JP2005179645A - 水膨張性ポリウレタン成型品およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸水後でも十分な伸びと機械的強度が得られる水膨張性ポリウレタン成型品の提供。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(A)、および加硫剤(B)からなる混練物が加熱硬化されてなり、(A)が、下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られた、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有する樹脂であり、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍である水膨張性ポリウレタン成型品。 (HO)mR(OX)r-m (1)[Rはr価のポリオール残基、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、mは2以上でr−mが1以上となる整数。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、水膨張性ポリウレタン成型品およびその製法に関する。さらに詳しくは、土木、建築およびその他各種分野における止水材に適した、水膨張性ポリウレタン成型品およびその製法に関する。
従来、水膨張性ポリウレタン成型品としては、押出成型またはプレス成型により得られた水膨張性ポリウレタン成型品が挙げられ、良好な性能を有する水膨張性シール材用成型品が使用されている(例えば、特許文献1)。
特開2002−194101号公報
しかしながら、特許文献1記載の成型品を用いたシール材は、水膨張前の引張強さおよび伸びについてはシール材として十分な値を示すのに対し、吸水後の伸びは必ずしも十分ではない。特に水膨張倍率が2倍以上になると、伸びの低下が大きい。そのため、水膨張倍率が2倍以上であることを必要とするシール材では、水膨張後にシールしている材料を機械的に動かしたり、または外部からの衝撃による材料のズレによって、シール材が追随せずに破損してしまう場合があるという問題を有していた。また、コンクリート製シールドトンネル用セグメントの構造によっては、吸水によるシール材の膨張によって、コンクリートの一部に亀裂を生じさせるという問題が発生する場合もあった。
従って本発明の目的は、吸水後でも十分な伸びと優れた機械的強度が得られ、止水性良好な水膨張性ポリウレタン成型品を提供することにある。
本発明者らは、吸水後でも十分な伸びと優れた機械的強度が得られる水膨張性ポリウレタン成型品を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリウレタン樹脂(A)、および、加硫剤(B)からなる混練物が加熱硬化されてなり、(A)が、下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られた、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有するポリウレタン樹脂であり、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍であることを特徴とする水膨張性ポリウレタン成型品;
下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られた、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)、および、加硫剤(B)からなる混練物を加熱し、(A)のエチレン性不飽和結合と(B)を反応させて、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍の成型品を得ることを特徴とする水膨張性ポリウレタン成型品の製法;である。
(HO)mR(OX)r-m (1)
[式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、mは2以上でr−mが1以上となる整数。]
本発明の水膨張性ポリウレタン成型品は、押出成型やプレス成型により製造することができ、吸水後の成型品に、十分な伸びと優れた機械的物性を付与するという効果を奏する。
本発明の水膨張性ポリウレタン成型品は、23℃の精製水(蒸留水または脱イオン水)中で通常1.2〜8倍の飽和体積水膨張倍率を有し、好ましくは1.4〜7倍、さらに好ましくは1.5〜6倍である。この場合の体積水膨張倍率とは下記の方法で求めたものである。飽和体積水膨張倍率が1.2倍未満であると水膨張後の止水効果が十分に得られず、8倍を超えると水膨張後の引張強度が低下するため、止水性能が維持できなくなる。
体積水膨張倍率の測定方法は下記の通りである。
ポリウレタン成型品の帯状体から20×20×2mmの試験片を採取し、この試験片を23℃の精製水中に浸漬した際の体積を一定期間毎に測定し、次式にて体積水膨張倍率を算出する。
体積水膨張倍率(倍)=膨張後の体積/膨張前の体積
また、1日当たりの体積水膨張倍率の増加率が0.01%以下となった時点での倍率(前日の倍率の1.0001倍以下となった時点の倍率)を、試験片の飽和体積水膨張倍率とする。
ポリウレタン樹脂(A)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有する。エチレン性不飽和結合を有することにより、(A)と加硫剤(B)とが反応可能となり、(A)および(B)が、通常のゴムと同様に混練された後、例えば押出成型またはプレス成型により所望の形状に成型され、加熱硬化されて水膨張性ポリウレタン成型品が得られる。エチレン性不飽和結合を側鎖に有しないと、加硫反応が遅くなる。
(A)中のエチレン性不飽和結合の1分子当たりの平均個数は、好ましくは1〜100個である。さらに好ましくは2〜50個、とくに好ましくは5〜40個である。
