JP7135581B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法及び研磨方法に関する。本発明の研磨パッドは、ガラス基板、シリコンウェハ、半導体デバイス等の研磨に好適に使用される。
液晶ディスプレイ用(LCD)用ガラス基板、ハードディスク(HDD)用ガラス基板、記録装置用ガラスディスク、光学用レンズ、シリコンウェハ及び半導体デバイス等には、高度な表面平坦性と面内均一性が要求されており、こうした要求特性を満たすべく、その表面の研磨が行われている。
特に、前記半導体デバイスでは、半導体回路の集積度が急激に増大するにすれて高密度化を目的とした微細化や多層配線化が進められ、他方、前記液晶ディスプレイ用基板においても、液晶ディスプレイの大型化が進められており、加工面のより高度な表面平坦性が要求されている。そのため、研磨加工における研磨精度や研磨効率等の要求特性がさらに高まっている。
研磨精度や研磨効率を向上するため、化学的機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing法;CMP法)が広く採用されている。CMP法では、通常、砥粒(研磨粒子)をアルカリ溶液又は酸溶液に分散させたスラリー(研磨液)を研磨加工面に供給し、研磨パッドを用いてその供給面を研磨することにより研磨加工を行う遊離砥粒方式を採用している。その結果、被研磨物(の加工面)は、スラリー中の砥粒による機械的作用と、アルカリ溶液又は酸溶液による化学的作用との双方により平坦化される。
前記研磨パッドとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール及びジエチレングリコールを含有するイソシアネート末端プレポリマーAと、多量化1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート及び数平均分子量200~1,000のポリエチレングリコールを含有するイソシアネート末端プレポリマーBと、及び4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)との反応硬化体を含む研磨パッドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、分子量600~2,000のポリアルキレングリコール、及びジエチレングリコールを含むプレポリマー原料組成物を反応して得られるイソシアネート末端プレポリマーAと、多量化1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートと、4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)との反応硬化体である研磨パッドも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、特許文献3には、疎水性イソシアネート末端プレポリマー、親水性イソシアネート末端プレポリマー及び鎖延長剤を原料成分として含む研磨パッドが記載されている。
特許第5078000号公報 特許第5087440号公報 特許第4189963号公報
しかしながら、従来から知られる研磨パッドでは、CMP法に求められる研磨性能、具体的には、研磨レート、耐摩耗性、加工面の平滑性への要求はいっそう高まっている状況下、これらの要求特性の両立が十分でない場合があった。
本発明の課題は、研磨レート、耐摩耗性及び加工面の平滑性を両立することのできる研磨パッドを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、ソフトセグメントを形成するポリオール中に、オキシエチレン単位と炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位がランダムに配置した構造を導入し、さらにオキシエチレン単位を一定割合とすることによって、研磨レート、耐摩耗性及び加工面の平滑性を両立することのできる研磨パッドを提供可能であることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ウレタンプレポリマー(a)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含むウレタン樹脂組成物の発泡硬化物であって、前記ウレタンプレポリマー(a)が、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)の反応物であって、末端にイソシアネート基を有するものであり、前記ポリオール(a1)が、オキシエチレン単位及び炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位を有するランダム共重合体を含み、前記ポリオール(a1)に含まれるオキシエチレン単位の割合が、前記ポリオール(a1)の合計100質量%中、35質量%以下であることを特徴とする研磨パッド及びその製造方法を提供するものである。
本発明の研磨パッドは、ソフトセグメントを形成するポリオールとして、オキシエチレン単位と炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位がランダムに配置した構造を導入し、さらにオキシエチレン単位を一定割合で導入したポリオールを用いたものであるため、研磨レート、耐摩耗性及び加工面の平滑性を両立することが可能である。
