JP2002194072A - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応槽内で発生するポリブチレンテレフタレ
ート系樹脂の融点で融解しない異物、特に、スケールや
炭化物等の黒色の異物の少ないブチレンテレフタレート
を主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂を、生産
性良く製造するこを提供する。 【解決手段】 テレフタル酸またはその低級アルキルエ
ステルを主成分とする酸成分と、1,4−ブタンジオー
ルを主成分とするジオール成分とからブチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂を
製造する方法において、重縮合反応を行う反応槽の上部
に設置された減圧溜去配管内壁面及び/または該反応槽
内の気相部と接する反応槽内壁面の保温制御温度を、2
60℃以下として重縮合反応を行うブチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステルの製造
方法に関するものであり、特に、ブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下、
「PBT」という。)は、結晶化速度が大きく成形特性
に優れており、機械的特性や電気的特性にも優れている
ため、射出成形用のエンジアリングプラスチックとして
広く用いられてきた。溶融重合で製造されるPBTベー
スレジンには、しばしば、反応槽内で発生するスケール
や炭化物等の黒色異物や、高融点化物等の白灰色異物が
混入している。こうような異物は、溶融成型時にも固形
物として残り、流動性を妨げたり、成型品の外観を損ね
るため、より少なくすることが要望されていた。ここで
いう異物とは、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の溶
融温度で融解しない性質を有しているもので、その発生
状況としては、例えば、外部熱交換器が反応槽に設置さ
れている反応槽の場合、反応液の温度を反応を良好に進
行させる温度までに加熱したり、又は、冷却したりする
ことにより、重縮合反応槽上部の内壁面や減圧溜出配管
内壁面に、飛散した反応液や同伴溜去などにより付着し
た反応液が、加熱され炭化などの変質を生じ、黒色異物
となったり、また、冷却により固化した後、変質を生じ
異物となったりしたものが反応を重ねていく間に、変質
が進行し、内壁面に滞積され、しばしば、反応液中に落
下して樹脂中に混入し、ポリマー溶融温度では融解しな
いために異物として問題を生じていると推測される。
【0003】現状、これらの滞積された異物を除去する
ためには、反応槽内を機械的に、または、化学的に清掃
するこにより除去しているが、一定期間経つと再び蓄積
されるため、頻繁に除去を行うことは生産性を悪くする
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みてなされたもので、生産性良く、製品中に樹脂の
溶融使用温度で不溶な異物の少ないブチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂を製
造する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、テ
レフタル酸またはその低級アルキルエステルを主成分と
する酸成分と、1,4−ブタンジオールを主成分とする
ジオール成分とからブチレンテレフタレートを主たる繰
り返し単位とするポリエステル樹脂を製造する方法にお
いて、重縮合反応を行う反応槽の上部に設置された減圧
溜去配管内壁面及び/または反応槽内の気相部と接する
反応槽内壁面の保温制御温度を、260℃以下として重
縮合反応を行うブチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステル樹脂の製造方法に関する。
【0006】また、請求項2は、保温制御する反応槽内
壁面が反応槽内の気相部と接し、かつ、反応槽の減圧溜
去配管が設置された周辺部の反応槽内壁面である請求項
1に記載のポリエステル樹脂の製造方法に関する。更
に、請求項3は、保温制御温度が260℃以下で、かつ
得られるポリエステル樹脂の融点以上で重縮合反応を行
う請求項1または2に記載のポリエステル樹脂の製造方
法に関する。
【0007】ついで、請求項4は保温制御温度が260
℃以下の一定温度で行う請求項1ないし3のいずれか1
項に記載のポリエステル樹脂の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるブチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂
は、テレフタル酸またはその低級アルキルエステルを主
成分とする酸成分と、1,4−ブタンジオールを主成分
とするジオール成分とから製造される。テレフタル酸ま
たはその低級アルキルエステル以外の酸成分としてはイ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4
−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,
4−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはこれ
らの低級アルキルエステルや、セバシン酸、アジピン
酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらの
低級アルキルエステル等が挙げられる。低級アルキルエ
ステルとは、炭素数1〜4程度のアルキルエステルをい
う。
【0009】1,4−ブタンジオールを主成分とするジ
オール成分以外のジオール成分としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール及びポリテトラメチ
レングリコール等が挙げられる。また、これらの他にオ
キシ酸成分などのエステル交換能を有する多官能性モノ
マーも使用できる。具体的には、例えば、pーヒドロキ
シ安息香酸、mーヒドロキシ安息香酸及び6−ヒドロキ
シー2ーナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
【0010】テレフタル酸またはその低級アルコールエ
ステルを主成分とする酸成分と、1,4−ブタンジオー
ルを主成分とするジオール成分以外の前記成分は、それ
ぞれ、10モル部以下の範囲で共重合されていてもよ
い。本発明におけるポリエステル樹脂の製造方法は、従
来公知の製造方法で製造することができる。まず、前記
した原料をエステル化またはエステル交換反応槽に供給
し、触媒の存在下、エステル化反応またはエステル交換
反応を経てオリゴマーを製造し、さらに重縮合反応する
ことによって行われる。エステル化反応またはエステル
交換反応に使用する触媒としては、チタン化合物が使用
される。具体的なチタン化合物としては、チタンアルコ
ラート、及びチタンフェノラート等が挙げられる。
【0011】チタンアルコラートとしては、具体的には
テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネー
ト及びテトラメチルチタネート等が挙げられる。エステ
ル化反応の際には、チタン化合物以外の触媒を併用して
も良く、ブチルチンヒドロキシオキサイド等のスズ化合
物等も併用することもできる。触媒としてテトラブチル
チタネートを添加する場合は、理論ポリマー量に対して
チタンの金属換算量で300ppm以下、好ましくは3
0〜200ppmである。
【0012】重縮合反応においての触媒の添加は、エス
テル化反応またはエステル交換反応に添加する触媒の他
に追加添加しない、または、新たに触媒を追加添加する
のどちらでもよい。追加添加する場合は、前述のエステ
ル化反応またはエステル交換反応で使用する触媒と同じ
触媒を使用することができ、その他に、マグネシウム化
合物、アンチモン化合物及びゲルマニウム化合物等が使
用できる。このうちチタン化合物が好ましい。
【0013】例えば、重縮合反応でテトラブチルチタネ
ートを追加添加する場合は、ポリマーに対してチタンの
金属換算量で300ppm以下、好ましくは150pp
m以下で使用することができる。本発明の製造方法にお
いて、触媒の他に反応助剤、離型剤、抗酸化剤などの他
の添加剤を少量添加してもよい。反応助剤の具体的な例
としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸及びそのエス
テル類や金属塩等のリン化合物、水酸化ナトリウム、安
息香酸ナトリウム及び酢酸カルシウム等のアルカリ金属
化合物またはアルカリ土類金属化合物、酢酸マグネシウ
ム等のマグネシウム化合物等が挙げられる。
【0014】離型剤の具体的な例としては、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、分子量50
0〜4000の低分子量ポリエチレンワックス、モンタ
ン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸及び
そのエステル、シリコーンオイル等が挙げられる。抗酸
化剤の具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−
4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラ
キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]等のヒンダードフェノール
化合物、ジラウリル−3,3’−チオ−ジプロピオネー
ト、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチ
オプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェ
ニルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファ
イト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト等のリン化合物等が挙げられる。
【0015】本発明の製造方法のエステル化反応または
エステル交換反応に使用される反応槽としては、例え
ば、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流型混合槽及び塔型
連続反応槽等が挙げられ、これら反応槽の1槽、また
は、2槽以上を直列に組み合わせて使用しても良い。ま
た、重縮合反応槽としては、例えば、縦型攪拌重合槽、
薄膜蒸発式重合槽及び横型攪拌重合槽等が挙げられ、こ
れら反応槽の1槽、または、2槽以上を直列に組み合わ
せて使用してもよい。
【0016】本発明の製造方法は回分式または連続式の
何れでもよく、エステル化反応またはエステル交換反応
を連続式とし、重縮合反応を回分式とする方法や重縮反
応合を半連続式、または、連続式とするなど何れの組み
合わせで行っても良い。前記のエステル化反応またはエ
ステル交換反応に使用する反応槽と重縮合反応槽を、そ
れぞれ複数槽を用いてポリエステル樹脂を製造する場合
は、これらを配管で直列に接続し、1つの系列とするこ
とも、1つの反応槽から複数の反応槽に配管を接続し、
系列を分岐させた装置とすることもできる。
【0017】本発明の減圧重縮合反応に使用される反応
槽は、反応槽の上部に減圧重縮合反応により溜去される
1,4ーブタンジオールを主体とする発生ガスを、真空
ポンプ及びエジェクター等の減圧装置により反応槽外へ
溜去するため配管である減圧溜去配管が設置されてお
り、反応槽の外壁部には保温のための制御可能な設備を
備え、内壁面はステンレス等の反応液に耐える材質であ
るものが使用できる。
【0018】減圧溜去配管内壁面及び反応槽内壁面の保
温制御可能な設備としては、従来公知の設備が使用でき
る。例えば、減圧溜出配管と反応槽全体との保温制御が
別々にできるもの、このうち、反応槽の保温制御は、反
応液と接する内壁面と、反応により反応液が発泡現象を
起こしている気泡部と接する内壁面、そして気泡部の上
部の気相部と接する内壁面の三つの保温制御がそれぞれ
独立に制御できるもの、反応液と接する内壁面と気泡部
及び気相部に接する内壁面の二つの保温制御がそれぞれ
独立に制御できるもの等が挙げられる。
【0019】保温制御用装置としては、熱媒ジャケット
式、外部コイル式、電気ヒータ式等が使用できる。ま
た、反応液の加熱装置としては、内部熱交換器、ジャケ
ット式外部熱交換器、または配管による外部熱交換器等
が使用できる。エステル化反応またはエステル交換反応
に使用する反応槽も同様な保温制御設備を具備した装置
が使用できる。本発明において、エステル化反応または
エステル交換反応は、従来公知の方法で行うことがで
き、例えば、圧力としては0.01〜0.3MPaの窒
素雰囲気にて、反応液温度150〜280℃の範囲で行
われる。この内、180〜265℃の範囲で、2〜5時
間で行われのが好ましい。
【0020】本発明の重縮合反応も従来公知の方法で行
うことができ、例えば、圧力としては1500Pa以下
の窒素雰囲気で、反応液温度230〜280℃の範囲で
1〜5時間程度行われるのが好ましい。2槽式回分反応
を例に説明すると、例えば、エステル化反応またはエス
テル交換反応が終わった液を重縮合反応槽に移送して、
重縮合反応の反応液温度の温度に達するまで、必要な熱
量を供給する必要がある。例えば、熱媒体を使用する場
合は260℃を超える熱媒体を使用して行う。また、重
縮合反応が進行して発熱状態になり反応液の温度が上昇
する傾向になった場合は、反応液の温度を一定に保つよ
うに熱媒体の温度を下げて制御するように反応を行う。
【0021】この重縮合反応を行う際、重縮合反応を行
う反応槽の上部に設置された減圧溜去配管内壁面及び/
または反応槽内の気相部と接する反応槽内壁面の保温制
御温度を260℃以下として重縮合反応を行うことが必
要である。このような条件で反応を行うためには、前記
した設備を有した反応槽を用い、また、ジャケット式の
場合は熱媒体の温度も前記した条件を満たす温度になる