(A)は、下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%(以下、%は特に断りのない限り質量%を意味する。)有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られたポリウレタン樹脂である。なお、(a)〜(d)はそれぞれ2種以上を併用してもよい。
(HO)mR(OX)r-m (1)
[式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、mは2以上でr−mが1以上となる整数。]
上記一般式(1)において、Rは3価以上のポリオールからすべてのOH基を除いた残基である。3価以上のポリオールとしては、脂肪族(脂環式を含む)アルコール、フェノールおよびこれらの(ポリ)オキシアルキレンエーテル、およびこれらアルコール、フェノールまたはその(ポリ)オキシアルキレンエーテルをアルキレンジハライド(炭素数1〜4)でカップリング(ジャンプ)したものが挙げられる。
脂肪族アルコールの具体例としては、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール;トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン;および脂環式トリオール、例えばシクロヘキサントリオール)、炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどの、アルカンポリオールおよびそのもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、ラクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
フェノールの例としては、3価以上の単環フェノール(ピロガロール、フロログルシンなど)およびフェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
上記(ポリ)オキシアルキレンエーテルは、これらにアルキレンオキサイド(以下AOと略記)を付加して得られる。付加させるAOとしては、炭素数2〜4のものが好ましく、例えばエチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド(以下BOと略記)、ならびにこれらの2種以上の併用(ランダム付加またはブロック付加)が挙げられる。とくに好ましくは、EO単独およびEOと他のAO[炭素数3または4のAO、例えばPO、1,2−BO、1,4−BOなどの1種または2種以上]の併用である。
これらのRの中では、3価以上の脂肪族アルコールの残基(3価以上の炭化水素基)が好ましい。
一般式(1)において、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基である。不飽和結合の数は、好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個である。Xの例としては、エーテル結合および/またはエステル結合を有していてもよいエチレン性不飽和炭化水素基、例えば下記一般式(2)および(3)で表される基が挙げられる。
−(A1O)pQ1 (2)
−[CO-A2-COO-(A4O)sA3(OA4)t-O]kCO-Q2 (3)
[式中、A1およびA4は炭素数1〜4のアルキレン基、p、sおよびtは0または1〜50の整数、Q1は炭素数2〜24のアルケニル基、アルカジエニル基、アルカトリエニル基もしくはアルカテトラエニル基であり、A2は炭素数2〜22のアルケニレン基、A3 は炭素数2〜20の2価の炭化水素基、kは0または1〜20の整数、Q2はQ1、A2COOH 、またはA2COO(A4O)sA3(OA4)tOHである。ただし、k≠0のとき、Q2は炭素数1〜24のアルキル基でもよく、Q2がQ1のとき、A2は炭素数2〜22のアルキレン基でもよい。]
上記A1およびA4としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,2−、1,4−および2,3−ブチレン基などが挙げられる。A2としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸などの炭素数4〜24の不飽和ジカルボン酸からすべてのCOOH基を除いた残基などが挙げられる。A3としては、低分子ポリオールの例として後述する炭素数2〜20の2価アルコールからすべてのOH基を除いた残基などが挙げられる。p、k、sおよびtは0が好ましい。
Xの具体例としては、一般式(2)でp=0の場合、X=Q1となり、炭素数2〜24の直鎖、分岐もしくは環状のアルケニル基、例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、オレイル基、シクロヘキセニル基:炭素数3〜24の直鎖、分岐もしくは環状のアルカジエニル基、例えばリノール基;炭素数4〜24の直鎖、分岐もしくは環状のアルカトリエニル基、例えばリノレン基;などが挙げられる。pが1〜50の場合としては、Q1OH で表される不飽和アルコールのAO(前記炭素数2〜4のもの)付加物からOH基を除いた残基、および−CH2O(A1O)p-11基(ただしA1の炭素数は2〜4)が挙げられる。
一般式(3)でk=0、Q2=Q1の場合、X=COQ1となり、炭素数3〜25の不飽和アシル基、例えばアクリロイル基、メタアクリロイル基、オレオイル基などが挙げられる。kが1〜20の場合としては、前記炭素数4〜24の不飽和ジカルボン酸と前記炭素数2〜20の2価アルコールとの(ポリ)エステルの1個の末端COOH基からOHを除いた残基などが挙げられる。