本発明の研磨パッドは、ウレタンプレポリマー(a)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含むウレタン樹脂組成物の発泡硬化物であって、前記ウレタンプレポリマー(a)が、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)の反応物であって、末端にイソシアネート基を有するものであり、前記ポリオール(a1)が、オキシエチレン単位(-O-CH2-CH2-)及び炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位(-O-Ra1-;Ra1は、置換基としてハロゲン原子を有していてもよい炭素原子数3以上のアルキレン基を表し、前記アルキレン基の炭素原子数は、好ましくは3~10、より好ましくは3~6、さらに好ましくは3~4である。)を有するランダム共重合体(ax-1)を含み、前記ポリオール(a1)に含まれるオキシエチレン単位の割合が、前記ポリオール(a1)の合計100質量%中、35質量%以下であることを特徴とする。前記ポリオール(a1)は、1種又は2種以上のポリオールを含んでいてもよい。
オキシエチレン単位(以下「EOユニット」という場合がある。)の割合は、前記ポリオール(a1)100質量%中、35質量%以下であり、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは33質量%以下である。
前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、300以上であり、好ましくは500以上である。
前記オキシエチレン単位及び炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位を有するランダム共重合体(ax-1)(以下、「ランダム共重合体(ax-1)」という場合がある。)は、末端に2つの水酸基を有する鎖状共重合体(好ましくは直鎖状共重合体)であり、オキシエチレン単位及び炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位がランダムに配置したものであればよい。前記ランダム共重合体(ax-1)は、得られる研磨パッドにおいて、ソフトセグメントを形成する。
前記炭素原子数3以上のオキシアルキレン単位としては、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位等の炭素原子数3~4のオキシアルキレン単位が好ましい。
前記ランダム共重合体(ax-1)に含まれるオキシエチレン単位の含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
前記ランダム共重合体(ax-1)の数平均分子量は、好ましくは300~8,000、より好ましくは500~5,000である。
前記ランダム共重合体(ax-1)の含有率は、ポリオール(a1)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
前記ポリオール(a1)は、ポリエーテルポリオール(a1-1)を含む。前記ランダム共重合体(ax-1)は、前記ポリエーテルポリオール(a1-1)に含まれる。前記共重合体(ax-1)の含有率は、ポリエーテルポリオール(a1-1)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。前記ポリエーテルポリオール(a1-1)は、得られる研磨パッドにおいて、ソフトセグメントを形成する。
前記ポリエーテルポリオール(a1-1)としては、環状エーテルの開環重合により得られるポリオキシアルキレンポリオールが挙げられ、開始剤として活性水素原子を有する基を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を用いて得られたものであってもよい。
前記環状エーテルの炭素原子数は、好ましくは2~10、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2~4である。前記環状エーテルに含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。前記環状エーテルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、アルキル化テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記開始剤としては1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水等の活性水素原子を2個有する化合物;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、砂糖(糖類)等の活性水素原子を3個以上有する化合物などが挙げられる。
オキシエチレン単位の割合は、前記ポリエーテルポリオール(a1-1)中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは33質量%以下である。
前記ポリエーテルオール(a1-1)は、水酸基を3以上有するポリエーテルポリオール(ax-2)を含むものであることが好ましい。前記ポリエーテルポリオール(ax-2)は、得られる研磨パッドにおいて、ソフトセグメントを形成しうる。前記ポリエーテルポリオール(ax-2)に含まれるオキシアルキレン単位の炭素原子数(2種以上のオキシアルキレン単位が含まれる場合は、炭素原子数の平均値を意味するものとする。)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、さらに好ましくは3以上4以下、特に好ましくは3である。前記ポリエーテルポリオール(ax-2)に含まれるオキシエチレン単位の含有率は、好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%以下であり、下限は0質量%である。前記ポリエーテルポリオール(ax-2)が有する水酸基の数は、好ましくは3~4、より好ましくは3である。前記ポリエーテルポリオール(ax-2)の数平均分子量は、好ましくは300~8,000、より好ましくは500~5,000である。
