JP2005126595A - ポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなるホットメルト接着剤 - Google Patents

ポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなるホットメルト接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温条件下でも溶融粘度が低下するため、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れ、ホットメルト接着剤として有用なポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱可塑性のポリウレタン樹脂組成物の溶融粘度が100,000Pa・sとなる耐熱温度(Ta)が90〜140℃の範囲であり、溶融粘度が30Pa・sとなる接着可能温度(Tb)が130〜180℃の範囲であり、且つTb−Taが10〜60℃の範囲であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な熱可塑性のポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなるホットメルト接着剤に関する。更に詳しくは、加工可能温度が低く、ラミネート時の作業性に優れ、且つ加工後のラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れる新規な熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなるホットメルト接着剤に関する。
従来、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、機械強度、弾性などの優れた特性を有していることから接着材料、成形材料、合成皮革、人工皮革、表面処理剤、塗料、フィルムなど広範囲の用途に利用されている。
特にホットメルト接着剤として用いた場合にポリウレタン樹脂の持つ弾性により、ソフトで風合いの良い感触が得られることから、繊維やシート等の接着加工に主に用いられている。
しかしながら、ポリウレタン樹脂の従来の製造方法では、得ようとする樹脂の耐熱性が高くなるように原料の配合を設定すると、溶融時の粘度が高くなり過ぎてラミネート時の作業性が悪化するという弊害があり、逆に溶融時の粘度が低くなるように原料の配合を設定すると、加工後のラミネート物の耐熱性や耐洗濯性が悪化するという問題があった。
このような問題に対して、低温でも溶融可能な熱可塑性ポリウレタン樹脂を主体とした接着剤として用いられる、高分子ジオール、ジイソシアネート化合物、及び鎖伸長剤の反応により得られる流動開始温度が80℃以上150℃以下の熱成形可能なポリウレタン樹脂(例えば、特許文献1。)が提案されている。しかしながら、かかるポリウレタン樹脂を用いてなるホットメルト接着剤は、従来のものより幾分改良されてはいるが、未だ加工可能温度が高くラミネート時の作業性に劣るものであり、ラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に劣るという問題を有していた。
特開2000−336142号公報(第2頁特許請求の範囲〜第4頁左欄段落0023)
本発明の目的は、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるポリウレタン樹脂を用いてなるポリウレタン樹脂組成物であり、比較的に低温条件下でも溶融粘度が低下するため、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れる、ホットメルト接着剤として有用なポリウレタン樹脂組成物を提供することであり、また、当該ポリウレタン樹脂組成物を用いてなるホットメルトポリウレタン接着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるポリウレタン樹脂を用いてなるポリウレタン樹脂組成物において、当該ポリウレタン樹脂組成物が特定範囲の耐熱温度(Ta)と特定範囲の接着可能温度(Tb)を有しており、且つ接着可能温度と耐熱温度の差(Tb−Ta)が10〜60℃の範囲であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物を用いることにより、加工可能温度が低くラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れる新規な熱可塑性ウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなるホットメルト接着剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるポリウレタン樹脂を用いてなるポリウレタン樹脂組成物であり、当該ポリウレタン樹脂組成物の溶融粘度が100,000Pa・sとなる耐熱温度(Ta)が90〜140℃の範囲であり、溶融粘度が30Pa・sとなる接着可能温度(Tb)が130〜180℃の範囲であり、且つTb−Taが10〜60℃の範囲であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記ポリウレタン樹脂組成物を用いてなるホットメルトポリウレタン接着剤を提供するものである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、加工可能温度が低く、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れ、特にホットメルトポリウレタン接着剤として有用である。
本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。