式(1)中の水酸基の数mは、(A)がエチレン性不飽和結合を側鎖に有するようにするためと、イソシアネート基との反応性と得られる樹脂の水膨張性の点から、通常2以上、好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。また、(A)にエチレン性不飽和結合を導入するために、r−mは1以上である必要があり、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1または2、とくに好ましくは1である。
(a)の具体例で好ましいものとしては、前記3価以上の脂肪族アルコールと炭素数2〜24の不飽和アルコール(ビニルアルコール、アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、オレイルアルコールなど)もしくはそのAO(炭素数2〜4)付加物との部分エーテル(例えば、炭素数1〜4のアルキレンジハライドでジャンプして得られる)、および前記3価以上の脂肪族アルコールと炭素数3〜25の不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸など)との部分エステル化反応による部分アシル化物が挙げられる。
これらの中でさらに好ましいものとしては、3価以上の脂肪族アルコールのモノもしくはポリアリルエーテル、例えばグリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル;3価以上の脂肪族アルコールのモノもしくはポリアクリレート、例えばグリセリンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート;3価以上の脂肪族アルコールのモノもしくはポリメタクリレート、例えばグリセリンモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート;が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、グリセリンモノアリルエーテル、およびトリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレートである。
(a)の数平均分子量(末端基定量法による)は、好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下である。分子量が2000以下であると、(b1)および(b2)との相溶性が良くなり、ポリウレタン樹脂(A)の物性が安定する。
ポリウレタン樹脂(A)は、オキシエチレン単位を少なくとも20%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)と炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)からなるポリオキシアルキレンポリオール(b)と、有機ポリイソシアネート(c)を反応させて得られる。(b1)と(b2)を併用しないと、水膨張後の引張強度と伸びが低下する。
(b)としては、下記(i)〜(iii)などの分子量400以下の低分子活性水素含有化合物の、炭素数2〜4またはそれ以上の1種または2種以上のAO(EO、PO、1,2−BO、1,4−BOなど)(共)付加物(共付加物の場合、ランダムおよび/またはブロック付加)などが挙げられる。(b)は、(b1)と(b2)のみからなるのが好ましいが、少量(好ましくは20%以下、とくに10%以下)のこれら以外のポリオールを含有してもよい。
低分子活性水素含有化合物の例:
(i)低分子ポリオール:炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール[前記一般式(1)の説明で例示したもの]、炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール[前記一般式(1)の説明で例示したもの]など。
(ii)多価フェノール類:ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロールおよびフロログルシンなどの単環フェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類;およびフェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノールなど。
(iii) 低分子アミン:アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン);炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン)、炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン)、炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジンおよびアミノエチルピペラジン)など。
(b)の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフによる、以下GPCと略記)は、好ましくは600〜8000、さらに好ましくは下限は1000、上限は6000である。また、(b)の官能基数は、好ましくは2〜3である。
(b1)としては、上記低分子活性水素含有化合物の、EO付加物およびEOと他のAO[炭素数3または4のAO、例えばPO、1,2−BO、1,4−BO、などの1種または2種以上]の共付加物(ランダムおよび/またはブロック)などが挙げられる。
上記付加物に用いるEOの量は、得られる(A)を用いた成型品の水膨張後の引張強度が良好となることから、(b1)中のオキシエチレン単位の含量は、通常20%以上、好ましくは30〜95%であり、付加に用いるAO中のEOの含量は、好ましくは25%以上、さらに好ましくは40%以上、とくに好ましくは50〜95%である。なお、2種以上の(b1)を用いる場合は、加重平均したEO含量が上記範囲内となるのが好ましい。