前記ポリエーテルポリオール(ax-2)を含む場合、ポリエーテルポリオール(ax-2)の含有率は、ポリエーテルポリオール(a1-1)100質量%中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。また、前記ランダム共重合体(ax-1)及び前記ポリエーテルポリオール(ax-2)の合計の含有率は、ポリオール(a1)100質量%中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
前記ポリエーテルポリオール(a1-1)の数平均分子量は、好ましくは300~8,000、より好ましくは500~5,000である。
前記ポリエーテルポリオール(a1-1)の含有率は、ポリオール(a1)100質量%中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりいっそう好ましくは90質量%以上である。
前記ポリオール(a1)は、前記ポリエーテルポリオール(a1-1)の他に、他のポリオールを含んでいてもよい。前記他のポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、低分子量ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が挙げられ、低分子量ポリオールが好ましい。前記低分子量ポリオールは、得られる研磨パッドにおいて、ハードセグメントを形成しうる。また、前記他のポリオールのうち、低分子量ポリオール以外のポリオールは、得られる研磨パッドにおいて、ソフトセグメントを形成しうる。
前記低分子量ポリオールとしては、分子量300未満であるポリオールのうち1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、3-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、3,5-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール(例えば1,4-シクロヘキサンジメタノール)、シクロヘキサンジオール(例えば1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール)、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン等の脂環式ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の三価以上のポリオールが挙げられる。
前記低分子量ポリオールの量は、前記ポリオール(a1)100質量部中、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下である。
前記ポリエステルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、低分子量のポリオールと、ポリカルボン酸とを反応して得られるポリエステルポリオール;ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記低分子量のポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、分子量が50以上300未満のポリオールが挙げられ、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール等の脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族環を有するポリオールが挙げられる。中でも、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;それらの無水物又はエステル化物等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールは、炭酸及び炭酸エステルと、多価アルコールとをエステル化反応させて得られるものである。前記多価アルコールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリブタジエンポリオールとしては、ポリブタジエンにアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を付加して得られるポリオール等が挙げられる。
ポリアクリルポリオールとしては、アクリル酸エステルとビニル化合物等を共重合して得られるポリオール等が挙げられる。

ポリイソプレンポリオールとしては、ポリイソプレンにアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を付加して得られるポリオール等が挙げられる。
前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、研磨レートの点から、300~8,000であることが好ましく、500~5,000であることがより好ましい。前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を表す。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するポリイソシアネート;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、研磨パッドの高硬度性、及び、研磨レートをより一層向上できることから、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、トルエンジイソシアネート、またはジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、トルエンジイソシアネートが特に好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(a)は、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応物(ウレタン化反応物)である。前記ポリオール(a1)としてポリエーテルポリオール(a1-1)及び低分子量ポリオールが含まれる場合、ポリエーテルポリオール(a1-1)及び低分子量ポリオールと前記ポリイソシアネート(a2)とは、同時に反応させてもよく、まずポリエーテルポリオール(a1-1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させた後、得られた反応物と低分子量ポリオールを反応させてもよい。