先ず、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、熱可塑性のポリウレタン樹脂を主成分とする組成物であり、当該ポリウレタン樹脂がポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるものである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、溶融粘度が100,000Pa・sとなる耐熱温度(Ta)と、溶融粘度が30Pa・sとなる接着可能温度(Tb)とを有する。
尚、本発明でいう耐熱温度(Ta)及び接着可能温度(Tb)の測定値は、本発明のポリウレタン樹脂組成物を用い作成したポリウレタンフィルムについて、高化式フローテスター(島津製作所製)にて後述する条件にて測定し得られる値である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物の耐熱温度(Ta)は、好ましくは90〜140℃の範囲である。耐熱温度がかかる範囲であれば、ラミネート物の耐熱性、耐洗濯性に優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物の接着可能温度(Tb)は、好ましくは130〜180℃の範囲である。接着可能温度がかかる範囲であれば、低温条件下でのラミネート加工性に優れる。
更に、前記ポリウレタン樹脂組成物の耐熱温度(Ta)と接着可能温度(Tb)の差(即ちTb−Ta)は、好ましくは10〜60℃の範囲である。Tb−Taがかかる範囲であれば、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の耐熱性、耐洗濯性に優れるホットメルト接着剤が得られる。尚、本発明においては、Tb>Taの関係にある。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られる熱可塑性のポリウレタン樹脂を用いてなり、当該ポリオールは分子量400〜800の範囲の高分子量ポリオール及び鎖伸長剤としての分子量が60〜140の範囲の低分子量ポリオールとを併用してなる。
また、前記ポリイソシアネート構成単位のポリウレタン樹脂に対する含有率は、好ましくは30〜40%の範囲である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物において、前記の如く、高分子量ポリオールの分子量は400〜800の範囲であり、且つポリイソシアネ−ト構成単位のポリウレタン樹脂に対する含有率は30〜40%の範囲であることが好ましい。高分子量ポリオールの分子量及びポリイソシアネ−ト構成単位の含有率がかかる条件に設定されれば、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の耐熱性、耐洗濯性に優れるホットメルト接着剤が得られる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物において、低分子量ポリオール構成単位のポリウレタン樹脂に対する含有率が、1〜10%の範囲であることが好ましい。低分子量ポリオール構成単位の含有率をかかる範囲に設定すれば、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の耐熱温度が目標範囲であるホットメルト接着剤を得ることができる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜100,000の範囲であり、より好ましくは20,000〜30,000の範囲である。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量がかかる範囲であれば、樹脂の強度、伸び等の特性やラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の耐熱性に優れるホットメルト接着剤を得ることできる。
前記ポリウレタン樹脂の製造に用いる高分子量ポリオールとは、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトリオール、ソルビトール、メチルグリコシドなどの多価アルコールの1種又は2種以上とコハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの多塩基酸あるいは酸無水物の1種または2種以上との縮合物などが挙げられる。
また、前記ポリオールを開始剤とするγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどの開環重合物やポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールなども挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリオール及びポリアミンの1種又は2種以上を開始剤とするエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの単独あるいは2種以上の開環重合物などが挙げられる。
前記ポリエステルエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの1種又は2種以上から選ばれるポリオールの共重合物などが挙げられる。
本発明で用いる分子量が60〜140の低分子量ポリオールとしては、イソシアネート基と反応する基を2個以上有する低分子量の化合物であって、低分子量ポリオール、低分子量アルカノールアミン及びこれらの混合物などが挙げられ、更に低分子量ポリアミンも用いることができる。