(b1)として好ましいものは、低分子ポリオールもしくは多価フェノール類の、EO付加物およびEOと他のAOの共付加物である。芳香環を含有するポリオールからのウレタン樹脂を用いた成型品は水膨張後の引張強度が良好なため、さらに好ましくは、多価フェノール類(特にビスフェノール類)のEOとPOの共付加物(ランダムまたはブロック)、およびこれと、これ以外の低分子ポリオールもしくは多価フェノール類の、EO付加物またはEOと他のAOの共付加物との併用である。
(b1)の数平均分子量(GPC)は、好ましくは600〜8000である。さらに好ましくは650〜6000、とくに好ましくは1000〜6000である。また、(b1)の官能基数は、好ましくは2〜3である。
(b2)としては、上記低分子活性水素含有化合物の、炭素数3〜4の1種または2種以上のAO(例えばPO、1,2−BO、1,4−BO)(共)付加物(ランダムおよび/またはブロック)などが挙げられる。上記炭素数3〜4のAOとしては、POを含有することが好ましく、得られる(A)を用いた成型品の水膨張後の伸びが良好となることから、(b2)中のオキシプロピレン単位の含量が50%以上、特に60%以上となる量が好ましく、付加に用いるAO中のPO含量は、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上 とくに好ましくは80%以上、最も好ましくは100%である。なお、2種以上の(b2)を用いる場合は、加重平均したPO含量が上記範囲内となるのが好ましい。
(b2)として好ましいものは、低分子ポリオールもしくは多価フェノール類の、炭素数3〜4の1種または2種以上のAO(例えばPO、1,2−BO、1,4−BO)(共)付加物(ランダムおよび/またはブロック)である。芳香環を含有するポリオールからのウレタン樹脂を用いた成型品は水膨張後の物性が良好なため、さらに好ましくは、多価フェノール類(特にビスフェノール類)のPO付加物およびPOと炭素数4のAOの共付加物(ランダムまたはブロック)、およびこれと、これ以外の低分子ポリオールもしくは多価フェノール類の、PO付加物またはPOと炭素数4のAOの共付加物との併用である。
(b2)の数平均分子量(GPC)は、好ましくは300〜5000、さらに好ましくは400〜3000である。また、(b2)の官能基数は、好ましくは2〜3である。
(b2)の使用量は、(b1)および(b2)の合計質量に対して、0.5〜50%が好ましい。下限は、さらに好ましくは1〜40%、とくに好ましくは2〜30%である。(A)を用いた成型品において、(b2)が0.5%以上であると十分な水膨張後の伸びが得られ、50%以下あると十分な止水性が得られる
有機ポリイソシアネート(c)としては、例えば、炭素数(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートなど]、炭素数8〜15の脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートなど]、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など]、およびこれらのポリイソシアネートの変成物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基などを含有する変成物)などが挙げられる。
耐薬品性、耐候性などを考慮して、これらの中で好ましいものは、脂肪族または脂環式ポリイソシアネート(特にジイソシアネート)であり、特に好ましいものはHDI、IPDIおよび水添MDIである。
低分子活性水素含有化合物(d)としては、低分子ポリオール、低分子アミン、およびこれらの炭素数2〜4のAO付加物などが挙げられ、具体例としては、前記(b)の出発物質として例示した低分子活性水素含有化合物のうち、低分子ポリオール(i)、低分子アミン(iii) 、および(i)、多価フェノール類(ii)または(iii) の炭素数2〜4のAO(好ましくは、EO単独またはEOと前記炭素数3〜4のAOの併用)付加物が挙げられる。(d)の数平均分子量(GPCによる)は通常400未満、好ましくは380以下である。(d)として(i)を用いるか、(i)、(ii)または(iii) のAO付加物を用いる場合は(A)中にウレタン結合が生成し、(iii) を用いる場合はウレア結合が生成する。
(A)を得るのに用いる前記(a)の使用量は、(b1)および(b2)の合計に対して、好ましくは0.1〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%である。また、(d)の使用量は、(b1)および(b2)の合計に対して 好ましくは30%以下、さらに好ましくは1〜20%である。
ポリウレタン樹脂(A)は、例えば、(a)、(b1)、(b2)、(c)および必要により(d)を用い、ワンショット法またはプレポリマー法のいずれかにより製造できる。好ましくは、製造上のばらつきが少ないプレポリマー法である。
プレポリマー法により製造する場合の中間体である、末端イソシアネート基含有プレポリマーの製法を例示すると、上記(b1)および/または(b2)の少なくとも一部と過剰当量[(b1)および(b2)中の活性水素含有基1当量に対する(c)中のイソシアネート基の当量が、好ましくは1.2〜10]の(c)とを、70〜150℃で常法で反応させて得る。得られたプレポリマー中のイソシアネート基含有量は、好ましくは2〜15%、さらに好ましくは3〜10%である。
(A)をプレポリマー法により製造する場合の製法を例示すると、(b1)および/または(b2)の少なくとも一部と(c)からの末端イソシアネート基含有プレポリマーを主剤成分とし、(a)と、必要により(b1)と(b2)の残部および/または(d)の混合物からなる硬化剤成分に、触媒、酸化防止剤などの添加剤を予め混合し、両成分を金型に注型した後、好ましくは70〜120℃、さらに好ましくは90〜120℃で、0.5〜10時間反応させることにより(A)が得られる。