前記ポリオール(a1)が有する水酸基と前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基とのモル比(NCO/OH)は、前記ウレタンプレポリマー(a)の粘度を適正なものとし(例えば、注型機で製造する場合で40~90℃で500~2,000mPa・s)、且つスクラッチが少なく、研磨レートに優れる研磨パッドを得る観点から、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは6.5以下、より好ましくは4以下である。
前記モル比(NCO/OH)が大きいほど、ウレタンプレポリマー(a)の粘度を引き下げることができ、研磨パッドの製造において、流量を安定化して混合性を高め、品質を向上しやすくなる。また、前記モル比(NCO/OH)が小さいほど、ウレタンプレポリマー(A)の粘度が高くなり、可使時間を長くすることができる。
前記ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基当量(NCO当量)は、研磨後の被研磨材表面のスクラッチが少なく平滑性に優れた研磨物が得られ、かつ、研磨レート、機械的強度及び研磨パッドのライフにも優れた研磨パッドが得られることから、200~800g/eq.であることが好ましく、250~600g/eq.であることがより好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基当量(NCO当量)は、JIS-K-7301:2003に規定の方法に準拠して、試料を乾燥トルエンに溶解し、過剰のジ-n-ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残存するジ-n-ブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定して求めた値を表す。
前記ウレタンプレポリマー(a)の粘度(80℃)は、好ましくは2,000mPa・s以下、より好ましくは1,500mPa・s以下、さらに好ましくは1,200mPa・s以下であり、例えば300mPa・s以上、さらには400mPa・s以上であってもよい。
前記ウレタンプレポリマー(a)の粘度(80℃)は、温度80℃において、B型粘度計を用いて測定することができる。
前記硬化剤(ii)は、前記ウレタンプレポリマー(a)が有するイソシアネート基と反応する活性水素原子を含有する基([NH]基及び/又は[OH]基)を有する化合物を含有することが好ましい。前記活性水素原子を含有する基を有する化合物としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族又は脂環式アミン化合物;フェニレンジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ポリアミノクロロフェニルメタン化合物等の芳香族アミン化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等の2個以上の水酸基を有する化合物などが挙げられる。
研磨後の被研磨材表面のスクラッチが少なく平滑性に優れた研磨物が得られ、且つ研磨レート、機械的強度及び研磨パッドのライフにも優れた研磨パッドが得られることから、前記硬化剤(ii)及び後述する発泡剤に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の合計モル数と、ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基のモル数との比([前記硬化剤(ii)及び前記発泡剤中のイソシアネート基と反応する基の合計モル数]/[ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基のモル数]。以下、「R値」という場合がある。)は、好ましくは0.7~1.1、より好ましくは0.8~1である。
前記硬化剤(ii)の量は、研磨後の被研磨材表面のスクラッチが少なく平滑性に優れた研磨物が得られ、かつ、研磨レート、機械的強度及び研磨パッドのライフにも優れた研磨パッドが得られることから、前記ウレタンプレポリマー(a)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
本発明で使用するウレタン樹脂組成物は、前記ウレタンプレポリマー(a)を含む主剤(i)、及び、硬化剤(ii)を必須成分として含むものであるが、必要に応じて、さらに、ポリオール(iii)やその他の添加剤(iv)を含んでいてもよい。
前記ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール(iii)は、前記ウレタンプレポリマー(a)を形成するポリオール(a1)と同一であっても異なっていてもよい。前記ポリオール(iii)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、上記環状エーテルの開環重合により得られるポリオキシアルキレンポリオールが挙げられ、開始剤として上記活性水素原子を有する基を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を用いて得られたものであってもよい。