前記低分子量ポリオール、低分子量アルカノールアミン、及び低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグリコシドなどのポリオール、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,N’−ジアミノピペラジン、2−メチルピペラジン、4,4’ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ジアミノベンゼン、ジフェニルメタンジアミン、メチレンビスジクロロアニリンなどのポリアミンの1種又は2種以上の混合物が使用できる。これらの中で、グリコール類が好ましく、より好ましくは直鎖グリコールであり、特に好ましくは1,4−ブタンジオールである。
本発明で用いるポリイソシアネートとは、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂肪族あるいは脂環族ジイソシアネート類、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシネート、カルボジイミド基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくはジフェニルメタンジイソシアネートである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に用いる熱可塑性のポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られ、公知慣用の反応方法、例えば、塊状反応、溶液反応、非水ディスパージョン反応、水性ディスパージョン反応など各種の反応方法で製造される。中でも、反応をコントロールし易い点で、溶液反応が好ましい。
溶液反応の方法としては、限定はしないが、例えば、高分子量ポリオールを溶剤で希釈し、低分子量ポリオール及びイソシアネートを加えて、適切な反応条件(例えば80℃で3時間反応)にて反応させて、ポリウレタン樹脂溶液を得る方法などが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物を製造する際に使用できる溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類などが挙げられる。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物には、安定剤、充填剤、着色剤などの各種添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で用いることができる。これら添加剤は単独又は2種以上を用いることができる。
前記安定剤としては、通常用いられる安定剤が使用可能であり、例えば、ヒンダードフェノール系化合物などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物などの紫外線吸収剤、カルボジイミド化合物などの加水分解防止剤などが挙げられる。
前記充填剤しては、通常用いられる充填剤が使用可能であり、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、ベントナイトなどが挙げられる。
前記着色剤としては、通常用いられる着色剤が使用可能であり、例えば、染料、顔料などが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、常温で固体であるが、接着可能温度(Tb)が130〜180℃の範囲であり、比較的低温条件下で溶融粘度が低くなるので、ラミネート時の作業性に優れるホットメルト接着剤として利用可能である。
しかも、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、耐熱温度(Ta)が90〜140℃の範囲と高いため、耐熱性、耐洗濯性に優れたホットメルト接着剤としても利用可能である。
本発明のホットメルトポリウレタン接着剤は、本発明のポリウレタン樹脂組成物を用いてなり、例えば、シーリングテープ、すそ上げ用テープ、ラミネート用途など広範囲に用いられる。
本発明のホットメルトポリウレタン接着剤は、接着可能温度が比較的低く、且つ耐熱性、耐洗濯性に優れるため、特にシーリングテープに適している。中でも、特に被着体に感触の向上等のために、トリコット等を接着している様な場合、接着時の浸透性が必要となるため、本発明のホットメルトポリウレタン接着剤のように、比較的低温条件下で溶融粘度が低くなる接着剤が特に有用となる。
本発明のホットメルトポリウレタン接着剤の製造方法は、公知の方法、例えば、押出成形方法、ラミネート法等が挙げられる。精密な製造方法として、ラミネート法が好ましく、例えば、溶液反応により得られたポリウレタン樹脂溶液を、離型紙上又は直接基材に流延し溶剤を乾燥した後、基材にサンドイッチにして熱融着する方法等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また、文中「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。
尚、諸特性は以下に記載した方法により評価した。
[フィルムの形成方法]
原液を離型紙に塗布し、60℃で3分間乾燥後、更に130℃で3分間乾燥して、厚みが約50μmのフィルムを作成した。
[耐熱温度(Ta)及び接着可能温度(Tb)の測定方法]
上記ポリウレタンフィルムについて、高化式フローテスター((株)島津製作所製)を用いて、ダイス0.5mmφ×1mm、予熱6分、昇温開始温度60℃、昇温速度3℃/分の条件で測定を行った。温度と粘度の関係をグラフにプロットし、溶融粘度が30Pa・sとなる時の温度(℃)を接着可能温度(Tb)とし、溶融粘度が100,000Pa・sとなる時の温度(℃)を耐熱温度(Ta)として求めた。
[フィルム物性の測定方法]
上記ポリウレタンフィルムについて、テンシロン((株)島津製作所製)を用いて、JIS K−7311に準拠して、引張試験を行った。
[ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定条件]