主剤成分中のイソシアネート基の、硬化剤成分中の活性水素含有基に対する当量比は、好ましくは0.8〜1.0、さらに好ましくは0.93〜0.99である。イソシアネート基の活性水素含有基に対する当量比が0.8以上では、ウレタン結合濃度が確保され、水膨張時の水中溶出物が少なくなる。1.0以下では、(A)の可塑性が確保され、その後の混練および成型が容易となる。
水膨張性ポリウレタン樹脂(A)の製造の際には、必要によりポリウレタンに通常使用される触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、3級アミン[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノメチルフェノール、N−メチル−N−ジメチルアミノエチルピペラジン、ピリジンなど]およびこれらの酸ブロック化合物、カルボン酸の金属塩(酢酸ナトリウム、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレートなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシドまたはフェノキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムフェノキシドなど)、4級アンモニウム塩(テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなど)、イミダゾール類(イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなど)、キレート金属塩(アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトン鉄など)、およびスズ、アンチモンなどの金属を含有する有機金属化合物(テトラフェニルスズ、トリブチルアンチモンオキサイドなど)などが挙げられる。これらの触媒は、単独または混合して使用することができる。
触媒の使用量は、ポリウレタン樹脂を得るための全成分の合計質量に対して、好ましくは5%以下、さらに好ましくは0.001〜4%である。
(A)1000g当たりのウレタン結合およびウレア結合の合計当量(反応当量比からの計算値)は、0.5〜2.5当量、とくに0.6〜2.2当量が好ましい。0.5当量以上では水膨張後の引張強度が確保され、水膨張後の水中への溶出物を抑えることができる。2.5当量以下ではオキシエチレン単位の含有量に応じて、相当する水膨張倍率が得られる。
(A)1000g当たりのエチレン性不飽和結合の当量(反応当量比からの計算値) は、0.001〜3当量、とくに0.01〜2当量が好ましい。3当量以下ではオキシエチレン単位の含有量に応じて、相当する水膨張倍率が得られ、0.001当量以上では水膨張後の水中への溶出物を抑えることができる。
ポリウレタン樹脂(A)と共に用いられる加硫剤(B)としては、通常ゴムの加硫に用いられるものでよく、イオウ、塩化イオウ、有機過酸化物(ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ラウリルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなど)、オキシム(p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど)、金属酸化物(マグネシア、リサージなど)、アルキルフェノール樹脂、ポリチオール化合物[トリメチロ−ルプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、グリコールジメルカプトプロピオネート、グリコールジメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)など]、ポリアミン化合物(アルデヒド−アミン縮合物、グアニジン類など)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−4−メチルペンタン、4−t−ブチルアゾ−4−シアノ−吉草酸など)などが挙げられる。以上の加硫剤は1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることが可能である。
これらの中で好ましいものは、取り扱いの容易さなどから、硫黄および硫黄と他の加硫剤との併用、とくに硫黄である。
また、(B)の配合量は(A)100質量部(以下、部は質量部を意味する。)に対して、好ましくは0.1〜10部、さらに好ましくは0.2〜8部、特に好ましくは0.5〜5部である。(B)の配合量が0.1部以上では水膨張時の水中への溶出物が少なく、10部以下では加硫後に表面に加硫剤が析出する恐れがない。
水膨張性ポリウレタン樹脂(A)と共に配合される高分子弾性体(D)としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム[スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴムなど]およびそれらの再生ゴム、並びにエチレン性不飽和結合を側鎖に有する非水膨張性ポリウレタン樹脂(PU)などが挙げられる。
これらの中で好ましくは、SP(Fedors法による溶解度パラメーター)が8.4以上の合成ゴムであり、さらに好ましくは、SBR、CR、NBR、およびPUである。
上記SPとは、下記に示すように凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
[SP]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えば、Polymerengineering and science 第14巻、147〜154頁に記載されている。