前記ウレタン樹脂組成物にポリオール(iii)を含む場合、ポリオール(iii)の含有量は、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、例えば0.1質量部以上、さらには1質量部以上であってもよく、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
前記その他の添加剤(iv)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、発泡剤(B)、触媒(C)、整泡剤(D)、砥粒、充填剤、顔料、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、可塑剤等が挙げられる。中でも、前記ウレタン樹脂組成物を使用して水発泡法により研磨パッドを得る場合には、前記発泡剤(B)を用いることが好ましい。
前記発泡剤(B)は、少なくとも水を含むことが好ましい。水は、水発泡法における発泡剤の役割を果たすものであり、例えば、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。
水の含有量は、発泡剤(B)100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
前記発泡剤(B)が水の場合、前記発泡剤(B)の含有量は、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。
水以外の発泡剤としては、化学発泡剤や物理発泡剤も使用できる。化学発泡剤としては、有機系のADCA(アゾジカーボンアミド)、DPT(N,N’-ジニトロペンタメチレンテトラミン)、OBSH(4,4’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)や無機系の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組み合わせなどがある。物理発泡剤としては、炭化水素系のシクロペンタンやノルマルペンタンが、フロン系のHFC-245fa、HFC-365mfc、HCFO-1233zd、HFO-1336mzzなどがある。
前記その他の添加剤(iv)は、安定した発泡を形成できることから、触媒(C)を含むことが好ましい。
前記触媒(C)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、N,N-ジメチルアミノエチルエーテル、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N-メチルイミダゾール等の三級アミン触媒;ジオクチルチンジラウレート等の金属触媒などが挙げられる。これらの中では、安定した発泡を成形できることから、三級アミン触媒がこのましく、N,N-ジメチルアミノエチルエーテルがより好ましい。
前記触媒(C)を用いる場合、前記触媒(C)の含有量は、安定した発泡を形成できることから、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
前記整泡剤(D)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製「東レシリコーン SH-193」、「東レシリコーン SH-192」、「東レシリコーン SH-190」等が挙げられる。
前記整泡剤(D)を用いる場合、前記整泡剤(D)の含有量は、微細な気泡を安定的に形成できることから、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
前記ウレタン樹脂組成物を使用して研磨パッドを製造する方法としては、例えば、前記主剤(i)、前記硬化剤(ii)、並びに、必要に応じて用いる前記ポリオール(iii)及びその他の添加剤(iv)を含有するウレタン樹脂組成物を混合し、金型に注入し、発泡、硬化させて発泡成形物を得、次いで、該発泡成形物を型から取り出し、シート状にスライスして製造する方法が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物を混合する方法としては、前記その他の添加剤(iv)を用いる場合、主剤(i)、硬化剤(ii)及び必要に応じて用いるポリオール(iii)のいずれか1種以上と添加剤(iv)とを予め混合しておいてもよく、主剤(i)、硬化剤(ii)及び必要に応じて用いるポリオール(iii)と添加剤(iv)とを同時に混合してもよい。例えば、前記主剤(i)、前記硬化剤(ii)、及び、予め必要に応じて用いるポリオール(iii)と添加剤(iv)との混合液を混合注型機のそれぞれ別々のタンクへ入れて、前記主剤(i)を好ましくは40~80℃に加温し、前記硬化剤(ii)を好ましくは40~120℃に加温し、予め必要に応じて用いるポリオール(iii)と添加剤(iv)との混合液を30~70℃に加温し、それぞれを混合注型機で混合する方法が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物から研磨パッドを製造する方法としては、前記ウレタン樹脂組成物を型内(好ましくは金型内)で発泡硬化させて発泡硬化物を得、さらにアフターキュアを行う方法が挙げられる。必要に応じて、得られた発泡硬化物をさらに成型してもよい。具体的には、前記ウレタン樹脂組成物を前記混合注型機で混合した後、混合注型機からそれぞれの成分を吐出し、得られた混合物を40~120℃に予め加温した金型に注入し、前記金型の蓋を閉め、例えば、50~130℃の温度で10分~10時間、発泡硬化させて発泡硬化物を得る。その後、得られた発泡硬化物を取出し、好ましくは100~120℃で8~20時間の条件にてアフターキュアを行う。このようにして得られた発泡硬化物を本発明の研磨パッドとすることができる。