ように制御して重縮合反応を行えばよい。
【0022】減圧溜去配管内壁面及び/または反応槽内
の気相部と接する反応槽内壁面の保温制御温度が260
℃以下であれば、例えば、ジャケット式により熱媒体を
使用して保温制御を行う場合は、反応液の内壁面の保温
制御に使用する温度の熱媒体と同じ熱媒体を使用して行
うこともできるが、反応液の温度制御は変動する場合が
あるので、減圧溜去配管内壁面及び/または反応槽内の
気相部と接する反応槽内壁面の保温制御は、別々に行う
方が好ましい。
【0023】本発明において、保温される反応槽内壁の
材質が金属で、かつ保温のための制御可能な設備が熱媒
を使用したジャケット式の場合は、熱媒温度と反応槽内
壁面温度とは同じ温度として扱うこととする。ここで、
反応により反応液が発泡現象を起こしている気泡部と接
する部分の内壁面の保温制御は、反応液と接する内壁面
と同じ保温制御でも、気相部と接する内壁面と同じ保温
制御でもよいし、また設備上気泡部の真中位を境にして
一方は反応液と接する内壁面と同じ、他方は気相部と接
する内壁面と同じと保温制御してもよい。
【0024】本発明においては、減圧溜去配管内壁面及
び/または反応槽内の気相部と接する反応槽内壁面の保
温制御温度を260℃以下に制御して反応を行うことに
より、反応槽の内壁に付着する付着物の加熱による変質
を抑制できる。減圧溜去配管内壁面と反応槽内の気相部
と接する反応槽内壁面の両部分が260℃以下であるの
が好ましい。反応槽内の気相部と接する反応槽内壁面の
保温制御は、気相部全体である方が好ましく、気相部の
減圧溜出配管が設置された周辺部の反応槽内壁面の部分
は特に重要である。
【0025】また、保温制御温度が260℃以下で、か
つ得られるポリエステル樹脂の融点以上であると、付着
物の加熱による変質を抑制できるのみではなく、反応液
が冷却固化して付着するのも抑制できるので、より好ま
しい。しかし、冷却固化による付着の抑制は、例えば、
反応液面から反応槽の天井面までが十分高いなど反応槽
自体の構造によっても防止することができる。更には、
保温制御温度は、反応間中、温度を変更することなく一
定温度で行うことがより好ましい。ここで、一定温度と
は設定温度±5℃以内の温度で制御することまでが含ま
れる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお、異物量、固有粘度及び樹脂の融点
は、以下の通り測定した。 〈異物量〉実施例及び比較例の201〜230回目の3
0回の回分反応により得られた樹脂の、それぞれの回で
得られた平均ペレット重量24(mg/個)となる長さ
2.5〜3mmの円筒形ペレット200gを用い、目視
にてペレット表面の0.1mm以上の黒色異物を数え
て、一回あたりの平均数で示した。
【0027】〈固有粘度(IV)〉フェノール/テトラ
クロロエタン(1:1重量比)中、30℃においてウベ
ローデ粘度計を用いて測定した溶液粘度から求めた。 〈樹脂の融点〉示差走査型熱量計(パーキンエルマー製
DSC7)を使用し、実施例及び比較例の230回目の
反応で得られた樹脂を30℃より昇温速度 20℃/m
inで280℃まで昇温し、3分間280℃で保持した
後、20℃/minで降温する際に、生じる熱量のピー
ク最大点の温度とした。
【0028】実施例1 1槽のステンレス製のエステル交換反応槽と、1槽の反
応槽内壁面の材質がステンレスで、反応槽の気泡部から
下部の反応液の接する反応槽内壁面と、気相部が接する
反応槽内壁面、更には反応槽の上部に設置された減圧溜
去配管のそれぞれがジャケット式加熱方式により独立に
制御可能である重縮合反応槽を有する回分式反応装置を
用いて反応を行った。
【0029】エステル交換反応槽にジメチルテレフタレ
ート194重量部と1,4−ブタンジオール108重量
部に、テトラブチルチタネート 0.094重量部を触
媒として、0.105MPaの窒素雰囲気で、215℃
まで昇温しエステル交換反応を行った後、0.062重
量部のテトラブチルチタネートを追加添加し、重縮合反
応槽に移送した後、150Paまで1.2時間かけて減
圧し150Paで保持すると共に、反応槽の気泡部から
下部の反応液の接する反応槽内壁面を保温制御する加熱
媒体を、反応液が245℃になるまで280℃の熱媒体
を循環させて反応液を昇温させ、反応が進み反応液の温
度が上昇してきたら、反応液の温度を245℃に維持す
るように、熱媒温度を制御し、樹脂の固有粘度が0.7
5dl/g以上となるまで反応を行いポリブチレンテレ
フタレート樹脂を製造した。反応中、重縮合反応槽の気
相部が接する反応槽内壁面、及び反応槽の上部に設置さ
れた減圧溜去配管を保温するジャケット内の熱媒温度は
245℃とした。同様な回分式反応を連続230回繰り
返して行った。