高分子弾性体(D)の配合量は、(A)100部に対して、好ましくは1〜800部、さらに好ましくは5〜500部である。1部以上では押出成型時の成型性が向上し、800部以下では水膨張により止水が可能になる。成型性に合わせて(D)を2種以上用いてもよい。
水膨張性ポリウレタン樹脂(A)と高分子弾性体(D)を混練するときに、変性ポリオレフィン樹脂を添加することで、(A)と(D)の分散が良くなり成型性が向上する。しかし、変性ポリオレフィン樹脂により成型性は向上するが成型品が硬くなるため、変性ポリオレフィン樹脂は添加しないことが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)、加硫剤(B)、発泡剤(E)およびその他の添加剤を混練し、加硫することで発泡体の水膨張性ポリウレタン成型品とすることができる。発泡体を水膨張性ポリウレタン成型品をシール材として使用した場合、水膨張性ポリウレタン成型品の体積気泡率を調整することで、水膨張後のシール材の膨張圧を調整できるので好ましい。
水膨張性ポリウレタン成型品の体積気泡率は、通常5〜80%である。好ましくは8〜60%、さらに好ましくは10〜50%である。体積気泡率が5%未満では、吸水後の膨張圧が高くなりすぎ、80%を越えると止水性が不十分となる。
体積気泡率は、加硫前の混合物と成型品を用いて次式にて算出する。
体積気泡率(%)={(加硫前の混合物の密度−成型品の密度)/加硫前の混合物の密度}×100
(A)と共に用いられる発泡剤(E)としては、無機発泡剤(例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウムなど)、有機発泡剤〔例えば、ニトロソ化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベンゼンなど)、ヒドラジド化合物[ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、トルエン−2,4−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など]およびヒドラゾン化合物(p−トルエンスルホニルヒドラゾン、p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾン、トルエン−2,4−ジスルホニルヒドラゾンなど)など〕が挙げられる。これらの中で好ましいものは有機発泡剤、さらに好ましくはニトロソ化合物およびアゾ化合物である。
(E)の配合量は、(A)100部に対して、好ましくは0.02〜5部である。さらに好ましくは0.05〜3部、とくに好ましくは0.1〜2部である。0.02部以上では、吸水後の膨張圧が上がり過ぎずに止水でき、5部以下では相当する水膨張倍率により十分な止水性が得られる。加硫温度および加硫時間に合わせて、(E)を2種以上用いてもよい。
発泡体の水膨張性ポリウレタン成型品の硬度(デュロメータ タイプA)は、通常10〜50である。下限は、好ましくは12〜47、さらに好ましくは15〜45である。硬度が10未満では、シール材としての止水性が不十分であり、50を越えると、吸水後の膨張圧が高くなりすぎる。
本発明の水膨張性ウレタン成型品には、必要により、発泡助剤[尿素系(尿素など)、有機酸(サリチル酸、無水フタル酸、シュウ酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸など)、無機酸系(ホウ酸など)、および金属塩(塩化亜鉛、安息香酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、炭素数2〜24の脂肪酸の亜鉛塩、カルシウム塩、バリウム塩など)など]も含有させることができる。
発泡助剤の配合量は、(A)に対して、好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.001〜5%である。
本発明の水膨張性ウレタン成型品には、必要により、充填剤(例えば、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム[重炭酸カルシウム、軽炭酸カルシウムなど]、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびクレーなど)も含有させることができる。
充填剤の配合量は、(A)100部に対して、好ましくは10〜250部、さらに好ましくは20〜200部である。10部以上では押出成型時の膨張が減少し、250部以下では押出成型品の表面の平滑性が良くなる。混練物のムーニー粘度および粘着性に合わせて、充填剤を2種以上用いてもよい。
本発明の水膨張性ウレタン成型品には、必要により、顔料[無機顔料(酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、硫化カドミウム、群青など)、および有機顔料(アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系など)など]、および軟化剤[例えば、潤滑油、脂肪酸油、鉱物油(パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、石油アスファルトなど)、タール系軟化剤(タール、クマロン−インデン樹脂など)、エステル系軟化剤(フタル酸誘導体オイル、アジピン酸誘導体オイル、セバシン酸誘導体オイル、マレイン酸誘導体オイル、フマル酸誘導体オイル、トリメリット酸誘導体オイル、クエン酸誘導体オイル、オレイン酸誘導体オイル、リシノール酸誘導体オイル、ステアリン酸誘導体オイル、リン酸誘導体オイル、グリコール酸誘導体オイルなど)、合成樹脂系軟化剤(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂など)など]も含有させることができる。