前記研磨パッドの厚さは、用途に応じて適宜決定されるが、例えば、0.6~3mmの範囲であることが好ましい。
また、前記ウレタン樹脂組成物を使用して研磨パッドを製造する他の方法としては、例えば、前記主剤(i)をガスローディング法により微細気泡を含有させた主剤(i’)(以下、「微細気泡含有主剤(i’)」と略記する。)を得、前記微細気泡含有主剤(i’)、及び、硬化剤(ii)を含有するウレタン組成物を混合し、型内に注入し、硬化させて微細気泡含有成形物を得、次いで、該成形物を型から取り出し、シート状にスライスする方法が挙げられる。
前記主剤(i)から微細気泡含有主剤(i’)を得る方法としては、例えば、前記主剤(i)に対して、窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等の非反応性気体を導入し、機械的に気泡を導入する方法が挙げられる。
前記ウレタン組成物を混合する方法としては、例えば、前記微細気泡含有主剤(i’)、及び、前記硬化剤(ii)を混合注型機のそれぞれ別々のタンクへ入れて、前記微細気泡含有主剤(i’)を好ましくは40~80℃に加温し、前記硬化剤(ii)を好ましくは40~120℃に加温し、それぞれを混合注型機で混合する。
次いで、混合注型機からそれぞれの成分を吐出し、得られた混合物を40~120℃に予め加温した金型に注入し、前記金型の蓋を閉め、例えば、50~130℃の温度で10分~10時間、発泡、硬化させて発泡成形物を得る。その後、得られた発泡成形物を取出し、好ましくは100~120℃で8~20時間の条件にてアフターキュアを行う。
次に、前記発泡成形物を適切な厚さでシート状にスライスすることにより研磨パッドが得られる。スライス後の研磨パッドの厚さは、用途に応じて適宜決定されるが、例えば、0.6~3mmの範囲である。
また、前記ウレタン組成物を使用して研磨パッドを製造する他の方法としては、例えば、前記主剤(i)及び硬化剤(ii)を混合注型機で混合する際、ミキサー部に非反応性気体を導入し混合し、メカニカルフロス状の混合物を型内に注入し、硬化させて発泡成形物を得、次いで、前記発泡成形物を型から取り出し、シート状にスライスするする方法が挙げられる。
さらに、前記ウレタン樹脂組成物を使用して研磨パッドを製造する他の方法としては、例えば、前記主剤(i)または、硬化剤(ii)に直径20~120μmの中空状のプラスチック球体(マイクロバルーン)を含有させておき、主剤、硬化剤の2液を混合し、硬化させて中空プラスチック球体を含有する成形物を得、次いで、シート状にスライスするする方法が挙げられる。
上記本発明の研磨パッドは、研磨レート、耐摩耗性及び加工面の平滑性を両立することが可能であり、液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板、ハードディスク(HDD)用ガラス基板、記録装置用ガラスディスク、光学用レンズ、シリコンウェハ、半導体デバイス等の高度な表面平坦性と面内均一性が要求されるような高い精度の研磨加工に有用である。特に、ビッカース硬度1,500以下の被研磨材の研磨に有用であり、詳細にはシリコンウェハの研磨に有用である。
ビッカース硬度は、押し込み硬さの指標の一種であり、ダイヤモンドでできた剛体(圧子)を披試験物に対し押し込み、そのときにできる圧痕の面積で判断する。試験方法としては、JIS-Z-2244がある。各種被研磨のおおよそのビッカース硬度はおおよそ次のとおりである。
炭化珪素(SiC):2,300~2,500、サファイヤ:2,300、シリコン:1,050、石英ガラス:950、各種ガラス:500~700。
本発明の研磨パッドを用いた研磨方法としては、例えば、シリコンウェハの研磨の場合、研磨パッド上にスラリー(弱塩基性のコロイダルシリカ水溶液)を滴下しつつ、被研磨体をスラリーと馴染んだパッドに加圧圧着させて、パッドを貼り付けた定盤を稼動(回転)させて研磨する方法などが挙げられる(遊離砥粒によるCMP研磨法)。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例において、ポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・グラフィー法(GPC法)により測定した。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:以下のカラム(いずれも東ソー株式会社製)を直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:以下の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
(合成例1:ウレタンプレポリマー(A1)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、ポリオール(a1)としての3官能基性ポリオキシプロピレントリオール(官能基数:3 数平均分子量:1,039)603質量部及びエチレンオキサイド・プロピレンオキサイドランダム共重合体の2官能基性ポリオキシアルキレングリコール(官能基数:2 数平均分子量:3,951 EOユニット量:40%)1,408質量部を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いで、低分子量ポリオールとしてのジエチレングリコール404質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量510g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A1)を得た。