【0030】得られたポリブチレンテレフタレート樹脂
を前記した異物量の評価を行った結果、黒色異物数は、
0.02個/回 であった。また、前記した方法により
測定した樹脂の融点は、226℃であった。 実施例2 実施例1において、反応中の、重縮合反応槽の気相部が
接する反応槽内壁面、及び反応槽の上部に設置された減
圧溜去配管を保温するジャケット内の熱媒温度は260
℃として反応を行った他は、同様にポリブチレンテレフ
タレート樹脂を製造した。
【0031】得られたポリブチレンテレフタレート樹脂
を前記した異物量の評価を行った結果、黒色異物数は、
0.05個/回 であった。また、前記した方法により
測定した樹脂の融点は226℃であった。 比較例1 実施例1において、反応中の、重縮合反応槽の気相部が
接する反応槽内壁面、及び反応槽の上部に設置された減
圧溜去配管を保温するジャケット内の熱媒温度は275
℃として反応を行った他は、同様にポリブチレンテレフ
タレート樹脂を製造した。得られたポリブチレンテレフ
タレート樹脂を前記した異物量の評価を行った結果、黒
色異物数は、0.9個/回 であった。また、前記した
方法により測定した樹脂の融点は、226℃であった。
【0032】比較例2 実施例1において、反応中の、重縮合反応槽の気相部が
接する反応槽内壁面、及び反応槽の上部に設置された減
圧溜去配管を保温するジャケット内の熱媒温度は300
℃として反応を行った他は、同様にポリブチレンテレフ
タレート樹脂を製造した。
【0033】得られたポリブチレンテレフタレート樹脂
を前記した異物量の評価を行った結果、黒色異物数は、
1.1個/回 であった。また、前記した方法により測
定した樹脂の融点は226℃であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、反応槽内で
発生するポリブチレンテレフタレート系樹脂の融点で融
解しない異物、特に、スケールや炭化物等の黒色の異物
の少ないブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位
とするポリエステル樹脂を、生産性良く製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 光一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 上南 善生 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC02 AE01 BA02 BA03 BA08 BD06A CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC06A CF14 HA01 HA03A HB01 KD01 LA01 LA02 LB02 LB07 LB08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはその低級アルキルエ
    ステルを主成分とする酸成分と、1,4−ブタンジオー
    ルを主成分とするジオール成分とからブチレンテレフタ
    レートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂を
    製造する方法において、重縮合反応を行う反応槽の上部
    に設置された減圧溜去配管内壁面及び/または該反応槽
    内の気相部と接する反応槽内壁面の保温制御温度を、2
    60℃以下として重縮合反応を行うことを特徴とするブ
    チレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリ
    エステル樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 保温制御する反応槽内壁面が反応槽内の
    気相部と接し、かつ、反応槽の減圧溜去配管が設置され
    た周辺部の反応槽内壁面であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 保温制御温度が260℃以下で、かつ、
    得られるポリエステル樹脂の融点以上で重縮合反応を行
    うことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエス
    テル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 保温制御温度が260℃以下の一定温度
    で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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