制的に超音波を利用した加湿器を使用する
ことが好ましい。また、高温水蒸気を直接乾燥、キュア
オーブン内に供給しても差し支えない。
ことで、ポリウレタン発泡樹脂のモジュラス、抗張力、
破断伸度、ガラス転移温度、軟化温度等の物理的性質が
変化することが多いため、難燃剤の選定には、これらの
点を十分に考慮する必要がある。特に、ある特定の難燃
剤の添加では可塑化効果が大きくでることもあり、その
可塑化効果を考慮して、本発明の最終的な樹脂組成を決
定していくことが肝要である。
説明するが、これらによって、本発明の技術的範囲は、
何等制限されるものではない。
ジブロモネオペンチルグリコールより、数平均分子量9
00の混合グリコールを得て、この混合グリコールに、
生成されるプレポリマーの末端イソシアネート基含有率
が5.0重量%となるような量の4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、および酸化防止剤としてイル
ガノックス1136(チバスペシャルティケミカルズ社
製)を全ポリウレタン樹脂100重量部当たり0.5部
加えた。さらに、溶媒としてプレポリマーの固形分を8
6重量%となる量のキシレンを併用し、85℃で4時間
窒素ガス雰囲気下、還流冷却器付きセパラブルフラスコ
中でプレポリマーを合成した。
リマーに、末端が一級の水酸基を有するグリセリン/プ
ロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイド付加物で
あり、分子量が6000を有するポリオキシアルキレン
トリオールを、計算上で前記イソシアネート基含有率を
1.0重量%減少させる量に相当する量を加えた。
対して0.25重量%に相当する量のジブチル錫ジラウ
レート、0.05重量%に相当する量のN−エチルモル
ホリン、さらに1.0重量%に相当する量のポリエチレ
ングリコール/ポリプロピレングリコール変性シリコー
ン系整泡剤をそれぞれ添加した後、温度25℃、湿度6
0%の雰囲気下で、4枚羽攪拌機を使用し、1500回
転で90秒間攪拌し、コーティング混合液を得た。
紙上に0.3mmの厚さで塗布し、110℃の強制加湿
オーブン内にて2分間反応させた。この結果、密度0.
38g/cm3の均質な発泡シートが得られた。このも
のは、水平式燃焼試験(FMVSS−302)で、燃焼
時間9秒、燃焼距離23mmであった。
ス(モノクロロプロピル)ホスフェートを、溶液100
重量部に対して10部添加し、実施例1と同様な条件で
攪拌してコーティング混合液を得た。このものを離型紙
上に表皮層として塗布し、110℃の強制加湿オーブン
に通した後、乾燥させて0.25mmの発泡シートを形
成した。このシートを、2液型ポリウレタン系接着剤に
より、難燃性ポリエステル繊維製基布と張り合わせ、合
成皮革となした。
格にて試験した結果、十分に満足したものであった。な
お、発泡シートのみの水平式燃焼試験結果は、燃焼時間
0秒であり、燃焼距離0mmであった。
オペンチルグリコール(実施例1で使用した難燃剤にお
いて、臭素を水素に置換したもの)を混合し、数平均分
子量800を有する混合グリコールを得た。この混合グ
リコール100重量部に対してテトラブロモビスフェノ
ールSを1部添加して、以下実施例1と同様にしてプレ
ポリマーを合成した。得られたプレポリマー溶液は白濁
しており、完全にテトラブロモビスフェノールSが溶解
していないことを示した。なお、このプレポリマー溶液
を実施例1と同様に処理してコーティング混合液を作成
し、発泡シートを得た。その難燃性を測定した結果は、
燃焼時間0秒、燃焼距離0mmと極めて良好なものであ
った。
Sに代えて、ヘキサブロモシクロドデカンを使用し、同
様にプレポリマーを合成した。得られたプレポリマー溶
液は、比較例1と同様にヘキサブロモシクロドデカンが
完全に溶解されず、不均一な溶液であった。なお、この
プレポリマー溶液についても実施例1と同様に処理し、
発泡シートを製造した。得られた発泡シートは、良好な
難燃性を有していた。
エチルフホスホナイトとポリプロピレングリコール(分
子量:1982)により数平均分子量1250を有する
混合グリコールを得た。次いで、トルエンを溶媒とし
て、この混合グリコールを4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートにより、イソシアネート基含有率4.
7重量%のプレポリマーの合成を試みたが、凝固物と多
量の沈殿物が発生し、目的とするプレポリマーを製造す
ることはできなかった。
ン発泡樹脂シートの難燃化について、ポリウレタン発泡
層樹脂の主材料であるグリコール成分中に、同じグリコ
ール系の難燃剤であるジブロモネオペンチルグリコール
を化学的に組込んだプレポリマーを製造し、かかるプレ
ポリマーより、効率的かつ簡便に難燃性ポリウレタン発
泡シートを得ることができる。
に全くブリードアウトしないものであり、湿式法により
得られた合成皮革や人工皮革に匹敵する風合いを有する
ものであり、したがって、人工皮革や合成皮革の銀面層
中で最大の樹脂比率を占める発泡層用のポリウレタン樹
脂について、効率的、かつ安定な難燃化方法に基づく、
難燃性ポリウレタン発泡シートを提供することができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 分子量1500〜2500のポリオキシ
アルキレングリコールとジブロモネオペンチルグリコー
ルからなる数平均分子量700〜1250を有するグリ
コール混合物に、過剰量のジイソシアネートを反応さ
せ、末端にイソシアネート基を有し、且つ、そのイソア
ネート基の含有率が4〜6重量%になるプレポリマーと
し、当該プレポリマーを、触媒および整泡剤の存在下、
ポリオキシアルキレントリオールおよび大気中の水分と
反応させ、硬化させて得た難燃性ポリウレタン発泡シー
ト。 - 【請求項2】 プレポリマーに対するポリオキシアルキ
レントリオールの使用量が、当該末端イソシアネート基
を0.5〜1.0重量%減少させるのに必要な量である
請求項1記載の難燃性ポリウレタン発泡シート。 - 【請求項3】 混合グリコールとジイソシアネートとの
反応によるプレポリマーの製造を、リモネンを溶媒とし
て行う請求項1記載の難燃性ポリウレタン発泡シート。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性
ポリウレタン発泡シートを、銀面層の一部として用いた
ことを特徴とする合成皮革。
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---|---|---|---|
JP16926699A JP4030230B2 (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 難燃性ポリウレタン発泡シートおよび該シートを用いた合成皮革 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001002752A true JP2001002752A (ja) | 2001-01-09 |
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