(合成例2:ウレタンプレポリマー(A2)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、ポリオール(a1)としての3官能基性ポリオキシプロピレントリオール(官能基数:3 数平均分子量:1,039)1,034質量部、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドランダム共重合体の2官能基性ポリオキシアルキレングリコール(官能基数:2 数平均分子量:3,951 EOユニット量:40%)1,034質量部を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いで、低分子量ポリオールとしてのジエチレングリコール348質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量510g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A2)を得た。
(比較合成例1:ウレタンプレポリマー(A1’)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、ポリオール(a1)としての3官能基性ポリオキシプロピレントリオール(官能基数:3 数平均分子量:1,039)606質量部、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブロック共重合体の2官能基性ポリオキシアルキレングリコール(官能基数:2 数平均分子量:3,452 EOユニット量:40%)1,413質量部、を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いで、ジエチレングリコール397質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量513g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A1’)を得た。
(比較合成例2:ウレタンプレポリマー(A2’)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、ポリプロピレングリコール(官能基数:3 数平均分子量1,030)510質量部、ポリプロピレングリコール(官能基数:3 数平均分子量3,030)1,530質量部を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いでジエチレングリコール374質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量510g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A2’)を得た。
(比較合成例3:ウレタンプレポリマー(A3’)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドランダム共重合体の2官能基性ポリオキシアルキレングリコール(官能基数:2 数平均分子量:3,951 EOユニット量:40%)1,933質量部を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いでジエチレングリコール482質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量512g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A3’)を得た。
(比較合成例4:ウレタンプレポリマー(A4’)の合成)
窒素導入管、冷却用コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた5リットル4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート(TDI-80)1,585質量部を仕込み、攪拌を開始した。次いで、ポリオキシテトラメチレングリコール(官能基数:2 数平均分子量:1,012)2,101質量部を仕込み混合し、窒素雰囲気下80℃で2時間反応を行った。次いでジエチレングリコール314質量部を発熱に注意しながら2時間反応させ、NCO当量505g/eq.のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A4’)を得た。
表1に得られたウレタンプレポリマー(A1)~(A2)、(A1’)~(A4’)において、ポリオール(a1)中のオキシエチレン単位の含有率(EO含有率)、イソシアネート基当量(NCO当量)及び80℃における粘度を示す。
Figure 0007135581000001
(実施例1:研磨パッド(P1)の製造)
合成例1で得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A1)を80℃に温調し、A液とした。次に、硬化剤(ii)としての3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノフェニルメタン(以下、「MBOCA」と略記する。)を120℃で溶融、温調し、B液とした。
更に、ポリプロピレングリコール(官能基数:3 数平均分子量3,000)100質量部と、イオン交換水8.0質量部、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル0.6質量部とシリコン整泡剤(東レ・ダウコーニング株式会社製「SH-193」)4質量部を十分に攪拌混合したコンパウンドを35℃で温調し、C液とした。