カラム ;TSKgel 15・4・3・2(低分子)
検出条件 ;RI UV 254
流量 ;1ml/分
濃度 ;4mg/ml
カラム温度;40℃
注入量 ;100μl
溶離液 ;テトラヒドロフラン(THF)
[接着サンプルの作成方法]
透湿フィルムとホットメルト接着剤と耐熱性ウレタンフィルム(膜厚50μm)を重ね、アイロンプレスで170℃にて5秒間加熱し接着加工処理を行った。この接着加工処理後の溶融状態を下記の基準に従い、ラミネート時の作業性として評価した。
ラミネート時の作業性の指標
◎;170℃の接着加工処理で充分溶融し、はみ出しも見られない状態。
○;接着は可能であるが、剥離した際に未溶融部分が全体の約10%以下ある状態。
×;接着は可能であるが、剥離した際に未溶融部分が全体の約10%越えてある状態。
[耐洗濯性の評価方法]
上記接着サンプルを用いて、JIS L 0217(洗濯処理)、JIS L 1092(ドライクリーニング処理)に準拠し、家庭用洗濯機による処理(家庭用洗剤、水温60℃)、及びドライクリーニング処理を行い、その外観(浮き、ハガレ等)の状況を目視評価した。 ◎;浮き、ハガレが全く無し。
○;浮き、ハガレが僅かにあり。
×:処理後落下
[実施例1]
(1)ポリウレタン樹脂溶液の製造
分子量600のポリブチレンアジペートジオール(以下BG/AA600と省略)を、ジメチルホルムアミド(DMF)/メチルエチルケトン(MEK)=30/70重量比の混合溶剤で1.7倍に希釈し、1,4−ブタンジオール(BG)及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を、表1に示す量を加えて80℃で3時間反応させて、樹脂濃度50%であり、25℃における粘度が4200mPa・sのポリウレタン樹脂溶液を得た。
(2)ホットメルトポリウレタン接着剤の作成
上記(1)で製造したポリウレタン樹脂溶液を離型紙上に乾燥樹脂厚が50μmになるように流延し、60℃で3分間、次いで130℃で3分間乾燥し、透明から半透明のシート状の本発明のホットメルトポリウレタン接着剤を得た。本発明のホットメルトポリウレタン接着剤の評価結果を表1に示した。
[実施例2]及び[実施例3]
実施例1と同様の操作にて表1に示した原料組成を反応してポリウレタン樹脂溶液を得て、更に本発明のホットメルトポリウレタン接着剤を得た。本発明のホットメルトポリウレタン接着剤の評価結果を実施例2及び実施例3として表1に示した。
[比較例1]
実施例1と同様の操作にて表1に示した原料組成を反応してポリウレタン樹脂溶液を得て、更にホットメルトポリウレタン接着剤を得た。得られたホットメルトポリウレタン接着剤の評価結果を表1に示したが、耐熱温度が低く、引張特性、ラミネート物の耐洗濯性、耐ドライクリーニング性などに劣っていた。
[比較例2]
分子量1000のポリブチレンアジペートジオール(BG/AA1000)を用いた以外は実施例1と同様に表1に示した量を反応してポリウレタン樹脂溶液を得て、更にホットメルトポリウレタン接着剤を得た。得られたホットメルトポリウレタン接着剤の評価結果を表1に示したが、耐熱温度が低く、ラミネート時の作業性などに劣っていた。
[比較例3]
分子量1020のポリブチレンアジペートジオール(BG/AA1020)、及び短鎖ポリオールとしてBG/3−メチル1,5−ペンタンジオール(MPD)を用いた以外は実施例1と同様に表1に示した量を反応してポリウレタン樹脂溶液を得て、更にホットメルトポリウレタン接着剤を得た。得られたホットメルトポリウレタン接着剤の評価結果を表1に示したが、接着可能温度が高く、引張特性、ラミネート時の作業性、ラミネート物の耐洗濯性、耐ドライクリーニング性などに劣っていた。
Figure 2005126595
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、接着可能温度が低く、ラミネート時の作業性に優れ、且つラミネート物の接着性、耐熱性、及び耐洗濯性に優れる新規なホットメルトポリウレタン接着剤を提供できる。

Claims (6)

  1. ポリオールとポリイソシアネートを反応して得られるポリウレタン樹脂を用いて成るポリウレタン樹脂組成物であり、当該ポリウレタン樹脂組成物の溶融粘度が100,000Pa・sとなる耐熱温度(Ta)が90〜140℃の範囲あり、溶融粘度が30Pa・sとなる接着可能温度(Tb)が130〜180℃の範囲であり、且つTb−Taが10〜60℃の範囲であることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリウレタン樹脂組成物において、原料のポリオールとして、分子量400〜800の範囲の高分子量ポリオールと、鎖伸長剤として分子量60〜140の範囲の低分子量ポリオールとを併用する請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記ポリウレタン樹脂組成物に用いるポリウレタン樹脂において、ポリイソシアネート構成単位の含有率が30〜40重量%の範囲である請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ポリウレタン樹脂組成物に用いるポリウレタン樹脂において、低分子量ポリオール構成単位の含有率が1〜10重量%の範囲である請求項2記載のポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリウレタン樹脂組成物に用いるポリウレタン樹脂において、低分子量ポリオール構成単位が、直鎖グリコ−ルに由来する構成単位である請求項2記載のポリウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のポリウレタン樹脂組成物を用いてなることを特徴とするホットメルトポリウレタン接着剤。
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