また、これらの添加剤の配合量は、(A)100部に対して、顔料は、好ましくは150部以下、さらに好ましくは100部以下であり、軟化剤は、好ましくは100部以下、さらに好ましくは90部以下である。
さらに必要により、加硫促進剤[例えばグアニジン類(ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジンなど)、チアゾール類(2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなど)、チウラム類(テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなど)、スルフェンアミド類(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど)、および金属化合物(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、ジベンゾチアジルジスルフィド塩化亜鉛錯体など)など]、加硫促進助剤[炭素数8〜24の脂肪酸とその誘導体(ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛など)、および金属酸化物と金属塩(酸化亜鉛、炭酸亜鉛など)など]、ファクチス(黒サブ、白サブ、あめサブおよび無硫黄ファクチスなど)、老化防止剤{アミン(N−フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなど)、アミンケトン(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物など)、ヒンダードフェノール[2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など]、およびジチオカルバミン酸塩(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなど)など}、および脱水剤[酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラーシーブなど]などの通常用いられる添加剤を配合できる。また、必要により加硫時のウレタン架橋剤として、3官能以上のエチレン性不飽和結合含有化合物(例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルグリセリンなど)を配合してもよい。
これらの添加剤の添加量(質量基準)は、本発明の成型品の合計質量に対して、加硫促進剤、加硫促進助剤、ファクチス、老化防止剤および脱水剤は、それぞれ好ましくは10%以下、さらに好ましくは0.001〜5%である。これらの添加剤の合計添加量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは0.1〜10%である。
本発明の水膨張性ポリウレタン成型品は、例えばバンバリミキサーまたはニーダーで、ポリウレタン樹脂(A)、必要によりその他の添加剤(充填剤、軟化剤、加硫促進助剤、老化防止剤など)を混練した後、加硫剤(B)および必要によりその他の添加剤(加硫促進剤、発泡剤、発泡助剤、脱水剤など)をロール上で混練し、加熱して(A)のエチレン性不飽和結合と(B)を反応させて、押出成型またはプレス成型により得られる。加硫温度は加硫剤(B)の種類により設定するが、好ましくは140〜200℃である。
また、通常の非膨張性ゴムと共押出後に加硫することで、膨張部と非膨張部を持つ複合止水材も作成可能である。非膨張性ゴムとしては、例えば上記高分子弾性体(D)と(B)およびその他の添加剤を混練したものが挙げられる。さらに、非膨張性ゴムは、加硫後に非膨張部が発泡体のものを得るために、必要により発泡剤(E)を非膨張性ゴムに配合してもよい。
(A)、(B)およびその他の添加剤(充填剤、軟化剤、加硫促進助剤、老化防止剤など)の混練物は、ムーニー粘度が、JISK6300−1:2001「未加硫ゴム物理試験法」に従い、100℃で1分間予熱した後、さらに4分間L形ローターを回転させた後の値で、[20ML(1+4)100℃]以上となるものが好ましい。さらに好ましくは[30ML(1+4)100℃]以上である。ムーニー粘度が[20ML(1+4)100℃]以上で押出加工後の形状保持が容易となる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例、実施例および比較例に使用した原料の組成、記号は次の通りである。
化合物(a−1):グリセリンモノアリルエーテル
化合物(a−2):トリメチロールプロパンモノメタクリレート
ポリオール(b1−1):ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比80/20)を付加させて得た数平均分子量4000のポリエーテルグリコール
ポリオール(b1−2):ビスフェノールAにEOとPOの混合物(質量比50/50)を付加させて得た数平均分子量5300のポリエーテルグリコール
ポリオール(b1−3):ビスフェノールAにEOを付加させて得た数平均分子量670のポリエーテルグリコール
ポリオール(b1−4):ポリエチレングリコール(数平均分子量1500)
ポリオール(b2−1):ビスフェノールAにPOを付加させて得た数平均分子量1500のポリエーテルグリコール
ポリオール(b2−2):グリセリンにPOを付加させて得た数平均分子量600のポリオール
有機ポリイソシアネート(c−1):水添MDI
有機ポリイソシアネート(c−2):IPDI
触媒(1):オクチル酸鉛
触媒(2):アセチルアセトン亜鉛
加硫剤(B−1):硫黄
高分子弾性体(D−1):SBR[JSR SL552、JSR(株)製]
変性ポリオレフィン樹脂:ユーメックス2000、三洋化成工業(株)製]
充填剤(1):カーボンブラック;FEFブラック[旭#60、旭カーボン(株)製]
充填剤(2):カーボンブラック;SRFブラック[旭#50、旭カーボン(株)製]