次に、反応容器中にA液を5,540質量部仕込み80℃に温調後、その後35℃のC液を235.4質量部、直ちに120℃のB液を1,030質量部投入して、直ちに高速ミキサーにて20秒間攪拌した。混合されたA液/B液/C液の混合液6,000質量部を60℃に温調した500×500×40mm金型に流し込み、金型の蓋を閉め、60℃で1時間保持した後、インゴット状の発泡成形品を取り出した。更に得られたインゴット状の発泡成形品を100℃で16時間のアフターキュアを行った。
得られたインゴット状の発泡成形品をスライサーで厚さ1.5mmに切り出し、シート状の研磨パッド(P1)を得た。
(実施例2、3、比較例1~3:研磨パッド(P2)、(P’1)~(P’4)の製造)
実施例1で用いたウレタンプレポリマー(A1)に代えて、それぞれ、ウレタンプレポリマー(A2)、(A1’)~(A4’)を表2に示す配合で用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、研磨パッドを得た。
上記の実施例及び比較例で得られた研磨パッドを用いて、下記の評価を行った。評価結果及び研磨パッドに含まれるオキシエチレン単位の含有率(EO含有率)を表2に示す。
[研磨レートの評価方法]
両面テープの片面に実施例及び比較例で得られた研磨パッドを貼付け、両面テープの他方片面に研磨機の定盤を貼付け、以下の装置、条件、計算式で研磨レートを測定した。
研磨機:FAM 18 GPAW(Speed Fam社製 定盤直径=457m 水冷式)
研磨条件:
(パッド前処理) パッド表面に赤色鉛筆で2cm間隔で縦横に描いた線が消えるまで、ダイヤモンドドレッサー(#100)にてドレス処理(パッドの平坦化及び目立て)を行った。給水量200ml/分
(研磨対象)4インチ単結晶シリコンウェハ 厚み:540μm
(貼り付け方法) セラミックブロック/微多孔スウェードパッド(水吸着)シリコンウェハ
(研磨機冷却水) 20℃
(スラリー)コロイダルシリカ溶液 ニッタ・ハース株式会社製「N6501」20倍希釈
(スラリー流量)100ml/分 (循環式)
(定盤回転数)50rpm (連れ回り式)
(研磨圧力)18、30、42kPa
(研磨時間)20分
(研磨レート)研磨前後のポリウレタン研磨パッドの重量差から算出した。
即ち、研磨レート(μm/min)=(研磨前のシリコンウェハの重量(g)-研磨後のシリコンウェハの重量(g))×10,000/(単結晶シリコンの密度(g/cm3)×シリコンウェハの面積(cm2)×研磨時間(min))
単結晶シリコンの密度=2.329g/cm3
シリコンウェハの面積=20.4cm2
[原子間力顕微鏡AFMによるスクラッチ(平滑性)評価方法]
前記の研磨レート評価後のシリコンウェハ(最終研磨条件は、42kPa、20分)の表面をAFMを用いて観察し、平均面粗さ(Ra)を算出した。
機器:SPA300/SPI3800N(株式会社日立ハイテクサイエンス社製)
(測定モード) DFM
(スキャナ) 80μmスキャナ
(カンチレバー) SI-DF20
(測定面積) 5×5μm2
[Wet磨耗性評価方法]
小型卓上研磨に研磨パッドを貼り付け、水を滴下しながらドレッサーにてドレス処理を行なった。尚、予備ずり実施後、本試験を実施した。本試験前後のパッド厚みを厚さ計にて測定しし測定前後の削れた厚みを求めた。
機器:FAM12BS(定盤径:304mm)
ドレッサー:ダイヤペレット付ブロック(#100) 重量:2,950g
(予備ずり) 30分 40rpm
(本試験) 30分 40rpm
Figure 0007135581000002
本発明の実施例1~3の研磨パッドは、研磨レート及び耐摩耗性及び加工面の平滑性を両立することができることが確認された。
それに対して、比較例1は、前記ポリオール(a1)中にランダム共重合体を含まない例であり、比較例1の研磨パッドでは、研磨レート、加工面の平滑性及び耐摩耗性のいずれにおいても劣る結果となることが確認された。比較例2は、前記ポリオール(a1)中にオキシエチレン単位を含まない例であり、比較例2の研磨パッドでは、研磨レート、加工面の平滑性及び耐摩耗性のいずれにおいても劣る結果となることが確認された。比較例3は、オキシエチレン単位が過剰となる例であり、比較例3の研磨パッドでは、研磨時に膨張してしまい、評価自体ができなくなることが確認された。比較例4は、ポリオール(a1)中にオキシエチレン単位を含まない例であり、比較例4の研磨パッドでは、研磨レート及び加工面の平滑性に劣る結果となることが確認された。

Claims (3)

  1. ウレタンプレポリマー(a)を含む主剤(i)と、硬化剤(ii)とを含むウレタン樹脂組成物の発泡硬化物であり、
    前記ウレタンプレポリマー(a)が、ポリオール(a1)及びポリイソシアネート(a2)の反応物であって、末端にイソシアネート基を有するものであり、
    前記ポリオール(a1)が、3官能基性ポリオキシプロピレントリオール、及び、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドランダム共重合体を含み、
    前記ポリオール(a1)中のオキシエチレン単位の割合が、20~28質量%でり、
    前記硬化剤(ii)が、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノフェニルメタンを含むことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記ポリオール(a1)が、3以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを含むものである請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリイソシアネート(a2)が、芳香族ポリイソシアネートであり、前記硬化剤(ii)が、芳香族アミン化合物である請求項1又は2記載の研磨パッド。
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