充填剤(3):タルク;ミストロンベーパー[日本ミストロン(株)製]
加硫促進助剤(1):ステアリン酸
加硫促進助剤(2):酸化亜鉛
軟化剤(1):芳香族オイル[ダイナプロセスオイルAC−460、出光興産(株)製]
加硫促進剤(1):ジベンゾチアジルジスルフィド
加硫促進剤(2):2−メルカプトベンゾチアゾール
発泡剤(1):アゾジカルボンアミド
発泡助剤(1):尿素
製造例1〜3、比較製造例1
表1の組成(部)で、ポリオール(b1−1)〜有機ポリイソシアネート(c−2)の<プレポリマー成分>を120℃で3時間反応させてプレポリマーを得た。次いでポリオール(b1−4)〜触媒(2)の<硬化剤成分>を加えて混合後、110℃で10時間反応させて、ポリウレタン樹脂(1)〜(4)を得た。
実施例1〜8
表2の組成(部)で、ポリウレタン樹脂(1)〜軟化剤(1)の<混練成分1>をバンバリーミキサーで10分混練した。次に、加硫剤(B−1)〜発泡助剤(1)の<混練成分2>を加え、2本ロールで30分間混練して配合した。配合物は、押出成型機で帯状に成型し、160℃で10分間オーブン中で加熱して成型品を得た。押出成型機からの配合物の突出断面形状は、加熱終了後の断面が2×30mmの矩形になるように押出した。
比較例1〜3
表2の組成(部)により、実施例1〜8と同様にして、成型品を得た。
[性能試験例]
実施例1〜8および比較例1〜3の各成型物の硬度、引張強さ、伸び、飽和体積水膨張倍率試験の結果を表3に示す。なお試験法は以下のとおりである。
(硬度)
JIS K6253:1997記載の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従い、2mm厚に押出成型したシートを4枚重ねて、デュロメータ タイプAで測定した。
(引張強さ、伸び)
JIS K6251:1993記載の「加硫ゴムの引張試験方法」に従い、2mm厚にプレス成型したシートから3号ダンベル試験片を打ち抜き、測定した。浸漬後の引張強さと伸びは同様に作成した3号ダンベル試験片を23℃の水道水中に1ヶ月浸漬した後、測定した。
(飽和体積水膨張倍率)
成型品から20×20×2mmの試験片を採取し、この試験片を23℃の精製水中に浸漬した際の体積を一定期間毎に測定し、次式にて体積水膨張倍率を算出した。
体積水膨張倍率(倍)=膨張時の体積/膨張前の体積
また、1日当たりの体積膨張倍率の増加量が0.01%以下となった次点での倍率を試験片の飽和体積水膨張倍率とする。
本発明の水膨張性ポリウレタン成型品は、(1)押出成型あるいは非膨張性ゴムと共押出成型することにより各種断面形状のセグメント用シール材など;(2)中空状や板状に成型することにより建築用ガスケットなど;(3)プレス成型で断面が円形のリング状に成型することによりグラウトホールなどの水膨張性パッキングなどに使用でき、とくにシールドトンネル用セグメントシール材およびコンクリート打ち継ぎ部用止水板として好適に使用できる。

Claims (9)

  1. ポリウレタン樹脂(A)、および加硫剤(B)からなる混練物が加熱硬化されてなり、(A)が、下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られた、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有するポリウレタン樹脂であり、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍であることを特徴とする水膨張性ポリウレタン成型品。
    (HO)mR(OX)r-m (1)
    [式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、mは2以上でr−mが1以上となる整数。]
  2. (b1)と(b2)の合計質量に基づく(b2)の量が0.5〜50質量%である請求項1記載の成型品。
  3. (c)が脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートである請求項1または2記載の成型品。
  4. (A)1000g当たりのウレタン結合およびウレア結合の合計当量が0.5〜2.5当量であり、エチレン性不飽和結合の当量が0.001〜3当量である請求項1〜3のいずれか記載の成型品。
  5. さらに高分子弾性体(D)を加えた混練物からなる、請求項1〜4のいずれか記載の成型品。
  6. さらに発泡剤(E)を加えた混練物からなる、請求項1〜5のいずれか記載の成型品。
  7. 成型品の硬度(デュロメータ タイプA)が10〜50であり、且つ体積気泡率が5〜80%である、請求項6記載の成型品。
  8. 工業用シール材である請求項1〜7のいずれか記載の成型品。
  9. 下記一般式(1)で表される化合物(a)、オキシエチレン単位を少なくとも20質量%有するポリオキシアルキレンポリオール(b1)、炭素数3〜4の1種以上のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレンポリオール(b2)、有機ポリイソシアネート(c)、および必要により低分子活性水素含有化合物(d)から得られた、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を側鎖に有するポリウレタン樹脂(A)、および加硫剤(B)からなる混練物を加熱し、(A)のエチレン性不飽和結合と(B)を反応させて、飽和体積水膨張倍率が1.2〜8倍の成型品を得ることを特徴とする水膨張性ポリウレタン成型品の製法。
    (HO)mR(OX)r-m (1)
    [式中、Rはr価のポリオールの残基、Xはエチレン性不飽和結合を1個以上有する基、rは3以上の整数、mは2以上でr−mが1以上となる整数。]


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